文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものです。
(1) 経営成績の分析
当第3四半期連結累計期間におけるわが国の経済は、中国経済の成長鈍化、米中貿易摩擦、英国の欧州連合離脱問題、IT関連需要の減速等の海外要因に加えて、人手不足の深刻化や原油価格の反発もあり、製造業を中心として企業マインドの悪化が顕在化し、根強いインバウンド需要や日本政府の経済対策、日銀の金融緩和施策の継続があるものの、景気が後退局面入りする懸念も出てきました。
このような経済環境の中で編制された2019年度予算の中で政府は、国土交通省関連として、「被災地の復旧・復興」、「国民の安全・安心の確保」、「力強く持続的な経済成長の実現」および「豊かな暮らしの礎となる地域づくり」の4分野に重点化するための経費を計上し、特に重要インフラの点検結果等を踏まえた防災・減災、国土強靱化のための緊急対策を集中的に講じることを決定しました。
当社グループの属する建設コンサルタント業界は、頻発する大規模な気象災害や地震により緊急度が認知されて事業量が増加している防災・減災事業や橋梁・道路等の老朽化対策事業に加えて、少子高齢化・人口減少社会を踏まえた地方創生事業、ならびに前述のインバウンド需要拡大に対応した社会基盤整備等、持続可能な社会の実現(SDGs)に向け、これまで以上に事業分野が多様化しています。また、BIM/CIM(三次元設計)への対応やi-Construction等のICTを活用した建設生産システム全体の生産性向上や新たな事業創出、市場開拓が、業界を挙げて取り組むべき重要な経営テーマとなっています。
このような状況の中で、当社グループは、専門技術サービス事業者として、より柔軟な組織マネジメント思考と多面的な組織対応力が不可欠であると認識し、新たな商品となる「新事業創出」、海外を含めた「新市場開拓」、安定した事業運営のための「多様な顧客の獲得」に努めています。
当事業年度は、当社グループの特定子会社である株式会社福山コンサルタントが創業70周年を迎える節目の年度であると同時に、6年間を計画期間とする経営計画(第3次長期プラン)の最終年次でもあります。同社を中心として、グループ各社の強化と次期経営計画に繋がる企業集団の進化・成長を図るべく、生産力・生産体制の増強、技術開発の促進、外部連携等による建設コンサルタント事業領域の拡大並びに新たなビジネス領域の開発・獲得などを進めています。
この活動の一環として、2018年7月、当社グループ全体の研究機関の位置づけで、新たに次世代の中核事業創出を行う株式会社SVI研究所(Social Value Incubation lab)を設立しました。主には、位置情報などのビックデータを活用した新たな都市・地域マネジメント事業の創出や民間市場開拓、ならびに各種センサーなどIoT技術を活用したモニタリングシステムの開発を進めています。
また、同年8月、動植物等の自然環境調査や環境アセスメント、とんぼやホタルなどの野生生物の生育環境に着目した自然環境設計(エコロジカルデザイン)並びに低炭素型社会実現を促進するまちづくり計画などを主な事業とする株式会社エコプラン研究所との間で資本業務提携を締結し、グループ力強化を図りました。なお、2019年4月、同社と株式会社福山コンサルタントは、NPO法人北九州ビオトープ・ネットワーク研究会との3法人で組成する共同企業体として、北九州市若松区に立地する「響灘ビオトープ」の指定管理者として、施設の管理運営を開始しました。
更に、2018年12月、子会社である株式会社環境防災は、生産力増強および職場環境整備のため老朽化した試験棟の改築工事に着手するとともに、試験機器を更新し試験・分析内容の高度・効率化を推進中です。また、2019年1月には、株式会社福山コンサルタント中四国支社の強化策として、社屋新築工事に着手しました。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間は、当社グループが得意とする交通マネジメント分野や老朽化対策分野、鉄道関連分野等の堅調な業務受注により、受注高は前年同期比11.9%増となる93億14百万円となりましたが、業務完了時期が第3四半期末を超える業務が拡大したため、売上高は27億53百万円(前年同期比1.2%減)となりました。
損益面では、研究開発投資の増加や働き方改革の推進と労働時間削減を目指した生産工程の一部外製化を行ったこともあり、経常損失31百万円(前年同期は経常損失14百万円)、親会社株主に帰属する四半期純損失は51百万円(同 親会社株主に帰属する四半期純損失45百万円)となりました。これら段階利益における損失は、主要顧客である官公庁の会計年度末に完了・納品する業務が大半を占める関係上、当社グループの売上高が第4四半期に集中するため、第3四半期までは経常損失が続き第4四半期で経常利益となることが常態となっている例年の傾向に同じです。
(総資産)
総資産は前連結会計年度末に比べて22億16百万円増加し、78億79百万円となりました。これは主に、仕掛業務量の増加を受けた未成業務支出金の増加20億34百万円、受取手形・完成工事未収入金の増加7億13百万円、現金及び預金の減少7億29百万円によるものです。
(負 債)
負債は前連結会計年度末に比べて23億72百万円増加し、38億56百万円となりました。これは主に、運転資金として調達した短期借入金の増加16億50百万円、未成業務受入金の増加6億86百万円、賞与引当金の増加2億7百万円、未払法人税等の減少2億18百万円、未払消費税・預り金等のその他流動負債の減少3億59百万円によるものです。
(純資産)
純資産は前連結会計年度末に比べて1億56百万円減少し、40億22百万円となりました。これは主に、四半期純損失並びに前期利益配当金の支払いの影響による利益剰余金の減少1億45百万円によるものです。
当第3四半期連結累計期間において当連結グループが定めている経営方針・経営戦略等に重要な変更および新たに定めたものはありません。
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの事業上および財務上の対処すべき課題に重要な変更および新たに生じた課題はありません。
当第3四半期連結累計期間における研究開発費の総額は67百万円です。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。