文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)経営方針
当社は「MADE BY JMC」を経営理念にしており、ビジョンは「ものづくりに知性を。」です。
経営理念には、製造業におけるJMCという強固なブランドを確立し、私たちが先頭に立って日本の製造業を変えていくという、強い想いが込められています。
そして、ビジョンでは、製造方法や設備によって自らの事業を定義するのではなく、「社会に求められているもの」や「時代にふさわしいサービス」をとことん考え抜き、既存のものづくりの枠組みに縛られない事業展開によって“最強のサプライヤー”を目指す、当社の姿勢を表現しました。
(行動指針)
当社の使命は、全てのステークホルダーの利益を尊重しつつ、革新的な製品及びサービスを提供し、顧客満足度を最大化できる価値を創造しつづけることです。
我々は社会的責任を持って公正かつ倫理的に事業を行い、公平な雇用をし、職場の安全性を守り、我々の業務に適用される全ての法律を遵守します。
① 法令等遵守の徹底
法令・社会的規範、社内諸規程・マニュアル等を遵守します。また、適正な会計処理を行い、事実に基づいた経理処理や証票類の記載を行います。
② 高品質とスピードを両立したサービス提供
関連する法律・ルールを遵守したうえで、お客様の視点を踏まえて、そのニーズを反映した良質なサービスを迅速にご提供します。
③ お客様の声への適切な対応
ご意見、お問い合わせ、クレーム等いかなる「お客様の声」にも誠実に対応するとともに、今後のサービス提供や業務改善に反映します。
④ 人権を尊重する職場環境の実現
職場における差別、各種ハラスメント等の人権侵害行為を許容せず、相互の信頼と良識のある職場環境を実現します。
⑤ 快適な職場環境の整備
社員が能力や個性を存分に発揮するとともに、能力を積極的に向上できる、快適で働きやすい職場環境を整備します。
⑥ ステークホルダーとの関係
ステークホルダーとの関係は、健全かつ節度を保ち、疑義を招くような接待・贈答を行ったり受けたりしません。
⑦ インサイダー取引の禁止
インサイダー取引となりうる株式等の売買は行いません。そのために、当社及び取引先等の内部情報は厳重かつ適切に管理します。
⑧ 業務の相互牽制と管理
あらゆる業務活動において、社員が相互に牽制を働かせるとともに、管理者は所管の業務活動の遂行状況を適切に管理・把握します。
⑨ 適切かつ透明な意思決定の確保
業務活動におけるあらゆる意思決定は、法令や社内の諸規程に則り、合理的根拠に基づいて第三者に説明することを前提として実行します。
⑩ 適切なリスク管理
あらゆる業務活動において、リスク管理をはかるとともに、各種のリスクを常に適切に管理できる内部管理体制を構築します。
⑪ 情報の適切な管理
当社及びお客様の機密情報に加えて、社員のプライバシーに関わる情報についても守秘する義務があることを意識し、常に適切に管理します。
⑫ 適切かつ公正な情報開示
当社の経営状況及び企業活動への正確な理解を促進するために、ステークホルダーへの適切かつ公正な情報開示に努めます。
⑬ 知的資産の適切な保護
あらゆる業務活動において、第三者が保有するすべての知的資産を尊重するとともに、当社が保有する知的資産を適切に保護し役立てます。
⑭ 反社会的勢力との関係の拒絶
反社会的な団体や勢力との関与を断固として拒絶し、そうした活動を助長する行為は一切行わず、毅然とした姿勢で臨みます。
(2)経営戦略等
当社の経営戦略の現状と見通しは以下のとおりです。
(3Dプリンター出力事業)
試作はものづくりの上流に位置する工程になります。当社は、ハイエンド樹脂3Dプリンターなど、新しい装置を適宜導入しており、事業拡大に貢献する3Dプリンターを積極的に利用する考えであります。3Dプリンターに対する認知度の向上に加え、AM(Additive Manufacturing)サービスの提供による量産品受注体制の確立も進めており、今後も受注状況は底堅く推移するものと考えております。
心臓カテーテルシミュレーター「HEARTROID」においては、様々な顧客ニーズに応え、リードレスペースメーカーの留置(植え込み)手技のシミュレーショントレーニングを行うことができる「リードレスペースメーカーモデル」の開発を新たに行い、発売いたしました。今後もラインナップを増やしていくことで、規格製品の売上増を見込めると考えております。また、「HEARTROID」の販売においては、国内外の代理店契約を進め、販路拡大により売上増を見込めると考えております。
医療機器製造販売については、取扱い商材の選別を進めており、販売が難航していたカテーテル被覆保護材
「セキュアポートIV(アイブイ)」(医療機器届出番号:14B1X0020000001)については、国内での拡販が難しいと判断したため、販売代理店契約を解消いたしました。
(鋳造事業)
砂型鋳造については、人為的不具合による再作の削減、外注加工の粗利率管理を徹底していくとともに、技術的難易度の高い案件についても、再作コスト削減に引続き取り組み、顧客製品の開発から量産まで幅広いフェーズに対応できる生産力の強化を進めてまいります。
加工工程については、ミーリングセンターが稼働し、従来は外注委託していた加工の内製化が進み、今後も当該事業の利益率の改善が見込めると考えております。また、自動車メーカー、部品サプライヤー依存の売上構成からの脱却を目指し、様々な分野で量産を視野に入れた営業活動を強力に推し進めてまいります。
(CT事業)
検査・測定サービスでは、物体の内部形状の測定、評価、非接触検査による製品の品質検査及び部品の撮像サービスを行っております。当該サービスの需要はWEBを活用したセミナーの継続的な実施や、当社WEBサイトに希少生物を撮像して掲載(CT生物図鑑)、撮像データの活用事例の開示等、コンテンツ拡充を積極的に進めた結果、従来取引がなかった学術研究分野からの撮像需要を喚起するなど堅調に推移しており、製品評価やリバースエンジニアリング等、非接触での内部形状評価及びデータ化をはじめ、撮像対象物のデジタルデータ取得など、新たな需要の発掘も進んでおります。様々な産業用CTの活用について、市場への浸透を図る施策を継続することにより、今後も需要は堅調に推移するものと考えております。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標について、数値的な目標を特段定めておりませんが、中長期視点で経営基盤を確立するために、売上高、営業利益、営業利益率を重視した経営管理を行っております。
(4)経営環境
少子高齢化社会の到来による消費力の減少、人件費の高騰による製造部門の国外流出、さらには新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大に伴うサプライチェーンの分断等、「ものづくり」を取り巻く環境は厳しい状況となっております。
また、当社の主力事業である鋳造事業における主要顧客の輸送用機器分野は「100年に1度の変革期」と言われており、CASE(コネクティッド、自動運転、シェアリングサービス、電動化)による効率化や先進国の高齢化と人口減少による販売台数の減少、世界各国の環境規制への対応などにより業界構造が大きく変化する可能性があります。このような経済環境のもと、当社は、3Dプリンター、鋳造工法及び産業用CTを融合した独自のものづくり技術を駆使して、大量量産を生業とする従来の製造業の枠にとらわれない、サービス業のサービスレベルを持った付加価値の高い生産物やサービスを提供する事業に取り組んでおります。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社が、事業推進上重要課題と認識している点は、以下のとおりであります。
(3Dプリンター出力事業)
① 心臓カテーテルシミュレーター「HEARTROID」の普及
当社は、心臓カテーテルシミュレーター「HEARTROID」においては、国内外医療機関や関連商材を取扱う商社でTAVI(経カテーテル大動脈弁置換術)トレーニングモデルを中心とした旺盛な需要を背景に積極的な販売推進に取り組んでまいりました。また、マサチューセッツ工科大学「Therapeutic Technology Design & Development Lab」(米国)とのクリエイティブパートナーシップを締結し、さらに、欧州連合(EU)地域における販売に必要な安全基準適合を示す「CEマーク」を取得いたしました。今後も更なる市場拡大に向けて、積極的な国内外への営業活動に注力し、製品の普及を図り収益拡大に努めてまいります。
また、心臓疾患に留まらず、他領域のカテーテル治療にも対応できるトレーニングシミュレーターのプラットフォーマーを目指し、大阪大学循環器内科と協力し、研究開発を継続してまいります。
② 樹脂3DプリンターAM(Additive Manufacturing)サービスの普及
当社は、EOS Electro Optical Systems Japan株式会社と協同で樹脂3Dプリンター関連市場の拡大に向けたAMサービスの提供を開始しました。樹脂によるAMサービスは、日本国内では黎明期であり、今後樹脂素材のニーズの高まりを受けて新規顧客へ普及させることが必要不可欠であります。当社ではEOS社製ハイエンド樹脂3
Dプリンターを導入するとともに、WEBセミナーをはじめ、営業活動に注力することで市場の開拓を進め、売上拡大に努めてまいります。
(鋳造事業)
③ 内製化の拡大
当社は、加工工程の生産体制を拡充し、技術的難易度の高い案件ニーズに技術的に対応することと「鋳物製作+追加工」ニーズの試作・量産案件の受注獲得を増加させることを目的に、2020年2月にミーリングセンターを稼働いたしました。今後も、多品種・小ロットから量産まで、加工レパートリーの拡大と内製化を進め、社外流出費用を抑制するとともに、顧客満足度を高めることによるリピート受注の増加により、利益率の改善を図ってまいります。
④ 航空宇宙分野への参入
当社は、2015年に取得したJISQ9100認証の取得と、自動車・産業機械・船舶などの試作品製造で培われた鋳造技術を活かし、航空宇宙分野へ本格参入すべく、生産管理・品質保証体制の強化に努めてまいります。
現在、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大により、一時的に民間航空機分野での開発需要が減退しておりますが、防衛関連の航空分野での需要が見込めるため、防衛関連に参入すべく準備を進めております。
(CT事業)
⑤ 検査・測定サービスの市場開拓及び技術普及
当社は、産業用CTの全ての領域(ミリ/マイクロ/ナノフォーカス/高エネルギーX線)を顧客ニーズに応じて使い分け、ソフト面、ハード面ともに国内最高水準の検査・測定サービスを提供しております。
更なる売上高の拡大には、当社の産業用CTによる検査・測定サービス技術を新規分野へ普及させることが必要不可欠であり、WEBによるセミナーをはじめとした営業活動に注力し、市場での認知度を高めることで技術普及を図り、売上高拡大に努めてまいります。
(全社)
⑥ 人材の確保、育成
変化する事業環境に最適な企業構造を保ちつつ、長期的な成長を担保するために、優秀な人材の確保、育成が急務であります。当社では、3Dプリンター出力事業と鋳造事業及びCT事業、また製造部門と営業部門を横断できるゼネラリスト型の人材と、製造業特有の技術・知識に長けた職人型の人材の両面の育成が課題であり、これらに関し中長期的視野で取り組んでまいります。
⑦ ブランドの知名度向上
当社が完成品メーカーの単なる下請けではなく、3Dプリンターと鋳造工法による高品質なものづくりを行うことや、産業用CTによる検査・測定において、対等なパートナーとして主体的に関わっていくためには、製品の品質やサービス等に裏付けられたコーポレートブランドを確立していくことが重要と考えております。そのため、営業活動におけるサービスや採用活動において、費用対効果を見極めながら広報宣伝やIR、PR活動を推進させることを課題と認識し、工場の設計からウェブサイトや各種パンフレットに至るまで一貫したコンセプトで作成し、コーポレート・アイデンティティの構築とそのブランディングに取り組んでまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。当社は、これらのリスク発生の可能性を認識した上で発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社の有価証券に関する投資判断は本項以外の記載内容もあわせて、慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。
なお、以下の事項のうち将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。
(1)事業環境に関するリスク
① 市場環境について
当社は、工業製品の新製品開発における試作品作製と少量量産品の作製を行っております。各メーカーにはそれぞれの開発サイクルがあり、特に自動車メーカーにおける開発予算の圧縮、開発スケジュールの変更やモデルチェンジサイクルの変化等の影響を受ける可能性があります。このため当社では、特定の分野、顧客に偏ることのない事業ポートフォリオの構築を進め、業界や市場の動向に合わせた社内組織再編など事業の選択と集中を行い、影響の緩和に努めております。
② 試作開発環境について
試作開発はメーカーごとに手法が異なり、試作品での検証を繰り返す手法もあれば、試作品を作製せずCADソフト上のみで検証を行う試作品レスの手法もあります。今後、試作品レスの手法が主流となった場合、試作品作製のニーズが低減する可能性があります。このため当社では、受注案件を試作開発のみに限定することなく、少量量産領域まで拡張し、高品質な製品をスピーディーに顧客に納入することで満足度を高めるための設備・人員を備えております。
③ 3Dプリンターへの需要拡大について
近年の3Dプリンターに対する需要拡大は、主に消費者向けの低価格3Dプリンターの出現により生まれた現象であります。低価格3Dプリンターで作製できるモデルの品質は限定的であること、また機械の運用よりも作製するモデルの3次元CADデータ作成の難易度が高いことから、この需要の拡大が継続しないことが想定され、当社においても、受注案件の減少に繋がる可能性があります。このため当社では、ハイエンド樹脂3Dプリンターの導入により、さらに高品質、高精度及び短納期を追求するとともに、工業分野のみならず、医療、教育及び芸術など幅広い市場、業種に3Dプリンター製品の需要喚起を進めております。
④ 特定分野への依存について
当社は、受注比率が高い輸送用機器分野の景気が悪化した場合、受注量及び受注金額の減少に伴い、当社の事業、経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。このため当社では、特定の顧客に偏ることなく、複数の顧客と取引を行うことでリスク分散を図っております。
⑤ 競合企業について
当社は、3Dプリンター、鋳造工法による試作品・少量量産品の作製を事業領域としておりますが、特に3Dプリンターの分野では、大手企業を含む多くの企業が3Dプリンターへの需要拡大の影響から事業展開を進めており、競合企業が増加した場合、当社の事業、経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。このため当社では、サービス業のサービスレベルで高品質な製品を提供することで競合企業との十分な差別化が図れるよう、事業を推進しております。
⑥ 顧客の財務状況について
当社は、顧客について信用調査をした上で取引を行っておりますが、事業環境の変化等により、当社の顧客が支払不能、倒産等に陥った場合、係る顧客から売掛債権を回収できず、当社の事業、経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。このため当社では、新規取引時の信用調査に加え、与信限度額の見直しを定期的に行い、債権の回収が滞りなく実施されるよう努めております。
⑦ 法的規制について
当社の事業においては、「製造物責任法」、「下請代金支払遅延等防止法」及び「知的財産基本法」等の各種法令やガイドライン等による規制を受けております。こうした法令の制定や改正等、当社の事業に関する事項が規制を受けた場合、当社の事業、経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。このため当社では、コンプライアンス教育の徹底のため全役職員を対象としたコンプライアンス研修を定期的に実施し、また、継続的な内部統制の強化を図り、法規制の逸脱を未然に防いでおります。
(2)事業の運営体制に関するリスク
① 特定経営者への依存について
当社の事業の推進者は、代表取締役社長兼CEOである渡邊大知及び専務取締役兼COOである鈴木浩之であります。両名は、当社の3Dプリンター出力事業、鋳造事業及びCT事業において、事業開始からの事業責任者であり、経営方針や戦略の決定をはじめ、営業、製造技術の各方面の事業推進において重要な役割を果たしており、その決定により当社の事業が左右される可能性があります。また、両名のいずれか又は両名が離職又は業務執行が困難となるような事態が生じた場合、当社の事業、経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。このため当社では、過度に両名に依存しない経営体制を構築すべく、役職者が一堂に会する経営会議制度、組織体制の整備や予算管理の高度化等の経営体制の構築を推進しております。
② 人材の確保・育成について
日本国内の鋳造業界においては、砂型鋳造業者の減少傾向に加え、従事する技術者の高齢化も進んでおります。当社では、高度なものづくりを維持するため、確固とした技術教育制度の構築、大手メーカー出身の基幹人材採用など、積極的な技術習得、人材育成に努めております。
③ 内部管理体制について
事業の急速な拡大等により、十分な内部管理体制の構築が追いつかないという状況が生じる場合、適切な業務運営が困難となり、当社の事業、経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。このため当社では、コーポレート・ガバナンスの充実を図る多様な施策を実施しており、業務の適正及び財務報告の信頼性を確保するため、これらに係る内部統制が有効に機能する体制を構築、整備、運用しております。
④ 小規模組織であることについて
当社は従業員140名(2020年12月31日)と小規模な組織であり、業務執行体制もこれに応じたものとなっております。主要な役職員が予期せず退職した場合や、適時適切な業務執行体制が進行しなかった場合、当社の事業、経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。このため当社では、今後の急速な事業拡大に応じて従業員の育成や採用を行うとともに、業務執行体制の充実を図っていく方針であります。
⑤ システム障害について
当社は、顧客との作製データの受領等は、主にインターネット通信を利用して行っておりますが、人為的ミス、通信ネットワーク機器の故障、アクセス数の急激な増大、ソフトウェアの不具合、コンピュータウイルス、停電、自然災害、事故等により、システム障害が発生し、サービス提供に障害が生じた場合、当社の事業、経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。このため当社では、定期的なバックアップや稼動状況の監視により障害の事前防止又は回避に努めております。
⑥ 特定の仕入先で依存度の高い取引について
当社の3Dプリンター出力事業における原材料は、その大半をシーメット株式会社(注1)及びアールピーエンジニアリング株式会社(注2)から仕入れており、原材料仕入高に占める両社への依存度は前事業年度において69.9%、当事業年度において39.6%であります。両社との関係は良好であると認識しております。しかしながら、両社との取引が何らかの事情で継続できなくなった場合、一時的な混乱が生じ、事業の効率的な運営に悪影響が生ずる可能性があります。このため当社では、定期的な意見交換、各種協業などの施策を通じ、両社との共存共栄を念頭に良好な関係を保っております。
(注)1.シーメット株式会社
東証一部上場企業であるナブテスコ株式会社の子会社で、光造形・砂型積層造形装置を販売しております。1988年に光造形装置国産1号機を販売しております。
2.アールピーエンジニアリング株式会社
3Dプリンターの修理及び保守メンテナンス、材料の販売などを行っている会社です。
⑦ 多額の設備投資について
当社は、生産能力増強を図るため積極的な設備投資を行っております。しかしながら、経済動向や市場動向を正確に予測することは困難であり、多額の設備投資に対して受注が想定どおりに拡大しなかった場合には、減価償却費負担が収益性を圧迫し、使用設備の除却や減損が生ずるなど、当社の事業、経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。このため当社では、市場動向、競合他社動向を最大限考慮しつつ、事業戦略及び設備投資の収益性等を総合的に勘案して、しかるべき合議を経た後に投資判断を下しております。
⑧ 機密保持について
当社は、事業の性格上、新製品開発に関する顧客の機密情報を取り扱う機会が多いことから、機密保持を経営上の最重要課題と認識しております。しかしながら、不測の事態により、万一、機密情報が外部へ漏洩するようなこととなった場合、信用失墜に伴う受注の減少や損害賠償による費用の発生等により当社の経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。このため当社では、ネットワーク、ファイアウォール、サーバー及びパソコン管理並びにアクセス制御等、ハードとソフトの両面から総合的な管理を行うとともに、定期的な社内教育の実施により当社の機密保持レベルの向上に努めております。
⑨ 製品の品質について
当社の製造物に欠陥が生じた場合は、損害賠償による多額の費用発生や社会的信用の低下により、当社の事業、経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。このため当社では、品質マネジメントシステムの国際規格ISO9001、航空宇宙分野における品質規格JISQ9100の認証を取得し、品質管理活動に継続的に取り組んでおります。また、当社の過失により製造物の欠陥が発生した場合に備え、賠償責任保険に加入しております。
⑩ 業績の季節偏重について
当社は、メーカーの開発部門が主要な顧客となっており、顧客の決算期が集中する3月・9月に売上高が増加する一方で、工場が長期休暇により稼動が止まる5月・8月は売上高が減少するなど、顧客の決算期や稼動状況によって業績が偏重する傾向にあります。また、顧客の開発計画によっても業績が偏重する傾向にあります。このため当社では、一部の業界に偏らず、自動車、医療機器、産業機器等、幅広い分野のメーカーへの事業展開を進めることで、年間を通じて安定した収益の確保に努めております。
⑪ 新規事業について
当社は、新規事業の必要性を十分検討した上で、事業開発を行っていきますが、市場環境の影響で顧客の獲得や製品・商品の販売に結びつかなかった場合、当社の事業、経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。このため当社では、多様化する顧客ニーズに対して、作製工法、取扱可能な素材を拡充することで、より幅広い分野の顧客を開拓することを目的として、新規事業の創出を検討し、実施しております。
⑫ 工場の環境整備について
当社は、廃棄物削減、地球温暖化や大気汚染防止、有害物質の処理等に関して様々な環境規制の適用を受けております。事故や自然災害により不測の環境汚染が生じる場合、当社が現在稼動させている工場用地等において汚染物質が発見された場合、新たな環境規制の施行によって多額の費用が発生した場合、環境規制を遵守できない場合、当社の事業、経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。このため当社では、環境整備活動を重要な方針の一つとして掲げ、環境経営方針を制定し行動指針を定め、環境関連法規制の遵守や廃棄物排出量の削減など、工場の環境整備を進めております。
⑬ 積極的なブランド戦略について
当社は、積極的なPR及び情報発信を行っておりますが、それらの自社メディア上において、意図しない不適切とみなされる表現等により、レピュテーションリスクが発生する可能性があり、当社の事業、経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。このため当社では、工場の設計からウェブサイトや各種パンフレットに至るまで一貫したコンセプトで作成し、コーポレート・アイデンティティの構築とそのブランディングの周知徹底に取り組んでおります。
⑭ 鋳造工場の安全対策について
当社の鋳造事業においては、高温な溶解炉や切断用機械等、従業員の作業上、危険を伴う設備を数多く保有しており、不慮の事故等が発生した場合、当社の事業、経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。このため当社では、従業員の安全を守るための作業上の基準を設けており、法定定期点検はもちろんのこと、日常点検、始業前点検を実施し、安全を最優先に事業を進めております。
(3)知的財産等に関するリスク
当社の知的財産権が第三者に侵害された場合、解決までに多くの時間及び費用がかかる等、当社の事業、経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。また、不測の事態、あるいは何らかの不備により第三者の知的財産権等を侵害してしまった場合は、紛争及び訴訟等の対象となる可能性又は当社の工法について侵害を主張され、防御又は紛争の解決のための費用又は損失が発生する可能性があります。
当社では、知的財産権が重要な経営資源の一つであると認識しております。また、知的財産権の保全にも積極的に取り組んでおり、職務発明規程を制定し知的財産権の取得を行っております。なお、当社が事業活動を行う上での3Dプリンター、鋳造の各工法は現時点において第三者の知的財産権等を侵害するものではないと認識しております。
(4)自然災害、事故災害に関するリスク
近年の気候変動に伴う風水害・土砂災害、さらには日本における大型地震など、想定を超える大規模な災害が発生した場合、当社の事業、経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。このため当社では、主要工場の操業停止の影響を最小限にするため、生産拠点を国内で分散するとともに、国内全拠点において一定規模の災害を想定して建物、機械装置等の安全性確保、各種防災機器の設置、バックアップ電源の確保等の施策を講じております。
(5)その他のリスク
① 新株予約権の行使による株式価値の希薄化について
当社は、企業価値の向上を意識した経営の推進を図るとともに、当社の業績向上に対する役職員の意欲を高めることを目的として、ストックオプション(新株予約権)を発行しております。本書提出日現在、新株予約権による潜在株式総数は372,800株であり、発行済株式総数5,291,400株の7.05%に相当します。今後、これらの新株予約権が行使された場合、当社の1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。
② 配当政策について
当社は、経営成績及び財務状態を勘案しながら、株主への利益配当を実現することを基本方針としております。
しかしながら、第23期(2014年12月期)より業容拡大のため、資金を設備投資に充当することを優先にしており、当面は無配の予定であります。
現在におきましても、内部留保の充実を優先と考えておりますが、将来的には経営成績及び財政状態を勘案しながら株主への利益の配当を目指していく方針であります。
③ 固定資産の減損について
当社は、工場建物、生産用の機械装置等の有形固定資産及びソフトウェア等の無形固定資産を保有しておりますが、競合やその他の理由によって事業収益性が低下し、当該資産が十分なキャッシュ・フローを創出できないと判断される場合、減損の認識が必要となり、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。このため当社は、固定資産の貸借対照表計上額につきましては、当該資産から得られる将来のキャッシュ・フローの見積りに基づく残存価額の回収可能性を定期的に評価しております。
④ 繰延税金資産の回収可能性について
当社は、将来減算一時差異に対して、将来の課税所得を合理的に見積り、回収可能性を評価しております。その見積額が減少し、将来において繰延税金資産の一部又は全部が回収できないと判断した場合、あるいは税制変更等による税率の変更があった場合、繰延税金資産が減額され当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 新型コロナウイルス感染症等の感染拡大によるリスクについて
当社の役職員等に新型コロナウイルス感染症のような治療法の確立していない感染症等が拡大し、一時的に営業活動自粛若しくは工場の操業停止など、事業活動を休止する事態となった場合は、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社ではこれらのリスクに対応するため、感染症等の予防や感染拡大防止に対して適切な管理体制を構築しております。
新型コロナウイルス感染症に関しては、時差出勤等の柔軟な勤務体制への変更に加え、出張制限、毎日の検温など、従業員の安全と健康を最優先にした対応の徹底、経済活動制限下での資金管理等、感染予防と感染拡大の防止、事業継続に向けた各種対応に取り組んでおり、その影響の極小化を図っております。
また、当社取引先において新型コロナウイルス感染症が拡大若しくは拡大による経済活動の縮小等が発生し、当社の販売若しくは仕入に影響が生じた場合においても、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
経営成績等の概要
(1)経営成績
当事業年度におけるわが国経済は、前事業年度から続く米中貿易摩擦の影響に加え、年初からの新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大により、正常な企業活動、消費活動が妨げられたことで、先行きが極めて不透明な状況となりました。
当社を取り巻く試作・開発市場は、製造業全般で試作・開発予算の一時的な凍結や縮減が相次ぎ、生産活動も停滞が続いたことで、依然として本格的な底打ち感は見えておりません。
当社におきましても、厳しい市場環境の中、各種展示会の中止や緊急事態宣言の発令の影響も加わり、従来の営業活動に制限が生じた結果、期初想定した売上高・営業利益の確保に至らず、当事業年度途中に通期見通しの大幅な見直しを余儀なくされるなど、厳しい状況となりました。
このような環境の中、当社は3Dプリンター出力事業では、心臓カテーテルシミュレーター「HEARTROID(ハートロイド)」について、マサチューセッツ工科大学「Therapeutic Technology Design & Development Lab」(米国)とのクリエイティブパートナーシップを締結し、最先端医療機器開発への貢献に踏み出すとともに、欧州連合(EU)地域における販売に必要な安全基準適合を示す「CEマーク」を取得し、また、米国においては「The Good Design Awards 2020」を受賞するなど、世界各国・各地域で「HEARTROID」の認知度向上を進めております。なお、事業領域の伸張が続く「HEARTROID」分野への資源集中のための事業再編の一環として、ナイロン造形サービスを主業務としておりますテクニカルセンター(神奈川県横浜市都筑区)を閉鎖いたしました。
一方で、EOS Electro Optical Systems Japan株式会社と協同で開始した樹脂3Dプリンター関連市場の拡大に向けたAM(Additive Manufacturing(注1))サービスの提供においては、NTTデータ ザムテクノロジーズ株式会社を加えた3社の協同体制を構築し、量産品のAM市場開拓の加速に向けた取組みを推進いたしております。
鋳造事業では、機械加工に特化したミーリングセンター(静岡県浜松市浜北区)を当事業年度に本格稼働させ、鋳造品の機械加工内製化を強力に推進し、社外流出費用の抑制と高難度加工ノウハウの蓄積を進めており、当該工場では順調な稼働状況を示しております。
CT事業では、撮像サービスの普及と産業用CT認知度の向上に注力し、営業活動が制限される環境下でありましたが、従来取引がなかった業種・業態の顧客からの受注獲得を着実に進めてまいりました。
また、当事業年度は前事業年度比で減収減益と厳しい状況下で推移してきましたが、将来の業績の回復、成長に向けた取組みとして、雇用の維持確保や必要な人材採用は継続して実施してまいりました。一方で、設備投資はより慎重な判断、費用投下は効率的かつ戦略的に実施することに努め、通期見通しで掲げた業績の達成に向けて取組んでまいりました。
この結果、当事業年度の経営成績は、売上高2,458,957千円(前期比12.5%減)、営業損失220,459千円(前期は営業利益265,016千円)、経常損失206,787千円(前期は経常利益264,087千円)、当期純損失173,204千円(前期は当期純利益164,396千円)となりました。
なお、3Dプリンター出力事業の製造部門再編に伴うテクニカルセンター閉鎖費用を事業再編損30,437千円として特別損失に計上いたしました。
(注)1.Additive Manufacturing
3Dプリンターによる積層技術は、これまで「Rapid Prototyping(高速試作)」と呼ばれてきました。しかし近年の積層技術の進歩によって、試作用途に留まらず、3Dプリンターで最終製品を製造するという考え方が普及し始め、「Additive Manufacturing(付加製造)」という言葉に置き換わりつつあります。
「Additive Manufacturing」とは、3Dデータを参照して、素材を積み重ねて形をつくる製造方法であり、その強みを生かすためには、従来の素材を切削する「除去加工」や、素材を変形する「塑性加工」とは全く異なる設計思想を要します。
当社では、20年以上取り組んできた積層技術のノウハウを活用し、設計段階からの支援を行うことで、新しい生産技術を顧客に提供してまいります。
セグメントの経営成績は次のとおりであります。
(3Dプリンター出力事業)
3Dプリンター出力事業におきましては、「短納期」・「高品質」を訴求した営業活動と製造活動に注力し、新型コロナウイルス感染症の感染拡大となった当事業年度におきましても、平時と変わらない体制を維持するとともに、試作開発において最も上流工程であるという特長を活かし、当社他事業への展開窓口としての機能も有しております。しかしながら顧客の開発進捗の停滞や予算凍結・縮減の影響から、案件数量の減少、受注価格レンジの低下など、厳しい受注環境が継続してまいりました。
また、前事業年度に開始しております医療機器販売において、販売が見込めない商品の滞留在庫について評価損を計上するなど、一時的な費用負担の増加によって業績は伸び悩みました。
一方で、心臓カテーテルシミュレーター「HEARTROID(ハートロイド)」では、リードレスペースメーカーの留置(植え込み)手技のシミュレーショントレーニングを行うことができる「リードレスペースメーカーモデル」の開発・発売や、国内外医療機関や関連商材を取扱う商社でのTAVI(経カテーテル大動脈弁置換術)トレーニングモデルを中心とした旺盛な需要を背景に、WEBを駆使した積極的な提案活動を継続したことで、期初想定の売上高を達成いたしました。
この結果、3Dプリンター出力事業の売上高は462,691千円(前期比16.9%減)、セグメント利益は30,160千円(前期比73.0%減)となりました。
(鋳造事業)
鋳造事業におきましては、主要顧客である自動車業界を中心に、開発の遅延や凍結、試作案件の減少が相次いだ結果、極めて厳しい受注環境が継続いたしました。このような状況の中、当事業年度に本格稼働させたミーリングセンターにおいて機械加工の拡充を進め、コンセプトセンター(長野県飯田市)と連携して「鋳物製作+追加工」ニーズの試作・量産案件を確実に捉えることに注力いたしました。
また、高品質な鋳造製品を短納期で少量から提供できる事業形態を活かし、従来のビジネスモデルとは異なるレストア分野(旧型車両等の老朽化した部品を供給する)案件の獲得に向けた取組みを開始いたしました。今後もレストア市場や顧客のニーズを調査しながら同分野の受注拡大を図ってまいります。
このように当事業年度は、厳しい受注環境の回復が見出せない中、内製化を強力に推進するとともに新規分野へ進出の取組みも開始いたしましたが、売上高の減少により、セグメント損失の計上を余儀なくされました。
この結果、鋳造事業の売上高は1,062,229千円(前期比42.1%減)、セグメント損失は168,344千円(前期はセグメント利益475,846千円)となりました。
(CT事業)
CT事業におきましては産業用CTのすべてのX線出力領域(ミリ/マイクロ/ナノ/高エネルギーX線)を撮像対象物に応じて使い分け、最適かつ高精度な検査・測定サービスの提供を行っております。
当事業年度におきましては、特定分野の旺盛な撮像需要をはじめ、WEBを活用した当社独自のセミナーの継続的な実施や、当社WEBサイト「CT生物図鑑(注2)」への希少生物の撮像データの掲載、撮像データの活用事例の公開等、コンテンツ拡充を積極的に進めた結果、品質保証や従来取引がなかった学術研究など多岐にわたる分野からの撮像需要を喚起するとともに、撮影対象物のデジタルデータ取得など、新たな需要の発掘も進めることができました。さらには、産業用CTの認知度向上に伴って、大手メーカー等への装置販売や撮像技術指導の需要も拡大し、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の厳しい環境下においても着実に市場への浸透を図ったことが奏功し、売上高、セグメント利益ともに増加いたしました。
この結果、CT事業の売上高は1,019,477千円(前期比96.9%増)、セグメント利益は422,544千円(前期比88.4%増)となりました。
(注)2.CT生物図鑑
産業用CTの可能性をより多くの方に感じていただくべく、様々な生物を産業用CTでデータ化し、WEBサイト上で360度動かすことができるほか、内部構造を捉えた断面画像等を公開している当社のオリジナルWEBサイトです(https://www.ctseibutsu.jp)。
生産、受注及び販売の実績
(1)生産実績
当事業年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当事業年度 (自 2020年1月1日 至 2020年12月31日) |
前年同期比(%) |
|
3Dプリンター出力事業(千円) |
257,758 |
90.4 |
|
鋳造事業(千円) |
1,122,681 |
90.8 |
|
CT事業(千円) |
69,860 |
107.0 |
|
合計(千円) |
1,450,300 |
91.4 |
(注)1.金額は製造原価によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.セグメント間の振替高は含まれておりません。
(2)商品仕入実績
当事業年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当事業年度 (自 2020年1月1日 至 2020年12月31日) |
前年同期比(%) |
|
3Dプリンター出力事業(千円) |
2,145 |
5.1 |
|
鋳造事業(千円) |
- |
- |
|
CT事業(千円) |
407,750 |
449.5 |
|
合計(千円) |
409,896 |
289.1 |
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.セグメント間の振替高は含まれておりません。
3.鋳造事業は当事業年度の実績がないため、前年同期比は記載しておりません。
(3)受注実績
当社の受注実績は、販売実績とほぼ一致しておりますので、受注実績に関しては販売実績の項をご参照ください。
(4)販売実績
当事業年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当事業年度 (自 2020年1月1日 至 2020年12月31日) |
前年同期比(%) |
|
3Dプリンター出力事業(千円) |
462,691 |
83.1 |
|
鋳造事業(千円) |
976,788 |
56.3 |
|
CT事業(千円) |
1,019,477 |
196.9 |
|
合計(千円) |
2,458,957 |
87.5 |
(注)1.セグメント間の内部売上高又は振替高は含まれておりません。
2.主な販売先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は以下のとおりであります。
|
相手先 |
前事業年度 (自 2019年1月1日 至 2019年12月31日) |
当事業年度 (自 2020年1月1日 至 2020年12月31日) |
||
|
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
|
株式会社井高トレーディングス |
103,400 |
3.7 |
268,305 |
10.9 |
|
日本電産株式会社 |
677,044 |
24.1 |
157,325 |
6.4 |
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当事業年度の販売実績を産業区分別に示すと次のとおりであります。
3Dプリンター出力事業
|
セグメント内産業区分 |
当事業年度 (自 2020年1月1日 至 2020年12月31日) |
||
|
販売件数(件) |
販売金額(千円) |
比率(%) |
|
|
卸売業 |
350 |
208,178 |
45.0 |
|
精密機械・医療機械器具製造業 |
546 |
49,664 |
10.7 |
|
専門サービス業(他に分類されないもの) |
220 |
40,459 |
8.8 |
|
電気機械器具製造業 |
326 |
35,734 |
7.7 |
|
その他の事業サービス業 |
72 |
32,585 |
7.0 |
|
その他の製造業 |
289 |
22,603 |
4.9 |
|
輸送用機械器具製造業 |
57 |
18,987 |
4.1 |
|
化学工業 |
31 |
12,984 |
2.8 |
|
一般機械器具製造業 |
84 |
11,968 |
2.6 |
|
その他 |
250 |
29,525 |
6.4 |
|
合計 |
2,225 |
462,691 |
100.0 |
鋳造事業
|
セグメント内産業区分 |
当事業年度 (自 2020年1月1日 至 2020年12月31日) |
||
|
販売件数(件) |
販売金額(千円) |
比率(%) |
|
|
卸売業 |
320 |
313,865 |
32.1 |
|
一般機械器具製造業 |
404 |
243,966 |
25.0 |
|
電気機械器具製造業 |
237 |
230,360 |
23.6 |
|
輸送用機械器具製造業 |
115 |
109,918 |
11.3 |
|
鉄鋼業、非鉄金属製造業 |
42 |
45,122 |
4.6 |
|
娯楽業 |
2 |
12,160 |
1.2 |
|
精密機械・医療機械器具製造業 |
21 |
7,992 |
0.8 |
|
その他の事業サービス業 |
11 |
3,726 |
0.4 |
|
金属製品製造業 |
4 |
2,577 |
0.3 |
|
その他 |
26 |
7,098 |
0.7 |
|
合計 |
1,182 |
976,788 |
100.0 |
CT事業
|
セグメント内産業区分 |
当事業年度 (自 2020年1月1日 至 2020年12月31日) |
||
|
販売件数(件) |
販売金額(千円) |
比率(%) |
|
|
卸売業 |
133 |
438,182 |
43.0 |
|
輸送用機械器具製造業 |
184 |
244,927 |
24.0 |
|
専門サービス業(他に分類されないもの) |
72 |
138,643 |
13.6 |
|
電気機械器具製造業 |
66 |
107,348 |
10.5 |
|
精密機械・医療機械器具製造業 |
14 |
24,330 |
2.4 |
|
金属製品製造業 |
37 |
24,245 |
2.4 |
|
鉄鋼業、非鉄金属製造業 |
24 |
11,368 |
1.1 |
|
一般機械器具製造業 |
30 |
10,067 |
1.0 |
|
ゴム製品製造業 |
7 |
6,150 |
0.6 |
|
その他 |
42 |
14,216 |
1.4 |
|
合計 |
609 |
1,019,477 |
100.0 |
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.産業区分に関しては、株式会社帝国データバンクのTDB産業分類表の中分類に従っております。
3.販売件数、販売金額及び比率は、セグメント間の内部売上高又は振替高は含まれておりません。
経営者の視点による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
(1)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づいて作成されております。この財務諸表の作成にあたっては、当事業年度末における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としております。当社は、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。そのため実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があり、この財務諸表に与える影響が大きいと考えられる項目は下記のとおりであります。
なお、新型コロナウイルス感染症拡大の影響については、2021年1月に、一部の地域で緊急事態宣言が再発令されるなど、経済活動の平常化が見通せず、当社を取り巻く試作・開発市場の景気不透明感は、翌事業年度にも影響を与えます。しかし、足元の受注環境は緩やかに改善しており、引き続き需要の回復が見込まれるものと仮定し、会計上の見積りを行っております。
① 繰延税金資産の回収可能性
当社は、繰延税金資産について将来の課税所得を合理的に見積り、回収可能性を十分に検討し、回収可能見込額を計上しております。しかし、繰延税金資産の回収可能見込額に変動が生じた場合には、繰延税金資産の取崩しまたは追加計上により利益が変動する可能性があります。
② 固定資産の減損
当社は、固定資産について、帳簿価額の回収が懸念される企業環境の変化や経済事情が発生した場合には、減損の要否を検討しております。その資産を使用する営業活動により生じた損益等から、減損の兆候があると判定された固定資産については、回収可能価額が帳簿価額を下回る場合、回収可能価額まで減損処理を行うこととしております。
(2)当事業年度の財政状態の分析
(資産)
当事業年度末における流動資産は1,121,085千円となり、前事業年度末に比べ111,630千円増加いたしました。これは主に前渡金が88,486千円、現金及び預金が76,467千円、未収消費税等が62,185千円減少したものの、電子記録債権が154,003千円、売掛金が120,050千円、未収還付法人税等が61,288千円増加したことによるものであります。
固定資産は2,662,978千円となり、前事業年度末に比べ9,802千円減少いたしました。これは主に建設仮勘定が39,154千円、リース資産(有形固定資産)が37,592千円増加したものの、建物が74,435千円、機械及び装置が30,205千円減少したことによるものであります。
この結果、総資産は3,784,063千円となり、前事業年度末に比べ101,827千円増加いたしました。
(負債)
当事業年度末における流動負債は820,116千円となり、前事業年度末に比べ297,492千円増加いたしました。これは主に買掛金が28,282千円、賞与引当金が26,687千円減少したものの、短期借入金が300,000千円、1年内返済予定の長期借入金が26,336千円増加したことによるものであります。
固定負債は878,085千円となり、前事業年度末に比べ27,279千円減少いたしました。これは主にリース債務が54,235千円増加したものの、長期借入金が88,539千円減少したことによるものであります。
この結果、負債合計は1,698,202千円となり、前事業年度末に比べ270,213千円増加いたしました。
(純資産)
当事業年度末における純資産合計は2,085,861千円となり、前事業年度末に比べ168,385千円減少いたしました。これは主に資本金及び資本準備金がそれぞれ2,427千円増加したものの、当期純損失を173,204千円計上したことによるものであります。
(3)当事業年度の経営成績の分析
当社は、自動車、精密機器、電気機器、航空宇宙及び医療機器等の製造業を中心にコンシューマー、教育、医療及びヘルスケア等幅広い業種の試作品から最終製品づくりをトータルサポートすることを主たる業務とし、「3Dプリンター出力事業」、「鋳造事業」及び「CT事業」の3事業で、製品の高品質はもとより、短納期において優位性を発揮しております。
当事業年度における経営成績の分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 経営成績等の概要 (1)経営成績」に記載のとおりであります。
(4)経営成績に重要な影響を与える要因について
当社は、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり、顧客の製品開発に資する試作品の作製及び少量量産品の作製を行っており、開発に関する秘匿情報の漏洩や製品の不良等のリスク要因が当社の経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。
そのため、当社は、国際的な品質規格であるISO9001やJISQ9100の取得を通じた品質検査体制の構築と審査機関による定期的な検査の実施により、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散し、リスクの発生を抑え、適切に対応しております。
(5)当事業年度のキャッシュ・フローの分析
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、減価償却費、短期借入金の純増額等があったものの、税引前当期純損失を238,756千円(前期は税引前当期純利益256,966千円)計上し、売上債権の増加額、有形固定資産の取得による支出等により、前事業年度末に比べ76,467千円減少し、当事業年度末には222,072千円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において営業活動の結果使用した資金は28,803千円(前年同期は301,748千円の獲得)となりました。これは主に、減価償却費309,135千円、未払消費税等の増加額75,768千円、未収消費税等の減少額62,185千円等の増加があったものの、売上債権の増加額262,046千円、税引前当期純損失238,756千円等の減少があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において投資活動の結果使用した資金は249,339千円(前年同期は1,318,958千円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出219,187千円、無形固定資産の取得による支出32,482千円等があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において財務活動の結果獲得した資金は201,675千円(前年同期は308,539千円の獲得)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出126,203千円、リース債務の返済による支出120,844千円があったものの、短期借入金の純増額300,000千円、セール・アンド・リースバックによる収入88,150千円、長期借入れによる収入64,000千円等があったことによるものであります。
(6)資本の財源及び資金の流動性
①キャッシュ・フロー
当事業年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(5)当事業年度のキャッシュ・フローの分析」に記載のとおりであります。
②契約債務
2020年12月31日現在の契約債務の概要は以下のとおりであります。
|
|
年度別要支払額(千円) |
||||
|
契約債務 |
合計 |
1年以内 |
1年超3年以内 |
3年超5年以内 |
5年超 |
|
短期借入金 |
300,000 |
300,000 |
- |
- |
- |
|
長期借入金 |
503,797 |
136,540 |
224,285 |
74,016 |
68,956 |
|
リース債務 |
526,130 |
116,489 |
224,190 |
134,819 |
50,631 |
上記の表において、貸借対照表の流動負債に含まれている1年内返済予定の長期借入金は、長期借入金に含めております。
③財務政策
当社は、運転資金及び設備資金につきましては、内部資金又は借入により資金調達することとしております。このうち、借入による資金調達に関しましては、運転資金については短期借入金で、生産設備などの長期資金は、固定金利の長期借入金で調達しております。
2020年12月31日現在、短期借入金の残高は300,000千円、長期借入金の残高は503,797千円であります。また、当事業年度末において、複数の金融機関との間で合計1,200,000千円のコミットメントライン契約を締結しております。(借入未実行残高900,000千円、借入実行残高は300,000千円であります。)
④資本の財源及び資金の流動性
当社の運転資金需要のうち主なものは、販売用の産業用CTの購入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資によるものであります。
当社は、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、自己資金及び金融機関からの長期借入を基本としております。
なお、当事業年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は1,346,639千円となっております。また、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は222,072千円となっております。
該当事項はありません。
該当事項はありません。