第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において、当社が判断したものであります。

 

(1)経営方針及び経営戦略

当社は、お客様に三つの価値(喜び、安心、信頼)を提供することを経営姿勢として掲げ、総合保証サービス会社として、保証サービス及びソリューションサービスの提供を通じて、お客様をはじめステークホルダーの皆様から常に頼りにされる企業を目指してまいりました。当社が提供する家賃債務保証は、貸主が負う家賃の滞納リスクの低減はもちろんのこと、貸主が滞納リスクから解放されることで、賃貸契約の成約率を向上させ、取引の円滑化に貢献しているものと考えております。また、保証スキームでサービスと流通の活性化を実現するため、家賃債務保証事業で培ったノウハウを活かし、他の分野における保証サービス及びソリューションサービスの提供を推進していく方針です。

なお、2018年5月に、中期経営計画を策定し開示いたしております。当社は、継続的な企業価値の向上を目指し、効率性を伴った成長を重視しており、本中期経営計画では、重要な指標として、売上高、営業利益、営業利益率について目標値を定めております。また、これらの目標を達成するため「総合保証サービス会社として、保証商品及びソリューションサービスを、創造、展開、拡大、進化させ、事業ステージ毎の課題を解決し、付加価値の創出、生産性の向上、差別化の実現を目指す」ことを事業展開における基本方針としております。

当該中期経営計画は、当社ウェブサイトよりご覧頂くことができます。

(当社ウェブサイト)

https://www.entrust-inc.jp/

 

(2)経営環境及び対処すべき課題

当事業年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用・所得環境が改善する中、景気は緩やかに回復しております。一方で、米中・米欧の貿易摩擦激化による世界経済の下振れリスクの高まりにより、景気の先行きは不透明な状況となっております。

当社の関連業界である住宅関連業界においては、足元の賃貸住宅の新設着工戸数は、前期比で減少が続いているものの、単身世帯等の増加により総世帯数は増加傾向が続いており、新設着工戸数の過去10年平均との比較では、依然として上回っております。

このような経営環境のもと、上記の方針を実現し、安定的に継続して事業を拡大するために、今後も以下の課題に取り組んでまいります。

 

① 保証事業の開拓・拡販

保証事業においては、家賃債務保証商品を主として、医療費用保証商品、介護費用保証商品及び養育費保証商品の拡販に注力いたしました。

家賃債務保証商品について、積極的な新規取引先の開拓を継続することにより新規優良顧客の獲得に努める他、既存クライアントに対しても、商品の改定や新たな商品の開発・販売を促進するなど、引き続き、お客様のニーズを的確に捉え収益に繋げていく必要があると考えております。

医療費用保証商品及び介護費用保証商品については、引き続きパートナー企業等との協業を通じて、成長事業としての展開を更に加速させ、家賃債務保証商品に並ぶ主力商品となるよう、引き続き拡販を進めてまいります。

養育費保証商品については、次世代の新市場開拓を目指し、保証商品の周知によりニーズを喚起させるため、公的機関や行政書士等と協業し、未払い養育費問題への取り組みを全国へ向けて展開してまいります。

 

② ソリューションサービスの拡販

ソリューション事業においては、順調な成長を今後も継続するために、以下の方針のもと取り組んでまいります。 

家賃保証関連の業務受託サービスについては、継続的な成長を実現すべく、引き続き安定的なサービス品質及び業務効率を重視したオペレーションに注力いたします。また、自社グループ内に保証会社を有する不動産管理会社様に対しても、業務上の課題を解決する専門的な業務支援サービスであるC&O(コンサル&オペレーション)サービスの提案活動を積極的に行うことで、収益の拡大を図る方針であります。 

また、保険契約に関する業務支援サービスである保険デスクサービスについては、順調に受託件数を増加させており、次年度以降も、新規取引先の獲得を進めるとともに、更なる業務の効率化を推し進めてまいります。

 

(3) 人材の採用及び育成

当社がお客様をはじめ、各パートナー企業から信頼して頂き、頼りにされる企業となるために、優秀な人材を確保すると共に、採用した人材を育成していくことが必要と考えております。これまでの採用活動で得られたノウハウを有効活用することで、より優秀な人材を多く採用できるよう尽力してまいります。

当事業年度には、創業以来初となる新卒の社員を迎えることができました。即戦力となる人材の確保を目的とした中途採用と、中長期的な企業価値の向上を見据えた新卒採用をバランスよく行うことで、常に組織を活性化させ、継続的な成長を実現していきたいと考えております。また、適切な目標管理、各種研修制度を通じて、採用した社員の育成にも力を入れてまいります。

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1) 外部経営環境による影響について

当社が展開している家賃債務保証及び家賃債務保証関連のソリューションサービスは、住宅の賃貸借契約の存在を前提として提供されるものであります。そのため、賃貸住宅の着工件数、景気及び賃料の動向、人口及び世帯数の増減など、賃貸住宅市場に影響を及ぼす外部経営環境の動向は、当社の業績に影響を与える可能性があります。

 

(2) 信用リスク

当社が提供する保証サービスは、保証委託者の債務不履行が発生した場合に当社が代位弁済を行うものであり、その性質上、代位弁済した立替債権の一部が未回収となる可能性があります。

当社では、想定を超えて立替債権が発生することがないよう保証委託契約前に審査を実施しております。審査の実施においては、保証審査規程を整備した上で、代位弁済型の保証商品については、自社の審査システムに基づき、家賃決済クレジットサービス付商品については、大手信販会社と連携し、審査の適切性の確保に努めております。また、発生した立替債権については、滞納案件の状況に応じた適切かつ早期の督促により債権の正常化を図り、圧縮を進めております。その上で、発生する債権の回収不能時の損失及び将来の保証履行発生による損失に備えて、過去の回収実績等をもとに、貸倒引当金及び保証履行引当金を計上し、会計上の手当てを行っております。

しかしながら、著しい経済環境の悪化等により、立替債権が増加し、貸倒引当金及び保証履行引当金が想定を超えて計上された場合には、当社の業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(3) システムリスク

当社は、保証委託者の情報を一元管理するため、業務の大部分においてシステムを利用しております。各種システムの利用については、その機能や仕様を十分に検討して運用しており、情報セキュリティ基本方針に基づきセキュリティ対策も講じておりますが、事故や災害、ハードウェア・ソフトウェアの不具合、コンピュータウィルスや外部からの不正アクセス並びに人為的ミス等により、システムの停止又は誤作動が発生した場合には、業務の停止や損害の発生により、当社の業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(4) 風評リスク

当社及び当社が属する家賃債務保証業界に対して否定的な風評が広まった場合、その内容の真偽に関わらず、当社の評判や事業に対する信頼が低下する可能性があります。当社は、コンプライアンスを重視した回収活動を徹底するため、債権管理規程を整備し運用しており、インターネット掲示板等への書き込み等による否定的な風評に対しても、定期的にモニタリングを実施し、リスク・コンプライアンス委員会において、必要な対応を協議することとしております。そうした対応にもかかわらず、否定的な風評が広まった場合には、顧客や取引先からの信用を失い、当社の業績に影響を与える可能性があります。

また、当社は新たな分野の保証サービスとして、介護費用保証、医療費用保証及び養育費保証を提供しております。新たな保証サービスにおいても、コンプライアンスを重視してサービスを提供しておりますが、新たな保証サービスに対して否定的な風評が広まった場合、当該保証サービスの成長性が低下する可能性があります。

 

(5) 個人情報漏洩リスク

当社は、事業の性質上、保証委託者をはじめ多くの個人情報を保有しております。当社は、個人情報の漏洩を防ぐため、個人情報について適切な保護措置を講ずる体制を整備し「プライバシーマーク」を取得して、個人情報保護規程に基づき当該情報の管理を徹底しております。しかしながら、悪意による第三者からの当社データベースへの攻撃や、従業員や外部委託者の人為的なミス及び事故等により、当該情報が外部に漏洩した場合には、当社の信用が失われ、当社の業績に影響を与える可能性があります。

 

 

(6) 法的規制等について

当社が提供している保証サービスについては、当事業年度末現在において、事業を直接的に規制する法令等は存在しておりません。また、サービスを提供するにあたり、法令に基づく関係監督官庁への届出や許認可の取得の義務、並びに業界団体への加入義務等の規制もありません。しかしながら、今後、新たな法的規制の導入や現行法令等の解釈の変化により、サービス内容の変更を余儀なくされ、又は保証サービス自体の継続が困難となった場合には、当社の業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(7) 重要な取引先について

当社は、大和リビング株式会社の管理している物件に関連して、保証サービス及び保証関連の業務受託等のソリューションサービスを提供しており、その内容は下記のとおりであります。なお、当社は大和リビング株式会社との良好な取引関係の維持と更なる発展に努めております。

① 保証サービス

当社が提供している家賃債務保証サービスは、主に賃貸住宅の管理会社等を通じて、賃貸物件の入居者に対して提供されております。当社は、大和リビング株式会社と業務委託契約を締結し、当該業務を委託しており、同社が管理している賃貸物件等にかかる保証サービスの売上高は、2019年3月期において当社全売上高の21.8%を占めております。当社が提供する保証サービスは、保証委託者との保証委託契約に基づき保証料を収受するものであり、直接の販売先は不特定多数の各保証委託者となっておりますが、同社が管理する物件数又は同社との取引関係に変化が生じた場合や、同社の経営方針に変更が生じた場合には、同社が管理している賃貸物件につき、賃貸借契約の終了に伴い当社保証契約が解約される一方で、同社を介した新規の保証契約数が大幅に減少するなどにより、当社の業績に影響を与える可能性があります。

② ソリューションサービス

当社は、大和リビング株式会社が管理している物件の入居者を対象として、保証関連の業務受託等に関するソリューションサービスを提供しております。本サービスは、同社が連帯保証人不要制度を導入したことに伴い、審査業務、未入金案内業務及び債権管理支援業務等を一括して受託サービスとして提供するものが主であり、連帯保証人不要制度の導入後、契約件数を増加させております。当該サービスは、大和リビング株式会社及び大和ハウスフィナンシャル株式会社から業務を受託しております。両社に対する当該業務受託を含むソリューションサービスの売上高が当社全売上高に占める割合は、2019年3月期において、大和リビング株式会社が22.1%、大和ハウスフィナンシャル株式会社が24.0%と比較的高い水準にあります。当社は質の高いサービスを提供することで大和リビング株式会社及び大和ハウスフィナンシャル株式会社と良好な取引関係の維持と更なる発展に努めております。しかしながら、大和リビング株式会社が管理する物件数又は両社との取引関係に変化が生じた場合や、両社の経営方針に変更が生じた場合には、取扱件数の減少等により当社の業績に影響を与える可能性があります。

 

(8) 株式会社プレステージ・インターナショナルとの関係について

当社は、株式会社プレステージ・インターナショナルの連結子会社に該当いたします。同社は、当事業年度末現在、当社の株式の57.3%を間接的に保有しており、当社取締役8名及び監査役4名のうち、取締役1名及び監査役1名が兼任となっております。

当社は、同社に対し、継続的な取引として、ソリューションサービスの提供及びソリューションサービスにおける業務の一部として審査申込受付に関する業務の委託等を行っておりますが、2019年3月期において、ソリューションサービスの提供については2,485千円であり、当社の売上高合計に占める割合は1%未満であります。また、審査申込受付等に関する業務委託取引については17,340千円であり、経費の立替等のその他の取引と合計しても、売上原価及び販売費及び一般管理費合計に占める割合は2%未満であります。

上述のとおり同社との取引関係及び人的関係は限定的であり、当社の経営方針及び事業展開において、当社の独立性を阻害する状況にはないものと判断しております。しかしながら、同社は、当社の大株主であり、同社の経営方針に変更が生じた場合、当社の事業展開に影響を与える可能性があります。

 

 

(9) 人材の採用及び育成について

当社が実施するサービスの質を向上させ、継続的に事業を拡大していくためには、常に優秀な人材を確保し続け、また、採用した人材を育成していくことが必要と考えております。しかしながら、当社が求める優秀な人材を計画どおりに採用できなかった場合や、社外流出等の事由により既存の人材が失われた場合、また、採用した人材の育成が想定どおりに進まなかった場合には、機会損失や生産性の低下などにより事業運営や事業拡大に支障が生じ、当社の業績に影響を与える可能性があります。

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当事業年度の期首から適用しており、財政状態の状況については、当会計基準等を遡って適用した後の数値で前事業年度との比較・分析を行っております。

(1) 経営成績等の状況の概要

当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 財政状態及び経営成績の状況

保証事業においては、新規取引先の開拓と合わせ既存取引先への商品内容の改定による拡販に注力いたしました。成長市場と位置づけている医療費用保証の分野では、他社との協業による展開を加速させ、販路拡大を推し進めてまいりました。また、養育費保証については、次世代市場を創出すべく、自治体との取組みや各種士業とのネットワークの拡大による販路の開拓に着手いたしました。
  ソリューション事業においては、主力のC&O(コンサル&オペレーション)サービスの契約件数の増加に加え、審査支援サービスの提供などサービスラインの拡充に努めるとともに、成長分野である保険デスクサービスにおいて取り扱い件数の増加に注力いたしました。

以上の結果、売上高に関しましては、保証事業の売上高は、1,492,494千円(前期比1.9%増)、ソリューション事業の売上高は、1,644,299千円(前期比10.5%増)となり、合計で3,136,794千円(前期比6.3%増)となりました。

営業利益に関しましては、売上の増加に伴う費用の増加を一定水準に抑制できたことにより、営業利益率が向上した結果、842,302千円(前期比9.0%増)となりました。経常利益は840,275千円(前期比11.7%増)となり、当期純利益は、564,166千円(前期比10.9%増)となりました。

なお、当社は総合保証サービス事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

また、総資産につきましては、業績が順調に推移し、現金及び預金が増加したことなどにより、4,038,387千円となり、前事業年度末に比べ539,382千円増加いたしました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は、2,899,792千円となり、前事業年度末に比べ286,753千円増加(前事業年度は353,450千円の増加)となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの増減要因は、以下のとおりであります。

 

 (営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動による資金の増加は、553,083千円(前事業年度は532,373千円の増加)となりました。主な増加要因は、税引前当期純利益840,275千円、減価償却費31,592千円、前受収益の増加額48,458千円などであります。一方、主な減少要因は、立替金の増加額82,697千円、売上債権の増加額20,809千円、前払費用の増加額20,353千円、法人税等の支払額255,287千円などであります。

 

 (投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動による資金の減少は、128,527千円(前事業年度は54,171千円の減少)となりました。主な減少要因は有形及び無形固定資産の取得による支出30,029千円、投資有価証券の取得による支出90,255千円であります。

 

 (財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動による資金の減少は、137,802千円(前事業年度は124,752千円の減少)となりました。主な減少要因は、配当金の支払額143,864千円などであります。 

 

③ 生産、受注及び販売の状況
 a. 生産実績

該当事項はありません。

 

 b. 受注実績

該当事項はありません。

 

 c. 販売実績

当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

総合保証サービス事業

3,136,794

6.3

合計

3,136,794

6.3

 

 (注)1.当社は総合保証サービス事業の単一セグメントであります。

   2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前事業年度

(自 2017年4月1日

  至 2018年3月31日)

当事業年度

(自 2018年4月1日

  至 2019年3月31日)

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

大和ハウスフィナンシャル株式会社

1,205,784

40.9

753,873

24.0

大和リビング株式会社

693,012

22.1

 

   3.上記の金額には消費税等は含まれておりません。

   4.前事業年度の大和リビング株式会社における販売実績は、当該販売実績の総販売実績に対する割合が10%未満であるため、記載を省略しております。

      5.大和リビング株式会社が管理している物件の入居者を対象とした保証関連の業務受託について、従来は、大和ハウスフィナンシャル株式会社を通じて提供しておりましたが、契約内容が変更となり、2018年3月期の新規の入居対象者から、直接大和リビング株式会社が販売先となっております。これにより、当事業年度においては、大和ハウスフィナンシャル株式会社向けの販売高が減少し、大和リビング株式会社向けの販売高が増加しております。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたって、事業年度末日における資産、負債の報告金額及び偶発債務の開示並びに事業年度における収益及び費用の報告金額に影響を与えるような見積り及び予測を必要とします。結果として、このような見積りと実績が異なる場合があります。

当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は後記「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 重要な会計方針」に記載しており、特に以下の重要な会計方針の適用が当社の財務諸表の作成において使用される見積り及び予測に大きな影響を及ぼすと考えております。

 a. 貸倒引当金

当社は、債権回収不能時に発生する損失の見積額について貸倒引当金を計上しております。主として一般債権については貸倒実績率により、債権先の財政状態が悪化しその支払能力が低下した場合は、個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上しております。

財政状態が悪化し、その支払能力が低下した債権先からの回収可能見込額を見積る際には、債権先の過去の支払い実績や現在の状況等を考慮しますが、時には見積りや予測を必要とします。そのため、現在回収可能と考えている債権残高に関して、債権先の状況の悪化や経済環境の変化等の追加情報を評価する結果、貸倒引当金を追加で計上する可能性があると判断される場合もあります。

 

 b. 保証履行引当金

当社は、保証履行により発生する損失の見積額について保証履行引当金を計上しております。保証履行引当金は、保証委託者の状況及び過去の一定期間における回収実績等を勘案して、保証履行による将来の予想損失額を計上しております。

当社が保証履行を行うことにより発生する損失額を見積る際には、保証委託者の状況や過去の回収実績等を考慮しますが、時には見積りや予測を必要とします。そのため、現在想定している保証履行の発生可能性に関して、保証委託者の状況の悪化や経済環境の変化等の追加情報を評価する結果、保証履行引当金を追加で計上する可能性があると判断される場合もあります。

  

② 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a. 経営成績

当事業年度の売上高は前事業年度より185,234千円増加し、3,136,794千円(前期比6.3%増)となりました。これは、既存顧客である大手不動産管理会社が管理する賃貸物件を対象としたサービスが、保証サービスからソリューションサービスへシフトしている影響により、保証事業の売上高は、1,492,494千円(前期比1.9%増)となったものの、保証関連の業務受託サービスなどのC&Oサービスが順調に伸張したことなどにより、ソリューション事業の売上高が、1,644,299千円(前期比10.5%増)となったことによります。

また、業容の拡大により人件費は増加したものの、その他の原価増を抑制できたことにより原価率が低減し、売上総利益は144,329千円増加し、1,594,419千円(前期比10.0%増)となりました。

販売費及び一般管理費は前事業年度より74,476千円増加し、752,117千円(前期比11.0%増)となりました。これは、保証履行引当金繰入額や人件費が増加したことなどによります。
この結果、営業利益は69,853千円増加し、842,302千円(前期比9.0%増)となりました。

営業外収益は概ね前事業年度と同額の50千円(前期比1.6%減)となりました。また、営業外費用は前事業年度より18,090千円減少し、2,077千円(前期比89.7%減)となりました。

この結果、経常利益は87,943千円増加し、840,275千円(前期比11.7%増)となりました。

法人税、住民税及び事業税(法人税等調整額を含む)は276,108千円となりました。

この結果、当期純利益は564,166千円(前期比10.9%増)となりました。

なお、2018年5月に策定した中期経営計画では、下記の数値を主要な目標として掲げており、当該中期経営計画の一年目である当事業年度との比較は下記のとおりであります。

 

 

2019年3月期

2021年3月期目標

売上高    (千円)

3,136,794

5,000,000

営業利益   (千円)

842,302

1,250,000

営業利益率   (%)

26.9

25.0

 

 

b. 財政状態

当事業年度末における総資産は、4,038,387千円となり、前事業年度末に比べ539,382千円増加となりました。

流動資産は、3,650,183千円となり、前事業年度末に比べ411,011千円増加となりました。これは、現金及び預金が286,753千円、立替金が82,697千円、前払費用が22,400千円増加したことなどによります。

固定資産は、388,203千円となり、前事業年度末に比べ128,371千円増加となりました。これは、無形固定資産が23,214千円、投資その他の資産が102,285千円増加したことなどによります。

当事業年度末における負債合計は、1,163,818千円となり、前事業年度末に比べ107,420千円増加となりました。

流動負債は、1,103,962千円となり、前事業年度末に比べ109,732千円増加となりました。これは、未払金が18,574千円、未払法人税等が21,265千円、前受収益が50,184千円増加したことなどによります。

固定負債は、59,855千円となり、前事業年度末に比べ2,311千円減少となりました。これは、資産除去債務が2,834千円増加したものの、固定負債その他が5,145千円減少したことによります。

当事業年度末における純資産合計は、2,874,569千円となり、前事業年度末に比べ431,961千円増加となりました。これは、配当の支払により144,039千円減少したものの、当期純利益564,166千円を計上したことにより、利益剰余金が同額増加したことなどによります。

 

c. 経営成績に重要な影響を与える要因

当社の主要な業務委託先であります大和リビング株式会社において、2014年度に連帯保証人不要制度が導入されたことに伴い、同社が管理する賃貸物件を対象とした当社サービスが、家賃債務保証サービスから審査業務、未入金案内業務及び債権管理支援業務等を一括して提供するソリューションサービスへ移行しております。今後も、賃貸物件への入居のタイミングで、順次、当該移行は進んでいくものと見込まれております。

保証事業については、大和リビング株式会社の管理している物件を対象とした保証サービスに係る保有契約者数は、減少が見込まれるものの、家賃債務保証を取り巻く環境は、保証会社の利用が定着し、保証会社利用割合は増加傾向にあるものと考えております。また、民法の改正により、個人の連帯保証人について、極度額を定めることが義務付けられる事などにより、機関保証のニーズは益々高まることが期待されております。このような環境のもと、新規の業務委託先の開拓により、保証サービスの拡販に注力すると共に、既存の大手パートナー企業との協業による家賃保証商品の開発にも力を入れていく方針であります。

また、介護費用保証商品及び医療費用保証商品については、自社による販売推進に加え、パートナー企業との協業を通じてマーケットの開拓に努め、新たな分野の保証サービスとして家賃債務保証商品に並ぶ主力商品となるよう、引き続き拡販に努めてまいります。

なお、販売面において拡販を進める一方で、代位弁済した債権の回収力の安定化により、代位弁済額の圧縮及び求償債権の正常化に継続して取り組んでまいります。

ソリューション事業については、上述のとおり、大和リビング株式会社の管理する物件を対象とした保証関連業務の受託サービスは、順調に推移していることから、今後も収益の拡大に貢献するものと考えております。また、保証関連業務の受託サービスを他の管理会社に対して、個別又は一括で提供することで、新たな収益の柱とすべく積極的な営業活動に努めるほか、Doc-onサービス及び保険デスクサービスについても、引き続き拡販に取り組んでまいります。

なお、中長期的展望としまして家賃債務保証ビジネスはいずれ成熟化し、競争は激しくなっていくものと考えております。そのため、当社は総合保証サービス会社として、家賃債務保証事業で培ったノウハウを活かし、他の分野における保証サービスの開発・販売、業務上の課題を解決する専門的な業務支援サービスであるソリューションサービスの提案を積極的に行うことで、収益の拡大を目指して取り組んでまいります。

これらの方針を事業計画として明示し実行するために、2018年5月に中期経営計画を策定し開示いたしております。また、当該中期経営計画において、当社の重要な指標として、売上高、営業利益、営業利益率について、目標値を定めております。本目標値を達成し、企業価値を継続的に向上させるため、中期経営計画に掲げた事業展開の基本方針のもと、保証事業及びソリューション事業における以下の重点戦略を推進してまいります。

(中期経営計画の各重点戦略の骨子)

 ・主力事業としての家賃債務保証サービスの拡大・進化

 ・ソリューションサービスの推進

 ・介護費用保証及び医療費用保証における新市場の育成

 ・新たな保証・ソリューションサービスの開発による、次世代事業の創出

  なお、中期経営計画は、当社ウェブサイトよりご覧頂くことができます。

  (当社ウェブサイト) https://www.entrust-inc.jp/

 

d. 資本の財源及び資金の流動性

当社は、保証事業において代位弁済を行なうため、一定の立替金が発生いたしますが、当該立替資金については、自己資金で賄われております。

また、当事業年度において実施いたしました設備投資の総額は、57,047千円となり、その他の経費も含め自己資金で行なっております。

今後の資本的支出の予定に関しましては、「第3 設備の状況」の「3 設備の新設、除却等の計画」をご参照下さい。

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

該当事項はありません。