当連結会計年度における我が国経済は、政府による経済政策や日本銀行の金融緩和等を背景に、雇用・所得環境の改善傾向が続き、緩やかな回復基調で推移いたしました。しかしながら、米国新政権の政策動向、EU離脱問題による影響及び中国を始めアジア新興国の政策・金融資本市場の影響等がもたらす不確実性の高まりから、企業を取り巻く環境は不透明となっております。
当社グループが事業展開するインターネット広告市場においては、平成28年のインターネット広告費(注1)は前年から13.0%増加し1兆3,100億円までに拡大しております。また、スマートフォン向け広告市場(注2)においては、平成29年の市場規模が前年から23.7%増加し、8,010億円に達する見込みであります。そのうちスマートフォン動画広告市場(注3)においては、平成29年に前年から55.4%増加し895億円に達し、平成30年には1,206億円に達する見込みであります。
(注)1.出典:株式会社電通「2016年日本の広告費」
2.出典:D2C/サイバー・コミュニケーションズ「2016年インターネット広告市場規模推計調査」
3.出典:株式会社サイバーエージェント「国内動画広告の市場調査」
このような事業環境の下、当社グループは引き続きアドネットワーク関連事業の強化に注力し、広告主の広告効果最大化及び媒体社に対する収益最大化に取り組みました。
加えて、動画広告事業「maio(マイオ)」、ふるさと納税事業「ふるなび」及びアフィリエイト事業の売上高が
拡大したことが寄与し、売上高・営業利益・経常利益・親会社株主に帰属する当期純利益は前年を上回りました。
また、当社は平成29年4月に顧客の多様化する国際市場へのニーズに対応し、更なるサービスの拡充を図ることを目的として台灣艾摩貝爾有限公司(i-mobile Taiwan Co.,Ltd)を台湾に設立いたしました。
これらの結果、当連結会計年度の業績は、売上高15,688,681千円(前年同期比106.4%)、営業利益2,359,715千円(前年同期比109.9%)、経常利益2,355,351千円(前年同期比110.7%)、親会社株主に帰属する当期純利益1,539,275千円(前年同期比107.8%)となりました。
なお、当社グループはインターネット広告事業の単一セグメントであるため、セグメント毎の記載はしておりません。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)の残高は、前連結会計年度末より5,818,501千円増加し、残高は10,572,445千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動の結果獲得した資金は2,504,556千円(前連結会計年度は1,044,749千円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益の計上2,299,750千円、売上債権の増加426,641千円、仕入債務の増加359,276千円及び法人税等の支払額415,557千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動の結果支出した資金は642,684千円(前連結会計年度は788,193千円の支出)となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出141,530千円及び投資有価証券の取得による支出510,880千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動の結果獲得した資金は3,952,357千円(前連結会計年度は135,431千円の獲得)となりました。これは、公募に伴う自己株式の処分による収入4,043,952千円及び自己株式の取得による支出91,594千円によるものであります。
当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(千円) |
前年同期比(%) |
|
インターネット広告事業 |
15,688,681 |
106.4 |
|
合計 |
15,688,681 |
106.4 |
(注) 1.当社グループの事業セグメントは、インターネット広告事業の単一セグメントであるため、セグメント別の販売実績の記載はしておりません。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は以下のとおりであります。なお、当連結会計年度は、それぞれ当該割合が10%未満のため、記載を省略しております。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 平成27年8月1日 至 平成28年7月31日) |
当連結会計年度 (自 平成28年8月1日 至 平成29年7月31日) |
||
|
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
|
株式会社セプテーニ |
1,623,703 |
11.0 |
― |
― |
|
株式会社ライブレボリューション |
1,515,829 |
10.2 |
― |
― |
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、当社、子会社8社(うち非連結子会社3社)により構成されインターネットを通じて新しい技術を創造し、多くの人が満足するサービスを提供し続けることを経営理念とし、日本を中心に、世界で貢献できる企業体を目指しております。
この方針に基づき、(1)広告主及びメディアに対して、双方の利益最大化を支援するアドネットワーク関連事業を主軸事業としながら、(2)成果報酬型の課金モデルによるアフィリエイト事業、(3)スマートフォンアプリに特化し、視聴完了型の動画広告事業、(4)広告主が、ユーザーの広告1表示ごとに効率的な買い付けから配信までをおこなうことを可能にするDSP事業、(5)リスティング広告、ディスプレイ広告等の販売による代理店事業、(6)ふるさと納税推進サイトの運営等のその他事業といった幅広いインターネット広告サービスを展開しております。
また、当社グループでは、インターネット広告事業で培った知見を活かし、デジタルサイネージ広告事業「SCEEN」、アプリマーケティングツール事業「Logpush」等の多種多様な広告プラットフォームの構築、運用を行っております。
(2) 目標とする経営指標
当社グループが重視している経営指標は、売上高及び営業利益であります。
(3) 中長期的な会社の経営戦略と対処すべき課題
当社グループを取り巻くインターネット広告市場は、技術の進化、顧客ニーズの変化等に即座に対応する必要性がますます高まり、競争環境も今後さらに厳しさを増すことが予想されます。
また、平成29年9月8日付けで発表させていただきました「代表取締役及び取締役の異動(予定)に関するお知らせ」のとおり、当社グループは新たな経営体制に移行いたします。今回の経営体制の移行により、当社の共同設立者であり技術担当取締役である野口哲也を代表取締役社長とし、開発体制の強化を進めてまいります。また、代表取締役社長である田中俊彦を代表取締役会長とし、成長事業の更なる強化及び新規事業の開拓を推進可能な体制とします。
社長交代による新体制をスタートさせるとともに、インターネット広告市場の動向、顧客ニーズの変化等に対応し、市場における優位性を高めていくため、以下の3つを重要な成長戦略として位置づけ、安定的な成長と確実な収益源の確保を目指してまいります。
|
1. |
既存事業の強化 |
|
2. |
新規事業の創出及び拡大 |
|
3. |
提携・投資への積極的な取り組み |
上記を実現し、企業価値を高めていくため、次の点を課題として認識し、取り組んでいく所存です。
(1) 広告主数及びメディア(パートナーサイト)数の拡大による既存事業の強化
既存事業であるアドネットワーク関連事業(アドネットワーク事業、動画広告事業「maio」、アフィリエイト事業、DSP事業)を強化し、他社との差別化及び市場における優位性を高めるため、海外顧客を含めた広告主数及びメディア(パートナーサイト)数の拡大してまいります。
(2) 新規事業の創出及び拡大によるビジネスモデルの多様化
当社グループは継続的な成長を実現するために、既存事業の成長を図るだけでなく、様々な新規事業に取り組み続けることが重要であると考えております。将来の中核を担う新規事業の創出及び拡大をすることで、ビジネスモデルを多様化して将来にわたる収益の持続的な成長に繋げてまいります。
(3) 提携・投資への積極的な取り組み
今後も更なる収益基盤の安定化及び持続的な成長を図るためには、収益源の多様化を実現する必要があると考えており、自社による新規事業の創出及び拡大のみならず、業務提携、M&A等の新たな事業・サービスへの提携・投資を積極的に取り組む所存であります。
(4) 開発体制の強化
当社グループ営むインターネット広告事業は、技術革新及び市場の変化のスピードが速く、日々新たな対応が求められる環境にあります。このような環境の中、更なる事業の拡大のため、技術領域への投資、品質の高い開発手法の導入及び人工知能技術などの研究を一層加速させ、機動的で競争力重視のサービス開発体制の整備を図ってまいります。
(5) 内部管理体制のさらなる強化
継続的な成長を続けることができる企業体質の確立に向けて、リスク管理や業務運営効率化のための内部管理体制の強化が重要な課題であると認識しております。業容の拡大に合わせ、内部統制システムの適切な運用と整備を推進し、経営の公正性・透明性を維持するため、体制強化に取り組んでまいります。
(6) 優秀な人材の育成と確保
今後の更なる成長のためには、社員全員が当社の企業理念や経営方針を深く理解し、体現していくことが必要不可欠であると考えております。
人材採用においては、今後の当社グループの軸となる人材を育てるために新卒採用を行いながら、一方で即戦力となる人材を中途採用することで効率的に人員体制の拡充を図ってまいります。また、社員への教育体制の整備を図り、社員全員の意識と能力の底上げに努めてまいります。
(7) パートナーサイトの監視体制の更なる強化
当社グループは広告の不適切な配信を防ぐために、パートナーサイトの品質管理体制の強化が重要な課題であると認識しております。
不正な広告表示、錯誤を誘発する広告表示及び違法コンテンツを掲載するパートナーサイトについては、常時監視する体制の強化を図ってまいります。
また、当社グループでは、独自の審査基準により、成人向けコンテンツを取り扱うパートナーサイトを減少するように努めてまいります。
当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには、以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
Ⅰ. 事業環境に関わるリスク
(1) インターネット広告市場の動向について
近年、インターネット広告市場は、インターネットの普及と急激な技術革新により、急速に拡大してまいりました。このような傾向は、今後も継続していくと考えておりますが、景気の悪化により、当初想定していた収益を確保することができず、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 技術革新について
インターネット業界においては、事業に関連する技術革新のスピードや顧客ニーズの変化が早く、それに基づく新サービスが常に生み出されております。当社グループでは、そうした事態に対応するために、常に業界動向を注視し、迅速かつ適切な対応をしていく方針であります。しかしながら、何らかの要因のため、当社グループにおいて当該変化等への対応が遅れた場合、サービスの陳腐化、競争力低下等が生じる可能性があります。また、対応可能な場合であったとしても、既存システム等の改良、新たな開発等による費用の増加等が発生する可能性があり、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 競合について
当社グループは,インターネット広告市場を主たる事業領域としておりますが、当該分野においては、多くの企業が事業展開していることもあり、競合サービスが増加する可能性があります。引き続き各インターネット関連事業の拡大及び競争力の維持・強化を努めてまいりますが、優れた競合企業の登場、競合企業によるサービス改善や付加価値が高いビジネスモデルの出現等により、当社の競争力が低下する可能性があり、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 自然災害等について
地震や台風等の自然災害、未知のコンピューターウィルス、テロ攻撃といった事象が発生した場合、当社グループの事業が大きな影響を受け、混乱状態に陥る可能性があります。当社グループは、こうした自然災害等が発生した場合には、適切かつ速やかに危機対策、復旧対応を行うよう努めておりますが、自然災害、コンピューターシステムの停止、データーベースの漏洩、消失等の影響を完全に防止できる保証はなく、当該事象による営業活動への影響、ブランドイメージの毀損、物的、人的な損害等が発生する可能性があります。
さらに、当社グループの拠点及びコンピューターネットワークのインフラは、サービスによって一定の地域に集中しているため、同所で自然災害等が発生した場合には多大な損害を被る可能性があり、当社グループの業績及び今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
Ⅱ. 事業内容に関わるリスク
(1) 特定事業の依存について
当社グループでは、アドネットワーク関連事業が売上の大部分を占めております。今後も高付加価値なサービスを提供することで、さらなる売上高の拡大を図っていく所存でありますが、アドネットワーク関連事業の成長に何らかの問題が生じた場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 特定の取引先及び広告代理店への依存について
平成29年7月期の売上高における上位3社の占める割合は16.4%であり、また平成29年7月期の広告代理店経由の売上高の占める割合は73.2%となっております。今後も当該企業と良好な関係を続けてまいりますが、当該企業の事情や施策の変更があった何らかの理由により当該企業との取引が大きく減少するような場合は、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 特定分野の案件への依存について
平成29年7月期において、インターネットのEC案件の売上高に占める割合43.9%、ダウンロードを訴求するゲーム等のスマートフォンアプリ広告案件の売上高の占める割合は28.1%となっており、特定分野の案件への売上高依存度が高くなっている状況です。当該分野における何らかの規制や環境の変化等により、特定分野案件の広告主からの受注が減少するような場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4) Apple Inc. 及び Google Inc.の動向について
当社グループのアドネットワーク関連事業においては、Apple Inc.が運営するApp StoreやGoogle Inc.が運営するGoogle Playを通じて配信したアプリ内での広告収入等を収益源としているものがあります。当該プラットフォームの事業者の事業方針の変更等があった場合、当社グループのサービスを継続することが困難となり、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 新規事業について
当社グループは、今後も事業規模の拡大と収益源の多様化を実現するために、積極的に新規事業・サービスに取り組んでいく方針であります。その市場性や採算性、計画の妥当性などを検証した上で新規事業・サービスの開始を行い、事業運営を行っておりますが、市場環境の変化や不測の事態により、当初予定していた事業計画を実現できない可能性があります。また、新規事業・サービスの立ち上げには先行投資として人材採用や研究開発または設備投資等が発生する可能性があります。これらのことなどから新規事業・サービスへの取り組みは、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 海外展開について
当社グループは、米国及び台湾に子会社を有しております。海外事業は、特有の商習慣、予想しない法律又は規制の変更、社会・政治及び経済情勢の変化等の潜在リスクに対応できない場合には、事業の推進が困難となり、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 為替リスクについて
海外子会社の財務諸表は原則として現地通貨で作成後、連結財務諸表作成のため円換算されております。したがって、決算時の為替レートにより、現地通貨における価値が変わらなかったとしても、円換算後の価値が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(8) システムトラブルについて
当社グループは、アドネットワーク関連事業に係るサービス提供をインターネット環境において行っており、システムの安定的な稼働が、業務遂行上、必要不可欠なものとなっております。そのため、常時ネットワークを監視し、日常的に保守管理も行っております。また、継続的な設備投資により、システム障害を未然に防ぐ体制も整えております。しかしながら、システムへの一時的な過負担、ソフトウェアの不備、コンピューターウィルスの侵入や人的な破壊行為、自然災害等、当社グループに想定していない事象の発生により、当社グループのシステムに障害が発生した場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 広告主及びパートナーサイトの参加審査について
当社グループのアドネットワーク関連事業に係るサービスにおいて、広告及びパートナーサイトの違法性が非常に重要となります。当社グループでは、広告主またはパートナーサイト運営者がアドネットワーク関連事業のサービスに登録をする際、当社グループの独自の基準に基づき、広告主が提供するバナー、またはパートナーサイトが公序良俗に反しないか、「不当景品類及び不当表示防止法」、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」、「特定商取引に関する法律」等の法律に抵触するおそれがないか等の審査を行い、当社グループの基準に反する事項が存在する場合には、登録を許可しない体制となっております。当社は、登録を許可した後においても定期的なモニタリングを行っておりますが、広告やパートナーサイトが公序良俗や法令に反する商品・サービスの提供、コンテンツの掲載を行った場合に、当社グループの信用が低下し、事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(10) パートナーサイトの監視体制について
当社グループは、パートナーサイトの品質管理のために、定期的に不正の調査を実施しております。故意による悪質な違反行為を行っていると判断される場合は、即時にアカウントを停止することもあります。このような取り組みにもかかわらず、予期せぬ要因によりこれらの対応に不備が生じ、広告主から訴訟を起こされた場合には当社グループの信用が失堕し、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(11) M&A戦略について
当社グループは、グループ全体の事業規模拡大やグループ事業構成の最適化を図ることを目的として、他社の買収や合併、グループ会社の売却や合併等(M&A)を行う場合があります。M&Aの実施に際しては十分な調査等を行いますが、その後の市場環境の変化や不測の事態により、当初予定していた効果を得ることができず、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(12) 投融資に関するリスク
当社グループは、当社グループ事業とシナジー効果等が期待できる企業への投資を行っております。しかしながら、投資先企業の今後の業績の如何によっては、これらの投資が回収できなくなることや減損適用による評価損が発生し、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(13) 資金使途について
平成28年10月の株式上場時における自己株式処分による調達資金については、当社グループの既存事業の競争力強化を目的としたシステム投資、新規事業の創出・拡大のための成長投資及びM&Aを含めた事業拡大のための投資に充当する予定であります。しかしながら、当社グループが属する業界は変化が激しいため、計画の変更を余儀なくされ、調達資金を当初目的以外の目的で使用する可能性があります。また、当初の計画に沿って調達資金を使用した場合でも、想定していた投資効果を上げられない可能性もあります。
Ⅲ. コンプライアンスに関するリスク
(1) 法的規制について
現時点では、当社グループのインターネット広告事業において、事業の継続に直接的に著しく重要な影響を及ぼす法律規制はないものと認識しておりますが、今後インターネットの利用者及び事業者を規制の対象とする法令、行政指導、その他の規則等が制定された場合には、代替手段の開発に多額の投資が必要となり、当社グループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループネットワーク上で広告配信、成果のトラッキング及び不正行為防止のために使用している技術(クッキーの使用等)が規制、制限された場合には、代替手段の開発に多額の投資が必要となり、当社グループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
加えて、当社グループのふるさと納税事業において、法的規制に限らず、政府や省庁、地方自治体等からの指導や要請等の影響を受ける可能性があります。政府や省庁、地方自治体等が行う指導や要請等があった場合は、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 個人情報管理について
当社グループはアドネットワーク関連事業に係るサービス提供するにあたり、広告主、パートナーサイト運営者等の個人に関連する情報を取得しており、「個人情報の保護に関する法律」の遵守は、重要な経営課題と位置付けて取り組んでおります。当社グループは、これらの情報の取扱いには、外部からの不正アクセスや内部からの情報漏洩を防ぐために、関連する社内規程を整備の上、役員、従業員に対する個人情報の取扱いに対する教育活動の実施等に取り組む等、その保護及び管理には細心の注意を払っております。しかし、不測の事態によって、個人情報の外部漏洩が発生した場合には、当社グループとして責任を問われる可能性もあり、信用低下や損害賠償請求等により、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 知的財産権について
当社グループは、第三者に対する知的財産権を侵害することがないように、細心の注意を払って事業活動を行っておりますが、現在のインターネット関連分野における技術の進歩の早期化、グローバル化により、当社グループの事業領域における知的財産権の現状を完全に把握することは困難であります。当社グループの事業分野での当社グループが認識していない知的財産権が既に成立している可能性又は新たに当社グループの事業分野において第三者による著作権等が成立する可能性があります。かかる場合には、第三者の知的財産権等を侵害することによる損害賠償請求や差止請求権等又は当社に対するロイヤリティの支払い要求等を受けることにより、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 過去の新株予約権の無届募集等に関する法的リスクについて
当社グループではストック・オプション制度を採用しており、役員、従業員、社外協力者等に対して平成27年7月及び平成28年1月に新株予約権を発行しております。 当社では、当該新株予約権の発行にあたり、金融商品取引法及び金融商品取引法施行令に基づいて、一部の社外協力者への新株予約権の発行についても、発行者から必要な情報を直接入手できる立場にあることから、使用人等への割当と同様に考えることができるとの認識でおりましたが、今般、社外協力者に割り当てる場合は、その立場に関わらず、使用人等以外への割当と判断されることが判明したため、当該新株予約権の発行において有価証券届出書の提出が必要であることが判明いたしました。これを受け、当社では、当該新株予約権の発行に関して必要な全ての法定開示書類を平成28年9月に関東財務局へ提出するとともに、今後については再発防止に向けた社内体制の再構築を図り、社外専門家との関係強化及び内部監査によるチェック態勢の強化を図ることとしております。 なお、当社は、本書提出日現在、本件に係る課徴金納付命令は受けておりませんが、万が一これらの処分を受けた場合は、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
Ⅳ.事業運営体制に関するリスクについて
(1) 特定人物への依存について
当社グループは、代表取締役を含む役員、幹部社員等の専門的な知識、技術、経験を有している役職員が、各グループの経営、業務執行について重要な役割を果たしており、当該役職員の継続勤務による経験値は、当社グループにおける重要なノウハウと考えられます。しかし、これら役職員が何らかの理由によって退任、退職し、後任者の採用が困難となった場合、当社グループの業績及び今後の事業展開に影響を与える可能性があります。
(2) 人材の確保及び育成について
当社グループは、今後の業容拡大及び顧客ニーズの多様化に対応するべく、優秀な人材を適切な時期に確保、育成する必要があります。しかし、優秀な人材の拡充や育成が予定通り進まなかった場合、または既存の主要な人材が社外に流出した場合は、当社グループの経営活動に支障が生じ、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 内部管理体制について
当社グループは、グループ企業価値を最大化すべく、コーポレート・ガバナンスの充実を経営の重要課題と位置づけ、多様な施策を実施しております。また、業務の適正及び財務報告の信頼性を確保するため、これらに係る内部統制が有効に機能する体制を構築、整備、運用しております。しかしながら、事業の急速な拡大等により、十分な内部管理体制の構築が追いつかないという状況が生じる場合には、適切な業務運営が困難となり、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
Ⅴ.事業運営体制に関するリスクについて
(1) 配当政策について
当社グループは現在成長過程にあり、経営基盤の長期安定に向けた財務体質の強化及び継続的な拡大発展を目指すため、内部留保の充実が重要であると考え、会社設立以来配当は実施しておりません。しかしながら、株主利益の最大化を重要な経営目標の一つとして認識しており、今後の株主への利益配当につきましては、業績の推移及び財務状況並びに今後の事業及び投資計画等を総合的に勘案し、内部留保とのバランスをとりながら検討していく方針ですが、現時点において配当実施の可能性及び、その実施時期については未定であります。
(2) ストック・オプションの行使による株式価値の希薄化について
当社グループでは、役員及び従業員に対するインセンティブを目的として、ストック・オプション制度を採用しております。今後においてもストック・オプション制度を活用していくことを検討しており、現在付与しているストック・オプションに加え、今後付与されるストック・オプションについて行使が行われた場合には、既存株主が保有する株式の価値が希薄化する可能性があります。提出日現在におけるストック・オプションの潜在株式総数は3,815,000株であり、発行済株式総数およびストック・オプションによる潜在株式数の合計25,968,800株の14.7%に相当しております。
(株式会社TAGGYの株式取得)
当社は、平成29年10月24日開催の取締役会において、株式会社TAGGYの株式を取得し子会社化すること及び株式会社TAGGYの株式取得の対価の一部として第三者割当による自己株式の処分を行うことについて決議し、平成29年10月25日付にて株式譲渡契約及び株式総数引受契約書を締結いたしました。
詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」に記載のとおりであります。
当社グループは、市場変化に迅速に対応し、より収益性の高い魅力あるサービスを提供するために、新技術等を取り入れた高付加価値を生み出すインターネット広告事業に係るシステムの研究開発活動を行っております。
当連結会計年度の研究開発費の総額は、45,852千円となりました。セグメント別の主な研究開発費の金額につきましては、インターネット広告事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。この連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度末における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。そのため実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
(2) 財政状態の分析
当連結会計年度末における総資産は14,155,810千円(前連結会計年度末比6,732,453千円の増加)となりました。これは、主に現金及び預金、売掛金及び投資有価証券の増加によるものであります。
負債は3,283,863千円(前連結会計年度末比1,197,995千円の増加)となりました。これは、主に買掛金及び未払法人税等の増加によるものであります。
純資産は10,871,946千円(前連結会計年度比5,534,458千円の増加)となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が増加したこと及び平成28年10月27日付で行われた公募による自己株式の処分により資本剰余金が増加したことによるものであります。
(3) 経営成績の分析
当社グループはアドネットワーク関連事業の強化に注力し、広告主の広告効果最大化及び媒体社に対する収益最大化に取り組みました。加えて、動画広告事業「maio(マイオ)」、ふるさと納税事業「ふるなび」及びアフィリエイト事業の売上高が拡大したことが寄与し、売上高・営業利益・経常利益・親会社株主に帰属する当期純利益は前年同期を上回りました。その結果、当連結会計年度における売上高は15,688,681千円(前連結会計年度比938,688千円の増加)、営業利益は2,359,715千円(前連結会計年度比213,144千円の増加)、経常利益は2,355,351千円(前連結会計年度比227,121千円の増加)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益につきましては1,539,275千円(前連結会計年度比111,364千円の増加)となりました。
(4) キャッシュ・フローの分析
「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。