第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、個人財産の最適な配分と次世代への不安無き移転を約束し、永代にわたるその御家族のファミリーミッションの実現をビジネスノウハウ、システムインフラの提供を通じて支援することを経営理念とし、1990年4月の設立以来、IT(Information Technology:情報工学)とFT(Financial Technology:金融工学)の統合を企業ミッションとして、金融機関のリテール営業支援システムを提供してまいりました。
 金融リテール、すなわち個人金融市場をターゲットドメインと定義し、情報通信技術と金融ノウハウの双方のバランスを重視する金融ITブティックを目指すことを基本方針としております。

 

(2) 目標とする経営指標

当社グループは、事業の継続的な拡大を通じて企業価値を向上させていくことを経営の目標としております。経営指標としては、事業の収益力を表す経常利益を重視し、拡大を目指してまいります。

 

(3) 経営環境

当連結会計年度におけるわが国の経済は、変異株の拡大等、新型コロナウイルス感染症の再拡大や特定地域を対象とした緊急事態宣言の再発出により厳しい状況となりました。ワクチン接種の進展や世界経済の改善傾向はみられるものの、先行き不透明な状況が続いております。企業の情報システム投資は、非接触遠隔化等の新型コロナウイルス対応ビジネスへの需要はあるものの、プロジェクトの延期や抑制が継続した1年となりました。また、金融業界においては銀行や証券会社に比べ、対面販売のウエイトが大きい生命保険業界において最も深刻な影響を受けたと考えられます。

 

(4) 中長期的な会社の経営戦略

企業経営におけるIT活用は、高度化が進む一方で、情報システムの構築や運用をより迅速かつ安価に実現するニーズが高まっています。企業における情報システムの構築・運用においては、企業自らが行う自前主義から、専門の外部業者に一部を委託するアウトソース化、さらに自身はシステムを保有せず、外部業者からサービスとしてIT機能の提供を受ける「所有から利用」への流れが加速しており、情報サービス事業者はこれらのサービスの提供力を高めることが必要となっています。また、顧客の事業が国や業種の垣根を越えて拡大する中、情報サービス産業においては、グローバル対応や業種を超えた機能連携の実現が強く求められています。
 当社グループは、これらの事業環境の変化に対応するため、以下の経営戦略で事業を推進してまいります。
 生命保険会社統合フロントエンドシステムの開発経験を活かし、申込書ペーパレス、顧客データベース構築、見込み客管理、販売員及び契約者への情報提供システムの構築までを自社開発領域とするとともに、あらゆる生命保険会社のニーズに的確なソリューションを提供するブティック型システムインテグレーターとしての地位を確立します。
 今後、人生100年時代、大相続時代に対する生命保険会社・証券会社・銀行向け各ソリューションの需要の増加が見込まれることから、ゴールベースファイナンシャルプランニングシステムであるDesign Your Goal、統合資産管理システムWealth Management Workstation、アセットアロケーションシステム等を、資産運用、管理に不可欠なプラットフォームシステムとして確立し、ライセンス使用料課金及びコンサルティング料シェアにより、承継ビジネスを行う際に高収益率と継続的な安定収益を目指します。

なお、当期において受託したWithコロナの環境における生命保険販売の遠隔コンサルティングシステムは、特にネットリテラシーの十分でない高齢者、資産家に対するafterコロナ時の金融商品、保険商品のコンサルティングセールスのニューノーマルとなるべき販売スタイルと言えます。従ってロボティクスアドバイスによる生命保険、投資信託販売がコモディティ化するなか、テクノロジーとヒューマンコンサルによるハイブリッド型金融サービスの進化型として、今後急成長する金融DⅩ領域と考えられます。

 

 

(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当社グループでは、金融リテールビジネスに必要となるシステムを金融機関等及びその顧客に提供することにより、売上高の拡大及び収益性の向上を図り、持続的かつ安定的な成長及びより強固な経営基盤の確立を目指しております。

この目的を実現させるため、当社グループは以下の事項を重要な課題と認識し、その対応に引続き取り組んでまいります。

 

① 市場のニーズに応えるシステムの開発及び提供

当社グループは、主に生命保険会社をはじめとする金融機関にシステムを開発・提供しております。金融機関は、取扱う金融商品の増加及び消費者ニーズの多様化に対応するため、金融商品の販売に関する業務プロセスを効率的に運営する必要に迫られているほか、金融商品取引法及び保険業法等、関連する法令諸規則を遵守しなければなりません。金融機関は効率性と遵法性を両立させた業務プロセスを構築して金融商品を販売することが求められており、ここに当社グループが開発・提供するシステムを導入する必要性があるものと認識しております。

これまではフィンテック・インシュテックの展開に伴うAIやRPAの活用ニーズの高まりもあり、金融機関のITシステム投資は堅調に継続しておりましたが、新型コロナウイルスの全世界的な感染拡大により、企業の情報システム投資ニーズは大きく変貌し、非対面によりかつビッグデータ解析を駆使するとともにAIを活用し意思決定を行うという新たな革新が生まれつつあります。

さらに、当社グループを含むシステム会社各社が、前述の金融機関が抱える課題を解決するシステムを市場に供給しているとともに新興のフィンテック企業の参入もあり、増々競争が激化しております。このような事業環境の中、市場のニーズに応える革新性あるシステムを継続的に開発・提供することが必要であります。特に金融庁は「高齢社会における資産形成・管理」等の提言を通じて、人生100年時代、長寿化に伴う資産寿命の延長、ライフスタイルの多様化に対応したデジタル化に基づく顧客起点の金融サービスの提供を求めています。当社はこれに対応した各金融機関へのソリューションを提供することに加えて、現状の新型コロナ禍の環境下において、金融機関の多くが、現状の対面型金融商品、保険商品の販売から、デジタルテクノロジーを使いながら非対面コンサルによるハイブリッド型営業に重点が移行すると想定し、今後の金融商品のニューノーマルな環境下において予想される非対面による遠隔コンサルティングシステムの開発・提供が必須であると認識しております。

この課題に対処するため、当社グループでは業務プロセスの効率化のため新規開発を志向する金融機関との取引関係の維持・強化、最新のAI、ビッグデータ解析等の動向についての情報収集及び金融機関の販売業務に関する法令諸規則についての情報収集に努め、市場をリードする新規システムを開発・提供してまいります。
 さらに、アフターコロナの環境下においても、金融庁の提言に対応したバンキングアプリケーション、アカウントアグリゲーション及びライフプランの各機能を統合したマスマーケット向け資産形成アドバイスシステムを提供し、資産家及び企業経営者をターゲットとして会計事務所、IFA、FP向けに、クラウド上から個人の複数の投資目標を最適化するゴールベースプランニングシステムの提供を拡大し、相続・財産コンサルティングを定額課金により実現してまいります。結果としてシステムを活用しながら、日本人の個人金融資産の成長拡大による豊かな老後、次世代への円滑な財産の移転を実現させるものであります。

 

② 既存販売先との取引関係の維持及び新規販売先の開拓

当社グループは、特定の保険会社への販売比率が高い状況にあります。

このため当社グループの業績は特定の販売先の取引金額の多寡に影響を受けやすくなり、今後特定の販売先への売上の集中を緩和し、収益基盤の安定性を確保することが課題であると認識しております。

当社グループでは、これらの課題に対処するため、既存販売先との取引関係を維持・強化し、販売先のシステム投資予算に占める当社グループ受注比率を高めてまいります。特に子会社の株式会社インフォームを通じて、生命保険システム開発の上流、要件定義工程を含む全工程の業務を受託し、長期的戦略パートナーとしての地位を獲得してまいります。

また、資本提携・業務提携先である会計事務所、会計事務所ネットワーク、IFA、FP向け等を通じて非金融機関向け売上の拡大に努める一方で、新規販売先(保険会社、銀行、証券会社等)への提供及び金融サービスプラットフォームを運営する企業や新興フィンテック企業とのさらなる業務提携の推進、API(Application Programming Interface)の連携等によって、生命保険会社以外への売上を増加させる戦略が重要と考えております。

なお、当社システムの新規金融機関、IFA、FP等への開拓のため、プライベートバンキング、事業承継財産承継に係る書籍を日本証券アナリスト協会から出版し、さらには対面及びオンラインセミナーの開催により、当社プロダクトの取得後の活用方法等プロモーション啓蒙活動を継続的に行っております。

 

 

③ 受託開発収入以外の収益形態の拡大

当社グループの売上高は、受託開発収入、使用許諾収入、保守運用収入及びコンサルティング収入で構成されておりますが、受託開発収入の比率が高い状況にあります。

受託開発収入は、案件の獲得、失注及び納期のずれ込み等により、収益が大きく変動する可能性があり、これを課題と認識しております。

当社グループでは、この課題に対処するため、受託開発収入以外の収益形態による売上高を増やす方針としております。具体的には、システムの使用者数及び登録資産に連動した使用許諾収入を得る収入形態の採用、自社開発した統合資産管理システムを活用したコンサルティング収入を得るための営業活動の推進、クラウド上でのゴールベースプランニングシステムを利用したサブスクリプションモデルによる財産コンサルティング等により、顧客から得る収益形態を多様化させる戦略であります。

 

④ 利益の確保及び利益率の向上

当社グループが開発・提供するシステムは「フロントエンドシステム」であり、システムの利用者(金融機関の営業担当者や金融商品の購入を検討する顧客等)が直接システムを操作することに特徴があります。販売先ごとに異なるシステムを開発・提供する必要があることに加え、システム利用者の操作のし易さについても配慮しなければならないことから、開発過程において、一般的な基幹系システムよりも比較的多くの作業工数を費やす必要があります。そのための操作性の向上とともに厳格な工数管理を実施することが、利益を確保し利益率を向上させるための課題であると認識しております。

当社グループでは、この課題に対処するため、社内にプロジェクトの進捗状況を管理する会議体を設けており、この会議体の運用を徹底することで、プロジェクト損失を回避してまいります。また、開発・提供にあたって多くの作業工数を必要としない既存のシステムをパッケージ化して新規取引先に販売すること、APIにより他社アプリとシームレスに連携すること等により、利益の確保及び利益率の向上を実現させる方針としております。

 

⑤ 優秀な人材の確保

当社グループが属する情報サービス産業では、人材の獲得競争が激化しており、優秀な人材の確保が困難な状況となっております。また、当社グループは金融商品の販売に係わる諸問題を解決するシステムを提供しているため、当社グループ従業員はシステムだけではなく保険数理、金融知識、ポートフォリオ理論、社会保障、税務等に習熟していることが求められます。

こうした中、当社グループが事業を継続的に遂行し、より付加価値の高いサービスを提供するため、新規採用及び中途採用を拡充するほか、CAPユニバーシティという社内教育体系を確立し、総合的人材教育、特にITとファイナンスに係わるフィンテックの領域の最新の教育を継続的に強化してまいります。

 

⑥ 海外展開

昨今、日本を除く東アジア地域において、日本に比べ若い世代の資産家が増加しており、特に国家による社会保障制度の整備が遅れている地域の企業家及び富裕層にとって、個人の資産管理は重要な課題となっております。またスマートフォンによる資金決済、資金運用、ファミリーオフィスに係わる統合資産運用システムは日本以上に進展しつつあり、アセットアロケーションシステムの中国本土の複数の銀行へのライセンス課金を実行中であります。当社グループはこれを商機と捉え、当社グループが日本国内において開発したシステムを海外で提供することを目的に、世界各地で開催されるカンファレンスへの出展や講演、さらには海外有力システム会社との提携について継続的に実施しております。

将来の収益源となるよう、今後も継続的に取り組んでまいります。

 

2 【事業等のリスク】

本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のあると考えられる主な事項には、以下の内容が挙げられます。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資家に対する積極的な情報開示の観点から、以下に開示しております。

新型コロナウイルス感染症につきましては、収束時期が不確実であり予想が困難ですが、当社グループでは、現状の新型コロナウイルス感染症の感染状況を踏まえ、当該感染症に伴う影響が翌連結会計年度末までに徐々に正常化すると仮定し、その予想する影響は業績予想に織り込んでおり、重要な会計上の見積りに利用しております。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断する主要なものであり、事業等のリスクはこれに限るものではありません。

 

(1) 開発プロジェクトの管理について

当社グループの受託開発事業は、請負契約による開発案件が中心であります。当該開発業務の性質上、当初の見積り以上の作業工数が必要となる場合があり、想定以上の費用負担により開発案件の採算性の悪化が生じる可能性があります。また、開発案件に対する仕様変更等による開発費用の追加発生、新型コロナウイルスの影響による開発の遅延等により開発案件の採算性の悪化が生じる可能性もあります。

本書提出日現在、当社グループでは開発案件の採算性等に十分留意しつつ受注活動を行うほか、プロジェクト審査委員会を設置し、プロジェクトの状態、マネージメント状況を適時に第三者的立場で客観的に確認及び評価することで、進捗遅延等のリスクの顕在化を防止しております。このように案件管理を徹底する方針でありますが、開発遅延や仕様変更等により当初グループの見積以上の作業工数が発生し開発案件の採算性の悪化が生じた場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(2) システムの不具合について

当社グループは、金融商品の販売等をサポートするためのシステムを開発・提供しておりますが、顧客の検収後にシステムの不具合(いわゆるバグ)等が発見される場合があります。当社グループにおきましては、品質管理の国際標準であるISO9001の認証を取得して、品質管理の徹底を図り、不具合等の発生防止に努めておりますが、それでもなお、製品に不具合等が発見された場合には、補修作業に伴う費用の増加、信用の低下、損害賠償などの要因により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
 

(3) 競合について

当社グループは、金融リテール市場において、提案・要件定義・基本設計といった上流工程から開発・運用・保守に至る工程までを原則すべて自社で行う「ワンストップ・サービス」を徹底し、㈱インフォームを連結子会社化する等の強化を行い、他社との差別化を図っております。しかしながら、金融リテール市場において、より高度な技術やノウハウを保有する競合企業が出現し、顧客のニーズをより的確に捉えたシステムを提供するようになった場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(4) 顧客が特定の業界に偏っていることについて

当社グループは、売上高の大半を国内金融機関、とりわけ生命保険会社に依存しております。そのため銀行及び証券会社の顧客化、㈱青山財産ネットワークスとの資本業務提携や、会計事務所、会計事務所ネットワーク、IFA及びFP等の非金融機関顧客に努めておりますが、生命保険業界の合併、統合などの金融再編、法令や規制の変更・強化等及び業界のIT投資の動向などの要因により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(5) 特定の販売先への依存度が高いことについて

当社グループには販売実績の10%を超える販売先が存在しております。当社グループとしましては、これらの主要顧客との取引を維持・継続するために、「第2事業の概況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 ②既存販売先との取引関係の維持及び新規販売先の開拓」に記載した事項及び、今後の金融商品のニューノーマルな環境下において予想される非対面による遠隔コンサルティングシステムの開発・提供等により、先端的なシステム開発や技術に係る連携を強化することに加えて、新規顧客の開拓を進め顧客基盤のより一層の拡大等に努めております。しかし、主要顧客の営業方針の変更及びシステム投資規模の減少等、その他の理由により主要顧客との取引が終了ないし大幅に縮小した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 知的所有権について

当社グループの開発するソフトウエアの著作権等の知的所有権は、当社グループに帰属し、当社グループ独自のものであると考えております。しかし、当社グループの認識の範囲外で第三者の知的所有権を侵害したり、逆に第三者が当社グループの知的所有権を侵害する可能性があります。第三者の知的財産権を侵害した場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
 

 

(7) 業績の季節変動について

当社グループの主たる事業である受託開発事業は、主要な顧客である生命保険会社等の金融機関のIT投資予算の制約を受けること、近年は生命保険会社の新商品販売時期が10月頃に偏重する傾向にあることから、売上高、営業利益、経常利益とも1月から3月(第2四半期)及び7月から9月(第4四半期)に偏重する傾向があります。また、検収基準で売上高を計上する案件があることから、何らかの理由により検収時期が翌期にずれ込んだ場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(8) 人材の確保について

当社グループは金融商品取引法に準拠したシステムの開発販売及びコンサルティングを行っており、新たなサービスを開発、展開していくためには、常に優秀な人材を確保しなければなりません。開発スキルが多様化する中、求める開発スキルを明確にした採用活動を行うことにより、現時点においては必要な人材を確保しておりますが、高度な能力を持つ人材は流動化が進行しており、将来も継続して必要な人材を確保できるかどうかについては不確定であり、十分な人材を確保できない場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(9) 情報セキュリティ管理について

当社グループは顧客の情報システムを構築する過程において、個々の顧客業務内容等の機密情報を入手し得る立場にあることから、個人情報を含めた情報管理のため入退出管理、アクセス可能者の制限、アクセスログ取得等のセキュリティ対策を講じる等、情報管理体制の整備強化に努めており、情報セキュリティマネジメントの国際標準であるISO27001の認証を取得しております。

しかしながら、今後、当社グループの過失や第三者による不法行為等によって顧客の個人情報や機密情報、当社グループが保有する個人情報等が外部へ流出した場合には、損害賠償請求や社会的信用の失墜等により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
 

(10) 自然災害、事故等について

当社グループでは、自然災害、事故等に備え、バックアップサーバーの分散化、定期的バックアップ、稼働状況の監視によるシステムトラブルの事前防止又は回避に努めておりますが、大地震、台風等の自然災害や事故等により、設備の損壊や電力供給の制限等の事業継続に支障をきたす事象が発生した場合、当社グループの業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

(11) 特定人物への依存について

当社の代表取締役社長である北山雅一(以下、同氏といいます。)は、当社の創業者であり、会社設立以来の最高経営責任者であります。経営方針や事業戦略の決定やその実行において重要な役割を果たしております。
 当社においては、特定の人物に依存しない体制を構築するべく、幹部社員の情報共有や権限の委譲によって同氏に過度に依存しない組織体制の整備を進めておりますが、何らかの理由により同氏が当社の業務を遂行することが困難になった場合、新規案件の獲得等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(12) ストック・オプションの権利行使による株式価値の希薄化について

ストック・オプション制度は、企業価値と役職員個々の利益を一体化し、ベクトルの共有や目標の達成等組織における職務の動機付けを向上させることを目的として導入し、今後も資本政策の中で慎重に検討しつつ、継続的に実施してまいりたいと考えております。

本書提出日の前月末における潜在株式数は76,900株であり、発行済株式総数の1.3%に相当しておりますが、権利行使された場合には、当社グループの1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。

 

(13) 業界全体の動向および法令改正等の状況について

当社グループの売上高は生命保険会社に大きく依存しております。このため、保険商品の販売動向、新商品の販売数及び保険業法等の生命保険業界に関連する法令の改正等が当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

① 業績

当連結会計年度において当社グループは、生命保険会社向けの①ライフプランニングシステム、②生保設計書・申込書作成システム、③生保販売・引受・保全業務の全プロセスを、ペーパーレス化、省力化し、さらに今後のニューノーマルとなる非対面による遠隔コンサルティングシステムの開発提供を展開しております。そして、④米国で急速に浸透しつつある複数の投資目標の達成確率を予想するゴールベースプランニングプラットフォーム、⑤団塊の世代の経営者を主たる対象とした統合資産管理システム、事業承継・財産承継システムの構築・販売及び使用料課金を拡大しております。さらに、⑥当該クラウドシステムを活用した資産管理コンサルティング業務の獲得に努力いたしました。

さらに、大手金融グループより銀行・信託・証券会社三位一体による人生100年時代、大相続時代の到来を背景としたゴールベースプランニングシステム、相続・財産承継システムの大型開発案件の受託プロジェクトを継続するとともに、地域金融機関、金融商品仲介業者、FP、会計事務所向けにクラウドコンピューティングによる統合資産管理システムの使用料課金の拡大に努めました。また生保レガシーシステムのDⅩ化というべき住宅ローン団体信用保証のクラウドシステム化を新規に受託いたしました。

しかし、新型コロナウィルス感染症の再拡大による緊急事態宣言が当期も継続し、生保各社の新商品投入プロジェクトがほぼ2021年10月末まで延期されたため、当連結会計年度の売上高は6,631,364千円(前年度比3.6%減)、営業利益は120,496千円(前年度比28.8%減)、経常利益は117,898千円(前年度比30.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は69,568千円(前年度比22.1%減)となりました。

なお、当社グループはシステム開発事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。事業の売上区分別の業績は次のとおりであります。

 

(受託開発)

生命保険会社向けの①ライフプランシステム、②エステートプランシステム、③生保設計書システム、④生保申込書システム、⑤生命保険契約ペーパーレスシステム、⑥生保販売業務の省略化、効率化、自動化を実現するフロントエンドシステム、非金融機関向けの統合資産形成アドバイスシステム等の開発販売の結果、当連結会計年度の受託開発売上高は6,265,085千円(前年度比4.6%減)となりました。

 

(使用許諾・保守運用)

ライフプランシステム等で使用する、CAPライブラリ(CAP/Lib)について、使用許諾契約や保守契約は引続き堅調であり、使用許諾・保守運用売上高は326,793千円(前年度比13.5%増)となりました。

 

(その他)

システムプラットフォームを活用した富裕層向けの資産管理コンサルティング契約の獲得を進め、その他売上高は39,484千円(前年度比53.0%増)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べて475,974千円増加し、1,869,704千円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
 営業活動によるキャッシュ・フローは、996,622千円の収入(前連結会計年度は458,280千円の支出)となりました。これは主として税金等調整前当期純利益122,093千円、減価償却費223,372千円、売上債権の減少541,448千円、たな卸資産の減少52,325千円を計上した一方で、法人税等の支払額87,783千円を計上したこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
 投資活動によるキャッシュ・フローは、525,357千円の支出(前連結会計年度は362,459千円の支出)となりました。これは主として無形固定資産の取得による支出493,912千円、有形固定資産の取得による支出16,118千円を計上したこと等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)
 財務活動によるキャッシュ・フローは、4,710千円の収入(前連結会計年度は21,450千円の支出)となりました。これは主として長期借入れによる収入800,000千円を計上した一方で、長期借入金の返済による支出652,894千円、配当金の支払額91,331千円を計上したこと等によるものであります。

 

③ 生産、受注及び販売の状況

当社グループは、システム開発事業の単一セグメントのため、生産、受注及び販売の状況については、売上の区分別に示しております。

 

a. 生産実績

当連結会計年度における受託開発売上の生産実績は、次のとおりであります。なお、他の売上区分については生産に相当する事項がないため、生産実績に関する記載はしておりません。

 

売上区分

当連結会計年度

(自 2020年10月1日

至 2021年9月30日)

金額

前年同期比(%)

 受託開発

(千円)

6,200,793

93.7

       合計

(千円)

6,200,793

93.7

 

(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2.金額は、販売価格で記載しております。

 

b. 受注実績

当連結会計年度における受託開発売上の受注実績は、次のとおりであります。なお、他の売上区分については受注生産を行っていないため、受注実績に関する記載はしておりません。

 

売上区分

当連結会計年度

(自 2020年10月1日

至 2021年9月30日)

受注高

前年同期比(%)

受注残高

前年同期比(%)

 受託開発

(千円)

5,547,061

88.7

1,439,488

84.6

  合計

(千円)

5,547,061

88.7

1,439,488

84.6

 

(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2.金額は、販売価格で記載しております。

 

 

c. 販売実績

当連結会計年度における販売実績を売上区分別に示すと、次のとおりであります。

 

売上区分

当連結会計年度

(自 2020年10月1日

至 2021年9月30日)

金額

前年同期比(%)

受託開発

(千円)

6,265,085

95.4

使用許諾・保守運用

(千円)

326,793

113.5

その他

(千円)

39,484

153.0

合計

(千円)

6,631,364

96.4

 

(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2.「その他」は、富裕層向けコンサルティング、セミナー開催等に関する売上であります。

3.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

 

相手先

前連結会計年度

(自 2019年10月1日

至 2020年9月30日)

当連結会計年度

(自 2020年10月1日

至 2021年9月30日)

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

ソニー生命保険㈱

2,867,151

41.7

3,069,939

46.3

三井住友海上
あいおい生命保険㈱

689,684

10.0

572,688

8.6

 

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されておりますが、この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者により一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、それが資産・負債や収益・費用の数値に反映されております。

これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらと異なる場合があります。

当社グループの連結財務諸表作成にあたって採用している重要な会計方針及び見積りの詳細につきましては、「第5  経理の状況  1連結財務諸表等  (1) 連結財務諸表  注記事項  (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」を参照ください。

当社グループでは、現状の新型コロナウイルス感染症の感染状況を踏まえ、当該感染症に伴う影響が翌連結会計年度末までに徐々に正常化するとの仮定に基づき、固定資産の減損、繰延税金資産の回収可能性などの見積りを行っております。

 

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 経営成績等
 1) 経営成績の分析
(売上高)

生命保険会社向けの①ライフプランニングシステム、②生保設計書・申込書作成システム、③生保販売引受保全業務のペーパーレス化、省力化、効率化、自動化、非対面化を実現するフロントエンドシステムの横展開、④生保住宅ローン団体信用保証プロジェクトの新規受託⑤大手金融グループ向けゴールベースプランニングシステム、相続事業承継・財産承継システム等の受託プロジェクトの進捗の結果、当連結会計年度の売上高は6,631,364千円(前年度比3.6%減)となりました。

 

(営業利益)

今後の対面金融商品販売のニューノーマルとなる非対面遠隔コンサルティングシステム等の積極的な営業活動を行う一方で、当社主力の生保受託ビジネスについては2021年9月末まで回復が緩やかであり、営業利益は120,496千円(前年度比28.8%減)となりました。

(経常利益)

営業外収益として、受取利息及び配当金を11,058千円計上しました。また、営業外費用として、支払利息を19,031千円計上しました。この結果、経常利益は117,898千円(前年度比30.9%減)となりました。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

法人税等合計を52,524千円計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は69,568千円(前年度比22.1%減)となりました。

 

 2) 財政状態の分析

<資産>

 当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べて186,836千円増加し、5,866,351千円となりました。
(流動資産)
 当連結会計年度末における流動資産合計は、前連結会計年度末に比べて169,086千円減少し、3,611,611千円となりました。これは主として現金及び預金が475,978千円増加した一方で、売掛金が541,448千円、仕掛品が52,325千円減少したこと等によるものであります。
(固定資産)
 当連結会計年度末における固定資産合計は、前連結会計年度末に比べて355,922千円増加し、2,254,740千円となりました。これは主としてソフトウエアが286,536千円、投資有価証券が85,399千円増加したこと等によるものであります。 

<負債> 
  当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べて157,839千円増加し、2,629,154千円となりました。
(流動負債)
 当連結会計年度末における流動負債合計は、前連結会計年度末に比べて42,870千円増加し、1,750,453千円となりました。これは主としてその他に含まれる未払消費税等が92,707千円増加した一方で、短期借入金が50,000千円減少したこと等によるものであります。
(固定負債)
 当連結会計年度末における固定負債合計は、前連結会計年度末に比べて114,969千円増加し、878,701千円となりました。これは主として長期借入金が91,735千円増加したこと等によるものであります。
<純資産>
 当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べて28,996千円増加し、3,237,197千円となりました。これは親会社株主に帰属する当期純利益を69,568千円、剰余金の配当を91,311千円計上したこと、及びその他有価証券評価差額金が52,342千円増加したこと等によるものであります。

 

b. 経営成績に重要な影響を与える要因

経営成績に重要な影響を与える要因の詳細につきましては、「第2事業の状況 2事業等のリスク」を参照ください。

 

③ 資本の財源及び資金の流動性についての分析

キャッシュ・フローの状況については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」を参照ください。

当社グループは、企業体質の強化を図りながら持続的な企業価値の向上を進めるにあたり、事業運営上必要な資金を、安定的に確保することを基本方針としております。

当社グループの資本の財源は、主に営業キャッシュ・フローで生み出した資金を源泉とし、必要に応じて資金調達を行っております。

なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は1,652,988千円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は1,869,704千円となっております。

 

④ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として、事業の収益力を表す経常利益を重視し、拡大を目指しております。当連結会計年度におきましては、経常利益117,898千円を計上いたしました。引続き事業の継続的な拡大を通じて企業価値を向上させてまいります。

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

該当事項はありません。