第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針

 当社グループは、不動産の販売を通じてお客様の幸福に貢献する「笑顔創造企業」を企業理念として掲げております。資産運用型マンションの企画、開発及び販売を主要な事業と位置づけ、当社グループが一体となった事業活動を展開しております。当社グループ全体を通じて社会の発展に貢献し、お客様の資産価値の最大化に努めて参ります。

 現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案するよう努めておりますが、将来における経営環境の変化は予想の域を超えることができず、正確な長期方針の立案は難しいものとなっております。

 事業推進にあたっては、経済動向や業界環境の推移等を総合的に判断し、安易な拡大路線を取ることなく採算性を重視する方針をとっております。不動産販売事業を主力事業としつつ、関連事業の拡大を図ることで経営資源を集中させていく方針であります。事業環境の変化に的確に対応し、関連事業の拡大に加え、新規事業への進出も視野に含めてグループの総合力向上を図り、長期安定的な企業価値の創造に努めて参ります。

 

(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社は、継続的な安定成長をめざしていくことを基本方針に、社会情勢や業界を取り巻く環境の変化に迅速に対応しながら、売上高営業利益率3%~5%、自己資本比率20%を目標に健全かつ着実な事業の拡大に努めてまいります。

 

(3)経営戦略等

① 不動産販売事業

 資産運用型マンション「XEBEC(ジーベック)」に新たな価値を付与し、認知度を向上させるべく、開発・分譲の両面において活動範囲の拡大を図ってまいります。

 販売方法としては、既存顧客からの紹介による新規契約及び買増に加え、インターネットやSNSを利用した集客等により、購入需要が高い顧客へのアプローチを図ってまいります。

 個人投資家だけでなく、上場リート、私募リート、不動産ファンド、企業法人等、様々な顧客層への販売チャネルの拡大に努めてまいります。

 

② 不動産管理事業

 賃貸管理につきましては、自社開発物件に加え他社販売物件の管理獲得に努め管理戸数の増加を図ると共に、賃料収入の拡大及び空室率の低減に注力し、管理物件の資産性向上を図ってまいります。

 建物管理につきましては、株式会社デュアルタップコミュニティにて、当社が分譲した物件の建物管理を行い、株式会社建物管理サービスにて、首都圏のコンパクト型マンションの新規管理獲得を図ってまいります。

 

③ 海外不動産事業

 海外投資家が購入した当社開発・販売物件「XEBEC(ジーベック)」の海外窓口業務等のアフターサービスを行っております。マレーシア国内における建物管理事業につきましては、日本の建物管理事業の文化及び品質に対する認知度向上を図ってまいります。また、日本の「おもてなし」文化を建物管理サービスに活かし、住宅だけではなく商業施設等の管理推進を図ってまいります。

 

(4)経営環境

 当社グループが属する不動産業界は、円安による海外勢の進出もあり開発用地の取得に関して競争がより激化してきております。世界的な物価上昇で建築資材は高騰を続け、工事費については高止まりが続いております。また欧米の金融引き締め政策は、日本の金融情勢にも大きく影響いたします。

 東京都の人口は、2022年より転入超過が続いており、特に20代が増加してきております。今後シニアも含めた単身世帯の増加を考慮するとワンルームマンションのニーズは維持されると考えております。また、賃料も緩やかではありますが上昇し、今後も賃貸マンションの需給バランスは、急激に変化することは想定されず、マンションの資産性は維持されるものと考えられます。

 

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

  上記の経営方針・経営戦略等を実現するために優先的に対処すべき事業及び財務上の課題は以下のとおりです。

① リスクマネジメント体制の強化

長期化するウクライナ情勢等の地政学の不透明感がみられる中で、原材料価格の上昇や供給面での制約等による物価上昇のリスク、また、金融引締め政策、円安等の金融リスク、加えて、自然災害、情報セキュリティの不備等による事業に関するリスクなど多岐にわたって注意する必要があります。

 国内の不動産業界においては、いわゆる「2024年問題」に象徴される労働時間規制の強化により、不動産業や物流業界に共通する人員確保や労働時間に関する課題が顕在化しております。当社としては、適切な開発スケジュールの策定や工程管理を徹底することで、これらの課題への対応を図ってまいります。

 当社グループが事業を成長させるには、これらのリスクの分析とリスクへの迅速かつ適切な対応及び再発防止が重要な課題と認識しており、リスクが財務状況及び経営成績に与える影響を最小限に抑える体制の強化を図ってまいります。

 

② ブランド価値の向上

 当社の「東京23区、駅近、高機能マンション」という『ブランドPR』の強化と、用地仕入れから開発、分譲後の賃貸管理、建物管理まで一貫して手掛ける総合不動産企業としての『コーポレートPR』を強化してまいります。

 

③ 開発物件の安定的かつ機動的な仕入体制の構築

 東京23区、駅近という限られた範囲での開発は、厳しい仕入れ競争の中で用地情報に対してスピーディーな対応ができるか否かが重要であると考えております。当社グループでは、不動産開発において長年の実績をもつスタッフがトレンドを先読みし、その時代に合ったマンションづくりを心掛けております。

 優良な新規物件を安定的に供給していくために、景況感を踏まえた合理的かつ機動的な仕入に努めてまいります。結果として自社ブランドマンション「XEBEC(ジーベック)」を安定供給させることが当社グループの成長に結びつくものと考えております。

 

④ 優秀な人材確保及び従業員教育

 当社は持続的な成長の実現に向けて、当社グループのミッションに共感し、高い専門性や技術力を有する優秀な人材の確保及び育成が重要であると認識しております。お客様にマンションを提案するためには土地・建物の知識、宅建業法、金融、投資等、多くの知識と経験を必要とするため、社員の業務知識の獲得、専門スキルアップ、マネジメントスキルアップに重点を置き人材(財)への投資を惜しまず、社員の意識向上に努めております。一級建築士、宅地建物取引士、マンション管理士、不動産コンサルティングマスター等の専門資格の取得を奨励し、優秀な従業員の教育と定着に努めてまいります。

 

⑤ 投資用商品のバリュー確保

 当社グループが提供する資産運用型マンションにおいて、入居される方々が一番重視されるのは利便性であると考え、東京23区、駅近の用地仕入れを行っております。また、デザイン性や機能性も求められる時代と考えており、いかにして入居される方々のニーズに合った開発ができるかなど、立地条件や物件のクオリティを意識したマンションづくりを行っております。

 さらに、当社グループでは、賃貸管理の専門部署を設置し、最新の入居者情報を確保することにより、サブリース契約及び管理業務契約を締結している物件の入居率を高い水準で維持することに努め、投資商品としてのバリューの確保を図ってまいります。

 

⑥ 財務基盤の維持・拡大

 優良な新規物件を安定・継続的に供給していくため、また、顧客資産を長期的に安定サポートしていくために、手許流動性の確保や金融機関との良好な取引関係が最重要課題と考えております。このため、一定の内部留保の確保や様々な金融手法への取組み等、財務基盤の拡充を図ってまいります。

 

⑦ コンプライアンス経営の強化

 当社グループは、企業として成長過程であることから、新規事業への取組みやより効率的な業務フローの検討が常に社内でなされており、それに伴い内部統制システム整備・構築上の課題が継続的に発生します。当社グループは、監査等委員会監査や内部監査の過程で常に当社グループ内外の状況変化に応じた内部統制システムの仕組みを変更する必要性を検討し、その結果を経営幹部へ速やかに伝達し、対応策の早期構築を促してまいります。

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出時において当社グループが判断したものであります。

 

 当社グループは、「笑顔創造企業」を企業理念とし、「一人でも多くのお客様の笑顔を創造し、さらなる発展に寄与する」ことを基本方針としております。

 また、サステナビリティの実現に向け、不動産業における事業の持続的成長を目指し、「ガバナンス」及び「リスク管理」の観点からCSR活動を最重要課題として推進しております。

 

(1)ガバナンス

 当社グループは、ESGやSDGsへの取組を重要な経営課題と認識し、取締役及び部門責任者を構成メンバーとする「サステナビリティ会議」を定期的に開催し、関連するリスクや機会の監視及び管理に関する協議を行う体制を整備しております。具体的な取組として、障害者雇用、女性役員の登用、地域ボランティア活動への参加を進めるほか、社員の業務知識や専門スキル、マネジメント能力の向上に重点を置き、人財への投資を積極的に行っております。

 なお、会議において重要な事項がある場合には、取締役会へ報告する仕組みとしております。

 

(2)戦略

人材育成方針

 当社グループは、事業の持続的な成長の実現に向けて、当社グループの経営理念やミッションに共感し、高い専門性やスキルを有する人材(財)を育成することが重要であると認識しております。

 社員の業務遂行能力の向上、専門性のスキルアップ、マネジメントスキルアップに重点を置き、自己啓発への投資を惜しまず、社員の意識向上に努めております。

 具体的には、機会差別のない資格制度等を導入しており、個人の能力を発揮することができる職場環境や企業風土づくりに取り組んでおります。

 

社内環境整備方針

 当社グループは、事業の持続的な成長の実現に向けて、多様な人材を確保するため、年齢・性別・属性等に関係なく個々の能力を最大限に発揮できる人事制度の設計や多様な働き方の推進、並びに自律的なキャリア形成の実現に向けた職場環境づくりに取り組んでおります。その一環として、女性管理職の登用を積極的に推進するとともに、男性社員の育児休業取得を奨励し、性別にかかわらずキャリアと家庭生活の両立を支援する体制を整備しております。

 

環境方針

 当社グループは、不動産事業を通じて環境負荷の低減を重要な課題と認識しております。省エネルギー設計の推進、再生可能エネルギーの活用、建物の環境性能向上に加え、開発物件においては、その街の歴史とともに育まれてきた既存の樹木や廃材を可能な限り保存・活用することで、資源の有効利用と地域環境との調和を図っております。これらの取組みにより、脱炭素社会の実現と持続可能な開発を目指してまいります。

 

経済的持続性

 当社グループは、持続的な成長のため、不動産販売と不動産管理の両面から安定的な成長基盤の構築を重要課題と認識しております。不動産販売では、物件調達の強化や販路拡大などを通じて収益力向上を図るとともに、取引の適正性や契約管理などガバナンスの強化に取り組んでいます。不動産管理事業では、管理物件の拡大によるストック型ビジネスの強化を行い、中長期的な収益安定を目指します。不動産管理業務においても内部統制や情報セキュリティの確保を徹底し、事業運営の透明性を高めています。

 

(3)リスク管理

 当社グループは、会社に重要な影響を与える事象を最小限に抑えるために、サステナビリティ関連のリスク及び機会を識別・評価及び管理するため、定期的に開催する「サステナビリティ会議」にて、リスクの識別、評価、対策等、広範なリスク管理に関し協議を行い、具体的な対応を講じております。

 また、必要に応じて弁護士、公認会計士、税理士、社会保険労務士等の外部専門家の助言を受けられる体制を整えており、リスクの未然防止と早期発見に努めております。

 

(4)指標及び目標

 当社グループでは、(2)戦略にて記載した人材の多様性の確保について、次の指標を用いております。当該指標に関する当社グループ全体での目標及び実績は、次のとおりであります。

指標

当社目標

実績(前期実績)

管理職に占める女性労働者の割合

30.0以上

33.3%(35.7%)

男性の育児休業取得率(※1)

25.0以上

 100.0% (100.0%)

有給休暇取得率(※2)

50.0以上

48.3%(45.2%)

※1 算定期間は、毎年10月1日~翌年9月30日までの1年間

   算定数値は、配偶者が出産した男性の従業員数に対する育児休業を取得した男性の従業員数の割合

※2 算定期間は、毎年4月1日~翌年3月31日までの1年間

   算定数値は、期間中の有給休暇付与日数の合計に対する有給休暇取得日数の割合

 

3【事業等のリスク】

 以下において、当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しています。また、当社グループとして必ずしもそのようなリスクには該当しない事項につきましても、投資判断の上で、あるいは当社グループの事業活動を理解する上で重要と考えられる事項については、投資家及び株主に対する積極的な情報開示の観点から記載しています。

 当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、その発生の予防及び発生時の対応に努力する方針ですが、当社グループの経営状況及び将来の事業についての判断は、本項及び本書中の本項以外の記載を慎重に検討した上で行われる必要があると考えています。なお、以下の事項における将来に関する事項については、提出日時点において当社グループで想定される範囲で記載したものです。また、以下の記載は当社株式への投資に関連するリスクの全てを網羅するものではありません。

 

1.事業を取り巻く経営環境に関するリスク

経済状況の影響等について

 当社グループが属する不動産業界は、景気動向、金融環境並びに不動産市況等の経済環境や不動産関連税制の改廃等の影響によって、企業業績が大きく左右される傾向があります。特に、土地代金及び建築費等の変動や金利の動向などが価格に影響を与え、購買者の購入意欲に影響を与えると考えられます。これらにより、顧客の資産運用型マンションの購買意欲が減退した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

2.当社グループの業態に関するリスク

(1)資産運用型マンションの販売に関するリスク

 当社グループの不動産販売事業におきましては、主として資産運用を目的とした顧客にマンションを分譲しておりますが、マンションによる資産運用には、入居率の悪化や家賃相場の下落による賃貸収入の低下、金融機関の貸出条件の変更や金利の上昇による借入金返済負担の増加等、収支の悪化につながる様々な投資リスクが内在します。当社グループは、顧客に対し、これらの投資リスクについて十分説明を行い、理解していただいた上で売買契約を締結するよう営業社員の教育を徹底すると共に、入居者募集・集金代行・建物維持管理に至るまで一貫したサービスを提供することで顧客の長期的かつ安定的なマンション経営を全面的にサポートし、空室の発生や資産価値下落等のリスク低減に努めております。しかしながら、営業社員の説明不足等により、顧客の投資リスクに対する理解が不十分なままマンションを購入されたこと等により、訴訟等が発生した場合、当社グループの信頼が損なわれ、当社グループの事業に影響が及ぶ可能性があります。

 また、販売チャネルにつきましては、主に既存顧客からの紹介による新規契約及び既存顧客による買増に依存しております。そのため、当社グループの信頼が損なわれた場合には、新規契約の販売件数の継続的拡大という点において、課題に直面する可能性があります。

 さらに、資産運用型マンションの販売方法について、当社としては、法令遵守等のための体制を整えておりますが、同業他社の強引な販売方法等が社会問題に発展する可能性があり、それに伴う法的規制等が強化され、その対応に時間や費用を要する場合、資産運用型マンションの販売計画の遂行に支障をきたし、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 不動産販売事業につきましては、2025年6月期において連結売上高の82.5%を占めており、将来において、不動産関連税制や所得税関連等の税制が変更された場合に、不動産取得コストの増加、顧客の購買意欲、マンションオーナー等の事業意欲の減退等により、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)仕入に関するリスク

 仕入には、「完成マンションの一棟仕入(専有売買)」と「土地を取得しての開発又は販売」、「新築・中古の戸別仕入」の形態があります。

① 仕入コストについて

 当社グループは、東京23区内の物件を中心に仕入れておりますが、いずれの仕入形態におきましても地価の上昇、建築費の上昇により仕入コストが上昇し、計画どおりに仕入れできなかった場合や当該上昇分を販売価格へ転嫁できなかった場合には、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 仕入決済について

 当社グループは、販売用不動産に関して取引先であるゼネコン、建設会社等より竣工後に仕入れを行っております。資金決済は、概ね、竣工後3か月程度であることから、販売用不動産仕入後、営業部門が販売を行い、仕入資金を回収いたします。したがって、資金決済までの期間、資金負担は仕入に係る手付金に限られますが、販売戸数の多寡等の事由により販売用不動産の販売期間が資金決済期間を超える場合は、残物件に係る資金・在庫負担が発生します。その場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

③ 事業用地について

 当社グループが行っている、東京23区内をマーケットとした資産運用型マンションの販売は、販売用不動産の調達力の優劣や当該地域における地震その他の災害、地域経済の変動等により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 また、当社は、事業用地の売買契約の際、一定の調査を行った上、土壌汚染等の問題がないことを確認しておりますが、着工後に問題が発覚したり、売主が瑕疵担保責任を遂行しない場合、プロジェクト開発計画に支障をきたし、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)建築に関するリスク

① 建築工事について

 当社グループの不動産販売事業におきましては、建築工事を建設会社に外注しております。外注先である建設会社の選定にあたっては、施工能力、施工実績、財務内容等を総合的に勘案したうえで行い、また、建設会社の管理においては、建設会社現場所長、監理者(設計事務所責任者)、サブコン(電気・設備業者責任者)、当社物件担当者で、概ね隔週で行う定例会議による進捗把握、仕様確認、条例、基準法等の法定事項実施の確認を行っております。また、監理者のみならず当社一級建築士による試験杭の立会い及び特定法定検査の立会いを行い、ダブルチェックによる品質管理の徹底を行っております。

 しかしながら、外注先である建設会社に倒産等の予期せぬ事象が発生した場合、工事中の事故や、物件の品質に問題が発生した場合には、計画どおりの開発に支障をきたす可能性があり、また、施工完了後、建設会社の経営破綻等が発生し、工事請負契約に基づく建設会社の契約不適合責任が履行されなかった場合、当社に補修等の義務が生じ、想定外の費用が発生して、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

② 近隣住民の反対運動について

 当社は、マンションの建設にあたり、関係する法律、自治体の条例等を十分検討したうえ、周辺環境との調和を重視した開発を企画するとともに、周辺住民に対する事前説明会の実施等適切な対応を講じており、現在まで、近隣住民との重大な摩擦は発生しておりません。しかしながら、今後、建設中の騒音、電波障害、日照問題、景観変化等を理由に近隣住民の反対運動が発生する可能性があり、問題解決のための工事遅延や追加工事費用が発生する場合や、プロジェクト開発が中止に至る場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

③ 建築コストについて

 当社グループの不動産販売事業におきましては、建築コストは仕入コストとともに売上原価の主要項目でありますが、建築資材の価格や建築工事にかかる人件費が想定を上回って上昇した場合、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)引渡し時期による業績変動について

 当社グループの不動産販売事業におきましては、マンション等の売買契約成立後、顧客への引渡しをもって売上を計上するため、その引渡し時期により、想定した売上や収益が翌期に繰り越される可能性があり、当社グループの有価証券報告書等に記載される当社グループの経営数値に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)在庫について

 当社グループは、中期的な経済展望に基づき、マンションの企画・開発を行い、物件の早期完売に努めておりますが、急激な景気の悪化、金利の上昇、不動産関連税制の改廃等により、販売計画の遂行が困難となった場合、販売先の確定に時間を要した場合には、プロジェクトの遅延や完成在庫の滞留が発生し、資金収支の悪化を招く可能性があります。

 また、当社グループは「棚卸資産の評価に関する会計基準」(企業会計基準第9号 2019年7月4日)を適用しております。これに伴い、時価が取得原価を下回った販売用不動産、仕掛販売用不動産の評価損失が計上された場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)賃貸管理物件について

 当社グループの不動産管理事業のうち、賃貸管理におきましては、マンションの所有者より賃借してテナントに賃貸するサブリース業務及び賃貸管理業務がありますが、サブリース物件の入居率の低下により入居者からの不動産賃貸収入が想定以上に減少した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)法的規制等について

① 法的規制について

 当社グループが行う不動産取引は、宅地建物取引業法、建物の区分所有等に関する法律、建築基準法、都市計画法、建設業法、建築士法、国土利用計画法、借地借家法、消防法、住宅の品質確保の促進等に関する法律、マンションの管理の適正化の推進に関する法律等、不当景品類及び不当表示防止法、不動産の表示に関する公正競争規約により、法的規制を受けております。

 東京23区を中心に、ワンルームマンション規制が条例等に定められております。具体的には、25㎡以上等への最低住戸面積の引き上げ、一定面積以上の住戸の設置義務付け、狭小住戸集合住宅税の導入等がありますが、当社グループでは、これらの条例等に沿った商品開発を行っているため、現時点において、かかる規制が当社グループの事業に影響を及ぼす可能性は少ないものと認識しております。しかしながら、今後さらに各自治体による規制強化が進められた場合は、当社グループの事業活動に影響を及ぼす可能性があります。当社は、当該指導・規制への対応を図っておりますが、不動産取引関連法令の制定、既存の法令が改廃された場合等には、当社グループの事業活動に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 瑕疵担保責任について

 当社グループは、「住宅の品質確保の促進等に関する法律」により、新築住宅の構造上主要な部分及び雨水の浸水を防止する部分について10年間の瑕疵担保責任を負っております。万が一、当社グループの販売した物件に重大な瑕疵があるとされた場合、その直接的な原因が当社グループ以外の責任によるものであっても、当社グループは売主として瑕疵担保責任を負うことがあります。当社グループは特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律において規定される住宅瑕疵担保責任保険を付保しておりますが、発生した瑕疵担保責任が保証限度を超える可能性や当該保険の適用対象外となる可能性があります。その結果、補修工事費の増加や当社グループの信用力低下により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 許認可等について

 当社グループの主要事業におきましては、事業活動に際して、以下の免許、許認可等を取得しております。現在、当該免許及び許認可等が取消となる事由は発生しておりませんが、今後、何らかの理由によりこれらの免許、登録、許可の取消等があった場合、当社グループの主要事業の活動に支障をきたすとともに業績に重大な影響を与える可能性があります。

許認可等の名称

会社名

許認可番号等/有効期間

規制法令

免許取消

条項等

宅地建物取引業者免許

㈱デュアルタップ

東京都知事(4)第86482号

2021年9月23日~2026年9月22日

宅地建物取引業法

第5条、

第66条等

マンションの管理の適正化の推進に関する法律に基づくマンション管理業者登録

㈱デュアルタップ

コミュニティ

㈱建物管理サービス

 

国土交通大臣(2)第034338号

2023年1月31日~2028年1月30日

国土交通大臣(4)第033600号

2024年11月10日~2029年11月9日

マンションの管理の適正化の推進に関する法律

第47条、

第83条等

 

(8)新規事業への参入について

 当社グループは、新規事業へ積極的に参入していく方針であります。その過程において、人材、内部体制の構築、情報収集及び広告宣伝に先行的に費用を支出し、利益率が低下する可能性があります。また、事業環境の影響等により新規事業が計画どおりに進まない場合等には、当社グループの業績及び事業の展開に影響を及ぼす可能性があります。

 

3.当社事業体制に関するリスク

(1)小規模組織であることについて

 当社グループは2025年6月30日現在、従業員219名と小規模組織であり、内部管理体制についても組織の規模に応じたものとなっております。当社グループは今後、業容拡大に応じて人材の採用を行うとともに社内管理体制を構築していく予定です。しかしながら、当社グループが事業の拡大に対して適切かつ十分な組織構築に至らなかった場合、当社グループの事業遂行及び拡大に支障が生じ、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)人材の確保・育成について

 当社グループが展開する不動産販売事業、海外不動産事業は、不動産関連法令の法的規制の中、競争力のあるサービスの提供が求められており、高度な知識、経験、指導力を持った優秀な人材が最も重要な経営資源であります。当社グループにおいては、優秀な人材の確保、育成及び定着が不可欠であり、OJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)、専門講師による勉強会を実施し、人材の育成に努めております。

 しかしながら、必要とする人材が十分に確保できない場合、事業展開に伴う人材確保・育成が順調に進まなかった場合、当社グループの役職員が社外に流出した場合には、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)個人情報の管理について

 当社グループがお預かりしているお客様の個人情報については、外部侵入防止システムの採用、データアクセス権限の設定、個人情報保護規程等による規程化、コンプライアンス委員会による規則遵守の徹底とセキュリティ意識の向上を目的とした教育、研修等による周知徹底等により、細心の注意を払い取り扱っておりますが、個人情報の不正利用、その他不測の事態によって重要な情報が外部に漏洩した場合、当社グループへの信用の低下や損害賠償請求等により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)代表取締役社長臼井貴弘への依存について

 当社グループでは、役員及び幹部社員の情報の共有化や権限の委譲を進め、創業者である代表取締役社長臼井貴弘に過度に依存しないような経営体制の整備を行っておりますが、同氏は、当社設立以来、当社グループの経営方針、経営戦略、資金調達等、事業活動の推進にあたり重要な役割を担ってまいりました。特に当社グループの主力事業である不動産販売事業における方針の決定については、同氏の資質に依存している部分があります。同氏が職務を遂行できなくなるような不測の事態が生じた場合、当社グループの業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

4.その他のリスク

有利子負債への依存について

 当社グループの有利子負債残高は以下の表のとおりであります。当社グループは、不動産販売事業における土地の仕入れ及び建築費の一部に係る開発資金並びに固定資産を主に金融機関からの借入金によって調達しております。当社グループは特定の金融機関に依存することなく、個別案件ごとに販売計画の妥当性を分析したうえで借入金等の調達を行っておりますが、販売の不振、金融情勢の変動によって金利上昇や借入金の調達が困難になることがあり、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

区分

2021年6月期

(連結)

2022年6月期

(連結)

2023年6月期

(連結)

2024年6月期

(連結)

2025年6月期

(連結)

有利子負債残高

(千円)(A)

4,948,041

2,578,206

2,603,622

3,770,840

2,635,644

総資産額

(千円)(B)

7,387,339

5,034,147

5,277,312

5,996,235

5,480,817

有利子負債依存度

(%)(A/B)

67.0

51.2

49.3

62.9

48.1

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

①財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度(2024年7月1日~2025年6月30日)における我が国の経済は、雇用・所得環境の改善による個人消費の持ち直しや、インバウンドの回復等により、経済活動も活発化し始めました。今後更なる景気回復が期待されますが、世界的な物価上昇、金融引締政策、円安等、更に、米国における通商政策等により、わが国の経済環境は不透明な状況様々な動向に注視していく必要があると考えております。

 首都圏の新築分譲マンション市場は、2025年7月17日に発表された「首都圏新築マンション市場動向2025年上半期(1~6月)」(株式会社不動産経済研究所)によると、2025年上半期(1~6月)の供給戸数は8,053戸で、前期比11.2%減と上期では2022年以降4年連続の減少となりましたが、平均販売価格が平米単価135.0万円と高値を維持しております。また、2025年7月18日に発表された「2025年4-6月の首都圏不動産流通市場動向」(東日本不動産流通機構)によると、首都圏における中古マンションの成約件数は前期比29.2%増加し、平米当たりの成約単価も82.9万円と60ヶ月連続で上昇しています。

 当社グループの属する資産運用型マンション市場の動向としては、東京都の人口は、2025年4月24日に公表された「住民基本台帳人口移動報告2024年(令和6年)結果(移動率)」(総務省統計局)によると、東京都の人口は、2025年3月の転入者数は前期比0.6%増で東京都への移動の動きが活発になり、特に年代別では、20代の転入超過数が最も多くなっております。人口流入が回復し始めており、都内の賃貸物件の需要が上がってきており、賃料も上昇し始めております。今後も、賃貸マンションの需給バランスは急激に変化することは想定されず、マンションの資産性は維持されるものと考えられます。

 このような事業環境の中、当社グループは「23区・駅近・高機能マンション」をコンセプトに、資産運用型マンション「XEBEC(ジーベック)」の開発・分譲を行ってまいりました。(※ 当社では「駅近」とは駅徒歩10分以内の距離としております。)

 新たに価値のある商品を提供するとともに、資産運用中のバリューアップに貢献する様々なオペレーションを展開してまいりました。その結果、「XEBEC(ジーベック)」シリーズは、投資商品としての資産価値を向上させ、安定収入が見込めるマンションブランドとして、投資家より高い評価をいただいております。

 そして、当社グループでは、前連結会計年度の結果を踏まえつつ、中長的な観点から、4つの重要戦略として、「Ⅰ.安定基盤の強化」、「Ⅱ.新たな主軸の企画・構築」、「Ⅲ.財務目標」、および「Ⅳ.企業価値向上」を掲げ、「原点回帰からの邁進」を当期のスローガンとしてグループ一丸となって取り組んでまいりました。

 さらに、当社グループでは、安定基盤の強化を図るべく、系統用蓄電池を活用した再エネインフラ開発販売事業における可能性を追究しました。財務目標においては、「安定的な成長」、「手元流動資金の向上」、「営業利益率の安定化」および「経営効率化」を重点的に進めてまいりました。

 

 以上の結果、当連結会計年度は、売上高83億67百万円(前期比61.8%増)、営業利益1億66百万円(前年同期は、営業損失2億55百万円)、経常利益96百万円(前年同期は、経常損失3億31百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益1億17百万円(前年同期は、親会社株主 に帰属する当期純損失3億86百万円)となりました。

 

 セグメントの業績は次のとおりであります。

 

(不動産販売事業)

 不動産販売事業においては、資産運用型マンション「XEBEC(ジーベック)」に加え、土地、中古マンションを取り扱ってまいりました。個人投資家だけでなく、上場リート、私募リート、不動産ファンド、企業法人等、様々な販売チャネルの拡大に努めてまいりました。当連結会計年度は、7物件の販売を致しました。

 以上の結果、売上高69億1百万円(前期比84.9%増)、セグメント利益1億3百万円(前年同期は、セグメント損失2億90百万円)となりました。

 

(不動産管理事業)

 不動産管理事業は、賃貸管理事業及び建物管理事業より構成されております。当連結会計年度は、賃貸管理において、募集賃料の見直し及び空室率の低減に注力し、管理物件の資産性向上を図ってまいりました。建物管理においては、当社が分譲した物件以外の新規契約獲得を推進してまいりました。また、マンション管理相談サイト「D-Change」の導入など、新規サービスの導入に努めてまいりました。

 以上の結果、売上高11億24百万円(前期比1.1%増)、セグメント利益65百万円(前期比60.4%増)となりました。

 

(海外不動産事業)

 海外不動産事業においては、マレーシア国内の建物管理事業では、住宅だけではなく商業施設等の管理推進を図ってまいりました。日本の「おもてなし」文化を建物管理サービスに活かし、当連結会計年度においては、マレーシア国内の管理物件が18,593戸となりました。

 以上の結果、売上高3億42百万円(前期比7.2%増)、セグメント損失12百万円(前年同期は、セグメント損失9百万円)となりました。

 

 当期の財政状態は、次のとおりであります。

(資産)

 当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末から5億15百万円減少し54億80百万円となりました。総資産の減少の主な要因は、開発中であった物件が竣工し、仕掛用販売不動産が4億53百万減少及び販売用不動産3億97百万減少したこと、また、現金及び預金が3億1百万円増加したことによるものであります。

 

(負債)

 当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末から10億75百万円減少し31億32百万円となりました。負債の減少の主な要因は、開発中であった物件を売却したことにより、長期借入金(1年内返済予定の長期借入金を含む。)が10億51百万円減少したことによるものであります。

 

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末から5億59百万円増加し23億48百万円となりました。純資産の増加の主な要因は、新株の発行により資本金及び資本剰余金が各々2億44百万円増加したこと、また、親会社株主に帰属する当期純利益1億17百万円計上されたことによる増加計上されたことによるものであります。

 以上の結果、自己資本比率は42.7%となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、棚卸資産の販売による増加と同時に、有利子負債の返済による減少により、前連結会計年度末に比べ2億71百万円増加し、12億87百万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動により獲得した資金は10億27百万円(前期は8億25百万円の支出)となりました。主な収入は、棚卸資産の減少額8億41百万円及び税金等調整前当期純利益1億60百万円であります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動により支出した資金は38百万円(前期は12億35百万円の支出)となりました。主な支出は、定期預金の預入れによる支出30百万円であります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動により支出した資金は7億17百万円(前期は10億83百万円の収入)となりました。主な収入は、新株の発行による収入4億80百万円であり、主な支出は、販売用不動産の販売に伴う長期借入金の返済による支出11億41百万円によるものであります。

 

 

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 該当事項はありません。

 

b.契約実績

 当連結会計年度における不動産販売事業の契約実績は次のとおりであります。

区分

当連結会計年度

(自 2024年7月1日

  至 2025年6月30日)

期中契約高

年度末契約残高

戸数

(戸)

金額

(千円)

 

戸数

(戸)

金額

(千円)

 

前年同期比(%)

前年同期比(%)

資産運用型マンション

167

5,655,280

290.5

1

25,740

49.1

コンパクト型マンション

15

768,190

700.7

その他不動産

1

451,006

27.4

合計

183

6,874,476

185.6

1

25,740

49.1

(注)1.概ね専有面積30㎡未満の1Kタイプの部屋を資産運用型マンションと定義し、専有面積30㎡から50㎡程度のタイプの部屋をコンパクト型マンションと定義しております。

2.その他不動産には、土地の販売を含んでおります。

 

c.販売実績

 当連結会計年度の不動産販売事業の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

区分

当連結会計年度

(自 2024年7月1日

  至 2025年6月30日)

戸数

(戸)

金額

(千円)

 

前年同期比

(%)

不動産販売事業

資産運用型マンション

168

5,681,926

287.6

コンパクト型マンション

15

768,190

700.7

その他不動産

1

451,006

27.4

小計

184

6,901,122

184.9

不動産管理事業

不動産賃貸管理

890,278

99.0

不動産仲介

建物管理

234,056

110.4

小計

1,124,335

101.1

海外不動産事業

建物管理

342,491

108.7

その他

小計

342,491

107.2

合計

184

8,367,950

161.8

 (注)1.セグメント間の取引を相殺消去した後の金額を記載しております。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2023年7月1日

  至 2024年6月30日)

当連結会計年度

(自 2024年7月1日

  至 2025年6月30日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

東洋不動産株式会社

1,372,700

26.5

東日本都市開発株式会社

1,150,000

22.2

いちごオーナーズ株式会社

3,144,100

37.6

株式会社サンウッド

1,292,281

15.4

リバブルアセットマネジメント株式会社

950,000

11.4

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりまして、決算日における資産・負債の報告数値及び報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積り及び仮定設定を行っております。当該見積りにつきましては、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に関して適切な仮定設定、情報収集を行い、見積り金額を計算しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

 

②当連結会計年度の経営成績等分析

 セグメント別の売上高及び営業利益につきましては、「第2 事業の状況 4経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 財政状態及びキャッシュ・フローの状況につきましては、1棟販売及び土地の売却が進んだため、棚卸資産が8億41百万円増加し、営業活動によるキャッシュ・フローが10億27百万円の収入(前期は8億25百万円の支出)となりました。また、販売用不動産の売却に伴う長期借入金の返済により11億41百万円を支出する一方で、長期借入による収入87百万円及び2024年12月23日に発行した第4回新株予約権(行使価額修正条項付)の行使により3億53百万円の収入となった結果、財務活動によるキャッシュ・フローは7億17百万円の支出(前期は10億83百万円の収入)となりました。期末時点の自己資本比率は42.7%となり前期比13.0pt増加し、当社が財務健全性の基準としている自己資本比率20%を上回っております。

 当社グループは、用地取得費用および建築代金の着手金を、金融機関からの借入金や市場から調達する直接金融によって調達しております。

 当連結会計年度においては、2024年12月23日に発行した第4回新株予約権(行使価額修正条項付)の行使により3億53百万円の収入となりました。また、金融資本市場の変動や金融機関の融資姿勢が変化した場合は、資金調達面で仕入が厳しくなることが想定されます。そのような場合にも柔軟に対応できるよう、安定した財務体質の維持を図ってまいります。また、仕入費用以外の運転資金につきましては、不動産管理事業のキャッシュ・フローと自己資金で対応しております。

 

③経営成績に重要な影響を与える要因について

 当社グループの事業に重要な影響を与える要因として、法的規制、景気や金利の変動などの経済状況の影響、有利子負債への依存、物件の引渡し時期による業績の偏重、建築工事外注先の経営状態、訴訟の発生など様々な要因が挙げられます。詳細につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照ください。

 

5【重要な契約等】

当連結会計年度において、経営上の重要な契約等は次のとおりであります。

第三者割当による行使価額修正条項付第4回新株予約権の発行

 当社は、2024年12月6日付の取締役会において、株式会社SBI証券を割当先とする第三者割当の方法による行使価額修正条項付第4回新株予約権の発行を行うことについて決議し、2024年12月23日に当該新株予約権の引き受けに係る契約を締結しております。なお、2024年12月23日に本新株予約権の発行価額の全額の払込が完了しております。

 当該新株予約権の詳細につきましては、「第4提出会社の状況 1株式等の状況 (2)新株予約権等の状況③その他の新株予約権等の状況」をご参照ください。

 

6【研究開発活動】

 該当事項はありません。