第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

(1)会社の経営の基本方針

 当社は、「自治体を通じて人々に新たな価値を提供し、会社及び従業員の成長を追求する」ことを企業理念に掲げ、自治体の自主財源確保を支援するPPS事業を展開しております。具体的には、当社の主要サービスである財源確保支援サービスにおいて、自治体が有するホームページや広報紙等の広告枠を仕入れ、民間企業に販売するDSサービス、及び自治体が住民向けに発行する子育て情報冊子や空き家対策冊子等のデザイン・制作業務を当社が行い、自治体に寄贈するMCサービス、自治体との取引実績・ノウハウを背景とし、自治体と民間企業を繋ぐサービスの提供、及び自治体が抱える課題を解消し、地域の活性化を図るためのソリューションの提供を展開してまいりました。また、新たに電力販売事業に参入し、自治体の経費削減を推進しております。今後も、既存サービスの逐次改善と新規サービス・事業の開発により、自治体を通じた世の中への新たな価値提供を実現し、企業価値並びに株主価値の向上を目指してまいります。

 

(2)目標とする経営指標

 当社は、売上高成長率を重要な経営指標として定めるとともに、売上高の成長に伴い、中長期的に売上高営業利益率及び売上高経常利益率を向上させることを重視して経営を行っております。また、これらを支える指標として、従業員一人当たりの売上高、売上総利益、営業利益及び経常利益も重視しております。今後は、上場企業として企業価値及び株主価値を上げていくことも重要であるため、資本効率を測る指標として総資産経常利益率及び自己資本利益率も中長期的に向上させていきたいと考えております

 

(3)中期的な会社の経営戦略

 当社が展開するPPS事業の主要取引先である自治体においては、自主財源確保のため、広告事業の導入数が増加傾向にあり、また、広告枠を活用する媒体の種類も従前のホームページバナーや広報紙に留まらず、様々な媒体で導入されつつあります。こうした自治体の広告市場においてシェアを確保するため、当社はDSサービスにおいて、取引先自治体数の拡大と取扱う媒体種別の拡充を図っております。また、MCサービスにおいて、子育て情報冊子、空き家対策冊子以外の新規媒体開発加えて、アプリを初めとした多面的展開や新たな付加価値の創出を行い、競争力を高めることで、全国的に拡充を推進すること、及び収益性を向上させることが重要であると考えております。さらに、これらの財源確保支援サービスに次ぐ、新たな収益の柱となるビジネスモデルの確立も重要であると考えており、電力販売事業の拡大に加えて、新規メディアの開拓等に注力してまいります。また、社内ITインフラの拡充及び既存システムの改善などのIT化を推し進めるとともに、マーケティングの強化を図ることで、営業の生産性及び収益性の改善にも注力してまいります。

 

(4)経営環境及び対処すべき課題

 財源確保支援サービスにおいては、平成30年6月末現在596自治体との契約を獲得しており、自治体の総数が1,963(都道府県、市町村、東京都の特別区部、政令指定都市の行政区の合計数(平成30年6月末現在))に及ぶ中で、30.4%程度となっております。しかしながら、その中には取引規模の小さな自治体も多くあり、新規メディア等の新たなサービスライン、電力販売等、財源確保支援サービス以外のサービス提供を含め、それらの自治体との取引規模を拡大し、加えて、未開拓の自治体との取引も増加させていくことが重要であると考えております。そのためには、以下の課題への対処が必要であると考えております。

 

①DSサービスの収益性改善・向上

 当社が継続的にDSサービスを収益事業として位置付けていくためには、DSサービスにおける収益規模を押し上げつつ、その収益性を改善・向上することが重要であると考えております。

 これを実現するための施策として、販売戦略とその進捗状況をより可視化できる社内ツールの作成・運用によるPDCAの高速化、営業力強化を目的とした新教育制度の推進等を行ってまいります。こちらは非常に重要であると考えており、これら施策を実行・推進する部門を新たに設置しております。また、中長期的な収益性の改善を実現するために、戦略的な観点を踏まえ、適切な価格で仕入れを行うことを目的とした応札価格の妥当性の検証とより一層のノウハウの蓄積と業務実態への反映といったPDCAサイクルの運用を行うことが重要であると考えております。

 

②MCサービスの原価改善と季節変動の緩和による制作効率・販売効率の改善

 現在当社のMCサービスにおける主力メディア・コンテンツは「子育て情報冊子」及び「空き家対策冊子」となっております。これら以外にも、国が進めている政策に関連して、防災に関するもの、介護に関するもの、婚姻及び終活に関するものなどがあります。一件当たりの収益性を向上させるための原価改善を行っていくとともに、一時期に制作や販売が集中している傾向を少しでも解消し、制作効率及び販売効率を改善することが課題であると認識しております。

 当社においては、このようなニーズに対応可能な制作体制の確保が課題であると同時に、自治体の予算執行の観点から同時期に作業が集中する傾向が強いため、これに柔軟に対応できる体制へ制作体制を強化することが課題であると考えております。

 

③情報プラットフォームの収益性確保等

 当社の運営する「マチイロ」は地域住民向け自治体コンテンツのキュレーションサービスを基本とし、ユーザー目線で再編集することで、自治体コンテンツの横断的な検索・閲覧が可能となっています。しかしながら、未だ大きな収益獲得には至っておりません。自治体との契約数は順調に伸びており、情報プラットフォームとしての素地は整備されたものと考えておりますが、具体的な収益化計画を改めて策定し、それを実現していくことが課題であると認識しております。

 また、平成30年6月にリリースした子育てアプリ「マチカゴ」については、導入自治体数を増やすとともに、将来の収益化に向けてコンテンツの拡充を初めとして付加価値の高いサービスを提供できるようにバージョンアップしていくことが当面の課題であると考えております。

 

新規事業・サービスへの挑戦

 当社の行う事業は行政政策や社会的な課題の変化に直接的に影響を受け、誕生・発展してきたと言えます。その中で当社が継続して独自の成長を果たすためには、自治体に特化したサービスを提供するリーディングカンパニーとして、行政政策等自治体を取り巻く環境の変化への機敏な対応を軸に、自治体との取引実績、ノウハウ、営業力の有効活用、ITによる効率的な事業化への取り組み等を行い、自治体の自主財源確保に繋がる新たなサービスを開発していくことが重要であると考えております。

 

⑤優秀な人材の確保及び育成

 今後、当社が持続的に成長していくためには、組織において中核的な役割を担う人材の確保と育成が課題であると認識しております。この課題に対処するために、当社の企業理念に意志の合致した人材の採用を進めるとともに、モチベーションの向上に繋がる教育制度の構築に積極的に取り組んでまいります。

 

⑥経営管理体制の強化

 事業の成長や業容の拡大に伴い、経営管理体制のさらなる充実・強化が課題であると認識しております。現状、経営の意思決定や社内手続等が適正に行われるようガバナンスの強化に努め、コンプライアンスや適時開示体制を重視した経営管理体制の構築を行っておりますが、安定したサービスを世の中に提供し、企業価値を継続的に向上させるとともに、組織が健全かつ有効、効率的に運営されるように、事業規模に応じた内部統制の整備、強化、見直しや法令遵守の徹底に努めてまいります。

 

2【事業等のリスク】

 本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のあると考えられる事項を記載しております。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項につきましても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項につきましては、投資者に対する積極的な情報開示の観点から記載しております。

 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであり、将来において発生の可能性がある全てのリスクを網羅するものではありません。

(1)事業内容に由来するリスク

① 業容拡大のための人員確保について

 当社は自治体との取引及び営業網の拡大に合わせ、営業員の積極的な採用を行い、組織体制の強化を図っていく方針であります。

 当社では、OJT制度による人材育成やモチベーション向上のためご近所手当(会社の近隣居住者に対する手当を支給する制度)、目標管理制度による人事考課、出産祝金、資格支援等ユニークな人事・福利厚生制度の充実を行っております。しかし、今後、安定した人材の確保が行えない場合や、当社人員計画と大幅に乖離した場合には、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② わが国の人口動態に係るリスクについて

 自治体が所有する媒体の価値は、各自治体における人口と密接に関連しております。しかしながら、わが国の合計特殊出生率は、1960年代後半以降減少傾向にあり、極めて低い水準にあります。

 今後、人口の減少に伴い、媒体の利用者が減少することになれば、当社が取扱う広告枠の価値が低下し、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 競合について

 現在、契約する自治体数、取り扱う媒体数の観点から、当社と同規模以上にDSサービスについての事業展開をしている企業は存在しないものと認識しております。

 当社は、今後においてもPPS事業の規模拡大を背景に、サービスの拡充を図ることにより、マーケット・シェアの一層の向上を推進していく方針でありますが、大手企業の新規参入や地域ごとの同業者における事業規模拡大等により、マーケット・シェアの獲得競争が激化した場合には、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 入札(商品仕入)に係るリスクについて

 当社の行うDSサービスにおいて販売する広告枠の大部分は、自治体における入札により仕入れております。当社は適正な媒体価値の把握とノウハウ・営業力により、適切な応札価格(入札に応じる金額)で商品仕入を行うよう最善の努力を行っております。

 しかしながら、媒体価値の見誤り、他社の応札金額の保守的な見積等による高い金額での落札により、売上原価が上昇するリスクがあります。また、他社による高い金額の応札、自治体による最低落札価格の引上げ等外部環境の変化により、十分に商品仕入を行えなくなるリスクがあります。これにより、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ 商品特性に固有のリスク(在庫リスク)について

 当社の行うDSサービスにおいて販売する広告枠の大部分は、暦年度(4月から翌年3月)を一括の期間とし、12か月分を自治体から在庫リスクを負担する形で仕入れており、これを一定の単位に区切って広告主に販売しております。そのため、販売実績が計画から大幅に乖離した場合に、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥ 成長性と新規事業について

 当社の行うMCサービスは、スタートして5年が経過し、当事業年度においては前事業年度比で約68%の増収となったものの、DSサービスに比べてまだ規模は小さいものであります。また、日本の自治体数は平成30年6月現在1,963であり、未着手の自治体が多くあるものの、その数には限りがあります。現在は子育て分野がMCサービスの5割以上、空き家対策に関する分野が約2割を占めておりますが、介護関連分野、婚姻関連分野などの分野へのMCサービスの展開も行っており、今後も当面の成長性は確保できる見込みであるものの、継続的に成長を果たすためには、MCサービスの新規分野への積極的な推進や新規サービスの展開等を図っていく必要があります。

 しかしながら、事業計画の立案や実施に何らかの支障が生じ、これらが実現できない場合、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦ 業績の季節変動による影響について

 当社の四半期における業績は、第4四半期において、売上高及び営業利益が偏重する傾向にあります。

 これは、MCサービスの子育て情報冊子等の発行が4月から6月に集中する傾向にあるためであります。

 当社は、当該季節的要因を踏まえた受注計画及び制作計画を策定し、発行の増加が見込まれる時期の売上の確保に努めておりますが、何らかの事情により計画どおりの受注及び制作が行えなかった場合には、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

第25期事業年度(自 平成29年7月1日 至 平成30年6月30日)

 

第1四半期

第2四半期

第3四半期

第4四半期

通期

売上高(千円)

378,262

447,912

500,279

943,013

2,269,467

構成比(%)

16.7

19.7

22.0

41.6

100.0

営業利益又は営業損失(△)(千円)

△107,005

△93,900

△85,115

164,204

△121,817

構成比(%)

 (注)営業利益の構成比については、各四半期の営業利益金額に正負の数値が混在するため記載しておりません。

 

⑧ 経済動向及び気象の影響について

 当社が当事業年度から参入した電力販売市場は、取引電力量が景気動向及び猛暑や極寒などの気象によって左右される可能性があります。また、電力の仕入れ価格、燃料価格の高騰や、需給バランスの観点から電力の卸市場における価格変動リスクにさらされております。これらにより、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)法的規制に関するリスク

① 事業に関する法的規制について

 当社が行う事業では、主に以下に掲げる法律等の規制を受けております。

a.特定商取引に関する法律

・電話勧誘販売における一定の事項に関する規制、禁止行為等の遵守が求められております。

b.不当景品類及び不当表示防止法

・商品及び役務の取引に関連する不当な景品類及び表示による顧客の誘引を防止するため、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれのある行為の制限及び禁止が求められております。

c.電気事業法

・電気の利用者の利益の保護、かつ電気事業の健全な発達を図るとともに、電気工作物の工事、維持及び運用を規制することによって、公共の安全確保及び環境の保全が求められております。

 当社は、上記法的規制の遵守を徹底しておりますが、法律に抵触する事項があった場合には、行政処分の対象となることがあり、その場合、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 個人情報の漏洩リスクについて

 当社は、顧客の個人情報を取り扱っており、「個人情報の保護に関する法律」に規定される個人情報取扱事業者に該当いたします。個人情報の取り扱いにつきましては、個人情報保護基本規程の整備・運用等厳重な対策を講じています。また、個人情報の適切な保護措置を講ずる体制の構築・維持の一環として、プライバシーマーク(第18860140(03)号)、及びISMS(ISO 27001:2013)の認定を受け、個人情報の適切な取扱いに努めております。

 しかしながら、万一個人情報が外部に流出した場合には、当社の社会的信用が毀損され企業イメージの低下を招くなど、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、損害賠償請求等、不測の損害が生じる可能性もあります。

 

(3)その他のリスク

① 風評の影響について

 当社が取扱う広告枠は、全国の自治体から仕入れております。そのため、何らかのリスクが顕在化し、風評の影響等により自治体との取引を制限された場合、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 特定経営者への依存について

 当社代表取締役社長である時津孝康は当社の経営方針や事業戦略の立案・決定における中枢として重要な役割を果たしております。

 当社では、同氏に過度に依存しないための組織体制として、経営組織の強化を図っておりますが、当面の間は同氏への依存度が高い状態で推移するものと考えております。このような状況において、同氏の事業への関与が困難となった場合には、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 小規模組織であることについて

 当社は、本書提出日現在、取締役7名(うち社外取締役3名)、監査役3名(うち非常勤監査役2名)、従業員数169名(臨時雇用者を除く)の人員数で事業を展開しており、会社の規模に応じた内部管理体制や業務執行体制を整備しております。万一、業容拡大に応じた人員の確保が順調に進まず、役職員による業務執行に影響が生じた場合、あるいは役職員が予期せず退社した場合には、内部管理体制や業務執行体制が有効に機能せず、当社の事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 新株予約権行使の影響について

 当社は、当社役員及び従業員に対して新株予約権を付与しております。

 これらの新株予約権が権利行使された場合、当社の株式が新たに発行され、当社の1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。なお、当事業年度末現在これらの新株予約権による潜在株式数は244,700株であり、潜在株式数を含む発行済株式総数1,638,900株の14.9%に相当しております。

 

⑤ 利益還元について

 当社は将来に向けた事業の拡大に向け、必要な人材の確保を行うため、また迅速な経営に備えるため、内部留保の充実が重要であると認識しており、設立以来、無配としております。しかし、株主に対する利益還元として配当を行うことも重要な経営課題であると認識しており、今後も、毎期確実に利益を計上することを目指して財務体質の強化を図り、財政状態及び経営成績を勘案しながら、配当を実施する方針であります。

 ただし、配当実施の可能性及びその実施時期等については、現時点において未定であります。

 

 人材採用に関するリスクについて

 今後、当社が継続的に成長していくためには、人材の確保が重要であり、新卒採用及び中途採用のいずれも力を入れております。特に新卒採用については平成19年から継続して行っており、今後も積極的に行い、人材の確保を推進していく方針であります。また、中途採用におきましても、人材紹介の積極的な活用を行うなど注力し、質・量・時期を意識したうえで優秀な即戦力の確保も強化していく方針であります。

 しかしながら、人材に関する市況環境の変化等により人材採用が計画から大幅に乖離した場合、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

 当事業年度におけるわが国経済は、政府や日銀による施策を背景に、企業収益及び雇用・所得環境の改善が続いたことで、個人消費にも持ち直しの動きが見られるなど、緩やかな回復基調で推移しました。しかしながら、海外経済においては、欧米諸国の政治動向や、東アジアにおける地政学リスクによる金融資本市場への影響が懸念される中で、依然として先行き不透明な状況が続きました。

 また、地方財政は、総務省発表の「地方財政の状況」(平成30年3月発表)によれば、平成28年度の歳入は101兆4,598億円(前年比0.4%減)、歳出は98兆1,415億円(同0.3%減)となっており、歳入・歳出共に減少する結果となりました。これは、東日本大震災分の決算規模の減少が、通常収支分の決算規模の増加を上回ったことによって、全体の決算規模が縮小したためです。歳入においては、国庫支出金の増加等により、通常収支分は1,311億円増となったものの、繰入金の減少等により、東日本大震災分は5,888億円減となりました。歳出においては、性質別に見ると、扶助費の増加等により、通常収支分は1,958億円増となったものの、普通建設事業費の減少等により、東日本大震災分は4,595億円減となりました。また、歳入のうち、当社の行う財源確保支援サービスに関連する財産収入は、6,080億円(同6.1%減)となりました。一方で、歳出のうち、自治体の広報印刷物の外注作成費を含む需用費は1兆6,213億円(同3.9%減)、自治体業務の外部委託(BPO)に関する委託料は5兆5,876億円(同2.2%増)となりました。

 当社を取り巻く広告業界におきましては、前年のリオデジャネイロ・オリンピック・パラリンピック等の反動減による影響から、前年実績を下回る結果となりました。経済産業省発表の「特定サービス産業動態統計調査」(平成30年5月確報)によれば、平成29年の我が国における広告業の売上高は5兆9,993億円(同1.5%減)となっております。前年の業務種類別では、「インターネット広告」(同9.5%増)、「その他」(同4.7%増)が増加した一方、「4媒体広告(新聞、雑誌、テレビ、ラジオ)」(同2.6%減)、「屋外広告」(同4.8%減)、「交通広告」(同0.8%減)、「折込み・ダイレクトメール」(同3.8%減)、「海外広告」(同7.7%減)、「SP・PR・催事企画」(同6.1%減)が減少しております。

 このような環境の中で、当社は「自治体を通じて人々に新たな価値を提供し、会社及び従業員の成長を追求する」という企業理念のもと、前事業年度以降を「第二創業期」と捉え、さらなる成長のための施策を実施してまいりました。具体的には、既存事業の収益性回復・付加価値向上及び新規事業開発による新たな収益の柱の創出を目標として、厳しさを増す人材獲得競争に打ち勝つべく採用への投資を強化するとともに、事業開発、マーケティング、ITに係る機能を新たに設置し、経営資源を投下してまいりました。なお、事業開発活動においては、自治体の経費削減を支援することを主たる目的に、当事業年度から電力販売事業に参入いたしました。

 以上の結果、当社の当事業年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

 

(財政状態)

 当事業年度末における資産合計は、前事業年度末に比べ273,206千円増加し、1,954,244千円となりました。

 当事業年度末における負債合計は、前事業年度末に比べて399,029千円増加し、1,508,278千円となりました。

 当事業年度末における純資産合計は、前事業年度末に比べて125,823千円減少し、445,966千円となりました。

 詳細については、「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 ロ.財政状態の分析」をご参照ください。

 

(経営成績)

 売上高は2,269,467千円(前期比27.9%増)、営業損失は121,817千円(前期は営業利益23,923千円)、経常損失は114,043千円(前期は経常利益34,626千円)、当期純損失は128,457千円(前期は当期純利益17,949千円)となりました。

 詳細については、「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 イ.経営成績の分析・評価」をご参照ください。

 なお、当社は、PPS事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。

 

② キャッシュ・フローの状況

  当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、財務活動により171,322千円増加した一方で、営業活動及び投資活動によりそれぞれ72,144千円、24,620千円減少したため、前事業年度末に比べ74,557千円増加し、当事業年度末には、432,077千円となりました。

  当事業年度中に係る区分ごとのキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりです。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

  営業活動の結果使用した資金は、72,144千円(前期は使用した資金76,995千円)となりました。これは主に、仕入債務の増加115,191千円、その他による収入97,673千円があったものの、税引前当期純損失121,406千円の計上、売上債権の増加101,026千円、たな卸資産の増加85,904千円があったことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

  投資活動の結果使用した資金は、24,620千円(前期は使用した資金94,064千円)となりました。これは主に、敷金及び保証金の回収による収入8,294千円があったものの、敷金及び保証金の差入による支出19,682千円、有形固定資産の取得による支出8,477千円、投資有価証券の取得による支出5,132千円があったことによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

  財務活動の結果得られた資金は、171,322千円(前期は使用した資金11,451千円)となりました。これは主に長期借入れによる収入200,000千円があった一方で、長期借入金の返済による支出28,754千円があったことによるものであります。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

当社の事業セグメントは、PPS事業の単一セグメントであるため、サービス別に記載しております。なお、BPO支援サービス、情報プラットフォームサービス及びマーケットプレイスサービスについては、「その他」にまとめて記載しております。

a.生産実績

 当社は生産実績を定義することが困難であるため、記載を省略しております。

 

b.仕入実績

 当事業年度における仕入実績は、次のとおりであります。

サービスの名称

当事業年度

(自 平成29年7月1日

至 平成30年6月30日)

前期比(%)

財源確保支援サービス

 

 

 

DSサービス

(千円)

1,161,401

10.9

MCサービス

(千円)

小計

(千円)

1,161,401

10.9

その他

(千円)

6,730

合計

(千円)

1,168,131

11.6

 (注)1.MCサービスに係る印刷・製本等の外注費については記載を省略しております。

    2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

c.受注実績

 当社は受注生産が僅少であるため、記載を省略しております。

 

d.販売実績

 当事業年度における販売実績は、次のとおりであります。

サービスの名称

当事業年度

(自 平成29年7月1日

至 平成30年6月30日)

前期比(%)

財源確保支援サービス

 

 

 

DSサービス

(千円)

1,450,274

5.9

MCサービス

(千円)

599,455

67.5

小計

(千円)

2,049,730

18.7

その他

(千円)

219,737

359.8

合計

(千円)

2,269,467

27.9

 (注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2.主要な販売先については、相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満のため、記載を省略しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたりましては、経営者の判断に基づく会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。当該見積りに際しては、過去の実績や状況に応じて、合理的と思われる要因等に基づき行っておりますが、見積り特有の不確実性により、実際の結果はこれら見積りと異なる場合があります。

 当社の財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。

 

② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

イ.経営成績の分析・評価

 DSサービスの拡大に加え、MCサービスが順調に展開したため、売上高は2,269,467千円(前期比27.9%増)となり、売上総利益は759,416千円(同20.4%増)となりました。販売費及び一般管理費は881,233千円(同45.2%増)となりました。これは、主に事業規模の拡大に伴う人件費及び採用関連費の増加によるものであります。結果として、営業損失は121,817千円(前事業年度は営業利益23,923千円)となりました。

 営業外損益(純額)は7,774千円の利益(前事業年度は10,702千円の利益)となりました。これは、主に助成金収入が3,630千円減少した一方で、支払利息が509千円増加、営業外費用のその他が1,507千円減少したことによるものであります。

 以上の結果、経常損失は114,043千円(前事業年度は経常利益34,626千円)となりました。

 法人税等は、主に税引前当期純損失の計上等により、7,051千円(前期比65.0%減)となりました。

 以上の結果、当期純損失は128,457千円(前事業年度は当期純利益17,949千円)となりました。これにより、1株当たり当期純損失は92.14円(前事業年度は1株当たり当期純利益12.89円)となりました。

 なお、当社の経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載しております。

 

ロ.財政状態の分析

a.資産

  当事業年度末における総資産合計は1,954,244千円となり、前事業年度末に比べて273,206千円増加しました。流動資産は1,821,763千円となり、前事業年度末に比べて271,557千円増加しました。これは主として現金及び預金が74,560千円増加、売掛金が101,026千円増加、商品及び製品が85,747千円増加したことによるものであります。固定資産は132,481千円となり、前事業年度末に比べて1,648千円増加しました。これは主として有形固定資産が4,184千円増加、投資その他の資産が12,581千円増加した一方で、無形固定資産が15,117千円減少したことによるものであります。

b.負債

  当事業年度末における負債合計は1,508,278千円となり、前事業年度末に比べて399,029千円増加しました。流動負債は1,368,272千円となり、前事業年度末に比べて259,023千円増加しました。これは主として買掛金が115,191千円増加、1年内返済予定の長期借入金が31,240千円増加、未払費用が29,432千円増加、流動負債のその他が40,994千円増加したことによるものであります。固定負債は140,006千円となり、前事業年度末と比べて140,006千円増加しました。これは長期借入金が140,006千円増加したことによるものであります。

c.純資産

  当事業年度末における純資産合計は445,966千円となり、前事業年度末に比べて125,823千円減少しました。これは主として当期純損失計上により利益剰余金が128,457千円減少したことによるものであります。

  以上の結果、自己資本比率は、前事業年度の34.0%から22.6%となりました。

 

ハ.経営成績に重要な影響を与える要因

 当社が展開するPPS事業の主要取引先である自治体においては、引き続き自主財源確保に向けた取り組みが重要な位置付けにあり、また、地方創生を背景とした積極的な民間ノウハウの活用が拡大するものと考えております。

 このような状況下、当社はDSサービスにおける収益性改善による利益の稼得や、MCサービスの収益拡大・営業効率の改善を実現するとともに、業務の省力化や人材育成の強化を軸とした生産性の向上が必須であると考えております。具体的には、販売状況のモニタリングの強化と営業力向上を目的とする教育制度の拡充を踏まえ、販売戦略実行の仕組みを改善し、また、特にMCサービスにおける季節変動を少しでも低減することで収益性に対する負担を減らし、生産性の向上を実現してまいりたいと考えております。

 上記に加え、当社が将来継続的に企業価値の向上を実現していくためには、中長期的な視点において、高付加価値な事業・サービスの開発と、それを担う優秀な人材の育成及び確保が必須であると考えております。

 なお、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)目標とする経営指標」に記載のとおりであります。

 

ニ.資本の財源及び資金の流動性

a.資金需要

 当社の事業活動における運転資金需要の主なものは、仕入費用及び外注費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。

 

b.財務政策

 当社は、運転資金及び設備資金につきましては、内部資金又は借入により資金調達することとしております。このうち、借入による資金調達に関しましては、短期借入金又は長期借入金、当座貸越契約で調達しております。なお、当事業年度末における有利子負債の残高は、長期借入金の180,002千円となっております。

 

4【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

 該当事項はありません。