文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針・経営戦略等
① 会社の経営の基本方針
当社グループは、「健全にテクノロジーが発展する豊かなデジタル社会を守り、デジタル社会にとってなくてはならない存在になること」というビジョンを掲げ、リスクの解決だけでなく、デジタル化によって起きるさまざまな社会課題に取り組んでおります。
② 中長期的な会社の経営戦略
成長シナリオを進めていくためには、環境変化に影響を受けることなく安定した利益の確保ができる企業体質の確立が経営の重要課題と認識しており、以下の重点施策により業績の向上に邁進してまいります。
(ア)デジタルリスク事業
持続的な成長を支えるグループの収益基盤として、デジタルリスク領域No.1企業を目指しております。売上高および収益面の伸長に取り組みます。
(イ)AIセキュリティ事業
既存ビジネスから派生した新たな領域として育成段階にあり、警備業界の変革をリードしうる存在になることを目指しております。警備事業の規模を拡大するとともに、デジタル化を推進し、警備業界へプロダクト展開を図り、次代の中核事業とすべく売上高および収益面での貢献に取り組みます。
(ウ)DX推進事業
「デジタル田園都市国家構想」などの社会トレンドを追い風に、先行者優位となりうる地方自治体DX支援事業の垂直立ち上げを目指します。その後、自治体DXで得たノウハウ・スキルを横展開して、企業向けのDX領域にも進出することを掲げ、将来の中核事業とすべく基盤作りに取り組みます。
(2) 目標とする経営指標
当社グループは、事業の継続的な拡大を通じて、企業価値を向上させていくことを経営の目標としております。
第11期から第13期の3カ年を対象とした中期経営計画「The Road to2024」においては、売上高とEBITDAを重要財務目標として、事業の継続的な拡大と企業価値の向上に努めてまいります。
(3) 経営環境および対処すべき課題
① 経営環境
当社グループの事業に関連する市場においては、コロナ禍での新しい経済活動の拡大や新しい生活様式の定着を背景に、あらゆる場面でデジタル化施策が注目されており、デジタル化が進むことで新たなリスクが生じるため、当社グループが立脚する市場は拡大すると考えております。
② 対処すべき課題
中長期的な企業価値向上には、当社グループが一丸となり、各社の強みを発揮して価値の最大化を実現することが不可欠と考えており、以下の事項を対処すべき課題として取り組みを進めております。
(ア)デジタルリスク事業における収益基盤の強化
高収益プロダクトの販売強化と、内製化によるコスト削減効果によって、収益基盤の強化を進めてまいります。また重点市場においては他領域の企業と積極的にアライアンスを展開し、顧客のデジタルリスクを統合的に捉えたサービスの拡充によって収益性の向上を図ります。
(イ)育成段階にあるAIセキュリティ事業の利益貢献
当社グループでは、強みであるデジタルとリアルが融合する新たな警備事業の創出と育成に挑戦してまいりました。株式会社アサヒ安全業務社(現:株式会社And Security)に加えて、ISA株式会社、SSS株式会社をあらたに当社グループに加え、警備事業の規模を拡大するとともに、デジタル化による業務効率化を推進し、セキュリティDXプロダクトの警備業界へのサービス展開を加速してまいります。
(ウ)DX推進事業の新たな領域への事業展開
行政の住民サービスのデジタル化支援サービスを提供する株式会社JAPANDXを中心に、先行する宮崎県延岡市での取組をモデルケースとして全国展開を図っております。これらの知見をもとに、エンタープライズ企業のDX支援サービスも強化してまいります。
(エ)グループ経営管理
グループ各社の経営資源であるヒト・モノ・カネ・情報を一元的に管理する体制構築を強化し、グループ全体の生産性および機動性を高めてまいります。
(オ)優秀な人材の確保及び育成
非連続なトップライン伸長実現のためには、優秀な人材の活躍が必要不可欠と考えております。積極的な採用活動とともに、すでに着手している人材育成の取り組み強化と適切な人事評価制度の運用徹底を行い、多様な人材確保に取り組みます。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しておりますが、潜在的リスクや不確定要因はこれらに限られるものではありませんのでご留意ください。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
ソーシャルメディアの活性化などに伴い、ビッグデータ関連ビジネスが推進されております。しかしながら、法令等の改定により、ビッグデータの利用について何らかの規制が生じた場合には、サービス提供のための情報収集やサービス提供の手法自体に何らかの制約が発生し、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
② SNS情報取得について
当社グループは、ソーシャルメディアから生成されるビッグデータをソフトウエアにより自動的に収集しております。しかしながら、ソーシャルメディアの運営側の方針により収集に制限が加えられた場合や禁止された場合には、サービスの品質が低下し、また、情報収集のための追加コストが発生し、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
データ解析に関連する技術の進化に合わせて、当社グループは継続的な技術開発に取り組んでおります。しかしながら、技術開発が想定通りに進まず、機能不全などのサービス品質の低下や、追加開発によるコスト発生が、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
デジタルリスク関連市場は将来の成長が期待される市場であるため、国内外の事業者がこの分野に参入してくる可能性があります。新規参入する他社との競合状況が激化した場合には、価格の下落、又は、価格競争以外の要因でも受注を失うおそれがあり、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
現在は、多くの企業や消費者がソーシャルメディアの積極的利用を行っており、それに伴いソーシャルリスクマネジメントに対する意識も高まっております。しかしながら、ソーシャルメディア自体が衰退し、利用者数が減少した場合には、関連する投稿数や記事数が減少し、ソーシャルメディアに起因するリスクが低下することが予想されるため、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 法規制について
当社グループの事業は、警備業法をはじめとした厳格かつ詳細な法令や規制に従うことを要求されております。そのため、業務管理及び従業員教育を徹底し、コンプライアンス意識の維持、向上に努めておりますが、これらの関係法令に違反した場合、処罰の対象となり、営業停止等の行政処分を受ける可能性があり、その場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、これらの関係法令に変更が生じた場合には、速やかに対応する必要があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑦人材の確保や育成について
事業拡大に伴う優秀な人材の確保と育成が重要な課題であり、実務を担うデータアナリストやエンジニアをはじめ、内部での人材育成及び外部からの人材登用に努めております。しかしながら、採用や育成に支障をきたす事態や雇用に支障をきたす事態が発生した場合には、円滑な業務の遂行及び積極的な受注活動が阻害されるおそれがあり、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループは警備事業において、継続的な人材確保を必要としております。少子化の進行などに伴い人材確保が困難となり必要な要員配置が出来なかった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。そのため、年間を通じてグループ横断的な採用に注力する他、女性警備員の増員、グループ全体での人材配置の最適化、デジタル化による業務の効率化や生産性の向上に努めております。
当社グループは、24時間365日体制でサービス提供しておりますが、通信ネットワークに依存しており、サーバー等の自社設備や第三者の通信設備等のインターネット接続環境が良好に稼動することが前提であります。そのため、災害や事故による通信ネットワークの切断、サーバーの停止、コンピュータウィルスによる被害、外部からの不正侵入やソフトウエアの不具合などが生じた場合には、サービスの提供に支障をきたし、また、障害や不具合の原因が当社にあった場合には、 顧客企業からの信頼度が低下し、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、顧客の営業機密や社内情報等の機密情報を扱う場合があり、情報セキュリティマネジメントシステムの国際規格であるISMS「ISO/IEC 27001:2013」、「ISO/IEC 27017:2015」の認証を取得するなど、規程やマニュアル等に従った体制や教育の下で、機密情報を厳しく管理しております。しかしながら、何らかの理由により機密情報の漏洩が生じた場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、高い公共性を有するインターネットにおいて、リスクマネジメントを支援する事業会社グループとして、重責を負託されていることを十分に認識し社会的責任を果たすために、取引にあたり当社独自の基準を設け、社会から信頼される健全性と倫理観を常に保持するための取り組みが有効かつ継続的に機能する体制を運用しております。しかしながら、何らかの理由によりレピュテーション上のリスクが生じた場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが保有する知的財産権に関しては、商標登録等を行っており、今後も知的財産権の保全に積極的に取り組む予定であります。しかしながら、当社グループの知的財産権が第三者に侵害された場合には、解決までに多くの時間及び費用がかかる等、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
また、当社グループによる第三者の知的財産権の侵害については、従業員に対して知的財産権についての研修、理解度の確認を行い、啓発を図っており、また業務上で不適切な取扱いがないよう可能な範囲で調査を行い対応しております。しかしながら、当社グループの事業領域における第三者の知的財産権を完全に把握することは困難であり、認識せずに侵害してしまう可能性が否定できず、この場合には、当社グループに対する損害賠償請求や、ロイヤリティの支払要求等が行われる等、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、事業拡大等のため、会社を買収することがあります。買収した会社の業績が買収決定時の事業計画と大きく乖離した場合、のれんなどの無形固定資産、その他有形固定資産の減損損失が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。そのため、買収した会社の業績については、常時管理体制を構築しており、買収決定時の事業計画と実績の乖離が認められた場合には、速やかに対応策を実行することとしております。
また、当社グループは、ビッグデータ解析ノウハウや事業基盤を活かし、デジタルリスク関連事業への投資事業を行っております。投資先の業績業況によっては、投資が回収できなくなる可能性や減損会計の適用による評価損が発生し、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。そのため、投資効率が低く保有意義の乏しい投資にならないよう厳格に審査の上、総合的な経営判断のもと、対応方針を決定しております。
⑬ 決算業務体制の脆弱性
2022年9月1日に連結子会社化した株式会社メタウンの期初決算の確認作業に時間を要し、2023年2月期第3四半期の決算開示の遅延が発生致しました。円滑な決算業務実施のための、システム導入や人員強化を行い、問題を解消しております。決算開示の遅延が生じた場合には、当社グループの信用力低下を起因として、事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑭ 内部管理体制について
当社グループは、関係者の不正行為等が発生しないよう、国内外の法令及びルールの遵守を行動基準として定め、内部監査等で遵守状況の確認を行っております。しかしながら、法令等に抵触する事態や関係者による不正行為が発生する可能性は否定できず、これらの事態が生じた場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社は子会社の事業運営に関して管理責任を有しており、グループ全体のリスク管理体制やコンプライアンス体制を運用する必要があります。グループガバナンスの強化の観点から、業務執行の報告を適時受け、連携してリスク対応を行うとともに、当社から取締役等を派遣して経営全般にわたる管理及び業務改善に指導助言を実施するなど、コンプライアンス遵守に取り組んでおります。しかしながら、何らかの理由により統制機能が不十分となった場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑮ 代表取締役への依存について
当社創業者である菅原貴弘は、当社の大株主かつ代表取締役であり、当社グループの経営方針や事業戦略の立案・決定における中核として、重要な役割を果たし、新たな事業モデルの創出においても中心的な役割を担っております。当社グループは権限委譲、幹部社員の採用・育成等により、同氏に過度に依存しない経営体制の整備に努めていますが、何らかの理由により、同氏が当社の業務を継続することが困難になった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、優秀な人材確保のため、従業員等に新株予約権を付与するインセンティブプランを採用しております。当連結会計年度末現在、新株予約権による潜在株式数は936,000株であり、同日現在の発行済株式総数(自己株式を除く)6,025,737株の15.5%に相当し、これらの新株予約権が行使された場合には、1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度(2022年3月1日~2023年2月28日)における当社グループを取り巻く日本経済は、新型コロナウイルス感染症の影響は残るものの、行動制限の緩和による経済活動の穏やかな正常化が進みました。一方で、世界的な金融引き締めによる円安の進行やロシアのウクライナ紛争の長期化に伴う資源高や物価高など、国内景気は引き続き不透明な状況が続きました。
このような状況下にあっても、ソーシャルメディアの利用率は上昇の一途をたどり、社会のデジタル化に合わせた企業や地方自治体のデジタル化への対応や競争力強化を目的としたIT投資は好調に推移しています。また、外食業界で頻発する不適切行為に伴うSNS炎上や、デジタル空間を起点とした広域強盗事件などの発生によって、インシデントへの危機感が高まっております。これらを踏まえて、デジタル化によって生じる多様なリスクの対策を提供する当社グループのニーズはより一層高まっているものと認識しております。なお株式会社MM総研がまとめた「デジタルリスクサービスに関する利用動向調査(2022年6月時点)」によると、2021年度の「デジタルリスクサービス」の市場規模は、前年度比15.0%増の77.4億円となっており、同市場は2024年度に139.2億円に拡大すると予測しております。しかしながら、何らかの対策を講じていない企業は8割にのぼり、新規開拓余地の大きな市場と考えています。
また警備業界においては、国内の警備員構成比の高齢化(警察庁「令和3年における警備業の概況」)や慢性的な人手不足、デジタル化推進遅延による生産性向上の停滞などさまざまな問題に直面しており、警備業界のデジタル化による業界全体の生産性向上に貢献して参ります。
さらに、地方自治体においてはICT等を活用したデジタル化推進による住民の暮らしの向上などが求められており、行政サービスのデジタル化にも取り組んでおります。
(a) 財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ3,529,944千円増加し、6,000,402千円となりました。
当連結会計年度末における流動資産は、2,509,037千円となり、前連結会計年度末に比べ725,906千円増加いたしました。これは主に現金及び預金が390,201千円増加し、受取手形、売掛金及び契約資産が201,825千円増加したこと等によるものであります。
固定資産は、3,491,364千円となり、前連結会計年度末に比べ2,804,130千円増加いたしました。これは主に投資有価証券が261,775千円増加し、のれんが2,346,589千円増加したこと等によるものであります。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ2,595,039千円増加し、3,665,386千円となりました。
このうち、流動負債は、前連結会計年度末に比べ907,361千円増加し、1,339,377千円となりました。これは主に1年内返済予定の長期借入金が361,657千円増加し、未払金が170,251千円増加したこと等によるものであります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ1,687,678千円増加し、2,326,009千円となりました。これは長期借入金が1,519,002千円増加したことによるものであります。
当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ934,905千円増加し、2,335,015千円となりました。これは資本金が402,600千円増加し、資本剰余金が477,529千円増加したことや、親会社株主に帰属する当期純利益42,644千円等によるものであります。
なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等を当連結会計年度の期首から適用しており、収益認識会計基準第84項ただし書きに定める経過的な取扱いに従い、当連結会計年度の期首より前に新たな会計方針を遡及適用した場合の累積的影響額を、当連結会計年度の期首の利益剰余金に加減し、当該期首残高から新たな会計方針を適用しております。この結果、当連結会計年度の利益剰余金の当期首残高は2,166千円増加しております。
(b) 経営成績
当連結会計年度の連結業績において、デジタルリスク事業はソーシャルリスクに関わるWebリスクモニタリングサービスに加えて、営業秘密持ち出しを早期検知する内部脅威検知サービス等、多様化するリスク要因と様々な業界の顧客需要に合わせたサービス提供に注力しました。AIセキュリティ事業は、「警備業界を変革するための“デジタル”プロダクト創出」と「セキュリティDXを推進するため“フィジカル”な警備サービスの成長」を目標とし、フィジカルな警備サービスの運営効率向上と新規営業体制強化の取り組みと、警備サービスの運営で培った経験をもとに警備事業のDX化プロダクトの開発・普及に注力しました。またDX推進事業では、デジタル田園都市国家構想を追い風に行政の住民サービスのデジタル化を支援するプロダクトの開発・普及に注力しました。 さらに、2022年9月1日付けで株式会社メタウンを連結子会社化し、不動産領域での事業展開の足がかりを得ました。今後当社グループは、2022年5月に発表した「メタシティ構想」の実現を目指し、3つの事業それぞれの拡張に取り組み、各事業が相互にシナジーを生み出せる形へと昇華することを目指します。
この結果、当連結会計年度の売上高は4,685,520千円(前年同期比74.7%増)となり、EBITDAは、446,608千円(前年同期比80.1%増)、営業利益は202,534千円(前年同期比152.0%増)、経常利益は、143,745千円(前年同期比52.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は、42,644千円(前年同期比66.6%減)となりました。また、当連結会計年度に計上した5社のM&A諸費用など一時費用を除く営業利益は274,784千円、経常利益は215,995千円となりました。
なお、当連結会計年度の期首から収益認識会計基準等を適用し、収益認識に関する会計処理方法を変更したため、当該変更により、従来の方法に比べて当連結会計年度の売上高は5,009千円増加し、売上原価は253千円減少し、「営業利益」、「経常利益」及び「税金等調整前当期純利益」はそれぞれ5,262千円増加しております。
(c) セグメントごとの経営成績
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(デジタルリスク事業)
デジタルリスク事業は、主にSNSやブログ、インターネット掲示板などWeb上のソーシャルメディアに起因するリスク対策を支援するソーシャルリスク対策と営業秘密情報の持ち出しなどの社内に潜むリスクを検知するインターナルリスク対策から構成されております。
「ソーシャルリスク対策」については、リスク検知時の初動対応コンサルティングを含むWebリスクモニタリングを主力サービスとして提供しています。デジタル上の情報量の増加や影響力の高まりによって、IPO検討企業や既存コンテンツへのリスク対策など、多種多様な課題解決を目的に活用が進んでいます。また、社内規程作成支援や従業員向け研修の提供など、幅広い形で企業のSNSリスク対策サービスを支援致しました。
「インターナルリスク対策」については、昨今話題となっている営業秘密等の機密情報持ち出し対策や、経済安全保障の観点による情報管理強化支援を目的に製造業・金融業を中心に新規導入が進みました。さらに国内大手企業から中小企業まで幅広い企業へのアプローチを目的に、パートナーシップ制度の運営に取り組んでまいります。 今後、より多様かつ高精度なリスク分析の実現に向けて、自然言語処理技術を用いた内部不正対策にも取り組んでまいります。
以上の結果、当連結会計年度におけるデジタルリスク事業の売上高は2,374,726千円(前年同期比 23.4%増)、セグメント利益は883,647千円(前年同期比23.0%増)となりました。 また、M&A諸費用などの一時費用を除くセグメント利益は912,347千円となりました。
なお、当連結会計年度の期首から収益認識会計基準等を適用し、収益認識に関する会計処理方法を変更したため、従来の方法に比べて、当連結会計年度のデジタルリスク事業の売上高は1,581千円増加し、セグメント利益は2,998千円増加しております。
(AIセキュリティ事業)
AIセキュリティ事業は、フィジカルな警備事業を運営しつつ、運営の中で生じる課題解決のためにAIやIoTを組み合わせた警備業界のDXを推進しております。株式会社AIKの主要サービスである「AIK order」について は、登録者数拡大が続いており、2023年2月には導入警備会社の対応可能地域が全国47都道府県全てを網羅致しました。建設業や小売店を依頼者としたマッチングによる案件成約事例も増加しており、既存サービスの改善活動やカスタマーサクセス活動の成果に繋がっております。また、PMI推進本部を中心に、警備事業を提供する株式会社And Security、ISA株式会社、SSS株式会社の新規営業体制強化に取り組んでおり、新規案件受注という成果にも繋がっています。 一方で、ISA株式会社、SSS株式会社のM&Aやデジタルプロダクトの開発投資などの諸費用の影響により、セグメント別営業利益はマイナス着地しました。
以上の結果、当連結会計年度におけるAIセキュリティ事業の売上高は1,334,547千円(前年同期比84.5% 増)、セグメント損失は34,855千円(前年同期は52,646千円のセグメント損失)となりました。また、M&A諸費用などの一時費用を除くセグメント損失は25,755千円となりました。
なお、当連結会計年度の期首から収益認識会計基準等を適用し、収益認識に関する会計処理方法を変更しておりますが、当連結会計年度のAIセキュリティ事業への影響はありません。
(DX推進事業)
DX推進事業は、行政の住民サービスのデジタル化支援、エンジニアなどのDX人材の派遣サービスを展開しています。行政の住民サービスのデジタル化支援では、住民総合ポータルアプリや健康増進アプリなどの提供に注力しました。2022年12月には宮崎県延岡市のポータルアプリのサービス提供が開始となり、2023年1月には熊本県長洲町と包括連携協定を締結するなど、着実に事業を前進させております。株式会社GloLingは、事業体制と戦略を明確化し、上期に引き続き営業活動の強化に取り組み、売上高の拡大につながっています。
さらに、株式会社メタウンのPMIを推進しつつ、当社グループが掲げる「メタシティ構想」への動きも着実に推し進め、第4四半期会計期間においては、セグメント別で黒字化を達成しました。一方で、通期では株式会社メタウンのM&Aなどの諸費用の影響により、セグメント別営業利益はマイナス着地しました。
以上の結果、当連結会計年度におけるDX推進事業の売上高は1,037,928千円(前年同期比2,582.4%増)、セグメント損失は84,739千円(前年同期は65,695千円のセグメント損失)となりました。 また、M&A諸費用などの一時費用を除くセグメント損失は50,289千円となりました。
なお、当連結会計年度の期首から収益認識会計基準等を適用し、収益認識に関する会計処理方法を変更したため、従来の方法に比べて、当連結会計年度のDX推進事業の売上高は3,428千円増加し、セグメント利益は2,263千円増加しております。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ390,201千円増加し、1,656,787千円となりました。
営業活動の結果得られた資金は、715,090千円(前年同期は、190,775千円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益132,323千円、減価償却費50,459千円、のれん償却額248,443千円、投資有価証券売却益44,346千円、売上債権の増加額43,035千円、未収入金の減少額447,136千円等によるものであります。
投資活動の結果支出した資金は、3,110,535千円(前年同期は、128,834千円の獲得)となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出131,844千円、投資有価証券の取得による支出295,049千円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出2,688,058千円の一方で、投資有価証券の売却による収入44,348千円等によるものであります。
財務活動の結果得られた資金は、2,785,626千円(前年同期は、74,063千円の使用)となりました。これは、長期借入れによる収入2,684,000千円、長期借入金の返済による支出734,940千円、株式の発行による収入805,200千円、連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の売却による収入25,350千円等によるものであります。
当社グループの事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
当社グループの事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合
販売実績の総販売実績に対する割合が10%を上回っている相手先がないため、記載を省略しております。
2 セグメント間取引については、相殺消去しております。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、次の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。連結財務諸表の作成に当たり、資産及び負債又は損益の状況に影響を与える会計上の見積りは、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表の作成に当たって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載しております。
経営成績の分析については、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要」をご参照ください。
「第2 事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの資金需要は、運転資金に加え、新規事業への事業投資や投資有価証券の取得であります。
現状、これらの資金需要につきましては、自己資金、金融機関からの借入れによって調達しておりますが、必要に応じて、増資や社債発行等により柔軟に対応することとしております。
当社グループの事業に関連する市場においては、コロナ禍での新しい経済活動の拡大や新しい生活様式の定着を背景に、あらゆる場面でデジタル化施策が注目されております。デジタル化が進むことで新たなリスクが生じるため、当社グループが立脚する市場は拡大すると考えております。特に、経済安全保障などにも関連し、セキュリティに対する関心が高まっており、利便性と両立する安全なデジタル化に関する需要が増大していると考えられます。中核事業が立脚するインターネット市場においても、市場は堅調な回復傾向にあるものと考えております。
このような経営環境の中、当社グループは中期経営計画「The Road To 2024」を策定し、中長期的な企業価値の向上を目指しております。中核事業であるデジタルリスク事業においては、価値訴求による差別化を図り、独自色の強いサービスにより顧客基盤と収益基盤の増大に注力しております。また、次代の中核事業とすべくグループ全体でAIセキュリティ事業の規模を拡大するとともに、デジタル化を推進し警備業界へプロダクト展開を図っております。加えて、デジタル田園都市国家構想などと歩調をあわせながら自治体及び企業のDXを支援し、堅守速攻の総合デジタルソリューション企業として、DX推進事業を将来の中核事業とすべく基礎作りを行っております。
「第2 事業の状況 2事業等のリスク」に記載のとおりであります。
「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
該当事項はありません。
当社グループは、「健全にテクノロジーが発展する豊かなデジタル社会を守り、デジタル社会にとってなくてはならない存在となること」というビジョンのもと、リスク検知に特化したビッグデータ解析による安定的かつ持続的な成長を目的として、データを収集・分析・可視化することで顧客の問題解決を行うソリューションを提供するための技術開発を推進しております。デジタルリスクの多様化・高度化に対応するため、ビッグデータ処理技術の向上、自然言語処理技術の多言語対応、統計解析・機械学習、データビジュアライゼーションに関する研究開発を行っております。また、技術開発効率を高めるべく、先端技術の導入を目的とした大学との共同研究や専門性を持ったパートナー企業とのアライアンスを推進しております。
当連結会計年度における研究開発費は、
セグメントごとの研究開発活動は、次のとおりであります。
デジタルリスク事業では、主にインターネットやソーシャルメディア上の風評から企業や組織の信用情報を可視化する新サービス開発を進めました。当連結会計年度における研究開発費の金額は
(2) AIセキュリティ事業
AIセキュリティ事業においては、警備業界のDXを推進する新サービス開発等を進めました。当連結会計年度における研究開発費の金額は