文中の将来に関する事項は、本報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
今後、我が国は2070年に国民の約2.4人に1人が65歳以上の高齢者となるという世界で類を見ない超高齢化社会になることが予測されております。また、日本のデジタルトランスフォーメーション(以下「DX」といいます。)の進展が世界から大きく後れを取っている認識のもと、株式市場においてDXに対応し進化している企業とそうではない企業の二極化が進展し、企業は自社の生き残りをかけ、DXへの対応・変革・投資が急務となっている状況です。また、地方自治体においても、厳しい財政状態・人口減少の課題に直面し、職員数が減少しているにもかかわらずその業務負担は増加傾向にあり、DXによる業務効率化が必要不可欠となっております。
そのような環境の中、当社グループにおいては「Change People、Change Business、Change Japan」をミッションに掲げ、「生産性をCHANGEする」というビジョンのもと、「人×技術」で日本の生産性を飛躍的に向上させ、人口減少下の日本を持続可能な社会にするため、ビジネスモデル・業務プロセスのデジタル化及びデジタル人材の育成支援などの事業を展開し、創業以来、多くの顧客のデジタル化ニーズに対してソリューションを提供しております。
当社グループは、上記ミッション及びビジョン実現のため、中期経営計画「Digitize & Digitalize Japan」を掲げ、2019年9月期~2034年3月期において1Phaseを3カ年毎に区切り、Phase1からPhase5までの15カ年で、日本のDX市場におけるリーダーの地位を確立するべく取り組んでおります。
(2)事業戦略
当社グループは「Local」 × 「Social」 × 「Digital」の重点領域を定めた中期経営計画(改訂版)「Digitize & Digitalize Japan (Phase2)」を終え、次期中期経営計画「Digitize & Digitalize Japan (Phase3)」の実現に向け、事業基盤の整備を進めてまいります。
① NEW-ITトランスフォーメーション事業
NEW-ITトランスフォーメーション事業においては、デジタル人材の育成支援や業務プロセスの革新及びデジタル化、そしてM&A仲介など、常態化する人材不足解消に向けた多くのソリューションを提供するとともに、国内に散在する広範な分野のセキュリティに関する優秀な人材を集積し、国産ソリューションで堅牢な産業基盤を築くべく、サイバーセキュリティ領域の強化・拡大を図ってまいります。
② パブリテック事業
パブリテック事業においては、ふるさと納税の高付加価値化による更なる伸長を図りつつ、LoGoシリーズの拡大、株式会社ガバメイツによる自治体業務改革支援、M&Aや資本業務提携を通じたサービス・プロダクトの拡充により、公共DX領域における成長を加速させてまいります。
(3)経営環境
当社グループを取り巻く市場環境に関連する動向としては、政府が持続可能な社会・デジタル社会の実現に向け、大胆な規制改革や行政のデジタル化を推進し、地方創生に関する様々な取り組みを行っております。このことは、「人×技術」で地方を含めた日本のDXを推し進めている当社グループにとって、ポジティブな環境であると認識しております。
(4)当社グループの体制、顧客基盤、販売網
「第1 企業の概況 3 事業の内容」に記載の[事業系統図]をご参照ください。
(5)当社グループの主要製品・サービスの内容
「第1 企業の概況 3 事業の内容 (1)NEW-ITトランスフォーメーション事業の内容、(2)パブリテック事業の内容」をご参照ください。
(6)対処すべき課題
当社グループは、更なる事業拡大及び成長を加速させるために、以下の点を対処すべき重要な課題と認識し、取り組んでまいります。
①NEW-ITトランスフォーメーション事業の強化
NEW-ITトランスフォーメーション事業のうち、民間DX・M&A仲介領域では、BPOサービス×デジタルを掛け合わせることによって、人手不足解消に資する多様なソリューションを提供し、M&A仲介事業での新たな付加価値の創造にも取り組んでまいります。また、サイバーセキュリティ領域では、総合サイバーセキュリティ企業としての地位を築くべく、M&Aを含むアライアンス戦略によりセキュリティ分野の営業チャネルとソリューション強化を図ってまいります。
②パブリテック事業の強化
パブリテック事業のうち、地方創生領域では、ふるさと納税事業で引き続きOEMを活用して安定的な収益基盤を構築し変化の激しい競争環境を勝ち抜くほか、旺盛なインバウンド需要を取り込むべく観光分野でのソリューション強化やカーボンクレジット事業の立ち上げ・拡大に注力してまいります。また、公共DX領域では、これまで培った自治体営業力と自治体BPRコンサルの強みを活かした新たな分野への展開や、中央省庁を含めた大型案件の獲得に取り組んでまいります。
③事業シナジーの強化
グループ会社の増加を企業価値向上により結び付けるべく、各社のケイパビリティを活かし多くのシナジーを生み出すことが今後の当社の成長にとって重要であると考えております。特に株式会社チェンジや株式会社トラストバンクが持つDXコンサルティング、教育・研修ノウハウ、自治体・民間企業・金融機関とのネットワークを活かして、グループ会社間でのシナジーを創出することに注力してまいります。
④内部管理体制及び経営基盤の強化
当社グループの事業規模の拡大に伴い、内部管理体制として求められる管理機能の範囲が拡大し、また専門的なスキル及び知見も高度化しております。それらに対処すべく、従業員に積極的に教育機会を提供するほか、採用市場における競争力を高め優秀な人材を確保することで内部管理体制の充実を図ります。また取締役会から執行陣への権限委譲を通じた意思決定の迅速化、取締役会における経営方針・経営戦略を中心とした審議を一段と充実させることによる取締役会の監督機能の強化及びグループ経営の効率化を図ることを目的に監査等委員会設置会社へ移行し、経営基盤の強化に取り組んでまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)ガバナンス
当社グループは、「Change People、Change Business、Change Japan」をミッションに掲げ、「生産性をCHANGEする」というビジョンのもと、持続可能な社会を様々な関係者と共創していくこと(サステナビリティな社会の実現)をゴールに、人口減少下の日本を持続可能な社会にするため、ビジネスモデル・業務プロセスのデジタル化及びデジタル人材の育成支援、並びに自立した持続可能な地域創生の共創などの事業を展開し、多くの顧客に様々なソリューションを提供しております。当社グループは、企業活動・事業活動においてサステナビリティに積極的取り組むことは新たな事業機会創出の機会となり得るとの認識のもと、当社及び当社グループとしての考え方を明確にするとともに、サステナビリティに関する様々な取組みをより一層推進すべく「サステナビリティ基本方針」を策定し、これを取締役会にて決議しております。
また、当社グループは、人材の多様性の確保を含む人材育成の推進の観点から、人権を尊重しさまざまな人権課題に対して積極的に取り組んでいくことが重要な社会的使命の一つであると考えております。当社グループは、「国際人権章典(世界人権宣言と国際人権規約(社会権規約・自由権規約))」、及び国際労働機関(ILO)の「労働における基本的原則」「中核的労働基準(4分野・8条約)」、並びに「国連グローバル・コンパクトの人権・労働基準・環境・腐敗防止に関する10原則」に規定されている内容を最低限に守るべきものと理解しており、この認識を社内外に対してより明確に表明するべく「人権の尊重に関する基本的方針」を定め、これを取締役会にて決議しております。
現在、当社では、取締役会がサステナビリティ全般に関するリスク及び機会に対する監督権限を有しており、ガバナンスや統制に関する詳細は、
(2)戦略
●気候変動
当社グループの事業戦略は環境と密接につながっています。当社グループでは、中期経営計画にて「持続可能性が危ぶまれる地域の重大かつ喫緊の課題の解決に挑む」ことを目指し、「地域が抱える社会課題を解決し地域を持続可能にする」ことを戦略分野の一つとしております。特に、CO2/GHG(温室効果ガス)排出を含む気候変動の影響は、地域で暮らす人や社会・経済に直接的に影響を与えるものであり、当社グループに対して求められるサービスについても、気候変動の影響を緩和するための解決策が多くあります。
これらに対して真摯に取り組むことは、当社グループの重要な社会的責務の一つであるとともに、新たな事業機会をもたらすものと考えています。気候変動に伴う事業上のリスクと機会については、
●人材の多様性の確保を含む人材育成
当社グループは、中長期的な企業価値を向上させるためには、多様性を確保し続けるとともに、国籍・ジェンダー・年齢・障がいの有無等に関わらずあらゆる人材が活躍できる環境づくりに努めることが重要であると考えております。当社にとって「ダイバーシティ&インクルージョン」とは、社員一人ひとりが互いの個性や価値観を尊重し合い、その力を最大限に活かせる組織風土を維持・促進するだけでなく、組織全体のパフォーマンスを向上させてミッションの実現を目指す企業活動・事業活動のそのものであると考えております。
当社グループは、従業員のスキル向上を目的とした研修機会を積極的に提供することは、企業価値及び当社グループの競争優位を持続的に向上させていくという観点からも非常に重要なテーマであると考えております。当社グループは、社員一人ひとりがその能力を最大限に発揮するとともに、新たな価値創出のため、自ら進んで学習しそのスキル・能力を向上させ続ける意欲を維持できるよう「学び合える組織文化」の維持・促進に継続的に取り組むとともに、eラーニングコンテンツの配信や年間を通して社内トレーニング(職種/階層/在籍期間別)を実施しております。今後も、社員1人ひとりが“Try & Error”を恐れず、様々な分野において積極的にチャレンジしていくことができるよう、スキル向上を目的とした様々な研修機会を提供してまいりたいと考えております。
●社内環境整備
当社グループは、すべての従業員がジェンダー(性別)にかかわらず、個人の生活やライフステージにおけるさまざまなニーズに合った多様な働き方を選択でき、その結果としてそれぞれの個性や才能を発揮しつつ、モチベーションを高く働き続けることができる社内環境の整備に取り組んでおります。具体的には、出産・育児・介護などライフイベントに伴う様々な環境の変化に対しても、プライベートと仕事を両立できるよう男女問わず利用できる各種制度の拡充に努めております。
また、特に、女性の働き方に関しては、ライフステージにより働き方に制限が生じやすいという特性を十分に理解したうえで、人生の一大事に対しても会社として柔軟な制度を用意していることは社員にとって大きな安心に繋がると考え、その能力を最大限に発揮できるよう各種支援策を継続的に強化しております。当社及び当社グループにおける社内環境の整備に関する具体的取組については、
●組織の活性化
当社では、例年、入社者の50%以上が中途採用による入社者です。現在、その多くが各組織において中核的な役割を果たしております。当社は、性別・国籍・採用経緯等とは一切関係なく、職務遂行に必要な人格、経験、能力及び知見等を有している人物を、管理職へ登用しており、中途採用者の管理職登用に関しても一切の差別をしておりません。その結果、近年では、全管理職に占める中途採用者の比率が、恒常的に50%を超える水準となっており、常に新しい考え方、新しい取り組み、新しい観点を持つ人材を流入させることで、組織の活性化が図られ、結果、事業機会の新たな創出に繋がっていると考えており、当社グループ全体にて推進していきたいと考えております。
(3)リスク管理
当社は、リスク管理を経営上きわめて重要な活動と認識しております。全社的なリスク管理に関しては、取締役及び取締役会による業務執行及びその監督に努める一方で、Corporateユニットが中心となり、全社横断的にリスク管理に取り組んでおります。中期経営計画に基づき事業規模を拡大する中で、グループ会社の増加など経営環境の変化に対応すべく適切に要員を配置し、グループ内のみならず外部のリソースも適宜活用しながら経営資源を効率的に配分することでリスク管理を推進しております。
サステナビリティに関するリスク管理については、全社的なリスク管理の一環として推進状況及び推進を阻害する要因の把握を務めるとともに、連結対象子会社を中心とした主要グループ会社までスコープを広げ、リスク情報の収集と分析を行っております。また、重要と判断するリスクについては、その重要性に応じて、代表取締役兼執行役員社長又は取締役会に報告をしております。
(4)指標及び目標
●気候変動
当社グループでは、事業活動におけるCO2/GHG(温室効果ガス)排出量(Scope1+Scope2)を中長期的に実質削減していくことを目標に、主要グループ会社における排出量の総量をモニタリングしております。直近のモニタリング結果は、
●人材の多様性の確保を含む人材育成
当社グループでは、人材の多様性を一層に推進していくことを目標に、主要グループ会社における障がい者社員の比率・女性社員の比率等をモニタリングしております。直近のモニタリング結果については、障がい者社員の比率が2.52%、女性社員の比率は47.62%となっておりますが、今後のM&Aによって人員構成が大きく変わることもあり、現時点で具体的な目標等を定めることは出来ておりませんが、今後も多様な人材が活躍できる環境を整備していくことが重要であると考えております。詳細は
●社内環境整備
当社グループでは、管理職に占める女性社員の比率、及び出産・育児・介護制度の利用人数を中長期的に向上させていくことを目標に、主要グループ会社における各種制度の利用状況等をモニタリングしております。直近のモニタリング結果は、
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性がある事項には、以下のようなものがあります。なお文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2025年6月27日)現在において当社グループが判断したものであります。なお、各リスクが顕在化する可能性の程度や時期については合理的に予見することが困難であるため記載しておりませんが、当社グループはこれらのリスクに関する管理体制を「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等」に記載のとおり整備し、リスクマネジメント活動を行っております。
(外部環境リスク)
① 景気動向及び業界動向の変動による影響について
NEW-ITトランスフォーメーション事業は、企業を取り巻く環境や企業経営の効率化などの動きにより、関連市場が今後急速に拡大すると予測されるものの、各種新技術に対する投資抑制の影響を受ける可能性があります。また、経済情勢の変化に伴い事業環境が悪化した場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。こうした外部環境の変化への対応策として、市場動向や新しい技術のモニタリングを通じて、迅速な経営判断を行い、経営資源の最適化を図ることで対応を行ってまいります。
② 公的規制について
株式会社トラストバンクが行うふるさと納税に関するサービスにつきましては、ふるさと納税制度が所得税法や地方税法で定める寄附金控除など法律に基づくものであり、今後の税制改正等により当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。こうした公的規制への対応策として、ふるさと納税制度の理念に沿って、返礼品の自主ガイドラインの設定、災害に被災した地方団体へ寄付を通じた災害支援の提供、ガバメントクラウドファンディングによる社会性の高い施策への寄付を実現する仕組みの提供など、ふるさと納税制度が持続的な制度となるよう取り組んでおります。
(財務リスク)
③ 減損損失について
当社グループで買収した子会社等における事業計画の未達、マーケットの信用不安や金利の急激な上昇による割引率の上昇などにより減損損失を計上した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。こうした減損リスクへの対応策として、取締役会、経営会議における買収価格の適切性に関する議論や、買収後の事業計画実現に向けたPMI(ポスト・マージャー・インテグレーション)に注力しております。
④ 為替変動について
当社のセキュリティソフトウエアをはじめとしたNEW-ITトランスフォーメーション事業関連製品は、海外系ベンダーの製品が含まれ、海外からの仕入の大半が米ドル建決済となっているため、日本円と米ドル間の為替相場が円安傾向となった場合、その時点の市場競争状況いかんでは、かかる増加分を適正に当社の販売価格に反映できず、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。こうした為替変動リスクへの対応策として、仕入債務に対して為替予約等の対策を講じ、適宜、国内販売価格の見直しを行っております。
(コンプライアンスリスク)
⑤ 個人情報を含めた情報管理体制について
当社グループはシステム開発・運用又はサービス提供の遂行過程において、顧客の機密情報や個人情報を取り扱います。また、社内の日常業務を遂行する過程においても、役員及び従業員に関する個人情報に接する機会があります。機密情報・個人情報が外部流出や消失するような事態が生じた場合には、当社グループの社会的信用に与える影響は大きく、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。こうした情報漏洩等のリスクへの対応策として、システム上のセキュリティ対策に加え、当社及び当社グループの一部では、情報セキュリティマネジメントシステム「ISO/IEC27001(JISQ27001)」を取得しており、当該公的認証に準拠した情報セキュリティ関連規程類を整備し、ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)の運営、維持、改善に努めております。また、当社グループの一部では、プライバシーマークの認証を取得しております。
(人材リスク)
⑥ 人材の確保及び育成について
当社グループは、今後退職者の増加や採用の不振等により必要な人材を確保することができない場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。こうした人材リスクへの対応策として、積極的・戦略的に優秀な人材の獲得を進め、採用した人材及び既存の社員に対し、社内各種制度及び教育制度の充実等の施策を実施しております。
⑦ 社内特定人物への事業運営の高依存について
代表取締役兼執行役員社長である福留大士は、当社グループの経営方針の決定、事業運営において極めて重要な役割を果たしております。何らかの理由により業務遂行が困難になった場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。こうしたリスクへの対応策として、優秀な経営人材の採用、育成に努めてまいります。
経営成績等の概要
2023年10月に行われたイー・ガーディアン株式会社との企業結合及び2024年3月に行われたアイディルートコンサルティング株式会社との企業結合について、前連結会計年度末において暫定的な会計処理を行っておりましたが、当連結会計年度に確定したため、前連結会計年度との比較・分析にあたっては、暫定的な会計処理の確定による見直し後の金額を用いております。
(1)経営成績
当連結会計年度の経営成績は次のとおりです。
今後、我が国は2070年に国民の約2.4人に1人が65歳以上の高齢者となるという世界で類を見ない超高齢化社会になることが予測されております。また、日本のデジタルトランスフォーメーション(以下「DX」といいます。)の進展が世界から大きく後れを取っている認識のもと、株式市場においてDXに対応し進化している企業とそうではない企業の二極化が進展し、企業は自社の生き残りをかけ、DXへの対応・変革・投資が急務となっている状況です。また、地方自治体においても、厳しい財政状態・人口減少の課題に直面し、職員数が減少しているにもかかわらずその業務負担は増加傾向にあり、DXによる業務効率化が必要不可欠となっております。
そのような環境の中、当社グループにおいては「Change People、Change Business、Change Japan」をミッションに掲げ、「生産性をCHANGEする」というビジョンのもと、「人×技術」で日本の生産性を飛躍的に向上させ、人口減少下の日本を持続可能な社会にするため、ビジネスモデル・業務プロセスのデジタル化及びデジタル人材の育成支援などの事業を展開し、創業以来、多くの顧客のデジタル化ニーズに対してソリューションを提供しております。
具体的な事業内容としては、デジタル人材の育成支援や業務プロセスの革新及びデジタル化を担うNEW-ITトランスフォーメーション事業、DXによる地方創生の推進をミッションとするパブリテック事業の2つの事業を柱として推進・拡大しております。
当社は2022年5月13日に発表した改訂版中期経営計画「Digitize & Digitalize Japan (Phase2)」において
「Local」 × 「Social」 × 「Digital」の重点領域を定め日本のDXをリードすべく、2022年3月にSBIホールデ
ィングス株式会社との資本業務提携を実施し地方創生に向けた取り組みを加速させるとともに、人材採用・育成を
積極的に推し進め、M&A等の成長投資を加速させることでDXの領域の拡大を図っております。また、2023年4月1
日より持株会社体制へ移行し、グループガバナンスの一層の強化と経営資源配分の最適化ならびに次世代の経営人
材育成を推進し、あらゆる経営環境の変化にも迅速に対応できる、柔軟かつ強靭な経営体制を構築しております。
2023年10月にイー・ガーディアン株式会社を連結子会社としたことを足掛かりに新たにサイバーセキュリティ領
域での事業拡大を目指し、さらに2024年12月にM&A仲介事業を行う株式会社fundbookを完全子会社化するなど、次
期中期経営計画での更なる飛躍に向けた積極的な事業展開に取り組んでおります。
当連結会計年度の経営成績は次のとおりです。
NEW-ITトランスフォーメーション事業につきましては、M&Aや資本業務提携を中心とした成長投資を継続しております。人材不足解消領域においては、リスキリングや旺盛な生成AI(ChatGPT)関連の需要を取り入れた研修サービスの強化・拡大を図り、株式会社ディジタルグロースアカデミアの持分法適用会社化により株式の再評価益を計上いたしました。また、2024年12月にM&A仲介事業を行う株式会社fundbookを完全子会社化したことで売上収益が増加しており、引き続き地方創生において重要となる地域企業の事業承継に対し、当社グループのDXの知見や顧客基盤、リレーションを用いて、M&A仲介事業の新たな付加価値の創出に取り組んでまいります。サイバーセキュリティ領域においては、イー・ガーディアン株式会社及びアイディルートコンサルティング株式会社の連結子会社化により、前連結会計年度に対して売上収益が大幅に増加いたしました。また、サイリーグホールディングス株式会社及びイー・ガーディアン株式会社は、株式会社三井住友フィナンシャルグループ及び三井住友海上火災保険株式会社と企業のサイバーセキュリティを支援する合弁会社であるSMBCサイバーフロント株式会社を設立しました。引き続きサイバーセキュリティ業界の再編を進めるべく、M&Aによるソリューションや人材の集積に取り組んでまいります。
パブリテック事業につきましては、地方自治体のDXや地域の経済循環に向けた取り組みによる地方創生を推し進めております。地方創生領域においては、東日本旅客鉄道株式会社が運営する「JRE MALL ふるさと納税」や株式会社カブ&ピースが運営する「KABU&ふるさと納税」などのOEMサービスの拡大も寄与し、当連結会計年度における寄付取扱高は前連結会計年度を上回る結果となり順調に伸展しました。また、2024年9月に東光コンピュータ・サービス株式会社を完全子会社化し、カーボンクレジットなどの新規事業開発を推し進めてまいります。さらに2025年4月1日に発表したとおり株式会社グリヴィティを設立し、ふるさと納税における自治体の配送業務の効率化とコスト削減を支援し、物流分野における事業成長を加速させてまいります。公共DX領域については、地方自治体向けSaaSビジネスであるLoGoチャット及びLoGoフォームが引き続きユーザーからの高い評価を得て契約数が増加し、有償・無償を合わせ約1,500の自治体でLoGoチャットを利用いただいております。
これらの結果、当連結会計年度の売上収益は46,387百万円(前期比25.3%増)、営業利益は13,515百万円(前期比83.1%増)、税引前利益は12,745百万円(前期比75.8%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は7,532百万円(前期比76.7%増)となりました。
セグメントの業績は、以下のとおりであります。
(Ⅰ)NEW-ITトランスフォーメーション事業
NEW-ITトランスフォーメーション事業につきましては、M&Aや資本業務提携を中心とした成長投資を継続しております。人材不足解消領域においては、リスキリングや旺盛な生成AI(ChatGPT)関連の需要を取り入れた研修サービスの強化・拡大を図り、株式会社ディジタルグロースアカデミアの持分法適用会社化により株式の再評価益を計上いたしました。また、2024年12月にM&A仲介事業を行う株式会社fundbookを完全子会社化したことで売上収益が増加しており、引き続き地方創生において重要となる地域企業の事業承継に対し、当社グループのDXの知見や顧客基盤、リレーションを用いて、M&A仲介事業の新たな付加価値の創出に取り組んでまいります。サイバーセキュリティ領域においては、イー・ガーディアン株式会社及びアイディルートコンサルティング株式会社の連結子会社化により、前連結会計年度に対して売上収益が大幅に増加いたしました。また、サイリーグホールディングス株式会社及びイー・ガーディアン株式会社は、株式会社三井住友フィナンシャルグループ及び三井住友海上火災保険株式会社と企業のサイバーセキュリティを支援する合弁会社であるSMBCサイバーフロント株式会社を設立しました。引き続きサイバーセキュリティ業界の再編を進めるべく、M&Aによるソリューションや人材の集積に取り組んでまいります。
この結果、当連結会計年度におけるNEW-ITトランスフォーメーション事業の売上収益は20,797百万円(前期比81.6%増)、セグメント利益は6,080百万円(前期92百万円)となりました。
(Ⅱ)パブリテック事業
パブリテック事業につきましては、地方自治体のDXや地域の経済循環に向けた取り組みによる地方創生を推し進めております。地方創生領域においては、東日本旅客鉄道株式会社が運営する「JRE MALL ふるさと納税」や株式会社カブ&ピースが運営する「KABU&ふるさと納税」などのOEMサービスの拡大も寄与し、当連結会計年度における寄付取扱高は前連結会計年度を上回る結果となり順調に伸展しました。また、2024年9月に東光コンピュータ・サービス株式会社を完全子会社化し、カーボンクレジットなどの新規事業開発を推し進めてまいります。さらに2025年4月1日に発表したとおり株式会社グリヴィティを設立し、ふるさと納税における自治体の配送業務の効率化とコスト削減を支援し、物流分野における事業成長を加速させてまいります。公共DX領域については、地方自治体向けSaaSビジネスであるLoGoチャット及びLoGoフォームが引き続きユーザーからの高い評価を得て契約数が増加し、有償・無償を合わせ約1,500の自治体でLoGoチャットを利用いただいております。
この結果、当連結会計年度におけるパブリテック事業の売上収益は26,160百万円(前期比2.5%増)、セグメント利益は13,045百万円(前期比18.2%増)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ8,217百万円減少し、30,185百万円となりました。
各キャッシュ・フローの状況と主な要因は、次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による資金の増加は、7,836百万円(前年同期は12,070百万円の増加)となりました。これは主に、税引前利益12,745百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による資金の減少は、14,081百万円(前年同期は13,745百万円の減少)となりました。これは主に、連結範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出13,081百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による資金の増加は、1,324百万円(前年同期は17,827百万円の増加)となりました。これは主に、長期借入れによる収入12,101百万円、自己株式の取得による支出4,485百万円、長期借入金の返済による支出3,997百万円及び配当金の支払い1,351百万円によるものであります。
生産、受注及び販売の実績
① 生産実績
当社は、生産に該当する事項がありませんので、生産実績に関する記載はしておりません。
② 受注実績
以下提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
|
NEW-ITトランスフォーメーション事業 |
受注から売上までの期間が短期間であり、期中の受注高と販売実績がほぼ対応するため。 |
|
パブリテック事業 |
主な事業であるプラットフォームビジネスについて、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため。 |
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績は次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
売上収益(百万円) |
前年同期比(%) |
|
NEW-ITトランスフォーメーション 事業 |
20,797 |
181.6 |
|
パブリテック事業 |
26,160 |
102.5 |
|
合計 |
46,958 |
127.0 |
(注)1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績に対する割合が10%以上の相手先がいないため記載を省略しています。
2.当連結会計年度において、販売実績に著しい変動がありました。その内容等については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績」をご参照ください。
経営者の視点による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
(1)財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は49,823百万円となり前連結会計年度末と比較して6,268百万円減少しました。これは主に、現金及び現金同等物が8,217百万円減少したことによるものです。また、非流動資産は54,967百万円となり前連結会計年度末と比較して17,229百万円増加しました。これは主に、のれんが11,046百万円増加したことによるものです。
以上の結果、総資産は104,790百万円となり前連結会計年度末と比較して10,961百万円増加しました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は23,411百万円となり前連結会計年度末と比較して2,513百万円増加しました。これは主に、営業債務及びその他の債務が4,210百万円増加したことによるものです。また、非流動負債は31,705百万円となり前連結会計年度末と比較して8,698百万円増加しました。これは主に、社債及び借入金が7,596百万円増加したことによるものです。
以上の結果、負債合計は55,116百万円となり前連結会計年度末と比較して11,211百万円増加しました。
(資本)
当連結会計年度末における資本は49,673百万円となり前連結会計年度末と比較して249百万円減少しました。これは主に、親会社の所有者に帰属する当期利益7,532百万円の計上、配当金1,353百万円の支払い、子会社の支配喪失に伴う非支配持分2,398百万円の減少及び自己株式4,476百万円の増加によるものです。
(2)経営成績の分析
(売上収益)
当連結会計年度において、売上収益は46,387百万円(前期比25.3%増)となりました。増加の主な要因は、前連結会計年度期中に子会社化したイー・ガーディアン株式会社、アイディルートコンサルティング株式会社及び当連結会計年度に子会社化した株式会社fundbookの売上収益によるものです。
(売上総利益)
当連結会計年度において、売上原価は20,499百万円(前期比46.7%増)となりました。その結果、売上総利益は25,888百万円(前期比12.4%増)となりました。
(営業利益)
当連結会計年度において、販売費及び一般管理費は13,265百万円(前期比8.2%増)、ソフトウェア等に係る減損損失798百万円、エネルギー事業における債権につき回収不能又は回収遅延のおそれが生じたことによる貸倒引当金繰入額172百万円、株式会社ディジタルグロースアカデミア等の子会社の支配喪失に伴う利益1,569百万円、その他の収益は204百万円(前期比75.4%増)、その他の費用は102百万円(前期比30.1%減)となりました。この結果、営業利益は13,515百万円(前期比83.1%増)となりました
(税引前利益)
金融収益は20百万円(前期比63.8%減)となりました。これは主に受取利息によるものです。
金融費用は789百万円(前期比319.3%増)となりました。これは主に投資有価証券評価損によるものです。
以上の結果、税引前利益は、12,745百万円(前期比75.8%増)となりました。
(親会社の所有者に帰属する当期利益)
当期利益は8,011百万円(前期比83.1%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は7,532百万円(前期比76.7%増)となりました。
(3)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(以下「連結財務諸表規則」という。)第312条の規定によりIFRS会計基準に準拠して作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、必要と思われる見積りは合理的な基準に基づいて実施しております。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要性のある会計方針、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要性のある計方針 4.重要な会計上の見積り及び判断」に記載しております。
(4)資本の財源及び資金の流動性
当社グループの主な資金需要は、運転資金のほか、M&A・資本業務提携、新規事業開発、優秀な人材採用、マーケティング費用等の戦略投資資金になります。資金調達については、多様な資金調達手段から、調達時の状況に応じて最適な手段を選択し、安定的な資金の確保、資本コストの最適化に努めてまいります。
(1)SBIホールディングス株式会社との資本業務提携契約
当社は、当社の株主であるSBIホールディングス株式会社(以下、「SBIホールディングス」)との間で、当社の社外取締役候補者1名を指名する権利を有する旨の内容を含む資本業務提携契約を2022年3月4日付で締結しております。ただし提出日時点でSBIホールディングス株式会社から当該指名は行われておりません。契約に関する内容等は次のとおりであります。なお、各種表記等は契約内容に基づき締結日時点の情報を記載しております。
①契約の概要
ⅰ.契約締結日
2022年3月4日
ⅱ.相手先の名称
SBIホールディングス株式会社
ⅲ.相手先の住所
東京都港区六本木一丁目6番1号
ⅳ.合意の内容
a.業務提携の内容
・地方創生関連事業における連携
・エネルギー事業の連携戦略推進
・地方自治体、地方の中小企業に対するDX化推進
b.資本提携の内容
SBI証券は、当社の主要株主である神保吉寿他5名との間で、株式譲渡契約を締結し、同契約に基づき2022 年3月31 日付で当社普通株式14,300,000 株(総議決権数に対する議決権割合19.78%)を市場外の相対取引により取得しました。その後、SBIホールディングスは、2022 年3月31日付でSBI証券が保有する当社普通株式 14,300,000株(総議決権数に対する議決権割合 19.78%)を市場外の相対取引により取得しました。また、当社は、SBIホールディングスに対して、本資本業務提携の有効期間中、SBI ホールディングスの事前の書面による同意なしには、当社株式、新株予約権、新株予約権付社債、又はその他の潜在株式の発行又は処分を原則として行わない旨、合意しております。
②合意の目的
当社グループは、「Change People、Change Business、Change Japan」をミッションに掲げ、「生産性をCHANGE する」というビジョンのもと、中期経営計画「Digitize & Digitalize Japan」を掲げ、NEW-ITトランスフォーメーション事業・パブリテック事業を柱として、事業を推進・拡大しております。当社グループは、中期経営計画(DJ2)において東京圏外の地方でデジタル技術活用を通じた社会課題の解決を最重要課題と位置付け、「DX」×「地方創生」で唯一無二の企業グループを目指すべく、様々な取組みを行っておりました。
こうした中、当社グループは、本資本業務提携を機に、SBIグループが推進する様々な地方創生プロジェクトでの連携に加え、SBIグループの地域金融機関とのネットワークや事業承継ファンド等を活用することを企図しておりました。当社グループとSBIグループの相互の強みを活かし、金融×自治体×地域企業に対する活性化支援の掛け算を通じて、地方創生を成し遂げる唯一無二の企業グループへ進化することを目的として、本資本業務提携に至りました。
③取締役会における検討状況その他の当社における合意に係る意思決定に至る過程
当社の代表取締役である福留大士を中心に本件の検討を行い、当社が掲げるミッションやビジョンそして経営計画の実現という観点や、当社の経営に対し一定の独立性が確保されることなどふまえ、経営会議での審議そして取締役会での複数回に渡る審議を経て慎重に協議・検討を重ねた結果、当社の中長期的な成長及び株主の利益に資するものと判断し、本件の締結を決定いたしました。
④合意が当社の企業統治に及ぼす影響
地方創生関連事業、地方自治体・地方の中小企業に対するDX化推進等の分野で緊密な協力関係を保ちながら事業を進めておりますが、当社事業活動における制約はなく、独自の意思決定で経営判断を行っております。
また、当社代表取締役兼執行役員社長の福留大士がSBIホールディングスの連結子会社であるSBI地方創生サービシーズ株式会社の代表取締役社長を兼務しておりますが、SBIホールディングスから当社へ役員の派遣等はありません。
以上により、当社は同社から一定の独立性が確保されているものと認識しております。
(2)株式会社fundbookの株式取得及び取得資金に関する借入れ
当社は、2024年12月17日開催の取締役会において、以下のとおり、株式会社fundbookの発行済株式の全てを取得し、完全子会社化すること(以下「本株式取得」といいます。)及び特殊当座借越契約を締結し、当該特殊当座借越による資金の借入を行うこと(以下「本借入」といいます。)について決議いたしました。
Ⅰ.株式取得
1.株式の取得の理由
当社グループは、「Change People、Change Business、Change Japan」をミッションに掲げ、「生産性をCHANGEする」というビジョンのもと、「人×技術」で日本の生産性を飛躍的に向上させ、人口減少下の日本を持続可能な社会にするため、ビジネスモデル・業務プロセスのデジタル化及びデジタル人材の育成支援、並びに自立した持続可能な地域創生の共創などの事業を展開し、多くの顧客に様々なソリューションを提供しております。
fundbook社は、2017年の設立以来、M&A仲介事業を展開し、M&A仲介に関する深い専門知識と豊富な経験を持つM&Aアドバイザーが多数所属しており、優れた実績を有しております。当社グループはfundbook社の事業に係る事業承継型M&A業界へのニーズが昨今の日本経済における経営者の高齢化及び後継者不足の中小企業の増加等により拡大すると判断しております。また、日本政府の産業政策として、「中小企業の成長を加速化する」という方向性が明確になってきていることから、今後は成長戦略を実現するためのM&Aが活性化していくものと推察されます。
一方で、このような市場の拡大局面において、M&A仲介業界は悪質なマッチングを行う事業者の存在や付加価値に見合わない高額な報酬など、解消しなければならない課題を多く抱えていることも事実であり、今後は各種ガイドラインの遵守をはじめとするコンプライアンスの徹底やビジネスの付加価値を高める取り組みなど、業界としての成熟度を一層向上させていくことが求められています。
このような状況の中、当社グループは、以下に掲げる2つの理由により、fundbook社を完全子会社化し、当社グループのコンサルティングノウハウと組み合わせることによって、M&A仲介事業への新たな形での参入を企図しております。
①事業承継型M&A支援や成長戦略を実現するためのM&A支援が地方の企業の活性化(地方創生)に向けて重要な役割を果たせること
②M&A仲介業界は変革が求められる業界であるからこそ、新たなビジネスモデルや付加価値創造の手法が受け入れられやすく、成長機会があること
また、fundbook社が当社グループに加わることにより、事業ポートフォリオの強化だけではなく当社グループが提供しているDXを中心とした企業向けのコンサルティングサービスに、M&Aという新たな経営課題の解決手法が加わることで、地方の企業が事業成長を実現し、持続可能性を追求していく上で新しい付加価値を創出できるようになるものと考えております。
さらに、fundbook社においては当社グループのブランド力とネットワークの恩恵を享受することにより、優秀な人材をより円滑に確保することが可能となる他、当社グループが持つ地方自治体及び地域金融機関との関係性を通じた地方所在の中小企業等の新規顧客へのアクセスが可能となり、競争が激化している市場でのプレゼンス向上を狙います。また、M&A仲介におけるAIをはじめとしたデジタル技術の活用を後押しすることも可能となり、テクノロジー活用の先進企業に進化していくことも期待されます。
当社グループへの参画を通じて、fundbook社はM&AからPMIまでお客様を一気通貫でサポートし、事業承継やM&Aの成功確率を上げることを通じて、これまでのM&A仲介業界の常識をアップデートしてまいります。
2.異動する子会社の概要
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(1) |
名称 |
株式会社fundbook |
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(2) |
所在地 |
東京都港区虎ノ門一丁目23番1号虎ノ門ヒルズ森タワー |
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(3) |
代表者の役職・氏名 |
代表取締役 森山 智樹 代表取締役 渡邊 和久 |
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(4) |
事業内容 |
M&A仲介事業 |
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(5) |
資本金 |
100百万円 |
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(6) |
設立年月日 |
2017年8月7日 |
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(7) |
大株主及び持株比率 |
本株式取得の相手先との間の秘密保持契約に基づき、非開示とさせていただきます。 |
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(8) |
上場会社と当該会社 との間の関係 |
資本関係 |
該当事項はありません。 |
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人的関係 |
該当事項はありません。 |
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取引関係 |
該当事項はありません。 |
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(9) |
当該会社の最近3年間の経営成績及び財政状態 |
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決算期 |
2022年3月期 |
2023年3月期 |
2024年3月期 |
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純資産 |
1,355百万円 |
1,766百万円 |
2,401百万円 |
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総資産 |
2,747百万円 |
3,097百万円 |
4,568百万円 |
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1株当たり純資産 |
6,777.44円 |
8,832.94円 |
12,008.84円 |
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売上高 |
3,983百万円 |
5,058百万円 |
5,761百万円 |
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営業利益 |
▲482百万円 |
1,146百万円 |
1,455百万円 |
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経常利益 |
▲489百万円 |
1,138百万円 |
1,449百万円 |
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当期純利益 |
▲395百万円 |
766百万円 |
635百万円 |
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1株当たり当期純利益 |
▲1,976.98円 |
3,834.31円 |
3,177.74円 |
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1株当たり配当金 |
- |
- |
- |
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3.株式取得の相手先の概要
本株式取得の相手先の概要は、相手先との間の秘密保持契約に基づき、非開示とさせていただきます。なお、相手先と当社との間に記載すべき資本関係、人的関係、取引関係はありません。
4.取得株式数、取得価額及び取得前後の所有株式の状況
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(1) |
異動前の所有株式数 |
0株 (議決権の数:0個)(議決権所有割合:0.00%) |
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(2) |
取得株式数 |
200,000株 (議決権の数:200,000個) |
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(3) |
取得価額 |
fundbook社の普通株式 15,500百万円 取得関連費用(概算額) 130百万円 合計(概算額) 15,630百万円 |
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(4) |
異動後の所有株式数 |
200,000株 (議決権の数:200,000個) (議決権所有割合:100.00%) |
5.日 程
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(1) |
取締役会決議日 |
2024年12月17日 |
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(2) |
契約締結日 |
2024年12月17日 |
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(3) |
株式譲渡実行日 |
2024年12月23日 |
Ⅱ. 特殊当座借越契約の締結及び資金の借入
1.本借入を行う理由
本株式取得の決済に要する資金等の調達を目的としたものです。
2.本借入の概要
(1)特殊当座借越契約
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契約締結先 |
株式会社三井住友銀行 |
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契約極度額 |
155億円 |
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契約締結日 |
2024年12月17日 |
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契約期間 |
1年 |
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金利 |
基準金利+スプレッド |
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担保・保証 |
無担保・無保証 |
(2)特殊当座借越契約に基づく借入
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借入先 |
株式会社三井住友銀行 |
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借入総額 |
155億円 |
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新規借入実行日 |
2024年12月23日 |
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借入期間 |
借入実行日から当面の間、特殊当座借越契約に基づく短期融資とし、その後、長期融資(借入期間7年)に借り換え |
(3)財務上の特約が付された金銭消費貸借契約
当社は、当連結会計年度末日現在、以下財務上の特約が付された金銭消費貸借契約を締結しています。
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契約者名 |
財務上の特約の内容 |
契約締結先 |
契約締結日 (償還期限) 当該契約に付された担保の内容 |
当期末残高 (百万円) |
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株式会社チェンジホールディングス |
①当該借入以降の各四半期末の借入人の連結貸借対照表上の純資産の部の金額を、直前決算期における該当する四半期末における借入人の連結貸借対照表上の純資産の部の金額の75%以上に維持すること ②当該借入以降の各決算期末における借入人の連結ベースでの営業利益が2期連続で赤字となる状態を生じさせないこと |
銀行 |
2023年10月3日 (2030年9月30日) 無担保 |
7,858 |
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株式会社チェンジホールディングス |
①当該借入以降の各年度末の借入人の連結貸借対照表上の純資産の部の金額を、直前決算期における借入人の連結貸借対照表上の純資産の部の金額の75%以上に維持すること ②当該借入以降の各決算期末における借入人の連結ベースでの営業利益が2期連続で赤字となる状態を生じさせないこと |
銀行 |
2024年3月26日 (2031年3月31日) 無担保 |
1,972 |
該当事項はありません。