第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

 当事業年度における我が国経済は、米国新政権の政策や欧州の政治リスク、北朝鮮などにおける地政学的リスクなどの国内景気への影響が懸念されるなか、大規模な金融緩和をはじめ政府の各種経済対策の効果もあり、企業収益や雇用・所得環境に改善傾向が見受けられるなど、景気は緩やかな回復基調で推移しました。

 

 主要事業である鋳造事業におきましては、第1四半期会計期間(平成29年1月~同3月)に生産力増強を目指し、平成29年3月にコンセプトセンター第5期棟(長野県飯田市)の建設工事に着工し、翌事業年度の平成30年1月初旬に稼働を開始しております。また、第2四半期会計期間(平成29年4月~同6月)までに多くの課題(特定顧客層へ営業力を傾注したことによる売上高の伸び悩み、製造の不具合から発生した再作等による機会損失、技術的難易度の高い案件受注による再作コスト増加等)が顕在化し、第3四半期会計期間(平成29年7月~同9月)からその対策を講じ、第4四半期会計期間(平成29年10月~同12月)では、その効果が表れてまいりました。

 CT事業におきましては、第2四半期会計期間(平成29年4月~同6月)にGEセンシング&インスペクション・テクノロジーズ株式会社と産業用CT販売に関する業務提携を開始し、事業の体制整備や産業用CTの販売促進に注力してまいりました。

 当事業年度の売上高は、鋳造事業が前事業年度に比べ微減となったものの、3Dプリンター出力事業とCT事業が増収となり、1,629,689千円(前事業年度比10.3%増)となりました。

 一方、営業利益は22,018千円(前事業年度比84.2%減)となりました。減益の主な理由は、鋳造事業における外注委託の増加や、人員増のための労務費が増加したこと等、売上原価が前事業年度に比べ227,052千円増加(前事業年度比26.5%増)し、販売費及び一般管理費においても鋳造事業の営業人件費の増加等により、前事業年度に比べ42,522千円増加(前事業年度比8.9%増)したことによるものであります。

 なお、経常利益は28,736千円(前事業年度比83.3%減)、当期純利益は15,906千円(前事業年度比86.7%減)となりました。

 

 セグメントの業績は、次のとおりであります。

 なお、当事業年度より、報告セグメントの区分を変更しております。

 平成29年4月から産業用CTの販売を開始したことに伴い、報告セグメントを従来の「3Dプリンター出力事業」及び「鋳造事業」の2区分から、「3Dプリンター出力事業」、「鋳造事業」及び「CT事業」の3区分に変更しております。この変更に伴い、これまで「鋳造事業」に計上していた産業用CTによる検査・測定サービスの営業数値を「CT事業」に移管しております。

 以下の前事業年度比較については、前事業年度の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。(以下、「2 生産、受注及び販売の状況」及び「7 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」においても同じであります。)

 

(3Dプリンター出力事業)

 3Dプリンター出力事業におきましては、当社製品である心臓カテーテルシミュレーター「HEARTROID」の販売代理店契約を進め、国内外における販路の拡大に努めました。また、「高度管理医療機器等 販売業・貸与業」の許可を取得したことで、医療機器の販売が可能となりました。これに伴い、医療機器の開発、製造、販売、貸与及び輸出入に関する新サービスの立ち上げに着手するため、翌事業年度に向けた人員採用を開始いたしました。

 なお、第3四半期累計期間(平成29年1月~同9月)では前事業年度に比べ売上高が横ばい、セグメント利益が下回って推移しておりましたが、第4四半期会計期間(平成29年10月~同12月)には既存顧客の案件が増加するとともに、WEBプロモーションや展示会の効果による新規顧客が増加し、売上高及びセグメント利益が増加いたしました。

 当事業年度の売上高は、413,725千円(前事業年度比7.6%増)、セグメント利益は87,192千円(前事業年度比10.7%増)となりました。

 

(鋳造事業)

 鋳造事業におきましては、第2四半期会計期間(平成29年4月~同6月)までに顕在化した課題の対策として、第3四半期会計期間(平成29年7月~同9月)以降、既存顧客に対する営業活動を増加させたものの、売上高は前事業年度と比べ微減となりました。

 また、製造不具合低減のため製造工程での各種チェック機能や外注加工の粗利率管理を改善し、第4四半期会計期間(平成29年10月~同12月)では粗利率が改善傾向となったものの、当事業年度のセグメント利益は大幅な減益となりました。

 なお、第3四半期累計期間(平成29年1月~同9月)では、受注高が前事業年度に比べ下回っておりましたが、第4四半期会計期間(平成29年10月~同12月)では大幅に上回り、当事業年度の受注高は前事業年度を上回る結果となりました。

 当事業年度の売上高は、959,456千円(前事業年度比3.2%減)、セグメント利益は150,937千円(前事業年度比52.4%減)となりました。

 

(CT事業)

 CT事業におきましては、検査・測定サービスが、当社の撮像技術、データ処理及び解析サービスの優位性を活かし、順調に受注高が増加いたしました。

 当該サービスは、継続して受注増が見込まれることから、サービス拡充に向け、GEセンシング&インスペクション・テクノロジーズ株式会社製マイクロフォーカスCTの最上位機種である「phoenix v|tome|x m」を平成30年4月にコンセプトセンター第5期棟(長野県飯田市)に導入いたします。

 なお、当事業年度から開始した産業用CTの販売では、受注した3台のうち1台が売上に至り、また、検査・測定サービスも堅調に推移したことから前事業年度に比べ売上高、セグメント利益が大幅な増収増益となり、CT事業の事業規模が拡大いたしました。

 当事業年度の売上高は256,507千円(前事業年度比152.0%増)、セグメント利益は109,675千円(前事業年度比50.2%増)となりました。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

 当事業年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当事業年度

(自 平成29年1月1日

至 平成29年12月31日)

前年同期比(%)

3Dプリンター出力事業(千円)

233,951

103.7

鋳造事業(千円)

713,399

117.8

CT事業(千円)

54,047

199.2

合計(千円)

1,001,398

116.7

(注)1.金額は製造原価によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)商品仕入実績

 当事業年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当事業年度

(自 平成29年1月1日

至 平成29年12月31日)

前年同期比(%)

3Dプリンター出力事業(千円)

鋳造事業(千円)

CT事業(千円)

83,986

合計(千円)

83,986

(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません

2.産業用CTの販売は当事業年度から開始したため、前年同期比は記載しておりません。

(3)受注状況

 当社の受注状況は、販売実績とほぼ一致しておりますので、受注状況に関しては販売実績の項をご参照ください。

 

(4)販売実績

 当事業年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当事業年度

(自 平成29年1月1日

至 平成29年12月31日)

前年同期比(%)

3Dプリンター出力事業(千円)

413,725

107.6

鋳造事業(千円)

959,456

96.8

CT事業(千円)

256,507

252.0

合計(千円)

1,629,689

110.3

(注)1.主な販売先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は以下のとおりであります。

相手先

前事業年度

(自 平成28年1月1日

至 平成28年12月31日)

当事業年度

(自 平成29年1月1日

至 平成29年12月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

日本電産株式会社

264,311

17.9

222,692

13.7

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

当事業年度の販売実績を産業区分別に示すと次のとおりであります。

 

3Dプリンター出力事業

 

セグメント内産業区分

当事業年度

(自 平成29年1月1日  至 平成29年12月31日)

販売件数(件)

販売金額(千円)

比率(%)

卸売業

448

93,592

22.6

電気機械器具製造業

430

60,625

14.7

精密機械・医療機械器具製造業

672

49,915

12.1

専門サービス業(他に分類されないもの)

302

47,297

11.4

その他の製造業

459

46,312

11.2

輸送用機械器具製造業

122

28,276

6.8

一般機械器具製造業

75

18,346

4.4

金属製品製造業

73

13,129

3.2

広告・調査・情報サービス業

18

8,255

2.0

その他

328

47,975

11.6

合計

2,927

413,725

100.0

 

 

鋳造事業

 

セグメント内産業区分

当事業年度

(自 平成29年1月1日  至 平成29年12月31日)

販売件数(件)

販売金額(千円)

比率(%)

電気機械器具製造業

228

262,542

27.4

輸送用機械器具製造業

264

232,520

24.2

鉄鋼業、非鉄金属製造業

197

134,836

14.1

一般機械器具製造業

265

106,217

11.1

卸売業

157

96,783

10.1

ゴム製品製造業

86

37,395

3.9

専門サービス業(他に分類されないもの)

54

25,356

2.6

その他の製造業

59

25,311

2.6

精密機械・医療機械器具製造業

31

18,317

1.9

その他

18

20,175

2.1

合計

1,359

959,456

100.0

 

CT事業

 

セグメント内産業区分

当事業年度

(自 平成29年1月1日  至 平成29年12月31日)

販売件数(件)

販売金額(千円)

比率(%)

卸売業

212

154,416

60.2

輸送用機械器具製造業

110

52,117

20.3

専門サービス業(他に分類されないもの)

33

11,226

4.4

電気機械器具製造業

37

11,180

4.4

一般機械器具製造業

19

7,824

3.1

精密機械・医療機械器具製造業

10

6,036

2.4

鉄鋼業、非鉄金属製造業

9

4,650

1.8

その他の製造業

10

3,460

1.3

化学工業

3

1,530

0.6

その他

16

4,068

1.5

合計

459

256,507

100.0

(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2.平成29年3月30日提出の平成28年12月期(前事業年度)の有価証券報告書で公表しておりました「事業別産業区分別販売実績」(販売件数、販売金額、比率)は、産業区分の分類が証券コード評議会の定める業種別分類の中分類に従っておりましたが、当社が受注した試作品等に関して、想定される用途ごとに顧客の産業を分類していたことから、同一顧客から複数の異なる用途の試作品等を受注した場合、顧客の産業分類の判断が困難となるケースが増加したことや、当該分類集計では、一般的に認知されている顧客の産業分類と異なるケースがあり、誤解を招く可能性があることから、当事業年度から産業区分に関しては、株式会社帝国データバンクのTDB産業分類表の中分類に従っております。

3【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1)経営方針

 当社は「この国のものづくりを置き去りにする」を経営理念にしております。

 これは、日本の製造業の牽引役に成るべく、従来のやり方や考えに捉われずに新しいことに挑戦し続けるという当社の決意を表現したものです。

 

 (行動指針)

 当社の使命は、全てのステークホルダーの利益を尊重しつつ、革新的な製品およびサービスを提供し、顧客満足度を最大化できる価値を創造しつづけることです。

 我々は社会的責任を持って公正かつ倫理的に事業を行い、公平な雇用をし、職場の安全性を守り、我々の業務に適用される全ての法律を遵守します。

 

① 法令等遵守の徹底

 法令・社会的規範、社内諸規程・マニュアル等を遵守します。また、適正な会計処理を行い、事実に基づいた経理処理や証票類の記載を行います。

 

② 高品質とスピードを両立したサービス提供

 関連する法律・ルールを遵守したうえで、お客様の視点を踏まえて、そのニーズを反映した良質なサービスを迅速にご提供します。

 

③ お客様の声への適切な対応

 ご意見、お問い合わせ、クレーム等いかなる「お客様の声」にも誠実に対応するとともに、今後のサービス提供や業務改善に反映します。

 

④ 人権を尊重する職場環境の実現

 職場における差別、各種ハラスメント等の人権侵害行為を許容せず、相互の信頼と良識のある職場環境を実現します。

 

⑤ 快適な職場環境の整備

 社員が能力や個性を存分に発揮するとともに、能力を積極的に向上できる、快適で働きやすい職場環境を整備します。

 

⑥ ステークホルダーとの関係

 ステークホルダーとの関係は、健全かつ節度を保ち、疑義を招くような接待・贈答を行ったり受けたりしません。

 

⑦ インサイダー取引の禁止

 インサイダー取引となりうる株式等の売買は行いません。そのために、当社および取引先等の内部情報は厳重かつ適切に管理します。

 

⑧ 業務の相互牽制と管理

 あらゆる業務活動において、社員が相互に牽制を働かせるとともに、管理者は所管の業務活動の遂行状況を適切に管理・把握します。

 

⑨ 適切かつ透明な意思決定の確保

 業務活動におけるあらゆる意思決定は、法令や社内の諸規程に則り、合理的根拠に基づいて第三者に説明することを前提として実行します。

 

⑩ 適切なリスク管理

 あらゆる業務活動において、リスク管理をはかるとともに、各種のリスクを常に適切に管理できる内部管理体制を構築します。

⑪ 情報の適切な管理

 当社およびお客様の機密情報に加えて、社員のプライバシーに関わる情報についても守秘する義務があることを意識し、常に適切に管理します。

 

⑫ 適切かつ公正な情報開示

 当社の経営状況および企業活動への正確な理解を促進するために、ステークホルダーへの適切かつ公正な情報開示に努めます。

 

⑬ 知的資産の適切な保護

 あらゆる業務活動において、第三者が保有するすべての知的資産を尊重するとともに、当社が保有する知的資産を適切に保護し役立てます。

 

⑭ 反社会的勢力との関係の拒絶

 反社会的な団体や勢力との関与を断固として拒絶し、そうした活動を助長する行為は一切行わず、毅然とした姿勢で臨みます。

 

(2)経営戦略等

 当社の経営戦略の現状と見通しは以下のとおりです。

 

・3Dプリンター出力事業

 試作はものづくりの上流に位置する工程になります。当社は、砂型3Dプリンターなど、新しい装置を適宜導入する予定であり、事業拡大に貢献する3Dプリンターを積極的に利用する考えであります。3Dプリンターに対する認知度も高まっており、今後も受注状況は底堅く推移するものと考えております。

 医療用実体モデルについては、自社製品である「HEARTROID」を、オーダーメイドモデルの受託サービスにより、受注数を増やしております。医療機器メーカーからのニーズを「HEARTROID」の新製品開発に生かし、ラインナップを増やしていくことで、規格製品の売上増を見込めると考えております。また、「HEARTROID」の販売においては、国内外の代理店契約を進め、販路拡大により売上増を見込めると考えております。

 

・鋳造事業

 砂型鋳造については、人為的不具合による再作の削減、外注加工の粗利率管理を徹底していくとともに、技術的難易度の高い案件についても、再作コスト削減に引続き取り組んでまいります。

 また、コンセプトセンターの第5期棟(鋳造棟)が稼働を開始いたしましたので、生産能力が段階的に上がると考えておりますが、一方で、生産コストや労働時間の削減を図るため、生産効率向上を実現する必要があります。

 当該事業は引き合いが多い傾向で推移してきておりますので、生産能力の拡大、生産効率の向上、技術力向上による高品質、短納期の継続により売上増を見込めると考えております。

 

・CT事業

 検査・測定サービスでは、物体の内部形状の測定、評価、非接触検査による製品の品質検査及び部品の撮像サービスを行っております。当該サービスの需要は堅調に推移し、産業用CTを平成30年4月に増設しラインナップを強化いたします。今後も需要は堅調に推移するものと考えており、製品評価やリバースエンジニアリング等、非接触での内部形状評価及びデータ化による売上増が見込めると考えております。

 また、産業用CTのニーズが高まると考え、産業用高性能CTの販売業務を開始しており、当社保有の産業用CTによる検査・測定サービスとの相乗効果で売上増を見込めると考えております。

 

(3)経営環境

 少子高齢化社会の到来による消費力の減少、人件費の高騰による製造部門の国外流出等、「ものづくり」を取り巻く環境は厳しい状況となっています。そのような経済環境のもと、当社は、「この国のものづくりを置き去りにする」というコーポレートメッセージに従い、3Dプリンター、鋳造工法及び産業用CTを融合した独自のものづくり技術を駆使して、事業に取り組んでおります。

 

 

(4)事業上及び財務上の対処すべき課題

 当社が、事業推進上重要課題と認識している点は、以下のとおりであります。

 

① グループ資源の融合・活用

 近年の3Dプリンターに対する需要の拡大をきっかけに、金属を素材とした3Dプリンターによる造形が課題となっており、当社も取り組んでおりますが、黎明期であり、実用可能な段階には至っていない状況が続いております。これに対し、3Dプリンターと鋳造を事業として持つ当社の特色を生かし、今後、砂型鋳造で使われる木型を介さず、3Dプリンターでの鋳型を作製する砂型鋳造法を確立することで、金属鋳造への3Dプリンターの応用を進めていくことに取り組んでまいります。

 

② 多種合金への展開

当社はこれまで砂型鋳造法の精度を高めることで、試作品から製品分野へ対応範囲を拡大してきましたが、さらに素材の面におきましても、顧客メーカーのニーズに応えるために、アルミニウム合金、マグネシウム合金及び鋳鉄を取扱っております。今後、鋳鋼・銅合金などの取扱いも検討いたします。また、アルミニウム、マグネシウムの中でも強度等が向上した新たな配合の同合金材料の採用を続けることにより、さらに幅広い市場を開拓することに取り組んでまいります。

 

③ 医療機器販売等に係る事業の参入

 当社が安定的かつ持続的企業成長を実現するために、既存の3事業(3Dプリンター出力事業、鋳造事業及びCT事業)と親和性がある新規事業への参入、拡大が必要と考えています。

 現在、当社は自社製品である心臓カテーテルシミュレーター「HEARTROID」をはじめとする医療関連製品を3Dプリンターの技術を活用して製造しており、平成29年7月には「高度管理医療機器等販売業・貸与業」の許可を取得し、医療機器の販売が可能となりました。これを第一歩として、医療機器の開発、製造、販売、貸与及び輸出入に係る新規分野での事業拡大に取り組んでまいります。

 

自動車のEV化への対応

 今後、世界の自動車販売に占めるEV(Electric Vehicle=電気自動車)の割合は急速に高まっていくことが予想されています。EV化に伴い車体構造がシンプルになり、使用される部品数が大幅に減少する一方で、新たに開発が見込まれるモーターや重要保安部品等における試作技術力が求められています。

 このような世界的な潮流の変化を好機ととらえ、当社の強みである高品質・高付加価値を活かし、EV化の対応に取り組んでまいります。

 

⑤ マグネシウム鋳造の受注拡大

 当社は、素材の軽量化に寄与するマグネシウム鋳造に注力しております。自動車や航空宇宙分野においては、素材の軽量化はそのまま作製物の軽量化につながり、メーカーにとって重要な課題となっております。当社では、一般的なマグネシウム合金よりも強度等が優れている特殊マグネシウム合金(以下「MEL合金」という。)を製造しているMEL社(Magnesium Electron Ltd.英)と材料仕入に関するライセンス契約を平成24年3月に締結しており、同素材は、砂型鋳造法にのみ使用可能となっております。MEL合金は、F1用車両や軍事用輸送機など特殊分野への用途が広がっていることから、今後も、MEL合金を含めたマグネシウム鋳造による受注拡大に努めてまいります。

 

⑥ 人材の確保、育成

 変化する事業環境に最適な企業構造を保ちつつ、長期的な成長を担保するために、優秀な人材の確保、育成が急務であります。当社では、3Dプリンター出力事業と鋳造事業及びCT事業、また製造部門と営業部門を横断できるゼネラリスト型の人材と、製造業特有の技術・知識に長けた職人型の人材の両面の育成が課題であり、これらに関し中長期的視野で取り組んでまいります。

 

⑦ ブランドの知名度向上

 当社が完成品メーカーの単なる下請けではなく、3Dプリンターと鋳造工法による高品質なものづくりを行う対等なパートナーとして主体的に関わっていくためには、製品の品質やサービス等に裏付けられたコーポレートブランドを確立していくことが重要と考えております。そのため、営業活動におけるサービスや採用活動において、費用対効果を見極めながら広報宣伝やIR、PR活動を推進させることを課題と認識し、工場の設計からウェブサイトや各種パンフレットに至るまで一貫したコンセプトで作成し、コーポレート・アイデンティティの構築とそのブランディングに取り組んでまいります。

4【事業等のリスク】

 当社の事業の状況等に関する事項のうち、リスク要因となる可能性があると考えられる主な事項及び投資者の判断に重要な影響を及ぼすと考えられる事項を以下に記載しております。当社は、これらのリスク発生の可能性を認識した上で発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社の有価証券に関する投資判断は本項以外の記載内容もあわせて、慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。

 なお、以下の事項のうち将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が記載が妥当であると判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。

 

(1)事業環境に関するリスク

① 市場環境について

 当社は、工業製品の新製品開発における試作品作製と少量量産品の作製を行っております。各メーカーにはそれぞれの開発サイクルがあり、特に自動車メーカーにおける開発予算の圧縮、開発スケジュールの変更やモデルチェンジサイクルの変化等の影響を受ける可能性があります。

 

② 試作開発環境について

 各メーカーごとに開発手法は異なり、試作品での検証を繰り返す手法もあれば、試作品を作製せずCADソフト上のみで検証を行う試作品レスの手法もあります。今後、試作品レスの手法が主流となった場合、試作品作製のニーズが低減する可能性があります。

 

③ 3Dプリンターへの需要拡大について

 近年の3Dプリンターに対する需要拡大は、主に消費者向けの低価格3Dプリンターの出現により生まれた現象であります。低価格3Dプリンターで作製できるモデルの品質は限定的であること、また機械の運用よりも作製するモデルの3次元CADデータ作成の難易度が高いことから、この需要の拡大が継続しないことが想定され、当社においても、受注案件の減少に繋がる可能性があります。

 

④ 特定分野への依存について

 当社は、輸送用機器分野における試作品・鋳造品等の受注が多く、複数の顧客と取引を行うことでリスク分散を図っておりますが、当該分野の景気が悪化した場合、当社の事業、経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。

 

⑤ 競合企業について

 当社は、3Dプリンター、鋳造工法による試作品・少量量産品の作製を事業領域としておりますが、特に3Dプリンターの分野では、大手企業を含む多くの企業が3Dプリンターへの需要拡大の影響から事業展開を進め始めており、新たな競合企業が現れる可能性があります。今後、サービスレベルや製品品質で十分な差別化が図られなかったり、新規参入等により競争が激化した場合、当社の事業、経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。

 

⑥ 顧客の財務状況について

 当社は、顧客について信用調査をした上で取引を行っておりますが、係る調査が効果的ではない可能性があり、事業環境の変化等により、当社の顧客が支払不能、倒産等に陥った場合、係る顧客から売掛債権を回収できず、当社の事業、経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。

 

⑦ 法的規制について

 当社の事業においては、「製造物責任法」「下請代金支払遅延等防止法」「知的財産基本法」等の各種法令やガイドライン等による規制を受けております。こうした法令の制定や改正等、当社の事業に関する事項が規制を受けた場合、当社の事業、経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。

 

(2)事業の運営体制に関するリスク

① 特定経営者への依存について

 当社の事業の推進者は、代表取締役である渡邊大知及び専務取締役である鈴木浩之であります。両名は、当社の3Dプリンター出力事業、鋳造事業及びCT事業開始からの事業責任者であり、経営方針や戦略の決定をはじめ、営業、製造技術の各方面の事業推進において重要な役割を果たしており、その決定により当社の事業が左右される可能性があります。当社では、過度に両名に依存しない経営体制を構築すべく、役職者が一堂に会する経営会議制度、組織体制の整備や予算管理の高度化等の経営体制の構築を推進しております。しかしながら、両名のいずれか又は両名が離職又は業務執行が困難となるような事態が生じた場合、当社の事業、経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。

 

② 人材の確保・育成について

 当社の鋳造事業においては、業界全体の衰退が進んでいるため、外部からの技術継承が困難となっております。そのため、確固とした技術教育制度を自社内に構築しなければ、高度なものづくりを維持することが困難となり、当社の事業、経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。

 

③ 内部管理体制について

 当社では、コーポレート・ガバナンスの充実を図る多様な施策を実施しております。また、業務の適正及び財務報告の信頼性を確保するため、これらに係る内部統制が有効に機能する体制を構築、整備、運用しております。しかしながら、事業の急速な拡大等により、十分な内部管理体制の構築が追いつかないという状況が生じる場合、適切な業務運営が困難となり、当社の事業、経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。

 

④ 小規模組織であることについて

 当社は従業員91名(平成29年12月31日)と小規模な組織であり、業務執行体制もこれに応じたものとなっております。当社は、今後の急速な事業拡大に応じて従業員の育成や採用を行うとともに業務執行体制の充実を図っていく方針でありますが、これら施策が適時適切に進行しなかった場合、あるいは役職員が予期せず退社した場合、当社の事業、経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。

 

⑤ システム障害について

 当社は、顧客との作製データの受領等は、主にインターネット通信を利用して行っておりますが、人為的ミス、通信ネットワーク機器の故障、アクセス数の急激な増大、ソフトウェアの不具合、コンピュータウィルス、停電、自然災害、事故等により、システム障害が発生する可能性があります。当社では定期的なバックアップや稼動状況の監視により事前防止又は回避に努めておりますが、こうした対応にも関わらず、システム障害が発生し、サービス提供に障害が生じた場合、当社の事業、経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。

 

⑥ 特定の仕入先で依存度の高い取引について

 当社の3Dプリンター出力事業における原材料は、その大半をシーメット株式会社(注1)及びアールピーエンジニアリング株式会社(注2)から仕入れており、原材料仕入高に占める両社への依存度は前事業年度において96.5%、当事業年度において84.0%であります。両社との関係は良好であると認識しております。しかしながら、両社との取引が何らかの事情で継続できなくなった場合、一時的な混乱が生じ、事業の効率的な運営に悪影響が生ずる可能性があります。

 また、CT事業における産業用CT販売の仕入はGEセンシング&インスペクション・テクノロジーズ株式会社(注3)から行っており、同社との取引が何らかの事情で継続できなくなった場合、当社の事業、経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。

 

(注)1.シーメット株式会社

東証一部上場企業であるナブテスコ株式会社の子会社で、光造形・砂型積層造形装置を販売しております。昭和63年に光造形装置国産1号機を販売しております。

 

2.アールピーエンジニアリング株式会社

3Dプリンターの修理及び保守メンテナンス、材料の販売などを行っている会社です。

 

3.GEセンシング&インスペクション・テクノロジーズ株式会社

非破壊検査ソリューションを提供する会社です。

⑦ 多額の設備投資について

 当社は、生産能力増強を図るため積極的な設備投資を行っております。生産設備の設備投資の決定は極めて重要な経営判断項目であることから、当社では市場動向、競合他社動向を考慮しつつ、事業戦略及び設備投資の収益性等を総合的に勘案して、実施しております。しかしながら、経済動向や市場動向を正確に予測することは困難であり、多額の設備投資に対して受注が想定どおりに拡大しなかった場合には、減価償却費負担が収益性を圧迫し、使用設備の除却や減損が生じ、当社の事業、経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。

 

⑧ 機密保持について

 当社は、事業の性格上、新製品開発に関する顧客の機密情報を取り扱う機会が多いことから、機密保持を経営上の最重要課題と認識しております。顧客のCADデータを取り扱うことから、ネットワーク、ファイアウォール、サーバー及びパソコン管理並びにアクセス制御等、ハードとソフトの両面から総合的な管理を行うとともに、定期的な社内教育の実施により当社の機密保持レベルの向上に努めております。しかしながら、不測の事態により、万一、機密情報が外部へ漏洩するようなこととなった場合、当社の信用失墜に伴う受注の減少や損害賠償による費用の発生等により当社の経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。

 

⑨ 製品の品質について

 当社は、品質マネジメントシステムの国際規格ISO9001、航空宇宙分野における品質規格JISQ9100の認証を取得し、品質管理活動に継続的に取り組んでおります。また、当社の過失により製造物の欠陥が発生した場合に備え、賠償責任保険に加入しております。しかしながら、製造物の欠陥が生じた場合は、損害賠償による多額の費用発生や社会的信用の低下により、当社の事業、経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。

 

⑩ 業績の季節偏重について

 当社は、メーカーの開発部門が主要な顧客となっており、顧客の決算期が集中する3月・9月に売上が増加する一方で、工場が長期休暇により稼動が止まる5月・8月は売上が減少するなど、顧客の決算期や稼動状況によって業績が偏重する傾向にあります。また、顧客の開発計画によっても業績が偏重する傾向にあります。当社は、一部の業界に偏らず、自動車、医療機器、産業機器等、幅広い分野のメーカーへの事業展開を進めることで、年間を通じて安定した収益の確保に努めている一方、顧客の決算期である3月・9月に何らかの事由により売上が減少した場合、当社の事業、経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。

 

新規事業について

 当社は、多様化する顧客ニーズに対して、作製工法、取扱可能な素材を拡充することで、より幅広い分野の顧客を開拓することを目的として、新規事業の創出を検討し、実施しております。新規事業の必要性を十分検討した上で、事業開発を行っていきますが、市場環境の影響で顧客の獲得に結びつかなかった場合、当社の事業、経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。

 

⑫ 工場の環境整備について

 当社は、廃棄物削減、地球温暖化や大気汚染防止、有害物質の処理等に関して様々な環境規制の適用を受けております。当社は、環境整備活動を重要な方針の一つとして掲げ、工場の環境整備を進めております。しかしながら、事故や自然災害により不測の環境汚染が生じる場合、当社が現在稼動させている工場用地等において汚染物質が発見された場合、新たな環境規制の施行によって多額の費用が発生した場合、環境規制を遵守できない場合、当社の事業、経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。

 

積極的なブランド戦略について

 当社は、積極的なPR及び情報発信を行っておりますが、それらの自社メディア上において、意図しない不適切とみなされる表現等により、レピュテーションリスクが発生する可能性があり、当社の事業、経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。

 

⑭ 鋳造工場の安全対策について

 当社の鋳造事業においては、高温な溶解炉や切断用機械等、従業員の作業上、危険を伴う設備を数多く保有しております。従業員の安全を守るための作業上の基準を設けておりますが、不慮の事故等が発生した場合、当社の事業、経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。

 

(3)知的財産等に関するリスク

 当社では、知的財産権が重要な経営資源の一つであると認識しております。さらに、知的財産権の保全にも積極的に取り組んでおります。職務発明規程を制定し、知的財産権の取得を行っております。しかしながら、当社の知的財産権が第三者に侵害された場合、解決までに多くの時間及び費用がかかる等、当社の事業、経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。また、当社が事業活動を行う上での3Dプリンター、鋳造の各工法は第三者の知的財産権等を侵害するものではないと認識しております。しかしながら、不測の事態、あるいは何らかの不備により第三者の知的財産権等を侵害してしまう可能性、紛争及び訴訟等の対象となる可能性又は当社の工法について侵害を主張され、防御又は紛争の解決のための費用又は損失が発生する可能性があります。

 

(4)自然災害、事故災害に関するリスク

 当社では、主要工場の操業停止の影響を最小限にするため、生産拠点を国内で分散するとともに、国内全拠点において一定規模の災害を想定して建物、機械装置等の安全性確保、各種防災機器の設置、バックアップ電源の確保等の施策を講じておりますが、想定を超える大規模な災害が発生した場合、当社の事業、経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。

 

(5)その他のリスク

① 新株予約権の行使による株式価値の希薄化について

 当社は、企業価値の向上を意識した経営の推進を図るとともに、当社の業績向上に対する役職員の意欲を高めることを目的として、ストックオプション(新株予約権)を発行しております。本書提出日現在、新株予約権による潜在株式総数は222,800株であり、発行済株式総数2,604,000株の8.56%に相当します。今後、これらの新株予約権が行使された場合、当社の1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。

 

② 配当政策について

 当社は、経営成績及び財務状態を勘案しながら、株主への利益配当を実現することを基本方針としております。

 しかしながら、第23期(平成26年12月期)より業容拡大のため設備投資を優先しており、無配としております。将来的には、配当を行う方針でありますが、当面は無配の予定であります。

 現在におきましても、内部留保の充実を優先しておりますが、将来的には経営成績及び財政状態を勘案しながら株主への利益の配当を目指していく方針であります。ただし、配当実施の可能性及びその実施時期等については、現時点で未定であります。

 

③ 固定資産の減損について

 当社は、工場建物、生産用の機械装置等の固定資産及びソフトウェア資産を保有しております。固定資産の貸借対照表計上額につきましては、当該資産から得られる将来のキャッシュ・フローの見積に基づく残存価額の回収可能性を定期的に評価しております。しかしながら、競合やその他の理由によって事業収益性が低下し、当該資産が十分なキャッシュ・フローを創出できないと判断される場合、減損の認識が必要となり、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 繰延税金資産の回収可能性について

 当社は、将来減算一時差異に対して、将来の課税所得を合理的に見積り、回収可能性を判断し、貸借対照表において繰延税金資産を計上しております。将来の課税所得については、経営環境の変化等を踏まえ適宜見直しを行っておりますが、係る見直しの結果、繰延税金資産の全額又は一部に回収可能性がないと判断した場合、繰延税金資産が減額され当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

5【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

 当事業年度における各事業別の研究の目的、テーマは次のとおりであります。

 なお、当事業年度の研究開発費は、3Dプリンター出力事業7,815千円、CT事業1,236千円、総額は9,051千円であります。鋳造事業における研究開発費はありません。

 

3Dプリンター出力事業及びCT事業

 当事業においては、医療分野における新製品開発を進めております。3Dプリンターの最大の強みは、これまでの工法では実現できなかった内部形状を持った製品を作製できることであり、人体の複雑な臓器モデルを再現することにおいて強い親和性があります。また、医療の分野ではCTスキャン、あるいはMRI撮影など、人体の3次元データを正確に入手できる手段が存在していることも3Dプリンターを活用した医療分野向け臓器モデルの開発を後押しする形になっております。

 今後は、人体の3次元データに基づく臓器モデル等を、人体の組織に近い素材で作製することで、人体に移植することが可能な生体組織及び臓器の作製を目指していきます。

 

 具体的な開発事例としては、下記のとおりであります。

研究開発課題名:「立体造形による機能的な生体組織製造技術の開発」

分担研究開発課題名:「細胞を用いた機能的な立体組織及び立体臓器作製技術の研究開発」

「高機能足場素材とバイオ3Dプリンタを用いた再生組織・臓器の製造技術の開発」

 

 国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)が推進する本プロジェクト(「立体造形による機能的な生体組織製造技術の開発」)では、「細胞を用いた機能的な立体組織及び立体臓器作製技術の研究開発及び高機能足場素材とバイオ3Dプリンタを用いた再生組織・臓器の製造技術の開発」のテーマ実施者として参画しています。医療分野で高いニーズを持つ移植用生体組織・臓器の製造を実現するため、iPS細胞等の再生医療に用いられる細胞と3Dプリンター・細胞シート積層技術等を組み合わせることで、新しい製造技術を開発します。それは独自に有する3Dプリンター関連技術によって革新的な技術開発の一翼を担っております。

 

研究開発費内訳

研究開発内容

金額(千円)

「立体造形による機能的な生体組織製造技術の開発」に係る研究開発

9,051

合計

9,051

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。

 

(1)重要な会計方針及び見積り

 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づいて作成されております。この財務諸表の作成にあたっては、当事業年度末における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としております。当社は、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。そのため実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

 

(2)当事業年度の財政状態の分析

(資産)

 当事業年度末における流動資産は1,192,654千円となり、前事業年度末に比べ425,210千円減少いたしました。これは主に、売掛金が202,072千円、産業用CT販売に係る前渡金が69,551千円、未収消費税等が25,671千円、仕掛品が22,577千円増加したものの、現金及び預金がコンセプトセンター第5期棟建設に関する資金支出等により754,585千円減少したことによるものであります。

 固定資産は1,262,626千円となり、前事業年度末に比べ409,168千円増加いたしました。これは主にリース資産(有形固定資産)が48,410千円減少したものの、コンセプトセンター第5期棟建設により、建物が375,291千円、機械及び装置が66,019千円増加したことによるものであります。

 この結果、総資産は2,455,280千円となり、前事業年度末に比べ16,041千円減少いたしました。

 

(負債)

 当事業年度末における流動負債は349,207千円となり、前事業年度末に比べ70,137千円減少いたしました。これは主に、産業用CT販売の仕入により買掛金が97,117千円増加したものの、借入金の借換により短期借入金が120,000千円、未払消費税等が30,211千円減少したことによるものであります。

 固定負債は274,905千円となり、前事業年度末に比べ37,274千円増加いたしました。これは主に、リース債務が53,224千円減少したものの、借入金の借換により長期借入金が95,988千円増加したことによるものであります。

 この結果、負債合計は624,112千円となり、前事業年度末に比べ32,863千円減少いたしました。

 

(純資産)

 当事業年度末における純資産合計は1,831,167千円となり、前事業年度末に比べ16,821千円増加いたしました。これは主に、当期純利益15,906千円の計上によるものであります。

 

(3)当事業年度の経営成績の分析

 当社は、自動車、精密機器、電気機器、航空宇宙、医療機器等の製造業を中心にコンシューマー、教育、医療、ヘルスケア等幅広い業種の試作品から最終製品づくりをトータルサポートする企業として、独自のポジションを確立し、平成29年7月には「高度管理医療機器等 販売業・貸与業」の許可を取得いたしました。当社事業は、「3Dプリンター出力事業」、「鋳造事業」及び「CT事業」であり、製品の高品質はもとより、短納期において優位性を発揮しております。

 当事業年度は、3期連続の増収となり、過去最高の売上高1,629,689千円(前事業年度比10.3%増)を達成いたしましたが、外注費増加、製造部門の人員増加、産業用CT販売開始による商品仕入等により売上原価が1,085,384千円(前事業年度比26.5%増)、営業人員増加等により販売費及び一般管理費は522,286千円(前事業年度比8.9%増)となり、営業利益は22,018千円(前事業年度比84.2%減)となりました。

 

(4)経営成績に重要な影響を与える要因について

 当社は、「4 事業等のリスク」に記載のとおり、顧客の製品開発に資する試作品の作製及び少量量産品の作製を行っており、開発に関する秘匿情報の漏洩や製品の不良等のリスク要因が当社の経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。

 そのため、当社は、国際的な品質規格であるISO9001やJISQ9100の取得を通じた品質検査体制の構築と審査機関による定期的な検査の実施により、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散し、リスクの発生を抑え、適切に対応しております。

 

 

(5)当事業年度のキャッシュ・フローの分析

 当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、仕入債務の増加、法人税等の還付による収入等により一部相殺されたものの、売上債権の増加が210,800千円(前事業年度比421.9%増)、コンセプトセンター第5期棟建設に関する資金支出等により、前事業年度末に比べ751,935千円減少し、当事業年度末には465,260千円となりました。

 当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度において営業活動の結果使用した資金は107,967千円(前事業年度は179,523千円の獲得)となりました。これは主に、減価償却費147,015千円、仕入債務の増加97,117千円の収入となったものの、売上債権の増加210,800千円、法人税等の支払43,898千円、未収消費税等の増加25,671千円、未払消費税等の減少30,211千円支出によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度において投資活動の結果使用した資金は555,155千円(前事業年度比142.8%増)となりました。これは、コンセプトセンター第5期棟建設に関する資金支出等であり、有形固定資産の取得による支出545,576千円、無形固定資産の取得による支出12,418千円等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度において財務活動の結果使用した資金は88,812千円(前事業年度は950,486千円の獲得)となりました。これは、リース債務の返済による支出52,370千円、長期借入金の返済による支出28,582千円等によるものであります。