当社グループは、以下の企業理念に基づき、様々な産業分野に特色のある高品質な化学製品を提供することを主方針として経営諸活動を遂行しております。
・企業使命 「化学の力」で、よりよい明日を実現する。
・経営姿勢 確かな技術と豊かな発想で、夢を「かたち」にする。
・行動指針 「新たな一歩」を踏み出して、さらなる高みに挑戦する。
当社グループを取り巻く事業環境は、米中貿易摩擦や欧米の政治動向などにより高まる世界経済の不確実性や金融資本市場変動の影響、中国経済の減速や不安定な中東情勢を反映した原燃料価格の変動など、依然として予断を許さない状況であると認識しております。このような事業環境の中、当社グループが中長期的な視点で目指す姿を描くとともに、実現に向けた道筋を示すものとして「VISION 2030 ~世界で輝くスペシャリティケミカル企業~」を策定しました。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(2019年12月31日)現在において当社グループが判断したものであります。
VISION 2030において、当社グループが目指す具体的な姿は以下の3点です。
目指す姿① 地球温暖化抑制・豊かな暮らしに貢献するスペシャリティケミカル素材を提供
事業活動を通じて地球温暖化抑制に資する製品や、よりよい暮らしに貢献できる素材を世界に向けて提供してまいります。
目指す姿② 戦略ドメインで世界シェアNo.1製品と新事業を拡大
当社が強みをもつ、冷凍機油原料、化粧品原料、高純度溶剤分野の製品を核とし、設備投資や研究開発など集中的に資源を配分する領域として、戦略ドメインを「環境」「ヘルスケア」「エレクトロニクス」に設定しました。この戦略ドメインにおいて、世界シェアNo.1の製品を拡大するとともに、新たな事業や製品を創出します。
目指す姿③ 国内で化学業界トップクラスの利益率
戦略ドメインにおいて、高付加価値で独自性の高い製品に対して生産能力の増強や新製品の開発を進め、AIやIoT等の最新技術を取り込み、生産効率を向上させることで、国内の化学業界の中でもトップクラスの営業利益率を目指します。
VISION 2030の実現に向けて4回にわたる中期経営計画の策定を予定しており、まず第一弾として2019年から始まる3カ年の第3次中期経営計画「新たな挑戦」を策定しました。本計画の基本戦略は以下の3点です。
<戦略Ⅰ> 新設備の稼働等による収益拡大
・冷凍機油原料で圧倒的シェア獲得に向けた、新設備稼働や新製品の生産
・次世代ニーズを先取りした半導体材料向け設備の稼働
具体的には、以下の各種施策に取り組みます。
「環境」ドメインにおいては、エアコン市場の拡大や地球温暖化係数の低い新冷媒への切り替えに伴う需要拡大を販売機会と捉え、地球温暖化抑制に貢献する冷凍機油原料の新設備を稼働します。これにより、対象製品の生産能力を約1.5倍に増強することで、拡販を進めるとともに更なるシェア拡大を目指します。併せて、これまで以上に地球温暖化抑制に貢献する新たな冷凍機油原料の生産も開始いたします。
「ヘルスケア」ドメインにおいては、保湿力や抗菌性が高く、高級化粧品やスキンケア製品向けに使用される1, 3-ブチレングリコールの生産能力を当社技術と少額投資により増強することで、需要に応じた拡販を実現し、収益拡大を目指します。併せて、低臭気化等の品質向上に取り組み、お客様の多様なニーズに応えていきます。
「エレクトロニクス」ドメインにおいては、最先端の半導体材料向けに製造設備の稼働を計画しており、次世代ニーズを先取りした高品質な製品を提供いたします。
<戦略Ⅱ> 将来の機能化学品事業拡大に向けた積極投資
・将来の収益の柱となる、機能化学品の大型投資判断
・独立した研究新拠点における、新ビジネスの早期創出
具体的には、ドメイン別の戦略における設備投資やユーティリティー関連設備・原料受け入れ設備の更新等、戦略的に投資を実行します。さらに、将来の収益の柱となる機能化学品の大型投資判断に向けて、市場調査や事業性評価をプロジェクト体制で取り組みます。
また、独立した研究新拠点を活用し、異業種交流やビジネスマッチングの展開等オープンイノベーションによる外部との技術協創を図ることで、新ビジネスの早期創出を目指します。
<戦略Ⅲ> ビジネス基盤の強化
・最新技術(AI、IoT等)を活用したプラント制御システム導入拡大
・事業拡大を加速するための、人財育成・獲得、職場環境の刷新・活性化
具体的には、競争力ある工場づくりのために、AIやIoT等の最新技術を活用したプラント制御システムの導入を拡大し、生産効率を飛躍的に高めてまいります。加えて、再構築した全社的保全戦略を基に、戦略的な保全を実行することで、計画外の操業停止による生産機会の損失や生産効率の悪化を最小限にとどめるなど、競争力の強化を図ります。
事業拡大に伴い、競争力ある人財を育成・確保するために、多様な人財が快適かつ柔軟に働けるよう全社的な職場改善計画を立案し、整備を進めてまいります。また、独立社外取締役及び女性社外役員の増員による取締役会の多様性拡大を図ることで、さらなるガバナンスの強化に取り組みます。更に、事業継続計画(BCP)の策定・強化等により、リスク管理を徹底してまいります。
当社グループは、コンプライアンス、環境保全、品質保証、安全操業など企業の社会的責任を誠実に全うし、特色ある高品質な製品を様々な産業分野のお客様に提供することで、持続的な成長を実現し、広く社会から信頼される企業でありたいと考えております。
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある
事項には、以下のようなものがあります。ただし、以下の事項は当社グループのリスクのうち主要なものを記載しており、当社グループのリスクを網羅的に記載したものではなく、記載された事項以外にも予測しがたいリスクが存在する可能性があるものと考えております。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資判断あるいは当社グループの事業活動を理解する上で重要と考えられる事項については、投資者に対する積極的な開示の観点から記載しております。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(2019年12月31日)現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経済環境及び市場環境の変動について
当社グループの製品の需要は、自動車、住宅、電子電機機器及び消費財等の最終製品の需要に左右され、国内外の工業生産量の全体的な変動及び個別最終製品市場の変動が当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
また、競合他社による大型生産設備の建設等により供給過剰となった場合等により市場環境が大幅に変動した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(2) 原材料の価格変動について
当社グループは、ナフサを分解して作られているプロピレンやエチレンを主要原材料としております。このため、原油価格、需給バランス、為替等の影響によりナフサの価格が急激に変動した場合は、製品価格への転嫁により対応しておりますが、価格上昇分を十分に製品価格に転嫁できない場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
また、当社グループは、棚卸資産の評価を主として総平均法による原価法で行っており、期中にナフサの価格が上昇した場合は、期首の相対的に安価な在庫の影響により売上原価の上昇が抑えられるため、増益要因となります。一方で、ナフサの価格が下落した場合は、期首の相対的に高価な在庫の影響により売上原価の下落が抑えられるため、減益要因となります。このため、ナフサの価格変動が緩やかであれば製品販売施策等の対応によりこれらの影響を減殺する可能性があるものの、原油価格、需給バランス、為替等の影響によりナフサの価格が急激に変動した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(3) 原材料の調達について
当社グループは、原材料を複数の仕入先から購入することにより安定調達を図り、生産に必要な原材料が十分に確保されるよう努めております。しかしながら、一部の原材料については製造拠点の立地条件及び運搬・貯蔵方法等に伴う制約から特定の仕入先に依存する場合があり、特定の仕入先の被災や事故等により原材料の供給不能又は供給不足が長期間に亘り発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(4) 為替変動について
当社グループは、海外から原材料の一部を輸入するとともに、国内で製造した製品の一部を海外に輸出しております。このため、為替予約等によりリスクヘッジを行っておりますが、為替レートが大幅に変動した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(5) 海外事業展開について
当社グループは、アジア及び米州を中心に海外事業展開を拡大しつつありますが、海外においては、政治、経済情勢の変化、予期しえない法規制の変更、自然災害、感染症、テロ、戦争による社会的又は経済的な混乱、慣習等に起因する予測不可能な事態の発生等、それぞれの国や地域固有のリスクが存在します。これらのリスクが顕在化した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(6) 合弁事業について
当社グループは、事業規模の拡大や競争力強化を目的として合弁事業を行っております。合弁事業が当初期待していた成果をあげることができなかった場合には、事業の選択と集中に伴う不採算事業からの撤退やグループ会社の整理等を行うことにより、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(7) 金利変動について
当社グループは、有利子負債の削減に努めておりますが、今後有利子負債が増加した場合や、金利が上昇した場合には支払利息が増加し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(8) 固定資産の減損について
当社グループは、製造設備等の固定資産を多数所有しており、固定資産の減損に係る会計基準を適用しておりますが、今後大幅な企業収益性の悪化や不動産価格の下落等があった場合には減損損失が発生し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(9) 有価証券の評価損について
当社グループは、当社の企業価値向上のために株式を保有しておりますが、株式相場の大幅な下落または株式保有先の経営状況の悪化により株式の評価額が著しく下落した場合には株式の評価損が発生し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(10)繰延税金資産について
当社グループは、将来減算一時差異に対して、繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の計算は、将来の課税所得に関する様々な予測・仮定に基づいており、結果が予測・仮定と異なる場合、又は税制改正に伴い税率変更等が実施された場合、繰延税金資産の見直しが必要となり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(11)退職給付関係について
当社の従業員及び元従業員の退職給付債務及び退職給付費用は、年金数理計算上使用される各種の基礎率と年金資産の運用利回り等に基づき算出されます。年金資産の時価の下落、金利の変動、退職金・年金制度の変更等に伴う退職給付債務及び退職給付費用の変動が、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(12)法的規制について
当社グループは、主に保安・安全衛生、環境及び化学物質に関する法規制のもと、コンプライアンスの徹底を図りながら事業活動を行っております。しかしながら、将来的に法規制の大幅な変更や規制強化が行われた場合には、事業上の制約や法令遵守のための設備投資に伴う費用の増加等、また、これら法規制に違反して行政処分、行政指導、罰則等の賦課、損害賠償請求等を受けた場合には、対応措置のための費用の発生又は増加、生産その他事業運営に対する影響、社会的信用の低下等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(13)製造物責任について
当社グループは、国際的な品質マネジメントシステム規格であるISO9001に従って製品の品質向上に努めながら生産活動を行っております。また、万一の事故に備えて製造物責任賠償保険に加入してリスクヘッジしておりますが、賠償額が保険の補償枠を超える大規模な製造物責任につながる製品の欠陥が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(14)事故、災害について
当社グループは、保安防災活動や地震防災訓練を継続的に実施するなど、工場の設備事故の発生防止に努めておりますが、万一、火災や爆発等の産業事故災害や自然災害などが発生した場合には、生産への影響や社会的信頼の低下により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(15)研究開発について
当社グループは、従前より市場ニーズの変化に対応した新しい機能性製品の研究開発を推進しております。このため、市場ニーズが当社グループの想定を超えて大きく変化した場合や、市場ニーズに合った開発品を適時に製品化できない場合には、研究開発投資を回収できないことにより、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(16)知的財産について
当社グループは、研究開発の成果を特許権等の権利化をすることにより知的財産権の保護や他社へのライセンス等による活用を図っております。また、他社の知的財産を侵害しないために、新製品の開発前に先行技術等の調査を行うほか、既存製品についても定期的に調査を実施しております。しかしながら、第三者から特許権等への抵触を理由として差止訴訟、損害賠償請求訴訟等を提起された場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(17)情報セキュリティについて
当社グループは、事業活動を行ううえで多くの機密情報や個人情報を保有しております。当社グループでは、厳正な管理体制のもとで情報漏洩の防止に努めておりますが、万一、情報の流出や情報改ざんによる問題が発生した場合には、競争力の低下や社会的信用の低下により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。また、サイバー攻撃に対して様々な防衛策を講じておりますが、情報システムに問題が発生した場合には、業務の中断を余儀なくされ、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(18)人材について
当社グループは、持続的な成長を実現するため、優秀な人材の採用や育成に努めております。しかしながら、雇用情勢の悪化等により必要な人材が確保できず、育成も計画通りに進まない場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(19)訴訟について
当社グループは、国内及び海外事業に関連して、取引先、第三者及び従業員等との間で紛争が発生し訴訟、その他法的手続きの当事者となるリスクを有しております。重要な訴訟等の提起があり、裁判等において不利益な決定や判決がなされた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(1) 経営成績等の状況の概要
①経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、企業の設備投資が堅調に推移したものの、米中の貿易摩擦を背景とする中国経済の減速により輸出が低迷し、鉱工業生産も力強さが欠ける等、概ね横ばいで推移しました。また、欧米の政治動向や不安定な中東情勢等が各国の経済に影響することが懸念され、景気の先行きに不透明感が残りました。
当社グループをとりまく環境は、前年末に原油やナフサの価格が急落したことを受け、化学品全般の価格が大きく下落したため、アジア市場における基礎化学品の市況が軟調に推移しました。また、機能化学品においては、中国経済が減速するなか、高水準で推移していたエアコン市場においても、在庫調整が行われたこと等により、生産・出荷とも伸び悩む状況となりました。
このような環境のもと、当社グループは第3次中期経営計画「新たな挑戦」の基本戦略として掲げた「新設備の稼働等による収益拡大」・「将来の機能化学品事業拡大に向けた積極投資」・「ビジネス基盤の強化」等に取り組み、冷凍機油原料のシェア拡大に向けた新設備の建設や新ビジネスの早期創出に向けた新たな研究開発拠点の開設、最新技術を活用したプラント制御システムの導入拡大等の諸施策を着実に推し進めてまいりました。加えて、コーポレートガバナンスの強化やCSR(企業の社会的責任)活動の充実等にも積極的に取り組みました。
当連結会計年度における当社グループの業績は、基礎化学品が厳しい海外市況の影響を受けたことに加え、原料調達の不調や製造設備の不具合が発生したこと等から、売上高942億9百万円(前連結会計年度比6.9%減)、営業利益95億59百万円(同12.0%減)、経常利益98億96百万円(同11.6%減)と減収減益となりましたが、前連結会計年度において計上していたイソノニルアルコールプロジェクト中止に伴う特別損失が当連結会計年度においてはないことから、親会社株主に帰属する当期純利益は69億17百万円(同2.7%増)と増益となりました。
事業分野別には、次のとおりであります。
基礎化学品は、自動車生産の国内需要は底堅く推移しましたが、アジア市場における市況軟化や国内における輸入品の攻勢、製造設備不具合等の影響が見られ、販売数量、売上高、利益とも前連結会計年度を下回り、売上高444億61百万円(前連結会計年度比9.9%減)、売上総利益56億25百万円(同19.5%減)、営業利益25億32百万円(同34.1%減)となりました。
機能性材料は、エアコン用冷凍機油原料や化粧品原料のアジア需要に在庫調整の影響が見られるようになったことに加え、年前半に原料調達の不調や製造設備の不具合が発生したことにより、販売数量、売上高は前連結会計年度を下回りましたが、適切な価格政策に努めたこと等により利益は前連結会計年度を上回り、売上高374億45百万円(前連結会計年度比4.9%減)、売上総利益119億21百万円(同0.9%増)、営業利益81億7百万円(同2.0%増)となりました。
電子材料は、高純度溶剤の国内販売が堅調に推移しましたが、韓国向け輸出が減少したことや子会社のディスプレイ向け製品の需要が弱含みで推移したこと等により販売数量、売上高、利益とも前連結会計年度を下回り、売上高112億99百万円(前連結会計年度比4.1%減)、売上総利益29億37百万円(同3.2%減)、営業利益16億46百万円(同6.4%減)となりました。
その他は、売上高10億3百万円(前連結会計年度比41.7%増)、売上総利益3億15百万円(同101.7%増)、営業利益3億15百万円(同101.7%増)となりました。
(注)上記の事業分野別の「営業利益」には、全社に共通する管理費用等を配分しておりません。
②財政状態
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は550億38百万円となり、前連結会計年度末に比べ31億11百万円増加いたしました。これは主に、受取手形及び売掛金が47億5百万円減少しましたが、現金及び預金が77億41百万円、たな卸資産が4億12百万円それぞれ増加したことによるものであります。
当連結会計年度末における固定資産は472億22百万円となり、前連結会計年度末に比べ51億15百万円増加いたしました。これは主に、建設仮勘定が52億89百万円、投資有価証券が3億44百万円それぞれ増加したことによるものであります。建設仮勘定の増加の主なものは、当社四日市工場における冷凍機油原料生産設備の新設によるものであります。
この結果、資産合計は1,022億61百万円となり、前連結会計年度末に比べ82億26百万円増加いたしました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は434億19百万円となり、前連結会計年度末に比べ12億34百万円増加いたしました。これは主に、支払手形及び買掛金が59億6百万円、未払法人税等が4億91百万円それぞれ減少しましたが、未払金が59億62百万円、修繕引当金が18億63百万円それぞれ増加したことによるものであります。
当連結会計年度末における固定負債は153億18百万円となり、前連結会計年度末に比べ17億74百万円増加いたしました。これは主に、長期借入金が24億円、修繕引当金が5億98百万円それぞれ減少しましたが、社債が50億円増加したことによるものであります。当社は、当社四日市工場における冷凍機油原料生産設備への投資を主な使途として、2019年12月5日に第1回無担保普通社債を発行しております。
この結果、負債合計は587億38百万円となり、前連結会計年度末に比べ30億8百万円増加いたしました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は435億22百万円となり、前連結会計年度末に比べ52億17百万円増加いたしました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益69億17百万円及び剰余金の配当21億7百万円によるものであります。
なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態については遡及処理後の前連結会計年度末の数値との比較を行っております。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ77億41百万円増加し、178億67百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は109億62百万円(前連結会計年度は77億7百万円の獲得)となりました。これは主に、仕入債務の減少額58億93百万円及び法人税等の支払額36億20百万円により資金が減少しましたが、税金等調整前当期純利益98億96百万円、減価償却費31億96百万円、修繕引当金の増加額12億65百万円、売上債権の減少額46億99百万円及びその他の流動負債の増加額16億1百万円により資金が増加したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は35億12百万円(前連結会計年度は40億9百万円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出33億22百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は2億94百万円(前連結会計年度は62億24百万円の使用)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出57億60百万円及び配当金の支払額21億6百万円により資金が減少しましたが、長期借入れによる収入33億60百万円及び社債の発行による収入49億75百万円により資金が増加したことによるものであります。
④生産、受注及び販売の実績
当社グループは化学品事業の単一セグメントであるため、事業分野別に記載しております。
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績を事業分野ごとに示すと、次のとおりであります。
|
事業分野の名称 |
当連結会計年度 (自 2019年1月1日 至 2019年12月31日) |
前年同期比(%) |
|
基礎化学品 (百万円) |
40,546 |
92.3 |
|
機能性材料 (百万円) |
34,725 |
100.1 |
|
電子材料 (百万円) |
11,242 |
96.5 |
|
合計(百万円) |
86,514 |
95.8 |
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当社グループでは一部受注生産を行っておりますが、売上高のうち受注生産の占める割合が低いため、受注実績は記載しておりません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績を事業分野ごとに示すと、次のとおりであります。
|
事業分野の名称 |
当連結会計年度 (自 2019年1月1日 至 2019年12月31日) |
前年同期比(%) |
|
基礎化学品 (百万円) |
44,461 |
90.1 |
|
機能性材料 (百万円) |
37,445 |
95.1 |
|
電子材料 (百万円) |
11,299 |
95.9 |
|
その他 (百万円) |
1,003 |
141.7 |
|
合計(百万円) |
94,209 |
93.1 |
(注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 2018年1月1日 至 2018年12月31日) |
当連結会計年度 (自 2019年1月1日 至 2019年12月31日) |
||
|
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
|
ミヤコ化学㈱ |
10,361 |
10.2 |
9,925 |
10.5 |
|
出光興産㈱ |
11,133 |
11.0 |
9,740 |
10.3 |
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債および収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りを行うにあたり、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる結果をもたらす場合があります。
なお、連結財務諸表の作成に当たって、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績の状況に関して
当連結会計年度における経営成績の状況の概要は「(1) 経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載のとおりでありますが、主要な表示科目に沿った認識及び分析は次のとおりであります。
<売上高>
売上高は942億9百万円となり、前連結会計年度と比べ6.9%減少いたしました。これは主に、国産ナフサ価格の下落に伴い当社製品の販売価格が下落したことや中国経済の減速を背景に基礎化学品を中心に市況及び需要が低迷したこと、製造設備の不具合や原料調達の不調等により生産・販売数量が減少したことによるものであります。
<売上総利益>
売上総利益は208億円となり、前連結会計年度と比べ5.4%減少いたしました。これは主に、基礎化学品の市況軟化に伴い製品販売価格と原料購入価格の価格差が縮小したことや、各事業分野の需要低迷や製造設備の不具合、原料調達の不調等により生産・販売数量が減少したことによるものであります。
<販売費及び一般管理費、営業利益>
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度と比べて1億10百万円増加し、112億40百万円となりました。この結果、営業利益は95億59百万円となり、前連結会計年度と比べ12.0%減少いたしました。なお、売上高営業利益率は10.1%となり、前連結会計年度と比べ0.6%低下いたしました。
<営業外収益、営業外費用、経常利益>
営業外収益は、持分法による投資利益が増加しましたが受取配当金が減少したこと等により前連結会計年度と比べ6百万円減少の8億7百万円となり、営業外費用は、為替差損が増加しましたが支払利息が減少したこと等により前連結会計年度と比べ2百万円減少の4億71百万円となりました。この結果、経常利益は98億96百万円となり、前連結会計年度と比べ11.6%減少いたしました。
<税金等調整前当期純利益、親会社株主に帰属する当期純利益>
税金等調整前当期純利益は98億96百万円となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は69億17百万円となり、イソノニルアルコールプロジェクト中止に伴う特別損失14億43百万円を計上した前連結会計年度と比べ2.7%増加いたしました。
なお、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、経済環境及び市場環境の変動、原材料の価格変動、為替相場の変動、製造物責任及び産業事故災害等が挙げられます。詳細につきましては「2 事業等のリスク」に記載しております。
b.資本の財源及び資金の流動性の状況に関して
運転資金及び設備投資に使用するための資金を内部資金または借入金及び社債により調達しております。このうち、有利子負債による資金調達につきましては、運転資金を主に短期借入金及びコマーシャル・ペーパーにより、設備投資などのための長期資金を主に長期借入金及び社債により、それぞれ調達しております。
当連結会計年度末における有利子負債の残高は前連結会計年度末に比べ24億49百万円増加の234億90百万円となりましたが、純有利子負債残高は前連結会計年度末に比べ52億91百万円減少の56億22百万円となりました。
2019年12月5日に発行した第1回無担保普通社債(発行価額の総額50億円)により調達した資金については、当社四日市工場における冷凍機油原料生産設備への投資を主な使途として、全額を設備資金に2020年12月末までに充当する予定であります。
なお、当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況の概要は「(1) 経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
③経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループでは、事業活動の成果を示す主な経営指標として売上高及び営業利益を掲げているほか、資本及び資産の効率性を示す経営指標としてROE(自己資本利益率)、財務の安定性を示す経営指標として自己資本比率を掲げております。
2019年12月期を初年度とする第3次中期経営計画(3カ年)の最終年度である2021年12月期における当該経営指標の目標値は以下のとおりであります。
<売上高>1,100億円 <営業利益>135億円 <ROE>18% <自己資本比率>47%
(前提条件 為替:1米ドル110円、国産ナフサ価格:46,000円/KL)
なお、当連結会計年度におけるROEは17.97%、当連結会計年度末における自己資本比率は40.18%となりました。また、上記目標の達成に向けた経営方針・経営戦略等につきましては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。
合弁関係
KHネオケム株式会社(当社)
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締結先 |
合弁会社名 |
設立の目的 |
資本金 |
設立年月日 |
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三菱ケミカル㈱ |
㈱ジェイ・プラス (持分法適用関連会社) |
可塑剤の製造および販売 |
480百万円 出資比率50.0% |
2000年4月 |
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台湾中油股份有限公司 (CPC Corporation, Taiwan)、 兆豊國際商業銀行股份有限公司(Mega International Commercial Bank Co.,Ltd.) |
曄揚股份有限公司 (持分法非適用関連会社) |
イソノニルアルコール等の製造及び販売 |
850百万台湾ドル |
2015年9月 |
※2018年10月25日のイソノニルアルコールプロジェクト中止に向けた諸手続きを進める方針の決定を受け、台湾中油股份有限公司及び兆豊國際商業銀行股份有限公司との契約については、本書提出日現在、合意解約をしております。
なお、曄揚股份有限公司につきましては、本書提出日現在、清算手続き中となっております。
当連結会計年度において、契約を終了したものは以下のとおりであります。
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締結先 |
合弁会社名 |
設立の目的 |
資本金 |
設立年月日 |
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㈱国際協力銀行 |
KH Neochem U.K. Ltd. (非連結子会社) |
合弁会社(曄揚股份有限 公司)への投資 |
12,400千米ドル 出資比率100% |
2015年7月 |
当社グループの研究開発活動は、主に当社(提出会社)が担っており、その内容は以下のとおりであります。
(1) 研究開発方針
今、我々を取り巻く環境は大きく変化しつつあります。地球温暖化、海洋プラスティック問題等の地球規模の環境問題が深刻化する一方、中間所得層の拡大によりQOL(生活の質)向上への欲求が世界的に高まっています。さらに、IoTやAI技術の普及によりモビリティ分野を中心に技術革新が期待される等、世の中のニーズが高度化、多様化しています。
この様な背景の中、当社は、これらのニーズに応えるため、これまでに蓄積した当社コアおよびコア周辺技術を深く追求するだけでなく、オープンイノベーション等により外部との技術協創活動を促進することで、環境に配慮し、豊かな暮らしに貢献する新素材の開発に挑戦していきます。
(2) 研究開発戦略
当社の研究開発は、「世界で輝くスペシャリティケミカル企業」を目指し、社会的な潮流や市場動向を踏まえた研究開発活動を通して高付加価値ファインケミカルズを創出、さまざまな産業分野の幅広いニーズに応える新素材の開発に取り組みます。
VISION 2030で掲げる「環境」、「ヘルスケア」、「エレクトロニクス」の3分野を中心に既存事業の拡張に加えて新規事業を展開し、新技術・新製品の開発を進めます。
(3) 研究開発体制
既存事業周辺の市場調査・情報収集から新たなビジネスモデルを立案・検証・展開する「開発推進部」、自社技術基盤を強化し周辺技術を獲得しながら技術の裾野を広げる当社の総合研究所である「R&D総合センター」、さらに新規事業の創出に向けた将来戦略を検討・展開する「イノベーション戦略室」を2019年1月に新設、これら3拠点が協力する体制で、研究開発を行っています。
(4) 既存事業周辺への取り組み
既存事業周辺展開としては、以下の研究開発に取り組んでいます。
A.低GWP(地球温暖化係数)冷媒向け潤滑油素材の開発
B.オキソ技術を用いた機能性製品の開発とソリューション提供
C.ヘルスケア・化粧品素材の開発
D.当社製品の生産性改善・競争力強化
強みである潤滑油関連素材と化粧品原料素材事業を深化させつつ、オキソ反応等自社の要素技術をVISION 2030で掲げる事業分野を中心に開発を図りながら、成長戦略に沿った新製品の事業化を目指します。
(5) 新規事業・新製品探索機能強化への取り組み
当社は、新規事業創出に向けた取り組みとして、既存の研究開発組織とは独立した組織を編成、2019年1月に「イノベーション戦略室」を新たに立ち上げました。
その拠点として新川崎・創造の森(AIRBIC)に、「KH i-Lab(KH Neochem innovation Laboratory)」を新設、KHネオケムのコア技術や主力製品の紹介に加えて、当社がオープンイノベーションでかなえたい未来に向けた夢を社外の方々と共有し、様々な社会課題に対するソリューションを提案する場として活用いたします。
これまで以上に外部とのネットワークの構築に注力し、異業種交流やビジネスマッチングの展開等オープンイノベーションによる外部との技術協創を図り、スピード感をもった新規事業の創出に取り組んでまいります。
(6) 当連結会計年度の研究開発活動
当連結会計年度においては、潤滑油分野での展開が期待される当社新規素材を顧客に提案いたしました。
研究開発費の総額は
当社グループは、化学品事業の単一セグメントであるため、セグメント情報に関連付けた記載を省略しております。