第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

 当連結会計年度(平成27年7月1日~平成28年6月30日)におけるわが国経済は、雇用及び所得環境の改善傾向が続くなか、政府の各種政策による景気の下支え効果もあり緩やかな回復基調にあります。しかしながら、金融資本市場の急激な市況変動に加え、アジア新興国や資源国等の景気の下振れが国内景気を下押しするリスクがあり、景気の先行きは不透明感が強まりました。

 当社グループの属する不動産業界におきましては、国土交通省の不動産市場動向マンスリーレポート平成28年6月によると南関東圏の不動産価格指数は16ヶ月連続して前年同月を上回り、土地代の上昇が継続しております。また、東京オリンピック開催や震災復興等の影響を受け高騰した建築費は高止まりの傾向にあります。一方で購入需要については、首都圏への人口流入及び単身世帯の増加傾向を背景に、首都圏においては安定した賃貸需要が続いており、低金利の下支えもあって堅調に推移しております。

 このような事業環境の中、当社グループは、東京都23区内おいて自社ブランドマンション「XEBEC(ジーベック)」シリーズの開発に注力し、立地や仕様等の改良を図る等ブランド力の強化を図ると共に、投資家や入居者等様々な顧客に対して多様な価値を提供するよう努めてまいりました。

 以上の結果、当連結会計年度は、売上高69億96百万円(前期比16.1%増)、営業利益4億11百万円(同19.4%減)、経常利益3億29百万円(同30.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益2億10百万円(同28.2%減)となりました。

 

セグメントの業績は、次のとおりであります。

 

(不動産販売事業)

 不動産販売事業においては、自社ブランドマンション「XEBEC(ジーベック)」シリーズの販売を中心に、顧客ニーズに応じて柔軟に中古収益物件の仕入販売を行いました。また、これまで当社の強みであった城南エリアに加え、城北エリア等においても「XEBEC(ジーベック)」シリーズの開発エリア拡大を図ってまいりました。

 以上の結果、売上高59億32百万円(前期比13.1%増)、セグメント利益3億37百万円(同31.4%減)となりました。

 

(不動産賃貸管理・仲介事業)

 不動産賃貸管理事業においては、自社販売物件の管理契約獲得等により管理戸数が増加しております。また、地域の不動産仲介業者と積極的にコミュニケーションを図り、当社賃貸管理物件の認知度を高めるとともに、モデルルームの設置等により入居率の向上に努めてまいりました。不動産仲介事業においては、当社子会社の株式会社Dualtap Property Managementにて、インターネット媒体による賃貸仲介の集客に取り組む一方、売買仲介にも注力し、収益力の拡大を図ってまいりました。

 以上の結果、売上高10億13百万円(前期比30.8%増)、セグメント利益42百万円(前期は3百万円)となりました。

 

(海外不動産事業)

 海外不動産事業においては、当社子会社の株式会社Dualtap Internationalにて引続きマレーシア及びシンガポールでの不動産紹介ビジネスを推進する一方、タイでの不動産紹介ビジネスにも取り組み、顧客層の拡大に努めてまいりました。

 以上の結果、売上高50百万円(前期は7百万円)、セグメント利益18百万円(前期は0百万円)となりました。

 

 なお、当社グループの主力事業である不動産販売事業における収益物件の販売は、顧客への物件引渡しをもって売上が計上されます。そのため、物件の竣工や引渡しのタイミングにより四半期ごとの業績に偏重が生じる傾向があります。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ53百万円減少し、6億22百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動により支出した資金は8億85百万円となりました。主な収入は、税金等調整前当期純利益3億29百万円、営業未払金の増加額2億57百万円であり、主な支出は、たな卸資産の増加額14億10百万円、法人税等の支払額1億37百万円であります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動により支出した資金は3億15百万円となりました。主な収入は、定期預金の引き出しによる収入49百万円であり、主な支出は、有形固定資産の取得による支出3億65百万円であります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動により獲得した資金は11億46百万円となりました。主な収入は、長期借入れによる収入17億4百万円、社債の発行による収入7億67百万円であり、主な支出は、長期借入金の返済による支出10億円、社債の償還による支出1億61百万円、短期借入金の純減額1億60百万円であります。

 

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

 該当事項はありません。

 

(2)契約実績

 当連結会計年度における不動産販売事業の契約実績は次のとおりであります。

区分

当連結会計年度

(自 平成27年7月1日

  至 平成28年6月30日)

期中契約高

年度末契約残高

戸数

(戸)

金額

(千円)

 

戸数

(戸)

金額

(千円)

 

前年同期比(%)

前年同期比(%)

ワンルーム型マンション

215

5,531,392

105.5

2

51,335

14.7

ファミリー型マンション

1

46,658

16.4

合計

216

5,578,051

101.0

2

51,335

12.6

(注)上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(3)販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

区分

当連結会計年度

(自 平成27年7月1日

  至 平成28年6月30日)

戸数

(戸)

金額

(千円)

 

前年同期比

(%)

不動産販売事業

ワンルーム型マンション

227

5,828,519

116.1

ファミリー型マンション

2

104,342

46.1

小計

229

5,932,862

113.1

不動産賃貸管理・仲介事業

不動産賃貸管理

948,171

131.5

不動産仲介

65,042

121.2

小計

1,013,214

130.8

海外不動産事業

50,698

650.3

合計

229

6,996,775

116.1

 (注)1.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

2.セグメント間の取引を相殺消去した後の金額を記載しております。

3.主たる販売先は不特定多数の一般消費者であり、相手先別販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10以上の販売先はありません。

 

3【対処すべき課題】

 当社グループの対処すべき課題について、その内容と対処方針等は以下のとおりです。

1.自社開発物件の安定的かつ機動的な仕入体制の構築

 東京都心部及びその周辺という限られた範囲での開発は、各社が厳しい競争の中でいかに早く情報収集を行いその情報に対してスピーディーな対応ができるかが重要と考えております。当社グループでは、不動産開発において長年の実績をもつスタッフがトレンドを先読みし、その時代に合ったマンションづくりを心掛けております。

 優良な新規物件を安定的に供給していくために、景況感を踏まえた合理的かつ機動的な仕入に努めてまいります。結果として自社ブランドマンション「XEBEC(ジーベック)」を安定供給させることが当社グループの成長に結びつくものと考えております。

 

2.投資用のバリュー確保

 当社グループが提供するマンションのほとんどが「ワンルーム型マンション」という理由から、入居される方々が一番重視されるのは利便性であると考え、最寄り駅から徒歩10分圏内を基本とした土地選定を行っております。

 また、当社グループではデザイン性や機能性も求められる時代と考えており、いかにして入居される方々のニーズに合った開発が出来るかなど、立地条件や物件のクオリティも意識したマンションづくりを行っております。

 さらに、当社グループでは、賃貸契約の専門部署を設置して、最新の入居者情報を確保することによって、サブリース契約及び管理業務受託契約を締結している物件の入居率を高い水準で維持することに努め、投資商品としてのバリューの確保を図ってまいります。

 

3.財務基盤の維持・拡大

 優良な新規物件を安定・継続的に供給していくため、また、顧客資産を長期的に安定サポートしていくために、手許流動性の確保や金融機関との良好な取引関係が最重要課題と考えております。このため、一定の内部留保の確保や様々な金融手法への取組み等、財務基盤の拡充を図ってまいります。

 

4.内部統制システムの強化

 当社グループは、企業として成長過程であることから、新規事業への取組みやより効率的な業務フローの検討が常に社内でなされており、それに伴い内部統制システム整備・構築上の課題が継続的に発生します。当社グループは、監査役監査や内部監査の過程で常に当社グループ内外の状況変化に応じた内部統制システムの仕組みの変更の必要性を検討し、その結果を経営幹部へ速やかに伝達し、対応策の早期構築を促してまいります。

 

5.少子高齢化に向けた国外投資家開拓への取り組み

 少子高齢化により、国内における人口は、現在の1億2千万人から、西暦2060年頃には8千6百万人に減少すると推定されております。このように今後人口が減少することで、国内不動産における余剰化が危惧されております。

 当社では、上記の状況に対処するため、国内のみならず、海外諸国の富裕層の投資家ネットワークを開拓し、アジア戦略の拠点づくりに向けた取り組みを推進してまいります。

 

4【事業等のリスク】

 以下において、当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しています。また、当社グループとして必ずしもそのようなリスクには該当しない事項につきましても、投資判断の上で、あるいは当社グループの事業活動を理解する上で重要と考えられる事項については、投資家及び株主に対する積極的な情報開示の観点から記載しています。

 当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、その発生の予防及び発生時の対応に努力する方針ですが、当社グループの経営状況及び将来の事業についての判断は、本項及び本書中の本項以外の記載を慎重に検討した上で行われる必要があると考えています。なお、以下の事項における将来に関する事項については、提出日時点において当社グループで想定される範囲で記載したものです。また、以下の記載は当社株式への投資に関連するリスクの全てを網羅するものではありません。

 

1.事業を取り巻く経営環境に関するリスク

経済状況の影響等について

 当社グループが属する不動産業界は、景気動向、金融環境並びに不動産市況等の経済環境や不動産関連税制の改廃等が企業業績に与える影響が大きく、当社グループの不動産販売事業におきましては、これらに加え、地価動向や景気動向による土地購入代金及び建築費等の変動や競合他社の供給動向・価格動向等の影響を受けやすく、これらにより、顧客の投資用ワンルーム型マンションの購買意欲が減退した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

2.当社グループの業態に関するリスク

(1)投資用マンション販売事業に関するリスク

 当社グループの不動産販売事業におきましては、主として資産運用を目的とした顧客に分譲するマンションを販売しておりますが、マンションによる資産運用には、入居率の悪化や家賃相場の下落による賃貸収入の低下、金融機関の貸出条件の変更や金利の上昇による借入金返済負担の増加等、収支の悪化につながる様々な投資リスクが内在します。当社グループは、顧客に対し、これらの投資リスクについて十分説明を行い、理解していただいた上で売買契約を締結するよう営業社員の教育を徹底すると共に、入居者募集・集金代行・建物維持管理に至るまで一貫したサービスを提供することで顧客の長期的かつ安定的なマンション経営を全面的にサポートし、空室の発生や資産価値下落等のリスク低減に努めておりますが、営業社員の説明不足等により、顧客の投資リスクに対する理解が不十分なままマンションを購入されたこと等により、訴訟等が発生した場合、当社グループの信頼が損なわれ、当社グループの事業に影響が及ぶ可能性があります。

 また、販売チャネルにつきましては、主に既存顧客からの紹介による新契約及び既存顧客による買増に依存しております。そのため、当社グループの信頼が損なわれた場合には、新契約の販売件数の継続的拡大という点において、課題に直面する可能性があります。

 さらに、資産運用型マンションの販売方法について、当社としては、法令遵守等のための体制を整えておりますが、同業他社の強引な販売方法等が社会問題に発展する可能性があり、それに伴う法的規制等が強化され、その対応に時間や費用を要する場合、資産運用型マンションの販売計画の遂行に支障をきたし、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 不動産販売事業につきましては、平成28年6月期において連結売上高の84.8%を占めており、将来において、不動産関連税制や所得税関連等の税制が変更された場合に、不動産取得・売却時のコストの増加、顧客の購買意欲、マンションオーナー等の事業意欲の減退等により、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)仕入に関するリスク

 仕入には、「完成マンションの一棟仕入(専有売買)」と「土地を取得しての開発」、「他社からの複数戸仕入」の形態があります。

① 仕入コストについて

 当社グループは、東京都心部及びその周辺の物件を中心に仕入れておりますが、いずれの仕入形態におきましても地価の上昇、競争入札制度の普及等による他社との競合等により仕入コストが上昇し、当社グループが開発用地を計画どおりに取得できなかった場合や当該上昇分を販売価格へ転嫁できなかった場合には、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

② 仕入決済について

 当社グループは、販売用不動産に関して取引先であるゼネコン、建設会社等より竣工後に仕入れを行っております。資金決済は、概ね、竣工後3か月~6か月後であることから、販売用不動産仕入後、営業部門が販売を行い、仕入資金を回収いたします。したがって、資金決済までの期間、資金負担は仕入に係る手付金に限られますが、販売戸数の多寡等の事由により販売用不動産の販売期間が資金決済期間を超える場合は、残物件に係る資金・在庫負担が発生します。その場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 事業用地について

 当社グループが行っている、東京都心部及びその周辺をマーケットとしたワンルーム型マンションの販売は、販売用不動産の調達力の優劣や当該地域における地震その他の災害、地域経済の変動等により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 また、当社は、事業用地の売買契約の際、一定の調査を行った上、土壌汚染等の問題がないことを確認しておりますが、着工後に問題が発覚したり、売主が瑕疵担保責任を遂行しない場合、プロジェクト開発計画に支障をきたし、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)建築に関するリスク

① 建築工事の外注について

 当社グループの不動産販売事業におきましては、建築工事を建設会社に外注しております。外注先である建設会社の選定にあたっては、施工能力、施工実績、財務内容等を総合的に勘案したうえで行い、また、建設会社の管理においては、建設会社現場所長、監理者(設計事務所責任者)、サブコン(電気・設備業者責任者)、当社物件担当者で、概ね隔週で行う定例会議による進捗把握、仕様確認、条例、基準法等の法定事項実施の確認を行っております。また、監理者のみならず当社一級建築士による試験杭の立会い及び特定法定検査の立会いを行い、ダブルチェックによる品質管理の徹底を行っております。

 しかしながら、外注先である建設会社に倒産等の予期せぬ事象が発生した場合、工事中の事故や、物件の品質に問題が発生した場合には、計画どおりの開発に支障をきたす可能性があり、また、施工完了後、建設会社の経営破綻等が発生し、工事請負契約に基づく建設会社の瑕疵担保責任が履行されなかった場合、当社に補修等の義務が生じ、想定外の費用が発生して、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

② 近隣住民の反対運動について

 当社は、マンションの建設にあたり、関係する法律、自治体の条例等を十分検討したうえ、周辺環境との調和を重視した開発を企画するとともに、周辺住民に対する事前説明会の実施等適切な対応を講じており、現在まで、近隣住民との重大な摩擦は発生しておりません。しかしながら、今後、建設中の騒音、電波障害、日照問題、景観変化等を理由に近隣住民の反対運動が発生する可能性があり、問題解決のための工事遅延や追加工事費用が発生する場合や、プロジェクト開発が中止に至る場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

③ 外注コストについて

 当社グループの不動産販売事業におきましては、建築コストは仕入コストとともに売上原価の主要項目でありますが、建築資材の価格や建築工事にかかる人件費が想定を上回って上昇した場合、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)引渡し時期による業績変動について

 当社グループの不動産販売事業におきましては、マンション等の売買契約成立後、顧客への引渡しをもって売上を計上するため、その引渡し時期により、同一年度内において売上高及び利益に隔たりが生じる可能性、想定した売上や収益が翌期に繰り越される可能性があり、当社グループの有価証券報告書等に記載される当社グループの経営数値に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)在庫について

 当社グループは、中期的な経済展望に基づき、開発用地の仕入れ、マンションの企画・販売を行い、物件の早期完売に努めておりますが、急激な景気の悪化、金利の上昇、不動産関連税制の改廃等により、販売計画の遂行が困難となった場合、販売先の確定に時間を要した場合には、プロジェクトの遅延や完成在庫の滞留が発生し、資金収支の悪化を招く可能性があります。

 また、当社グループは「棚卸資産の評価に関する会計基準」(企業会計基準第9号 平成18年7月5日)を適用しております。これに伴い、時価が取得原価を下回った販売用不動産、仕掛販売用不動産の評価損失が計上された場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)賃貸管理物件について

 当社グループの不動産賃貸管理事業におきましては、マンション所有者に対して、事務手続き等のみを行う業務委託契約と入居賃料を一定額保証する賃貸保証契約(サブリース方式)がありますが、賃貸保証契約物件の入居率の低下により入居者からの不動産賃貸収入が想定以上に減少した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)法的規制等について

① 法的規制について

 当社グループが行う不動産取引は、宅地建物取引業法、建物の区分所有等に関する法律、建築基準法、都市計画法、建設業法、建築士法、国土利用計画法、借地借家法、消防法、住宅の品質確保の促進等に関する法律、マンションの管理の適正化の推進に関する法律等、不当景品類及び不当表示防止法、不動産の表示に関する公正競争規約により、法的規制を受けております。

 近年は、首都圏・近畿圏において、ワンルーム型マンションに対する行政指導・規制の強化の動きが見られ、東京特別区を中心に、ワンルームマンションの建設を規制する条例等が制定されております。具体的には、25㎡以上等への最低住戸面積の引き上げ、一定面積以上の住戸の設置義務付け、狭小住戸集合住宅税の導入等がありますが、当社グループでは、これらの条例等に沿った商品開発を行っているため、現時点において、かかる規制が当社グループの事業に影響を及ぼす可能性は少ないものと認識しております。しかしながら、今後さらに各自治体による規制強化が進められた場合は、当社グループの事業活動に影響を及ぼす可能性があります。当社は、当該指導・規制への対応を図っておりますが、不動産取引関連法令の制定、既存の法令が改廃された場合等には、当社グループの事業活動に影響を及ぼす可能性があります。

② 瑕疵担保責任について

 当社グループは、「住宅の品質確保の促進等に関する法律」により、新築住宅の構造上主要な部分及び雨水の浸水を防止する部分について10年間の瑕疵担保責任を負っております。万が一、当社グループの販売した物件に重大な瑕疵があるとされた場合、その直接的な原因が当社グループ以外の責任によるものであっても、当社グループは売主として瑕疵担保責任を負うことがあります。当社グループは特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律において規定される住宅瑕疵担保責任保険を付保しておりますが、発生した瑕疵担保責任が保証限度を超える可能性や当該保険の適用対象外となる可能性があります。その結果、補修工事費の増加や当社グループの信用力低下により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

③ 許認可等について

 当社グループの主要事業におきましては、事業活動に際して、以下の免許、許認可等を取得しております。現在、当該免許及び許認可等が取消となる事由は発生しておりませんが、今後、何らかの理由によりこれらの免許、登録、許可の取消等があった場合、当社グループの主要事業の活動に支障をきたすとともに業績に重大な影響を与える可能性があります。

許認可等の名称

会社名

許認可番号等/有効期間

規制法令

免許取消

条項等

宅地建物取引業者免許

株式会社デュアルタップ

株式会社Dualtap Property Management

東京都知事(3)第86482号

平成28年9月23日~平成33年9月22日

東京都知事(2)第93172号

平成28年7月16日~平成33年7月15日

宅地建物取引業法

第5条、

第66条等

賃貸住宅管理業者登録

株式会社デュアルタップ

国土交通大臣(1)第711号

平成24年2月1日~平成29年1月31日

マンション管理の適正化の推進に関する法律

第47条、

第83条等

④ 海外での不動産販売活動について

 当社グループは、海外不動産事業において当社グループの顧客にマレーシアの不動産を紹介する事業を行っておりますが、マレーシアにおいては、外国人による投機的な不動産購入を抑制するため、外国人が当該不動産を購入する際の最低購入価格及びキャピタルゲイン課税の引上げ等、規制が強化されております。本規制により国内投資家の投資意欲が衰退した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 また、国内不動産を主にシンガポール、台湾、上海等の投資家に販売しておりますが、各国の法令に従い、営業活動を行っておりますが、各国の不動産関連法令等の改正等により、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)新規事業への参入について

 当社はマレーシアの非連結子会社DUALTAP BUILDING MANAGEMENT SDN. BHD. において、マレーシアでの建物管理事業を平成27年1月より開始いたしました。現地事業環境の影響により新規事業が計画どおりに進まない場合等には、当社グループの業績及び事業の展開に影響を及ぼす可能性があります。

 

3.当社事業体制に関するリスク

(1)小規模組織であることについて

 当社グループは平成28年6月30日現在、従業員65名と小規模組織であり、内部管理体制についても組織の規模に応じたものとなっております。当社グループは今後、業容拡大に応じて人材の採用を行うとともに社内管理体制を構築していく予定です。しかしながら、当社グループが事業の拡大に対して適切かつ十分な組織構築に至らなかった場合、当社グループの事業遂行及び拡大に支障が生じ、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)人材の確保・育成について

 当社グループが展開する不動産販売事業、海外不動産事業は、不動産関連法令の法的規制の中、競争力のあるサービスの提供が求められており、高度な知識、経験、指導力を持った優秀な人材が最も重要な経営資源であります。当社グループにおいては、優秀な人材の確保、育成及び定着が不可欠であり、OJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)、専門講師による勉強会を実施し、人材の育成に努めております。

 しかしながら、必要とする人材が十分に確保できない場合、事業展開に伴う人材確保・育成が順調に進まなかった場合、当社グループの役職員が社外に流した場合には、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)個人情報の管理について

 当社グループがお預かりしているお客様の個人情報については、外部侵入防止システムの採用、データアクセス権限の設定、個人情報保護規程等による規程化、コンプライアンス委員会による規則遵守の徹底とセキュリティ意識の向上を目的とした教育、研修等による周知徹底等により、細心の注意を払い取り扱っておりますが、個人情報の不正利用、その他不測の事態によって重要な情報が外部に漏洩した場合、当社グループへの信用の低下や損害賠償請求等により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)代表取締役社長臼井貴弘への依存について

 当社グループでは、役員及び幹部社員の情報の共有化や権限の移譲を進め、創業者である代表取締役社長臼井貴弘に過度に依存しないような経営体制の整備を行っておりますが、同氏は、当社設立以来、当社グループの経営方針、経営戦略、資金調達等、事業活動の推進にあたり重要な役割を担ってまいりました。特に当社グループの主力事業である不動産販売事業における方針の決定については、同氏の資質に依存している部分があります。同氏が職務を遂行できなくなるような不測の事態が生じた場合、当社グループの業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

4.その他のリスク

(1)有利子負債への依存について

 当社グループの有利子負債残高は以下の表のとおりであります。当社グループは、不動産販売事業における土地の仕入れ及び建築費の一部に係る開発資金並びに固定資産を主に金融機関からの借入金によって調達しております。当社グループは特定の金融機関に依存することなく、個別案件ごとに販売計画の妥当性を分析したうえで借入金等の調達を行っておりますが、金融情勢の変動によって金利上昇や借入金の調達が困難になることがあり、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

区分

平成26年6月期

(連結)

平成27年6月期

(連結)

平成28年6月期

(連結)

有利子負債残高(A)(千円)

951,018

2,002,769

3,170,743

総資産額(B)(千円)

1,775,255

3,196,232

4,831,152

有利子負債依存度(%)(A/B)

53.6%

62.7%

65.6%

 

(2)配当政策について

 当社は、株主に対する利益還元を重要な経営課題の一つとして位置付けており、将来の企業成長と経営基盤の強化のための内部留保を確保しつつ、株主に継続的に配当を行うことを基本方針としております。

 当社剰余金の配当は、期末配当の年1回を基本方針としており、決定機関は株主総会であります。

 なお、当社は、「取締役会の決議により、毎年12月31日を基準日として、中間配当を行うことができる。」旨を定款に定めております。

 当事業年度の配当につきましては、上記方針に基づき当期は1株当たり30円の配当を実施することを決定しました。この結果、当事業年度の配当性向は12.7%となりました。

 内部留保資金につきましては、今後の事業展開並びに経営基盤の強化、拡充に役立てることとし、将来における株主の利益確保のために備えてまいります。

 

(3)調達した資金の使途について

 今回の増資により調達した資金の使途につきましては、物件の開発のための資金として充当する方針であります。

 しかしながら、急速に変化する経営環境に対応するため、現時点における計画以外の使途に充当する可能性があります。なお、上記資金使途と異なる使途にて充当する必要が生じた場合には、速やかに開示いたします。当初の計画に沿って資金を使用した場合においても想定通りの投資効果を上げられない可能性もあります。そのような場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

5【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

 該当事項はありません。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 当連結会計年度の財政状態及び経営成績の分析は、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりまして、決算日における資産・負債の報告数値及び報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積り及び仮定設定を行っております。当該見積りにつきましては、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に関して適切な仮定設定、情報収集を行い、見積り金額を計算しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

 

(2)財政状態の分析

① 流動資産

 当連結会計年度末における流動資産は33億55百万円となり、前連結会計年度末に比べ9億24百万円増加いたしました。これは主に、現金及び預金が1億3百万円減少した一方で、仕掛販売用不動産が5億85百万円増加、販売用不動産が4億69百万円増加したことによるものであります。

② 固定資産

 当連結会計年度末における固定資産は14億75百万円となり、前連結会計年度末に比べ7億10百万円増加いたしました。これは主に、賃貸用不動産の取得等により有形固定資産が6億81百万円増加したことによるものであります。

③ 流動負債

 当連結会計年度末における流動負債は22億84百万円となり、前連結会計年度末に比べ8億3百万円増加いたしました。これは主に、短期借入金が1億60百万円減少した一方で、1年内返済予定の長期借入金が6億98百万円増加、営業未払金が2億57百万円増加したことによるものであります。

④ 固定負債

 当連結会計年度末における固定負債は16億27百万円となり、前連結会計年度末に比べ6億20百万円増加いたしました。これは主に、社債が5億93百万円、長期借入金が17百万円増加したことによるものであります。

⑤ 純資産

 当連結会計年度末における純資産は9億19百万円となり、前連結会計年度末に比べ2億10百万円増加いたしました。これは親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が2億10百万円増加したことによるものであります。

 

(3)経営成績の分析

① 売上高

 当連結会計年度における売上高は69億96百万円となり、前連結会計年度に対し9億67百万円の増加となりました。これは、主に当社グループ主力の不動産販売事業による売上高が59億32百万円となり、前連結会計年度に対し6億86百万円増加したことによるものであります。

 なお、セグメント別の売上高につきましては、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (1)業績」をご参照ください。

② 売上原価、売上総利益

 当連結会計年度における売上原価は56億35百万円となり、前連結会計年度に対し10億16百万円の増加となりました。これは、主に不動産販売事業に供する販売用不動産の仕入高が増加したことによるものであります。

 その結果、当連結会計年度の売上総利益は13億60百万円(前連結会計年度比49百万円減、3.5%減)となりました。

③ 販売費及び一般管理費、営業利益

 当連結会計年度における販売費及び一般管理費は9億49百万円となり、前連結会計年度に対し49百万円の増加となりました。これは主に、販売戸数及び賃貸管理戸数の増加に伴い広告宣伝費が増加したことによるものであります。

 その結果、当連結会計年度の営業利益は4億11百万円(前連結会計年度比99百万円減、19.4%減)となりました。

④ 営業外損益、経常利益

 当連結会計年度における営業外収益は16百万円となり、前連結会計年度に対し3百万円の増加となりました。

 当連結会計年度における営業外費用は98百万円となり、前連結会計年度に対し46百万円の増加となりました。

 その結果、当連結会計年度の経常利益は3億29百万円(前連結会計年度比1億42百万円減、30.2%減)となりました。

⑤ 特別損益

 当連結会計年度における特別利益は、発生しておりません。

 当連結会計年度における特別損失は、子会社清算損0百万円を計上しております。

 

(4)経営成績に重要な影響を与える要因について

 当社グループの事業に重要な影響を与える要因といたしましては、法的規制、景気や金利の変動などの経済状況の影響、有利子負債への依存、顧客への物件引渡しの時期による業績の偏重、建築工事外注先の経営状態、訴訟の発生など様々な要因が挙げられます。詳細につきましては、「第2 事業の状況 4 事業等のリスク」をご参照ください。

 

(5)経営戦略の現状と見通し

 当社グループの主力事業である収益不動産市場におきましては、単身者や少人数世帯を中心とした東京都心部及びその周辺への入り口移動の継続などを背景に、賃貸、実需ともに底堅い需要が続くものと予想され、資産運用に対する社会的関心が高まる中、分散投資のひとつとして安定した収益を不動産に求める購入者層の一層の拡大が見込まれております。

 用地仕入・開発面では、土地価格及び建築費が上昇傾向にあるため、収益性の見極めが一層重要になるものと考えられます。

 当社グループといたしましては、これらの状況を踏まえまして、以下のとおり考えております。

① 不動産販売事業

 当社グループの主力事業である収益不動産の販売事業につきましては、主に資産運用を目的として購入されることに鑑み、開発地域については、東京都心部及びその周辺において安定した賃貸需要が見込める土地を厳選し、付加価値の高い商品を継続的に供給してまいります。

 販売方法としては、既存顧客からの紹介による新規契約及び買増に加え、自社セミナーの開催により需要がある方へのアプローチを図ってまいります。

② 不動産賃貸管理・仲介事業

 不動産賃貸管理事業につきましては、サブリースによる賃料収入の拡大を目指すと共に、空室率の更なる低減を図ってまいります。

 不動産仲介事業につきましては、繁忙期と閑散期を見極めながら、潜在需要の掘り起こしを図ってまいります。

③ 海外不動産事業

 海外不動産事業につきましては、東南アジア地区を中心とした事業の拡大を図ってまいります。

 

(6)資本の財源及び資金の流動性についての分析

 キャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

 当社グループの資金需要の主なものは、不動産開発における用地取得費用であり、その調達手段は主として、金融機関からの借入金によっております。用地取得費用以外の運転資金につきましては、自己資金で対応することを原則とし、金融費用を低減するよう努めております。

 

(7)経営者の問題認識と今後の方針について

 当社グループの経営陣は、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案するよう努めておりますが、将来における経営環境の変化は予想の域を超えることができず、正確な長期方針の立案は難しいものとなっております。

 当社グループは、経済動向や業界環境の推移等を総合的に判断し、事業推進にあたっては、安易な拡大路線を取ることなく採算性を重視する方針をとっております。今後につきましても、不動産販売事業を最大のコア業務としつつ、これに関連する事業もコアにすることで経営資源を集中させていく方針でありますが、事業環境の変化に的確に対応し、周辺事業の拡充はもちろんのこと、新規事業への進出も視野にグループの総合力を高め、長期安定的に企業価値の拡大を図ってまいります。