第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営方針及び経営戦略

創業から、当社グループは、『ファッションにエンタテイメントを』を経営理念として、オリジナルバッグ・財布等の提供を通じて『お客様に非日常のワクワク感を提供すること』を目指しております。

当社グループは『トレンドに左右されない商品企画と、定番商品を人気商品化するノウハウ』を強みとして、O2O(※)の施策を活用しながら、自社が提供するオリジナルバッグ等の企画・販売を通してブランドの世界観を構築し、流行に左右されない『ブランドのファン』を生み出すことで長期的・安定的に収益を上げる事業の展開に取り組んでおります。これは、テーマパークのように統一された世界観の中で不変の定番商品や造形があり、お客様が非日常感を味わえる環境を創りだすことにも似ていると考えております。売れている商品を後追いするのではなく、自由な発想で独創的な商品を提案し、それらを人気の定番商品に育てるノウハウを使って、ブームで終わらない強固なブランド創りを目指しております。また、キャラクターとブランドを融合させたエンタテイメントビジネスの強化に向け、積極的な販売促進費の投資等を進めております。

当社グループは、店舗は原則として直営店による運営を行っております。店舗の販売スタッフをブランドPRの最前線の広告塔として考えており、販売スタッフはすべて正社員となっております。そして、創業者やデザイナーによる継続的な社内研修等を通じてブランドの本質を熟知した販売スタッフによる質の高いサービスを提供することによりリピーターの獲得に努めております。

さらに、O2Oの活用によるブランド戦略として、オフライン(店舗販売)とオンライン(インターネット販売)の連動及びそれを促進する販売スタッフによるブログ、SNS施策により、オンラインでブランドを知ったお客様がオフラインを訪れて買い物をしていただく一方で、オフラインでブランドを知ったお客様がオンラインを訪れて買い物をしていただくなどの双方向に回遊し、相乗効果を生むように取り組んでおります。

当社グループの主たる商品である鞄・袋物業界の小売市場規模は2021年度で約1兆5百億円であります(出所:株式会社矢野経済研究所「鞄・袋物市場に関する調査(2022年)」2023年4月5日発表)。上記当社グループの強みや戦略により、引続き当社グループの各ブランドの価値向上等に向けて取り組んでまいります。

※ Online to Offlineの略であり、オンライン(インターネット販売)とオフライン(店舗販売)が融合し、相互に影響を及ぼすこと。

 

(2) 経営環境及び対処すべき課題

当社グループは、「新規販売チャネルの展開」「店舗とECのOMOの実現」「生産体制の強化」「人材の確保・育成」「模倣品等への対策の強化」「内部管理体制の強化」「財務体質の強化」を対処すべき特に重要な課題としており、その実現に向けて、引続き積極的に取り組んでまいります。

 

① 新規販売チャネルの展開

当社グループは、継続的な成長及び企業価値の拡大を図り、より多くの消費者ニーズに応えるため、海外進出、キャラクタービジネス、ライセンス事業等の新規販売チャネルの開拓を推進してまいります。そのため、システム投資、広告宣伝費等の追加費用が発生する可能性がありますが、消費者の購買行動の変化に対して適時・適切に対応するとともに、事業拡大に伴う新たなお客様層の獲得を通じて、経営の安定化に取り組んでまいります。

 

② 店舗とECのOMOの実現

OMO(※)の実現及びEC事業におけるさまざまな業務の効率化と最適化、一部内製化を実施することにより、各ブランド価値の向上を図るとともに売上及び利益を中長期的に拡大することに取り組んでまいります。

※ OMO(Online Merges with Offline)とは、店舗とECの融合を図ることにより、顧客体験を向上させることを目的としたマーケティング手法のことをいいます。

 

 

③ 生産体制の強化

当社グループでは、お客様のニーズにより早く、確かな品質で応えることができるような供給システムを構築するため、技術指導等による生産管理委託先及び生産工場の育成に取り組んでまいります。

 

④ 人材の確保・育成

当社グループにとって、店舗従業員等の確保・育成は重要な経営課題であり、優秀な人材確保のため、様々な採用チャネルを活用していく方針です。当期においても新卒採用を継続して行い、店舗やECサイトの運営に必要な人材の確保に努めております。また、転勤のない正社員の採用や時短勤務を取り入れる等、雇用形態や働き方の多様化も図ってまいります。

 

⑤ 模倣品等への対策の強化

当社グループは、当社グループのブランドや商品と混同させてお客様に販売しようとする悪質な行為や当社グループの商品画像を悪用した詐欺サイト等については、お客様からの信頼を損ない、また、当社グループのブランド価値を毀損する可能性があると認識しており、この様な行為への対応を更に強化してまいります。

 

⑥ 内部管理体制の強化

当社グループの円滑な拡大を支えていくために、業況推移を常時正確に把握し、適時・適切に経営判断へ反映させていくことが、重要であると考えております。こうした観点から、内部管理体制の一層の充実、管理部門の体制強化を図ってまいります。

 

⑦ 財務体質の強化

当社グループは、経済環境の急激な変化等に備えるとともに、中長期的な安定成長を実現させるべく、財務体質の更なる強化を図ってまいります。

 

2 【事業等のリスク】

当社グループの経営成績、株価及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには、以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものでありますが、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。

 

(1) ブランド力の維持について

当社グループは、法令遵守違反などの不適切な行為が発覚した場合は、速やかに適切な対応を図って参りますが、当社グループに対する悪質な風評が、SNS等のインターネット上の書き込み等により爆発的に発生・流布した場合は、それが正確な事実に基づくものであるか否かにかかわらず、当社グループのブランドイメージが毀損され、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(2) ファッショントレンドについて

当社グループが属するファッションブランド業界は、一般に流行の変化が激しく、商品のライフサイクルが短い傾向にあります。当社グループは、流行に左右されにくい商品の開発や複数のブランドの展開等により当該リスクの低減を図っておりますが、ファッショントレンドの変化等により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 出店について

当社グループは、出店を検討している地域にて期間限定ショップを展開し、お客様の動向・趣味嗜好等を総合的に判断して出店しておりますが、競合他社による出店等により売上業績が見込みを下回った場合等には、業態変更や店舗の退店または移転、収益性の低下等に伴う固定資産の除却損や減損損失の計上等が発生し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

なお、2023年2月末時点の連結貸借対照表における有形固定資産の残高は317,143千円であります。

 

(4) 業績変動について

当社グループでは、一定の季節変動があること及びインターネット販売におけるプロモーション戦略や出荷時期等の影響により、業績が大きく変動する可能性があります。第18期連結会計年度(自 2021年3月1日 至 2022年2月28日)及び第19期連結会計年度(自 2022年3月1日 至 2023年2月28日)における各四半期連結会計期間及び通期の当社グループの業績は、以下の通りであります。

(単位:千円、%)

 

第18期

 

第1四半期

連結会計期間

第2四半期

連結会計期間

第3四半期

連結会計期間

第4四半期

連結会計期間

連結会計年度

金額

比率

金額

比率

金額

比率

金額

比率

金額

売上高

1,045,545

28.9

728,143

20.1

752,184

20.8

1,090,297

30.2

3,616,170

営業利益又は営業損失(△)

20,325

159.4

35,016

274.6

3,971

31.1

△46,561

△365.1

12,751

 

 

 

第19期

 

第1四半期

連結会計期間

第2四半期

連結会計期間

第3四半期

連結会計期間

第4四半期

連結会計期間

連結会計年度

金額

比率

金額

比率

金額

比率

金額

比率

金額

売上高

1,220,049

32.9

760,805

20.5

664,410

17.9

1,064,100

28.7

3,709,366

営業利益又は営業損失(△)

99,553

△41,275

△95,076

△220,015

△256,813

 

(注) 1 比率は通期の金額に対する各四半期連結会計期間の金額の割合であります。

2 売上高には、消費税等は含まれておりません。

 

 

 

(5) 株式会社デジサーチアンドアドバタイジングとの関係について

① 資本的関係について

株式会社デジサーチアンドアドバタイジングは、当連結会計年度末現在において、同社の代表取締役及び同氏の資産管理会社が合わせて当社の議決権の17.54%を保有しており、同社は当社の関連当事者となっております。

当社と同社の間には、インターネット販売に関する営業取引は発生しておりますが、当社役員又は当社従業員と同社役員又は同社従業員との兼務関係、従業員の派遣出向及び受入出向ならびに営業外取引は発生しておりません。

また、当社グループの事業戦略、人事政策及び資本政策等について、何ら制約等を受けておりません。

なお、同社の概要は以下の通りであります。

 

名称

住所

資本金

(千円)

主要な事業の内容

議決権の所有又は被所有割合

(%)

関係内容

㈱デジサーチアンドアドバタイジング

東京都渋谷区

50,000

資金負担型ECフルフィルメント(D2C事業)、金融ストラクチャーの設計・実装、株式出資型の企業再生・起業、ハンズオンメディアの制作・運営、シェア型出資ファンド・総合型クラウドファンディングの運営

被所有

[17.54]

インターネットにおける当社商品の主要販売先、インターネット販売に係る販売促進及びカスタマーサポート業務等の委託先

 

(注) 「議決権の所有又は被所有割合」欄の[ ]内は、緊密な者による被所有割合で外数であります。

 

② 取引関係について

当社は、株式会社デジサーチアンドアドバタイジングに対して、当社商品の直営サイトである「ATAO OFFICIAL WEB SITE」、「IANNE公式オンラインショップ」における当社商品の販売等を委託しておりましたが、店舗とECのOMOを実現し、ブランド価値の更なる向上、顧客サービスの強化、売上及び利益の一層の拡大を図るべく、当社グループが展開する各ブランドのオンラインショップが集積したモール型の新ECサイトを2022年5月にオープンしており、これに伴い同社との商品販売基本契約を2022年7月末をもって終了いたしました。株式会社デジサーチアンドアドバタイジングとの商品販売基本契約において、インターネットサイトに関する知的財産権等及びインターネット販売に係る顧客情報が同社に帰属することとされていること等から、同社との契約終了後において一時的にインターネット販売が減少する可能性があるものの、店舗とECのOMOの実現、新ECサイトのオープンによる業務の効率化及び最適化、コストの見直し等により、各ブランド価値の更なる向上、売上及び利益の中長期的な拡大を図ってまいります。しかしながら、新ECサイトにおける販売等が計画通り進捗しない場合等には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

なお、2022年2月期及び2023年2月期における当社グループと株式会社デジサーチアンドアドバタイジングとの取引関係は以下の通りです。

 

取引の内容

取引金額(千円)

科目

期末残高(千円)

2022年2月

2023年2月

2022年2月

2023年2月

商品の販売(注)1

1,865,491

885,573

売掛金

314,547

販売促進費の支払(注)2

554,317

112,525

未払金

48,748

手数料の支払(注)3

242,855

333,076

 

(注) 1 株式会社デジサーチアンドアドバタイジングに対し、一般顧客への販売金額に一定の割合を乗じた手数料を控除した金額で商品を販売しております。

2 株式会社デジサーチアンドアドバタイジングに対し、インターネット広告費用及びカスタマーサポート費用を支払っております。

3 株式会社デジサーチアンドアドバタイジングに対し、商品の配送費用や代金の回収に係る決済手数料等を支払っております。

4 上記の金額のうち、取引金額には消費税等が含まれておらず、期末残高には消費税等が含まれております。

5 取引条件については、市場の実勢価格等を参考にして交渉の上で決定しております。

 

(6) 株式会社サカタとの関係について

当社グループは、生産効率や生産管理の観点等から、生産工場(メーカー)、資材業者、皮革業者等を一括で取りまとめる業務を株式会社サカタに委託しており、同社を通じた商品の仕入比率は、2023年2月期において全体の93.7%となっております。

当社グループは、同社に代替し得る取引先の確保や各生産工場等との直接契約への切替が可能な関係性の構築等によりリスクの低減を図っておりますが、今後何らかの理由により、安定的な商品の仕入が行えない場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 為替変動について

当社グループは原則としてメーカーと直接仕入取引を行わず、個別のメーカーを取りまとめる生産管理業務を委託している株式会社サカタに対して仕入価格を提示して商品を仕入れており、株式会社サカタは当社より提示された価格で納品できるように各メーカーと仕入価格の調整を行っております。このため、これまでは当社の商品の仕入価格は殆ど変動せず、安定的な仕入価格で商品の供給を受けておりました。しかしながら、急激な円安の影響により、メーカーからの値上げ要求を受け入れざるを得なくなると、商品の仕入価格が上昇する可能性があり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(8) 自然災害、事故、感染症発生等のリスクについて

当社グループは生産、販売拠点ともに主に日本に集約しているため、国内において大地震や津波、台風、洪水等の自然災害あるいは予期せぬ事故等が発生した場合、店舗施設等に物理的な障害が生じる可能性があります。また、自然災害、事故、感染症発生等によって当社グループの販売活動や物流、仕入活動において支障が発生した場合のみならず、人的被害等が生じた場合、通常の事業活動が困難となり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(9) 特定人物への依存について

当社の代表取締役社長である瀬尾訓弘は、創業者であると同時に創業以来当社の事業推進において重要な役割を担ってまいりました。瀬尾は、商品の企画等、ブランド全体のプロデュースにおいて豊富な経験と知識を有しております。また当社設立以降は、経営方針や事業戦略の決定及びその遂行において重要な役割を果たしております。当社グループでは、人材の育成や権限移譲を進めるなど組織体制の強化を図りながら、瀬尾に過度に依存しない経営体制の整備を進めております。しかしながら、何らかの理由により瀬尾が当社グループの経営執行を継続することが困難になった場合、或いは特定の役職員が当社の業務を継続することが困難になった場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(10) 人材の確保・育成について

当社は、取締役7名(うち監査等委員である取締役3名)及び従業員数が71名(2023年2月末現在)と小規模な組織であり、業務執行体制もこれに応じたものになっております。当社グループは、今後の事業拡大に応じて従業員の育成、人材の採用を強化するとともに業務執行体制の充実を図っていく方針でありますが、これらの施策が適時適切に進行しなかった場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(11) 内部管理体制の充実について

当社グループは、企業価値の継続的な向上を図るには、コーポレート・ガバナンスが有効に機能することが不可欠であると認識しております。業務の適正性及び財務報告の信頼性の確保のための内部統制システムの適切な運用、さらに健全な倫理観に基づく法令遵守を徹底してまいりますが、事業の急速な拡大により、十分な内部管理体制の構築が追いつかない場合には、適切な業務運営が困難となり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(12) 知的財産権について

当社グループは、商標権等の知的財産権の保全に努めていますが、第三者による権利の侵害により、企業・ブランドイメージの低下、商品開発の阻害等を招いた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループでは第三者の知的財産権を侵害しないよう監視・管理を行っておりますが、万一、第三者から損害賠償及び使用差し止め請求等がなされ金銭の支払い等が発生した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(13) 個人情報の管理について

当社グループの事業では、利用者本人を識別することができる個人情報を保有しており、「個人情報の保護に関する法律」が定める個人情報取扱事業者としての義務を課されております。当社グループは、個人情報の外部漏洩・改ざん等を防止するため、個人情報の管理を事業運営上の重要事項と捉え、個人情報管理規程を制定しております。併せて、全社員を対象とした社内教育を通じて関連ルールの存在を周知徹底し、個人情報保護に関する意識の向上を図ることで、同法及び関連法令等の法的規制の遵守に努めております。また技術的対応として、外部からの侵入を防ぐことができる社内回線(VPN)を使用しており、ウィルス対策、情報漏洩防止に繋げております。また、各店舗のすべてのパソコンに設定されているログインパスワードは厳重に管理され、スタッフのみがアクセスできる体制になっており、社内体制の管理、整備に取り組んでおります。

しかしながら、個人情報が当社グループ関係者や業務提携・委託先などの故意または過失により外部に流出したり、悪用される事態が発生した場合には、当社グループが損害賠償を含む法的責任を追及される可能性があるほか、当社グループの信頼性やブランドが毀損し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(14) システムに関するリスクについて

当社グループは、サービス及びそれを支えるシステム、並びにインターネット接続環境の安定した稼働が、事業運営の前提であると認識しております。従って、常時データバックアップやセキュリティ強化を施し、安定的なシステム運用体制の構築に努めております。しかしながら、予期せぬ自然災害や事故、ユーザー及びトラフィックの急増やソフトウエアの不具合、ネットワーク経由の不正アクセスやコンピュータウィルスの感染など様々な問題が発生した場合にはサービスの安定的な提供が困難となり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(15) 差入保証金について

当社グループでは、路面店及び商業施設のインショップ店舗出店等に際し、賃貸借契約締結時に保証金を差し入れております。差入保証金の残高は2023年2月末現在、118,672千円であります。当該差入保証金は、期間満了等による賃貸借契約解約時に契約に従い返還されることとなっておりますが、契約に定められた期間満了日前に中途解約した場合は、契約内容に従って違約金の支払いが必要となる場合があります。また、保証金の差入先は原則として大手の商業施設等であるため可能性は低いと想定しておりますが、仮にオーナーまたは商業施設が倒産等の事態に陥った場合には、差入保証金の回収ができない可能性もあります。

 

(16) 配当政策について

当社グループは、各事業年度の業績、財務体質の強化、中長期事業戦略などを総合的に勘案し、株主価値を最大化させることを念頭に、資本政策を決定していく方針であります。中でも、利益配分につきましては、経営成績及び財政状態を勘案の上、配当及び自己株式の取得等、最適な時期に最適な手法で行ってまいりたいと考えております。創業以来、当社の事業は拡大を続けており、引き続き、安定配当の維持を基本とし、事業拡大のための投資に資金を投じてまいりますことが、株主価値を最大化するものと考えております。当事業年度につきましては、当期の業績等を勘案して、2023年2月末を基準日として1株当たり5円の配当としております。今後の配当等株主還元の実施につきましても、業容拡大のスピード及び財務体質等勘案の上、適切に決めてまいりたいと考えております。

配当の決定機関は、期末配当については株主総会、中間配当については取締役会であります。なお、内部留保につきましては、財務体質の強化、及び事業拡大資金として、有効に活用してまいります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次の通りであります。

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が続く中、活動制限の緩和により消費活動が徐々に正常化に向かう一方、ロシア・ウクライナ情勢に起因する世界的なエネルギー価格の高騰や急激な円安による為替相場の変動など、景気の先行きは依然として不透明な状況が続いております。

このような環境の中、当社グループは、「ファッションにエンタテイメントを」を理念とし、オリジナルバッグ・財布等の提供を通じて「お客様に非日常のワクワク感を提供すること」を目指し、引続き販売促進費への投資やSNS活動の強化等を行っております。また、店舗とECのOMOを実現し、当社が展開する各ブランド価値の更なる向上、顧客サービスの強化、売上及び利益の一層の拡大を図るべく、ATAO(アタオ)、IANNE(イアンヌ)、ILEMER(イルメール)、StrawberryMe(ストロベリーミー)、Atelier Atao(アトリエアタオ)のオンラインサイトが集積したモール型の新ECサイト「ATAOLAND+(アタオランドプラス)」を2022年5月にオープンし、同年8月以降に同ECサイトに係るプロモーションを本格化しております。加えて、キャラクターブランドであるILEMERのブランド価値向上のための投資を継続し、サプライズ・ハッピードールの関連商品等の拡充を図るとともに、新たに玩具類及びオリジナルスイーツに関する同ブランドのライセンス商品の展開を開始しております。

その結果、当連結会計年度の販売業態別の売上高は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う影響の低減やATAO京都店の新規出店等の影響により、店舗販売が1,762,143千円(前連結会計年度比24.5%増)となりました。また、収益認識会計基準等の新規適用等の影響があった一方、ATAOLAND+への移行に伴う旧ECサイトに係る販売促進費の抑制や旧ECサイトに係る知的財産権及び顧客情報等が旧ECサイトの運営委託先である株式会社デジサーチアンドアドバタイジングに帰属する契約となっていたこと等の影響により、インターネット販売が1,903,930千円(同10.4%減)となりました。

 

以上の結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下の通りとなりました。

a.財政状態

当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ42,555千円増加し、3,799,541千円となりました。

当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ335,465千円増加し、1,235,125千円となりました。

当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ292,910千円減少し、2,564,415千円となりました。

 

b.経営成績

当連結会計年度の業績は、売上高が3,709,366千円(前連結会計年度比2.6%増)となり、ATAOLAND+への移行に伴う販売促進費の強化、ATAOブランドのテレビCMを含むプロモーションの実施、在庫評価損の計上等により、営業損失は256,813千円(前連結会計年度は営業利益12,751千円)、経常損失は245,092千円(前連結会計年度は経常利益11,234千円)、親会社株主に帰属する当期純損失は228,786千円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失21,877千円)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、1,834,598千円となり、前連結会計年度末より281,553千円減少いたしました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果使用したキャッシュ・フローは239,550千円(前連結会計年度は86,025千円の獲得)となりました。これは主に、売上債権の減少額249,679千円による資金の増加があった一方、税金等調整前当期純損失242,736千円の計上及び棚卸資産の増加額353,769千円による資金の減少があったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用したキャッシュ・フローは236,404千円(前連結会計年度比211,400千円の増加)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出178,218千円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果獲得したキャッシュ・フローは194,400千円(前連結会計年度は293,087千円の使用)となりました。これは主に、長期借入れによる収入475,000千円があったことによるものであります。

 

③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績

当社グループは生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。

 

b.仕入実績

仕入実績については、次の通りであります。

 

品目

当連結会計年度

(自 2022年3月1日

至 2023年2月28日)

仕入高(千円)

前年同期比(%)

オリジナルバッグ等

1,621,681

118.5

合計

1,621,681

118.5

 

(注) 1 金額は、仕入価格によっております。

 

c.受注実績

当社グループは受注生産を行っておりませんので、該当事項はありません。

 

d.販売実績

当社グループの事業セグメントは、バッグ及び財布等の企画・販売を主とするファッションブランドビジネスを行う単一セグメントであるため、販売実績について販売の業態別に示すと次の通りであります。

 

業態

当連結会計年度

(自 2022年3月1日

至 2023年2月28日)

販売高(千円)

前年同期比(%)

インターネット販売

1,903,930

89.6

店舗販売

1,762,143

124.5

その他

43,291

56.4

合計

3,709,366

102.6

 

(注) 1 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次の通りであります。

 

相手先

前連結会計年度

(自 2021年3月1日

至 2022年2月28日)

当連結会計年度

(自 2022年3月1日

至 2023年2月28日)

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

㈱デジサーチアンド

アドバタイジング

1,865,491

51.6

885,573

23.9

 

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループ経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する分析、検討内容

財政状態の分析

a.資産

当連結会計年度末の資産については、総資産3,799,541千円であり、前連結会計年度末と比較して42,555千円増加しております。主な要因は、商品が353,769千円、建物及び構築物が136,350千円増加した一方、現金及び預金が281,553千円、売掛金が249,679千円減少したことであります。

b.負債

負債につきましては、負債合計は1,235,125千円であり、前連結会計年度末と比較して335,465千円増加しております。主な要因は、1年内返済予定の長期借入金が148,135千円、長期借入金が115,228千円増加したことであります。

c.純資産

純資産は2,564,415千円であり、前連結会計年度末と比較して292,910千円減少しております。主な要因は、利益剰余金が298,910千円減少したことであります。

 

経営成績の分析

a.売上高及び売上総利益

当連結会計年度の売上高は売上高が3,709,366千円(前連結会計年度比2.6%増)となり、売上原価1,267,912千円(同4.7%減)を計上した結果、売上総利益は2,441,454千円(同6.8%増)となりました。

b.販売費及び一般管理費及び営業損失

販売促進費893,663千円(前連結会計年度比4.4%減)、支払手数料242,266千円(同29.0%減)、販売手数料429,225千円等を計上した結果、当連結会計年度の販売費及び一般管理費は2,698,268千円(同18.7%増)となり、営業損失は256,813千円(前連結会計年度は営業利益12,751千円)となりました。

c.営業外損益及び経常損失

受取保険金13,860千円等により営業外収益14,566千円(同754.0%増)を計上し、営業外費用2,844千円(同11.7%減)を計上した結果、当連結会計年度の経常損失は245,092千円(前連結会計年度は経常利益11,234千円)となりました。

d.特別損益及び親会社株主に帰属する当期純損失

特別利益として助成金収入2,445千円(前連結会計年度比76.9%減)、特別損失として固定資産除却損90千円を計上し、税金等調整前当期純損失は242,736千円(前連結会計年度は税金等調整前当期純利益14,726千円)となり、法人税等△13,949千円(前連結会計年度は法人税等36,603千円)を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純損失は228,786千円(同945.8%増)となりました。

 

キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載の通りであります。

 

② 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載の通りであります。

 

 

③ 資本の財源及び資金の流動性について

当社グループは、事業運営上必要な運転資金及び設備投資資金等を確保するとともに、経済環境の急激な変化等に備えた財務基盤の強化を図ることを基本方針としております。当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは、業容拡大に伴う仕入、販売促進費、人件費等の運転資本の増加であり、設備投資資金の需要は、主に新規出店や店舗リニューアルによるものであります。所要資金については、内部資金を活用するとともに、必要に応じて金融機関からの調達等により賄うこととしております。なお、2023年2月に金融機関から475,000千円の借入を実行しております。

当連結会計年度末における有利子負債の残高は916,440千円、現金及び現金同等物の残高は1,834,598千円であり、ネット・キャッシュは918,158千円となっております。

 

④ 経営成績に重要な影響を与える要因について

経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載の通りでありますが、ブランド力の維持、ファッショントレンド、出店、特定取引先との関係等、様々なリスク要因が当社の経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。そのため、市場動向等に留意し、内部管理体制の強化、取引先との関係維持・強化、市場のニーズに合った商品の開発等により、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散・低減し、適切に対応を行ってまいります。

 

⑤ 経営戦略の現状と見通し

当社グループの経営の状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載の通りです。

今後の見通しにつきましては、引続き「トレンドに左右されない商品企画と、定番商品を人気商品化するノウハウ」を強みとして、O2O戦略の強化を図り、インターネット販売及び店舗販売等の継続的な成長を目指してまいります。また、キャラクターとブランドを融合させたエンタテイメントビジネスの強化に向け、積極的に先行投資を行い、中長期的に取り組んでまいります。

当連結会計年度中にオープンした新ECサイト「ATAOLAND+」における売上及び販売促進費率等は改善傾向にあるものの、旧ECサイトに係る知的財産権及び顧客情報等が旧ECサイトの運営委託先である株式会社デジサーチアンドアドバタイジングに帰属する契約となっており、また、同社が当社との契約が継続している期間中に新たに立ち上げたブランドに関して、お客様から、ECサイトや商品の形状等が当社ブランドと類似している、知らないブランドから頻繁にメルマガが配信される、両ブランドの関係性、誤って購入してしまった等の問い合わせや苦情等が多く寄せられており、お客様が両ブランドやECサイト等を誤認、混同するケースが当社の想定以上に多く発生していること等により、インターネット販売の再拡大には一定の期間及び販売促進費等の継続的な投資が必要になると考えております。また、自社ECサイトへの切り替えに伴い、ブランディング等の観点から、従来出店していた楽天等のECモールにおける展開については引続き慎重に検討する方針としております。

ILEMERブランドに関しては、新商品の投入を強化しながら販売促進費をコントロールすること等により、売上の拡大を図っていきたいと考えております。

引続き、店舗とECのOMOの強化、各種プロモーション施策の実施、新ECサイトのオープンによる業務の最適化及び効率化等により、各ブランド価値の更なる向上、売上及び利益の中長期的な拡大を図ってまいります。

 

※ OMO(Online Merges with Offline)とは、店舗とECの融合を図ることにより、顧客体験を向上させることを目的としたマーケティング手法のことをいいます。

 

⑥ 経営者の問題認識と今後の方針について

経営者の問題認識と今後の方針につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の通り、新規販売チャネルの展開、店舗とECのOMOの実現、生産体制の強化、人材の確保・育成等が必要であると認識しております。

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

(1) 販売契約

 

契約会社名

相手先の

名称

相手先の所在地

契約名称

契約締結日

契約期間

契約内容

株式会社スタジオアタオ(当社)

株式会社デジサーチアンドアドバタイジング

東京都

渋谷区

商品販売基本

契約書

2016年

8月1日

2022年7月末を

もって終了

当社商品(ATAO)のインターネット販売に関する条件等を定めた契約取引を解消する場合、インターネットサイトに関する知的財産権等及びインターネット販売に係る顧客情報が株式会社デジサーチアンドアドバタイジングに帰属

株式会社スタジオアタオ(当社)

株式会社デジサーチアンドアドバタイジング

東京都

渋谷区

商品販売基本

契約書

2016年

8月1日

2022年7月末を

もって終了

当社商品(IANNE)のインターネット販売に関する条件等を定めた契約取引を解消する場合、インターネットサイトに関する知的財産権等及びインターネット販売に係る顧客情報が株式会社デジサーチアンドアドバタイジングに帰属

 

 

(2) 仕入契約

 

契約会社名

相手先の

名称

相手先の所在地

契約名称

契約締結日

契約期間

契約内容

株式会社スタジオアタオ(当社)

株式会社サカタ

大阪府

大阪市

阿倍野

取引基本契約書

2015年

9月1日

2015年9月1日より1年間

以後、1年毎の自動更新

生産管理委託先である株式会社サカタとの商品売買に係る取引基本契約

株式会社スタジオアタオ(当社)

株式会社サカタ及び株式会社シー・オー・エム

大阪府

大阪市

阿倍野

大阪府

枚方市

革の販売取引に関する契約書

2018年

1月1日

2018年1月1日より5年間

2020年12月1日付で契約期間を2023年12月31日まで延長

当社商品に使用する革の独占購入(最低購入数量に関する規定あり)に関する3者間の取引基本契約

 

 

(3) ライセンス契約

 

契約会社名

相手先の

名称

相手先の所在地

契約名称

契約締結日

契約期間

契約内容

ロベルタ ディ カメリーノ ファーイースト株式会社

(連結子会社)

三菱商事株式会社

東京都

千代田区

マスター

ライセンス契約

2015年

7月1日

2022年9月末を

もって終了

ロベルタ ディ カメリーノ ファーイースト株式会社が、三菱商事株式会社より「Roberta di

Camerino」ブランドに係る商標の使用許諾等を受けることに関する権利義務関係を定めた契約

 

 

5 【研究開発活動】

該当事項はありません。