第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において、当社が判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

当社は、創業以来一貫して、「誠実」「愛」「感謝」を経営理念に掲げており、株主の皆様、お客様、取引先、従業員などの直接の利害関係者のみならず、社会全体から愛される企業を目指しております。

また、「満足と感動を叶える唯一のEコマース企業」というビジョンのもと、当社ならではの新しい常識を発信し、サービスの変革を推し進めていく方針です。

その中で、家具・インテリア等の「家具Eコマース事業」を主軸に、新規事業の「越境ECプラットフォーム事業」及び「家具プラットフォーム事業」の3事業において、新たな価値と最高のサービスをお客様に提供し続けてまいります。

 

(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社は企業価値を持続的に高めていくことが経営上の重要課題だと認識しており、目標とする経営指標は、売上高、営業利益、経常利益を主眼に据え、持続的に安定した成長を目指しております。 

 

(3)中長期的な会社の経営戦略

家具Eコマース事業におきましては、LOWYA(ロウヤ)の旗艦店強化及びブランド作りに注力してまいります。具体的には、引き続きSEO対策等によるアクセス強化に加え、ARやAI等の先進技術を取り入れたコンテンツ提供を通じ、お客様への新たな家具購入体験の提供に向けて取り組んでまいります。一方で、2019年4月以降も配送業者による配送費値上げの動きが強まる見通しであるため、引き続き配送を含めた物流コストの抑制が重要課題となります。

売上については、旗艦店施策による増収を見込むものの、いわゆる物流クライシス課題に対応した梱包サイズ見直しによる商品入れ替えによって収益構成割合の変化や、2019年10月の消費税見直しによる個人消費の不透明さも想定されます。費用については、商品入れ替えやサプライヤーの見直しによる原価低減を図るものの、先述の物流コスト上昇が2019年3月期に引き続き見込まれます。

越境ECプラットフォーム事業におきましては、2015年12月の本格稼働以来、着実にリピート流通が積みあがってきている状況を踏まえ、引き続き営業活動の強化を図りながら出店企業数及び取扱商品数の拡大に取り組み、会員数及び流通総額の更なる上昇に向けた施策を講じてまいります。さらに、収益体質強化にも注力し、早期の収益化に向けて取り組んでまいります。

家具プラットフォーム事業におきましては、家具Eコマース事業のノウハウを活かしながら、家具・インテリア業界に特化したプラットフォームを2018年10月にローンチいたしました。出店テナント様へのサービス拡充を高め、早期収益化に向けて取り組む所存です。

 

 

(4)経営環境及び対処すべき課題

当社を取り巻く環境は、引き続き、他社との販売競争が続くものと予測され、商品価値・顧客サービスにおいて差別化を図り、さらには、業界の課題である物流コストの抑制に努めることにより、フルフィルメントサービスの構造を強化していくことが重要課題であると認識しております。

こうした課題に対応するため、以下の項目を対処すべき重要な経営課題として考えております。

① 『LOWYA(ロウヤ)』のブランディング及び認知度の向上

当社が運営する家具・インテリアのショッピングサイト『LOWYA(ロウヤ)』のブランディングを強化するため、効果的な広告投資を行います。これにより、認知度向上を図ることで新規顧客獲得及びリピート顧客増加を推進してまいります。また、家具・インテリア市場において、“ファストインテリア”のジャンルを確立し、認知度向上を目指してまいります。

② 魅力的で豊富な品揃え

個性・ライフスタイルが多様化しているお客様のニーズにマッチした品質の高い商品を、魅力的な価格でより多くのお客様に提供するため、商品開発スピードの向上を図り、数多くの商品をリリースしてまいります。

③ 顧客サービスの向上

お客様からのご要望に対応するため、より細やかな配送サービスやアフターサポート等のサービス向上を推進し、他社との差別化を図りながら、顧客満足度向上を推進してまいります。

④ 物流体制の効率化

当社の物流体制は、全国5拠点に倉庫を設置しております。昨今の物流業者による配送費値上げ等の動きが強まる中、物流コストの抑制が重要課題となっており、各拠点における最適な配送機能を構築し、物流体制の効率化に取り組んでまいります。

⑤ 新規事業への投資

当社は、新規事業として越境ECプラットフォーム事業及び家具プラットフォーム事業の研究開発のための投資を行い、企業価値の拡大に努めてまいります。また、新規事業開発のスピード及び効率性を重視しながら、早期の収益化を目指してまいります。

⑥ 内部管理体制の充実

当社は、既存事業の急激な成長及び新規事業への積極的な投資を行う一方で、リスク管理体制・法令遵守体制を充実させ、会社の成長と経営管理のバランスの取れた組織運営体制の一層の確立を進める方針であります。また、内部統制システムの整備及び充実を継続的に推進してまいります。

 

 

2 【事業等のリスク】

本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項につきましても、投資家の投資判断上、重要と考えられる事項につきまして、積極的な情報開示の観点から開示しております。当社は、これらのリスク発生の可能性を十分に認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ではありますが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。

 

① 事業環境にかかわるリスク

(1) 通信販売市場について

当社は、一般生活者を顧客とした通信販売事業を行っており、国内の通信販売の市場規模について、インターネットやスマートフォン等モバイル端末の普及と情報技術の発達を背景としたEコマース市場の寄与から拡大傾向にあることが事業展開の基本条件であると考えております。

 しかし、今後新たな法的規制の導入、技術革新の遅れ、利用料金の改定を含む通信事業者の動向など、当社の予期せぬ要因によりインターネット関連市場の発展が阻害される場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 家具Eコマース市場について

1兆6,083億円規模の雑貨、家具、インテリアのBtoC-EC市場(※)における当社の市場占有率は未だ低く、成長余力は十分に見込める状況です。景気や消費動向に応じた適時適切な施策により、市場占有率の向上に努めてまいりますが、景気後退、技術革新等、当社の事業を取り巻く様々な環境が想定を超えて変化した場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社の顧客は、20歳代から30歳代の女性が中心となっており、これら顧客層の消費動向また消費低迷による需要の落ち込みや、少子化や人口減少が、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(※)出典:平成30年度電子商取引に関する市場調査_令和元年5月経済産業省

 

(3) インターネットモールの影響について

当社は、主に楽天市場、Amazon及びYahoo!ショッピング内に出店し、商品販売を行っております。そのため、インターネットモール事業会社との関係悪化や規約違反による出店契約解消、インターネットモールシステム不良等のトラブル、モール閉鎖等が発生した場合、当社の経営成績及び財政状態に大きく影響します。

また、インターネットモールへの依存から脱却するため、旗艦店(自社サイト)での販売強化に努めておりますが、インターネットモールにおける売上高が占める割合は依然として高く、手数料率の大幅な改定等により、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 競合について

当社はインターネット通信販売事業者として、自社企画商品の更なる強化、サイトの利便性向上やブランド価値向上等に努め、特徴のあるサービスを提供することで競争優位性を有していると考えております。しかしながら、Eコマース事業は参入障壁が少ないことから、競合他社による新たな付加価値のあるサービス提供がなされる等により、当社の競争優位性の低下や、価格競争が生じた場合は、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 技術革新について

インターネット業界は技術革新や顧客ニーズの変化のサイクルが極めて速いのが特徴であり、新たなテクノロジーを基盤としたサービスの新規参入が相次いで行われております。当社は、このような急速に変化する環境に柔軟に対応すべく、オープンソースを含む先端的なテクノロジーの知見やノウハウの蓄積、さらには高度な技能を習得した優秀な技術者の採用を積極的に推進していく方針です。しかしながら、かかる知見やノウハウの蓄積及び技術者の獲得に困難が生じた場合等には、急速な技術革新に対する適切な対応が遅れる、又は対応ができない可能性があります。さらに、このような対応に伴って情報システム投資や人件費等の支出が拡大する可能性もあります。このような場合には、当社の技術的優位性やサービス競争力の低下を招き、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 情報セキュリティ及びシステムトラブルについて

当社は、サービス及びそれを支える情報システム、並びにインターネット接続環境の安定した稼働が、事業運営の前提であると認識しております。したがって、定期的なデータバックアップやセキュリティ対策を実施しているほか、複数のデータセンターへシステムを分散配置することで、安定的なシステム運用体制の構築に努めております。しかしながら、予期せぬ自然災害や事故(社内外の人的要因によるものを含む)、ユーザー数及びアクセス数の急増によるサーバーへの過剰負荷や、ソフトウエアの不具合、及びネットワーク経由の不正アクセスやコンピュータウィルスへの感染などのトラブルが発生した場合には、サービスの安定的な提供が困難となり、また復旧等に時間を要した場合、当社の経営成績及び財政状態に多大な影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 検索エンジンへの対応について

当社のEコマース事業における自社運営サイト内の店舗ユーザーの多くは、特定の検索エンジン(「Google」や「Yahoo! JAPAN」等)の検索結果から誘導されてきており、当該検索エンジンからの集客数を確保するため、今後におきましてもSEO対策を実施していく予定であります。

しかしながら、検索エンジンにおける検索アルゴリズム変更等により、これまでのSEO対策が有効に機能せず、当社への顧客流入数が当社想定数を下回り、十分な顧客獲得に至らなかった場合は、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 海外の生産工場について

当社が販売する商品の大半は中国などアジア各国及び欧州からの輸入によるものです。中国やアジア各国、欧州等、生産拠点を分散し、また新規の協力工場の発掘に努めておりますが一部の地域で戦争・テロ・多国間での紛争及び摩擦・政情不安・自然災害・伝染病・ストライキ等が発生した場合、その地域で生産している商品の供給が一時的にストップし、当社の業績に影響を与える可能性があります。

 

(9) 為替相場の変動について

取扱商品の大半は海外から外貨建で輸入しております。為替相場変動リスク回避のため、実需の範囲内で為替予約及び外貨建預金による決済等の手段でヘッジを行っておりますが、大幅な為替相場の変動があった場合には、当社の経営成績及び財政状態に多大な影響を及ぼす可能性があります。

 

(10) 季節変動等について

当社の季節商材については、冷夏、暖冬といった異常気象により需要が変動します。また、夏季休暇が含まれる8月から9月にかけては売上高が減少する傾向にあり、新生活関連の需要がピークを迎える1月から3月は売上高が増加する傾向にあるため、通期業績に占める第4四半期の比重が高くなっております。このため、四半期業績のみをもって当社の通期業績見通しを判断することは困難であり、第4四半期の業績の状況によっては年度の経営成績に影響を与える可能性があります。

 

 

(11) 需要予測に基づく仕入について

当社が販売する商品の大部分は自社企画商品であり、需要予測の精度向上に努めておりますが、実際の受注はライフスタイルの変化や消費者ニーズの変化等の様々な要因に左右されます。そのため、追加仕入が受注量に対応できず販売機会の損失が発生する可能性があります。また、受注量が需要予測に達しない場合は、当社に過剰在庫が発生し、キャッシュ・フローへの影響や棚卸資産評価損が発生する可能性があります。

当社では、需要予測や発注計画の精度の向上等を課題として取り組んでおりますが、需要動向を見誤ったことによる欠品機会損失、又は滞留在庫が生じた場合には、当社の経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(12) インターネットによる風評被害について

ソーシャルメディアの急激な普及に伴い、インターネット上の掲示板への書き込みや、それを要因とするマスコミ報道等による風評被害が発生・拡散した場合、その内容の正確性にかかわらず、当社の経営にとってマイナスの影響が生じ、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす恐れがあります。

 

(13) 広告宣伝について

当社は、ブランド戦略として、海外の有名モデルを起用した商品プロモーションを実施し、ブランドイメージの向上及び旗艦店(自社サイト)ブランドである「LOWYA(ロウヤ)」の認知度向上に努めております。しかしながら、当初意図した広告効果が発現しない場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(14) 知的財産権について

自社商品の保護及び競合他社との優位性を保つため、知的財産権の確保による自社権益の確保に努めておりますが、模倣品等による権利侵害がなされる可能性があります。

また、当社が開発した商品においては、商品開発担当部門及び法務部門が「商品デザイン事前調査マニュアル」に基づいてJ-PlatPat(特許情報プラットフォーム)を利用した調査を行い、さらに必要に応じ顧問弁理士、顧問弁護士に再調査または相談をするなど、第三者の知的財産権を侵害しないことを確認する体制を構築しております。しかしながら、当社による商品開発に際して、意図せず第三者の知的財産権の侵害が生じた場合には、当社が損害賠償責任を追及されたり、商品販売を制限されることで、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(15) 商品の品質管理について

当社が販売する商品の大部分は自社企画商品であり、主に海外の生産工場に委託し生産を行っております。当社は、仕入に際しての品質基準の見直しや、品質検査等を強化し、安全な商品の供給に努めております。しかしながら、製品に重大な欠陥が発生しないという絶対的な保証はないため、製造物責任賠償のための保険に加入しておりますが、大規模な製造物責任賠償やリコールにつながるような製品の欠陥は、多額の費用や当社製品の信頼性や社会的評価に重大な影響を与えることとなり、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(16) 返品について

売れ筋商品に対する不具合の発覚等により返品が多数発生した場合には、返品の処理、代替商品の配送等に伴う追加的な費用が発生し、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(17) 物流業務の外部委託について

当社は、商品の保管、入出庫等の物流業務を業者へ委託しております。外部委託先との契約内容の変更や値上げ要求等があった場合は、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社は、外部倉庫に商品を保管しており、検品・保管・仕分・梱包といった物流関連業務を外部委託しております。したがって、物流サービス企業の業績悪化や倉庫の自然災害や火事等により操業できなくなった場合、在庫の滅失や毀損、配送遅延、サービスの一時停止等といった事態の発生により、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(18) 配送費上昇について

当社は顧客への商品配達を配送会社へすべて委託しております。当社はリスク分散の観点から、良好な取引関係の維持や新たな配送会社の開拓等につとめております。しかしながら、当社事業の特性上、大型家具を取り扱うことから配送会社の大型配送の撤退や値上げ要請等により、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(19) 法的規制等について

「不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)」、「特定商品取引法」、「製造物責任法」及び「不正競争防止法」等による法的規制を受けております。そのため、従業員教育の徹底、コンプライアンス体制の整備など管理体制の構築等により法令遵守の体制を整備しております。しかしながら、将来にわたり、販売した商品及びその広告表現等において安全上の問題や表示表現等の問題が発生する可能性があります。これらの問題が発生した場合、多額のコストや当社のイメージ低下による売上の減少等が想定され、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(20) 自然災害等について

Eコマース事業において、営業基幹システム上で処理される受注処理及び商品出荷業務などは、万一自然災害等が発生した場合、多大な影響を受ける可能性があります。その影響を最小限にするため、営業基幹システムの定期的なデータバックアップや耐震対策、及び物流センターの分散化により対策を講じております。

それでもなお、大規模災害の発生により当社の情報システム設備等に被害が生じた場合、受注処理及び商品出荷業務等の遂行が困難となり、当社の経営成績及び財政状態に多大な影響を及ぼす可能性があります。

 

② 人材確保について

当社は、自社で商品企画やデザインを作成し、顧客満足度の高い商品の開発に努めております。また、自社サイトや新規事業で構築したプラットフォームの利便性向上のため、システムエンジニアを多く採用しております。今後、当社が必要とする企画開発力のある人材や技術力のあるシステムエンジニアを計画通り、必要な時期に確保することができなかった場合は、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

③ 個人情報漏洩について

インターネット販売サイトの運営管理におきましては、登録会員の個人情報を大量に保有しているため、「個人情報保護規程」等を定め、従業員に対する個人情報保護に関する意識の向上を図り、個人情報の漏洩に対し防止策を講じています。

しかしながら、外部からの不正アクセス、システム運用における人的過失、従業員の故意等による個人情報の漏洩、消失、不正利用が発生した場合、信用の失墜を招き、更には損害賠償の対象となることも考えられ、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 新規事業について

当社は、日本の人口減少を鑑み顧客ターゲットを海外へ広めるべく、新規事業として、越境ECプラットフォーム事業であるDOKODEMO(ドコデモ)を展開しております。また、家具メーカーを中心とした出店企業が商品をECサイトで販売し、顧客にあらゆるライフスタイルを提供できるよう、国内家具プラットフォーム事業であるLaig(ライグ)を展開しております。

当該新規事業は、現時点において、顧客開拓や会員獲得の実績は限定的なものであります。当社は、これらの新規サービスの拡大を図っていく方針でありますが、今後において体制強化やその他コスト負担の増加により、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ 戦略的投資について

当社は、戦略市場への投資、M&A及び新規事業への事業拡大等の戦略的投資の推進に際して、意思決定の為に必要かつ十分な情報収集をしたうえで検討を実施し、合理的な意思決定を行っています。これらの活動は、当社の成長のための施策として重要なものであります。しかしながら、予期しない様々な環境変化等により、当初意図した成果が得られない場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

 ⑥ コンプライアンス体制について

当社は今後、企業価値を高めていくために、コンプライアンス体制が有効に機能することが重要であると考えております。そのため、従業員教育の徹底、コンプライアンス体制の整備など、管理体制の構築等により法令遵守の体制を整備しております。また、当社の提供する商品については関連法規の遵守はもちろんのこと、法規制以上の自社基準・自社規制を設け、法令遵守及び商品の品質向上に取り組んでおります。しかしながら、将来にわたり、販売した商品及びその広告表現等において安全上の問題や表示表現等の問題が発生する可能性があります。これらの問題が発生した場合、多額のコストや当社のイメージ低下による売上の減少等が想定され、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 ⑦ 新株予約権の行使による株式価値の希薄化について

当社は、当社の役員及び従業員等に対するインセンティブを目的とし、新株予約権(以下「ストック・オプション」といいます。)を付与しております。これらのストック・オプションが権利行使された場合、当社の株式が新たに発行され、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。2019年5月末現在これらのストック・オプションによる潜在株式数は328,400株であり、発行済株式総数10,374,800株の3.2%に相当しております。

 

 ⑧ 特定人物への依存について

当社の代表取締役社長浮城智和は、創業者であると同時に創業以来当社の事業推進において重要な役割を担って参りました。また、当社の設立以降は、経営方針や事業戦略の決定及びその遂行において重要な役割を果たしております。当社では、取締役会及び主要な従業員が参加する営業会議において役員及び従業員への情報共有を徹底するなど組織体制の強化を図りながら、同氏に過度に依存しない経営体制の整備を進めております。しかしながら、何らかの理由により同氏が当社の経営執行を継続するのが困難になった場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当事業年度におけるわが国経済は、政府による経済政策や日銀の金融緩和政策の継続を背景に、企業収益や雇用・所得環境の改善が続く等、景気は緩やかな回復基調で推移し、個人消費にも持ち直しの動きが見られました。一方、世界経済は、米国の政策運営や欧州の政治情勢等の影響、地政学リスクの高まり等、依然として先行きが不透明な状態が続いております。

家具・インテリア業界におきましては、物流コストの上昇及び業態を超えた販売競争の激化等により引き続き厳しい経営環境が続いております。一方、当社の属する雑貨、家具、インテリアのBtoC-EC市場規模は2018年は1兆6,083億円となり、対前期比で8.6%増と堅調に拡大しております。(出典:平成30年度電子商取引に関する市場調査_令和元年5月経済産業省)

このような事業環境の下、当社の家具Eコマース事業への取り組みといたしましては、商品ページやサイト内のクリエイティブの強化を行い、ファン構造構築によるブランド作りに努めてまいりました。LOWYA(ロウヤ)旗艦店においては、アクセス強化に向けた取り組みとして、SEOに強いサイト基盤構築や利便性の向上を行ったことにより、ユニークユーザー数を増やし、全体の売上高に占める割合も継続的に上昇いたしました。さらに、LOWYAブランドの認知度向上のため大型プロモーションへの投資を行いました。また、商品開発やサービスの向上を実施し、LOWYA旗艦店の年間アクセス数は、前期比73.3%増となりました。

具体的にLOWYAブランドの認知度向上におきましては、世界的スーパーモデルであるテイラー・ヒルをイメージキャラクターとして起用いたしました。さらには、テイラー・ヒルがスーパーバイズしたLOWYAロゴに刷新し、シンプルでより洗練されたブランドイメージの定着を図りました。

商品販売におきましては、高品質でデザイン性の高い国産テレビボードや、子供向けの木製玩具等が前事業年度に引き続いてご好評いただき、複数のデザインをシリーズ展開することで販売数を順調に伸ばしてまいりました。一方で、季節商材におきましては、暖冬の影響により冬季商材の販売数が想定よりも下回る結果となりました。

また、サービス向上の取り組みとして、自社開発いたしました「LOWYA AR」を2019年2月にリリースいたしました。LOWYAの商品を3Dモデル化し、実際に家具を配置した場合の空間をイメージすることで、他の商品とのバランスやサイズ、ディテールの確認等を可能にいたしました。

一方で、いわゆる物流クライシスに対応するため、全般的な価格の見直しを行った結果、売上高は当初想定していた数値よりも下回る結果となりました。また、上期における商品欠品の影響による売上減少を補填すべく、下期から在庫を補充したものの、想定していた売上に対しては未達となりました。その結果、過剰在庫が発生し倉庫増床による保管コストが上昇いたしました。さらに、一部の配送会社による大型商材からの撤退に伴い、従来の料金表よりも単価が高騰し配送コストが上昇いたしました。

新規事業として取り組んでおります、越境ECプラットフォーム事業DOKODEMO(ドコデモ)におきましては、サイトの利便性向上やシステム改修を重ね、順調に流通総額を伸ばし、配送実績は通期で18ヵ国増加の96ヵ国に拡大しました。また、出店企業数の拡大に尽力しながら、効果的な広告投資を行ってまいりました。

また、もう一つの新規事業として取り組んでおります、家具・インテリア業界に特化したECプラットフォーム事業Laig(ライグ)におきましては、様々なライフスタイル提案ができる、探しやすく、ユーザーの要望を満たす場となるプラットフォーム構築を行い、2018年10月にローンチいたしました。

以上の取り組みの結果、当社における当事業年度の業績は、売上高は13,322百万円(前年同期比2.7%増)、営業損失は296百万円(前年同期は営業利益561百万円)、経常損失は256百万円(前年同期は経常利益589百万円)、当期純損失は240百万円(前年同期は当期純利益338百万円)となりました。

 

 

当事業年度末における財政状態は以下のとおりであります。

当事業年度末における総資産は、6,037百万円(前事業年度末5,914百万円)となり、123百万円増加いたしました。流動資産は4,935百万円(前事業年度末5,309百万円)となり、374百万円減少いたしました。これは主に、商品が654百万円増加し、現金及び預金が637百万円、売掛金が614百万円減少したことによるものであります。また、固定資産は1,102百万円(前事業年度末604百万円)となり、497百万円増加いたしました。これは主に、工具、器具及び備品が144百万円、敷金及び保証金が236百万円増加したことによるものであります。

負債は、2,463百万円(前事業年度末2,135百万円)となり、328百万円増加いたしました。流動負債は2,410百万円(前事業年度末2,107百万円)となり、303百万円増加いたしました。これは主に、短期借入金が500百万円増加し、買掛金が62百万円、未払法人税等が248百万円減少したことによるものであります。また、固定負債は52百万円(前事業年度末27百万円)となり、25百万円増加いたしました。これは、株式給付引当金が25百万円増加したことによるものであります。

純資産は、3,574百万円(前事業年度末3,779百万円)となり、205百万円減少いたしました。これは主に、ストック・オプションとしての新株予約権の行使に伴う資本金及び資本剰余金がそれぞれ5百万円、繰延ヘッジ損益が19百万円増加し、当期純損失を240百万円計上したことによるものであります。

 

② キャッシュ・フローの状況

当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)は、営業活動により574百万円の支出、投資活動により565百万円の支出、財務活動により510百万円の収入となった結果、前事業年度に比べ630百万円減少し、当事業年度末には1,033百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況と、それらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度における営業活動の結果として減少した資金は、574百万円(前事業年度は537百万円の資金増加)となりました。

これは主に、売上債権の減少614百万円により資金が増加し、税引前当期純損失を317百万円計上したこと及び受注増加に伴うたな卸資産の増加654百万円により資金が減少したことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度における投資活動の結果として減少した資金は、565百万円(前事業年度は173百万円の資金減少)となりました。

これは主に、敷金及び保証金の差入による支出262百万円、有形固定資産の取得による支出251百万円及び無形固定資産の取得による支出79百万円により資金が減少いたしました。

 

この結果、フリー・キャッシュ・フロー(営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローの合計額)は1,140百万円のマイナス(前事業年度は363百万円のプラス)となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度における財務活動の結果として増加した資金は、510百万円(前事業年度は127百万円の資金減少)となりました。

これは主に、短期借入金の増加500百万円及び新株予約権の行使による株式の発行による収入11百万円により資金が増加いたしました。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

(a) 生産実績及び受注実績

当社の取引形態は、一般的な製造等における「生産」活動は行っておらず、また、当社の事業において「受注」という概念は存在しないため、記載しておりません。

 

(b) 仕入実績

当事業年度における仕入実績を示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

仕入高(千円)

前期比(%)

Eコマース事業

6,795,717

+6.8

合計

6,795,717

+6.8

 

(注) 1.金額は、仕入価格によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(c) 販売実績

当事業年度における販売実績を示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(千円)

前期比(%)

Eコマース事業

 

 

 リビング・ダイニング家具

10,195,430

+10.4

 ベッド・寝具

1,760,608

△10.7

 その他

1,366,749

△22.8

合計

13,322,787

+2.7

 

(注) 1.当社の主な販売先は不特定多数の一般消費者であり、販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10以上の販売先はありません。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.Eコマース事業の「リビング・ダイニング家具」にはソファ・チェア・デスク等、「ベッド・寝具」にはベット・寝具・マットレス等、「その他」には、その他の家具・インテリア売上等が含まれております。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。なお、この財務諸表の作成に当たっては、合理的判断に基づき一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映しております。また、これらの見積りについては将来事象の結果に特有の不確実性があるため、実際の結果と異なる場合があります。

なお、当社の採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項(重要な会計方針)」に記載しております。

 

 

② 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

(a) 経営成績の分析

(売上高)

当事業年度における売上高は13,322百万円(前期比2.7%増)となりました。

当事業年度は、商品ページやサイト内のクリエイティブの強化を行い、ファン構造構築によるブランド作りに努めてまいりました。LOWYA(ロウヤ)旗艦店においては、アクセス強化に向けた取り組みとして、SEOに強いサイト基盤構築や利便性の向上を行ったことにより、ユニークユーザー数を増やし、全体の売上高に占める割合も継続的に上昇いたしました。さらに、LOWYAブランドの認知度向上のため大型プロモーションへの投資を行いました。また、商品開発やサービスの向上を実施し、LOWYA旗艦店の年間アクセス数は、前期比73.3%増となり、売上高の増加に寄与いたしました。

今後も引き続き、LOWYA旗艦店強化及びブランド作りに注力し、売上高の更なる成長と利益獲得に努めてまいります。

(営業利益)

当事業年度における営業損失は296百万円(前年同期は営業利益561百万円)となりました。

当事業年度は減益となり、物流コストの上昇が主な要因であります。いわゆる物流クライシスに対応するため、全般的な価格の見直しを行った結果、売上高は当初想定していた数値よりも下回る結果となりました。また、上期における商品欠品の影響による売上減少を補填すべく、下期から在庫を補充したものの、想定していた売上に対しては未達となりました。その結果、過剰在庫が発生し倉庫増床による保管コストが上昇いたしました。さらに、一部の配送会社による大型商材からの撤退に伴い、従来の料金表よりも単価が高騰し配送コストが上昇いたしました。

2019年4月以降も配送業者による配送費値上げの動きが強まる見通しであるため、引き続き配送を含めた物流コストの抑制が重要課題となります。

(経常利益)

当事業年度における経常損失は256百万円(前年同期は経常利益589百万円)となりました。

当事業年度は減益となり、主な要因は営業利益と同様であります。

(当期純利益)

当事業年度における当期純損失は240百万円(前年同期は当期純利益338百万円)となりました。

当事業年度は減益となり、主な要因は営業利益と同様であります。

また、当事業年度においては、当社が販売する照明器具の無償修理・無償交換に伴う費用の見積額51百万円を特別損失に計上いたしました。

 

(b) 財政状態の分析

財政状態の分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 

(c) 資本の財源及び資金の流動性

当事業年度の運転資金及び資本的支出は、自己資金及び借入金により賄いました。詳細につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

当社の運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入、物流コスト及び人件費であり、所要資金につきましては、自己資金及び借入金を充当する予定であります。

また、翌事業年度において重要な資本的支出は予定しておりませんが、設備投資等の所要資金につきましても、自己資金及び借入金を充当する予定であります。

  

 

4 【経営上の重要な契約等】

(1) Eコマースプラットフォーム運営事業者との契約

契約会社名

相手先
の名称

相手先の
所在地

契約の名称

契約内容

契約期間

(株)ベガコーポレーション

楽天(株)

日本

出店契約

ショッピング・モール「楽天市場」出店契約

1年間

(自動更新あり)

(株)ベガコーポレーション

ヤフー(株)

日本

ストアシステム利用契約

ストアシステム「YAHOO!ショッピング」利用契約

1年間

(自動更新あり)

(株)ベガコーポレーション

Amazon Services

International,Inc.

米国

プログラム契約

Merchants@Amazon.co.jpプログラム契約

定めなし

 

 

5 【研究開発活動】

当社は、越境市場をターゲットとした越境ECプラットフォーム(DOKODEMO)の運営及び家具・インテリア業界に特化したECプラットフォーム(Laig)の構築に取り組んでおります。

主に、越境市場に受け入れられる越境ECプラットフォームの機能充実と家具・インテリア業界に特化したECプラットフォームのシステム構築及を目的とした研究開発活動であります。

当事業年度における研究開発費の総額は、441百万円であります。