第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)経営成績の状況

 当中間連結会計期間における我が国経済は、雇用・所得環境の改善やインバウンド需要の拡大により、緩やかな回復の動きが見られる一方で、前年度からの継続的な物価高騰や地政学リスクの継続に加え、米国の関税政策による世界的な景気後退リスクなどにより、見通しが立ちづらい状況となっております。

 

 このような経済状況の中、歯科関連業界におきましては、歯科医療費は引き続き増加傾向にあるなど、国内歯科関連業界全体の事業環境は緩やかな回復が見られるものの、上記の影響による先行きの不透明感に加え、歯科衛生士や歯科技工士等の人材不足が深刻な問題となっております。こうした中でも、歯科医療領域でのデンタルソリューション関連装置・サービスの拡大や歯科医療におけるDXの進展などにより、歯科機器・用品マーケットの増加傾向は続く見通しです。

 

 当社につきましては主に歯科関連商品、衣料品及びインテリア雑貨などを扱う通信販売事業を中心に、「通信販売、大型機器販売、歯科DXの3本柱による歯科医療発展への貢献」「お客様に選ばれるファーストコールカンパニーへ」「新本社ロジスティクスセンターの能力最大化からグループサプライチェーンの最適化による競争優位性の確立」を成長戦略として、各事業の拡大に取り組んでまいりました。

 

 2023年10月2日に竣工した新本社ロジスティクスセンターにおきましては、2025年2月26日付プレスリリース「補助金入金のお知らせ」のとおり、2025年2月25日付で経済産業省「サプライチェーン対策のための国内投資促進事業費補助金」の入金(12,936百万円)を受けております。つきましては、補助金額確定に伴い新本社ロジスティクスセンターの対象固定資産の圧縮記帳を行った影響で、当中間連結会計期間より減価償却費が減額され、営業利益が大幅に伸長いたしました。また、補助金額確定までに計上された同センターに係る減価償却費(2023年12月期第3四半期連結会計期間から2024年12月期第4四半期連結会計期間)につきましては、圧縮記帳前後の差額(減価償却開始時点から圧縮していたと仮定した場合の減価償却費との差額)が、特別利益に計上した補助金収入と特別損失に計上した固定資産圧縮損との差額(純額)に対応しています。さらに2025年4月25日付で、石川県能美市より「企業立地促進助成金」の入金(100百万円)を受けたことにより、親会社株主に帰属する中間純利益につきましても伸長いたしました。

 

 なお、2024年7月1日付で株式会社ニッセンホールディングスを完全子会社化し、前第3四半期連結会計期間より同社グループの業績が反映されております。2024年12月20日付で連結子会社化した株式会社白鳩につきましては、みなし取得日が2024年11月末となるため、前連結会計年度においては貸借対照表のみを連結し、業績に関しては営業外損益の持分法による投資損益に含めて計上しておりましたが、当中間連結会計期間より損益計算書も連結しております。よって、当該子会社化の影響により、連結売上高は大幅に増加いたしました。また、2025年3月31日付の株式会社白鳩の旧本社譲渡に伴い、当中間連結会計期間において固定資産売却益(特別利益)を計上したため、親会社株主に帰属する中間純利益につきましても伸長いたしました。

当社を含めた通信販売事業を主とする3社間の協業により、相互の顧客網を活用した販売チャネルの拡大や、物流機能の効率的な運用等に取り組むことで、さらなる売上高の拡大及び収益改善を目指し、シナジー効果を最大限発揮できるよう取り組んでまいります。

 

 以上のような背景のもと、当中間連結会計期間における売上高は461億33百万円(前年同期比89.7%増)、営業利益は21億25百万円(同116.2%増)、経常利益は22億60百万円(同132.6%増)、親会社株主に帰属する中間純利益は24億67百万円(同327.1%増)となりました。

 

 事業内容別の経営成績は次のとおりであります。

 従来、当社グループの報告セグメントは「通信販売事業」の1つとしておりましたが、株式会社ニッセンホールディングス及び株式会社白鳩の連結子会社化に伴い、前第4四半期連結会計期間より事業セグメントの区分方法の見直しを行うことといたしました。その結果、当社の報告セグメントは、「歯愛メディカル事業」、「ニッセン事業」、「白鳩事業」の3つへ変更しております。

 なお、2024年7月1日付で株式会社ニッセンホールディングス、2024年12月20日付で株式会社白鳩を子会社化したため、ニッセン事業及び白鳩事業の前年同期比較は記載しておりません。

 

(歯愛メディカル事業)

 歯科関連商品を扱う通信販売事業を中心に、新商品の販売及び個人医院・総合病院等の医科業界及び動物病院業界への参入拡大を引き続き進めるとともに、歯科医院及び動物病院等へ大型医療機器(デジタルレントゲン医療機器等)を販売しており、当社主催のデンタルショーや新機種投入等の効果もあり、確実に実績を積み重ねております。商品調達価格については、原材料価格高騰の影響等が続いており、2025年7月発刊の歯科通販総合カタログをはじめとして、順次価格改定により収益改善を図っております。

 直近では、日本国内の歯科用ユニットメーカーと共同で、歯科医師の高齢化や物価高騰を考慮した、シンプルで手頃な価格帯の新型ユニットの販売を開始しました。また、歯科治療へのアクセスが制限されがちな高齢者向けに、在宅診療の重要性が高まる中、当社オリジナルのオールインワン型ポータブルユニットを国内メーカーと共同開発し、市場投入しております。

 CAD/CAM歯科技工関連機器・システム販売事業及びCAD/CAM歯科技工物製作事業においては、歯科医療のDXに伴い、AIを活用して歯科技工物を自動設計するCADソフトウエア「Dentbird」等の販売増により、経営成績は堅調に推移いたしました。さらに2025年5月より、新たに歯科技工クラウド受発注サービス「Dentbird Connect」の運用も開始し、今後、販売増を見込んでおります。歯科医院等の医療機関取引先向け電力小売取次事業「Ciでんき」におきましても、電力価格高騰が落ち着き、現在積極的に営業活動を行っており新規申込数の増加に繋がっております。

 また、前連結会計年度においては令和6年能登半島地震等の影響もあり、2023年10月2日に竣工した新本社ロジスティクスセンターへの完全移転が予定より遅れ、その間旧センターと並行稼働となりコスト増となったこと等により、販売費及び一般管理費が増加しましたが、現在は同センターへの移転も完了し出荷能力及び作業効率の増強を実現したことにより、ロジスティクス関連費用は減少しております。

 これらの取り組みの結果、歯愛メディカル事業売上高は260億12百万円(前年同期比6.9%増)、営業利益は18億60百万円(同89.2%増)となりました。

 

(ニッセン事業)

 当中間連結会計期間におきましては、引き続き歯愛メディカル事業及び白鳩事業とのシナジー最大化を目指し、ナースウエア事業を開始するなど取り扱い商品の拡充や新たなお客様へのアプローチにチャレンジするとともに、業績回復のための徹底した経費削減に取り組んでおり、その成果創出に向けて着実に進行しております。

 主力事業会社である、衣料品、インテリア雑貨などの通販事業を営む株式会社ニッセンにおいては、nissen,ブランドMVV(Mission Vision Value)に基づき、期待以上のお客様本位の売場、商品構成の改革を継続して進めており、株式会社マロンスタイルにおいては、大きいサイズのレディース服に商品を絞り、この領域で、かわいい服・センスのいいECサイトを創ることに集中してまいりました。

 また、生命保険の募集に関する業務及び損害保険代理業を営む株式会社ニッセンライフ、クレジットカード事業を営むニッセン・クレジットサービス株式会社においても「お客様本位の業務運営方針」を掲げ、ご利用いただいているお客様の大切な生活をお守りし、お客様のお買い物をより便利に、より快適にするための取り組みを継続して進めております。広告代理店事業を営む株式会社アド究舎におきましては、2025年6月1日付で株式会社ニッセンのBtoB事業を承継し、「株式会社ニッセンLINX」へ商号変更いたしました。ニッセングループの多様な資産を活用してシナジーを生み出すと同時に、制約を超えて変化しながら支援企業のカスタマーエクスペリエンス向上を目指す企業を目指してまいります。

 これらの取り組みの結果、ニッセン事業売上高は170億61百万円、営業利益は2億52百万円となりました。なお、営業損益については、連結子会社化前の中間連結会計期間との比較では7億15百万円改善しております。

 

(白鳩事業)

 株式会社白鳩においては、創業当初より取り扱うインナーウェアと早期参入を通じて蓄積したEコマースに関する知見を掛け合わせ、国内有数のインナーウェア通販事業を目指す中で、歯愛メディカル事業及びニッセン事業の販売網を活用した販路拡大により、新たな顧客獲得や売上拡大を図っております。当中間連結会計期間におきましては、ニッセン事業同様、経費削減に取り組みつつ、PB(プライベートブランド商品)の販売伸び悩みや、国内モールにおけるアクセス数の減少などの課題に対し、魅力ある商品を適正価格で提供すべく商品の開発や社内体制の整備に鋭意取り組んでまいりました。また、2025年7月30日に本店サイトをリニューアルし、ポイントやクーポン施策の拡充に加え、検索機能の強化や一部制約はあるものの返品・交換に係る返送料の無料化など、お客様にとってお得かつ便利なサイトに生まれ変わっております。既に取り組んでおります、一部の主力商品における日曜祝日の当日出荷の安定稼働と合わせて、顧客サービスの更なる向上を目指してまいります。

 これらの取り組みの結果、白鳩事業売上高は30億59百万円、営業利益は20百万円となりました。なお、営業損益については、連結子会社化前の中間連結会計期間との比較では15百万円改善しております。

 

(2)財政状態の状況

① 流動資産

 当中間連結会計期間末における流動資産の残高は、前連結会計年度末に比べ5億2百万円増加(1.7%増)し308億42百万円となりました。これは主として、現金及び預金が11億32百万円、前渡金が93百万円、原材料及び貯蔵品が20百万円増加した一方で、商品及び製品が3億44百万円減少したこと等によるものであります。

② 固定資産

 当中間連結会計期間末における固定資産の残高は、前連結会計年度末に比べ126億90百万円減少(38.7%減)し201億35百万円となりました。これは主として、投資有価証券が1億46百万円増加した一方で、機械装置及び運搬具が59億96百万円、建物及び構築物が57億34百万円減少したこと等によるものであります。

③ 流動負債

 当中間連結会計期間末における流動負債の残高は、前連結会計年度末に比べ165億29百万円減少(50.1%減)し164億61百万円となりました。これは主として、1年内返済予定の長期借入金が12億35百万円増加した一方で、短期借入金が180億円、未払金が8億82百万円減少したこと等によるものであります。

④ 固定負債

 当中間連結会計期間末における固定負債の残高は、前連結会計年度末に比べ23億27百万円増加(83.7%増)し51億6百万円となりました。これは長期借入金が24億72百万円増加したことによるものであります。

⑤ 純資産

 当中間連結会計期間末における純資産の残高は、前連結会計年度末に比べ20億14百万円増加(7.4%増)し294億10百万円となりました。これは主として、親会社株主に帰属する中間純利益24億67百万円及び剰余金の配当6億26百万円によるものであります。

 

(3)キャッシュ・フローの状況

 当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、52億25百万円となりました。

 当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果、獲得した資金は21億79百万円となりました。これは主に、固定資産圧縮損115億18百万円、税金等調整前中間純利益39億2百万円等により資金が増加した一方で、補助金収入130億39百万円、その他の負債の減少10億71百万円、固定資産売却益4億23百万円等により資金が減少したことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果、獲得した資金は139億10百万円となりました。これは主に、補助金の受取額130億36百万円等により資金が増加したことによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果、使用した資金は149億86百万円となりました。これは、短期借入金の純減額180億円があった一方で、長期借入れによる収入60億61百万円等により資金が減少したことによるものであります。

 

(4)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(5)経営方針・経営戦略等

 当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(6)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(7)財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針

 当中間連結会計期間において、財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針に重要な変更はありません。

 

(8)研究開発活動

 当中間連結会計期間において研究開発に使用した額は17百万円であります。

 なお、当中間連結会計期間において当社グループの研究開発の状況に重要な変更はありません。

 

 

3【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。