第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、「“ひとの未来”に貢献する事業を創造し続ける」というビジョンのもと、「マーケティングで価値ある体験を提供し続ける」サービスを提供することで、ユーザー及び取引先企業に対し、事業環境の動向、顧客ニーズの変化等に対応した満足度の高いサービスを提供し、当社グループの企業価値・株主価値の最大化を目指し続けることを経営の基本方針としています。

 

(2) 目標とする経営指標

当社グループが重視している経営指標は、売上総利益及び営業利益、並びにROEであり、今後の中長期的な資本効率としてのROE目標を15%と設定いたしました。いずれも投資家が当社グループを理解する上で重要な指標として認識しております。

 

(3) 中長期的な会社の経営戦略

当社グループは、ふるさと納税事業を中心とするコンシューマ事業においては、ユーザーの獲得と自治体への支援活動を強化し、周辺事業を拡大してまいります。インターネット広告事業においては、競争力強化のため広告主と媒体社(メディア)双方に対して、それぞれの価値を最適化・最大化するための広告効果向上を図ります。これら2つの事業領域においてアセットの最適配分と相乗効果を最大限に発揮し、さらにはアプリ運営や海外市場など新しい成長事業を推進することで企業価値を高めてまいります。

 

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

今後の更なる事業拡大及び、企業価値の向上を持続するため、以下を課題として認識し、取り組む所存であります。

 

新規ユーザーの獲得とユーザーエンゲージメントの強化

当社グループの持続的な成長のためには、当社グループ及び当社グループのサービスの知名度を向上させ、新規ユーザーを獲得し、ユーザー数を拡大していくことが必要不可欠であると認識しております。そのために、積極的な広告宣伝活動及び、当社グループサービス間の誘導施策を継続的に行ってまいります。また、既存ユーザーのニーズを汲み取り、サービス品質を高め続けると共に、顧客満足度の高い周辺サービスを開発することで、エンゲージメントをより強化し、長期的に当社グループのサービスをご利用していただけるよう努めてまいります。

 

広告配信性能の向上

ンターネット広告事業は、競合環境及び事業環境の変化等により、広告配信性能の競争優位性を確保することが必要不可欠であると認識しております。当社グループでは、統計処理及び機械学習等における広告配信技術を高め、豊富なユーザーデータを基に効率の良い広告配信枠の買付を実施し、より競争力ある広告配信サービスの提供を図ってまいります。

 

新規事業の創出による事業ポートフォリオの拡大

当社グループが継続的な成長を実現するための戦略として、既存事業の成長を図る施策のみならず、新規の周辺事業の開発とサービス間のユーザーの誘導施策並びに、様々な新規事業に取り組み続けることが重要であると考えております。ユーザーセグメントの異なる事業を組み合わせたポートフォリオ戦略によって、ビジネスモデルを多様化して将来にわたる収益の持続的な成長に繋げてまいります。

 

事業提携、企業買収への積極的な取り組み

今後の更なる収益基盤の安定化及び、持続的な成長を図るためには、次の成長を担う新規事業の創出及び拡大により、収益源の多様化を実現することが必要不可欠であると考えております。そのためには、自社による開発のみならず、事業提携やM&A等により新たな事業・サービスへの投資を実行することで、成長への挑戦を継続してまいります。

 

開発体制の強化

当社グループを取り巻く事業環境は、技術革新及び市場の変化のスピードが速く、日々新たな対応が求められる環境にあります。このような環境の中、更なる事業拡大のため、技術領域への投資、品質の高い開発手法の導入及び人工知能技術などの研究を一層加速させ、機動的で競争力重視のサービス開発体制の整備を図ってまいります。また、当社グループの事業はウェブ上で運営されていることから、システムを安定的に稼働させ、問題の発生時には迅速な解決が求められていると認識しております。快適な状態でユーザーにサービスを提供するために、システムを安定的に稼働させるための技術の開発及び、人員確保等に努めてまいります。

 

⑥優秀な人材の育成と確保

当社グループの今後の更なる成長のためには、社員全員が企業理念や経営方針を深く理解し、体現していくことが必要不可欠であると考えております。そのためには人材を育成するための教育体制の整備を図り、社員全員の意識と能力の底上げを進めると共に、社員が働きやすい環境の構築に努めてまいります。また、組織の規模拡大による機動性の低下等の発生を防ぐため、事業展開に応じた組織体制の整備と適切な人員配置により、効率化と意思決定の機動性確保を図ってまいります。

 

⑦新型コロナウイルス感染症への対応

当社グループの属するインターネット関連業界は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響を即時的かつ直接的に受けづらい業界であり、当社グループにおきましても、リモートワークの環境整備などが奏功し、業務に支障はなく、現時点で事業及び業績に大きな影響を及ぼす事項はございません。しかしながら、今後の感染拡大の状況によっては、当社の事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

2 【事業等のリスク】

当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには、以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) インターネット広告事業について

近年、インターネット広告市場は、インターネットの普及と急激な技術革新により、急速に拡大してまいりました。このような傾向は、今後も継続していくと考えておりますが、個人情報保護気運の高まりや広告審査基準の厳格化などの規制や、市場経済の落ち込みによる景気の悪化により、当初想定していた収益を確保することができず、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

  

(2) 技術革新について

科学技術の飛躍的な進化による技術革新のスピードや、顧客ニーズの変化は早く、それに基づく新サービスが常に生み出されております。当社グループでは、そうした事態に対応するために、常に業界動向を注視し、迅速かつ適切な対応をしていく方針であります。しかしながら、何らかの要因のため、当社グループにおいて当該変化等への対応が遅れた場合、サービスの陳腐化、競争力低下等が生じる可能性があります。また、対応可能な場合であったとしても、既存システム等の改良、新たな開発等による費用の増加等が発生する可能性があり、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 競合について

当社グループは、コンシューマ事業及びインターネット広告事業の2つの事業領域において展開しておりますが、当該分野においては、多くの企業が事業展開していることもあり、競合サービスが増加する可能性があります。引き続き各事業の拡大及び競争力の維持・強化に努めてまいりますが、優れた競合企業の登場、競合企業によるサービス改善や付加価値が高いビジネスモデルの出現等により、当社の競争力が低下する可能性があり、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) ふるさと納税事業について

当社グループのふるさと納税事業において、税制改正などの法的規制に限らず、政府や省庁、地方自治体等からの指導や要請等の影響を受ける可能性があります。政府や省庁、地方自治体等が行う指導や要請等があった場合は、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 法的規制について

現時点において、当社グループの主力事業の継続に直接的に著しく重要な影響を及ぼす法的規制はないものと認識しておりますが、今後インターネットの利用者及び事業者を規制の対象とする法令、行政指導、その他の規則等が制定された場合には、代替手段の開発に多額の投資が必要となり、当社グループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。また、Apple Inc.が運営するApp StoreやGoogle LLCが運営するGoogle Playなどのプラットフォーム事業者の事業方針に変更等があった場合、当社グループのサービスを継続することが困難となり、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 広告主及びパートナーサイトの参加審査について

当社グループのインターネット広告事業において、広告及びパートナーサイトの違法性が非常に重要となります。当社グループでは、広告主又はパートナーサイト運営者がアドネットワーク関連事業のサービスに登録をする際、当社グループの独自の基準に基づき、広告主が提供するバナー、又はパートナーサイトが公序良俗に反しないか、「不当景品類及び不当表示防止法」、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」、「特定商取引に関する法律」等の法律に抵触する恐れがないか等の審査を行い、当社グループの基準に反する事項が存在する場合には、登録を許可しない体制となっております。当社グループは、登録を許可した後においても定期的なモニタリングを行っておりますが、広告やパートナーサイトが公序良俗や法令に反する商品・サービスの提供、コンテンツの掲載を行った場合に、当社グループの信用が低下し、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) パートナーサイトの監視体制について

当社グループのインターネット広告事業において、パートナーサイトの品質管理のために、定期的に不正の調査を実施しております。故意による悪質な違反行為を行っていると判断される場合は、即時にアカウントを停止することもあります。このような取り組みにもかかわらず、予期せぬ要因によりこれらの対応に不備が生じ、広告主から訴訟を起こされた場合には、当社グループの信用が失堕し、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 内部管理体制について

当社グループは、グループ企業価値を最大化すべく、コーポレート・ガバナンスの充実を経営の重要課題と位置づけ、多様な施策を実施しております。また、業務の適正性及び財務報告の信頼性を確保するため、これらに係る内部統制が有効に機能する体制を構築、整備、運用しております。しかしながら、事業の急速な拡大等により、十分な内部管理体制の構築が追いつかないという状況が生じる場合には、適切な業務運営が困難となり、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) 特定人物への依存及び人材確保について

当社グループは、今後の業容拡大及び顧客ニーズの多様化に対応するべく、優秀な人材を適切な時期に確保、育成する必要があります。しかし、優秀な人材の拡充や育成が予定通り進まなかった場合、または、当社グループの経営、業務執行について重要な役割を果たしている役員、幹部社員等の専門的な知識、技術、経験等の当社グループにおける重要なノウハウを有している役職員が何らかの理由によって退任、退職し、後任者の採用が困難となった場合、当社グループの経営活動に支障が生じ、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10)システムトラブルについて

当社グループは、各種サービス提供をインターネット環境において行っており、システムの安定的な稼働が、業務遂行上、必要不可欠なものとなっております。そのため、常時ネットワークを監視し、日常的に保守管理も行っております。また、継続的な設備投資により、システム障害を未然に防ぐ体制も整えております。しかしながら、システムへの一時的な過負担、ソフトウェアの不備、コンピューターウィルスの侵入や人的な破壊行為、自然災害等、当社グループの想定していない事象の発生により、当社グループのシステムに障害が発生した場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11)個人情報管理について

当社グループは、コンシューマ事業及びインターネット広告事業において、利用者の個人情報を入手しており、「個人情報の保護に関する法律」が定める個人情報取扱事業者としての義務が課せられております。当社グループにおいては、当該義務を遵守すべく、個人情報や取引データの取扱いに際し細心の注意を払い、ネットワークの管理、独自のプライバシー・ポリシーの制定・遵守、内部監査によるチェック等により、個人情報保護に関し十分な体制構築が行われていると考えております。しかしながら、不測の事態により、個人情報が外部に流出した場合には、当社グループに対する損害賠償の請求や信用力の失墜により、当社グループの業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

(12)知的財産権について

当社グループは、第三者に対する知的財産権を侵害することがないように、細心の注意を払って事業活動を行っておりますが、現在のインターネット関連分野における技術の進歩の早期化、グローバル化により、当社グループの事業領域における知的財産権の現状を完全に把握することは困難であります。当社グループの事業分野での当社グループが認識していない知的財産権が既に成立している可能性又は新たに当社グループの事業分野において第三者による著作権等が成立する可能性があります。かかる場合には、第三者の知的財産権等を侵害することによる損害賠償請求や差止請求権等又は当社グループに対するロイヤリティの支払い要求等を受けることにより、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(13)新規事業への投資について

当社グループは、今後も事業規模の拡大やグループ事業構成の最適化を図り収益源の多様化を実現するために、他社の買収や合併、グループ会社の売却や合併等(M&A)を含め、積極的に新規事業・サービスに取り組んでいく方針であります。その市場性や採算性、計画や買収金額の妥当性などを調査検証した上で新規事業・サービスの開始を行い、事業運営を行っておりますが、市場環境の変化や不測の事態により、当初予定していた事業計画を実現できない可能性があります。また、新規事業・サービスの立ち上げには先行投資として人材採用や研究開発又は設備投資等が発生する可能性があります。これらのことなどから新規事業・サービスへの取り組みは、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(14)自然災害等について

地震や台風等の自然災害、未知のコンピューターウィルス、テロ攻撃といった事象が発生した場合、当社グループの事業が大きな影響を受け、混乱状態に陥る可能性があります。当社グループは、こうした自然災害等が発生した場合には、適切かつ速やかに危機対策、復旧対応を行うよう努めておりますが、自然災害、コンピューターシステムの停止、データーベースの漏洩、消失等の影響を完全に防止できる保証はなく、当該事象による営業活動への影響、ブランドイメージの毀損、物的、人的な損害等が発生する可能性があります。

さらに、当社グループの拠点及びコンピューターネットワークのインフラは、サービスによって一定の地域に集中しているため、同所で自然災害等が発生した場合には、多大な損害を被る可能性があり、当社グループの業績及び今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。

 

(15)新型コロナウイルス感染症への対応

当社グループの属するインターネット関連業界は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響を即時的かつ直接的に受けづらい業界であり、当社グループにおきましても、本書提出日現在、事業及び業績に大きな影響を及ぼす事項はございません。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の終息時期は依然として不透明であり、最終的な影響については予測が困難な面もあり、世界経済がより深刻な状況に悪化した場合は当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(16)代表者への依存について

当社グループの創業者であり現代表取締役である田中俊彦と野口哲也は、創業以来、当社グループを牽引してまいりました。両氏はインターネットマーケティング事業に関して、先見性による事業創造力や市場分析を基にした開発技術力に関する豊富な経験と知識を有しており、経営方針や事業戦略、技術的判断の決定、遂行において極めて重要な役割を果たしております。当社グループでは、取締役会や本部長会議における役員及び幹部社員の情報共有や経営組織の強化を図り、両氏に過度に依存しない経営体制の整備を進めております。しかしながら、何らかの理由により両氏が当社グループの業務を継続することが困難になった場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①経営成績の状況

当連結会計年度(2020年8月1日~2021年7月31日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響が長期化する中、政府による段階的な経済活動再開や各種施策の実施効果及び、ワクチン接種が開始されたことにより、個人消費及び企業収益に持ち直しの動きが見られたものの、感染再拡大を受け、まん延防止等重点措置や度重なる緊急事態宣言が発出されるなど、経済の先行きは不透明な状況となっております。

このような社会環境の中、当社グループの当連結会計年度における新型コロナウイルス感染症による業績への大きな影響はないものの、今後、経済に与える影響がさらに長期化、深刻化した場合は、広告主の減少などによる国内広告市場の縮小や、個人住民税及び所得税の減少によるふるさと納税市場の縮小、さらには営業活動の制限などによって、当社グループ業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは「“ひとの未来”に貢献する事業を創造し続ける」という企業ビジョンの下、「コンシューマ事業」と「インターネット広告事業」の2つのセグメントによって構成されております。コンシューマ事業の主力であるふるさと納税事業の市場については、2020年度のふるさと納税受入額は、前年度比約1.4倍の6,725億円、受入件数も前年度比約1.5倍の3,489万件※1と増加しております。また、ふるさと納税の控除適用者数(ふるさと納税を実際に行い住民税控除適用された人数)も前年度比約1.3倍※1の552.4万人と増加しており、「地方創生の実現」という本来の趣旨に沿った安定した制度として広く浸透しつつあります※2

また、インターネット広告事業の主たる事業領域である国内インターネット広告市場における2020年のインターネット広告費は、前年比105.9%の2兆2,290億円と新型コロナウイルス感染症の影響を受けたものの、社会のデジタル化加速が追い風となり、堅調に成長を続けております。特に、インターネット広告媒体費のうち、運用型広告費は1兆4,558億円(同109.7%)と外出自粛による生活行動の変化によってSNSやEC、動画配信サービスへの接触機会も増え、大手プラットフォーマーを中心とした運用型広告の需要が高まっております※3。さらに、2021年のインターネット広告媒体費は全体で前年比107.7%、1兆8,912億円になると予測されています※4

このような事業環境の下、当社グループは、インターネットマーケティング企業として、祖業であるインターネット広告(アドネットワーク)事業で培ったテクノロジーとマーケティング・ノウハウを活用した高収益型事業ポートフォリオへの転換を図り、新たな市場の開拓と成長事業分野への投資を推し進め、さらなる企業価値の向上に努めております。地域社会の活性化など社会課題を解決する機能を持つふるさと納税事業「ふるなび」においては、市場の成長期を捉え、取引自治体を増やすと共に、自治体との共創による飲食や宿泊などの体験型返礼品の企画や周辺事業を推進してまいりました。また、継続的なTVCMによる「ふるなび」ブランドの認知度向上と、精力的なプロモーション活動を展開し、ふるさと納税制度の浸透及び顧客基盤の拡大に努めてまいりました。インターネット広告事業では、重点領域であるメディアソリューション事業やアプリ運営事業などのメディア関連事業の拡大に努めました。また、大規模プラットフォーマーの市場支配力の拡大や、競合との競争激化により市場環境の厳しいアドネットワーク事業においても、新規顧客や海外顧客の獲得に注力すると共に、収益構造の改善を進め、安定的な収益の確保に努めてまいりました。さらに、デジタル広告市場の健全化を図る政府の動きも活発化してきており、市場の変化に対応すべく、当社グループもより効果的で適正な広告運用を行う体制の強化に努めております。

これらの結果、当連結会計年度の売上高は、17,833,542千円(前年同期比119.7%)営業利益は3,382,383千円(同150.6%)経常利益は3,366,686千円(同149.8%)親会社株主に帰属する当期純利益は2,299,961千円(同133.1%)となりました。

 

※1 出典:総務省自治税務局市町村税課「ふるさと納税に関する現況調査結果」、2021年7月30日公表

※2 ふるさと納税受入額等の実績は、住民税の計算期間と異なり、自治体の事業年度(4月1日~翌年3月31日)

  の状況を集計したものであります。当社では、2019年6月1日からふるさと納税に係る指定制度が施行される

  ことを見越した駆け込み需要が2018年末から2019年3月末にかけて起こったことによる影響があったものと

  考え、2018年度から2019年度にかけての実績数値の減少は、市場自体の縮小を示すものではないと考えており

  ます。

※3 出典:株式会社電通「2020年日本の広告費」、2021年2月25日発表

※4 出典:株式会社サイバー・コミュニケーションズ/株式会社D2C/株式会社電通/株式会社電通デジタル

    「2020年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析」、2021年3月10日発表

 

セグメント別の業績は次のとおりです。

なお、各セグメント別の売上高は、セグメント間の内部売上高及び振替高を含む数値を記載しております。

詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおりです。

 

(コンシューマ事業)

コンシューマ事業では、ふるさと納税事業「ふるなび」及び周辺事業としてトラベル事業、レストランPR事業並びにポイントサービス事業を展開しております。主力事業であるふるさと納税事業「ふるなび」は、ふるさと納税制度の認知度向上による市場の成長に加えて、新型コロナウイルス感染症の影響によるインターネット接触時間の増加やイエナカ消費、節約志向が追い風となりました。また、契約自治体数の増加や返礼品の増加、TVCMなどの新規会員獲得施策及びリピーターへの想起施策並びにYahoo!JAPANとの連携プロモーションなどが奏功したことで、会員数、寄附件数共に増加し、寄附受付金額は前年同期を大きく上回る結果となりました。さらにトラベル事業やレストランPR事業においても、飲食や宿泊を体験できる返礼品の契約自治体数を順調に拡大させております。なお、前期にネットキャッチャー事業などの不採算事業から撤退したことも、セグメント利益の改善効果をもたらしております。

これらの結果、当連結会計年度のセグメント売上高は7,846,052千円(前年同期比171.9%)、セグメント利益は1,962,015千円(同148.0%)と大幅な増収増益となりました。

 

(インターネット広告事業)

インターネット広告事業では、アドネットワーク事業、アフィリエイト事業、メディアソリューション事業、広告代理店事業(サイバーコンサルタント社)、アプリ運営事業(オーテ社)等を展開しております。インターネット広告市場では、新型コロナウイルス感染症による広告主の減少が、広告表示単価(CPM)の低下を招くなど一時的に収益への影響があったものの、市場はコロナ禍前の水準近くまでの回復をみせております。重点領域であるメディアソリューション事業では、パートナー数が堅調に推移したことで収益は拡大しており、アプリ運営事業では、広告効率が向上したことに加え、積極的な広告投資を実施したことで、新規顧客獲得が順調となり、業績は引き続き好調に推移しました。また、アドネットワーク事業では、今期より顧客に対してのトータルソリューションを提供できる組織とプロダクト体制に移行し、ターゲットとなる広告主や予算規模を見直すなど営業手法や体制を再整備し、受注案件数増加に向けて注力してまいりました。さらに、アフィリエイト事業ではインフルエンサーメディアの獲得やゲーム・ECなど、大型案件の継続的な受注が成功しており収益に貢献いたしました。一方で、個人情報保護に対する関心が高まっていることを背景に、IDFA取得制限などが実施されましたが、当社グループでは広告収益低下対策の支援サービスを新たに開始するなど、自社のノウハウを活用した事業拡大を行っております。

これらの結果、当連結会計年度のセグメント売上高は12,163,427千円(前年同期比106.1%)と増収、セグメント利益は1,420,367千円(同163.9%)と、利益率の大きい事業が貢献したことで大幅な増益となりました。

 

②財政状態

当連結会計年度末における総資産は18,992,553千円(前連結会計年度末比3,633,488千円の増加)となりました。これは、主に現金及び預金が3,058,928千円及び売掛金が394,076千円増加したことによるものであります。

負債は4,272,423千円(同2,136,195千円の増加)となりました。これは、主に未払法人税等が967,518千円、販売促進引当金が391,860千円及び流動負債のその他が364,256千円増加したことによるものであります。

純資産は14,720,129千円(同1,497,292千円の増加)となりました。これは、主に自己株式の取得及びその処分により841,506千円減少(自己株式が523,720千円増加し資本剰余金が317,785千円減少)したものの、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が2,299,961千円増加したことによるものであります。

 

③キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)の残高は、前連結会計年度末より3,058,928千円増加し、残高は15,422,020千円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において営業活動の結果獲得した資金は3,959,051千円(前連結会計年度は440,401千円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益3,317,808千円によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において投資活動の結果支出した資金は83,111千円(前連結会計年度は438,447千円の支出)となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出49,934千円及び投資有価証券の取得による支出20,000千円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において財務活動の結果支出した資金は817,011千円(前連結会計年度は1,580,961千円の支出)となりました。これは主に、自己株式の取得による支出986,712千円によるものであります。

 

④生産、受注及び販売の状況

a.生産実績

当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。

 

b.受注実績

当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。

 

c.販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。

セグメントの名称

金額(千円)

前年同期比(%)

コンシューマ事業

7,701,526

170.8

インターネット広告事業

10,132,016

97.5

合計

17,833,542

119.7

 

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.当連結会計年度における販売実績の著しい変動の要因は、「(1) 経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 3.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は総販売実績

   の100分の10未満であるため記載を省略しております。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度末における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。そのため実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。なお、新型コロナウイルス感染症の影響の仮定に関する情報は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載のとおりです。

そのほか、連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりです。

 

②財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容については、上記「(1)経営成績等の状況の概要  ① 経営成績の状況 ② 財政状態」をご参照ください。また、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「2  事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

③キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当連結会計年度のキャッシュ・フローの概況につきましては、上記「(1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

当社グループは、今後も更なる収益基盤の安定化及び持続的な成長を図るために、収益源の多様化を実現する必要があると考えており、自社による新規事業の創出及び拡大のみならず、業務提携、M&A等の新たな事業・サービスへの提携・投資に積極的に取り組んでいく方針であります。

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、広告作業実施のための媒体料金及び制作費の支払等並びに人件費をはじめとする販売費及び一般管理費です。また、当社グループ及び当社グループのサービスの知名度を向上させ、新規ユーザーの獲得とユーザーエンゲージメント強化のための広告宣伝費及び、事業開発とシステム開発に係る人件費であります。投資を目的とした資金需要は、主に業務提携、M&A等の新たな事業・サービスへの提携・投資及び設備投資等によるものであります。これらの資金需要は自己資金でまかなうことを基本とし、必要に応じて資金調達を実施致します。

 

④経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループが重視している経営指標のうち、中長期的な資本効率として設定しましたROEにつきまして、当連結会計年度は16.5%となりました。今後も目標の15%に対して業績の向上と併せて資本効率についても注視し、事業基盤の維持及び持続的な成長のために必要な株主資本の水準を保持しつつ、業績の動向を踏まえた安定的な配当の実施及び柔軟な自己株式の取得により、株主還元を着実に充実させてまいる所存でございます。

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

当社グループは、市場変化に迅速に対応し、より収益性の高い魅力あるサービスを提供するために、新技術等を取り入れた高付加価値を生み出すシステムの研究開発活動を行っております。

なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は26,886千円であります。