第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社グループは、「次々と現れる新たなデジタルリスクに立ち向かい、解決すること」をミッションとして、リスク検知に特化したビッグデータ解析技術を基に、社会的課題の解決に取り組んでおります。

当社グループが目指すのは、テクノロジーが発展した豊かな社会です。デジタル化は、社会をより便利で豊かなものに変えていくでしょう。しかしながら、これにはリスクも伴います。当社グループでは、テクノロジー発展の反動によって次々と生まれる新しいリスクを「デジタルリスク」と定義いたしました。データ解析と予兆検知、そしてコンサルティングを通して、デジタルリスクを解決し、社会の危機を未然に防ぐ、テクノロジーとともに進化し、デジタル社会にとってなくてはならない存在となることを目指します。

また、社会や産業のデジタル化に伴い、リスクマネジメント自体もデジタル化されていくと考えています。企業や個人を脅かすデジタルリスクは日々、高度化し続けており、従来型のリスクマネジメントでは対応が困難です。常に先を見据え、リスク分析に関するデータとノウハウを強みに、テクノロジーを駆使してデジタルリスクをマネジメントし続けることがデジタルリスクと戦い続けるための唯一の手段と考えております。このことが、イノベーションを生み出し続け、新しいマーケットを創造することになると考えております。

このような環境下、次の事項を対処すべき課題として取り組みを行っております。

まず、デジタル化が進む社会において、新たなデジタルリスクの発生が予想される領域に、積極的な技術投資を実行し、価値を創出することが重要と考えております。当社グループが強みとするリスク検知に特化したビッグデータ解析には様々な可能性があると考えており、統合型リスク管理プラットフォームなど顧客のデジタルトランスフォーメーションを推進するためのサービスを拡充し、成長機会の創造を行ってまいります。また、ソーシャルリスクサービス市場での圧倒的なシェア確保のため、既存ビジネスで培ったデータとノウハウを活用して、企業規模を問わず地方市場を含めた顧客層の拡大に努め、収益機会の増大を図ってまいります。さらに、パートナー企業との連携を進め、急激な環境変化への迅速な対応が不可欠であるデジタルリスク領域に対して、機動的なサービス開発および亊業展開を図ってまいります。

次に、当社グループにおけるサービス形態の大半となっているストック型サービスを更に充実させるため、急速なテクノロジーの進化に対応できる付加価値の高いサービスを提供し続け、取引の継続性を高めることが重要と考えております。そのため、ビッグデータ解析やインターネット関連の技術者の確保を行い、最新技術の導入について積極的に進めてまいります。また、サービス提供や業務全般について、オンライン化やデジタル化を推進し、AIやRPAの活用による自動化により生産性の向上に取り組むとともに、プロダクト型のビジネスモデルの構築を図ってまいります。さらに、事業展開に応じた適切な組織体制の整備により、迅速な対応が不可欠である事業環境における意思決定の機動性確保を図ってまいります。

当社グループは、「デジタルリスクと戦い続ける」という信念のもと、デジタル社会の健全な発展を目指します。

 

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

 

2 【事業等のリスク】

 

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項については、以下のようなものがあります。当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しておりますが、潜在的リスクや不確定要因はこれらに限られるものではありませんのでご留意ください。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

① ビッグデータの利用規制について

ソーシャルメディアの活性化などに伴い、ビッグデータ関連ビジネスが推進されております。しかしながら、法令等の制改定により、ビッグデータの利用について何らかの規制が生じた場合には、サービス提供のための情報収集やサービス提供の手法自体に何らかの制約が発生し、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性 があります。

 

② 情報取得について

当社グループは、ソーシャルメディアから生成されるビッグデータをソフトウエアにより自動的に収集しております。しかしながら、ソーシャルメディアの運営側の方針により収集に制限が加えられた場合や禁止された場合には、サービスの品質が低下し、また、情報収集のための追加コストが発生し、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 技術開発について

データ解析に関連する技術革新は急速に進んでおり、機能の変更や拡充が日々求められるため、当社グループは継続的な技術開発に取り組んでおります。しかしながら、技術開発が想定通りに進まず、サービスが有効に機能しなくなる場合には、サービスの品質が低下し、また、対応するための追加コストが発生し、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 競合について

デジタルリスク関連市場は将来の成長が期待される市場であるため、国内外の事業者がこの分野に参入してくる可能性があります。新規参入する他社との競合状況が激化した場合には、価格の下落、又は、価格競争以外の要因でも受注を失うおそれがあり、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ ソーシャルメディアについて

現在は、多くの企業や消費者がソーシャルメディアの積極的利用を行っており、それに伴いソーシャルリスクマネジメントに対する意識も高まっております。しかしながら、ソーシャルメディア自体が衰退し、利用者数が減少した場合には、関連する投稿数や記事数が減少し、ソーシャルメディアに起因するリスクが低下することが予想されるため、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥ 人材の確保や育成について

業容拡大に伴う優秀な人材の確保と育成が重要な課題であり、実務を担うデータアナリストやエンジニアをはじめ、内部での人材育成及び外部からの人材登用に努めております。しかしながら、採用や育成に支障をきたす事態や雇用に支障をきたす事態が発生した場合には、円滑な業務の遂行及び積極的な受注活動が阻害されるおそれがあり、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦ システム障害及び不具合について

当社グループは、24時間365日体制でサービス提供しておりますが、通信ネットワークに依存しており、サーバー等の自社設備や第三者の通信設備等のインターネット接続環境が良好に稼動することが前提であります。そのため、災害や事故による通信ネットワークの切断、サーバーの停止、コンピュータウィルスによる被害、外部からの不正侵入やソフトウエアの不具合などが生じた場合には、サービスの提供に支障をきたし、また、障害や不具合の原因が当社にあった場合には、 顧客企業からの信頼度が低下し、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑧ 情報漏洩について

当社は、顧客の営業機密や社内情報等の機密情報を扱う場合があり、情報セキュリティマネジメントシステムの国際規格であるISMS「ISO/IEC27001」の認証を取得するなど、規程やマニュアル等に従った体制や教育の下で、機密情報を厳しく管理しております。しかしながら、何らかの理由により機密情報の漏洩が生じた場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑨ レピュテーションについて

当社グループは、高い公共性を有するインターネットにおいて、リスクマネジメントを支援する事業会社グループとして、重責を負託されていることを十分に認識し社会的責任を果たすために、取引にあたり当社独自の基準を設け、社会から信頼される健全性と倫理観を常に保持するための取り組みが有効かつ継続的に機能する体制を運用しております。しかしながら、何らかの理由によりレピュテーション上のリスクが生じた場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑩ 知的財産権について

当社グループが保有する知的財産権に関しては、商標登録等を行っており、今後も知的財産権の保全に積極的に取り組む予定であります。しかしながら、当社グループの知的財産権が第三者に侵害された場合には、解決までに多くの時間及び費用がかかる等、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

また、当社グループによる第三者の知的財産権の侵害については、可能な範囲で調査を行い対応しております。しかしながら、当社グループの事業領域における第三者の知的財産権を完全に把握することは困難であり、認識せずに侵害してしまう可能性が否定できず、この場合には、当社グループに対する損害賠償請求や、ロイヤリティの支払要求等が行われる等、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑪ 投資事業について

当社グループは、ビッグデータ解析ノウハウや事業基盤を活かし、投資先企業の企業価値向上と、それによるリターン獲得及び投資先企業とのシナジー創出を行うため、国内外におけるデジタルリスクに関連する事業及びその周辺事業への投資事業を行っております。これらの投資について、投資先の業績業況によっては、投資が回収できなくなる可能性や減損会計の適用による評価損が発生する可能性が否定できず、この場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑫ 内部管理体制について

当社グループは、関係者の不正行為等が発生しないよう、国内外の法令及びルールの遵守を行動基準として定め、内部監査等で遵守状況の確認を行っております。しかしながら、法令等に抵触する事態や関係者による不正行為が発生する可能性は否定できず、これらの事態が生じた場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社は子会社の事業運営に関して管理責任を有しており、グループ全体のリスク管理体制やコンプライアンス体制を運用する必要があります。しかしながら、何らかの理由により統制機能が不十分となった場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑬ 新株予約権の行使による株式価値の希薄化について

当社グループは、優秀な人材確保のため、従業員等に新株予約権を付与するインセンティブプランを採用しております。当連結会計年度末現在、新株予約権による潜在株式数は436,000株であり、同日現在の発行済株式総数(自己株式を除く)5,150,850株の8.5%に相当し、これらの新株予約権が行使された場合には、1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社および連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

我が国のインターネット市場においては、ソーシャルメディアの利用が社会基盤として定着しており、マーケティングやプロモーション、リクルーティングなど、企業がソーシャルメディアを事業に活用する重要性は益々高まっております。従業員の不適切投稿のみならず、消費者の行動を把握し、炎上を防止し、適切な情報発信を行うといったソーシャルメディアにおけるリスクマネジメントは、デジタル化が進む社会におけるブランド戦略と密接に関わり、ブランドセーフティの考えの高まりとともに、経営全体における重要性が高まっております。インターネット広告費は、引き続き二桁成長でテレビメディア広告費を上回って首位となり(電通「2019年日本の広告費」)、2020年3月より「第5世代移動通信システム(5G)」の商用化も開始され通信環境の改善が進むこと等により、引き続き市場成長が継続するものと予想されます。

一方で、新型コロナウイルス感染症の感染拡大予防のためテレワークが急速に普及するなど、デジタルトランスフォーメーションも進む中、ソーシャルメディアに関するリスクに限らず、情報漏洩など新たなリスクに対するマネジメントが重要になっております。

このような環境下、当社グループは「次々と現れる新たなデジタルリスクに立ち向かい、デジタルリスクを解決すること」をミッションとして、リスク検知に特化したビッグデータ解析技術を基にソリューションを提供し、デジタルリスクの盾として、社会的課題の解決に取り組んでおります。

 

(a) 財政状態

当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ231,646千円増加し、2,063,194千円となりました。

当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ137,790千円増加し、359,692千円となりました。

当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末と比べ93,855千円増加し、1,703,501千円となりました。

 

(b) 経営成績

当連結会計年度においては、ソーシャルリスクに関わるモニタリングやコンサルティングを主力サービスとして、企業内部のログデータ分析サービス、顧客確認サービス等、多様化するリスク要因と様々な業界の顧客需要に対応するサービスを組み合わせて提供することに注力しました。また、エストニア企業と連携して、分散型データベース技術および本人認証技術導入支援を開始するなど、事業領域の拡大と将来の収益基盤の構築に取り組みました。

これらの結果、当連結会計年度の売上高は1,963,995千円(前年同期比18.6%増)となりました。営業利益はデジタルリスクモニタリングのAI化を進めるとともに、新規サービスの開発、人材採用および育成に費用を投下し、186,550千円(前年同期比378.7%増)となりました。経常利益は、投資事業組合運用損等を計上し、174,704千円(前年同期比431.5%増)となりました。また、親会社株主に帰属する当期純損益は投資有価証券評価損を計上し、86,277千円の利益(前年同期は63,552千円の損失)となりました。

 

(c) セグメントごとの経営成績

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

(デジタルリスク事業)

デジタルリスク事業は、主にSNSやブログ、インターネット掲示板などWeb上の様々なソーシャルメディアに起因するリスクに関連するソーシャルリスクサービスと企業内のログデータ等多種多様なデータを統合的に分析する内部脅威検知サービス等から構成されております。

ソーシャルリスクサービスについては、従業員の不適切投稿が社会的問題となったことなど多様化するリスクを背景に契約数を増やし、それらに対応した分析ノウハウを蓄積することで競争力強化を図りました。首都圏以外の地域においてもWeb上でのリスク認識が増してきていることから、関西地方を中心とした中堅中小企業へのサービス提供を拡大するため、2019年9月に風評被害対策及びWebマーケティングを行う株式会社エフエーアイの株式を取得し、子会社といたしました。また、推進しているサービスのクラウドへの移行も順調に行われ、収益性の改善を図っております。

内部脅威検知サービスについては、セキュリティインシデントの多発や「働き方改革」を追い風に、国内大手企業から中小企業まで幅広くニーズが増大しております。これに合わせて提供体制を強化するための人材採用を行い、統合型リスク管理プラットフォームの提供を開始するなどサービスの拡充を進めています。

これらの結果、売上高は1,866,059千円(前年同期比13.4%増)となり、セグメント利益は650,205千円(前年同期比6.6%増)となりました。

 (その他)

その他につきましては、主にリスク情報分析と危機対応支援を行うAIセキュリティ事業とその他周辺ソリューションを含んで構成されております。

これらの事業においては、一部サービスの提供を開始しておりますが、引き続き開発段階であり、人材関連費を含め、積極的な費用投下を行っております。

この結果、売上高は97,935千円(前年同期比798.4%増)となり、セグメント損失は44,831千円(前年同期は47,211千円の損失)となりました。

 

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ125,430千円増加し、1,323,050千円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は、217,157千円(前年同期は、143,776千円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益148,256千円の計上、非資金項目である減価償却費32,751千円及び投資有価証券評価損26,448千円、未払金の増加額56,611千円により資金が増加し、売上債権の増加額22,620千円により資金が減少したものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は、91,143千円(前年同期は、219,714千円の使用)となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出13,483千円、投資有価証券の取得による支出62,256千円等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は、583千円(前年同期は、44,737千円の獲得)となりました。これは主に、長期借入れによる収入30,000千円、長期借入金の返済による支出35,847千円、新株予約権の行使による株式の発行による収入5,400千円等によるものであります。

 

 

 ③ 生産、受注及び販売の実績

 

(a) 生産実績

当社グループの事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。

 

(b) 受注実績

当社グループの事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。

 

(c) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメント名の名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

デジタルリスク事業

1,866,059

13.4

その他

97,935

798.4

合計

1,963,995

18.6

 

(注)1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合

   販売実績の総販売実績に対する割合が10%を上回っている相手先がないため、記載を省略しております。

3 セグメント間取引については、相殺消去しております。

 

 

 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析、検討内容

  経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、次の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。連結財務諸表の作成に当たり、資産及び負債又は損益の状況に影響を与える会計上の見積りは、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

当社グループの連結財務諸表の作成に当たって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 (a) 財政状態

当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ231,646千円増加し、2,063,194千円となりました。

当連結会計年度末における流動資産は、1,578,744千円となり、前連結会計年度末に比べ175,550千円増加いたしました。これは主に現金及び預金が125,430千円増加し、受取手形及び売掛金が31,734千円増加したことによるものであります。

固定資産は、483,912千円となり、前連結会計年度末に比べ56,318千円増加いたしました。これは主にのれんが20,475千円増加し、投資有価証券が29,825千円増加したことによるものであります。

当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ137,790千円増加し、359,692千円となりました。

このうち、流動負債は、前連結会計年度末に比べ131,965千円増加し、341,360千円となりました。これは主に未払金が59,307千円増加し、未払法人税等が32,947千円増加したことによるものであります。

固定負債は、前連結会計年度末に比べ5,825千円増加し、18,332千円となりました。これは長期借入金が5,825千円増加したことによるものであります。

当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ93,855千円増加し、1,703,501千円となりました。これは主に新株予約権の行使による出資5,400千円、親会社株主に帰属する当期純利益86,277千円等によるものであります。

 

 (b) 経営成績

当連結会計年度においては、ソーシャルリスクに関わるモニタリングやコンサルティングを主力サービスとして、企業内部のログデータ分析サービス、顧客確認サービス等、多様化するリスク要因と様々な業界の顧客需要に対応するサービスを組み合わせて提供することに注力しました。また、エストニア企業と連携して、分散型データベース技術および本人認証技術導入支援を開始するなど、事業領域の拡大と将来の収益基盤の構築に取り組みました。

これらの結果、当連結会計年度の売上高は1,963,995千円(前年同期比18.6%増)となりました。営業利益はデジタルリスクモニタリングのAI化を進めるとともに、新規サービスの開発、人材採用および育成に費用を投下し、186,550千円(前年同期比378.7%増)となりました。経常利益は、投資事業組合運用損等を計上し、174,704千円(前年同期比431.5%増)となりました。また、親会社株主に帰属する当期純損益は投資有価証券評価損を計上し、86,277千円の利益(前年同期は63,552千円の損失)となりました。

 

(c) セグメントごとの経営成績等

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

デジタルリスク事業は、売上高は1,866,059千円(前年同期比13.4%増)となり、セグメント利益は650,205千円(前年同期比6.6%増)、セグメント資産396,402千円(前年同期比21.7%増)となりました。

その他は、売上高は97,935千円(前年同期比798.4%増)となり、セグメント損失は44,831千円(前年同期は47,211千円の損失)、セグメント資産44,348千円(前年同期比377.8%増)となりました。

 

 

(3) キャッシュ・フローの分析

「第2 事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

(4) 資本の財源及び資金の流動性

当社グループの資金需要は、運転資金に加え、新規事業への事業投資や投資有価証券の取得であります。

現状、これらの資金需要につきましては、自己資金、金融機関からの借入れによって調達しておりますが、必要に応じて、増資や社債発行等により柔軟に対応することとしております。

 

(5) 経営戦略の現状と見通し

デジタル化が進む社会において、新たなデジタルリスクの発生が見込まれており、ビッグデータ解析を活用した統合型リスク管理プラットフォームの提供をはじめ、積極的な技術投資を実行し、顧客のデジタルトランスフォーメーションを推進するためのサービス拡充を図っております。

主力のソーシャルリスクサービスにおいては、新型コロナウイルス感染症に関連して高まるリスクマネジメント需要を事業機会と捉え、企業規模を問わずに、地方市場を含めた顧客層の拡大に努め、市場シェアの更なる拡大により、収益機会の増大を図っております。

また、テレワーク等によりオンライン化が進むことに対応し、ビッグデータ解析やインターネット関連への技術投資やパートナー企業との連携により、サービス提供のデジタル化を推進し付加価値の高いサービスを提供し、取引の継続性を高めるとともに、機動的な事業展開を図ってまいります。

なお、新型コロナウイルス感染症の全世界における感染拡大の影響により、世界各国で外出制限などの措置が行われており、現時点では感染拡大の収束が見通せない状況にあります。

当社グループにおいては、在宅勤務体制への移行期による活動量の若干の低下がみられるものの、現状において、新型コロナウイルス感染症による事業推進上の大きな影響はないものと考えております。ただし、長期化に対する懸念や企業活動の更なる制約等が、今後の企業のデジタルトランスフォーメーションに与える影響は不透明であり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 

 

(6) 経営成績に重要な影響を与える要因について

「第2 事業の状況 2事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

(7) 経営者の問題認識と今後の方針

「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。

 

4 【経営上の重要な契約等】

 

  該当事項はありません。

 

 

5 【研究開発活動】

 

当社グループは、「健全にテクノロジーが発展する豊かなデジタル社会を守り、デジタル社会にとってなくてはならない存在となること」というビジョンのもと、リスク検知に特化したビッグデータ解析による安定的かつ持続的な成長を目的として、データを収集・分析・可視化することで顧客の問題解決を行うソリューションを提供するための技術開発を推進しております。デジタルリスクの多様化・高度化に対応するため、ビッグデータ処理技術の向上、自然言語処理技術の多言語対応、統計解析・機械学習、データビジュアライゼーションに関する研究開発を行っております。また、技術開発効率を高めるべく、先端技術の導入を目的とした大学との共同研究や専門性を持ったパートナー企業とのアライアンスを推進しております。

当連結会計年度における研究開発費は、10,766千円であります。

セグメントごとの研究開発活動は、次のとおりであります。

 

(1) デジタルリスク事業

デジタルリスク事業では、主にインターネットやソーシャルメディア上の風評から企業や組織の信用情報を可視化する新サービス開発を進めました。当連結会計年度における研究開発費の金額は700千円であります。

 

(2) その他

AIセキュリティ事業においては、警備業界のデジタルトランスフォーメーションを支援するサービスの開発に着手し、サービスラインの拡充を図っております。また、パートナーとのアライアンスによる新サービス開発準備等を行いました。当連結会計年度における研究開発費の金額は10,066千円であります。