文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、1927年の当社創業以来、一貫して街並みや住まいに緑の空間を提供する造園緑化事業を行ってまいりました。今後も引き続き、「街や暮らしに潤いを与える緑空間創造企業」をコンセプトとして、緑空間の創造に関して分野や地域を限定することなく、幅広い視野を持って事業を展開してまいります。
また、環境問題が取り沙汰される昨今、緑を扱うプロフェッショナルとして、事業展開の場は拡大していくと認識しております。環境創造企業として使命を全うすることにも注力し、企業価値の向上に取り組んでまいります。
(2)経営戦略及び目標とする経営指標
当社グループは、エリア展開等を経た事業規模の拡大と、予実管理の徹底による収益力の向上を目指しており、これらの目標を管理し実現するため、売上高、売上総利益率及び売上高経常利益率を経営指標として重視しております。
(3)経営環境、事業上及び財務上の対処すべき課題
当社グループを取り巻く環境は、緑化政策や自然療法をはじめ、造園に対する社会的需要が高まり続けている一方で、経験豊富な職人の不足や高齢化、労働力人口の減少に伴う求人難など、厳しい状況が続いております。このような中で、当社グループは、持続的な事業拡大に向け、以下の項目を重要な対処すべき課題として取り組んでまいります。
①人材の確保と育成
当社グループが行う造園緑化事業では、設計や施工に関する技術は専門性が高く、熟練を要するため、一朝一夕では習得することが困難です。しかしながら、顧客に求められる品質・納期・価格を達成するためには、より多くの技術者を擁し、技術力をいっそう向上することが必須であります。このため、今後の事業展開においては、優秀な人材の確保・育成及び技能の伝承が重要な課題となります。
現在、様々な業界において求人倍率が高まっており、優秀な人材を獲得すべく、新卒・中途採用ともに業種を超えた競争状態にあります。このような状況において、当社は造園緑化事業の価値・魅力を積極的に発信するため、会社説明会の開催や合同企業展への参加、求人サイト・求人広告への掲載など、多彩なメディアを活用することに加え、インターンシップ制度の積極的な活用により、高等学校や大学との関係をより一層強化し、学生への認知度を高め、造園緑化事業として唯一の上場企業という優位性を活かすことで、優秀な人材の確保に努めてまいります。また、「働き方改革」を推進することで従業員の生産性を高めるとともに、現場技術者の教育訓練を強化するための教育プログラムの充実を図ることにより人材育成を加速し、多くの現場経験を積むことで技能を伝承してまいります。
②営業エリアの拡大
事業規模を拡大するためには、現在の商圏に留まることなく、新規取引先の開拓と営業エリア拡大が必須であると認識しております。このための具体的なエリア戦略として、現在の主たる営業エリアである東海・近畿地区の他、関東地区への商圏拡大を目的として本年3月に開設しました東京営業所の増員を行い、さらなる営業強化を図ってまいります。これに伴い、東京・大阪・名古屋を中心とした三大都市圏を拠点とし、その近郊へと営業エリアを拡大するとともに、中国をはじめとする海外市場への進出も視野に入れ、事業規模の拡大を目指してまいります。
また、営業エリアの拡大と平行し、同業種のほか異業種も視野に入れたM&Aや、相乗効果が期待できる企業との事業提携等のアライアンスに関しても積極的に推進してまいります。
③内部管理体制の強化
経営環境の変化に適応しつつ、更なる事業拡大を推進し企業価値を向上させるためには、内部管理体制の強化を通じた業務の標準化と効率化が重要な課題であると認識しております。当社グループでは、内部統制の実効性の向上に向けた環境・体制を柔軟かつ適正に整備し、コーポレート・ガバナンスの充実に繋げていくことにより内部管理体制の強化に努めてまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがありますが、これらに限定されるものではありません。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経済情勢について
当社グループは、公共工事をはじめ、法人からの発注による緑地工事、個人の住宅等の造園工事等を行い、取引先は官公庁・法人・個人と幅広く展開しております。
しかしながら、官公庁並びに法人の投資動向、個人の消費動向等は経済情勢の影響を受けやすく、これらの動向によっては、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(2)特定の取引先への依存について
当社グループの売上高のうち、積水ハウス株式会社及び大和ハウス工業株式会社に対する売上高の割合は、当連結会計年度において、それぞれ17.2%、8.8%を占めております。
当社グループでは、今後とも新たな取引先の獲得や収益基盤の拡大を図っていくとともに、これら2社との取引も引き続き拡大していく方針であります。
しかしながら、これら2社からの受注が減少した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(3)材料価格、外注コストの変動について
当社グループの造園緑化工事で使用する材料は、需給のバランス等により価格が変動しております。また、当該工事の施工では外注を活用しており、建設需要の繁閑等によりコストが変動しております。
材料価格並びに外注コストが当社グループの想定を超えて上昇した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(4)法的規制等について
当社グループの事業は、「建設業法」、「宅地建物取引業法」等の法的規制を受けております。
当社グループではこれらの法令等を遵守して、事業を運営しております。しかしながら、法令違反が発生した場合、予期しない法令等の改正や新たな法令等の制定により当社グループの事業が何らかの制約を受けた場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループの事業運営に際しては、建設業に定める許可及び宅地建物取引業法に定める免許を得ております。現状、当該許認可等が取消しとなる事由はありません。しかしながら、何らかの事情により、許認可等の取消し等が生じた場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(5)人材の確保及び育成について
当社グループの事業展開には、施工品質を維持・向上するための知識・技術、また、時間とともに成長する生きた樹木を扱うことから美的創造力等の感性を持った人材の確保及び育成が必要であると認識しております。
しかしながら、当社グループの求めるこうした人材の確保及び育成が計画どおりにできなかった場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(6)労働災害について
当社グループの業務は屋外での作業に従事する場面が多く、作業現場での安全衛生管理の徹底を図り、工事部門長による現場巡回等を実施し、労働災害の予防に努めております。
当社グループでは、これまでに重大な労働災害が発生したことはありません。
しかしながら、万が一、重大な労働災害が発生した場合には、工事案件の完成遅延等が生じる可能性があり、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(7)天候・自然災害について
当社グループの業務は屋外での作業が多く、天候や自然災害による影響を受けます。
長雨、大雪などの悪天候、自然災害により工事案件の完成遅延等が生じた場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
経営成績等の状況
(1)経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済は、米中貿易摩擦への懸念や地政学的リスク等、海外情勢に起因する先行き不透明感が依然として残るものの、個人消費は底堅く推移し、堅調な企業収益を背景に緩やかな回復基調が継続しました。
建設業界においては、オフィス環境の改善や店舗の新築・改装等を中心に民間設備投資が漸増傾向にあり、公共投資についても既存インフラの管理や防災等を中心に安定的に推移しております。一方で、建設業就業者数の減少及び高齢化は深刻であり、労働力の確保が喫緊の課題となっております。
このような状況の下で、当社グループは、最大の強みである職人型現場力を発揮できる工事を受注するとともに、東京営業所を新規開設し、営業エリアを引き続き拡大しました。また、働き方改革を推進し、労働環境の改善に加え、人材の確保・育成計画の見直し等、事業規模の継続的拡大に向けた動きを本格化しました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は4,088,282千円(前連結会計年度比8.9%増)、営業利益は306,013千円(同21.4%増)、経常利益は280,088千円(同9.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は173,419千円(同0.4%減)となりました。
なお、当社グループは造園緑化事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ118,616千円減少し、当連結会計年度末には1,680,632千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は303,036千円(前連結会計年度は269,063千円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益280,088千円、減価償却費47,390千円、投資有価証券評価損35,964千円、未成工事受入金の増加31,029千円等の資金の増加に対して、法人税等の支払額86,655千円等の資金の減少によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は364,690千円(前連結会計年度は52,740千円の獲得)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出363,011千円等の資金の減少によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は56,962千円(前連結会計年度は113,957千円の使用)となりました。これは主に、長期借入れによる収入39,920千円等の資金の増加に対して、長期借入金の返済による支出44,720千円、配当金の支払額50,786千円等の資金の減少によるものであります。
生産、受注及び販売の実績
(1)生産実績
該当事項はありません。
(2)受注実績
当連結会計年度における受注実績は、次のとおりであります。
|
区分 |
受注高 (千円) |
前年同期比 (%) |
受注残高 (千円) |
前年同期比 (%) |
|
ランドスケープ |
1,620,490 |
90.4 |
561,817 |
75.4 |
|
ガーデンエクステリア |
2,484,475 |
108.0 |
527,562 |
161.3 |
|
合計 |
4,104,965 |
100.3 |
1,089,380 |
101.6 |
(注)1.当社グループの事業は、造園緑化事業の単一セグメントであるため、対象とする物件による区分にて記載しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(3)販売実績
当連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。
|
区分 |
当連結会計年度 (自 2018年10月1日 至 2019年9月30日) |
前年同期比(%) |
|
ランドスケープ |
1,804,275 |
123.4 |
|
ガーデンエクステリア |
2,284,007 |
99.7 |
|
合計 |
4,088,282 |
108.9 |
(注)1.当社グループの事業は、造園緑化事業の単一セグメントであるため、対象とする物件による区分にて記載しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 2017年10月1日 至 2018年9月30日) |
当連結会計年度 (自 2018年10月1日 至 2019年9月30日) |
||
|
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
|
積水ハウス株式会社 |
629,273 |
16.8 |
704,666 |
17.2 |
|
大和ハウス工業株式会社 |
348,831 |
9.3 |
358,145 |
8.8 |
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積りによる不確実性があるため、実際の結果は、これらの見積りとは異なる場合があります。
(2)財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末の総資産につきましては、前連結会計年度末に比べて227,695千円増加し、3,698,061千円となりました。これは主に現金及び預金が118,614千円減少したものの、受取手形・完成工事未収入金が17,293千円、建物及び構築物が266,481千円、土地が49,898千円増加したことによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末に比べて92,599千円増加し、1,155,999千円となりました。これは主に支払手形・工事未払金が21,065千円、未払法人税等が27,734千円、未成工事受入金が31,029千円、流動負債のその他が20,152千円増加したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べて135,095千円増加し、2,542,062千円となりました。これは主に利益剰余金が122,609千円増加したことによるものであります。
なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態については遡及処理後の前連結会計年度末の数値で比較を行っております。
(3)経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べて335,604千円増加し、4,088,282千円となりました。これは主にランドスケープに係る売上高がリゾート施設等の大型案件の受注等により342,137千円増加したことによるものであります。
(売上総利益)
当連結会計年度の売上原価は、前連結会計年度に比べて240,174千円増加し、2,989,084千円となりました。これは主にランドスケープに係る売上原価がリゾート施設等の大型案件の受注等により266,666千円増加したことによるものであります。
この結果、当連結会計年度の売上総利益は、前連結会計年度に比べて95,430千円増加し、1,099,198千円となりました。
なお、売上総利益率は、採算重視の選別受注等により利益率向上に努めるものの、ランドスケープの大型公共工事等の利益率が伸び悩んだ結果、26.9%(前連結会計年度は26.7%)となりました。
(営業利益)
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べて41,479千円増加し、793,184千円となりました。これは主に従業員給料及び手当が16,424千円増加したことによるものであります。
この結果、当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度に比べて53,950千円増加し、306,013千円となりました。
(経常利益)
当連結会計年度の営業外収益は、前連結会計年度に比べて12,726千円増加し、26,683千円となりました。これは主に、保険返戻金が10,516千円増加したことによるものであります。また、営業外費用は、前連結会計年度に比べて43,483千円増加し、52,609千円となりました。これは主に、投資有価証券評価損が35,964千円増加したことによるものであります
この結果、当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度に比べて23,193千円増加し、280,088千円となりました。
なお、売上高経常利益率は、人件費や設備投資に伴う減価償却費を中心に販売費及び一般管理費が増加したことや、営業外費用に投資有価証券評価損を計上した結果、6.9%(前連結会計年度は6.9%)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度において特別利益及び特別損失の計上はありません。
この結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べて735千円減少し、173,419千円となりました。
(4)キャッシュ・フローの状況の分析
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 経営成績等の状況 (2)キャッシュ・フロー」に記載のとおりであります。
(資本の財源及び資金の流動性)
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、工事の完成に必要となる外注加工費等及び人件費等の販売費及び一般管理費であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な資金を安定的に確保することを基本方針としており、自己資金及び金融機関からの借入を基本としております。
(5)経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)経営戦略及び目標とする経営指標」に記載のとおり、売上高、売上総利益率及び売上高経常利益率を経営指標として重視しております。
当連結会計年度においては、売上高3,641,000千円、売上総利益率28.9%、売上高経常利益率7.4%を目標としておりましたが、売上高は目標を上回るものの、売上総利益率及び売上高経常利益率は目標を下回る結果となりました。なお、2020年9月期は、売上高3,937,200千円、売上総利益率28.3%、売上高経常利益率8.3%を目標に掲げております。引き続きこれらの指標について、向上に努めてまいります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。