第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度(平成27年12月1日から平成28年11月30日まで)における我が国経済は、政府の経済政策や日銀の金融政策により全体的に緩やかな回復傾向が見られました。一方、世界経済は、米国で景気回復が続いたものの、英国のEU離脱問題、中国及びアジア新興国経済の減速懸念などから先行き不透明な環境で推移しました。
 このような状況の中、駐車場の上部“未利用”空間の活用を実現し、オンリーワンの価値を創出した当社グループの空中店舗フィル・パーク事業は、早期の投資回収を実現できる企画と初期テナント誘致保証など付加価値の高いサービスを評価していただき、リピーター顧客も増加してまいりました。
 具体的な受注高及び受注残高の状況につきましては、下表のとおりとなります。

 

 

受注高

受注残高

 

金額

前年同期比

金額

前年同期比

平成28年11月期

1,843,251千円 

 123.0%

 1,334,362千円

136.5% 

平成27年11月期

1,498,390千円

977,423千円

 

 

また、今の世の中の需要にあった空間づくり(SPACE ON DEMAND)のコンセプトのもと、多種多様なテナント誘致に取り組んでまいりました。訪日外国人の増加によるインバウンド需要の拡がりに対し、平成28年1月竣工のフィル・パーク神楽坂にホステル(旅館業法に基づく簡易宿泊所)業態を誘致し、昨今の保育園不足による待機児童問題に対し、平成28年2月竣工のフィル・パーク雑色及びフィル・パーク石川台には、小規模保育園の誘致をいたしました。

テナントのリピート出店も増加しており、例として米国発世界3,000店舗以上展開するフィットネスクラブ・ジム「エニタイムフィットネス」を平成28年11月期の竣工19件のうち6件に誘致し、平成28年11月期までの累計で10件誘致いたしております。
 この結果、当連結会計年度の当社グループの売上高は1,668百万円(前連結会計年度比11.7%増)、営業利益206百万円(同37.3%増)、経常利益228百万円(同48.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は171百万円(同22.3%増)となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末より443,300千円増加し、1,119,081千円となりました。各キャッシュ・フローの状況とその要因は以下のとおりであります。

営業活動によるキャッシュ・フローは244,661千円(前連結会計年度は437,864千円)となりました。この主な要因は、税金等調整前当期純利益が228,432千円となるとともに、差入保証金が49,799千円増加し、たな卸資産が83,409千円、前受金が99,008千円減少したことによるものであります。

投資活動によるキャッシュ・フローは△26,355千円(前連結会計年度は△73,830千円)となりました。この主な要因は、有形固定資産の取得による支出36,049千円によるものであります。

財務活動によるキャッシュ・フローは224,994千円(前連結会計年度は39,758千円)となりました。この主な要因は、株式の発行による収入237,018千円によるものであります。

営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合算したフリー・キャッシュ・フローは、218,305千円(前連結会計年度は364,033千円)となりました。

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

当社グループは、単一セグメントであるため、セグメントごとの記載を省略しております。

(1) 生産実績

当社グループは、生産実績を定義することが困難であるため、「生産実績」の記載を省略しております。

 

(2) 受注実績

当連結会計年度における受注実績は、次のとおりであります。

 

 

受注高
(千円)

前年同期比
(%)

受注残高
(千円)

前年同期比
(%)

企画開発業務

1,843,251

 123.0

 1,334,362

136.5 

 

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。

 

 

金額(千円)

前年同期比(%)

空中店舗フィル・パーク事業

1,668,312

111.7

合計

1,668,312

111.7

 

(注) 1.主要な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

相手先

前連結会計年度
(自 平成26年12月1日
 至 平成27年11月30日)

当連結会計年度
(自 平成27年12月1日
 至 平成28年11月30日)

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

山弘総業株式会社

219,886

13.2

株式会社大丸コム開発

166,523

11.2

 

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

3 【対処すべき課題】

当社グループは、「共存共栄(=Phil)」をイデア(企業理念)として、土地オーナー、テナント、近隣の人等、関わる全ての人が共に幸せを享受できることを目的として設立されました。

また、当社グループの企業価値向上のために、以下の経営課題を解決していかなければならないと認識しております。

 

(1) 認知度、ブランド力の向上

当社グループは、土地オーナーからの認知度やブランド力が不足しております。そのため、現在行っているリスティング広告の強化・効率化に加え、積極的に広報活動を行うことで、空中店舗フィル・パークブランドの向上に取り組んでまいります。

 

(2) 継続的な採用活動と優秀な人材の確保

当社グループの空中店舗フィル・パーク事業の更なる拡大及び付加価値向上に向けた取り組みを始めるため、これまでの最低人員での運営から各部門余裕人員を設置する運営への転換を図り、優秀な人材の確保に取り組んでまいります。

 

(3) コンタクトパートナーの拡大

当社グループでは、案件の情報提供を提携先である金融機関や不動産管理会社などのコンタクトパートナーに依頼しております。今後の事業拡大には、情報提供元の拡大が必要であると認識しており、既存のコンタクトパートナーとの協力関係強化に加え、新たなコンタクトパートナーとの提携に取り組んでまいります。

 

(4) 内部管理体制の強化

当社グループは成長段階にあり、業務運営の効率化やリスク管理のための内部管理体制の強化が重要な課題であると認識しております。そのため、当社グループでは、経営管理部を中心に内部監査室・外部協力機関と連携をとり、経営の公正性・透明性を確保するための内部管理体制の強化に取り組んでまいります。

 

(5) 関連サービス(新たな付加価値)創出による事業収益力の向上

当社グループの空中店舗フィル・パーク事業は、その余りある事業マーケットにおいてプロジェクトの拡大を目指すとともに、まだまだ発展途上のサービスであることを強く認識し、ユーザーファーストの観点から派生する関連サービス(新しい付加価値)の創出が重要な課題であると認識しております。

そのため、まずは徹底したマーケティングに注力し、安定した財務体質維持を前提としながらも新しい取り組みに積極的に挑戦してまいります。

 

 

4 【事業等のリスク】

以下において、当社グループの事業の状況並びに経理の状況等に関する事項のうち、リスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。

当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社の株式に関する投資判断は、本項以外の記載内容も併せて、慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。

また、以下の記載は当社株式への投資に関するリスクをすべて網羅するものではありませんので、ご留意ください。なお、以下の記載事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであり、不確実性を内在しているため、実際の結果と異なる可能性があります。

 

(1) 経済情勢について

当社グループの空中店舗フィル・パーク事業は、景気の後退、金利の上昇、消費税の増税等の税制の変更などにより、当社グループの経営成績や財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループが提案する空中店舗フィル・パークの主要なテナントは商業施設やオフィス等の企業であるため、その需要は景気の動向に影響を受けやすい傾向にあります。そのため、景気の後退、商業施設やオフィスビルの供給過剰等により、不動産市況が下落した場合に、土地オーナーが賃貸建物の建設を控えることにより、当社グループの経営成績や財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 業績の変動について

当社グループの主な売上高は、引渡基準を採用しているため、物件の引渡時に計上されます。また、当社グループでは事業の拡大を目指しておりますが、現状は成長過程であり事業規模が小さく、案件1件当たりの売上高が当社グループ全体の売上高に占める割合が高い状況にあるため、案件規模の大小による受注単価の変動や引渡時期の偏りにより、四半期又は連結会計年度毎の一定期間で区切ってみた場合、期間毎の業績が大きく変動する可能性があります。なお、各四半期の受注件数と竣工件数の推移は以下のとおりであります。

①竣工件数

 

第1四半期

第2四半期

第3四半期

第4四半期

第11期連結会計年度

第12期連結会計年度

10

 

②受注件数

 

第1四半期

第2四半期

第3四半期

第4四半期

第11期連結会計年度

第12期連結会計年度

12

 

 

 

(3) 各種法規制及び許認可によるリスク

当社グループは、建設業許可、建築士事務所登録及び宅地建物取引業の許認可を受けて事業を展開していることから、「建設業法」「建築基準法」「建築士法」「都市計画法」「消防法」「宅地建物取引業法」等の法令のほか、関連する条例等など多岐にわたる規制を受けております。当社グループは、現時点の規制に従って業務を遂行しておりますが、将来において、法令等の新たな施行や変更により、当社グループの義務及び費用負担等が増加することで、当社グループの経営成績や財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループの事業におきましては、以下の免許、許認可等を取得しております。現在、当該免許及び許認可等が取消となる事由は発生しておりませんが、今後、何らかの理由によりこれらの免許、登録、許認可の取消等があった場合、当社グループの事業活動に支障をきたすとともに業績に重大な影響を与える可能性があります。

(当社)

許認可の名称

許認可の内容

有効期限

許認可取消事由

一般建設業許可

東京都知事許可

(般-20)第131403号

平成30年11月9日

(5年ごとに更新)

建設業法第29条に定められております。

宅地建物取引業免許

(注)

東京都知事許可

(2)第87090号

平成29年1月26日

(5年ごとに更新)

宅地建物取引業法第66条に定められております。

一級建築士事務所登録

東京都知事登録

第55919号

平成31年10月31日

(5年ごとに更新)

建築士法第26条に定められております。

 

 (注)本書提出日は、宅地建物取引業の免許を更新しております。

許認可の名称

許認可の内容

有効期限

宅地建物取引業免許

東京都知事許可

(3)第87090号

平成34年1月26日

(5年ごとに更新)

 

(株式会社フィル・コンストラクション)

許認可の名称

許認可の内容

有効期限

許認可取消事由

特定建設業許可

東京都知事許可

(特-25)第141378号

平成31年3月24日

(5年ごとに更新)

建設業法第29条に定められております。

一級建築士事務所登録

東京都知事登録

第59495号

平成31年7月4日

(5年ごとに更新)

建築士法第26条に定められております。

 

 

(4) 競合の状況について

当社グループは、駐車場の空中部分を活用した空中店舗フィル・パーク事業を展開しておりますが、現在競合他社はないものと認識しております。しかし、ハウスメーカーや駐車場運営会社等が当社と類似した事業を展開する可能性があり、それにより競争が激化し、当社グループの優位性が保てなくなった場合、当社グループの経営成績や財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 自然災害等によるリスク

大規模な地震や台風等の自然災害が発生した場合、被災した当社グループの建築現場の補修、お客様の建物の点検、自社保有設備の修理に加え、被災したお客様への支援活動などにより、多額の費用が発生する可能性があります。また、社会インフラの大規模な損害で建築現場の資材などの供給が一時的に途絶えたりすることで、工事着工・工事進捗・テナントリーシング活動に影響が生じ、当社グループの経営成績や財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 売上原価の変動のリスク

当社グループでは、空中店舗フィル・パークの建設工事を行っていることから、工期が短いため他社に比べて影響は少ないものの、主要な原材料及び労務費等の高騰により、売上原価が増加する可能性があります。

 

(7) 組織体制について

当社グループは、業務遂行上必要な最低人数での組織運営を行っているため、内部管理体制も現在の組織規模に応じたものとなっております。当社グループは、今後の事業の拡大に伴い人員の増強、内部管理体制の一層の充実に努める方針でありますが、当社グループが必要な人員が確保できない場合や、内部管理体制の充実に適切かつ充分な対応ができない場合、当社グループの事業展開や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。

この連結財務諸表の作成にあたり、資産及び負債又は損益の状況に影響を与える会計上の見積りは、過去の実績等作成時に入手可能な情報に基づき合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

なお、当社グループの連結財務諸表を作成するにあたって採用している重要な会計方針は、〔第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)〕に記載のとおりであります。

 

(2) 経営成績の分析

(売上高)

当連結会計年度における売上高は1,668,312千円(前期比11.7%増)となりました。これは主に、空中店舗フィル・パーク事業が順調に推移したことによるものであります。

(営業利益)

販売費及び一般管理費246,009千円の計上により、当連結会計年度における営業利益は206,443千円(前期比37.3%増)となりました。販売費及び一般管理費の主な内訳は、広告宣伝費26,086千円、役員報酬47,460千円、給料及び手当58,048千円であります。

(経常利益)

営業外収益27,905千円、営業外費用5,917千円の計上により、当連結会計年度における経常利益は228,432千円(前期比48.1%増)となりました。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

当連結会計年度における税金等調整前当期純利益は228,432千円となり、法人税、住民税及び事業税並びに法人税等調整額を加減した、親会社株主に帰属する当期純利益は171,417千円(前期比22.3%増)となりました。

 

(3) 財政状態の分析

(資産)

当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べて428,605千円増加し、1,476,638千円になりました。これは主として、現金及び預金が443,300千円、建物及び構築物が98,580千円、差入保証金が49,799千円増加したこと、未成業務支出金が83,409千円、建設仮勘定が73,707千円減少したことによるものであります。

(負債)

当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べて16,147千円増加し、837,346千円になりました。これは主として、未払法人税等が58,903千円、預り金が63,526千円増加したこと、前受金が99,008千円減少したことによるものであります。

(純資産)

当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べて412,457千円増加し、639,291千円になりました。これは、新株発行により資本金が120,520千円、資本剰余金が120,520千円、親会社株主に帰属する当期純利益を計上したことにより利益剰余金が171,417千円増加したことによるものであります。

 

 

(4) キャッシュ・フローの分析

当連結会計年度における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末より443,300千円増加し、1,119,081千円となりました。各キャッシュ・フローの状況とその要因は以下のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において営業活動により得られた資金は244,661千円となりました。この主な要因は、税金等調整前当期純利益が228,432千円となるとともに、差入保証金が49,799千円増加し、たな卸資産が83,409千円、前受金が99,008千円減少したことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において投資活動により使用した資金は26,355千円となりました。この主な要因は、有形固定資産の取得による支出36,049千円によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において財務活動により得られた資金は224,994千円となりました。この主な要因は、株式の発行による収入237,018千円によるものであります。

 

(5) 経営戦略の現状と見通し

当社グループを取り巻く環境につきましては、一般社団法人日本パーキングビジネス協会が平成28年7月に発表した「コイン式自動車駐車場市場に関する実態分析調査」によると、コインパーキング(500㎡未満)の箇所数は平成27年で60,000箇所にまで達しており、駐車場及びコインパーキング市場は伸び続けております。
 このような市場環境のもと、駐車場と共存共栄できる当社グループの空中店舗フィル・パーク事業は、平成28年11月現在、全国主要都市を中心に96箇所(建築中のプロジェクトも含む)の実績を重ねてまいりました。これは、全国コインパーキング60,000箇所に比して0.2%にも満たない数であり、空中店舗フィル・パークの展開余地は、十二分に存在していると推察しております。
 また、既に土地を持っている駐車場オーナーだけではなく、これから土地を購入して空中店舗フィル・パークで運用する不動産投資を考えられている方からの受注も増えており、今後も増加していくことが予想されます(平成28年11月期は前期比約4倍の実績に増えております)。
 当社グループは、駐車場オーナーや不動産投資を考えられている方を、主に金融機関や税理士など(コンタクトパートナー)からの紹介による方法とWEBマーケティングを使ったダイレクトの問い合わせによる方法により集客し、効率の良い営業活動を行っております。平成28年11月期は、株式会社みずほ銀行、株式会社横浜銀行との新たなビジネスマッチング契約により、金融機関全体からの紹介案件数が倍増し、成約にも至っております。
 今後もこのような金融機関などとの業務提携を積極的に推進し、空中店舗フィル・パークのシェア拡大に注力してまいります。

 

(6) 経営者の問題認識と今後の方針について

当社グループの経営者は、さらなる成長を実現するために、先行優位を活かして空中店舗フィル・パーク事業を加速度的に展開していくことが重要であると認識しております。

そのために、「第2 事業の状況 3対処すべき課題」に記載した様々な課題に対処してまいります。