第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1)経営方針及び経営戦略

 創業から、当社グループは、『ファッションにエンタテイメントを』を経営理念として、オリジナルバッグ・財布等の提供を通じて『お客様に非日常のワクワク感を提供すること』を目指しております。

 今後も当社グループのブランドであるATAO、IANNE、Roberta di Camerino、ILEMERを中心とした『トレンドに左右されない商品企画』と『定番商品を人気商品化するノウハウ』をもとに、O2O戦略を活かした長期的なブランディングによって、それぞれのブランドの付加価値を高め、安定的に収益を上げる事業を展開してまいります。また、エンタテイメント事業を具現化するための、キャラクターとブランドを融合させたビジネスの実現に向け、中長期的に取り組んでまいります。

 

(2)経営環境及び対処すべき課題

 当社グループを取り巻く環境は、当社グループの主要な関連業界である百貨店を含む小売業界におきましても、個人消費が物価上昇への懸念等により低下が継続する厳しい状況となっております。こうした状況を踏まえて当社では、以下の課題について特に重要な課題としており、その実現に向けて、引続き積極的に取り組んでまいります。

 

 ① 内部管理体制の強化

 当社グループの円滑な拡大を支えていくために、業況推移を常時正確に把握し、適時・適切に経営判断へ反映させていくことが、従来以上に大切であると考えております。こうした観点から、内部管理体制の一層の充実、管理部門の体制強化を図ってまいります。

 

 ② 人材の確保・育成

 当社グループにとって、店舗従業員の確保・育成は重要な経営課題であり、優秀な人材確保のため、今後は様々な採用チャネルを活用していく方針です。当期においては、設立以来初めての新卒採用を行いました。また、転勤のない正社員の採用や時短勤務を取り入れる等、雇用形態や働き方の多様化も図ってまいります。

 

 ③ 生産体制の強化

 当社グループでは、お客様のニーズにより早く、確かな品質で応えることができるような供給システムを構築するため、技術指導等による生産管理委託先及び生産工場の育成に取り組んでおります。

 

 ④ 新規販売チャネルの展開

 当社グループは、継続的な成長及び企業価値の拡大を図り、より多くの消費者ニーズに応えるため、海外進出、キャラクタービジネス、ライセンス事業等の新規販売チャネルの開拓を推進してまいります。そのため、システム投資、広告宣伝費等の追加費用が発生する可能性がありますが、消費者の購買行動の変化に対して適時・適切に対応するとともに、事業拡大に伴う新たなお客様層の獲得を通じて、経営の安定化に取り組んでまいります。

 

 ⑤ 既存のお客様向けサービスの強化

 当社グループは、新規のお客様の獲得に取り組むと同時に、既存のお客様に対するサービス体制の強化を図ってまいります。

 

 ⑥ 模倣品等への対策の強化

 当社グループは、当社グループの商品と混同させてお客様に販売しようとする悪質な模倣品や当社グループの商品画像を悪用した詐欺サイト等については、お客様からの信頼を損ない、また、当社グループのブランド価値を毀損する可能性があると認識しており、この様な行為への対応を更に強化してまいります。

 

2【事業等のリスク】

 当社グループの経営成績、株価及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには、以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものでありますが、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。

 

(1)ブランド力の維持について

 当社グループは、法令遵守違反などの不適切な行為が発覚した場合は、速やかに適切な対応を図って参りますが、当社グループに対する悪質な風評が、SNS等のインターネット上の書き込み等により爆発的に発生・流布した場合は、それが正確な事実に基づくものであるか否かにかかわらず、当社グループのブランドイメージが毀損され、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(2)ファッショントレンドについて

 当社グループが属するファッションブランド業界は、一般に流行の変化が激しく、商品のライフサイクルが短い傾向にあります。当社グループは、流行に左右されにくい商品の開発や複数のブランドの展開等により当該リスクの低減を図っておりますが、ファッショントレンドの変化等により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)出店について

 当社グループは、出店を検討している地域にて期間限定ショップを展開し、お客様の動向・趣味嗜好等を総合的に判断して出店しておりますが、競合他社による出店等により売上業績が見込みを下回った場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(4)業績変動について

 当社グループでは、一定の季節変動があること及びインターネット販売におけるプロモーション戦略や出荷時期等の影響により、業績が大きく変動する可能性があります。第14期連結会計年度(自 2017年3月1日 至 2018年2月28日)及び第15期連結会計年度(自 2018年3月1日 至 2019年2月28日)における各四半期連結会計期間及び通期の当社グループの業績は、以下の通りであります。

(単位:千円、%)

 

第14期

 

第1四半期

連結会計期間

第2四半期

連結会計期間

第3四半期

連結会計期間

第4四半期

連結会計期間

連結会計年度

金額

比率

金額

比率

金額

比率

金額

比率

金額

売上高

1,174,677

34.1

648,535

18.9

693,444

20.2

924,583

26.9

3,441,241

営業利益

258,204

46.7

138,761

25.1

79,786

14.4

75,670

13.7

552,422

 

 

第15期

 

第1四半期

連結会計期間

第2四半期

連結会計期間

第3四半期

連結会計期間

第4四半期

連結会計期間

連結会計年度

金額

比率

金額

比率

金額

比率

金額

比率

金額

売上高

1,434,576

34.0

862,838

20.5

893,668

21.2

1,023,033

24.3

4,214,117

営業利益

347,920

46.8

207,073

27.8

129,132

17.4

59,512

8.0

743,639

(注)1 比率は通期の金額に対する各四半期連結会計期間の金額の割合であります。

2 売上高には、消費税等は含まれておりません。

 

(5)株式会社デジサーチアンドアドバタイジングとの関係について

① 資本的関係について

 株式会社デジサーチアンドアドバタイジングは、当連結会計年度末現在において、同社の代表取締役及び同氏の資産管理会社が合わせて当社の発行済株式総数の19.56%を保有しており、同社は当社の関連当事者となっております。

 当社と同社の間には、インターネット販売に関する営業取引は発生しておりますが、当社役員又は当社従業員と同社役員又は同社従業員との兼務関係、従業員の派遣出向及び受入出向ならびに営業外取引は発生しておりません。

 また、当社グループの事業戦略、人事政策及び資本政策等について、何ら制約等を受けておりません。

 なお、同社の概要は以下の通りであります。

 

名称

住所

資本金

(千円)

主要な事業の内容

議決権の所有又は被所有割合

(%)

関係内容

㈱デジサーチアンドアドバタイジング

東京都

渋谷区

50,000

インターネットを応用したビジネスの企画、開発、運営・Webショッピングサイトの制作・コンサルティング・インターネットショップの運営・小売店舗ブランドイメージ構築コンサルティング・上記分野の調査、コンサルティング

被所有

[19.56]

インターネットにおける当社商品の主要販売先、インターネット販売に係る販売促進及びカスタマーサポート業務等の委託先

 (注)「議決権の所有又は被所有割合」欄の[ ]内は、緊密な者による被所有割合で外数であります。

 

   ② 取引関係について

 当社は、株式会社デジサーチアンドアドバタイジングに対して、当社商品の直営サイトである「ATAO OFFICIAL WEB SITE」、「IANNE公式オンラインショップ」における当社商品の販売等を委託しております。

 なお、インターネット販売による当社商品の売上比率は以下の通りとなっております。

 

2017年2月期

2018年2月期

2019年2月期

インターネット販売

52.0%

52.2%

49.6%

店舗販売その他

48.0

47.8%

50.4%

 また、同社との取引は関連当事者取引に該当しておりますが、当該関連当事者取引が経営の健全性を損なっていないか、その取引が合理的判断に照らし合わせて有効であるか、取引条件は他の外部取引と比較して適正であるか等に特に留意して、当社取締役会で決議を行っております。さらに、毎月の取締役会では前月の同社との取引状況を報告することで透明化を図っております。

 2018年2月期及び2019年2月期における当社グループと株式会社デジサーチアンドアドバタイジングとの取引関係は以下の通りです。

取引の内容

取引金額(千円)

科目

期末残高(千円)

2018年2月期

2019年2月期

2018年2月期

2019年2月期

商品の販売

(注)1

1,801,788

2,094,896

売掛金

152,982

92,294

販売促進費の支払

(注)2

477,599

656,761

未払金

27,111

23,992

手数料の支払

(注)3

212,408

257,910

 (注)1 株式会社デジサーチアンドアドバタイジングに対し、一般顧客への販売金額に一定の割合を乗じた手数料を控除した金額で商品を販売しております。

2 株式会社デジサーチアンドアドバタイジングに対し、インターネット広告費用及びカスタマーサポート費用を支払っております。

3 株式会社デジサーチアンドアドバタイジングに対し、商品の配送費用や代金の回収に係る決済手数料等を支払っております。

4 上記の金額のうち、取引金額には消費税等が含まれておらず、期末残高には消費税等が含まれております。

5 独立第三者間取引と同様の一般的な取引条件で行っております。

 当社グループと株式会社デジサーチアンドアドバタイジングは良好な関係を築いており、現時点において当該会社との取引関係等に支障は生じていないものの、同社の経営方針の変更等により、当社グループとの関係に変化が生じた場合あるいは同社に予期せぬ事態が発覚し、当社商品のインターネット販売に影響を及ぼした場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 また、株式会社デジサーチアンドアドバタイジングとの取引を解消する場合、契約上インターネットサイトに関する知的財産権等及びインターネット販売に係る顧客情報が株式会社デジサーチアンドアドバタイジングに帰属することとされております。当社グループは、自社によるインターネット販売に係るノウハウの蓄積、代替取引先との関係強化、継続的な店舗販売の強化等により、当該リスクの低減を図っておりますが、株式会社デジサーチアンドアドバタイジングとの取引解消時に他社への切替等が適切に行えない場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)株式会社サカタとの関係について

 当社グループは、生産効率や生産管理の観点等から、生産工場(メーカー)、資材業者、皮革業者等を一括で取りまとめる業務を株式会社サカタに委託しており、同社を通じた商品の仕入比率は、2019年2月期において全体の96.6%となっております。

 当社グループは、同社に代替し得る取引先の確保や各生産工場等との直接契約への切替が可能な関係性の構築等によりリスクの低減を図っておりますが、今後何らかの理由により、安定的な商品の仕入が行えない場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)為替変動について

 当社グループは原則としてメーカーと直接仕入取引を行わず、個別のメーカーを取りまとめる生産管理業務を委託している株式会社サカタに対して仕入価格を提示して商品を仕入れており、株式会社サカタは当社より提示された価格で納品できるように各メーカーと仕入価格の調整を行っております。このため、これまでは当社の商品の仕入価格は殆ど変動せず、安定的な仕入価格で商品の供給を受けておりました。しかしながら、急激な円安の影響により、メーカーからの値上げ要求を受け入れざるを得なくなると、商品の仕入価格が上昇する可能性があり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(8)自然災害、事故等のリスクについて

 当社グループは生産、販売拠点ともに日本に集約しているため、国内において大地震や津波、台風、洪水等の自然災害あるいは予期せぬ事故等が発生した場合、店舗施設等に物理的な障害が生じる可能性があります。また、自然災害、事故等によって当社グループの販売活動や物流、仕入活動において支障が発生した場合のみならず、人的被害等が生じた場合、通常の事業活動が困難となり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(9)特定人物への依存について

 当社の代表取締役社長である瀬尾訓弘は、創業者であると同時に創業以来当社の事業推進において重要な役割を担ってまいりました。瀬尾は、商品の企画等、ブランド全体のプロデュースにおいて豊富な経験と知識を有しております。また当社設立以降は、経営方針や事業戦略の決定及びその遂行において重要な役割を果たしております。当社グループでは、人材の育成や権限移譲を進めるなど組織体制の強化を図りながら、瀬尾に過度に依存しない経営体制の整備を進めております。しかしながら、何らかの理由により瀬尾が当社グループの経営執行を継続することが困難になった場合、或いは特定の役職員が当社の業務を継続することが困難になった場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(10)人材の確保・育成について

 当社は、取締役7名(うち監査等委員である取締役3名)及び従業員数が66名(2019年2月末現在)と小規模な組織であり、業務執行体制もこれに応じたものになっております。当社グループは、今後の事業拡大に応じて従業員の育成、人材の採用を強化するとともに業務執行体制の充実を図っていく方針でありますが、これらの施策が適時適切に進行しなかった場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(11)内部管理体制の充実について

 当社グループは、企業価値の継続的な向上を図るには、コーポレート・ガバナンスが有効に機能することが不可欠であると認識しております。業務の適正性及び財務報告の信頼性の確保のための内部統制システムの適切な運用、さらに健全な倫理観に基づく法令遵守を徹底してまいりますが、事業の急速な拡大により、十分な内部管理体制の構築が追いつかない場合には、適切な業務運営が困難となり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(12)知的財産権について

 当社グループは、商標権等の知的財産権の保全に努めていますが、第三者による権利の侵害により、企業・ブランドイメージの低下、商品開発の阻害等を招いた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループでは第三者の知的財産権を侵害しないよう監視・管理を行っておりますが、万一、第三者から損害賠償及び使用差し止め請求等がなされ金銭の支払い等が発生した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(13)個人情報の管理について

 当社グループの事業では、利用者本人を識別することができる個人情報を保有しており、「個人情報の保護に関する法律」が定める個人情報取扱事業者としての義務を課されております。当社グループは、個人情報の外部漏洩・改ざん等を防止するため、個人情報の管理を事業運営上の重要事項と捉え、個人情報管理規程を制定しております。併せて、全社員を対象とした社内教育を通じて関連ルールの存在を周知徹底し、個人情報保護に関する意識の向上を図ることで、同法及び関連法令等の法的規制の遵守に努めております。また技術的対応として、外部からの侵入を防ぐことができる社内回線(VPN)を使用しており、ウィルス対策、情報漏洩防止に繋げております。また、各店舗のすべてのパソコンに設定されているログインパスワードは厳重に管理され、スタッフのみがアクセスできる体制になっており、社内体制の管理、整備に取り組んでおります。

 しかしながら、個人情報が当社グループ関係者や業務提携・委託先などの故意または過失により外部に流出したり、悪用される事態が発生した場合には、当社グループが損害賠償を含む法的責任を追及される可能性があるほか、当社グループの信頼性やブランドが毀損し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(14)システムに関するリスクについて

 当社グループは、サービス及びそれを支えるシステム、並びにインターネット接続環境の安定した稼働が、事業運営の前提であると認識しております。従って、常時データバックアップやセキュリティ強化を施し、安定的なシステム運用体制の構築に努めております。しかしながら、予期せぬ自然災害や事故、ユーザー及びトラフィックの急増やソフトウエアの不具合、ネットワーク経由の不正アクセスやコンピュータウィルスの感染など様々な問題が発生した場合にはサービスの安定的な提供が困難となり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(15)差入保証金について

 当社グループでは、路面店及び商業施設のインショップ店舗出店等に際し、賃貸借契約締結時に保証金を差し入れております。差入保証金の残高は2019年2月末現在、53,410千円であります。当該差入保証金は、期間満了等による賃貸借契約解約時に契約に従い返還されることとなっておりますが、契約に定められた期間満了日前に中途解約した場合は、契約内容に従って違約金の支払いが必要となる場合があります。また、仮にオーナーまたは商業施設が倒産等の事態に陥った場合には、差入保証金の回収ができない可能性もあります。

 

(16)配当政策について

 当社グループは、各事業年度の業績、財務体質の強化、中長期事業戦略などを総合的に勘案し、株主価値を最大化させることを念頭に、資本政策を決定していく方針であります。中でも、利益配分につきましては、経営成績及び財務状態を勘案の上、配当及び自己株式の取得等、最適な時期に最適な手法で行ってまいりたいと考えております。創業以来、当社の事業は拡大を続けており、引き続き、内部留保の充実を図りながら、事業拡大のための投資に資金を投じてまいりますことが、株主価値を最大化するものと考えております。創業以来無配としておりましたが、2020年2月末を基準日として1株あたり5円の配当を予定しております。今後の配当等株主還元の実施につきましても、業容拡大のスピード及び財務体質等勘案の上、適切に決めてまいりたいと考えております。なお、内部留保につきましては、財務体質の強化、及び事業拡大資金として、有効に活用してまいります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次の通りであります。

①財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度におけるわが国経済は、政府や日本銀行の各種施策の推進により企業収益や雇用環境の改善が見られる等、緩やかな景気回復の動きが見られた一方、中国やアジア新興国経済の減速リスク、米国政権による政策動向等、世界経済の不確実性が増す中、景気の先行きについては不透明な状況が続いております。当社グループの主要な関連業界である百貨店を含む小売業界におきましても、個人消費が物価上昇への懸念等により低下が継続する厳しい状況となっております。

 このような環境の中、当社グループは、「ファッションにエンタテイメントを」を理念とし、オリジナルバッグ・財布等の提供を通じて「お客様に非日常のワクワク感を提供すること」を目指し、引続きインターネット販売や既存店の強化を行っております。また、オンラインショップと店舗の一層の連携を図るべく、引続き販売促進費の増額、SNS活動の強化、自社ブランドのポータルブログを活用したO2O戦略の強化を行った結果、インターネット販売が2,090,013千円(前連結会計年度比16.4%増)、店舗販売が1,962,177千円(同33.4%増)となり、堅調に推移しました。

 ロベルタブランドのリブランディングを強化するべく、2018年9月15日にROBERTA DI CAMERINO本店をリニューアルオープンし、同年12月5日にROBERTA DI CAMERINO公式オンラインショップをリニューアルいたしました。また、顧客サービスの一層の強化及び売上の更なる拡大を図るべく、2018年10月20日にATAO有楽町店、同年11月9日にATAO新宿店をそれぞれ拡張リニューアルオープンすると共に、ブランド価値向上及び店舗展開の強化のため、2019年2月11日をもってATAO神戸本店、IANNE神戸店を一時閉店しております。さらに、2018年11月23日より、限定品のみ取り扱う新ライン「アトリエアタオ」の展開を開始しております。

 以上の結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下の通りとなりました。

 a.財政状態

  当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ780,820千円増加し、2,600,514千円となりました。

  当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ246,388千円増加し、704,061千円となりました。

  当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ534,431千円増加し、1,896,452千円となりました。

 b.経営成績

  当連結会計年度の売上高は4,214,117千円(前連結会計年度比22.5%増)、営業利益は743,639千円(同34.6%増)、経常利益は746,294千円(同34.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は532,252千円(同48.3%増)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、1,394,723千円となり、前連結会計年度末より582,483千円増加いたしました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果得られたキャッシュ・フローは442,440千円(前連結会計年度比243,068千円の増加)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益746,237千円による資金の増加があった一方、たな卸資産の増加額221,043千円及び法人税等の支払額176,945千円による資金の減少があったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用したキャッシュ・フローは50,205千円(前連結会計年度比12,431千円の減少)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出35,555千円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果獲得したキャッシュ・フローは190,248千円(前連結会計年度は23,349千円の使用)となりました。これは主に、長期借入れによる収入300,000千円があった一方、長期借入金の返済による支出111,931千円があったことによるものであります。

 

 

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当社グループは生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。

 

b.仕入実績

 仕入実績については、次の通りであります。

品目

当連結会計年度

(自 2018年3月1日

至 2019年2月28日)

仕入高(千円)

前年同期比(%)

オリジナルバッグ等

1,806,013

129.2

合計

1,806,013

129.2

 (注)1 金額は、仕入価格によっております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

c.受注実績

 当社グループは受注生産を行っておりませんので、該当事項はありません。

 

d.販売実績

 当社グループの事業セグメントは、バッグ及び財布等の企画・販売を主とするファッションブランドビジネスを行う単一セグメントであるため、販売実績について販売の業態別に示すと次の通りであります。

業態

当連結会計年度

(自 2018年3月1日

至 2019年2月28日)

販売高(千円)

前年同期比(%)

インターネット販売

2,090,013

116.4

店舗販売

1,962,177

133.4

その他

161,925

92.7

合計

4,214,117

122.5

 (注)1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次の通りであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2017年3月1日

至 2018年2月28日)

当連結会計年度

(自 2018年3月1日

至 2019年2月28日)

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

㈱デジサーチアンドアドバタイジング

1,801,788

52.4

2,094,896

49.7

㈱大丸松坂屋百貨店

603,331

14.3

(注)前連結会計年度における㈱大丸松坂屋百貨店に対する販売実績は、売上高の10%未満であるため、記載を省略しております。

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

  経営者の視点による当社グループ経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①重要な会計方針及び見積もり

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準により作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして経営者による会計方針の採用、資産・負債及び収益・費用の計上については会計基準及び実務指針等により見積もりを行っております。この見積もりについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積もりには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらと異なることがあります。

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する分析、検討内容

 財政状態の分析

 a.資産

 当連結会計年度末の資産については、総資産2,600,514千円であり、前連結会計年度末と比較して780,820千円増加しております。主な増加要因は、現金及び預金が582,483千円、商品が221,043千円増加したことであります。

 

 b.負債

 負債合計は704,061千円であり、前連結会計年度末と比較して246,388千円増加しております。主な増加要因は、長期借入金が95,892千円、1年内返済予定の長期借入金が92,177千円増加したことであります。

 

 c.純資産

 純資産は1,896,452千円であり、前連結会計年度末と比較して534,431千円増加しております。主な増加要因は、利益剰余金が532,252千円増加したことであります。

 

 経営成績の分析

 a.売上高及び売上総利益

 O2O施策が奏功しインターネット販売及び店舗販売がともに堅調に推移し、当連結会計年度の売上高は4,214,117千円(前連結会計年度比22.5%増)となり、売上原価1,584,970千円(同20.9%増)を計上した結果、売上総利益は2,629,146千円(同23.4%増)となりました。

 

 b.販売費及び一般管理費及び営業利益

 販売促進費690,558千円(前連結会計年度比33.6%増)、支払手数料317,925千円(同20.3%増)等を計上した結果、当連結会計年度の販売費及び一般管理費は1,885,507千円(同19.5%増)となり、営業利益は743,639千円(同34.6%増)となりました。

 

 c.営業外損益及び経常利益

 受取家賃1,022千円(前連結会計年度比15.9%減)、保険解約返戻金2,408千円(前期は計上なし)等により営業外収益3,578千円(同190.0%増)を計上し、営業外費用923千円(同78.6%増)を計上した結果、当連結会計年度の経常利益は746,294千円(前連結会計年度比34.9%増)となりました。

 

 キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載の通りであります。

 

③資本の財源及び資金の流動性について

 当社グループは、事業運営上必要な運転資金及び設備投資資金等を確保するとともに、経済環境の急激な変化等に備えた財務基盤の強化を図ることを基本方針としております。当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは、業容拡大に伴う仕入、販売促進費、人件費等の運転資本の増加であり、設備投資資金の需要は、主に新規出店や店舗リニューアルによるものであります。所要資金については、内部資金を活用するとともに、必要に応じて金融機関からの調達等により賄うこととしております。

 当連結会計年度末における有利子負債の残高は264,393千円、現金及び現金同等物の残高は1,394,723千円であり、ネット・キャッシュは1,130,330千円となっております。

 

④経営成績に重要な影響を与える要因について

 経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載の通りでありますが、ブランド力の維持、ファッショントレンド、出店、特定取引先との関係等、様々なリスク要因が当社の経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。そのため、市場動向等に留意し、内部管理体制の強化、取引先との関係維持・強化、市場のニーズに合った商品の開発等により、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散・低減し、適切に対応を行ってまいります。

 

⑤経営戦略の現状と見通し

 当社グループの経営の状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載の通り、当期につきましては販売促進費の増額やポータルブログ、SNS活動の強化等を行った結果、インターネット販売及び店舗販売がともに堅調に推移しました。

 今後の見通しにつきましては、引続き「トレンドに左右されない商品企画と、定番商品を人気商品化するノウハウ」を強みとして、O2O戦略の強化を図り、インターネット販売及び店舗販売等の継続的な成長を目指してまいります。

 2019年3月15日にブランド価値向上及び顧客サービスの一層の強化並びに売上及び利益の更なる拡大を図るべく、ATAO神戸本店及びIANNE神戸店を大幅拡張リニューアルし、当社グループが展開するすべてのコンテンツ及び限定品を取り扱う総合ショップ「アタオランド」をオープンいたしました。また、効率的な店舗運営等の観点から、同店の近隣店舗であるATAO大丸神戸店の営業を2019年3月5日をもって終了し、「アタオランド」に移転統合しております。

 「アタオランド」は、当社グループが展開するすべてのコンテンツを盛り込んだ、全国初の約100坪の大型店舗であり、ブランド発祥の地である神戸から、これまで以上に発信を強化し、他府県からの観光客の取り込みや、海外からの観光客にも訴求できる魅力ある店づくりを行ってまいります。

 また、堅調な「ATAO」の店舗及びオンラインショップを継続して強化していくことに加え、「IANNE」「Roberta di Camerino」「ILEMER」の各ブランドの育成及び顧客開拓、オンラインショップと店舗とのさらなる連携強化に積極的に取り組んでまいります。当社グループの主要な関連業界である百貨店を含む小売業界におきましては、今後も厳しい経営環境が続く見通しですが、好調なオンラインショップと店舗を連携させることにより当社グループ全体の売上及びブランド価値の向上を図ってまいります。

 

⑥経営者の問題認識と今後の方針について

 経営者の問題認識と今後の方針につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の通り、人材の確保・育成、生産体制の強化、新規販売チャネルの展開等が必要であると認識しております。

 

4【経営上の重要な契約等】

(1)販売契約

契約会社名

相手先の名称

相手先の所在地

契約名称

契約締結日

契約期間

契約内容

株式会社スタジオアタオ(当社)

株式会社デジサーチアンドアドバタイジング

東京都

渋谷区

商品販売基本契約書

2016年

8月1日

2016年8月1日より3年間

以後、3年毎の自動更新

当社商品(ATAO)のインターネット販売に関する条件等を定めた契約

取引を解消する場合、インターネットサイトに関する知的財産権等及びインターネット販売に係る顧客情報が株式会社デジサーチアンドアドバタイジングに帰属

株式会社スタジオアタオ(当社)

株式会社デジサーチアンドアドバタイジング

東京都

渋谷区

商品販売基本契約書

2016年

8月1日

2016年8月1日より3年間

以後、3年毎の自動更新

 

当社商品(IANNE)のインターネット販売に関する条件等を定めた契約

取引を解消する場合、インターネットサイトに関する知的財産権等及びインターネット販売に係る顧客情報が株式会社デジサーチアンドアドバタイジングに帰属

 

 

(2)仕入契約

契約会社名

相手先の名称

相手先の所在地

契約名称

契約締結日

契約期間

契約内容

株式会社スタジオアタオ(当社)

株式会社サカタ

大阪府

大阪市

阿倍野区

取引基本契約書

2015年9月1日

2015年9月1日より1年間

以後、1年毎の自動更新

 

生産管理委託先である株式会社サカタとの商品売買に係る取引基本契約

 

 

株式会社スタジオアタオ(当社)

株式会社サカタ及び株式会社シー・オー・エム

大阪府

大阪市

阿倍野区

大阪府

牧方市

革の販売取引に関する契約書

2018年1月1日

2018年1月1日より5年間

 

当社商品に使用する革の独占購入(最低購入数量に関する規定あり)に関する3者間の取引基本契約

 

 

 

(3)ライセンス契約

契約会社名

相手先の名称

相手先の所在地

契約名称

契約締結日

契約期間

契約内容

ロベルタ ディ カメリーノ ファーイースト株式会社

(連結子会社)

三菱商事株式会社

東京都

千代田区

マスターライセンス契約

2015年7月1日

2015年7月1日より2020年9月30日

2018年9月5日付で契約期間を2022年9月30日まで延長

 

ロベルタ ディ カメリーノ ファーイースト株式会社が、三菱商事株式会社より「Roberta di Camerino」ブランドに係る商標の使用許諾等を受けることに関する権利義務関係を定めた契約

 

 

5【研究開発活動】

 該当事項はありません。