当第3四半期連結累計期間において、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項の発生または前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものです。
(1) 経営成績の分析
当第3四半期連結累計期間におけるわが国の経済は、米国と中国の貿易摩擦問題や中国経済の減速懸念、英国の欧州連合離脱問題に加え、消費税増税による消費マインド動向の変化の中、世界的な新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い国内外の経済活動が抑制されて経済の減速が顕著に表れ始め、景気の先行きは下降局面に向かってまいりました。
当社グループの属する建設コンサルタント業界は、頻発化・激甚化が懸念される気象災害や南海トラフ、首都直下などの巨大地震災害への防災・減災事業、深刻化する橋梁・道路等の老朽化対策事業に加えて、高齢化・人口減少等の急進により緊急性が増している活力ある地方創生の取り組みなど、様々な課題への対応が求められています。一方、i-Constructionの推進による建設生産システム全体の生産性向上とともに、ワーク・ライフ・バランスや在宅勤務によるテレワークの推進といった働きやすい労働環境整備の促進など、より高い次元での経営力・有機的組織力が必要となっています。
このような状況の中で、当社グループは、2019年7月より3年間を計画期間とする「新中期経営計画」をスタートさせ、「Co-Creation(共創)22」をスローガンに、自社単独主義から脱し、他社との連携を強化して企業集団としての価値向上を進めています。成長の基本方針として、①コンサルティング分野の多分野化による商品の拡張、②海外展開の加速化を中心とした市場の拡張、③民間顧客を含めた顧客の多層化の3点を推進しています。
具体的戦略としては、既存事業をベースとした比較的優位な事業に対して、異業種企業なども含む多様な連携によりさらなる深化を図るとともに、AIやICT活用による多様な新規事業を創出していきます。
当社の主要子会社である株式会社福山コンサルタントでは、社会資本の老朽化対策事業への対応として、「土木構造物のためのモニタリングシステム活用ガイドライン」(モニタリングシステム技術研究会 2020年1月発刊)の執筆への参画や大学・民間企業と連携したAI画像解析による橋梁・下水道の点検自動化システムの開発など、先進的な技術の開発や市場展開を目指しています。
また、新たな社会の創造に向けて、自動運転やMaaS等の社会実装を目標に各種活動を実施しています。「福岡モーターショー2019(2019年12月)」への自動運転等導入サービスなどの商品出展に加え、2020年2月には自動運転技術メーカーのアイサンテクノロジー株式会社及び損害保険ジャパン日本興亜株式会社と連携し自治体、交通機関などへの自動運転モビリティの導入支援サービスの開始、内閣府「近未来技術等社会実験事業」である埼玉県川口市の自動運転の実証実験の実施など、最新技術を活用した各種サービスの取組を加速しています。
さらに、国土の保全と災害での復旧復興対策など「安心・安全な環境創出」を企業集団のミッションとして取り組んでおり、九州北部豪雨災害の対応において西日本高速道路株式会社から、また台風19号三陸沿岸地域の対応において国土交通省東北整備局から感謝状を授与されました。
株式会社SVI研究所では、ICT企業との連携を進め、位置情報等のビッグデータ解析技術を用いた商業施設・スポーツ施設のマーケティング分析ツールや豪雨災害による被害軽減を目的としたAI水位予測システムを構築し、新商品として販売を開始しました。
四国地域を地盤とする株式会社環境防災では、2019年10月に導入した鉄筋の高精度強度試験機を活用した業務受注、同年12月には上下水道検査機関として厚生労働省の認可を取得し新たな検査業務の受注も堅調に拡大しています。
市場及び分野の拡張戦略として、2020年3月に防災・水・環境分野を主要事業とし、国際協力機構(JICA)や国際機関(世界銀行等)を主な顧客とする株式会社地球システム科学との間で株式譲渡契約を締結しました(当社は2020年4月3日付けで同社の発行済み株式の96.9%を取得し子会社化)。これにより、海外展開を加速化させていくとともに、当社グループと連携を図り防災及び水分野を拡大していきます。
設備投資においては、2019年9月の株式会社環境防災における試験棟の改築、同年12月には株式会社福山コンサルタント中四国支社の社屋新築が完成し、更に2020年2月には株式会社福山コンサルタント東京支社の職場環境改善のため、東京都千代田区にある事務所ビルの取得に着手しました。
今回の新型コロナウイルス感染症の対応について当社グループでは、予め定めているリスク管理マニュアルに沿ってグループ各社に「危機管理事務局」を設置し、政府の特措法に基づく対策本部設置にあわせて、代表取締役社長を本部長とする「新型コロナウイルス感染症対策統括本部」を新たに設置し、出張の自粛(TV会議の活用)、在宅勤務、時差出勤、イベントの延期・中止など、迅速、強力にグループ一体となった本感染症の拡大防止対策を実施しています。
当第3四半期連結累計期間は、受注高は88億20百万円(前年同期比5.3%減)となりました。前年同期比が減少している原因は、①前期は大型の交通量調査や工期が複数年にわたる大型設計業務等の通常期とは異なる受注があったこと、②東日本大震災復旧関連業務がピークアウトしたこと等の影響であり、年度当初の計画どおりで推移中です。なお、売上高は30億96百万円(同12.4%増)となりました。
損益面では、経常利益52百万円(前年同期は経常損失31百万円)、親会社株主に帰属する四半期純損失は2百万円(同 親会社株主に帰属する四半期純損失51百万円)となりました。これは、第3四半期で完了した業務が例年より多かったことが要因です。
当社グループの期末売上高、損益は主要顧客である官公庁の会計年度間の受注高に大きく依存しているため、新型コロナウイルス感染症対策が当社グループにおける当期売上高・損益などに与える影響は、現在のところ軽微なものと判断しています。なお、受注高に関しては、今後の新型コロナウイルスの感染拡大への官公庁の対応如何によりますが、発注の遅れもあり若干の減少が懸念されます。
(2) 財政状態の分析
(総資産)
総資産は前連結会計年度末に比べて48億96百万円増加し、109億65百万円となりました。これは主に、業務処理量の増加を受けて未成業務支出金が18億16百万円、設備投資として株式会社福山コンサルタント中四国支社の新社屋竣工、同社東京支社の事務所ビル取得等により土地・建物を合わせて18億44百万円、完成工事未収入金が5億35百万円それぞれ増加したことによるものです。
(負 債)
負債は前連結会計年度末に比べて49億42百万円増加し、65億64百万円となりました。これは主に、運転資金に加えて期末までに長期借入金への借換を予定している設備投資資金としての短期借入金が47億円、賞与引当金が2億6百万円、未成業務前受金が3億41百万円増加したことによるものです。
(純資産)
純資産は前連結会計年度末に比べて46百万円減少し、44億円となりました。
当第3四半期連結累計期間において当連結グループが定めている経営方針・経営戦略等に重要な変更および新たに定めたものはありません。
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの事業上および財務上の対処すべき課題に重要な変更および新たに生じた課題はありません。
当第3四半期連結累計期間における研究開発費の総額は88百万円です。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
当社は、2020年3月24日開催の取締役会において、株式会社地球システム科学の株式取得を決議し、同日付で株式譲渡契約を締結しました。
詳細は、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」に記載のとおりであります。