当中間連結会計期間において、新たに発生した事業等のリスクはありません。また、有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて、重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の概況
当中間連結会計期間におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果が緩やかに回復しておりますが、物価上昇の継続が個人消費に及ぼす影響や、通商政策などアメリカの政策動向による影響が我が国の景気を下押しするリスクとなっており、依然として先行きは不透明な状況が続いております。
このような状況の中、当社グループにおきましては、「Rock your life 世の中に元気を与え続ける会社でありたい」との企業理念のもと、重点施策について取り組みを行ってまいりました。
重点施策の一つである新規出店については、2026年3月には、静岡市駿河区に貸し切り型の婚礼施設「HOMAM 旧マッケンジー邸」を開業します。
静岡市の「旧マッケンジー住宅及び周辺市有地活用事業」に対し事業提案を行った結果、旧マッケンジー住宅とその周辺の市有地の貸し付けにおいて、当社が選定されました。国の登録有形文化財である静岡市駿河区の歴史的洋館「旧マッケンジー住宅(通称 旧マッケンジー邸)」とその周辺市有地の管理・運営を同市から受託し、結婚式場やレストランなどに再生します。住宅を含む約6,300平米の敷地一帯を「HOMAM 旧マッケンジー邸」と名づけ、旧マッケンジー邸の建物をそのまま残しながら敷地内に2階建てのレストラン兼イベント会場を新築し、全体を一般開放します。新設する施設は駿河湾の海沿いに立つ眺望の良さを生かした建物で、結婚式場やチャペルとしても利用できるように設計し、施設全体の売上向上を狙います。2025年7月には、静岡市駿河区にドレスショップ「エクリュスポーゼ静岡店」を開業し、「HOMAM 旧マッケンジー邸」の新規受注を開始します。
2026年春には、富山県富山市に貸し切り型の婚礼施設「アマンダンピーク」を開業します。富山市が民間事業者のノウハウを活用することで連絡橋周辺広場やフットパスに賑わいを創出することを目的とした「呉羽丘陵フットパス連絡橋周辺広場官民連携事業」に対し出店応募を行った結果、当社を構成員とするグループが設置等予定者に選定されました。今後も官民連携のプロジェクトに積極的に取り組んでまいります。
2027年秋には、宮城県仙台市に2店舗目となる「(仮称)旧知事公館」を開業します。宮城県の「旧知事公館活用事業」に対し企画提案を行った結果、当社が事業実施候補者として選定されました。知事公館の歴史的・文化的価値を最大限に活かしつつ、「杜と水の迎賓館」をデザインコンセプトとし、敷地内に結婚式や季節のイベント、県民の皆様の発表の場等でご利用いただける施設を新築することで、多様な人が集い、にぎわいを生み出す空間を創出いたします。
新たな婚礼受託先として、フランス料理界の巨匠アラン・デュカス氏が統括するレストラン2店で、披露宴の企画運営を開始しました。婚礼業務を受託したレストランは「ベージュ アラン・デュカス 東京」(東京都中央区/シャネル銀座ビルディング10F)と「ブノワ 京都」(京都市東山区/ザ・ホテル青龍 京都清水 内)です。両店の披露宴やパーティーの企画から、販売、打ち合わせ、当日の演出・施行運営まで、料理および配膳以外の業務全般を担います。
婚礼施設におけるレストラン営業については、親会社であるティーケーピー社および大手旅行代理店との連携強化により宴会の受注件数が増加したこと等により好調に推移しました。これらの施策は、婚礼施設全体の収益性向上のみならず、潜在顧客層との早期接触、リピーターの定着率にも寄与します。集客力が高く実績のあるイベントを定番化しつつ、新しい企画にも積極的にチャレンジすることで、婚礼施設のさらなる稼働率アップへの貢献を図ります。
婚礼施設における新たな施策については、2025年4月から全国25府県の婚礼施設26会場のチャペルでコンサート「恋人たちの聖なる音楽堂」を無料開催しております。施設の空き時間を有効活用しながら、今後結婚式を挙げる潜在顧客の開拓を行っております。空間内は、廃棄予定のウエディングドレスを装飾に使い、アートとして有効利用します。ドレスをアートへ有効活用するのは初めてで、SDGsを意識した取り組みとします。また、2025年8月からはビアガーデンで名作映画を上映する「恋人たちのBEER CINEMA」を開催いたします。
レストラン特化型事業の新規出店については、2025年3月に、東京都港区に米ニューヨークに本店を構えるピザがメインのカジュアルイタリアン「セラフィーナニューヨーク赤坂店」を開業しました。赤坂見附駅から徒歩1分の好立地に、路面店を構えます。内装はシックでモダンなデザインで、店内はテーブル102席とバーカウンター16席を設けております。
また、2025年4月に、銀座の創作和食レストラン「SHARI(シャリ)」ブランドの新店を東京都新宿区に「SHARI 東急歌舞伎町タワー」を開業しました。東急歌舞伎町タワーの5階に構えます。西武新宿駅から徒歩1分の好立地で、和モダンなデザイン空間の中に110席(カウンター14席、テーブル96席)を設けます。
海外市場の新たな進出先として、成長著しいベトナムに現地法人を設立いたします。レストラン特化型事業の新規出店およびコンサルティング等の事業規模拡大に向けた取り組みを進め、将来的にはブライダル事業への展開を目的としております。既存事業であるブライダル事業およびレストラン特化型事業における収益基盤の拡大および収益性の向上に努めつつ、ブライダル業界の枠を超え、より多くのお客様へ高付加価値なサービスを提供できる存在となることを目指しております。
新規事業として、ブライダル会社などサービス業界への人材紹介事業に参入します。当社100%子会社である株式会社LURRAが有料職業紹介事業の許可を取得し、実務を含む事業全般を担います。企業に紹介する人材は、ノバレーゼの求人にエントリーした者のうち企業紹介を希望した者およびLURRA側で募集した者です。それらの人材を雇用側の求人ニーズと照合します。当社の募集枠では採用しきれない、高い職能・ポテンシャルを持つ人材やサービス業に興味を持つ人材を同業他社につなぐことで、業界の人手不足の解消や他業界への人材の流出防止に微力ながら貢献したい考えです。
ブライダル事業における婚礼プロデュース部門の受注活動については、受注率の改善により好調に推移しました。その結果、受注組数は2,540組(前年同期比4.4%増)、受注残組数は3,498組(前年同期比5.9%増)となりました。また、受注残組数の前年同期比増減率については、当期の受注組数の増加により前中間連結会計期間末と比較すると、7.7ポイント改善(前中間連結会計期間末は1.8%減)しております。
売上収益については、施行数および施行単価の増加による婚礼施行にかかる売上増加やレストラン特化型事業の一般飲食にかかる売上の増加等により、中間連結会計期間の売上収益は9,703百万円(前年同期比14.6%増)となりました。また、利益面では、営業利益は490百万円(前年同期比341.5%増)、税引前中間利益279百万円(前年同期は26百万円の損失)、中間利益216百万円(前年同期は20百万円の損失)となりました。
なお、当中間連結会計期間末における当社グループの店舗数は以下のとおりとなります。
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セグメント |
ブライダル事業 |
レストラン 特化型事業 |
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出店形式 |
ゲストハウス |
ドレスショップ |
その他 |
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国内 |
36 |
24 |
3 |
11 |
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海外 |
- |
- |
1 |
- |
セグメント別の状況は次のとおりであります。
(ブライダル事業)
ブライダル事業においては、前中間連結会計期間と比較すると、施行数および施行単価の増加による婚礼施行にかかる売上増加、婚礼施設での宴会や一般飲食の需要も回復傾向にあることから、売上収益は9,017百万円(前年同期比13.5%増)、セグメント利益は1,229百万円(前年同期比78.4%増)となりました。
(レストラン特化型事業)
レストラン特化型事業においては、前連結会計年度に開業した「創作Dining SHARI流川」および「Cafe&Bar BACCANO」、当中間連結会計期間に開業した「セラフィーナニューヨーク赤坂店」および「SHARI 東急歌舞伎町タワー」が当中間連結会計期間に寄与したこと、インバウンド需要や法人宴会の増加および接待利用や一般飲食が好調に推移したことから、売上収益は685百万円(前年同期比30.8%増)となりました。利益面では、新店出店に係る採用費および消耗品費などの開業費用の増加があったことから、セグメント損失は47百万円(前年同期は17百万円の利益)となりました。
(2)当社グループの財政状態に関する説明
(資産)
当中間連結会計期間末における資産合計は34,520百万円となり、前連結会計年度末に比べ211百万円減少いたしました。主な要因は、2025年新規出店および既存店に係る有形固定資産の取得により有形固定資産が722百万円および2026年新規出店店舗の差入保証金が増加したことによりその他の金融資産が75百万円増加したものの、前連結会計年度の未払法人所得税の支払等により現金及び現金同等物が1,148百万円減少したことによるものであります。
(負債)
当中間連結会計期間末における負債合計は25,436百万円となり、前連結会計年度末に比べ449百万円減少いたしました。主な要因は、顧客からの契約負債が89百万円増加したものの、前連結会計年度の未払法人所得税等の支払により404百万円減少したことおよび借入金の純減額が99百万円あったことによるものであります。
(資本)
当中間連結会計期間末における資本合計は9,084百万円となり、前連結会計年度末に比べ237百万円増加いたしました。主な要因は、中間利益を216百万円計上したことにより利益剰余金が増加したことによるものであります。
なお、将来の利益剰余金を原資とする配当等を可能な状態にするとともに、今後の資本政策の柔軟性および機動性を確保することを目的に、資本剰余金を4,754百万円減少させ、同額を利益剰余金に振り替え、欠損補填を行っております。また、譲渡制限付株式報酬としての新株式の発行により、資本金および資本準備金がそれぞれ10百万円増加しましたが、2025年3月27日開催の定時株主総会における決議に基づき、2025年5月31日付で資本金の額の減少の効力が発生し、資本金を80百万円減少し、その他資本剰余金に振り替えを行っております。
(3)キャッシュ・フローの概況
当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は2,399百万円となり前連結会計年度末に比べ1,148百万円の減少(前連結会計年度末比32.4%減)となりました。
当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、獲得した資金は911百万円となりました。主な要因は、法人所得税の支払額が551百万円およ
び利息の支払額が176百万円あったものの、未払賞与の増減額が158百万円あったことおよび減価償却費及び償却費を1,212百万円、税引前中間利益を279百万円計上したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、支出した資金は1,443百万円となりました。主な要因は、新店および既存店に係る有形固定資産の取得による支出が1,320百万円および差入保証金の差入れによる支出が109百万円あったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、支出した資金は611百万円となりました。要因は、長期借入金による収入が1,165百万円および短期借入金の純増額が10百万円あったものの、長期借入金の返済による支出が1,295百万円および建物等の賃貸借に係るリース負債の返済による支出が491百万円あったことによるものであります。
(4)経営方針・経営戦略等
当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
該当事項はありません。
当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。