第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

 当連結会計年度におけるわが国経済は、世界経済の緩やかな回復に伴う輸出や鉱工業生産・設備投資の拡大、堅調な雇用・所得情勢を受けた個人消費の持ち直しの動きがみられる等回復基調で推移しました。また、年末にかけては米国の税制改革によるさらなる企業収益改善への期待が高まったこと等から景気の先行きに楽観的な見通しを持てるようになり、欧米の政治動向や地政学的な緊張の高まり等が各国経済に影響する懸念は残るものの、先行きの不透明感が緩和しました。

 化学業界をとりまく環境は、アジア市場において化学品需要が着実に拡大するなか、中国の環境規制の影響で主に基礎化学品の供給が限られたため、需給バランスが引き締まり市況が改善する等良好に推移しました。一方で、年末にかけては原油やナフサの価格高騰に伴い原料価格が上昇する傾向も見られました。また、冷媒の世界的な環境規制の影響で中国等の新興国においても環境配慮型の冷媒を使用する動きが拡がり、このような冷媒に対応した冷凍機油の需要が拡大しました。

 当社グループの事業につきましては、国内外の需要が好調に推移したことに加え、冷凍機油原料等の機能性材料が伸長したことや大規模な定期修繕が当連結会計年度になかったこと等により販売数量が増加し、また、基礎化学品の海外市況の改善による利幅の確保等の要因により、前連結会計年度に比べ増収増益となりました。

 この結果、当連結会計年度の業績は、売上高946億61百万円(前連結会計年度比18.1%増)、営業利益114億95百万円(同28.0%増)、経常利益119億6百万円(同33.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益81億67百万円(同35.8%増)となり、それぞれの利益について最高益を更新いたしました。

 

 事業分野別には、次のとおりであります。

 基礎化学品は、自動車生産の伸長に伴う国内外での需要拡大や中国の環境規制の影響による主要製品のアジア市況の改善、隔年実施の定期修繕要因等により、販売数量、利益とも前連結会計年度を上回り、売上高456億37百万円(前連結会計年度比19.2%増)、売上総利益68億35百万円(同17.6%増)となりました。

 機能性材料は、中国を中心にエアコン用の冷凍機油原料や化粧品原料の需要が拡大したことにより販売数量、利益とも前連結会計年度を大幅に上回り、売上高373億円(前連結会計年度比23.0%増)、売上総利益123億88百万円(同43.1%増)となりました。

 電子材料は、半導体やディスプレイの生産伸長に伴う国内外の需要拡大や隔年実施の定期修繕要因等により、販売数量、利益とも前連結会計年度を上回り、売上高110億12百万円(前連結会計年度比12.7%増)、売上総利益31億79百万円(同3.5%増)となりました。

 その他は、前連結会計年度にあった曄揚股份有限公司(台湾)へのライセンス供与の対価である技術料収入がなかったこと等により大幅な減収減益となり、売上高7億11百万円(前連結会計年度比60.1%減)、売上総利益2億60百万円(同78.5%減)となりました。

 

(2)キャッシュ・フロー

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ5億31百万円増加し、126億66百万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果得られた資金は129億71百万円(前連結会計年度は26億81百万円の獲得)となりました。これは主に、売上債権の増加額33億77百万円、たな卸資産の増加額15億82百万円及び法人税等の支払額31億57百万円により資金が減少しましたが、税金等調整前当期純利益119億82百万円、減価償却費32億48百万円及び仕入債務の増加額51億77百万円により資金が増加したことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は32億81百万円(前連結会計年度は37億91百万円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出22億49百万円及び投資有価証券の取得による支出10億58百万円によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果使用した資金は93億38百万円(前連結会計年度は13億73百万円の使用)となりました。これは主に、短期借入金の純増加額98億29百万円及び長期借入れによる収入146億50百万円により資金が増加しましたが、長期借入金の返済による支出320億50百万円及び配当金の支払額27億45百万円により資金が減少したことによるものであります。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

当社グループは化学品事業の単一セグメントであるため、事業分野別に記載しております。

(1)生産実績

 当連結会計年度の生産実績を事業分野ごとに示すと、次のとおりであります。

事業分野の名称

当連結会計年度

(自 平成29年1月1日

至 平成29年12月31日)

前年同期比(%)

基礎化学品   (百万円)

42,042

119.7

機能性材料   (百万円)

32,277

124.5

電子材料    (百万円)

10,981

114.2

合計(百万円)

85,301

120.7

(注)1.金額は販売価格によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)受注状況

 当社グループでは一部受注生産を行っておりますが、売上高のうち受注生産の占める割合が低いため、受注状況は記載しておりません。

 

(3)販売実績

 当連結会計年度の販売実績を事業分野ごとに示すと、次のとおりであります。

事業分野の名称

当連結会計年度

(自 平成29年1月1日

至 平成29年12月31日)

前年同期比(%)

基礎化学品   (百万円)

45,637

119.2

機能性材料   (百万円)

37,300

123.0

電子材料    (百万円)

11,012

112.7

その他     (百万円)

711

39.9

合計(百万円)

94,661

118.1

(注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 平成28年1月1日

至 平成28年12月31日)

当連結会計年度

(自 平成29年1月1日

至 平成29年12月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

出光興産㈱

9,181

11.5

11,041

11.7

ミヤコ化学㈱

8,227

10.3

8,965

9.5

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

3【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 当社グループは、以下の企業理念に基づき、様々な産業分野に特色のある高品質な化学製品を提供することを主方針として経営諸活動を遂行しております。

・企業使命 「化学の力」で、よりよい明日を実現する。

・経営姿勢 確かな技術と豊かな発想で、夢を「かたち」にする。

・行動指針 「新たな一歩」を踏み出して、さらなる高みに挑戦する。

 

 当社グループを取巻く事業環境は、欧米の政治動向や地政学リスクの高まりなどによる世界経済の不確実性や金融資本市場変動の影響、原燃料価格の変動など、依然として予断を許さない状況ではありますが、世界的に推進される環境規制を背景とした地球環境保護に貢献する化学品需要の拡大を当社の販売機会と捉え、環境保護に貢献し、且つ高付加価値な機能性材料分野に経営資源を集中的に配分することで、高収益性を有する事業構造への変革に挑戦し更なる飛躍を目指します。

 当社グループは、平成28年から平成30年までの3ヵ年を対象とする中期経営計画「変革への挑戦」を策定し推進しており、本計画で掲げる基本戦略は以下の3点です。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(平成29年12月31日現在)において当社グループが判断したものであります。

 

① 機能化学品のグローバル拡販

「地球環境の保護に貢献する冷凍機油原料等のグローバルな拡販を目指し、成長が期待される機能性材料分野に経営資源を集中する」

 冷凍機油原料の事業拡大、ニッチ製品のグローバル市場への拡販といったテーマのもと、当社製造技術を活かした機能性材料分野への戦略投資により、マーケットシェアの維持・拡大と更なる収益力強化を目指します。

 

 <冷凍機油関連事業の拡大>

 オゾン層破壊物質全廃・温室効果ガス削減といった地球規模での環境問題の観点から、エアコンや冷蔵庫は環境対応型への代替が進んでおります。特に、中国をはじめとしたアジアでは今後代替が加速する見込みであります。こうした環境対応型エアコン・冷蔵庫の需要増加に対応すべく、代替フロンに適合する冷凍機油の原料であるイソノナン酸とオクチル酸等の拡販体制の構築に努めてまいります。千葉工場と四日市工場の生産能力はこれまでも順次増強してきておりますが、今後も更なる能力増強・生産設備の新設を戦略的に検討していく予定です。また、ユーザーニーズを把握し、新たな冷凍機油関連製品の開発にも注力することで、冷凍機油事業の拡大による収益拡大を目指します。

 

 <ニッチ製品のグローバル市場への拡販>

 保湿性の高い原料として高級化粧品やスキンケア製品用に販売している 1, 3-ブチレングリコールや、界面活性剤の原料として販売しているトリデカノール等の生産能力を戦略的に増強することで販売を推進し、マーケットシェア及び収益拡大に努めてまいります。

 

② 基礎化学品の収益強化

「適切な価格政策や継続的なコストダウン、協業化を推進し基礎化学品のコスト競争力を強化する」

 国内オキソケミカル市場におけるマーケットシェアの維持・拡大、製品の安定供給、及び環境の変化に応じた価格設定により、安定的な収益の維持・確保に努めてまいります。加えて、円高時に脅威となる輸入品に対応すべく、コストアセスメントによるITコスト、定期修繕・設備コスト等の削減並びに他社との協業を通じたボリュームメリットによるコストダウンを図り、オキソケミカルの競争力強化に注力してまいります。

 

③ 将来への地盤固め

「生産拠点の海外展開や潤滑油・ファインオキソ分野を中心とする新製品の開発を推進する」

基礎化学品分野では、イソノニルアルコール(INA)等の新たな海外製造・販売拠点として、平成27年9月に台湾中油股份有限公司と兆豊國際商業銀行股份有限公司との合弁により、曄揚股份有限公司を台湾に設立いたしました。平成32年以降に年産18万トンのINAの新工場の稼働が予定されております。INAは耐熱特性・電気絶縁性等の優れた性能を有する可塑剤DINP等の原料となる高級アルコールであり、当社の主要製品として、主に自動車・電線・建材分野の諸用途向けに販売しております。当社はINA製造の独自技術及びノウハウを豊富に有しておりますが、本合弁事業により台湾に大型の製造・販売拠点を有することで、経済成長が期待される中国・インド等アジア諸国への供給を拡大しつつ、価格競争力のある原料を安定的に調達する体制を構築し、グローバルシェアの向上を目指します。なお、本合弁事業の総投資額は500億円(※)規模を想定しており、日台間の石油化学分野では過去最大級の投資事業となります。

機能性材料分野では、平成29年12月末に投資判断を行った冷凍機油原料に関する新規製造設備の建設を鋭意推進してまいります。今後もオゾン層保護・温室効果ガス削減といった地球環境保護の観点から、エアコンや冷蔵庫は環境対応型への代替が進むことが予想されます。こうした環境対応型エアコン・冷蔵庫の需要増加に対応すべく、代替フロンに適合した冷凍機油原料であるイソノナン酸、オクチル酸等の拡販に注力するとともに、ユーザーニーズを把握し、冷凍機油の性能向上及び新たな冷凍機油関連製品の開発を加速させることで、冷凍機油関連事業の更なる収益拡大を目指します。

電子材料分野では、液晶ディスプレイや半導体製造工程で必要なフォトレジスト向け高純度溶剤を中心に、常に技術革新が求められる液晶・半導体市場での競争優位性を維持・強化します。当社独自の技術と多くの大手電子材料メーカーとのチャンネルを組み合わせることで、新製品・新技術の開発に取り組みます。

※現時点での計画であり変更となる可能性もあります。

 

また、外部環境の変化に対応した適切な価格施策、全社横断の徹底したコスト削減等の諸施策を引き続き実行し、収益力強化に取り組んでまいります。

当社グループは、コンプライアンス、環境保全、品質保証、安全操業など企業の社会的責任を誠実に全うし、特色ある高品質な製品を様々な産業分野のお客様に提供することで、広く社会から信頼される企業でありたいと考えております。

 

4【事業等のリスク】

本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある

事項には、以下のようなものがあります。ただし、以下の事項は当社グループのリスクのうち主要なものを記載しており、当社グループのリスクを網羅的に記載したものではなく、記載された事項以外にも予測しがたいリスクが存在する可能性があるものと考えております。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資判断あるいは当社グループの事業活動を理解する上で重要と考えられる事項については、投資者に対する積極的な開示の観点から記載しております。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(平成29年12月31日現在)において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経済環境及び市場環境の変動について

当社グループの製品の需要は、自動車、住宅、電子電機機器及び消費財等の最終製品の需要に左右され、国内外の工業生産量の全体的な変動及び個別最終製品市場の変動が当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

また、競合他社による大型生産設備の建設等により供給過剰となった場合等により市場環境が大幅に変動した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(2) 原材料の価格変動について

当社グループは、ナフサを分解して作られているプロピレンやエチレンを主要原材料としております。このため、原油価格、需給バランス、為替等の影響によりナフサの価格が急激に変動した場合は、製品価格への転嫁により対応しておりますが、価格上昇分を十分に製品価格に転嫁できない場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

また、当社グループは、棚卸資産の評価を主として総平均法による原価法で行っており、期中にナフサの価格が上昇した場合は、期首の相対的に安価な在庫の影響により売上原価の上昇が抑えられるため、増益要因となります。一方で、ナフサの価格が下落した場合は、期首の相対的に高価な在庫の影響により売上原価の下落が抑えられるため、減益要因となります。このため、ナフサの価格変動が緩やかであれば製品販売施策等の対応によりこれらの影響を減殺する可能性があるものの、原油価格、需給バランス、為替等の影響によりナフサの価格が急激に変動した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(3) 原材料の調達について

当社グループは、原材料を複数の仕入先から購入することにより安定調達を図り、生産に必要な原材料が十分に確保されるよう努めております。しかしながら、一部の原材料については製造拠点の立地条件及び運搬・貯蔵方法等に伴う制約から特定の仕入先に依存する場合があり、特定の仕入先の被災や事故等により原材料の供給不能又は供給不足が長期間に亘り発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(4) 為替変動について

当社グループは、海外から原材料の一部を輸入するとともに、国内で製造した製品の一部を海外に輸出しております。このため、為替予約等によりリスクヘッジを行っておりますが、為替レートが大幅に変動した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(5) 海外事業展開について

当社グループは、アジア及び米州を中心に海外事業展開を拡大しつつありますが、海外においては、政治、経済情勢の変化、予期しえない法規制の変更、自然災害、テロ、戦争による社会的又は経済的な混乱、慣習等に起因する予測不可能な事態の発生等、それぞれの国や地域固有のリスクが存在します。これらのリスクが顕在化した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(6) 合弁事業について

 当社グループは、事業規模の拡大や競争力強化を目的として国内外において合弁事業を行っております。これらの合弁事業が当初期待していた成果をあげることができなかった場合には、事業の選択と集中に伴う不採算事業からの撤退やグループ会社の整理等を行うことにより、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 たとえば、当社グループは、台湾中油股份有限公司等と共同設立した台湾法人曄揚股份有限公司を通じて、台湾においてイソノニルアルコール等を製造しアジア各国に販売する事業への進出を計画しておりますが、当該事業をとりまく市場環境等の変化、事業戦略の変更、許認可等の規制上の問題等により計画通りの結果が得られなかった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(7) 金利変動について

 当社グループは、有利子負債の削減に努めておりますが、今後有利子負債が増加した場合や、金利が上昇した場合には支払利息が増加し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(8) 固定資産の減損について

 当社グループは、製造設備等の固定資産を多数所有しており、固定資産の減損に係る会計基準を適用しておりますが、今後大幅な企業収益性の悪化や不動産価格の下落等があった場合には減損損失が発生し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(9)有価証券の評価損について

 当社グループは、主に取引先との関係強化のために株式を保有しておりますが、株式相場の大幅な下落または株式保有先の経営状況の悪化により株式の評価額が著しく下落した場合には株式の評価損が発生し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(10)繰延税金資産について

 当社グループは、将来減算一時差異に対して、繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の計算は、将来の課税所得に関する様々な予測・仮定に基づいており、結果が予測・仮定と異なる場合、又は税制改正に伴い税率変更等が実施された場合、繰延税金資産の見直しが必要となり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(11)退職給付関係について

 当社の従業員及び元従業員の退職給付債務及び退職給付費用は、年金数理計算上使用される各種の基礎率と年金資産の運用利回り等に基づき算出されます。年金資産の時価の下落、金利の変動、退職金・年金制度の変更等に伴う退職給付債務及び退職給付費用の変動が、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(12)法的規制について

当社グループは、主に保安・安全衛生、環境及び化学物質に関する法規制のもと、コンプライアンスの徹底を図りながら事業活動を行っております。しかしながら、将来的に法規制の大幅な変更や規制強化が行われた場合には、事業上の制約や法令遵守のための設備投資に伴う費用の増加等、また、これら法規制に違反して行政処分、行政指導、罰則等の賦課、損害賠償請求等を受けた場合には、対応措置のための費用の発生又は増加、生産その他事業運営に対する影響、社会的信用の低下等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(13)製造物責任について

当社グループは、国際的な品質マネジメントシステム規格であるISO9001に従って製品の品質向上に努めながら生産活動を行っております。また、万一の事故に備えて製造物責任賠償保険に加入してリスクヘッジしておりますが、賠償額が保険の補償枠を超える大規模な製造物責任につながる製品の欠陥が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(14)事故、災害について

当社グループは、保安防災活動や地震防災訓練を継続的に実施するなど、工場の設備事故の発生防止に努めておりますが、万一、火災や爆発等の産業事故災害や自然災害などが発生した場合には、生産への影響や社会的信頼の低下により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(15)研究開発について

当社グループは、従前より市場ニーズの変化に対応した新しい機能性製品の研究開発を推進しております。このため、市場ニーズが当社グループの想定を超えて大きく変化した場合や、市場ニーズに合った開発品を適時に製品化できない場合には、研究開発投資を回収できないことにより、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(16)知的財産について

当社グループは、研究開発の成果を特許権等の権利化をすることにより知的財産権の保護や他社へのライセンス等による活用を図っております。また、他社の知的財産を侵害しないために、新製品の開発前に先行技術等の調査を行うほか、既存製品についても定期的に調査を実施しております。しかしながら、第三者から特許権等への抵触を理由として差止訴訟、損害賠償請求訴訟等を提起された場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(17)情報管理について

当社グループは、事業活動を行ううえで多くの機密情報や個人情報を保有しております。当社グループでは、厳正な管理体制のもとで情報漏洩の防止に努めておりますが、万一、情報の流出や情報改ざんによる問題が発生した場合には、競争力の低下や社会的信用の低下により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(18)訴訟について

当社グループは、国内及び海外事業に関連して、取引先、第三者及び従業員等との間で紛争が発生し訴訟、その他法的手続きの当事者となるリスクを有しております。重要な訴訟等の提起があり、裁判等において不利益な決定や判決がなされた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

5【経営上の重要な契約等】

合弁関係

KHネオケム株式会社(当社)

締結先

合弁会社名

設立の目的

資本金

設立年月日

三菱ケミカル㈱

㈱ジェイ・プラス

(持分法適用関連会社)

可塑剤の製造および販売

480百万円

出資比率50.0%

平成12年4月

㈱国際協力銀行

KH Neochem U.K. Ltd.

(非連結子会社)

合弁会社(曄揚股份有限公司)への投資

12,300千米ドル

出資比率60.2%

平成27年7月

台湾中油股份有限公司

(CPC Corporation, Taiwan)、

兆豊國際商業銀行股份有限公司(Mega International Commercial Bank Co.,Ltd.)

曄揚股份有限公司

(持分法非適用関連会社)

イソノニルアルコール等の製造及び販売

850百万台湾ドル

平成27年9月

 

6【研究開発活動】

 当社グループの研究開発活動は、主に当社(提出会社)が担っており、その内容は以下のとおりであります。

 

(1) 研究開発方針

 地球温暖化をはじめとする環境問題、エネルギー・資源問題、少子高齢化問題など、社会が直面する様々な課題は、高度で多様化された新製品の新たなニーズを生み出しつつあります。

 当社は、このようなニーズにスピィディーに応えるためにこれまでに蓄積してきた技術を深く追求するとともに、国内外の研究機関や企業と連携した研究開発に積極的に取り組み、豊かでサスティナブルな未来に貢献する新製品の開発に果敢に挑戦しております。

 石油化学製品の開発を通じて培った有機合成技術を基盤として、「Solution提供」「環境対応・貢献」「新規高機能製品の創造」をキーワードにした研究開発活動により、さまざまな分野に特色のある製品を提供し、地球環境と人々の快適な暮らしを支える化学品メーカーを目指してまいります。

 

(2) 研究開発フロー

 当社の新製品創造は、研究開発部門、知的財産部門、製造部門、販売部門、企画部門が一体となって進められます。「自社の強み」を機軸に要素技術を固め、販売部門が収集した「お客様の声」に加え、「社会要請」、及び「市場の潮流」を考慮して、研究開発部門がお客様にSolutionを提案し、製造部門と連携して供給体制を整えます。

 

 四日市研究所は、高機能スペシャリティケミカルの創出と事業化の拠点として以下の研究開発に取り組んでおります。

A.低GWP(地球温暖化係数)冷媒向け潤滑油素材の開発

B.オキソ技術を用いた機能性製品の開発とソリューション提供

C.新規溶剤、樹脂原料等の探索

 

 現在の強みである潤滑油関連素材事業を深化させる研究と、オキソ反応や合成技術など自社の要素技術を展開していく研究の組合せで、新製品の事業化を目指します。

 

(3) 新規事業・新製品探索機能強化への取り組み

 当社の新製品創造をさらに加速させるため、新規事業分野や新製品の探索機能の強化のために以下の施策に取り組んでおります。

A.お客様ヒヤリングや市場調査に基づく探索検討と評価系拡充によるフィードバックサイクルの強化

B.各本部メンバーにより構成される「新規事業構築会議」の運営

 

 特に、「お客様の声」に対する対応力の強化を目指し、より一層密な双方向での情報交換を行うべく専任者の配置を行い、取り組みを継続しております。

 また、「社会要請」、及び「市場の潮流」への感度を上げ、さらには全社一体となった新規事業立ち上げに向け、各本部横断的に人材を集めた「新規事業構築会議」の運営により絞り込まれた候補案件の事業性精査に、次年度より取り組む予定としております。

 

(4) 当連結会計年度の研究開発活動

 当連結会計年度においては、潤滑油分野での展開が期待される当社新規素材を顧客に提案いたしました。

 研究開発費の総額は9億39百万円となっております。

 

 当社グループは、化学品事業の単一セグメントであるため、セグメント情報に関連付けた記載を省略しております。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債および収益・費用の報告金額ならびに開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りを行うにあたり、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる結果をもたらす場合があります。なお、連結財務諸表の作成に当たって、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。

 

(2)財政状態の分析

(資産)

 当連結会計年度末における流動資産は521億61百万円となり、前連結会計年度末に比べ70億5百万円増加いたしました。これは主に、現金及び預金が5億31百万円、受取手形及び売掛金が31億6百万円、たな卸資産が20億74百万円、繰延税金資産が6億円それぞれ増加したことによるものであります。

 当連結会計年度末における固定資産は430億86百万円となり、前連結会計年度末に比べ5億68百万円増加いたしました。これは主に、有形固定資産が11億64百万円減少しましたが、投資有価証券が15億87百万円増加したことによるものであります。

 この結果、資産合計は952億47百万円となり、前連結会計年度末に比べ75億73百万円増加いたしました。

(負債)

 当連結会計年度末における流動負債は439億58百万円となり、前連結会計年度末に比べ181億29百万円増加いたしました。これは主に、1年内返済予定の長期借入金が5億円減少しましたが、支払手形及び買掛金が51億96百万円、短期借入金が98億30百万円、コマーシャル・ペーパーが9億99百万円、未払法人税等が9億5百万円、修繕引当金が14億67百万円それぞれ増加したことによるものであります。

 当連結会計年度末における固定負債は167億77百万円となり、前連結会計年度末に比べ169億55百万円減少いたしました。これは主に、繰延税金負債が4億72百万円増加しましたが、長期借入金が169億円、修繕引当金が5億82百万円それぞれ減少したことによるものであります。

 この結果、負債合計は607億35百万円となり、前連結会計年度末に比べ11億74百万円増加いたしました。

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産合計は345億12百万円となり、前連結会計年度末に比べ63億99百万円増加いたしました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益81億67百万円、その他有価証券評価差額金の増加4億9百万円及び剰余金の配当27億56百万円によるものであります。

 

(3)経営成績の分析

 経営成績については、「1 業績等の概要 (1)業績」に記載しております。

 

(4)経営成績に重要な影響を与える要因について

 「4 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

(5)キャッシュ・フローの状況の分析

 キャッシュ・フローの状況については、「1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フロー」に記載しております。