当社グループは、経営資源の配分、業績評価等の観点により、建設コンサルタント事業を営む単一セグメントとしていましたが、2020年2月4日付の事務所用物件(土地・建物)の取得により、当社と現賃貸人との間で賃貸借契約を締結したことから、賃貸収入が発生しました。
ついては、当連結会計年度より報告セグメントに不動産賃貸事業を新たに追加し、単一セグメントから変更しています。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1)経営方針
当社グループは、「新しい価値を創造する専門家集団」の形成を志向し、地域の安全・安心と持続ある国土形成に寄与する事業分野における活動を行っています。
特定完全子会社である株式会社福山コンサルタントの運営の基本としてきた「基本は技術」という考え方を、当社グル―プ全体に共通する「Strong Culture」として承継・育成し、多様化・複雑化する社会資本整備における要請に対して、常に高い技術力で応え続けてまいります。
(2)中長期的な経営戦略および経営指標
中長期の経営戦略は以下のとおりです。
①建設コンサルティング分野の多分野化による市場投入商品群の拡張
②国内市場の広域展開加速と海外市場への参入加速化による対象市場規模の拡張
③官公庁に加えて民間顧客展開加速による顧客増の拡張
具体的な目標数値としては、2019年7月からスタートした新中期経営計画で掲げる「Co-Creation(共創)22」を旗印に、同計画期間末である2022年6月期では、連結売上高85億円、営業利益・経常利益9億円、当期純利益5億円、営業利益率10%以上、ROE10%以上を目指しています。
(3)経営環境
当社グループの属する建設コンサルタント業界は、公共投資は堅調に推移していますが、特に、頻発・激甚化する気象災害や南海トラフ、首都直下などの巨大地震災害への防災・減災事業、深刻化する橋梁・道路等の老朽化対策事業に加えて、高齢化・人口減少等の急進により緊急性が増している活力ある地方創生の取組みなど、様々な課題への対応が求められています。また、i-Constructionの推進による建設生産システム全体の生産性向上とともに、ワーク・ライフ・バランスや在宅勤務によるテレワークの推進といった働きやすい労働環境整備の促進など、より高い次元での経営力・有機的組織力が必要となっています。
(4)対処すべき課題
世界的な新型コロナウイルス感染症拡大の長期化により、国内外の経済活動の減速が顕著となり、今後の社会経済環境は、下振れリスクを抱えた予断を許さない状況で推移していくものと思われます。
当社グループの属する建設コンサルタント業界にあっては、人々の安全・安心に直結する防災・減災事業、橋梁・道路等の老朽化対策事業、地方創生等、対応を継続していく必要のある事業が多く、新型コロナウイルス感染症拡大長期化の影響は国内事業においては、他の業界よりも小さいものと予想しています。しかし、主たる顧客が行政機関であることから、国・地方の予算編成において、新型コロナウイルス感染症対策の影響を受ける形で公共事業関連予算が縮小された場合あるいは発注遅れが生じた場合、当社グループの事業規模に一定程度の影響が生じると思われます。また、一部の子会社が行う海外事業については、世界各国における出入国制限規制等により、一部のプロジェクトで進行遅延や工期延長等の影響が生じており、出入国規制等が長期化する場合、業績に影響を与える可能性があります。新型コロナウイルス感染症拡大の長期化の影響として考えられる「事業規模の縮小」、「新たな生活様式」への対応として、当社グループは、中期経営計画に沿って、特に「事業の多様化」と「生産の効率化」のスピードアップが重要と考え、重点的に施策展開を実施していくこととしています。
当社の主要子会社である株式会社福山コンサルタントは、2020年7月より従来の交通系・地域系・環境系の業務分野を交通・環境マネジメント系として、同じく、ストック系・リスク系・建設事業系の業務分野をインフラマネジメント系として組織を再構成し、業務領域の一層の拡大や新規分野展開の加速化により、「事業の多様化」を進めていくこととしました。また、IT関連機器の積極的な整備と基幹システム改変によって、テレワーク時においても事業場勤務時と同程度の生産力を維持するための生産の効率化対策に重点的に取り組んでいきます。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財務状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する記述は、当連結会計年度末(2020年6月30日)現在において、当社グループが判断したものです。
① 国・地方公共団体への高い受注依存
国および地方公共団体からの受注比率が高いことから、社会基盤整備関係予算が縮減された場合には、経営成績に影響を受ける可能性があります。
② 法的規制
会社法、金融商品取引法、独占禁止法、個人情報保護法、下請法、建設コンサルタント登録規程などの様々な法的規制の適用を受けており、関連する内容で会社の信頼を損なう事態が発生した場合には、国および地方公共団体からの受注の前提となる指名競争入札参加資格の取り消しや一定期間の停止も予想されることから、ともなって経営成績に影響を受ける可能性があります。そのため、コーポレートガバナンス体制の強化、コンプライアンス姿勢の徹底を経営の重要課題として運営しています。
③ 成果品の瑕疵
成果品に瑕疵が発生した場合には、当該顧客からの指名競争入札参加資格の停止等により経営成績に影響を受ける可能性があります。そのため、品質保証規格ISO9001を活用して、成果品質の確保と向上に努めています。なお、万一瑕疵が発生した場合の損害賠償請求に備え、建設コンサルタント損害賠償責任保険に加入しています。
④ 情報セキュリティ
事業活動において個人情報等、種々の秘匿対象情報を取り扱う場合もあります。万が一情報漏洩等が発生した場合には、経営成績に影響を受ける可能性があります。ついては、プライバシーマークの取得(17003301)による信頼性を確保するとともに、リスク管理マニュアルならびに情報セキュリティ管理規程に基づき、漏洩防止の徹底を図っています。IT化や電子納品制度の進展に伴い、情報セキュリティに関する潜在的なリスクが増大していることから、管理体制と社員教育の一層の強化を進めています。
⑤ 災害等による事業活動への影響
当社グループでは、万一の自然災害に備えてBCP(事業継続計画)を策定するとともに、定期的な訓練により防災管理体制を敷いています。しかし、自然災害の規模によっては事業活動が低下あるいは制約される等、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 新型コロナウイルス等、感染症拡大の影響
当社グループでは、新型コロナウイルス感染症に関しては、感染症に備えたBCP(事業継続計画)にそって危機管理本部を設置し、在宅勤務、時差ならびに交代出勤、事業場の三密排除、出張等の移動制限等、役職員の安全衛生と健康管理対応を徹底して、経営への影響の最小化を図っています。しかし、今後当社グループ役職員や事業展開する地域において、新型コロナウイルス等の感染症が拡大した場合には、一時的に事業場の閉鎖等によって、経営成績に影響を受ける可能性があります。
⑦ 業績の季節変動
当社グループの売上高は、主要顧客である国および地方公共団体への納期が年度末に集中することから、売上高ならびに利益が第4四半期連結会計期間に偏重しています。
なお、前連結会計年度及び当連結会計年度の各四半期連結会計期間の売上高、営業損益は下表のとおりです。
(単位:千円)
(単位:千円)
⑧ 業務提携・企業買収等のリスク
当社グループでは、中期経営計画に基づいて他社との業務提携を積極的に推進しています。加えて、企業買収等についても重要な成長戦略のひとつと位置付けています。企業買収等に際しては、対象企業の財務・事業等について事前に十分にリスクを吟味し正常収益力を分析した上で機関決定しますが、買収後に偶発の債務の発生や未認識債務の判明等事前調査で把握できなかった問題が生じた場合、また事業の展開等が計画どおりに進まず想定した企業価値の向上を生まない場合には、のれんの減損処理を行う必要が生じる等、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度より報告セグメントに不動産賃貸事業を新たに追加し、建設コンサルタント事業を営む単一セグメントから変更しています。
① 財政状態の状況
当連結会計年度の財政状態は、総資産は前連結会計年度末と比べ32億8百万円増加し、92億78百万円となりました。これは主に、設備投資として株式会社福山コンサルタント中四国支社の新社屋竣工、同社東京支社の事務所ビル取得等による土地・建物を合わせた固定資産が18億42百万円増加したこと、および株式会社地球システム科学の子会社化等による完成工事未収入金が8億5百万円、のれんが5億86百万円増加したことが大きな要因です。
負債は、前連結会計年度末と比べ27億95百万円増加し、44億17百万円となりました。これは主に、前述の設備投資資金および株式会社地球システム科学の株式取得資金として、金融機関から長期借入金を26億円調達したことによるものです。
純資産は、前連結会計年度末と比べ4億13百万円増加し、48億60百万円となりました。これは主に、当期純利益の増加および株式会社地球システム科学の子会社化による利益剰余金が4億13百万円増加し、退職給付に係る調整累計額が83百万円減少したことによるものです。
② 経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国の経済は、米国と中国の通商問題の長期化や消費税増税による国内消費鈍化のなか、新型コロナウイルス感染症の世界的大流行の影響を受けて、かつてないほどの先行き不透明感が増大しました。
当社グループの属する建設コンサルタント業界は、国の予算早期成立や公共投資規模の持続を受けて、概ね堅調に推移しました。特に、頻発・激甚化する気象災害や南海トラフ、首都直下などの巨大地震災害に備えた防災・減災事業、深刻化する橋梁・道路等の老朽化対策事業、深刻化する橋梁・道路等の老朽化対策事業に加えて、高齢化・人口減少等の急進により緊急性が増している活力ある地方創生への取組みなど、様々な社会課題への対応が求められています。更に、i-Constructionの推進による建設生産システム全体の生産性向上とともに、ワーク・ライフ・バランスやテレワークの推進といった時代のニーズに即した労働環境整備など、より高い次元での経営力・有機的組織力が重要になってきています。
このような状況の中で、当社グループは、2019年7月より3年間を計画期間とする「新中期経営計画」をスタートさせ、「Co-Creation(共創)22」をスローガンに、自社単独主義から脱し、他社との連携を強化して企業集団としての価値向上を進めています。成長の基本方針として、①コンサルティング分野の他分野化による提供商品の拡張、②海外展開の加速化を中心とした展開市場の拡張、③民間顧客を含めた顧客の多層化の3点を強く推進しています。
以上の結果、当連結会計年度は、受注高が公共事業の伸びと同様に堅調に推移したことや株式会社地球システム科学が第4四半期から連結対象となったこともあり、80億94百万円(前年同期比9.1%増)となりました。売上高は、新型コロナウイルス感染症の影響により一部に工期延長が発生した業務がありましたが74億12百万円(同1.0%増)と過去最高を更新しました。
損益面では、外注費や間接経費等のコスト縮減を図ったこともあり、経常利益8億58百万円(同16.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は5億17百万円(同13.6%増)と、利益面でも過去最高を更新しました。
セグメントごとの業績は、次のとおりです。なお、当連結会計年度より、報告セグメントを変更しており、当連結会計年度の比較分析は変更後の区分に基づいています。
(建設コンサルタント事業)
建設コンサルタント事業の具体的戦略としては、現在比較優位にある既存事業分野において、異業種企業なども含む様々な連携により一層の強化を図るとともに、AIやICT活用により多様な新規事業の創出を目指しています。
当社の主要子会社である株式会社福山コンサルタントでは、社会資本の老朽化対策事業への対応として、橋梁下部工モニタリングシステムの提供を開始し、モニタリング市場への本格的な展開を始動しました。さらに、大学・民間企業と連携し、AI画像解析による橋梁・下水道の点検自動化システムの開発を進めて、更なる市場拡大中です。
また、新たな社会の創造に向けて、自動運転やMaaS等の次世代モビリティの社会実装に向け、多様な企業と連携し様々な活動を実施しています。2020年2月には、自動運転技術メーカーのアイサンテクノロジー株式会社および損害保険ジャパン株式会社と連携し、自動運転導入支援サービスを開始しました。内閣府の「近未来技術等社会実験事業」にも参画し、埼玉県川口市の自動運転の社会実装のための実験を行いました。最新技術を活用した各種サービス事業展開として、スマートシティ関連プロジェクトへの取組みも強化しています。国土交通省のスマートシティモデルプロジェクトにおいて、同社が主たる構成員として参画している新潟市スマートシティ協議会の提案モデルが、早期の社会実装が見込まれるプロジェクトとして「令和2年度先行モデル事業」に選定されました。
防災・減災分野においては、国土の保全と災害での復旧復興対策など「安心・安全な環境創出」に積極的な取り組みを継続しています。一例としては、2019年夏の九州地域豪雨における高速道路の被災復旧対応への同社の活動に対し、西日本高速道路株式会社および西日本高速道路エンジニアリング九州株式会社から、また、2019年東日本台風被災時に東北地域で同社が実施した復旧対応に対し、国土交通省東北地方整備局から感謝状を授与されました。
株式会社SVI研究所では、様々なICT企業との連携を進め、位置情報等のビッグデータ解析による人流分析技術を開発するとともに、防災関連技術として、豪雨災害時被害軽減を目的としたAI水位予測システムを完成させました。前者の技術を活用し、商業施設・スポーツ施設のマーケティング分析を実施するとともに、コロナ禍での福岡県内の人の移動や感染拡大防止のための取組手法を分析し、土木計画学研究委員会や各種メディアを通じて公表しました。また、後者のシステムは地方公共団体への販売を開始しました。
四国地域を地盤とする子会社株式会社環境防災では、2019年6月に導入した万能試験機を活用した高強度鉄筋・コンクリート試験業務の受注が堅調に推移中であり、同年12月には水道水検査機関として厚生労働省の認可を取得して検査業務における分野の拡張も順調に進めています。
展開市場および分野の拡張戦略として、2020年3月に防災・水資源・環境分野を主要事業とし、国際協力機構等を主な顧客とする株式会社地球システム科学との間で株式譲渡契約を締結し子会社化しました。これにより、海外展開を加速化させていくとともに、当社グループ内での連携強化により、国内外での防災および水関連分野を拡大していきます。
以上の結果、売上高は73億97百万円(前年比0.8%増)、損益面では、外注費や間接経費等のコスト縮減を図ったこともあり、営業利益は8億70百万円(同17.8%増)となりました。
当連結会計年度の建設コンサルタント事業の事業分野別の売上高は次のとおりです。
建設コンサルタント事業における当連結会計期間の国内・海外での販売実績は以下のとおりです。
(不動産賃貸事業)
不動産賃貸事業については、2020年2月4日付の事務所用物件(土地・建物)の取得により、当社と現賃貸人との間で賃貸借契約を締結したことから、賃貸収入が発生しました。その結果、売上高は15百万円、営業損失は9百万円となりました。
当連結会計年度における現金および現金同等物(以下「資金」という)は、18億90百万円となりました。なお、当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、獲得した資金は21百万円(前連結会計年度は4億34百万円の獲得)となりました。
これは主に、税金等調整前当期純利益8億34百万円、減価償却費1億43百万円、売上債権の増加額3億88百万円、未成業務支出金(たな卸資産)の増加額1億75百万円、法人税等の支払額3億66百万円によるものです。
完成業務未収入金の増減額、未成業務支出金の増減額などの影響によって、獲得資金は、前連結会計年度と比較し、4億12百万円減少しました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は24億7百万円(前連結会計年度は2億44百万円)となりました。
これは主に、経営成績の概況に記載した社屋建設費および事務所購入等の有形固定資産の取得による支出19億2百万円、株式会社地球システム科学の株式取得による支出5億円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
獲得した資金は21億45百万円(前連結会計年度は1億円の使用)となりました。
これは主に、事務所購入等のための長期借入による収入26億円、株式会社地球システム科学が取引金融機関から調達していた長期借入金の返済による支出2億27百万円、同じく短期借入金の返済による支出1億40百万円と配当金の支払額1億3百万円によるものです。
④ 受注及び販売の状況
当連結会計年度における受注状況は次のとおりです。
(注)1 当連結会計年度における建設コンサルタント事業の分野別の受注実績は、次のとおりです。
(注)2 当連結会計年度における建設コンサルタント事業の国内・海外での受注状況は次のとおりです。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりです。
(注)1 セグメント間の取引については、相殺消去しています。
(注)2 当連結会計年度における建設コンサルタント業界の主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりです。
(注)3 当連結会計年度における建設コンサルタント事業の分野別の販売実績は、次のとおりです。
(注)4 当連結会計年度における建設コンサルタント事業の国内・海外での販売実績は次のとおりです。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(2020年6月30日)現在において、当社が判断したものです。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成して います。この連結財務諸表の作成にあたっては、一定の会計基準の範囲内で見積りが行われており、資産・負債の状況に反映しています。これらの見積りおよび仮定については、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、これらの見積りおよび仮定には不確実性が伴うため、実際の結果はこれらの見積りとは異なることがあります。
当社グループの連結財務諸表において採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載していますが、特に重要なものは以下のとおりです。
なお、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う会計上の見積りに与える影響は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載しています。
1) 受注損失引当金
当社グループは、受注業務に係る将来の損失に備えるため、当連結会計年度末の未成業務のうち、損失の発生が見込まれ、かつ、当該損失額を合理的に見積ることができる業務については損失見込額を計上しています。想定外の事象の発生等により、当初の想定損失見込額より多額となる場合は、実際の損失見積額と異なる可能性があります。
2) 繰延税金資産
当社グループは、連結貸借対照表上の資産・負債の計上額と課税所得の計算上の資産・負債との一時差異に関して法定実効税率を用いて繰延税金資産および繰延税金負債を計上しています。また、繰延税金資産の回収可能性を評価するに際しては、将来の課税所得を十分に検討し、合理的に見積っていますが、将来の課税所得が予想を下回った場合は、繰延税金資産の修正が必要となる可能性があります。
3) のれんの減損
当社グループは、のれんについて、その効果の発現する期間を見積り、その期間で均等償却しています。資産性については、子会社の業績および事業計画等をもとに検討し、判断していますが、将来において経営環境の悪化等により収益が当初の想定を下回る場合は、のれんの減損処理を行う可能性があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高は74億12百万円と前連結会計年度と比べ76百万円増加しました。これは主に、子会社化した株式会社地球システム科学による売上高の増加と、IT等を活用した地域マネジメント分野への展開によるものです。
売上総利益は23億21百万円と前連結会計年度と比べ2億18百万円増加しました。これは主に、外注費や間接経費のコスト縮減によるものです。売上高に対する売上総利益率は31.3%となり、前連結会計年度と比べ2.6ポイント上昇しました。
販売費及び一般管理費は14億59百万円と前連結会計年度と比べ95百万円増加しました。売上高に対する販売費及び一般管理費率は19.7%となり、前連結会計年度と比べ1.1ポイント上昇しました。
営業利益は8億61百万円と前連結会計年度と比べ1億22百万円増加しました。売上高に対する営業利益率は11.6%となり、前連結会計年度と比べ1.5ポイント上昇しました。
営業外収益は10百万円と前連結会計年度と比べほぼ同額です。一方、営業外費用は14百万円と前連結会計年度と比べ1百万円増加しました。
経常利益は8億58百万円と前連結会計年度と比べ1億20百万円増加しました。売上高に対する経常利益率は11.6%となり、前連結会計年度と比べ1.5ポイント上昇しました。
親会社株主に帰属する当期純利益は5億17百万円となり、前連結会計年度と比べ61百万円増加しました。
以上の結果、売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益はすべて過去最高を更新しました。
③ 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、製造原価、販売費及び一般管理費等の営業費用です。投資を目的とした資金需要は、主に設備投資やM&A等によるものです。
事業の運転資金及び設備投資資金は、自己資金及び金融機関からの借入金を基本方針としています。なお、当連結会計年度末における長期借入金残高(1年以内返済予定を含む)は26億30百万円となりましたが、その目的は前述の設備投資および株式取得によるものであり、すべて金融機関から調達しました。
④ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、2019年6月に新中期経営計画(計画期間3年間で対象期間は2019年7月から2022年6月)を策定しました。目標とする経営指標は、第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(2)中長期的な経営戦略および経営指標に記載のとおりです。
新中期経営計画の初年度である当連結会計年度においては、連結売上高74億12百万円、営業利益は8億61百万円、経常利益8億58百万円、親会社株主に帰属する当期純利益5億17百万円、営業利益率11.6%、ROE11.1%となりました。引き続き中期経営計画に沿って、特に「事業の多様化」と「生産性の効率化」のスピードアップと重点的な施策展開を実施していき、これら経営指標の向上に努めていきます。
該当事項はありません。
当社グループは、建設コンサルタント事業を営む単一セグメントとしていましたが、2020年2月4日付の事務所物件の取得により、賃貸収入が発生し、当連結会計年度より報告セグメントに不動産賃貸事業を新たに追加しました。
しかし、不動産賃貸事業は賃料収入のみであり、研究開発活動を行っておりません。ここでは、建設コンサルタント事業の研究開発活動のみを記載しています。
(建設コンサルタント事業)
未曾有の危機である新型コロナウイルス感染症に対応したICT技術を用いた新たな社会の構築や、頻発する大規模災害に対して人の命を守る技術の開発が求められています。当社グループは、ICT技術をはじめとする先端的な技術を積極的に取り込み、社会実装するため体系的、戦略的な研究開発を進めています。具体的には、幅広いテーマを扱う「基礎研究」、研究の熟度を高め知財化や商品化をめざす「新技術開発」、開発商品の業務展開や販売を促進する「新商品事業展開」の3つに区分しています。
「基礎研究」については、学位取得制度により、大学の先進的・基礎的技術力の習得に努めております。同制度でこれまで11名が学位を取得し、更に現在4名が取得に向けチャレンジ中です。今期は工学系学位のみならず、MBA取得やPFI技術習得に向け幅広い技術の習得を進めています。また、新たな事業創出のために設けた新規事業の公募制度では約10件の応募があり、若手技術者を中心として、新規事業創出に向けて様々な取り組みを実施しています。
「新技術開発」では、ビッグデータホルダー、AIベンダー、IoTメーカー等の外部異業種企業とのアライアンスを加速し、外部企業の持つ技術と弊社の技術のシナジーにより先端的開発を早期に商品化できるよう研究開発を実施しています。特に、防災関連、インフラメンテナンス分野、交通ビッグデータ分析、新モビリティ分野の研究テーマについては集中的に投資し、早期の商品化を目指しています。
「新商品事業展開」では、防災分野、都市・地域マネジメント分野、新モビリティ分野、地方創生分野等の新商品について、業務活用や販売促進等の展開を図っています。
具体的な主な製品開発は以下のとおりです。
①橋梁下部工基礎の洗掘モニタリングシステムの開発
河川内にある橋梁の下部工基礎の洗掘状況を遠隔地から監視することのできるシステムを開発しました。橋梁の基礎周辺の土砂が洗い流されると、橋梁の固有振動数が低下する特性に着目し、固有振動数を計測して、洗掘量を定量的に把握するシステムです。
携帯電話の通信回線によるインターネットを用いて、現地に行かずにデータの計測や健全度の確認を行うことができ、洪水発生時には橋梁の通行可否を迅速に判断するのに役立ちます。
本システムは、国土交通省の「点検支援技術性能カタログ(案)、2020年6月」や、モニタリングシステム技術組合(RAIMS)が公開した「土木構造物のためのモニタリングシステム活用ガイドライン」に掲載されました。
既に、橋梁の定期点検への適用だけでなく、「令和2年7月豪雨」で被災した橋脚の健全度評価への適用に関するお問い合わせも寄せられております。
②高度防災情報サービスの開発
インターネット上のデータプラットフォーム上に、既存開発商品である水位センサーを用いた中小河川のリアルタイム水位観測データや河川カメラ画像データを提供するサービスの開発を行いました。また、水位観測データとアメダス雨量計データ等を用いて60分後の水位データを、AI技術を用いて予測するサービスを開発し、現在検証を進めております。さらに、豪雨災害時の住民の早期避難の実現と行政危機管理オペレーションの効率化を図るため、リアルハザードマップ等を活用したサービスの実装に向け開発を進めています。
③交通ビッグデータを用いた都市・地域マネジメント商品の開発
スマートフォンの位置情報ビッグデータホルダーと連携し、小売店を対象としたマーケティング分析商品や、都市開発ディベロッパーを対象とした都市開発計画支援商品の開発を行っています。また、本年5月、6月に新型コロナウイルス感染症の影響による福岡県内人流解析を自主研究として実施し、弊社ホームページで公開しました。引き続き新しい生活様式に対応したまちづくり等にも交通ビッグデータを活用した取り組みを進めていきます。
④自動運転モビリティ事業の展開
自動運転技術は、交通事故の削減をはじめとして、移動弱者の移動手段確保や、物流の効率化など、様々な課題を解決するものとして、大きな期待が寄せられていますが、法整備や社会制度整備をはじめとして、自動運転を行うルートの安全性評価や交通環境の評価、運行設計領域の設定、社会受容性の熟成など、まだまだ多くの課題があります。このような課題に対応するため、アイサンテクノロジー株式会社、損害保険ジャパン日本興亜株式会社と提携し、自治体、交通機関などの自動運転モビリティ導入を支援するためのサービスを開始しました。
関東圏の自治体より、自動運転バス・自動運転パーソナルモビリティの実証実験・評価に関する業務を受託し、自動運転モビリティの社会実装に向け、令和3年度も引き続き取り組みを進めています。
上記活動における支出は