第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

 当社グループは、「未来から、今を選ぼう。」という企業目的のもとに、ビッグデータ解析をリアルタイムに行うAI(人工知能)によるレコメンデーション技術を用いて、デジタルマーケティングにおける「パーソナライゼーション」を追求することを経営の基本方針としております。当社グループの技術的優位性であるAI技術を活用したリアルタイム分析により、独自のリアルタイム・ユーザー同線分析技術を開発してまいりました。今後も様々な最先端技術を組み合わせることで、予測精度の向上を図っていきます。また、顧客にとって有意義な技術、サービスの開発及びコンサルティングサービスを提供することによって、共存共栄を図っていきます。

 

(2)目標とする経営指標

 当社グループが重視している経営指標は、営業収益、営業利益であります。当社グループは、AI(人工知能)を用いた日本初のレコメンデーション専門企業としてのノウハウを活かし、更なるレコメンドサービス及び技術における専門性を高め、競争力をつけることにより、営業収益の更なる成長を目指すとともに、企業価値の向上、株主価値の向上を図ってまいります。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略

 当社グループは、レコメンデーション市場でNo.1の企業になるという目標を達成するため、以下の戦略を重点的に行ってまいります。

① EC市場における成長業種へのサービス提供

② サービス提供する業種における専門性の追求

③ 既存顧客への更なる価値提案による売上増加

 

(4)会社の対処すべき課題

当社グループは、デジタルマーケティングにおける「パーソナライゼーション」を追求するため、独自のAI(人工知能)技術を開発、発展させてまいりました。消費者がどこにいてもベストなものをベストなタイミングで個別消費者の嗜好にあった商品やサービスを探すために、当社グループの持つレコメンデーション技術とサービスをECサイト運営企業、ウェブサービス企業に提供しております。そのために、パフォーマンスの高いサービスを開発・提供し、顧客からの信頼を向上させ、収益基盤をより強化する必要があると認識しております。

この目的を達成するために、当社グループは、以下の8点を主な経営の課題として認識しております。

 

① 既存事業の収益の拡大

 レコメンデーションサービス事業を主力の事業としておりますが、この事業の安定的・継続的な発展が収益基盤の基礎として必要不可欠なものであると考えております。そのためにも新規顧客の獲得、既存顧客との連携深化、継続的なユーザビリティの改善、及び安定的なサービス提供が必須であります。今後も、消費者がどこにいてもベストなものをベストなタイミングで個別消費者の嗜好にあった商品やサービスを探すことができるようレコメンデーションサービスを提供し、更に信頼性を高め既存事業の収益基盤の拡大を行ってまいります。

 

② 新規事業及び新商品開発による収益基盤の拡大

 急激な事業環境の変化に対応し、収益の拡大を図るために、事業規模の拡大と新たな収益源の確保が必須であると考えております。このために、新規及び既存顧客との連携を深めるとともに、市場の潜在需要を的確に捉え、レコメンデーション技術を活用した新商品及びサービス開発に積極的に取り組むことで、更なる収益基盤の拡大を行ってまいります。

 

③ グローバル展開への対応

 今後の収益拡大を目指す上で、グローバルな事業展開が必要不可欠と考えております。当社の既存顧客の中には、海外に進出している企業が多く、すでに海外でもレコメンデーションサービスを利用いただいております。また海外子会社と連携して、先端技術の研究開発及び多様かつグローバルな視点を取り入れつつ、国内市場で蓄積してきました経験・ノウハウ等を活かし、更なる収益拡大を目指すためにグローバルな事業展開を行ってまいります。

 システムの安定性の確保

 インターネットを通じてサービスを提供することを主な事業としており、安定的なサービス提供を確保するにはサービス提供に係るシステムの安定的な稼働が重要であると認識しております。このため、データセンターにおけるサーバの稼働については、常時監視を行うとともに、より安定性の高いクラウド型サービスへの切替等を推進し、更なるシステム管理やシステム基盤の強化に努めてまいります。

 

⑤ 技術革新への対応

 新たなインターネット端末等の技術革新に対して適時に対応を進めることが、事業展開上重要な要素であると認識しております。当社としましては、業界内の主要ベンダーや技術コミュニティから発せられる最新情報を定期的に入手し、自社製品に迅速に反映することでサービスの先進性や安定性を確保していく方針であります。

 

⑥ 人材の確保

 今後事業を拡大していくためには、優秀な人材の確保と育成が必要不可欠であると考えております。特にサービスに精通した営業、コンサルタント並びにエンジニアの採用においては、他社との獲得競争が激しさを増し、今後も安定した人材確保には厳しい状況が続くものと思われます。当社としましては、魅力のある職場環境を構築し、採用における競争力の強化を図るとともに、社員の能力やモチベーション向上に資するため、研修制度の強化、福利厚生の充実、人事制度の整備・運用を進めてまいります。

 

⑦ 内部管理体制の強化

 更なる事業拡大、継続的な成長を遂げるためには、コンプライアンス体制の強化と、確固たる内部管理体制構築を通じた業務の標準化と効率化の徹底を図ることが重要であると考えております。内部統制の環境を適正に整備し、コーポレート・ガバナンスを充実させることによって、内部管理体制の強化を図り、経営の透明性と効率性を高め、企業価値の最大化に努めてまいります。

 

⑧ 情報セキュリティの強化

 情報セキュリティにつきましては、重要な課題であると認識しており、2019年9月にISMS(ISO27001)を取得し、本認証に基づく業務運用を行っております。今後とも従業員に対する研修等を通じ、情報セキュリティに係るリスクの低減を図ってまいります。

 

2【事業等のリスク】

 当社グループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を与える可能性のあるリスク要因には、以下のようなものがあります。

 当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社株式に関する投資判断は本項及び本項以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えられます。

 なお、文中の将来に関する事項は、別段の表示がない限り、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

 (1)事業環境に係るリスクについて

  ① インターネット市場における業界環境の変化、技術革新について

 当社グループはインターネット上でECサイトの運営やウェブサービスの提供を行う企業に対してサービスを提供しております。近年、インターネットのEC市場規模は急速に拡大し、また、ネットショッピングを利用した世帯の割合も増加しており、当社グループの業績も拡大傾向にあるものと認識しております(経済産業省調べ)。しかしながら、今後インターネットの普及に伴う環境整備やその利用に関する新たな規制の導入、その他予期せぬ要因等により、インターネット市場における業界環境が変化する可能性があります。また、インターネット関連分野における技術革新は著しく進展しており、技術革新によるスマートフォンやタブレットの急速な普及のようにユーザーの利用環境が変化する事も予想されます。当社グループがこのような環境変化や技術革新への対応に時間を要した場合には、競争力の低下を招き、当社グループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

  ② アドテクノロジー業界について

 当社グループがレコメンド広告サービスを展開するアドテクノロジー業界は参入企業が多く、広告の表示方法や販売手法など広告の効果を向上させるための様々な取り組みや技術の導入が行われております。当社グループも配信システムの改善、新たな機能の追加などを行うことにより、競争力の維持・強化に努めております。しかしながら、新たな手法や新たな技術が出現した場合、当社が提供している広告配信システムの競争力が著しく低下することにより、当社の事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

  ③ 法的規制について

 現時点において、当社グループの主力事業であるリアルタイム・レコメンドサービスに関連して、事業継続に重要な影響を及ぼす法的規制はないものと認識しております。しかし、インターネットの利用者及び事業者を規制対象とする法令、行政指導、その他の規制等が制定された場合、当社グループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループのリアルタイム・レコメンドサービスに使用している成果のトラッキング及び不正行為防止のために使用している技術(クッキーの使用等)が規制、制限された場合には、代替手段の開発に多額の投資が必要となり、当社グループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

  ④ 有害コンテンツを含む顧客サイト及び広告に対する規制について

 当社グループが運営しているリアルタイム・レコメンドサービス及びレコメンド広告サービスは、規約等により独自の基準を設けており、法令や公序良俗に反する広告及び掲載されているコンテンツを排除するように規制並びに管理をしており、各々のサービスの申込時に、レコメンドが表示される顧客のウェブサイト及び広告主が掲載希望するバナー広告について、有害コンテンツを含むサイト及び広告でないかについて確認を行っております。また、申込み時だけでなくその後も当社の社員がウェブサイトにおけるレコメンドの表示状況のモニターを行っております。モニターにおいては、「特定商取引に関する法律」等を念頭におき、当社の基準に反するコンテンツ等が存在している場合は、顧客及び広告主に対して警告を行い、従わない場合は契約の解除等の対策を行っております。しかしながら、顧客及び広告主によって法令や公序良俗に反する広告や商品・サービスの提供、コンテンツの掲載が継続された場合には、当社グループの信用が低下し、当社の事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 また、レコメンド広告サービスについては、申し込みの段階で有害コンテンツを含む広告はない旨を顧客に表明保証していただいております。しかしながら、当社グループにおいて全てのリンク先サイトのモニターまでを行うことができず、有害コンテンツが掲載されたことにより、当社グループの信用が低下し、当社の事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

  ⑤ 競合サービスについて

 当社グループは、インターネットEC市場を主たる事業領域としておりますが、当該分野においては、多くの企業が事業展開していることもあり、競合サービスが増加する可能性があります。今後、十分な差別化や機能向上等が行えなかった場合や、新規参入等により競争が激化した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

  ⑥ スマートフォン分野への事業展開について

 今後はスマートフォンの利用が活発化するものと見込まれております。当社グループとしてもPC向けサービスのスマートフォン対応を進めておりますが、インターネットのスマートフォンでの利用が大きく拡大した場合、PCからのサービス利用と同等の利用者数や利用時間を獲得できない可能性があります。その場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 (2)事業運営体制に係るリスクについて

  ① 特定人物への依存及び人材確保に係るリスクについて

 当社グループでは、事業拡大に伴って優秀な人材の確保とその育成は重要な課題となっており、人材採用と人材育成に関する各種施策を継続的に講じております。しかしながら、十分な人材確保が困難になった場合や、人材が外部に流出した場合には、当社グループの業務に支障をきたすおそれがあります。また当社では、代表取締役の専門的な知識、技術、経験に依存している面があります。このため当社グループでは、特定の人物に過度に依存しない体制を構築すべく経営組織及び技術スタッフの強化を図っておりますが、これらの役職員が何らかの理由で退任、退職し、後任者の採用が困難になった場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

  ② 内部管理体制について

 当社グループは、今後の事業展開や成長を支えるためにも内部管理体制のより一層の充実を図っていく予定であります。今後、事業規模の拡大に合わせ、内部管理体制も充実・強化させていく方針ではありますが、事業の拡大及び人員の増加に適時適切に組織的な対応ができなかった場合、事業展開に影響が出るなどして、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

  ③ オペレーションリスクについて

 当社グループの各サービスでは、顧客企業の商品マスタや物件情報等を日々取り扱っており、煩雑で件数も膨大になります。それに付随する、オペレーション上のリスクが発生する可能性があります。当社グループでは、リスクの軽減を図るため、システムでの管理により、業務基盤の整備を進めておりますが、事務処理における事故・不正等が起きた場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

  ④ 情報セキュリティ管理について

 当社グループは、リアルタイム・レコメンドサービス及びレコメンド広告サービスの提供にあたり会員情報や銀行口座の情報等の個人情報を取得及び利用しておりません。そのため、「個人情報の保護に関する法律」が定める個人情報取扱事業者としての義務は課されておりませんが、取引データの管理や、社内における顧客企業等の情報及び個人情報についてもその取扱いには細心の注意を払い、法令を遵守するほか入退室管理、ハードウェアやネットワーク管理について最大限の取組みを行っております。しかしながら、以上のような当社グループの努力にもかかわらず、万一、外部からの不正アクセスなどにより情報の外部流出等が発生した場合には、当社への損害賠償の請求や当社の社会的信用の失墜等によって、当社グループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

  ⑤ 知的財産権について

 当社は、当社の提供するサービスの基礎をなす技術やビジネスモデルについて、特許権を出願し取得するとともに、各種の商標を登録しております。しかし、現時点で権利取得に至っていない権利について、今後これらの権利を取得できるという確実性はありません。また、特許申請の必要性について社内で検討し、顧問弁護士や弁理士と連携の上、速やかに特許申請を行う体制を構築しておりますが、特許申請をしない方が競争優位に立てると判断した場合は特許申請を行わない場合もあります。慎重に判断を行い権利保護に努めておりますが、他社による模倣を効果的に防ぐことができない可能性もあります。一方で、当社の事業分野において、国内外の各種事業者等が特許その他の知的財産権を取得した場合、その内容次第では、当社に対する訴訟やクレーム等が発生し、当社の事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。また、当社では、第三者に対する知的財産権を侵害することがないように常に注意を払い事業活動を行っておりますが、当社の事業分野における知的財産権の現状を完全に把握することは困難であり、万一当社が第三者の知的財産権を侵害した場合には、損害賠償又は使用差止めなどの請求を受ける可能性があります。これらの事態が発生した場合、当社の事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

  ⑥ 設備及びネットワークの安定性について

 インターネットは重要な社会基盤として社会全般に浸透してきており、そのネットワークは継続的に拡大を続けております。そのため、当社グループの設備及びネットワークは24時間稼動、年中無休での運用が求められております。当社グループは、リアルタイム・レコメンドサービス及びレコメンド広告サービスを提供し、また成果の集計管理をシステムを通じて提供しております。システムに支障が生じることは、サービス全般の停止を意味するため、設備及びネットワークの監視や冗長化、定期的なデータのバックアップなど、障害の発生防止に努めております。しかしながら、地震、火事などの災害のほか、コンピュータウイルスやハッカーなどの行為、ハードウェア・ソフトウエアの不具合、人為的ミスによるもの、その他予期せぬ重大な事象の発生により、万一、当社グループの設備又はネットワークが利用できなくなった場合には、サービス停止に伴う信用の低下を引き起こし、顧客の解約はもちろん今後の新規顧客の獲得に影響が生じることが考えられ、当社グループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

  ⑦ 成果報酬型の料金体系について

 リアルタイム・レコメンドサービスの「アイジェント・レコメンダー」において、既存顧客の多くが成果報酬型の料金体系を適用しております。このため、税制改正や冷夏・暖冬等の一般的に消費者の購買意欲が低下するような事象が起きた場合、当社が高い精度のレコメンド表示に努めたとしても、顧客のサイトの売れ行きがその影響を受け、当社業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。また、顧客の望む成果を出せなかった場合、顧客の解約はもちろん今後の新規顧客の獲得に影響が生じることが考えられ、当社の事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。また、レコメンド広告サービスの「ホットビュー」において、顧客企業と契約した成果に達するまでは、顧客企業から得られる収益よりも当社が買い付ける広告枠費が多くなるという現象が発生するケースがあります。広告枠費については、当社でも日々管理をしているものの、その結果として損失が発生することにより、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

  ⑧ 新たな事業展開について

 当社グループは今後、更なる収益拡大を図るため、既存事業の周辺領域での新たな事業展開や海外における新規顧客獲得についても取り組んで参りたいと考えておりますが、先行投資として人件費等の追加的な支出が発生する場合や、これまで想定していない新たなリスクが発生する等、当社グループの想定通りに進捗せず、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

  ⑨ 海外子会社について

 当社グループは海外子会社を有しており、海外子会社の運営に際しては為替変動リスクがあるほか、各国及び各地域等の経済情勢、政治情勢、法規制、税制等の変化による影響や、ビジネス慣習の違い等、特有の業務上のリスクがあります。今後、当社グループに占める海外子会社の売上、利益の割合が増加し、各国及び各地域等の経済情勢等に変動があった場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

  ⑩ 市場リスクについて

 当社グループは、今後の戦略的なビジネスの創出を目的にスタートアップアクセラレーターとの業務提携と同アクセラレーターへの投資を行っております。当該投資は、予期せぬ金利水準の急激な変動やその他の金融市場の混乱、市場価格の変動等により当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

 

 (3)その他

  配当政策について

 当社グループは、設立以来配当を実施した実績はありませんが、株主に対する利益還元は重要な経営課題であると認識しており、事業基盤の整備状況、今後の事業展開、業績や財政状態などを総合的に勘案したうえ、配当を検討していきたいと考えております。これからしばらくの期間については、既存事業領域はもちろんのこと、更にその周辺領域においても魅力的な事業機会が存在する、又は新たに発見できると考えており、当面は更なる成長に向けたサービスの拡充、組織の構築などに投資を行うことが株主価値の最大化に資すると考え、その原資となる内部留保の充実を基本方針とする考えであります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、経営成績等という。)の状況の概要は次のとおりであります。なお、当社グループは、当連結会計年度より連結財務諸表を作成しているため、前連結会計年度との比較・分析については記載しておりません。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用環境の改善を背景に緩やかに回復しているものの、海外情勢におきましては、通商問題の動向が世界経済に与える影響等もあり、依然として先行き不透明な状況で推移しております。

一方で、当社の事業が関連するBtoC-EC(消費者向け電子商取引)市場規模は、2017年に16.5兆円(前年比9.1%増)となり、2018年は18.0兆円(前年比8.9%増)まで成長しており、同時にEC化率も増加傾向にあります。そのうち、物販は9兆2,992億円(前年比8.1%増)と51.7%を占めており、スマートフォン経由での購入は39.3%となっております。また、2018年のネットショッピングを利用した世帯(2人以上の世帯)の割合も39.2%(前年比4.9ポイント増)と増加しており、スマートフォンの保有率上昇等により、引き続き、電子商取引のさらなる拡大が見込まれております(経済産業省・総務省調べ)。

このような状況の中、当社は「AI(人工知能)クラウド型サービスで、あらゆるタッチポイントにおけるリアルタイム・パーソナライゼーションの実現」をミッションに掲げ、ECサイト運営企業、ウェブサービス企業向けに、AIを用いたマーケティング支援ツールである「リアルタイム・レコメンド・サービス」を提供してまいりました。営業活動につきましては、「Go Deep」戦略により既存業界であるアパレル業界や人材業界に加え、メディア業界(電子書籍)への導入及び売上が堅調に推移いたしました。また、One to oneコミュニケーションツールが有効な人材業界におきましては、レコガゾウの導入及び売上が増加いたしました。新規顧客獲得の施策としましては、展示会出展やセミナー等の開催、アプリ向けデジタルマーケティングツールやチャットコマースを提供している各ジャンルにおいて強みを持つ国内トップクラスのパートナー企業との連携強化を進めてまいりました。その結果、行政機関向けに行政サービスの向上と効率化を実現するため、AI搭載情報レコメンドサービスを導入いたしました。

研究開発につきましては、新サービスとして見た目が似ている商品を高精度でレコメンド表示する画像認識レコメンドのリリースを行い、対応アイテム点数を1万件から15万件へ増加させ、精度向上を図ってまいりました。一方、子会社であるSilver Egg Technology Asia Limitedを含めた当社グループは、プロスペクター等のラインナップを搭載し、付加価値を付けたAIマーケティング・プラットフォームの次世代バージョンリリースに向けての研究開発強化に取り組んでまいりました。

今後もAI技術をベースにしたデジタルマーケティングサービスの提供を通じて、多様なマーケティング施策の効果向上を支援するとともに、あらゆるチャネルとデバイス上での、パーソナライゼーションによる付加価値向上を実現してまいります。

この結果、当連結会計年度の営業収益につきましては999,230千円となり、営業利益は110,660千円、経常利益は110,687千円、投資有価証券評価損82,324千円を特別損失に計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純損失は20,165千円となりました。

なお、当社グループは、レコメンデーションサービス事業の単一セグメントであるため、セグメント情報に関連付けた記載を行っておりません。

 

② キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、726,408千円となりました。なお、当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とその要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における営業活動の結果、得られた資金は、61,360千円となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益の計上額26,676千円、投資有価証券評価損の計上額82,324千円により資金を得た一方で、法人税等の支払額42,832千円があったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における投資活動の結果、支出した資金は、130,214千円となりました。これは、有形固定資産の取得による支出8,295千円、無形固定資産の取得による支出12,484千円、投資有価証券の取得による支出109,434千円があったことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における財務活動の結果、得られた資金は、12,812千円となりました。これは、株式の発行による収入12,812千円によるものであります。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。

 

b.受注実績

 当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。

 

c.販売実績

 当連結会計年度の販売実績は次のとおりであります。

サービスの名称

当連結会計年度

(自 2019年1月1日

至 2019年12月31日)

前年同期比(%)

レコメンデーションサービス事業(千円)

999,230

合計(千円)

999,230

 (注)1.当社グループの事業セグメントは、レコメンデーションサービス事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載をいたしておりません。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.主要な販売先については、相手先別販売実績の総販売実績に対する割合がいずれも100分の10未満であるため、記載を省略しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたって、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断していますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

 

② 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.経営成績等

(イ)財政状態

(資産)

 当連結会計年度末の総資産は、1,021,945千円となりました。その主な内訳は、現金及び預金726,408千円、売掛金188,131千円、投資有価証券27,402千円であります。

(負債)

 当連結会計年度末の負債は、136,213千円となりました。その主な内訳は、未払金58,406千円、未払費用31,240千円、未払法人税等30,525千円であります。

(純資産)

 当連結会計年度末の純資産は、885,732千円となりました。その主な内訳は、資本金275,240千円、資本剰余金260,004千円、利益剰余金357,070千円であり、自己資本比率は86.7%となりました。

 

(ロ)経営成績

(営業収益)

 当連結会計年度の営業収益は999,230千円となりました。

(営業利益)

 当連結会計年度の営業費用は888,570千円となりました。これは主に、業績拡大に伴う人材関連費用、AWS等の通信関連費用が増加したことによるものであります。

 この結果、営業利益は110,660千円となり、売上高営業利益率は11.1%となりました。

(営業外収益、営業外費用及び経常利益)

 当連結会計年度の営業外収益は受取利息及び受取手数料により91千円、営業外費用は為替差損により64千円となりました。

 この結果、経常利益は110,687千円となり、売上高経常利益率は11.1%となりました。

(特別利益、特別損失及び親会社株主に帰属する当期純損失)

 当連結会計年度の特別利益の計上はなく、特別損失は84,010千円となり、主に投資有価証券評価損及び関係会社整理損であります。また、法人税等合計(法人税等調整額を含む)は46,842千円となり、これらの結果、親会社株主に帰属する当期純損失は20,165千円、売上高当期純利益率は△2.0%となりました。

 

(ハ)キャッシュ・フローの状況の分析

各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

 

b.経営成績に重要な影響を与える要因

当社グループは、「2 事業等のリスク」に記載のとおり、事業環境、事業内容、組織体制、法的規制等、様々なリスク要因が当社の経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。そのため、当社グループは常に市場動向に留意しつつ、内部管理体制を強化し、優秀な人材を確保し、市場のニーズに合ったサービスを展開していくことにより、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散・低減し、適切に対応を行ってまいります。

c.資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社グループは、健全で安定した財務体質の形成に努めております。

必要な運転資金及び設備投資資金を全額自己資金で賄っており、自己資金の範囲内で安全かつ安定的な資金運用が可能と認識しております。

 

4【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

当社グループでは、インターネットサービスのパーソナライズ化を実現するための技術を研究開発しております。専門分野としては、機械学習技術をリアルタイムにビッグデータに応用することをベースとしたレコメンドシステムであり、研究分野としては、情報検索、最適化、協調フィルタリング、自然言語処理、画像認識・処理等を対象としております。当社グループのサービスをサポートするためのウェブとモバイル領域におけるビッグデータ分析、クラウド技術、堅牢性の高い分散アーキテクチャといったエンジニアリング技術の研究開発を継続的に行い、またオープンソースソフトウエアも積極的に活用した結果、研究開発費として、25,862千円を計上しております。

なお、当社グループは、レコメンデーションサービス事業の単一セグメントであるため、セグメント情報に関連付けた記載を行っておりません。