第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当中間連結会計期間において、新たに発生した事業等のリスクはありません。また、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1) 経営成績の状況

当中間連結会計期間におけるわが国経済は、雇用・所得環境の持ち直しが続き、緩やかな回復基調が見られました。一方で、原材料価格の高止まりや国際情勢の不安定化、金融市場の変動などにより、依然として先行きには不透明感が残る状況となっております。

外食産業におきましては、各種イベントや行楽シーズンの需要に支えられ、外食需要は引き続き堅調に推移しました。加えて、外国人観光客の増加によるインバウンド需要の拡大も見られました。しかしながら、人手不足の継続や原材料・エネルギーコストの上昇、物流費や人件費の高騰などにより、経営環境は依然として厳しい状況が続いております。

このような状況のなか、「全国1,000店舗体制を構築し、串カツ田中の串カツを日本を代表する食文化とする」という長期的な目標に向け、中期経営計画(2024年12月から2027年11月)に掲げた各重点テーマにおける取り組みを実施しました。

串カツ田中の安定成長としては、おもてなしの徹底と楽しいひとときの提供を重要視した営業を行うとともに、持続的な新規出店を行うため、人材の確保や従業員の待遇向上・人材への投資の取り組みの一環として、当期も2024年12月の賃金から定期昇給を含め平均4.7%の賃上げを実施しました。

新業態・新規事業の確立・展開による成長としては、前期にオープンした「京都天ぷら天のめし」(以下、天のめし)がその一例です。本業態は、「高揚する瞬間を、ザ・天ぷらテインメント」をキャッチコピーに掲げ、揚げたての天ぷらと炊き立ての羽釜ごはんを提供する新たな飲食ブランドです。国内のお客様に加え、インバウンド需要の取り込みにも成功し、手応えのあるスタートを切っております。今後は、多店舗展開を見据えた業態のブラッシュアップと、ブランド価値の向上に取り組んでまいります。

 

当中間連結会計期間の店舗の出退店状況は以下のとおりであります。

ブランド

期首

新店

退店

合計

串カツ田中

338

5

11

332

鳥と卵の専門店 鳥玉

4

1

3

タレ焼肉と包み野菜の専門店 焼肉くるとん

3

1

2

京都天ぷら 天のめし他

1

2

3

TANAKA

3

 ―

3

合計

349

7

13

343

 

 

内装工事事業は、当社グループの店舗出店に伴う内装工事等を内製化することにより、グループシナジーを創出し、当社グループの持続的な成長と企業価値の向上を目指すことにあります。直営店の出店の内製化を実行し、出店に伴うコスト低減を実現するとともに、グループ外からの受注も好調に推移しております。

ハウスミール事業は、株式会社Antway が展開する手作りのお惣菜をサブスクリプション形式で提供する冷蔵宅配サービス「つくりおき.jp」と業務提携しており、適正人員の確保に向け人材採用を強化した結果、キッチンの生産性向上と稼働率向上を実現しております。

 

以上の結果、売上高は10,299,138千円(前年同期比128.0%)、売上総利益は5,881,967千円(同119.6%)、販売費及び一般管理費は5,205,228千円(同116.5%)となり、営業利益は676,738千円(同149.9%)、経常利益は693,479千円(同140.8%)、親会社株主に帰属する中間純利益は610,305千円(同219.9%)となりました。

なお、当社グループでは、飲食事業に係る経営資源の集中とその有効活用を図ることにより、事業の拡大を目指した新業態の開発を加速させ、企業価値の向上を図ることを目的として、2025年3月1日付で、連結子会社である株式会社串カツ田中を吸収合併存続会社、同じく連結子会社である株式会社セカンドアローを吸収合併消滅会社とする吸収合併を実施いたしました。

 

セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

串カツ田中は、継続的な新規出店、2024年12月に実施した創業祭、前期より継続している認知拡大を目指した各種キャンペーン、さらに4月から販売を開始した新名物「無限にんにくホルモン串」の効果もあり、客数の増加につながりました。

この結果、売上高は、8,347,252千円(前年同期比112.4%)、営業利益は699,500千円となりました。

国内その他は、新業態・新規事業の確立・展開による当社グループの持続的な成長に向けて「鳥と卵の専門店鳥玉」、「タレ焼肉と包み野菜の専門店焼肉くるとん」、「京都天ぷら天のめし」の業態確立を目指しております。

この結果、売上高は、363,608千円(前年同期比146.4%)、営業損失は127,492千円となりました。

ハウスミール事業は、適正人員の確保に向け人材採用を強化した結果、キッチンの生産性向上と稼働率向上が図られ、安定的な売上高と営業利益を確保しております。

この結果、売上高は、611,811千円、営業利益は33,925千円となりました。

内装工事事業は、串カツ田中及び新規事業の直営店舗出店に伴う内装工事の他、グループ外部の受注についても、リフォーム需要の増加や業界における人材不足の影響により増加しております。

この結果、売上高は、1,071,414千円(前年同期比150.7%)、営業利益は74,482千円となりました。

なお、当中間連結会計期間より、新規事業拡大に伴い報告セグメントごとの業績をより適切に管理するため、セグメント利益の集計において本社費の配賦方法を一部変更しており、適切な比較が困難と判断し、営業利益及び損失の前年同期比の記載を省略しております。

 

(2) 財政状態の分析

当中間連結会計期間末における総資産は、前中間連結会計年度に比べ1,115,786千円増加し、8,461,009千円となりました。これは、流動資産が850,103千円増加し、4,376,020千円となったこと及び固定資産が271,179千円増加し、4,074,913千円となったことによるものであります。

流動資産の主な増減内容は、現金及び預金の増加478,362千円、売掛金の増加306,983千円であります。

固定資産の主な増減内容は、投資その他の資産のその他に含まれている繰延税金資産の増加175,851千円であります。

一方、負債については、流動負債が247,412千円増加し、3,328,583千円となったこと及び固定負債が368,167千円増加し、2,148,821千円となったことにより5,477,404千円となりました。

流動負債の主な増減内容は、買掛金の増加121,113千円等によるものであります。

固定負債の主な増減内容は、新規借入による長期借入金の増加355,018千円であります。

純資産については、親会社株主に帰属する中間純利益を610,305千円計上したこと、配当金の支払いにより利益剰余金が119,470千円減少したことにより、2,983,604千円となりました。

 

 

(3) キャッシュ・フローの状況

当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)の残高は、前連結会計年度末と比較し484,085千円増加し、2,359,178千円となりました。

当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当中間連結会計期間における営業活動による資金の増加は719,682千円(前年同期は33,013千円の増加)となりました。これは、税金等調整前中間純利益639,328千円及び減価償却費207,161千円等による資金の増加が、売上債権の増加306,983千円及び法人税等の支払額234,170千円等による資金の減少を上回ったことによるものであります。

 

(投資活動におけるキャッシュ・フロー)

当中間連結会計期間における投資活動による資金の減少は308,590千円(前年同期は626,873千円の減少)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出203,097千円及び差入保証金の差入による支出44,079千円等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当中間連結会計期間における財務活動による資金の増加は73,688千円(前年同期は106,895千円の増加)となりました。これは、長期借入れによる収入800,000千円による資金の増加が、短期借入金の返済による支出79,998千円、長期借入金の返済による支出526,976千円及び配当金の支払額119,337千円による資金の減少を上回ったことによるものであります。

 

3 【経営上の重要な契約等】

当社は、2024年12月13日開催の取締役会において、連結子会社である株式会社串カツ田中を吸収合併存続会社、同じく連結子会社である株式会社セカンドアローを吸収合併消滅会社とする吸収合併を行うことを決議し、2025年3月1日付で吸収合併いたしました。

詳細につきましては、「第4 経理の状況 1 中間連結財務諸表 注記事項 (企業結合等関係)」に記載のとおりであります。