第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

 当事業年度におけるわが国経済は、政府や日銀による景気対策を背景に、企業収益・雇用・所得環境の改善が見られたことで緩やかな回復基調をたどりましたが、消費マインドの低下により個人消費が伸び悩む状態が続きました。一方、世界的には、米国経済は堅調に推移しているものの、中国経済の減速や中東情勢の悪化などの不安定要因もあり、景気の下振れリスクが残る先行き不透明な状況が続きました。また、地方財政は、総務省発表の「地方財政の状況」(平成28年3月発表)によれば、平成26年度の歳入は102兆835億円(前年比1.0%増)、歳出は98兆5,228億円(同1.1%増)となっており、歳入の増加が歳出の増加を上回る結果となりました。これは、法人関係二税や地方消費税の増等による地方税の増加及び地方法人特別譲与税の増等による地方譲与税の増加が、前年度の国の経済対策の影響、普通建設事業費支出金の減等による国庫支出金の減少を上回ったこと等による歳入の増加に対して、臨時福祉給付金、子育て世帯臨時特例給付金の増等による扶助費及び普通建設事業費の増加が、商工費の減等による貸付金の減少を上回ったこと等による歳出の増加が小さかったことによるものです。また、歳入のうち、当社の行う財源確保支援サービスに関連する財産収入は、6,339億円(同3.0%増)となりました。一方で、歳出のうち、自治体の広報印刷物の外注作成費に関連する需用費は、1兆7,246億円(同1.4%増)となりました

 当社を取り巻く広告業界におきましては、景気が足踏み状態であったものの、前年実績を上回る結果となりました。経済産業省発表の「特定サービス産業動態統計調査」(平成28年3月発表)によれば、平成27年の我が国における広告業の売上高は5兆9,239億円(同2.7%増)となっており、6年連続の増加となっております。これは、ミラノ万博、企業業績の大幅な伸長、所得増への期待があったものの、前年の消費増税前の駆け込み需要やソチオリンピック2014、2014FIFAワールドカップブラジル大会開催に伴う反動減、海外経済の景気減速や個人消費の伸び悩みなどにより成長が緩やかとなったためです。業務種類別では、「交通広告」(同0.6%増)、「海外広告」(同0.6%増)、「SP・PR・催事企画」(同6.5%増)、「インターネット広告」(同14.3%増)、「その他」(同7.9%増)が増加した一方、「4媒体広告(新聞、雑誌、テレビ、ラジオ)」(同3.0%減)、「屋外広告」(同1.4%減)、「折込み・ダイレクトメール」(同1.7%減)が減少しております。

 このような環境の中で、当社は、企業理念たる「自治体を通じて人々に新たな価値を提供」すべく、ターゲットである自治体の媒体における広告市場(自治体広告市場)においてマーケット・シェアを高めるための施策として、引き続き全国的に財源確保支援サービスの展開を図り、その網羅性を高めて参りました。特に、自治体の配布する冊子を当社にて作成し、寄贈するMCサービスの展開を拡大いたしました。

  この結果、売上高は1,592,336千円(前期比39.4%増)、営業利益は145,345千円(同159.1%増)、経常利益は146,730千円(同105.9%増)、当期純利益は92,370千円(同94.1%増)となりました。

 なお、当社は、PPS事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。

 

(2)キャッシュ・フロー

  当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、投資活動により14,048千円減少したものの、営業活動及び財務活動によりそれぞれ36,442千円及び211,156千円増加したため、前事業年度末に比べ233,550千円増加し、当事業年度末には、540,031千円となりました。

 当事業年度中に係る区分ごとのキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりです。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

  営業活動の結果得られた資金は、36,442千円(前期は得られた資金64,331千円)となりました。これは主に、税引前当期純利益146,730千円の計上、仕入債務の増加34,346千円があった一方で、売上債権の増加75,501千円、たな卸資産の増加39,979千円、法人税等の支払44,357千円があったことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

  投資活動の結果使用した資金は、14,048千円(前期は得られた資金4,257千円)となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出8,925千円、敷金及び保証金の差入による支出5,138千円、投資有価証券の取得による支出2,454千円があった一方で、敷金及び保証金の戻入による収入2,420千円があったことによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

  財務活動の結果得られた資金は、211,156千円(前期は支出した資金4,353千円)となりました。これは主に、株式の発行による収入233,943千円があった一方で、長期借入金の返済による支出20,604千円があったことによるものであります。

 

 

2【生産、受注及び販売の状況】

 当社の事業セグメントは、PPS事業の単一セグメントであるため、サービス別に記載しております。なお、営業活動支援サービス及び情報プラットフォームサービスについては、「その他」にまとめて記載しております。

(1)生産実績

 当社は生産実績を定義することが困難であるため、記載を省略しております。

 

(2)仕入実績

 当事業年度における仕入実績は、次のとおりであります。

サービスの名称

当事業年度

(自 平成27年7月1日

至 平成28年6月30日)

前期比(%)

財源確保支援サービス

 

 

 

DSサービス

(千円)

977,740

4.3

MCサービス

(千円)

小計

(千円)

977,740

4.3

その他

(千円)

合計

(千円)

977,740

4.3

 (注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(3)受注実績

 当社は受注生産が僅少であるため、記載を省略しております。

 

(4)販売実績

 当事業年度における販売実績は、次のとおりであります。

サービスの名称

当事業年度

(自 平成27年7月1日

至 平成28年6月30日)

前期比(%)

財源確保支援サービス

 

 

 

DSサービス

(千円)

1,392,301

28.8

MCサービス

(千円)

189,227

221.0

小計

(千円)

1,581,529

38.8

その他

(千円)

10,807

315.7

合計

(千円)

1,592,336

39.4

 (注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

3【対処すべき課題】

  財源確保支援サービスにおいては、平成28年6月末現在340自治体との契約を獲得しています。しかしながら、自治体の総数が1,963(都道府県、市町村、東京都の特別区部、政令指定都市の行政区の合計数(平成28年6月末現在))に及ぶ中で、17.3%程度にとどまっており、今後はシェアの拡大を加速化させることが課題であると考えております。また、近年においては直面する人口減少などの構造的な課題に対処するため、「まち・ひと・しごと創生本部」の創設や新たな助成金の交付など、国も地方創生と銘打って自治体の活性化支援を今まで以上に強力に行う姿勢を見せており、自治体においても地域特性を活かした主体的な取り組みが活発化しています。こうした環境は、当社においても収益源を獲得するビジネスチャンスと認識しております。既存事業にかかるシェア拡大の加速化、新事業の開発等を成し遂げるためには、以下の課題への対処が必要であると考えております。

 

(1)DSサービスの拡大と収益性向上

 実際に遊休スペースをメディアに見立て広告事業の実施を行っている自治体は約7割に及んでおり、普及という点ではかなりの進捗があります。しかしながら、その大半はHPバナーと広報紙を媒体としたものにとどまっており、今後さらに同市場が拡大するためには媒体種別の多様化や収益性向上による広告事業のさらなる導入拡大が重要になると考えています。

 これを実現するために、取引自治体数の拡大と取り扱う媒体種別の拡充に加えて、現在IT技術を取り入れることで、たとえ小さな遊休スペースであってもニーズがあれば即時に媒体化できるサービスの仕組みづくり(自治体広告のマッチングプラットフォーム(注1)の開発によるIT化を通じた自治体媒体のマーケットプレイス(注2)実現)に着手しており、収益性向上による小規模自治体への広告事業の導入拡大を図っております。これを含めまだ広告事業の実施が定着していない潜在的な遊休スペースの開発が必要であると考えており、こうした未開拓の遊休スペースを早期に発掘し、広告枠として活用していくことが課題であると考えております。

(注)1.継続的に更新される商材データベースを元に受注を自動化するシステム。

2.インターネット上に存在する物について売り手と買い手が自由に参加できる電子商取引による取引市場。

 

(2)MCサービスの媒体の拡大と制作体制の強化

 現在当社のMCサービスにおける主力メディア・コンテンツは「子育て情報冊子」ですが、これは従来からある母子健康手帳だけでは、昨今起こっている乳児家庭の孤立化、乳児の健全な育成環境の確保という問題に対処しきれないため、厚生労働省が実施する「乳児家庭全戸訪問事業(こんにちは赤ちゃん事業)」という政策推進を背景に、自治体への提案を経てリデザインされたメディア・コンテンツです。これ以外にも、国が進めている政策に関連して、防災に関するもの、空き家対策に関するもの、介護に関するもの、予防医療の推進に関するものなどがあり、今後MCサービスは一層広告媒体の拡大という多様性への対応が必要であると考えております。

 当社においては、このようなニーズに対応可能な制作体制の確保が課題であると同時に、自治体の予算執行の観点から同時期に作業が集中する傾向が強いため、これに柔軟に対応できる体制へ制作体制を強化することが課題であると考えております。

 

(3)情報プラットフォームの双方向性確保

 当社の情報プラットフォームサービスは地域住民向け自治体コンテンツのキュレーションサービスを基本とし、ユーザー目線で再編集することで、自治体コンテンツの横断的な検索・閲覧が可能となっています。しかしながら、情報発信と整理のみにとどまっている現状は地域住民と自治体とのコミュニケーションの確保という点では一方通行の状態でしかありません。今後、この情報プラットフォームを通じて、地域住民が具体的なアクションを同一画面上で可能とするソリューションプラットフォーム(双方向プラットフォーム)に進化させることが、同サービスの課題であると考えております。

 

(4)新規事業への挑戦

 PPS事業は行政政策の変化に直接的に影響を受け、誕生・発展してきたと言えます。その中で当社が今後独自の成長を果たすためには、PPS事業のリーディングカンパニーとして、行政政策等自治体を取り巻く環境の変化への機敏な対応を軸に、自治体との取引実績、ノウハウ、営業力の有効活用、ITによる効率的な事業化への取り組み等を行い、自治体の自主財源確保に繋がる新たなサービスを開発していくことが重要であると考えております。

 

(5)優秀な人材の確保及び育成

 今後、当社が持続的に成長していくためには、組織において中核的な役割を担う人材の確保と育成が課題であると認識しております。この課題に対処するために、当社の企業理念に意志の合致した人材の採用を進めるとともに、モチベーションの向上につながる教育制度の構築に積極的に取り組んでまいります。

 

(6)経営管理体制の強化

 事業の成長や業容の拡大に伴い、経営管理体制のさらなる充実・強化が課題であると認識しております。現状、経営の意思決定や社内手続等が適正に行われるようガバナンスの強化に努め、コンプライアンスや適時開示体制を重視した経営管理体制の構築を行っておりますが、安定したサービスを世の中に提供し、企業価値を継続的に向上させるとともに、組織が健全かつ有効、効率的に運営されるように、事業規模に応じた内部統制の整備、強化、見直しや法令遵守の徹底に努めてまいります。

 

4【事業等のリスク】

 本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のあると考えられる事項を記載しております。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項につきましても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項につきましては、投資者に対する積極的な情報開示の観点から記載しております。

 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであり、将来において発生の可能性がある全てのリスクを網羅するものではありません。

(1)事業内容に由来するリスク

① 業容拡大のための人員確保について

 当社は自治体との取引及び営業網の拡大に合わせ、営業員の積極的な採用を行い、組織体制の強化を図っていく方針であります。

 当社では、OJT制度による人材育成やモチベーション向上のためご近所手当(会社の近隣居住者に対する手当を支給する制度)、目標管理制度による人事考課、出産祝金、資格支援等ユニークな人事・福利厚生制度の充実を行っております。しかし、今後、安定した人材の確保が行えない場合や、当社人員計画と大幅に乖離した場合には、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② わが国の人口動態に係るリスクについて

 自治体が所有する媒体の価値は、各自治体における人口と密接に関連しております。しかしながら、わが国の合計特殊出生率は、1960年代後半以降減少傾向にあり、極めて低い水準にあります。

 今後、人口の減少に伴い、媒体の利用者が減少することになれば、当社が取扱う広告枠の価値が低下し、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 競合について

 現在、契約する自治体数、取り扱う媒体数の観点から、当社と同規模以上にDSサービスについての事業展開をしている企業は存在しないものと認識しております。

 当社は、今後においてもPPS事業の規模拡大を背景に、サービスの拡充を図ることにより、マーケット・シェアの一層の向上を推進していく方針でありますが、大手企業の新規参入や地域ごとの同業者における事業規模拡大等により、マーケット・シェアの獲得競争が激化した場合には、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 入札(商品仕入)に係るリスクについて

 当社の行うDSサービスにおいて販売する広告枠の大部分は、自治体における入札により仕入れております。当社は適正な媒体価値の把握とノウハウ・営業力により、適切な応札価格(入札に応じる金額)で商品仕入を行うよう最善の努力を行っております。

 しかしながら、媒体価値の見誤り等による高い金額での落札により、売上原価が上昇するリスクがあります。また、他社による高い金額の応札、自治体による最低落札価格の引上げ等外部環境の変化により、十分に商品仕入を行えなくなるリスクがあります。これにより、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ 商品特性に固有のリスク(在庫リスク)について

 当社の行うDSサービスにおいて販売する広告枠の大部分は、暦年度(4月から翌年3月)を一括の期間とし、12か月分を自治体から在庫リスクを負担する形で仕入れており、これを一定の単位に区切って広告主に販売しております。そのため、販売実績が計画から大幅に乖離した場合に、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥ 成長性と新規事業について

 当社の行うMCサービスは、スタートしてまだ3年程度であり、DSサービスに比べてまだ規模は小さいものであります。また、日本の自治体数は2016年6月現在1,963であり、未着手の自治体が多くあるものの、その数には限りがあります。現在は子育て分野がMCサービスの9割以上を占めておりますが、介護関連分野、空き家対策に関する分野、防災関連分野など子育て以外の分野へのMCサービスの展開も行っており、今後も当面の成長性は確保できる見込みであるものの、継続的に成長を果たすためには、MCサービスの新規分野への積極的な推進や新規事業展開等を図っていく必要があります。

 しかしながら、事業計画の立案や実施に何らかの支障が生じ、これらが実現できない場合、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦ 業績の季節変動による影響について

 当社の四半期における業績は、第4四半期において、売上高及び営業利益が偏重する傾向にあります。

 これは、MCサービスの子育て情報冊子等の発行が3月から6月に集中する傾向にあるためであります。

 当社は、当該季節的要因を踏まえた受注計画及び制作計画を策定し、発行の増加が見込まれる時期の売上の確保に努めておりますが、何らかの事情により計画どおりの受注及び制作が行えなかった場合には、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

第23期事業年度(自 平成27年7月1日 至 平成28年6月30日)

 

第1四半期

第2四半期

第3四半期

第4四半期

通期

売上高(千円)

354,756

346,801

385,863

504,915

1,592,336

構成比(%)

22.3

21.8

24.2

31.7

100.0

営業利益(千円)

22,451

3,087

20,055

99,750

145,345

構成比(%)

15.5

2.1

13.8

68.6

100.0

 

(2)法的規制に関するリスク

① PPS事業に関する法的規制について

 当社が行うPPS事業では、主に以下に掲げる法律等の規制を受けております。

a.特定商取引に関する法律

・電話勧誘販売における一定の事項に関する規制、禁止行為等の遵守が求められております。

b.不当景品類及び不当表示防止法

・商品及び役務の取引に関連する不当な景品類及び表示による顧客の誘引を防止するため、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれのある行為の制限及び禁止が求められております。

 当社は、上記法的規制の遵守を徹底しておりますが、法律に抵触する事項があった場合には、行政処分の対象となることがあり、その場合、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 個人情報の漏洩リスクについて

 当社は、顧客の個人情報を取り扱っており、「個人情報の保護に関する法律」に規定される個人情報取扱事業者に該当いたします。個人情報の取り扱いにつきましては、個人情報保護基本規程の整備・運用等厳重な対策を講じています。また、個人情報の適切な保護措置を講ずる体制の構築・維持の一環として、プライバシーマーク(第18860140(02)号)、及びISMS(ISO 27001:2013)の認定を受け、個人情報の適切な取扱いに努めております。

 しかしながら、万一個人情報が外部に流出した場合には、当社の社会的信用が毀損され企業イメージの低下を招くなど、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、損害賠償請求等、不測の損害が生じる可能性もあります。

 

(3)その他のリスク

① 風評の影響について

 当社が取扱う広告枠は、全国の自治体から仕入れております。そのため、何らかのリスクが顕在化し、風評の影響等により自治体との取引を制限された場合、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 特定経営者への依存について

 当社代表取締役社長である時津孝康は当社の経営方針や事業戦略の立案・決定における中枢として重要な役割を果たしております。

 当社では、同氏に過度に依存しないための組織体制として、経営組織の強化を図っておりますが、当面の間は同氏への依存度が高い状態で推移するものと考えております。このような状況において、同氏の事業への関与が困難となった場合には、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 小規模組織であることについて

 当社は、当事業年度末現在、取締役5名(うち社外取締役1名)、監査役3名(うち非常勤監査役2名)、従業員数79名(臨時雇用者を除く)の人員数で事業を展開しており、会社の規模に応じた内部管理体制や業務執行体制を整備しております。万一、業容拡大に応じた人員の確保が順調に進まず、役職員による業務執行に影響が生じた場合、あるいは役職員が予期せず退社した場合には、内部管理体制や業務執行体制が有効に機能せず、当社の事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 新株予約権行使の影響について

 当社は、当社役員及び従業員に対して新株予約権を付与しております。

 これらの新株予約権が権利行使された場合、当社の株式が新たに発行され、当社の1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。なお、当事業年度末現在これらの新株予約権による潜在株式数は41,000株であり、潜在株式数を含む発行済株式総数1,431,200株の2.86%に相当しております。

 

⑤ 利益還元について

 当社は将来に向けた事業の拡大に向け、必要な人材の確保を行うため、また迅速な経営に備えるため、内部留保の充実が重要であると認識しており、設立以来、無配としております。しかし、株主に対する利益還元として配当を行うことも重要な経営課題であると認識しており、今後も、毎期確実に利益を計上することを目指して財務体質の強化を図り、財政状態及び経営成績を勘案しながら、配当を実施する方針であります。

 ただし、配当実施の可能性及びその実施時期等については、現時点において未定であります。

 

⑥ 調達資金の使途について

 当事業年度に実施した公募増資及び第三者割当増資による調達資金については、主に事業規模拡大に伴うシステム投資及び人材の確保と育成のために投資する計画となっております。

 しかしながら、当初の想定どおりの成果が得られない場合もあり、その場合、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦ 人材採用に関するリスクについて

 今後、当社が継続的に成長していくためには、人材の確保が重要であり、新卒採用及び中途採用のいずれも力を入れております。特に新卒採用については平成19年より継続して行っており、今後も積極的に行い、人材の確保を推進していく方針であります。

 しかしながら、人材に関する市況環境の変化等により人材採用が計画から大幅に乖離した場合、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

5【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

 該当事項はありません。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

(1)重要な会計方針及び見積り

 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたりましては、経営者の判断に基づく会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。当該見積りに際しては、過去の実績や状況に応じて、合理的と思われる要因等に基づき行っておりますが、見積り特有の不確実性により、実際の結果はこれら見積りと異なる場合があります。

 当社の財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。

 

(2)財政状態の分析

① 資産

  当事業年度末における資産の額は1,593,714千円となり、前事業年度末に比べて362,435千円増加しました。流動資産は1,549,308千円となり、前事業年度末に比べて356,309千円増加しました。これは主として現金及び預金が233,552千円増加、売掛金が75,501千円増加、商品及び製品が40,079千円増加したことによるものであります。固定資産は44,406千円となり、前事業年度末に比べて6,125千円増加しました。これは主として無形固定資産が4,417千円増加、投資その他の資産が2,929千円増加したことによるものであります。

② 負債

  当事業年度末における負債の額は1,044,258千円となり、前事業年度末に比べて37,609千円増加しました。流動負債は1,035,502千円となり、前事業年度末に比べて55,391千円増加しました。これは主として買掛金が34,346千円増加、未払費用が6,722千円増加、未払法人税等が10,904千円増加したことによるものであります。固定負債は8,756千円となり、前事業年度末に比べて17,782千円減少しました。これは長期借入金が17,782千円減少したことによるものであります。

③ 純資産

  当事業年度末における純資産の額は549,456千円となり、前事業年度末に比べて324,825千円増加しました。これは主として新規株式上場にあたり実施した公募増資及びオーバーアロットメントによる当社株式の売り出しに関連した第三者割当増資の実施、新株予約権の行使により資本金が116,971千円増加、資本剰余金が116,971千円増加、当期純利益計上により利益剰余金が92,370千円増加したことによるものであります。

  以上の結果、自己資本比率は、前事業年度の18.2%から34.5%となりました。

 

(3)経営成績の分析

① 売上高及び営業利益

 DSサービスの拡大に加え、MCサービスが順調に展開したことから、売上高は1,592,336千円(前期比39.4%増)となり、売上総利益は568,726千円(同42.1%増)となりました。販売費及び一般管理費は423,380千円(同23.1%増)となりました。これは、主に事業規模の拡大に伴う人件費の増加によるものであります。結果として、営業利益は145,345千円(同159.1%増)となりました。

② 営業外損益及び経常利益

 営業外損益(純額)は1,384千円の利益(前事業年度は15,170千円の利益)となりました。これは、主に受取解約返戻金が9,979千円減少、株式交付費が4,126千円増加したことによるものであります。

 以上の結果、経常利益は146,730千円(前期比105.9%増)となりました。

③ 法人税等(法人税等調整額を含む)

 法人税等は、主に税引前当期純利益の増加等により、54,360千円(前期比114.6%増)となりました。

④ 当期純利益

 以上の結果、当期純利益は92,370千円(前期比94.1%増)となりました。これにより、1株当たり当期純利益金額は77.24円(同91.2%増)となりました。なお、当社は平成28年3月3日付で普通株式1株につき1,000株の株式分割を行いましたが、前事業年度の期首に当該株式分割が行われたと仮定し、1株当たり当期純利益金額を算定しております。

 

(4)キャッシュ・フローの状況

 キャッシュ・フローの状況については、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フロー」に記載のとおりであります。

 

(5)経営戦略の現状と見通し

 当社が展開するPPS事業の主要取引先である自治体においては、自主財源確保のため、広告事業の導入数が増加すると考えており、また、広告枠を活用する媒体の種類も従前のホームページバナーや広報紙に留まらず、様々な媒体で導入されつつあります。こうした自治体の広告市場においてシェアを確保するため、当社はDSサービスにおいて、取引自治体数の拡大と取り扱う媒体種別の拡充に加えて、マッチングプラットフォームの開発によるIT化を通じた自治体媒体のマーケットプレイス実現を図っております。また、MCサービスにおいて、子育て情報冊子以外の新規媒体開発を展開し、全国的に拡充を推進することが重要であると考えております。当社の行うPPS事業では、自治体に特化した「専門性」を活かし、企業ごとのターゲットエリア・ターゲット層・ニーズのデータベース化を進め、顧客ニーズの顕在化やリピート率向上のためにCRM(注)を拡充することにより収益基盤の強化を図ってまいります。

(注) Customer Relationship Managementの略称であり、顧客満足度を向上させるため、顧客との関係を構築することに力点を置く経営手法です。

 

(6)経営者の問題認識と今後の方針について

 当社の経営陣は、「第2 事業の状況 3 対処すべき課題」に記載のとおり、当社が今後のさらなる成長を実現するためには、厳しい環境の下で、様々な課題に対処していくことが必要であると認識しております。

 そのために、さらなる収益基盤の強化、収益力のある新規媒体の開発、経営管理体制の強化、及びこれらを担う優秀な人材の確保を行ってまいります。