第2 【事業の状況】

 

当社グループは、建設コンサルタント事業のみの単一セグメントのため、セグメント別の記載はしていません。

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国の経済は、政府の経済対策や日銀の金融緩和施策の影響、海外経済の回復を背景として、雇用情勢や消費者マインドの改善が見られ、力強さに欠けながらも緩やかな回復基調で推移しました。

当社グループの属する建設コンサルタント業界においては、加速する橋梁・道路等のインフラ老朽化対策事業、発生が懸念される巨大地震や激甚化する気象災害に対する防災・減災事業、人口減少・高齢化社会に対応した持続可能な地域社会の形成を目指した活性化事業や社会基盤強化事業、などの公共事業投資を中心として比較的堅調な事業環境で推移しました。

このような状況の中で、当社グループは「第3次長期プラン」に基づき、各営業地域と主要技術部門の縦横連携による生産力・生産体制の強化(マトリックス型組織運営体制)と、競争力向上のための研究活動および新事業創出に向けた開発活動を継続深化させています。。

また、平成28年11月には、株式会社福山コンサルタント北九州本社を顧客隣接エリアである北九州市小倉北区鍛治町に土地・建物を取得して移転し、職場環境の再整備と生産体制の強化を図りました。
 更に、平成29年1月4日付で純粋持株会社(完全親会社)である「株式会社FCホールディングス」を設立しました。これにより、各事業会社の強化と同時にグループ各社の連携強化をすすめ、企業集団としての経営効率化、ガバナンス体制再整備によって強固なグループ経営を推進してまいります。加えて、持株会社体制の利点を活かした他社との資本&業務提携の促進によって、コア事業の補強と新たな事業領域への展開を図り、長期プランの戦略目標達成を目指してまいります。

この結果、当連結会計年度の受注高は64億87百万円、売上高は、68億57百万円となりました。一方、損益面では、経常利益は7億14百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は4億36百万円となりました。

 

 

 

当連結会計年度の事業分野別の売上高は次のとおりです。

 

事業分野

当連結会計年度

 

金額(千円)

比率(%)

交通マネジメント系

2,520,101

36.8

地域マネジメント系

248,036

3.6

環境マネジメント系

521,190

7.6

ストックマネジメント系

1,236,939

18.0

リスクマネジメント系

1,609,110

23.5

建設事業マネジメント系

721,729

10.5

合計

6,857,108

100.0

 

 

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金および現金同等物(以下「資金」という)は、17 億70 百万円となりました。

また、当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果、獲得した資金は4億28百万円となりました。

これは主に、税金等調整前当期純利益7億14万円、減価償却費1億18百万円、未成業務支出金(たな卸資産)の減少額1億46百万円、売上債権の増加額1億68百万円、法人税等の支払額2億46百万円によるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果、獲得した資金は3百万円となりました。

これは主に、有形固定資産の取得による支出1億22百万円、有形固定資産の売却による収入1億43百万円によるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果、使用した資金は72百万円となりました。

これは主に、配当金の支払額66百万円によるものです。

 

 

2 【受注及び販売の状況】

(1) 受注の状況

当連結会計年度における受注状況は次のとおりです。

 

事業分野

当連結会計年度

(自  平成28年7月1日

至  平成29年6月30日)

受注高

金額(千円)

交通マネジメント系

2,546,341

地域マネジメント系

239,609

環境マネジメント系

660,360

ストックマネジメント系

1,000,161

リスクマネジメント系

1,428,781

建設事業マネジメント系

612,181

合計

6,487,438

 

 

(2) 販売実績

当連結会計年度における販売実績は次のとおりです。

 

事業分野

当連結会計年度

(自  平成28年7月1日

至  平成29年6月30日)

金額(千円)

交通マネジメント系

2,520,101

地域マネジメント系

248,036

環境マネジメント系

521,190

ストックマネジメント系

1,236,939

リスクマネジメント系

1,609,110

建設事業マネジメント系

721,729

合計

6,857,108

 

(注)  主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりです。

 

相手先

当連結会計年度

(自  平成28年7月1日

至  平成29年6月30日)

金額(千円)

割合(%)

国土交通省

2,522,281

36.8

 

 

 

(3) 外注の状況

当社グループは、交通量調査、測量、設計および施工管理の一部を外注に依存しています。その依存度は、当連結会計年度の業務原価に対して27.2%です。

なお、外注依頼先は、株式会社サーベイリサーチセンター等です。

 

 

3 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

今後の経営環境は、米国の保護主義的諸施策や東アジアや中東における地政学リスク等の懸念材料が深刻化した場合には世界経済の減速が生じる可能性があり、わが国の景気の牽引役である輸出の鈍化を受けて、景気後退局面に陥る可能性も払拭できません。また、実質賃金の低迷による個人消費の低迷懸念や、人手不足による供給制約に直面するリスクも一部業種で指摘されるなど、不透明感が払拭できない状況で推移していくものと思われます。

建設コンサルタント業界にあっては、橋梁や道路等のインフラストックの長寿命化対策や、巨大地震や豪雨等の大規模災害に対する復旧・復興・防災・減災事業に加え、2050 年を見据えた国土づくりの理念や考え方としての「対流促進型国土」形成を目指す国土形成計画を踏まえ、高齢化・人口減少社会に備えた地域のコンパクト・プラス・ネットワーク化の推進もあって、中期的には現状レベルの市場環境を最低限として維持する底堅い環境で推移するものと思われます。しかしながら、逼迫する財政状況や生産性向上とワークライフバランスによる仕事と生活の調和が強く求められている社会環境を踏まえると、予断は許されず、知的集約産業としての独自の生産性向上策の実行が喫緊の課題となっています。
 このような状況に対処するため、当社グループは、5年目に入る「第3次長期プラン」のシナリオに沿って、短期的には生産力・生産体制の強化を図りつつ、中期的には新技術開発の強化と建設コンサルタント事業領域の拡大を、長期的には新ビジネス事業領域の獲得を進め、長期プラン最終年次である平成31年6月期の連結売上高100億円達成を目標に、企業集団としての進化と企業価値向上を図ってまいります。

今後、新たな事業分野の組み入れやグループ全体のコーポレートガバナンス体制の強化、経営資源の適正配分、人材の育成などを「株式会社FCホールディングス」を中心にして、一体的な運営を図ってまいります。

なお、核とする中期的な経営戦略は以下のとおりです。

① 九州と東京の二核・東西ブロック体制強化による戦略的受注と事業領域の拡大

② 積極的な人材採用、地元企業との積極的アライアンスによる生産力の強化

 ③ 生産活動の効率化・品質レベルの継続的向上と社員のライフステージに応じたワークライフバランスの推進

 ④ グループ企業並びに異業種企業と連携した新技術開発の促進と商品化の加速

 ⑤ グループ経営の進化を目指した間接業務のプラットフォーム形成と資本・業務連携の促進による新ビジネス領域の獲得

 ⑥ 短期・中期・長期のシナリオに沿った大規模災害等の危機管理事案に即応する全社リスク管理と九州に本店を置く企業として、熊本震災からの早期復旧に向けた積極的な貢献

 

上記の経営戦略の実施が対処すべき基本的な課題と認識しています。ロードマップにより各戦略の進捗状況とその効果を確認・評価しながら、着実に成果目標を達成していく所存です。
 また、これらを進めるうえで、以下の2点が課題であると認識しています。

①  人材育成

社会資本整備を担うコンサルタント技術集団として、社員個々の技術力、企画力、提案力等の強化・育成が不可欠です。そのため、人事考課制度に基づき知識・能力の育成や企画力、表現力等を評価しつつ、教育訓練制度によりこれらを継続的に補い、強化しています。

また、技術士および学位取得支援制度により、より高度な資格を取得することで、社員の人材育成を図っています。

②  広報活動

限られた公共事業予算の中で、事業活動を継続し、社会資本整備に関わる技術の開発・継承を行ってい
くこと、多発する大規模災害時における緊急対応力の維持・向上が当社グループの社会的使命であると理
解し、建設産業の役割に関する広報活動も、上場企業としての責務として認識しています。

 

なお、文中の将来に関する記述は、当連結会計年度末(平成29年6月30日)現在において、当社が判断したものです。

 

4 【事業等のリスク】

当社グループの事業その他に関するリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項には以下のようなものがあります。当社は、これらのリスクの可能性を認識し、発生の回避および発生した場合の対応に備えております。

なお、文中の将来に関する記述は、当連結会計年度末(平成29年6月30日)現在において、当社が判断したものです。

①  国・地方公共団体への高い受注依存

国および地方公共団体からの受注比率が高いことから、社会基盤整備関係予算の縮減が継続した場合には、
経営成績に影響を受ける可能性があります。

②  法的規制

会社法、金融商品取引法、独占禁止法、個人情報保護法、建設コンサルタント登録規程などの様々な法的規
制の適用を受けており、万一会社の信頼を損なう事態が発生した場合には、経営成績に影響を受ける可能性が
あります。そのため、コーポレートガバナンス体制の強化、コンプライアンス姿勢の徹底を図っています。

③  成果品の瑕疵

成果品に瑕疵が発生した場合には、公共発注機関からの指名停止等により経営成績に影響を受ける可能性が
あります。そのため、品質保証規格ISO9001 を主要ツールとして、成果品質の確保と向上に努めています。なお、万一瑕疵が発生した場合に備え、建設コンサルタント損害賠償責任保険に加入しています。

④  情報セキュリティ

事業活動において個人情報等、種々の秘匿対象情報を取り扱う場合もありますが、リスク管理マニュアル並
びに情報セキュリティ管理規程に基づき、漏洩防止の徹底を図っています。IT化や電子納品制度の進展に伴
い、情報セキュリティに関する潜在的なリスクが増大していることから、管理体制と社員教育の一層の強化を
進めています。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

近年、ICTの急速な進展に伴い、ビックデータ、AI、センサ技術等が急速に進展しています。これらの先端的な技術を用いて、社会資本に関する様々な課題を解決することが求められています。当社グループは、ICT技術等の先端的技術を先取的に取り込み、体系的な研究開発活動を進めています。具体的には、幅広いテーマを扱う「基礎研究」活動、研究の熟度を高め特許取得等の知的財産権の確定を目指し、商品化を促進する「製品開発」に区分しています。

「基礎研究」においては、学位所得支援制度により、大学の先進的・基礎的技術力の習得に努めています。同制度で9名が取得し、更に現在4名が学位取得に向けてチャレンジ中です。また、「改訂 生活道路のゾーン対策マニュアル(交通工学研究会)」「決定版!グリーンインフラ(グリーンインフラ研究会)」の執筆に参画し、外部研究活動にも積極的に取組んでいます。さらに、社内においては、新たな事業創出のため、中堅・若手による新規事業の公募制度を導入しました。

「製品開発」では、当社を中心として、マーケット分析、事業スキーム、外部企業とのアライアンス等の事業化検討を並行して実施し、商品成立を目標とした研究開発を実施しています。特に、モニタリング、海外、交通系ICT、官民連携・支援等の開発テーマについては集中的に投資し、早期の商品化を目指しています。

 具体的な製品開発は以下のとおりです。

 

① 逆走行対策技術
 東日本・中日本・西日本高速道路株式会社が公募した逆走対策技術に、共同研究会社と「三次元空中浮遊映像システム」を応募し、採択され、現在、高速道路上で実証試験を行っています。映像を運転者の目の前に映し出し、逆走行車両に注意喚起を促すシステムです。

 

② 道路構造物点検自動化技術
 道路構造物の点検ロボット及び解析技術の開発を、大学及び複数の企業と進めており、現在主要技術について特許出願中であり、実用化に向けて、製品作成、実証試験、商品化を進めています。

 

③ センサ-技術を用いたモニタリング商品群の開発
 ・センサ-技術を使った橋梁・道路構造物モニタリング
 内閣府の戦略的イノベーションプログラムで採択された「センサ-技術を使った橋梁モニタリング」の実証実験を行っており、また、コンクリート構造物の疲労度のモニタリングシステムに関する特許を取得しました。さらに、大学や国内外の複数企業とともに道路構造物のモニタリングシステムの事業化スキームの検討を行っています。
 ・水位センサ-を用いた河川氾濫監視システム
 近年の集中豪雨により中小河川等の氾濫を監視するシステムとして、平成24年度から水位センサ-の実証検証を実施し、さらに今期、低価格帯の水位センサーシステムを開発し、販売を開始しました。
 ・簡易トラフィックカウンターのビジネス展開
 交通状況をセンサ-で計測・監視する簡易トラフィックカウンター(PoST Gauge)を、複数の企業体と開発し、平成28年4月に国土交通省新技術情報提供システム(NETIS)に登録し、販売スキームを構築し商品販売を開始しました。
 

④  交通系ICTデータを活用した商品開発
 共同研究会社が提供する「モバイル空間統計」データを用いて、各地域の移動状況を分析したレポートを自治体様などにご提供する、「ビックデータを活用した地域計画支援レポート」ビジネスを開始しました。
また、交通ICTデータで入手したモバイルの移動データの解析技術に関して、平成28年度に引き続き29年度も新たに特許を取得し、この技術を活用した新たな事業展開を目指しています。
 

上記活動における支出は45,241千円です。

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(平成29年6月30日)現在において、当社が判断したものです。

 

(1)  財政状態の分析

当連結会計年度末における資産合計は、51億32百万円、負債合計は、14億50百万円、純資産合計は、36億81百万円となりました。

(2) 経営成績の分析

「1 業績等の概要  (1) 業績」を参照下さい。

 

(3) キャッシュ・フローの分析

「1 業績等の概要  (2) キャッシュ・フローの状況」を参照下さい。

 

 

消費税等について

上記「第2 事業の状況」に記載の金額については、消費税等は含まれていません。