第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

当社グループは、「リスクを解決する社会インフラの創出」をミッションとして、リスク検知に特化したビッグデータ解析技術を基に、企業を中心としたあらゆる組織が晒されるデジタルリスクを解決するためのソリューションを提供しております。 

当社グループは、データ解析と予兆検知、そしてコンサルティングを通して、社会的な課題であるデジタルリスクを解決し、社会の危機を未然に防ぐことを目指しております。そして、リスクによる不利益を被ることなく、安全に安心して活動できる社会の実現に、当社自身が不可欠な存在になることで、組織や社会の発展に貢献したいと考えております。

 

(2)経営環境

スマートフォンやソーシャルメディアの普及に伴い、いつでも誰でもインターネット上での情報発信ができることになりコミュニケーションは多様化しました。他方で、情報漏洩や不適切な投稿等に伴い被害を受ける個人や企業が後を絶たない状況にあり、重要なインフラストラクチャーとしてのインターネットの信頼性を回復させることが社会的な重要課題となっております。

ソーシャルメディア上のレピュテーションのみならず、Fintechやシェアリングエコノミーの発展に伴う不正行為、個人情報のデジタル化に対するサイバーインテリジェンス等、社会全体のデジタルトランスフォーメーションが進むなか、その反動として発生してゆく、新たなデジタルリスクに対するマネジメントが急務となっております。

 

(3)対処すべき課題

当社グループでは、以下の事項を対処すべき課題として取り組みを進めております。

 

① 事業拡大

継続的かつ安定的な事業成長を遂げるため、既存ビジネスで培った強みを活用して事業領域の拡大に努めるとともに、積極的な技術投資を実行し新たな事業を創出することが重要と考えております。

当社グループが強みとするリスク検知に特化したビッグデータ解析ソリューションには様々な可能性があると考えており、企業内のログデータ等多種多様なデータを統合的に分析する内部脅威検知サービスをはじめ、顧客のデジタルトランスフォーメーションを支援するためのサービスなど、多様化するデジタルリスクに対応するために事業領域を広げております。また、デジタルリスクを解決する可能性を持った新しい技術領域に積極的に投資しております。今後もサービスの領域拡大を図り、既存顧客に付加価値の提供を拡充し、新規顧客の獲得を図り、優良なサービスを継続的に提供してまいります。

 

② 収益性向上

中長期的な成長を図るために、強固な収益基盤が必要と考えております。

当社グループのサービスは、継続的な収益を得るストック型の形態が大半となっておりますが、今後の安定的な収益基盤を確立するためストック型収益を更に充実するとともに、付加価値の高いサービスを提供し、取引の継続性を更に高めることが重要であると認識しております。そのため、品質向上に対する、当社グループ横断的な取組みを実施していくことが重要であります。加えてAIの積極活用やRPAによる省人化や自動化によって生産性の向上にも取り組み、サービスの提供方法や業務のあり方の見直しのため、最新技術の導入についても積極的に進めてまいります。

 

③ 人材高度化

継続的に企業価値を高めていくため、業容拡大に向けた人材の高度化が重要であると考えております。

当社グループの事業は法人顧客が主となるため、コンサルティング能力を更に強化していく必要があります。

また、付加価値の高いサービス提供のため、ビッグデータ解析やインターネット関連の技術者の安定的な確保も必要不可欠であります。そのため、採用による増員を行うと同時に、継続的な社員教育を行い、能力向上の機会を増やし、人材の育成及び強化を行ってまいります。また、社員の自己実現を重視し、社員が活躍できる環境や仕組み、風土の構築を通じて働きがいの向上に努めてまいります。

 

 

2 【事業等のリスク】

 

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項については、以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

① ビッグデータの利用規制について

ソーシャルメディアの活性化などに伴い、ビッグデータ関連ビジネスが推進されております。しかしながら、法令等の制改定により、ビッグデータの利用について何らかの規制が生じた場合には、サービス提供のための情報収集やサービス提供の手法自体に何らかの制約が発生し、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 情報取得について

当社グループは、ソーシャルメディアから生成されるビッグデータをソフトウェアにより自動的に収集しております。しかしながら、ソーシャルメディアの運営側の方針により収集に制限が加えられた場合や禁止された場合には、サービスの品質が低下し、また、情報収集のための追加コストが発生し、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 技術開発について

データ解析に関連する技術革新は急速に進んでおり、機能の変更や拡充が日々求められるため、当社グループは継続的な技術開発に取り組んでおります。しかしながら、技術開発が想定通りに進まず、サービスが有効に機能しなくなる場合には、サービスの品質が低下し、また、対応するための追加コストが発生し、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 競合について

デジタルリスク関連市場は将来の成長が期待される市場であるため、国内外の事業者がこの分野に参入してくる可能性があります。新規参入する他社との競合状況が激化した場合には、価格の下落、又は、価格競争以外の要因でも受注を失うおそれがあり、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ ソーシャルメディアについて

現在は、多くの企業や消費者がソーシャルメディアの積極的利用を行っており、それに伴いソーシャルリスクマネジメントに対する意識も高まっております。しかしながら、ソーシャルメディア自体が衰退し、利用者数が減少した場合には、関連する投稿数や記事数が減少し、ソーシャルメディアに起因するリスクが低下することが予想されるため、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥ 人材の確保や育成について

業容拡大に伴う優秀な人材の確保と育成が重要な課題であり、実務を担うデータアナリストやエンジニアをはじめ、内部での人材育成及び外部からの人材登用に努めております。しかしながら、採用や育成に支障をきたす事態や雇用に支障をきたす事態が発生した場合には、円滑な業務の遂行及び積極的な受注活動が阻害されるおそれがあり、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦ システム障害及び不具合について

当社グループは、24時間365日体制でサービス提供しておりますが、通信ネットワークに依存しており、サーバー等の自社設備や第三者の通信設備等のインターネット接続環境が良好に稼動することが前提であります。そのため、災害や事故による通信ネットワークの切断、サーバーの停止、コンピュータウィルスによる被害、外部からの不正侵入やソフトウェアの不具合などが生じた場合には、サービスの提供に支障をきたし、また、障害や不具合の原因が当社にあった場合には、 顧客企業からの信頼度が低下し、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑧ 情報漏洩について

当社は、顧客の営業機密や社内情報等の機密情報を扱う場合があり、情報セキュリティマネジメントシステムの国際規格であるISMS「ISO/IEC27001」の認証を取得するなど、規程やマニュアル等に従った体制や教育の下で、機密情報を厳しく管理しております。しかしながら、何らかの理由により機密情報の漏洩が生じた場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑨ レピュテーションについて

当社グループは、高い公共性を有するインターネットにおいて、リスクマネジメントを支援する事業会社グループとして、重責を負託されていることを十分に認識し社会的責任を果たすために、取引にあたり当社独自の基準を設け、社会から信頼される健全性と倫理観を常に保持するための取り組みが有効かつ継続的に機能する体制を運用しております。しかしながら、何らかの理由によりレピュテーション上のリスクが生じた場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑩ 知的財産権について

当社グループが保有する知的財産権に関しては、商標登録等を行っており、今後も知的財産権の保全に積極的に取り組む予定であります。しかしながら、当社グループの知的財産権が第三者に侵害された場合には、解決までに多くの時間及び費用がかかる等、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

また、当社グループによる第三者の知的財産権の侵害については、可能な範囲で調査を行い対応しております。しかしながら、当社グループの事業領域における第三者の知的財産権を完全に把握することは困難であり、認識せずに侵害してしまう可能性が否定できず、この場合には、当社グループに対する損害賠償請求や、ロイヤリティの支払要求等が行われる等、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑪ 投資事業について

当社グループは、ビッグデータ解析ノウハウや事業基盤を活かし、投資先企業の企業価値向上と、それによるリターン獲得及び投資先企業とのシナジー創出を行うため、国内外におけるデジタルリスクに関連する事業及びその周辺事業への投資事業を行っております。これらの投資について、投資先の業績業況によっては、投資が回収できなくなる可能性や減損会計の適用による評価損が発生する可能性が否定できず、この場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑫ 内部管理体制について

当社グループは、関係者の不正行為等が発生しないよう、国内外の法令及びルールの遵守を行動基準として定め、内部監査等で遵守状況の確認を行っております。しかしながら、法令等に抵触する事態や関係者による不正行為が発生する可能性は否定できず、これらの事態が生じた場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社は子会社の事業運営に関して管理責任を有しており、グループ全体のリスク管理体制やコンプライアンス体制を運用する必要があります。しかしながら、何らかの理由により統制機能が不十分となった場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑬ 新株予約権の行使による株式価値の希薄化について

当社グループは、優秀な人材確保のため、従業員等に新株予約権を付与するインセンティブプランを採用しております。当連結会計年度末現在、新株予約権による潜在株式数は445,000株であり、同日現在の発行済株式総数(自己株式を除く)5,141,928株の8.7%に相当し、これらの新株予約権が行使された場合には、1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社および連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 なお、当社グループは従来、「ソーシャルリスク事業」を報告セグメントとして、他の事業セグメントの重要性が乏しいためセグメント情報の記載を省略しておりましたが、当連結会計年度末より、「デジタルリスク事業」を報告セグメントとし、AIセキュリティ事業等をその他の報告セグメントとして、セグメント情報を記載しております。前連結会計年度との比較・分析は変更後の区分に基づいて記載しております。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

我が国のインターネット市場においては、デジタルデバイスの普及に合わせて、シェアリングエコノミーとの連携など、ソーシャルメディアの利用が社会基盤として定着しており、マーケティングやプロモーション、リクルーティングなど、企業がソーシャルメディアを事業に活用する重要性が益々高まっております。

これに関連して、スマートフォン向けの動画広告などインターネット広告費が5年連続で二桁成長となる(電通「2018年日本の広告費」)等、今後の次世代通信規格「5G」の環境整備も相俟って、引き続き市場成長が継続するものと予想されます。

一方で、従業員の不適切投稿のみならず、消費者の行動を把握し、炎上を防止し、適切な情報発信を行うといったソーシャルメディアにおけるリスクマネジメントは、デジタル化が進む社会におけるブランド戦略と密接に関わり、ブランドセーフティの考えの高まりとともに、経営全体における重要性が高まっております。

そして、ソーシャルメディア上のレピュテーションに限らず、発展するテクノロジーの反動として生ずる情報漏洩など新たなリスクに対するマネジメントは、デジタルトランスフォーメーションを進める社会において、急務となっております。

このような環境下、当社グループは「リスクを解決する社会インフラの創出」をミッションとして、リスク検知に特化したビッグデータ解析技術を基にソリューションを提供し、デジタルリスクの盾として、社会的課題の解決に取り組んでおります。

 

(a) 財政状態

当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ29,602千円増加し、1,831,547千円となりました。

当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ60,924千円増加し、221,902千円となりました。

当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末と比べ31,322千円減少し、1,609,645千円となりました。

 

(b) 経営成績

当連結会計年度においては、ソーシャルリスクに関わるモニタリングやコンサルティングを主力サービスとして、内部脅威検知サービス、顧客確認サービス等、多様化するリスク要因と様々な業界の顧客需要に対応するサービスを組み合わせて提供することに注力しました。また、エストニア企業と連携して、分散型データベース技術および本人認証技術導入支援を開始するなど、事業領域の拡大と将来の収益基盤の構築に取り組みました。

これらの結果、当連結会計年度の売上高は1,656,560千円(前年同期比3.0%増)となりました。営業利益はデジタルリスクモニタリングのAI化を進めるとともに、新規サービスの開発、人材採用および育成に費用を投下し、38,974千円(前年同期比45.6%減)となりました。経常利益は、投資事業組合運用損を計上し、32,872千円(前年同期比54.3%減)となりました。また、親会社株主に帰属する当期純損益は投資有価証券売却損および投資有価証券評価損を計上し、63,552千円の損失(前年同期は31,904千円の利益)となりました。

 

(c) セグメントごとの経営成績

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

(デジタルリスク事業)

デジタルリスク事業は、主にSNSやブログ、インターネット掲示板などWeb上の様々なソーシャルメディアに起因するリスクに関連するソーシャルリスクサービスと企業内のログデータ等多種多様なデータを統合的に分析する内部脅威検知サービス等から構成されております。

ソーシャルリスクサービスについては、蓄積されたデータとノウハウを基に、既存顧客への深耕と新規顧客の開拓を図りました。ソーシャルメディアを活用したブランド戦略に加えて、食品への異物混入や運営施設での対応、顧客情報の管理体制、従業員の不適切投稿などによる危機意識の高まりを受け、リスクの発生を早期に検知および把握するサービスの導入が、様々な業種で伸長しました。これにあわせ、リスク検知精度の向上と効率化を進めるため、AIによるスコアリングの導入および運用を進め、Web上のデータから企業や組織の信用情報を可視化する等、AIを活用したサービスの進化を図りました。

内部脅威検知サービスについては、商材の拡充を進め、「働き方改革」の影響もあり、隠れ超過残業、メンタルヘルス、内部情報持ち出し、内部不正等のニーズで新規顧客の積み上げを図り、個人情報を大量に保有する企業や高度な技術情報を持つ製造業など、多様な業界における導入が伸長しました。これに合わせて提供体制を強化するための人材配置を行いました。

このらの結果、売上高は1,645,659千円(前年同期比2.6%増)となり、営業利益は610,037千円(前年同期3.6%減)となりました。

 (その他)

その他につきましては、AIセキュリティ事業を含んで構成されております。

リスク情報分析と危機対応支援を行うAIセキュリティ事業においては、顧客確認を高速で行うサービスの開発に注力するとともに、警備業界のデジタルトランスフォーメーションを支援するサービスの開発に着手し、サービスラインの拡充を図りました。予てより取り組んでおりましたオープンデータを活用したリスク検知ノウハウと警備ノウハウを融合したサービスについては、引き続き、早期事業化へ向けた取り組みを推進してまいります。

その他、様々なデータを収集してリスク検知に特化したビッグデータ解析ソリューションを提供する「Eltes Data Intelligence 構想」に基づき、新たなデジタル分析領域の企業と提携を進めております。加えて、事業基盤を活かした投資先企業の企業価値向上ならびに投資先企業とのシナジー創出を行い、当社グループ全体の価値増加を図るため、デジタルリスク関連企業への継続的な投資を行っております。

いずれについても、引き続き開発段階であり、人材関連費を含め、積極的な費用投下を行っております。

この結果、売上高は10,901千円(前年同期比167.7%増)となり、営業損益は47,211千円の損失(前年同期は35,512千円の損失)となりました。

 

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ31,199千円減少し、1,197,620千円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は、143,776千円(前年同期は、41,508千円の使用)となりました。これは主に、税金等調整前当期純損失27,915千円であったものの、減価償却費89,644千円と投資有価証券評価損39,497千円、投資有価証券売却損21,290千円等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は、219,714千円(前年同期は、186,440千円の使用)となりました。これは主に、投資有価証券の売却による収入178,509千円があったものの、投資有価証券の取得による支出386,250千円等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果得られた資金は、44,737千円(前年同期は、8,134千円の獲得)となりました。これは主に、長期借入れによる収入30,000千円、長期借入金の返済による支出17,493千円、新株予約権の行使による株式の発行による収入32,400千円等によるものであります。

 

 

 ③ 生産、受注及び販売の実績

 

(a) 生産実績

当社グループの事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。

 

(b) 受注実績

当社グループの事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。

 

(c) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメント名の名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

デジタルリスク事業

1,645,659

102.6

その他

10,901

267.7

合計

1,656,560

103.0

 

(注)1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合

   販売実績の総販売実績に対する割合が10%を上回っている相手先がないため、記載を省略しております。

3 セグメント間取引については、相殺消去しております。

 

 

 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析、検討内容)

  経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、次の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。連結財務諸表の作成に当たり、資産及び負債又は損益の状況に影響を与える会計上の見積りは、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

当社グループの連結財務諸表の作成に当たって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 (a) 財政状態

当連結会計年度末資産合計は、前連結会計年度末に比べ29,602千円増加し、1,831,547千円となりました。

このうち流動資産は、前連結会計年度末に比べ36,929千円減少し、1,421,366千円となりました。これは主に現金及び預金が31,199千円減少したことによるものであります。

固定資産は、前連結会計年度末に比べ66,754千円増加し、409,422千円となりました。これは主に無形固定資産が54,516千円減少し、投資有価証券が141,239千円増加したことによるものであります。

当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ60,924千円増加し、221,902千円となりました。

このうち、流動負債は、前連結会計年度末に比べ53,427千円増加し、209,395千円となりました。これは主に一年内返済予定の長期借入金が5,010千円増加し、その他の流動負債が26,966千円増加したことによるものであります。

固定負債は、前連結会計年度に比べ7,497千円増加し、12,507千円となりました。これは長期借入金が7,497千円増加したことによるものであります。

当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ31,322千円減少し、1,609,645千円となりました。これは主に新株予約権の行使による出資32,400千円、親会社株主に帰属する当期純損失63,552千円等によるものであります。

 

 (b) 経営成績

当連結会計年度においては、ソーシャルリスクに関わるモニタリングやコンサルティングを主力サービスとして、内部脅威検知サービス、顧客確認サービス等、多様化するリスク要因と様々な業界の顧客需要に対応するサービスを組み合わせて提供することに注力しました。また、エストニア企業と連携して、分散型データベース技術および本人認証技術導入支援を開始するなど、事業領域の拡大と将来の収益基盤の構築に取り組みました。

これらの結果、当連結会計年度の売上高は1,656,560千円(前年同期比3.0%増)となりました。営業利益はデジタルリスクモニタリングのAI化を進めるとともに、新規サービスの開発、人材採用および育成に費用を投下し、38,974千円(前年同期比45.6%減)となりました。経常利益は、投資事業組合運用損を計上し、32,872千円(前年同期比54.3%減)となりました。また、親会社株主に帰属する当期純損益は投資有価証券売却損および投資有価証券評価損を計上し、63,552千円の損失(前年同期は31,904千円の利益)となりました。

 

(c) セグメントごとの経営成績等

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

デジタルリスク事業は、売上高は1,645,659千円(前年同期比2.6%増)となり、セグメント利益は610,037千円(前年同期3.6%減)、セグメント資産325,730千円(前年同期比12.8%減)となりました。

その他は、売上高は10,901千円(前年同期比167.7%増)となり、営業損益は47,211千円の損失(前年同期は35,512千円の損失)、セグメント資産9,282千円(前年同期比83.8%減)となりました。

 

(3) キャッシュ・フローの分析

「第2 事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

 

(4) 資本の財源及び資金の流動性

当社グループの資金需要は、運転資金に加え、新規事業への事業投資や投資有価証券の取得であります。

現状、これらの資金需要につきましては、自己資金、金融機関からの借入れによって調達しておりますが、必要に応じて、増資や社債発行等により柔軟に対応することとしております。

 

(5) 経営戦略の現状と見通し

当社グループは、「リスクを解決する社会インフラの創出」をミッションに、リスク検知に特化したソリューションを提供しており、データ解析技術とコンサルティングを通して、リスクによる不利益を被ることなく、安全に安心して活動できる社会の実現に貢献したいと考えております。

ソーシャルメディアの更なる利活用に伴う企業のリスクマネジメントに対する取り組みが拡大し深化すると見込まれます。また、これに限らず、デジタルトランスフォーメーションが進展する社会においては、新しい課題に対して解決策が求められていくものと見込まれます。このため、デジタルリスク事業においては、多種多様なデジタルリスクに対応するため、事業投資を継続し、サービス領域の拡充と品質の強化を図り、継続的な取引と新規取引の獲得を図る方針であります。

また、当社グループが強みとするリスク検知に特化したビッグデータ解析によるソリューションには様々な可能性があると考えており、その他の事業についても、新規領域の事業化を早期に確立させる方針であります。 

 

(6) 経営成績に重要な影響を与える要因について

「第2 事業の状況 2事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

(7) 経営者の問題認識と今後の方針

「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。

 

4 【経営上の重要な契約等】

 

  該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

 

当社グループは、「リスクを解決する社会インフラの創出」の経営理念のもと、リスク検知に特化したビッグデータ解析による安定的かつ持続的な成長を目的として、データを収集・分析・可視化することで顧客の問題解決を行うソリューションを提供するための技術開発を推進しております。デジタルリスクの多様化・高度化に対応するため、ビッグデータ処理技術の向上、自然言語処理技術の多言語対応、統計解析・機械学習、データビジュアライゼーションに関する研究開発を行っており、また、技術開発効率を高めるべく、先端技術の導入を目的とした大学との共同研究や専門性を持ったパートナー企業とのアライアンスを推進しております。

当連結会計年度における研究開発費は、33,335千円であります。

セグメントごとの研究開発活動は、次のとおりであります。

 

(1) デジタルリスク事業

デジタルリスク事業では、主にインターネット・SNS上の風評から企業や組織の信用情報を可視化する新サービス開発を進めました。当連結会計年度における研究開発費の金額は20,735千円であります。

 

(2) その他

主にAIセキュリティ事業において、警備業界のデジタルトランスフォーメーションを支援するサービスの開発に着手し、サービスラインの拡充を図っております。当連結会計年度における研究開発費の金額は12,600千円であります。