文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1) 経営方針及び経営環境
当社グループは、50周年を契機に“心にもっとくつろぎを”をミッションとして掲げ、「くつろぐ、いちばんいいところ」を進化させるために「KOMEDA COMES TRUE. with YOU」を合言葉にしたコメダ式サステナビリティ活動を開始しました。同時に、経営方針を店舗運営にとって一番大切なQSCのそれぞれの概念を進化させ、Q:もっといいもの、S:もっといいこと、C:もっといいところ、と定め、経済価値の向上と社会課題の解決に貢献すべく企業活動を行っております。
また、当社グループは、新型コロナウイルス感染症の感染拡大(以下、「コロナ禍」という。)によりお客様の行動・価値観が大きく変化するとともに、サステナビリティに対する意識の高まりも顕著になる中で、2021年4月に2026年2月期を最終年度とする5ヵ年の新中期経営計画「VALUES 2025」を策定し、そこに掲げた『“くつろぎ”で、人と地域と社会をつなぐ』をスローガンに、コロナ禍の影響を大きく受けた2021年2月期からの業績回復に加え、既存の事業モデルの拡充、新しい共創価値の追求、財務価値の維持拡大に向けた重点施策に取り組んでおります。
(2) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループは、中期経営計画「VALUES 2025」で掲げる重点戦略・財務目標の実現を目指すと同時に、コメダの経営方針QSCのもとで、事業活動を通じて持続可能な社会の実現に貢献するために、優先的に取り組むべき重要課題(マテリアリティ)として特定した13項目を、次に記載のとおり「品質とお客様」、「人と働きがい」、「環境」の3つに関するテーマに分類し、この分類ごとに当社グループの経済価値の向上と社会課題の解決に貢献すべく、取り組みを実施しております。
「品質とお客様に関するテーマ」
・商品・サービスの安全・安心の追求
・多様な消費者ニーズへの対応
・心と体の健康への貢献
・コミュニティへの参画と投資
・持続可能な消費に関する教育と啓発
「人と働きがいに関するテーマ」
・労働安全衛生の向上
・人財の確保と成長を支える環境整備
・多様な人財の活性化
・良好な雇用関係と適正な労働条件
・差別とハラスメントの撲滅
「環境に関するテーマ」
・廃棄物削減と資源循環の推進
・気候変動への対応
・サプライチェーンにおける環境と社会への配慮
なお、財務上の課題については、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ④ 経営戦略の現状と見通し」をご参照ください。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) サステナビリティ全般に関するガバナンス、戦略及びリスク管理
当社は、「ミッション“心にもっとくつろぎを”の実現」、「社会課題の解決への貢献及び企業の社会的責任の履行」、「サステナビリティ活動の実践による中長期的な企業価値の向上」の3つの目的に基づき、サステナビリティ推進規程を定めるとともに、全社を挙げてサステナビリティ経営に取り組むため、サステナビリティ推進規程に基づくサステナビリティ委員会を設置しております。また、サステナビリティ委員会において、サステナビリティ全般に関する基本方針を策定し、当社グループの提供価値である“くつろぎ”が、いついつまでもどこまでも持続していくように、共に笑顔になれる社会を創る「コメダ式サステナビリティ」活動の推進に取り組んでおります。
①ガバナンス
(基本方針)
・当社グループは、「くつろぐ、いちばんいいところ」をお客様に提供し続けるため、地球環境への配慮と社会課題の解決に取り組みます。
・当社グループの従業員は、当社グループの事業活動が環境及び社会に与える影響を的確に理解し、持続可能な社会の実現に向けて適切な行動をとらなければならないものとします。
・当社グループの事業活動におけるサステナビリティ活動は、13項目を重要課題(マテリアリティ)とし、次の3つのテーマに分類されるものとします。
「品質とお客様に関するテーマ」
「人と働きがいに関するテーマ」
「環境に関するテーマ」
(体制)
サステナビリティ委員会は、社長が選任する委員によって構成され、四半期に1回及び必要に応じて開催されております。また、同委員会は社長が委員長となり、重要な子会社である株式会社コメダのサステナビリティ推進部を事務局として、各事業本部と連携して、サステナビリティ活動に関する目標設定や進捗状況のモニタリング、達成内容の評価等を行うことで、さまざまな施策を継続的に実施し、サステナビリティに関する活動状況について、四半期に1回取締役会において報告しております。同時に、コメダ式サステナビリティ活動に関する知識・理解の向上を目的とした、従業員に対する啓発を行っております。
※体制図
(マテリアリティ特定プロセス)
当社は、全社を挙げてサステナビリティ経営を推進するため、国際的なガイドライン等(注1)に準じ、ステークホルダーの皆様の期待及び事業への影響度を判断基準として優先的に取り組むべき13項目のマテリアリティを2020年に特定しており、また、経営環境変化に応じてサステナビリティ活動をアップデートするために、定期的かつ継続的にマテリアリティ特定のプロセスを実施することにより、重要性の変化を確認し、事業活動に反映しております。
具体的には、4段階のプロセスを経て、「ステークホルダーの要請・期待」「事業への影響度」を基準に優先的に取り組むべき13項目のマテリアリティを特定しております。
・STEP1 課題の抽出
国際的なガイドライン(注1)やESG評価機関の各評価項目を参考に、マテリアリティ候補項目リストの策定を実施し、検討すべき34項目の課題候補を抽出しております。
・STEP2 優先順位付け
STEP1で策定したマテリアリティ候補項目リストの34項目の課題候補に対し、社会軸(社会の関心・期待・要請)と事業軸(事業への影響度)についてスコアリング評価を実施し、当該評価結果に基づきマテリアリティ・マトリックス案を策定しております。社会軸についてはステークホルダー及び社会全体に対する価値としての重要性の度合い、事業軸については中期経営計画・ブランドとの関連性、重要性の度合いをスコアリングの視点として評価を実施しております。
・STEP3 妥当性の評価
STEP2で策定したマテリアリティ・マトリックス案を当社取締役、当社グループ従業員及び外部アドバイザーにより検討会を実施し、全体の相関関係、位置関係について妥当性の確認を実施しております。なお、当該過程において、主にコーポレート・ガバナンス、コンプライアンス等の組織運営の基盤として取り組む重要な課題領域(注2)については、マテリアリティ・マトリックスでの相対比較対象外の課題として位置付けております。
・STEP4 特定
サステナビリティ委員会及び当社取締役会にて協議を行い、優先的に取り組むべき13項目のマテリアリティを決定しております。
(注1)GRIスタンダード、ISO26000、国連グローバル・コンパクト10原則、SASBセクター別基準
(注2)「最適なコーポレート・ガバナンスの追求」、「リスクマネジメントの確立」、「企業倫理の徹底と腐敗防止」、「情報開示と透明性の向上」
※マテリアリティ・マトリックス
②戦略
当社は、特定された優先的に取り組むべき13項目のマテリアリティを3つのテーマに分類し、13項目のマテリアリティに対して、当社の中長期的な取り組みを設定し、事業活動を通して経済の発展と社会課題の解決に貢献するよう取り組んでおります。
※13項目のマテリアリティの分類と取り組み
③リスク管理
当社では、リスク・コンプライアンス規程に基づき設置されるリスク対策委員会において、毎年、当社グループの経営に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクの特定を行い、そのリスクへの対応策について議論を行うとともに、同委員会において四半期に1回、その進捗状況を確認しております。
リスク対策委員会は、社長が選任する委員及び監査等委員によって構成され、四半期に1回及び必要に応じて開催されております。また、リスク対策委員会は社長直轄の組織であり、管理本部総務部を事務局としてリスクの把握・評価・予防、発生時の対応・再発防止に努めております。
④指標及び目標
当社は、3つのテーマごとに定量目標(KPI)及び目標を策定し、モニタリングを実施しております。これらの指標と目標はサステナビリティ委員会及び当社取締役会において適宜見直しを行っております。
「品質とお客様に関するテーマ」
指標:期末店舗数 目標:2025年度(2026年2月期)末 1,200店舗(うち海外店舗数80店舗)
当該テーマについては、優先的に取り組むべき13項目のマテリアリティのうち、「商品・サービスの安全・安心の追求」、「多様な消費者ニーズへの対応」、「心と体の健康への貢献」、「コミュニティへの参画と投資」、「持続可能な消費に関する教育と啓発」の5つのマテリアリティを分類しております。当社は、『“くつろぎ”で、人と地域と社会をつなぐ』をスローガンに、日本国内外において、珈琲所コメダ珈琲店を始めとした当社ブランドの店舗を拡大することにより、当社の店舗にお客様が集まり、新たなコミュニティができるきっかけになるよう、多彩な新商品やサービス、食の安全・安心、地域密着活動に取り組んでおります。
当事業年度の主な活動として、食の安全・安心を推進するため、千葉パン工場山食パンラインにて食品安全規格であるJFS-B認証を取得しました。店舗を通した地域密着活動では、嚥下に不安のある方でも飲み込みやすい「とろみコーヒー」を用いた老人保健施設訪問など全国で350件以上の活動が行われました。また、コメダ珈琲店 蒲田東口店では映画の町にちなんだフィルム調の内装を施すなど、地域色を取り入れた店舗をオープンすることで、地域の文化と融合したくつろぎを創出しています。
「環境に関するテーマ」
指標と目標:(2)気候変動への取り組みを参照
当該テーマについては、優先的に取り組むべき13項目のマテリアリティのうち、「気候変動への対応」、「廃棄物削減と資源循環の推進」、「サプライチェーンにおける環境と社会への配慮」の3つのマテリアリティを分類しております。当社は、創業当初より「もったいない精神」が企業文化として根付き、廃棄を抑えた店舗運営を続けてまいりました。また、当社のみならずサプライチェーン全体で社会・環境への配慮を行うため、「サステナビリティ調達ガイドライン」を策定し、一次サプライヤーに誓約をいただいております。事業の中核を担うコーヒー豆の安定調達に向けたコーヒー豆農家支援活動では、ブラジル女性農園主への営農指導プロジェクト『Café Delas』のコーヒー豆のみを使用したプレミアムコーヒー「Sophia」を販売するなど、将来的なコーヒー豆農園主の担い手を拡充し、経営の健全性及び栽培環境の持続可能性に寄与する活動を行なっております。
当事業年度の主な活動として、コーヒー豆の調達先の1つであるブラジルのコーヒー豆農園にて、当社代表取締役が農園を訪問しました。現地では児童労働や強制労働などの人権侵害がないこと、および、環境に配慮した農業経営がされていることを直接確認いたしました。また、廃棄物削減のため、工場から出るパン残渣の一部を養鶏の飼料とし、鶏卵を店舗で使用する旨の食品リサイクルループについて関連省庁より再生利用事業計画の認可を受けました。
「人と働きがいに関するテーマ」
指標と目標:(3)人的資本に関する取り組みを参照
当該テーマについては、優先的に取り組むべき13項目のマテリアリティのうち、「労働安全衛生の向上」「人財の確保と成長を支える環境整備」「多様な人財の活性化」「良好な雇用関係と適正な労働条件」「差別とハラスメントの撲滅」の5つのマテリアリティを分類しております。創業以来受け継いできた「コメダ流おもてなし」について、お客様の多様化する価値観に寄り添うことで磨かれることから、お客様に心温まるサービスを提供する多様な人財が活躍できる職場環境を目指し、ダイバーシティ経営を推進しております。
当事業年度の主な活動として、従業員が安心して力を発揮できる職場環境を構築するため、エンゲージメント向上を目的とした部長職以上の集合研修を実施したほか、人権に関する取り組みとして、カスタマーハラスメント対応宣言を掲げ、加盟店のオーナー、従業員が心身ともに安心して働くことができる環境を整備しました。また、コメダグループのミッション・経営理念・経営方針への共感を醸成するため、コメダの理念をブックレットにまとめ、従業員に配付し、チーム単位での理念浸透を推進いたしました。
※より詳しい取り組み内容については、当社「KOMEDA COMES TRUE. with YOU」ホームページをご覧ください。
https://komedacomestrue.komeda.co.jp/
(2) 気候変動への取り組み
当社は、気候変動が地球規模での重大な課題であると認識しています。気候変動の影響は農産物を主要原料とする当社製品のサプライチェーンのみならず、お客様の“くつろぎ”にも及ぶため、持続可能な社会の実現に向けて積極的に取り組んでいます。なお、当社は、気候変動への対応に関し、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言に沿って情報開示を行っております。
※関連情報は当社ホームページをご覧ください。
https://komeda-holdings.co.jp/sustainability/
①ガバナンス
気候変動対応に関するガバナンスについては、「(1)サステナビリティ全般に関するガバナンス、戦略及びリスク管理①ガバナンス」に記載のとおりです。また、当社では、2024年2月期より取締役に対する業績連動型譲渡制限付株式報酬の業績指標の1つとして二酸化炭素排出削減量を設定しております。対象取締役の業績との連動性を高めることにより、サステナビリティに関する取り組みをより一層推進いたします。
②戦略
TCFDガイダンスの推奨(2℃以下のシナリオを含む異なる気候関連のシナリオを考慮し、組織戦略の強靭性・弾力性を記述する)に基づき、国際エネルギー機関(IEA)をはじめとする国際機関が公表する複数のシナリオや政府発行資料などを参考に2℃および4℃将来シナリオ(2050年の世界観)を作成しました。これらのシナリオに基づき想定されるリスク・機会を特定し、特に事業への影響が大きい項目については可能な限り定量評価を実施するとともに、定量評価が難しい項目については定性情報で財務影響を試算しました。
財務影響の前提となるシナリオについて、以下のシナリオに基づいて想定されるリスクと機会を把握し、事業への影響度について定性・定量評価を実施しています。
試算結果を基に、継続的に対応策を検討・実行するとともに、より精緻なリスクと機会の定量・定性的な把握に努めてまいります。
(シナリオ)
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<想定した世界観> |
<分析に使用したシナリオ> |
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2℃未満の世界観 |
IEA(国際エネルギー機関) NZE 2050 IPCC(気候変動に関する政府間パネル) RCP2.6 |
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4℃の世界観 |
IEA(国際エネルギー機関) WEO 2022 IPCC(気候変動に関する政府間パネル) RCP8.5 |
(気候変動による主なリスクと機会(抜粋))
・リスク
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<分類> |
<リスクの分類> |
<リスク項目> |
<時間> |
<影響度> |
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移行リスク |
政策・法規制 |
エネルギーコストの高騰(光熱費) |
中期 長期 |
大 大 |
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移行リスク |
政策・法規制 |
脱プラスチックへの対応 |
中期 長期 |
小 小 |
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物理リスク |
慢性 |
原材料調達コストの高騰(コーヒー豆) |
中期 長期 |
小 大 |
|
物理リスク |
急性 |
台風やゲリラ豪雨などの被害 |
中期 長期 |
小 小 |
・機会
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<分類> |
<リスクの分類> |
<リスク項目> |
<時間> |
<影響度> |
|
機会 |
製品・サービス |
コーヒーだけではないくつろぎの提供 |
中期 長期 |
中 中 |
|
機会 |
レジリエンス |
店舗で提供する食材の高付加価値化 |
中期 長期 |
小 中 |
③リスク管理
気候変動リスクへの対策は年1度に事業本部ごとに目標を設定し、毎月報告会を実施しております。また、事務局であるサステナビリティ推進部が取り組みを評価・管理し、案件に応じ、四半期に1回以上、サステナビリティ委員会にて取締役への報告・提言を行っております。
④指標と目標
当社では、気候変動への対策として、CO2排出量(スコープ1・2・3の合計)を2030年度には2015年度対比50%削減、2050年度に実質ゼロを目標として掲げています。目標達成に向けた取り組みを推進するため、基準年となる2015年度(2016年2月期)と2024年度(2025年2月期)のCO2排出量(スコープ1・2・3)の算定を行いました。
2024年度(2025年2月期)のCO2(t-CO2)排出量
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<項目> |
2016年2月期 |
2024年2月期 |
2025年2月期 |
<対象範囲> |
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スコープ1 |
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(34.7) |
(47.1) |
直営店舗、工場、事務所のガス、営業車のガソリン、物流で使用するドライアイス、空調や冷媒のフロンガス |
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スコープ2 |
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(42.3) |
(△4.9) |
直営店舗、工場、事務所の電気 |
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スコープ3 |
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(39.7) |
(55.1) |
FC店舗含むサプライチェーンにかかわる排出量 |
(注) ( )内の数値は2015年度(2016年2月期)に対する増減率を記載しております。
⑤主な取り組み
当該事業年度では、気候変動の緩和のため、琉球コメダ全店での再生可能エネルギー導入を行い、コメダグループ全体での再生可能エネルギー比率が62%となりました。また、コメダの森保全活動エリアは9haを超え、スギ・ヒノキによるCO2吸収が年間68tとなるなど、脱炭素社会への地道な取り組みを続けております。
(3) 人的資本への取り組み
①戦略
(方針)
当社グループの接客サービスは、スタッフによるお客様への笑顔と心のこもったサービスにより、魂が吹き込まれることで、当社が目指す空気感「くつろぐ、いちばんいいところ」が完成します。新しいことに果敢に挑戦し、会社とともに進化する活気ある企業風土を醸成することを目指すため、当社グループに所属する全ての従業員が大切にする当社の経営理念、企業姿勢を方針として、当社の人事関連諸規程に定め、掲げております。
※経営理念
当社グループでは業種業態の異なるキャリア、専門性、価値観など多様なバックグラウンドを持った人財が働いており、その多様性を尊重し、多彩な能力を最大限に発揮することが 会社の永続的な成長に不可欠です。
お客様の多様化する価値観にサービスを提供できる、従業員一人一人の多様性から生まれるお客様に寄り添った行動が重要だと考えています。
「階層に関係なくお互いを承認し、多様性を尊重し合う組織風土」を醸成するために、採用プロセスの多様化、役員及び従業員に向けた階層別研修の実施、能力開発を促すための資格試験、ビジネススクール派遣等の各制度の拡充を通じて、全従業員の成長と企業文化の成熟に取り組んでおります。
コメダのミッションを示す理念体系である「コメダのピラミッド」と「従業員の行動指針」を見直し、従業員に理念ブックレットを配付し社内の理念浸透を推進しています。
(「人と働きがいに関するテーマ」への取り組み)
当社では、創業以来受け継いできた「コメダ流おもてなし」について、お客様の多様化する価値観に寄り添うことで磨かれることから、お客様に心温まるサービスを提供する多様な人財が活躍できる職場環境を目指し、ダイバーシティ経営を推進しております。
出店地域の拡大、店舗数の増加及びFC本部に求められる機能の多様化など、様々なニーズにお応えするため、性別、年齢、国籍などの多様なバックグラウンドを持つ人財が、それぞれの能力を存分に発揮し、企業の革新と成長に貢献できるよう努めています。そのため、柔軟で働きやすい環境整備や労働条件の最適化、ライフワークバランスの実現、公平で透明性のある人事制度を整備し、キャリア自律を支援することで、従業員のエンゲージメント向上に努めています。
また、従業員の心身が健康で安心して働けるよう、労働安全衛生及びハランスメントに関する教育、エンゲージメント調査、ストレスチェックを実施し、定期的なモニタリングを実施しております。
差別やハラスメントを根絶することを社会的責任と捉え、従業員の人格・人権を尊重し、不当な差別やハラスメントのない安全で働きやすい環境を確保するとともに、やりがいの持てる職場づくりを追求しております。またこの環境は、企業の持続的成長に繋がっております。また、店舗従業員が安心して働ける環境を整備するためにカスタマーハラスメント対応宣言を公開いたしました。
これらの取り組みにより、当社はサステナビリティ経営を推進し、事業活動を通じて当社グループの経済価値の向上と社会課題の解決に貢献してまいります。
②指標と目標
当社グループでは、上記「①戦略」において記載した、人財の多様性の確保を含む人財の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について、「女性管理職比率」「有給休暇取得率」「男性従業員育休取得率」の指標を用いております。
当該指標に関する目標及び実績は次のとおりであります 。
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2025年2月期 実績( |
目標(%)注 |
2030年2月期 参考(%) |
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30 |
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70 |
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50 |
なお、当連結会計年度における具体的な取り組みについては、当社ホームページを参照ください。
・https://komeda-holdings.co.jp/materiality/
・https://komedacomestrue.komeda.co.jp/action/
本有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりです。
当社では、リスク・コンプライアンス規程に基づき設置されるリスク対策委員会において、毎年、当社グループの経営に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクの特定を行い、そのリスクへの対応策について議論を行うとともに、同委員会において四半期に1回、その進捗状況を確認しております。
なお、以下のリスクは当社グループに関するすべてのリスクを網羅したものではなく、対応策もこれらのリスクを完全に排除するものではありません。また、文中の将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日(2025年5月28日)現在において当社グループが判断したものです。
(1)経営環境に関するリスク
① 経済状況の変化
当社グループは日本国内における事業を中心としているため、日本国内の景気変動や政府の経済政策の影響、消費税増税等に起因する個人消費の減速により、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、人件費・物流費・賃料・水道光熱費の上昇に伴う店頭価格の値上げにより、来店客数の減少が懸念されます。
そのほか、当社グループは、主として珈琲処コメダ珈琲店の展開を中心とした喫茶店FC事業の単一業態であるがゆえ、消費者の嗜好の変化などにより、喫茶店に対する個人消費が低迷した場合には、他業態でカバーすることが困難であるため、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
これらのリスクに対して、当社グループは、“くつろぐ、いちばんいいところ”の提供をはじめとするお客様へのサービスの向上、サステナビリティ活動、地域別の販売促進活動、新商品の提供などにより競合他社との差別化を推進するとともに、食材費及び人件費等のコントロールやオペレーションの効率化等を推進することでお客様の店舗体験価値を向上させ、引き続きご来店いただけるよう取り組んでまいります。また、海外での店舗展開を強化し日本国内を中心とした事業の地理的な分散に取り組んでおります。さらに、M&Aの推進にあたり、単一業態に起因するリスクを回避分散できる事業の獲得をも考慮に入れてまいります。
② 店舗展開
当社グループは、主にFCシステムによるチェーン展開を行っており、FC加盟店の出店により店舗を拡大しております。出店候補地においては、賃料条件、商圏人口、アクセス等を総合的に勘案し選定しておりますが、出店候補物件がFC加盟(希望)者の条件と合わない場合又は建設資材等の高騰による店舗建築コストの増加等によりFC加盟(希望)者の出店意欲が減退し、当社グループの出店が計画通りに進捗しない場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
これらのリスクに対して、当社グループは、社内の新規出店業務に精通したスタッフによる店舗開発部門を設置し、当該部門が中心となり全社横断的にFC加盟店の新規出店支援に取り組んでおります。また、業態変更を検討している同業者以外も含めた飲食店からの新規FC加盟の募集も併せて行うことにより、店舗数増加に寄与してまいります。
③ 海外展開
当社グループは、国内を中心に事業を展開してまいりましたが、海外での店舗展開も強化しております。展開にあたっては、関係諸国における経済状況、政治及び社会体制の著しい変化、法的規制や取引慣行、感染症のまん延状況等により、当社グループの事業展開が何らかの制約を受ける可能性があります。また、海外子会社におけるFC加盟店や取引先との紛争等が発生した場合、出店エリアにおける戦争・内乱・クーデター等の発生による長期間にわたる店舗休業、店舗建物の毀損、焼失等が発生した場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
これらのリスクに対して、当社グループは、海外におけるFC加盟店や取引先とより緊密なコミュニケーションをとることにより、可能な限り早期の情報収集を行い、適時適切な経営判断を行える体制の整備に努めております。
④ 人財の確保育成
当社グループは、出店地域の拡大、店舗数の増加及びFC本部に求められる機能の多様化に対応できる有能な人財の確保が必要となっており、今後において賃金の上昇、求人費の増加、国内の労働人口の減少に伴う従業員の確保困難等により、有能な人財を採用・育成できなかった場合や有能な人財の流出が生じた場合には、当社グループの業務運営に支障をきたし、経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
これらのリスクに対して、当社は、有能な人財にとって魅力ある場を提供するため、働きやすい職場環境づくりや多様な働き方を可能にするための施策、適材適所の人財配置や従業員のモチベーションを高めるための研修や複線型人事制度の導入・評価制度の改定などの施策を推進してまいります。
⑤ レピュテーションの低下、ブランド価値の毀損
昨今、外食産業などにおいて、インターネット等による迷惑動画の拡散による風評被害が問題となっております。当社グループではかかる事例は発見されていないものの、将来同様の事案が発生する場合、その内容の真偽に関わらず、当社グループの事業、経営成績、財政状態、ブランドイメージ及び社会的信用に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループの指導や支援が及ばない範囲で、FC加盟店において当社グループの事業の評判に悪影響を及ぼすような事態が発生した場合、競合他社等に対する風評被害であっても、外食市場全体の社会的評価や評判が下落した場合には、当社グループへのレピュテーションが低下し、ブランド価値が毀損することで、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
これらのリスクに対して、当社グループは、コンプライアンス意識の徹底と定着を目的として、コンプライアンス委員会を設置し、コンプライアンス及びリスク管理体制を整備するとともに、「コメダコンプライアンスヘルプライン」を当社グループ役職員及びFC加盟店に展開することで、内部通報制度の充実化を図っております。
また、当社グループ役職員に対する各種コンプライアンス研修を実施するとともに、直近の法令改正や他店舗での事例について解説したコンプライアンス通信をFC加盟店に配信、コンプライアンスに関する研修を実施する等、法令違反を未然に防止する対策を実施しております。
⑥ 気候変動
地球温暖化によりコーヒー豆などの原材料の収穫量が減少又は品質が低下した場合には、原材料の調達が困難又は価格が高騰するなど、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
また、地球温暖化により台風やゲリラ豪雨などが多発し、当社グループの店舗に被害が発生した場合には、店舗の営業休止や多額の修繕費用が発生するなど、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
これらのリスクに対して、当社グループは、オラム社よりサステナブルなコーヒー豆を調達するなど、各種原材料の安定調達を実施しております。また、地球温暖化の要因であるCO2を削減するため、各工場及び店舗に対して再生可能エネルギー等の導入を推進しております。
(2)食の安全・安心に関するリスク
① 食品事故の発生
集団食中毒や異物混入等の衛生問題が発生した場合には、当社グループに対する信用の失墜により店舗売上が減少する等のおそれがあり、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
これらのリスクに対して、当社グループは、食品品質保証規程に基づき、食品衛生法、JAS規格、その他の関連法規及び条例を遵守するとともに、仕入商品については採用前の規格書の取得とその後の更新、重要な商品については製造工場を訪問して監査を実施し、初回生産にも立ち会うことにより、安全で衛生的かつ品質の安定した商品であることを確認しております。また、全店舗に衛生マニュアルを配布し衛生に関するルールを統一するとともに、スーパーバイザーの店舗訪問時の衛生チェックや指導、外部専門機関による抜き打ちの衛生調査を行うことで、その遵守状況を確認しております。
② カロリー・アレルギー等の不適正な表示
アレルギーの原因となるアレルゲンやカロリー等の表示内容に重大な誤りがあった場合には、人命にかかわる重大事故に発展する可能性があると同時に、当社グループに対する信用の失墜により店舗売上が減少する等のおそれがあり、当社グループの経営成績に重大な影響を与える可能性があります。
これらのリスクに対して、当社グループは、主要な原産地情報等を規格書にて確認した上で、自社HPにおいて常に最新のカロリー・アレルギー情報を開示するとともに、店舗のメニュー表にも2次元コードを掲載し、お客様にご確認いただきやすい環境を整備しております。
(3)FC加盟店との関係性に起因するリスク
① FC加盟店への経済的依存
当社グループが展開するコメダ珈琲店及びおかげ庵の大部分(約95%)はFC加盟店によって運営されております。当社グループの主な収益はFC加盟店への食材等の卸売及びロイヤルティ収入であるため、当社グループの経営成績及び成長戦略はFC加盟店の経済的な成功・事業継続とFC事業発展への貢献に大きく依存しております。個人消費の減速や人件費・賃料・水道光熱費の高騰等により、多数のFC加盟店の収益性が悪化し、事業継続が困難となった場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
これらのリスクに対して、当社グループは、FC加盟店の収益性を向上させ、FC加盟店との共存共栄を達成すべく、FC本部として魅力的な商品の開発やキャンペーンなどの販売促進企画を行っております。また、お客様に“くつろぐ、いちばんいいところ”を提供することにより地域の皆様に愛され地域社会の活性化に貢献すること、公式コミュニティサイト「さんかく屋根の下」及び「コメダ部」の運営を進め、「お客様とコメダスタッフ」「お客様同士」の双方向の交流を促進しファンコミュニティを拡大・深化させることを通じて、コメダのブランドを高揚させ、FC加盟店の収益性向上を通じた関係強化に努めております。
② FC加盟店との訴訟等
当社グループとFC加盟店との間で解決できない問題が発生した場合等、契約解除に係る裁判係争等により風評被害が発生し、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
これらのリスクに対して、当社グループは、新規にFC加盟の希望があった場合、その希望者についての十分な情報収集を行った上で個別に加盟相談及び加盟審査を行い、当社グループの考え方をはじめとしてFC加盟希望者に誤解が生じないよう十分な説明を行っております。
③ FC加盟者の高齢化
中京エリアを中心にFC加盟者の高齢化が進んでおり、健康上の理由等により店舗運営を継続できないとの申し出による閉店が多数発生した場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
これらのリスクに対して、当社グループは、毎月の営業部長会議において情報共有を行うとともに、引き続き店舗を継続したい優良物件については他のFC加盟(希望)者への斡旋・承継又は直営化を推進しております。また、中京エリアを開発担当する中京開発部と同エリア専任開発担当者を配置するなど体制強化を図っております。
④ 店舗の老朽化
店舗の老朽化により多額の改装費用が発生する場合等、FC加盟店が事業継続を断念され、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
これらのリスクに対して、当社グループは、毎月の営業部長会議において情報共有を行い、改装工事に伴うFC加盟店負担の支援及び店舗を継続したい優良物件については他のFC加盟(希望)者への斡旋・承継又は直営化を推進しております。
(4)サプライチェーンに関するリスク
① 生産拠点の配置
自然災害等の不可抗力及び工場内の事故等の発生により既存工場の生産が停滞した場合には、各店舗への食材の安定供給ができず、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
これらのリスクに対して、当社グループの生産拠点であるコーヒー工場及びパン工場は、2015年に千葉パン工場、2018年に関東コーヒー工場、2019年に沖縄県内のコメダ珈琲店にパンを供給する工場機能をもったBAKERY ADEMOK、2021年に沖縄コーヒー工場、2023年に九州コーヒー工場が生産を開始し、2025年に関東コーヒー工場の生産能力を倍増したことで、事業継続に必要な生産体制を整備しました。また、商品の安全・安心及び安定供給を目的として、全国8拠点に配送センターを設置しているとともに2020年に製餡工場を愛知県に立ち上げました。さらに、北海道地区及び九州地区においてパンのOEMを開始しております。これらの施設の稼働により、生産拠点が分散化され、大規模震災等により工場が被災し操業できなくなった場合においても代替施設が確保できる体制となっております。
② 特定の取引先に対する依存
当社グループは、コーヒー生豆の風味を損なわず口当たりの良い味を演出するための独自の焙煎条件等を自社で開発しており、焙煎及び粉砕工程についてはその製造工程を指定の上、外部委託しております。また、全国の物流業務についても外部委託しております。これらの取引先において、急激な経営状態の悪化等により生産又は物流の機能が停止した場合、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
これらの生産及び物流に関するリスクに対して、1社ではなく複数の業者を委託先として選定し、リスク分散を図っております。
③ 原材料の調達
当社グループは、製品の原材料であるコーヒー生豆等を世界各国から品質を厳選して調達しておりますが、その価格は為替、政治情勢、気候等に影響を受けて商品相場が変動します。また、パンの主要原材料である小麦粉、油脂等は生産地域の異常気象等による収穫量の減少、消費量の急激な増加による需要の拡大又は投機資金の流入等によって、価格が高騰する可能性があります。加えて、特に輸入原料の場合は紛争の発生や感染症疾病の流行により特定地域からの輸入が停止される可能性があります。これらの原材料の価格高騰や輸入停止が生じた場合、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
これらのリスクのうち、価格高騰による業績変動リスクを円建ての先渡予約により軽減しております。また、輸入リスクに関して産地を分散するとともに、価格高騰リスクに関しては代替品の利用を検討してまいります。
④ IT(情報システム)への依存
当社グループは、食材の受発注・配送・店舗運営及び本部業務運営に関して情報システムに依存しております。
プログラムの不具合等やコンピュータ・ウイルス、外部からのサイバー攻撃等により、当社グループの情報システムに様々な障害が生じた場合には、お客様へのサービス提供を含む適切な店舗運営が阻害され、又は重要なデータを喪失する等により、当社グループの事業、経営成績、財政状態、ブランドイメージ及び社会的信用に影響を及ぼす可能性があります。
これらのリスクに対して、利用する全ての端末にウイルス対策ソフトを導入するとともに、外部からの脅威を防御する統合脅威管理ツールを導入し、サイバーセキュリティに関する社員教育や訓練に取り組んでおります。また、データ喪失やシステム障害に対する対策としては、システムの冗長化のほか、セキュリティが確保されたデータセンターでの一次バックアップに加えて地域の異なるデータセンターでの二次バックアップを取ることで、重要なデータ喪失を防ぐ仕組みを構築しております。
⑤ 新型スマートフォン・アプリの導入
当社グループは、お客様の店舗体験価値及び店舗運営能力の向上を通じたコメダFCシステム全体の売上及び利益双方の拡大を目的に、新型スマートフォン・アプリをリリースいたしました。新型スマートフォン・アプリに実装したモバイルオーダーシステム及び各種決済手続等に不具合が生じ、お客様のブランドロイヤルティが低下した場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
これらのリスクに対して、不具合が発生した場合、初期対応から復帰までの体制を構築しております。
(5)法規制、コンプライアンスに関するリスク
① 食品衛生法の改正
当社グループの工場並びに直営店及びFC加盟店は、食品衛生法の規定に基づき、監督官庁からの飲食店営業許可が必要であることに加え、環境の保護に関して、食品リサイクル法等、各種環境保全に関する法令が適用されます。これらの法的規制が改定又は強化された場合、設備投資等の新たな費用が発生・増加すること等により、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
これらのリスクに対して、当社グループでは、法令を遵守するため、適用される法令をいち早く把握し、FC加盟店と協力し計画的に必要な措置を講じております。
② 独占禁止法の改正、フランチャイズガイドラインの改訂
公正取引委員会によるコンビニエンス・ストア業界への実態調査を受け、独占禁止法・フランチャイズガイドラインの改訂がなされるなど法規制が強化された場合には、当社グループのブランドイメージの統一性及び同一性が阻害される等により、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
これらのリスクに対して、当社グループは、フランチャイズガイドラインの趣旨を踏まえたFC加盟契約書の改定を2025年3月に実施し、スーパーバイザーに対し改定内容を反映したコンプライアンス研修を実施しております。
③ 労働法の改正
当社グループは、店舗及び工場で多くのパートタイム・アルバイトの有期契約社員が業務に従事しており、労働基準法に定められた年次有給休暇取得義務や残業時間の上限規制、同一労働同一賃金制度における雇用区分別の均等・均衡待遇の明確化と説明義務等の労働関連法規制の違反が発生した場合には、規制当局からの業務改善命令又は従業員からの請求等により、当社グループの事業、経営成績、財政状態、ブランドイメージ及び社会的信用に影響を及ぼす可能性があります。
これらのリスクに対して、当社グループは、労働法令に知見のある社会保険労務士事務所と顧問契約を締結し、法令改正情報の提供や指導を受けるなど、法令に則り適正な対応を行っております。また、時間外労働時間の管理や年次有給休暇の取得義務化への対応については、関係部署に勤怠等の状況を定期的に配信することで違反の未然防止を図るとともに、毎月の社内会議で勤務状況を報告することにより、法令遵守に努めております。
④ 個人情報の漏洩
当社グループが取得・保管した個人情報が漏洩した場合、当社グループは社会的信用を失い、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
これらのリスクに対して、当社グループは、個人情報保護法や各種ガイドラインに基づいた個人情報保護管理規程を整備し、USB使用等による情報持ち出しを制限する等、社内の管理体制を強化するとともに、定期的に役職員への研修、社内及び外部委託先への個人情報管理状況に関する監査を実施しております。
⑤ 各種法令・規則の規制等
当社グループが展開する事業は各種法令・規則等の規制を受けており、これら法令・規則等に違反する行為が行われた場合若しくはやむを得ず遵守できなかった場合、又は行政機関により各種法令・規則の改廃や新設が行われた場合若しくは法令・規則の解釈に変更が生じた場合には、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
これらのリスクに対して、当社グループは、各種法令・規則の改正状況の適時適切な把握に努めるとともに、当社グループ役職員に対する各種コンプライアンス研修を実施するとともに、直近の法令改正や他店舗での事例について解説したコンプライアンス通信をFC加盟店に配信するなど、法令違反を未然に防止する対策を実施しております。
(6)財務に関するリスク
① 金利の変動及び資金の枯渇
当社グループは、旧コメダ②の株式取得資金を主に借入金により調達したこと等により、当連結会計年度末現在において多額の借入金を計上しております。今後も借入金を減少させるべく取り組んでまいりますが、借入条件に変動金利も含まれるため、金利が上昇した場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、金融市場の混乱や金融機関の融資姿勢の変化等により借換えが困難になった場合には、資金の枯渇が当社グループの財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
これらのリスクに対して、複数の金融機関から当座貸越契約による借入枠を確保するほか、ヘッジ取引や多様な資金調達手段の検討に加えて、金利条件の一部固定化、利益計画や資金繰りの管理により手元流動性を確保できるよう努めてまいります。
② のれんの減損
当社グループは、重点戦略として既存モデルとのシナジーを目的とした提携や買収の推進としてM&Aの実行を掲げており、当該実行後に当初想定しえなかった市場環境及び競争環境の変化などにより、当初期待した収益や効果を上げられない場合には、非流動資産に計上したのれんに対する減損損失の計上により、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、過去のM&Aの結果として、非流動資産に多額ののれんを計上しており、総資産に占める割合が高くなっております。当社が採用するIFRSにおいて、次の事象が発生した場合にはのれんの減損損失の計上が求められ、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
・のれんの対象となるFC事業の収益力低下等による将来キャッシュ・フローの減少
・金融市場の変動による加重平均資本コストの上昇、等
これらのリスクに対して、M&A実行後の統合プロセスの強化、利益計画や資金繰りの管理、並びに加重平均資本コストの低減をも考慮した最適資本構成の追求のほか、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 連結財務諸表注記 12.のれん及びその他の無形資産」に記載の減損テストを実施することでのれんの評価の妥当性を定期的に確認しております。
③ 店舗の差入保証金の回収
当社グループは、一部のFC加盟店に対して土地建物を転貸しております。その際に、当社グループは地主等に対し、敷金・保証金・建設協力金等(以下、「保証金等」という。)を差し入れておりますが、地主等の財政状態が悪化した場合、差し入れた保証金等が回収不能となる可能性があり、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
これらのリスクに対して、当社グループは、賃借人として賃貸物件を適切に利用するとともに、賃貸人と良好な関係を維持することで必要な契約期間と賃借人としての権利の確保に努めております。また、必要以上に保証金等を預託しないことにより回収不能リスクを低減しております。
④ 為替変動リスク
当社グループは、主としてアジア地域において海外事業の展開を行っているため当社グループの事業、業績及び財務状態は、為替相場の変動による影響を受けます。海外子会社における財務状況については、為替変動が進行すると在外事業体の換算差額を通じて自己資本が減少するリスクがあります。また、海外子会社の損益は外貨建取引であり、当社グループの報告通貨が円建であることから、為替変動が当社グループの業績に影響を及ぼします。これらのリスクに対し、外貨建資産、負債や取引額をモニターし、バランスをとるように努めておりますが、それでもなお、為替相場の変動によって、当社グループの事業、業績及び財務状態が影響を受ける可能性があります。
(1) 経営成績等の状況の概要
(経営成績の状況)
当連結会計年度における当社グループを取り巻く外食産業においては、賃上げやインバウンド需要の拡大により外食需要は堅調に推移し、緩やかな回復傾向が継続しております。一方で、日米の金融政策や為替の動向、地政学リスクによる原材料価格やエネルギーコスト高騰の継続、人財採用難による働き手不足や人件費の上昇、お客様のライフスタイルや価値観の変化など、極めて先行きの不透明な事業環境が続いております。
このような状況のもと、当社グループは、中期経営計画「VALUES 2025」に掲げる『“くつろぎ”で、人と地域と社会をつなぐ』をスローガンに、既存モデルの拡充、新しい共創価値の追求、財務価値の維持拡大に取り組んでまいりました。
店舗においては、原材料価格やエネルギーコストの高騰に加え、人件費の上昇の影響を受けて、4月から店頭メニュー価格の値上げを実施しました。FC加盟店に対する卸売価格は8月末まで据え置いておりましたが9月より値上げを実施しました。一方で、店舗での値上げに対して、デザートセットを今までよりもお求めやすくするとともに、一部の店舗においては改装を実施し、より一層くつろいでいただける空間づくりに取り組むなど、お客様の店舗体験価値向上を図るべくQSC向上施策に努めてまいりました。
販売施策としては、8月1日よりコメダ公式アプリで店舗をお気に入り登録しスタンプを5個ためるごとにドリンク1杯無料券がプレゼントされるキャンペーンを実施し、アプリを通じてお客様利便性向上に努めたほか、「シロノワール 天空の抹茶」、「シロノワール 桔梗信玄餅」のように地域に根ざしたブランドとのコラボレーション商品や老舗和菓子店株式会社たねや様から生まれた洋菓子ブランドのクラブハリエとコラボレーションした「クラブハリエ監修 ショコラノワール」を発売し、多くのお客様にご来店いただきました。
これらの取り組みにより、当連結会計年度におけるFC加盟店向け卸売の既存店売上高前年比は105.1%、全店売上高前年比は110.5%となりました。
また、コメダ珈琲店について新規に57店舗を出店したほか、おかげ庵について3店舗、新業態としてLa Vinothèque、ジェリコ堂、ベイス、米屋の太郎を出店した結果、当連結会計年度末の店舗数は1,083店舗となりました。
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区分 |
エリア |
前連結会計年度末 |
新規出店 |
閉店 |
当連結会計年度末 |
|
コメダ珈琲店 |
東日本 |
331(14) |
20(1) |
1(-) |
350(12) |
|
中京 |
304(3) |
6(-) |
1(-) |
309(2) |
|
|
西日本 |
330(9) |
20(-) |
1(-) |
349(8) |
|
|
海外 |
39(13) |
11(5) |
3(1) |
47(19) |
|
|
おかげ庵 |
全国 |
13(6) |
3(3) |
-(-) |
16(8) |
|
BAKERY ADEMOK KOMEDA is □ 大餡吉日 La Vinothèque ジェリコ堂 ベイス 米屋の太郎 |
- |
6(6) |
6(5) |
-(-) |
12(11) |
|
合計 |
1,023(51) |
66(14) |
6(1) |
1,083(60) |
|
注1.( )内の数字は直営店舗数であり、内数で記載しております。
2.コメダ珈琲店の東日本エリアにおいて直営店3店舗、中京エリアにおいて直営店1店舗、西日本エリアにおいて直営店1店舗、おかげ庵において直営店1店舗をFC化しております。また、コメダ珈琲店の海外においてFC店2店舗を直営化しております。
以上の取り組みの結果、当連結会計年度の売上収益は、47,057百万円(前連結会計年度比8.8%増)となりました。一方で、コーヒー豆など主要な原材料価格高騰の影響を受けて営業利益は8,820百万円(前連結会計年度比1.2%増)、税引前利益は8,612百万円(前連結会計年度比0.8%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益は5,814百万円(前連結会計年度比2.6%減)となりました。
(財政状態の分析の状況)
当連結会計年度末における資産、負債及び資本の状況は次のとおりであります。
流動資産は、現金及び現金同等物の増加等により前連結会計年度末に比べ1,153百万円増加し、20,566百万円となりました。非流動資産は、有形固定資産の増加等により前連結会計年度末に比べ1,814百万円増加し、85,173百万円となりました。その結果、資産は、前連結会計年度末に比べ2,967百万円増加し、105,739百万円となりました。
また、流動負債は、営業債務の増加等により前連結会計年度末に比べ906百万円増加し、14,464百万円となりました。非流動負債は、借入金の減少等により前連結会計年度末に比べ447百万円減少し、45,657百万円となりました。その結果、負債は、前連結会計年度末に比べ459百万円増加し、60,121百万円となりました。
資本は、前連結会計年度末に比べ2,508百万円増加し、45,618百万円となりました。これは主に当期利益を5,814百万円計上した一方で、親会社への所有者への剰余金の配当2,465百万円を実施したこと、自己株式1,001百万円を取得したことによるものです。
(キャッシュ・フローの状況)
当連結会計年度における資金は、前連結会計年度末に比べ2,467百万円増加し、10,390百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
① 営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動による収入は11,235百万円(前連結会計年度比202百万円減)となりました。これは主に、税引前利益8,612百万円(前連結会計年度比73百万円減)を計上したこと、その他の金融負債の増加額3,963百万円(前連結会計年度比670百万円減)、法人所得税等の支払額2,731百万円(前連結会計年度比124百万円減)によるものです。
② 投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動による収入は642百万円(前連結会計年度は1,955百万円の支出)となりました。これは主に定期預金の減少4,000百万円(前連結会計年度は800百万円の増加)、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出1,889百万円(前連結会計年度比1,889百万円増)、有形固定資産の取得による支出1,187百万円(前連結会計年度比152百万円増)によるものです。
③ 財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動による支出は9,505百万円(前連結会計年度比1,268百万円増)となりました。これは主に借入金の返済による支出2,032百万円(前連結会計年度比91百万円増)、リース負債の返済による支出4,030百万円(前連結会計年度比268百万円増)、自己株式の取得による支出1,000百万円(前連結会計年度比0百万円増)、親会社の所有者への配当金の支払額2,465百万円(前連結会計年度比76百万円増)によるものです。
(生産、受注及び販売の実績)
① 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2024年3月1日 至 2025年2月28日) |
前年同期比(%) |
|
FC事業(百万円) |
4,845 |
111.1 |
|
合計(百万円) |
4,845 |
111.1 |
(注)1.当社グループの事業区分は「FC事業」の単一セグメントです。
2.IFRSに基づく金額を記載しております。また、百万円未満は四捨五入して記載しております。
3.金額は製造原価によっております。
② 仕入実績
当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2024年3月1日 至 2025年2月28日) |
前年同期比(%) |
|
FC事業(百万円) |
21,388 |
109.1 |
|
合計(百万円) |
21,388 |
109.1 |
(注)1.当社グループの事業区分は「FC事業」の単一セグメントです。
2.IFRSに基づく金額を記載しております。また、百万円未満は四捨五入して記載しております。
③ 受注実績
当社グループは見込み生産を行っておりますので、該当事項はありません。
④ 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2024年3月1日 至 2025年2月28日) |
前年同期比(%) |
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FC事業(百万円) |
47,057 |
108.8 |
|
合計(百万円) |
47,057 |
108.8 |
(注)1.当社グループの事業区分は「FC事業」の単一セグメントであり、外部顧客に対する売上収益を示しております。
2.IFRSに基づく金額を記載しております。また、百万円未満は四捨五入して記載しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
① 重要性がある会計方針並びに重要な見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループは、IFRSに基づき連結財務諸表を作成しております。この連結財務諸表作成にあたって必要となる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。重要性がある会計方針並びに重要な見積り及び当該見積りに用いた仮定の詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記」に記載のとおりです。
② 経営成績等の分析
経営成績等の分析については、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要」に記載しております。
③ 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「3 事業等のリスク」をご参照下さい。
④ 経営戦略の現状と見通し
当社グループは、2026年2月期を最終年度とする中期経営計画「VALUES 2025」で掲げる「“くつろぎ”で、人と地域と社会をつなぐ」のスローガンのもとで、お客様を含む全てのステークホルダーの皆様の多様化する価値観(VALUES)に沿った提供価値の共創に努めております。中期経営計画「VALUES 2025」においては、2026年2月末までに店舗数を1,200店舗とする目標を掲げるほか、財務価値の維持拡大として、2021年2月期を起点とした基本的1株当たり利益(EPS)の年平均成長率を13%以上、最終年度における投下資本利益率(ROIC)を11.5%以上、自己資本比率を40%以上、株主還元として総還元性向を中期経営計画期間累計で50%以上とする目標を掲げており、社会課題の解決と併せて事業を行っております。
(中期経営計画「VALUES 2025」で掲げる重点戦略・財務目標)
1.既存事業モデルの拡充
・QSCの向上:“くつろぐ、いちばんいいところ”をご提供する人財の育成
・出店の拡大 :ポストコロナの地政変動を背景にした出店
・DXの推進 :顧客ロイヤルティ向上、業務効率化及び省人省力化
2.新しい共創価値の追求
・新規事業開発:ブランドと顧客ベースを活用した新サービスの開発
・M&A :既存モデルとのシナジーを目的とした提携・買収の推進
・SDGs対応:サステナビリティ活動を通じた、ブランドエクイティの強化
3.財務価値の維持拡大
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・成長性 |
:EPS(1株当たり利益) |
年平均成長率13%以上 |
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・収益性 |
:ROIC※(投下資本利益率) |
中期経営計画最終年度に11.5%以上 |
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・財務健全性 |
:自己資本比率 |
中期経営計画最終年度に40%以上 |
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・株主還元 |
:総還元性向 |
中期経営計画期間累計で50%以上 |
※ROIC=税引後営業利益÷(リース負債を除く有利子負債期首期末平均+資本の期首期末平均)
当連結会計年度における各経営指標の進捗は次のとおりです。
|
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2022年2月期 |
2023年2月期 |
2024年2月期 |
2025年2月期 |
2026年2月期 |
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(計画初年度) |
(計画第2年度) |
(計画第3年度) |
(当連結会計年度) |
(計画最終年度 目標) |
||
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成長性 |
EPS(円) |
107.02 |
117.60 |
130.12 |
127.66 |
144.00 以上 |
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EPS年平均成長率(%) |
37.4% |
22.9% |
18.7% |
13.1% |
13.0% 以上 |
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収益性 |
ROIC |
8.8% |
10.5% |
11.0% |
11.1% |
11.5% 以上 |
|
財務健全性 |
自己資本比率 |
38.5% |
40.5% |
41.9% |
43.1% |
40.0% 以上 |
|
株主還元 |
総還元性向 |
49.7% |
47.8% |
51.3% |
53.5% |
50.0% 以上 |
当社グループを取り巻く外食業界においては、経済社会活動の正常化が進展するものの、長期化する地政学リスクによる原材料価格やエネルギーコスト高騰の継続、人財採用難による働き手不足や人件費の上昇、お客様のライフスタイルや価値観の変化など、依然として先行き不透明な状態が想定されます。
そのような経営環境の下、新型コロナウイルス感染症による影響からの業績回復だけでなく、中期経営計画「VALUES 2025」の実現に向け、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」に記載した取組みを実施してまいります。
⑤ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
キャッシュ・フローの状況につきましては、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要(キャッシュ・フローの状況)」に記載のとおりであり、当連結会計年度末における資金は、前連結会計年度末に比べ2,467百万円増加し、10,390百万円となりました。
また、当社グループの資金は、主として営業活動からのキャッシュ・フローと金融機関からの借入により調達しているほか、当連結会計年度末において、機動的な資金調達と流動性確保を目的とした合計120億円の当座貸越契約を取引金融機関と締結しております。
(1) 株式会社コメダとFC加盟店とのFC加盟契約
①契約の名称
FC加盟契約書
②契約の内容
a.加盟店は、本部より許可された商標、サービスマークなどを使用することができる。
b.加盟店は、本部が提供するノウハウ、システムなどを利用することができる。
c.加盟店は、本部が提供する店舗デザイン、レイアウト図などを利用することができる。
d.加盟店は、営業を開始するにあたり、店舗運営に関する実習及び研修を受けることができる。
e.加盟に際し、当社が徴収する加盟契約料、ロイヤルティなどに関する事項
「コメダ珈琲店」及び「おかげ庵」ともに同様の契約内容となります。
保証金 300万円(※)
加盟金 300万円(1店舗目)
150万円(2店舗目以降)
研修費用 50万円(2018年3月31日以前は15万円)
ロイヤルティ 月額1席あたり 1,500円
※保証金に関しては3つのパターンがあり、原則として連帯保証人が2人以上であれば300万円、1人であれば600万円、保証人を付けない場合は900万円としております。
③契約期間
契約の日から10年間(契約期間満了後、再契約の場合は5年)
(2) 株式会社三井住友銀行、株式会社三菱UFJ銀行、株式会社愛知銀行、株式会社七十七銀行との借入契約
当社の連結子会社である株式会社コメダは、2022年2月28日付で取引金融機関4行それぞれと金銭消費貸借契約を締結しました。
主な契約内容は、次のとおりです。
①契約の相手先
株式会社三井住友銀行、株式会社三菱UFJ銀行、株式会社愛知銀行、株式会社七十七銀行
②当初借入金額
総額14,000百万円
③最終返済期限
2029年8月31日
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 14.借入金」に記載しております。
(3) 株式会社三菱UFJ銀行、株式会社三井住友銀行、株式会社みずほ銀行との当座貸越契約
当社の連結子会社である株式会社コメダは、機動的な資金調達と安定的な流動性の確保を目的として、株式会社三菱UFJ銀行、株式会社三井住友銀行、株式会社みずほ銀行3行と2022年11月1日に締結した当座貸越契約の契約期間を延長しました。
主な契約内容は、次のとおりです。
①契約の相手先
株式会社三菱UFJ銀行、株式会社三井住友銀行、株式会社みずほ銀行
②極度額
総額120億円
③借入金利
変動金利(基準金利+スプレッド)
④契約期間
契約締結日より1年間
⑤借入残高
「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 32.金融商品」に記載しております。
(4) 商流及び物流に関する取引基本契約書
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東日本及び西日本エリア |
中京エリア |
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①相手先 |
株式会社日本アクセス |
名古屋製酪株式会社 |
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②締結年月日 |
2014年9月1日 |
2017年11月29日 |
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③契約の名称 |
基本契約書 |
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④契約の内容 |
・株式会社コメダの製品の運送に関わる継続的物品運送契約 製品の運送、積込み、保管、運送、積卸し、引渡、回収に関する業務の委託 ・購入商品に関わる継続的売買契約 株式会社コメダの発注する商品を仕入先から購入し、需給管理、保管、ピッキングを行い、FC加盟店又は直営店まで運送する業務の委託 |
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⑤契約期間 |
当初2年で1年ごとの自動更新 |
当初9ヶ月で1年ごとの自動更新 |
(5) 焙煎工程の業務委託契約
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①相手先 |
株式会社ユニオンコーヒーロースターズ |
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②締結年月日 |
2010年3月1日 |
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③契約の名称 |
商品取引に関する基本約定書 |
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④契約の内容 |
株式会社コメダの指示に基づく、焙煎、配合、豆挽きの処理及びそれに付帯する作業、配送の業務の委託 |
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⑤契約期間 |
1年ごとの自動更新 |
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①相手先 |
石光商事株式会社 |
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②締結年月日 |
2011年3月5日 |
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③契約の名称 |
商品取引に関する基本約定書 |
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④契約の内容 |
株式会社コメダが指定する製品を製造・加工(焙煎業務等)・販売し、株式会社コメダが指定する日時及び場所に納品する業務の委託 |
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⑤契約期間 |
1年ごとの自動更新 |
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①相手先 |
株式会社ユニカフェ |
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②締結年月日 |
2019年3月25日 |
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③契約の名称 |
売買基本契約書 |
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④契約の内容 |
株式会社コメダが指定する製品を製造・加工(焙煎業務等)・販売し、株式会社コメダが指定する日時及び場所に納品する業務の委託 |
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⑤契約期間 |
1年ごとの自動更新 |
(6) 包括業務提携契約書
当社は、2019年6月12日開催の取締役会において、当社グループと三菱商事株式会社との間で、業務提携を行うことを決議し、同日付けで締結した以下の包括業務提携契約を、2024年12月31日付けで合意解約いたしました。
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①相手先 |
三菱商事株式会社 |
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②締結年月日 |
2019年6月12日 |
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③契約の名称 |
包括業務提携契約書 |
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④契約の内容 |
・当社グループにおけるサステナビリティ推進活動に関する協業 ・当社グループの海外事業展開に関する協業 ・データマーケティング機能に関する協業 ・当社グループの国内外における販売推進等に関する協業 |
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⑤契約期間 |
当初3年で1年ごとの自動更新 |
(7) 株式譲渡契約書
当社は、2024年9月6日開催の取締役会決議において、当社の完全子会社であるKOMEDA INTERNATIONAL HOLDINGS PTE. LTD.を通じてPOON RESOURCES PTE. LTD.の発行済株式の70%を取得することを決議し、2025年1月24日付で株式売買契約を締結いたしました。2025年3月1日付けで発行済株式の70%を取得しております。
詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 35重要な後発事象」に記載のとおりであります。
特に記載すべき事項はありません。