第一部【企業情報】

第1【企業の概況】

1【主要な経営指標等の推移】

提出会社の状況

回次

第26期

第27期

第28期

第29期

第30期

決算年月

2017年12月

2018年12月

2019年12月

2020年12月

2021年12月

売上高

(千円)

1,629,689

2,582,550

2,809,054

2,458,957

2,416,536

経常利益又は経常損失(△)

(千円)

28,736

338,266

264,087

206,787

153,686

当期純利益又は当期純損失(△)

(千円)

15,906

214,661

164,396

173,204

114,200

持分法を適用した場合の投資利益

(千円)

資本金

(千円)

758,092

767,092

780,244

782,671

782,671

発行済株式総数

(株)

2,604,000

2,622,000

5,282,100

5,291,400

5,291,400

純資産額

(千円)

1,831,167

2,063,829

2,254,247

2,085,861

2,200,061

総資産額

(千円)

2,455,280

3,313,307

3,682,235

3,784,063

3,808,237

1株当たり純資産額

(円)

351.61

393.57

426.79

394.22

415.80

1株当たり配当額

(円)

(うち1株当たり中間配当額)

(-)

(-)

(-)

(-)

(-)

1株当たり当期純利益又は1株当たり当期純損失(△)

(円)

3.06

41.15

31.22

32.75

21.58

潜在株式調整後1株当たり当期純利益

(円)

2.90

38.39

29.44

20.66

自己資本比率

(%)

74.6

62.3

61.2

55.1

57.8

自己資本利益率

(%)

0.9

11.0

7.6

5.3

株価収益率

(倍)

163.8

35.2

35.8

21.7

配当性向

(%)

営業活動によるキャッシュ・フロー

(千円)

107,967

575,071

301,748

28,803

456,368

投資活動によるキャッシュ・フロー

(千円)

555,155

209,879

1,318,958

249,339

111,689

財務活動によるキャッシュ・フロー

(千円)

88,812

176,757

308,539

201,675

260,489

現金及び現金同等物の

期末残高

(千円)

465,260

1,007,210

298,540

222,072

306,261

従業員数

(人)

91

103

134

140

128

(外、平均臨時雇用者数)

(5)

(9)

(20)

(16)

(16)

株主総利回り

(%)

66.3

191.9

147.9

101.3

62.1

(比較指標:TOPIX(配当無))

(%)

(119.7)

(98.4)

(113.4)

(118.8)

(131.2)

最高株価

(円)

3,240

1,543

2,209

1,304

958

 

 

 

(4,980)

 

 

 

最低株価

(円)

980

1,428

1,045

460

426

 

 

 

(969)

 

 

 

 

 (注)1.当社は連結財務諸表を作成しておりませんので、連結会計年度に係る主要な経営指標等の推移については記載しておりません。

2.売上高には、消費税等は含まれておりません。

3.持分法を適用した場合の投資利益については、関連会社が存在しないため記載しておりません。

4.当社は、2019年1月1日付で株式1株につき2株の株式分割を行っておりますが、第26期の期首に当該株式分割が行われたと仮定し、1株当たり純資産額、1株当たり当期純利益又は1株当たり当期純損失及び潜在株式調整後1株当たり当期純利益を算定しております。

5.第29期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式は存在するものの、1株当たり当期純損失であるため、記載しておりません。

6.第29期の自己資本利益率については、当期純損失が計上されているため、記載しておりません。

7.第29期の株価収益率については、当期純損失が計上されているため、記載しておりません。

8.従業員数は就業人員であり、平均臨時雇用者数(アルバイト、人材会社からの派遣社員を含む。)は、年間の平均人員を( )外数で記載しております。

9.最高株価及び最低株価は、東京証券取引所(マザーズ)におけるものであります。

10.当社は、2019年1月1日付で普通株式1株につき2株の割合で株式分割を行っております。第27期の株価については株式分割後の最高株価及び最低株価を記載しており、( )内に株式分割前の最高株価及び最低株価を記載しております。

11.「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 2018年2月16日)等を第28期の期首から適用しており、第27期に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を遡って適用した後の指標等となっております。

 

2【沿革】

  当社設立以降、本書提出日現在までの沿革は次のとおりであります。

 

年月

概要

1992年12月

 

1996年11月

1999年9月

 

 

 

 

2006年1月

 

 

 

2007年12月

 

2008年11月

 

2011年7月

2011年7月

2011年11月

2012年4月

2013年1月

2013年9月

2014年5月

 

2014年11月

 

2015年4月

 

2015年6月

 

2015年8月

 

2016年11月

2017年1月

2017年4月

2018年1月

 

2018年8月

 

2018年11月

2019年7月

 

2020年2月

 

光造形の外部委託によるモデル作製と総合保険業を目的として、横浜市港北区に有限会社ジェイ・エム・シー設立(資本金3,000千円)

横浜市港北区から横浜市港南区に本店を移転

光造形によるモデル作製での業容拡大を目的として、株式会社ジェイ・エム・シーへ組織変更

手術シミュレーション用頭蓋骨モデルの作製受託から作製工程を内製化し、3Dプリンター出力事業を開始

横浜市港南区から横浜市南区に本店を移転

試作品の受託範囲の拡大を目的として金属モデル作製を行う有限会社エス・ケー・イーを吸収合併し、砂型鋳造(注1)法による鋳造事業を開始

鋳造事業で燃料電池自動車向けドア部品の試作品を受注し、自動車部品作製分野に進出

横浜市南区から横浜市神奈川区に本店を移転

ロボドリル(立形マシニングセンタ(注2))導入により鋳造事業での木型(注3)作製工程を内製化

鋳造事業の受注量増加に対応するため、長野県飯田市にコンセプトセンター(注4)(鋳造棟)を新設

横浜市神奈川区から横浜市港北区に本店を移転

鋳造事業における木型作製工程拡充のため、コンセプトセンターに木型棟を新設

OKKVM5(立形マシニングセンタ)導入により鋳造事業での機械加工工程を内製化

鋳造事業における製品の品質向上を目的として、検査業務を行う人員を配置

鋳造事業の業容拡大に対応し、コンセプトセンターに仕上棟を新設

ヒューステン製熱処理炉の導入により鋳造事業での熱処理(注5)工程を内製化

コーポレート・アイデンティティの構築とブランド戦略の導入を開始し、株式会社JMCに商号変更

3Dプリンター出力事業においてナイロン造形機4台を導入し、ナイロン造形サービスを開始するとともに、横浜市都筑区にテクニカルセンター(注6)を開設

大学及び医療機関向けに心臓カテーテルシミュレーター「HEARTROID」(注7)発売開始

金属製品の非破壊検査(注8)による品質検査強化を目的として産業用CT(注9)を導入

鋳造事業における機械加工と検査業務の工程拡充のため、コンセプトセンターに機械加工・検査棟を新設

東京証券取引所マザーズ上場

産業用CTによる検査・測定サービス(注10)を鋳造事業から分離しCT事業を開始

産業用CT及び関連サービスの販売を開始

鋳造事業の生産能力向上のため、コンセプトセンターに全館自動空調設備(注11)を導入した鋳造棟を増設

「医療機器製造業(登録番号14BZ200303)」、「第1種医療機器製造販売業(許可番号:14B1X10020)」の許可を取得

フルカラー3Dプリンター及び関連サービスの販売を開始

コンセプトセンターに、自動車分野や航空分野における高付加価値製品の製造に特化した工場棟を増設

鋳造事業における機械加工工程の生産能力強化のため、静岡県浜松市浜北区にミーリングセンター(注12)を新設

2020年8月

3Dプリンター出力事業において、横浜市港北区にAMセンター(注13)を開設し、AM(Additive Manufacturing)サービスの提供を開始

2020年12月

テクニカルセンターを閉鎖

2021年4月

鋳造事業における大型製品、量産品の熱処理工程内製化のため、コンセプトセンターに熱処理棟を新設

 

 

 

  (注)1.砂型鋳造

溶かした金属を砂で作った鋳型(砂型)に流し込んで鋳造品を作る工法です。砂型に流し込み作ることにより、形状が複雑な鋳造品の作製に向いています。

 

2.マシニングセンタ

自動工具交換機能をもち、目的に合わせて異種の加工を1台で行うことができる数値制御工作機械のことです。

 

3.木型

鋳型を作るときに用いる木製の製品模型のことです。通常は上下2つの部分に分けて作り、それぞれ上型用、下型用に用い、砂を詰めてから模型を抜き取り、上型、下型を合わせて組み立てると、製品の形の空洞をもつ砂型ができます。

 

4.コンセプトセンター

長野県飯田市内の3ヶ所に位置し、鋳造品を作製する施設であり、鋳造事業のすべての工程を行っております。

 

5.熱処理

加熱や冷却などの温度制御により金属材料の内部組織、性質を人工的に調整する方法です。焼入れ、焼戻しなど様々な方法があり、以後の工程又は使用に最良の状態にするために、組織・結晶粒度などが改善されます。

 

6.テクニカルセンター

ナイロン造形機4台、各種加工機を保有し、試作品を作製する工程を行っておりました。

(2020年12月閉鎖)

 

7.HEARTROID(ハートロイド)

当社が国立大学法人大阪大学大学院医学系研究科及びフヨー株式会社と共同で開発した心臓カテーテルシミュレーターです。X線透視下の実践に即した本格的なトレーニングから、机上でのイメージトレーニングまで環境を選ばずに手軽にカテーテル操作を練習することができます。オペに臨む医師や医学生が使用するほか、医療機器メーカーの研究開発や販売促進ツールとして利用されています。なお、同システムは、薬機法(「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」)上の「医療機器」に該当いたしません。

 

8.非破壊検査

部品や構造物の傷を、対象物を破壊することなく検出する検査技術のことです。

 

9.産業用CT

Ⅹ線を利用して物体を走査しコンピュータを用いて処理することで、物体の内部画像を構成する技術、あるいはそれを行うための機器のことです。

 

10.検査・測定サービス

産業用CTによる非破壊検査や三次元測定などを提供するサービスのことです。

 

11.全館自動空調設備

作業内容ごとに3種類の空調モードに切り替えることができる空調設備であります。また、本社からの作業環境管理が可能な設備であります。

 

12.ミーリングセンター

静岡県浜松市浜北区に位置し、鋳造品を加工する施設であり、鋳造事業の機械加工・仕上・検査工程を行っております。

 

13.AMセンター

EOS Electo Optical Systems Japan株式会社製ナイロン造形機を保有し、試作品から少量量産品までを製造する工程を行っております。

 

3【事業の内容】

 製造業におけるJMCという強固なブランドを確立するため、「MADE BY JMC」という経営理念及び「ものづくりに知性を。」というビジョンのもと、3次元CADデータ技術を用いて「樹脂を素材とする3Dプリンター」と「金属を素材とする砂型鋳造」の両成型法を利用、発展させながら、製造業を中心に幅広い業種の「試作品」から「最終製品」までの「ものづくり」をトータルサポートすることを主たる事業としております。

 当社の事業は、3Dプリンター出力事業、鋳造事業及びCT事業から構成されており、報告セグメントの区分も当該事業によっております。3つの事業を持つことで、3次元CADデータのノウハウを共有するだけでなく、人員のローテーションや設備の共同利用など社内のハード・ソフト資源を有効に活用することが可能になります。

 

 3Dプリンター出力事業につきましては、製品開発を行っている顧客からの試作の依頼を3Dプリンターで作製し、提供するサービスを行っております。製造だけではなく、3次元CADデータの特殊な処理や装置のメンテナンスも自社で行うことで、メーカーと受託サービス会社が持つノウハウを一貫して有しております。

 なお、当該事業は年中無休の稼働体制で顧客のニーズに合わせてサービスを提供しております。

 また、3Dプリンターの技術を用いて開発を進めている心臓カテーテルシミュレーター「HEARTROID」は、国内外で心臓カテーテル治療に携わる医師やデバイスメーカー向けに、「HEARTROID PROJECT」(国立大学法人大阪大学大学院医学系研究科、フヨー株式会社及び当社)を通じて自社製品としてラインアップの増強を進めております。

 なお、当社は、「高度医療機器販売業・貸与業(許可番号:第111120352号)」、「医療機器製造業(登録番号14BZ200303」、「第1種医療機器製造販売業(許可番号:14B1X10020)」の許可を取得しており、一般医療機器から高度管理医療機器まで、すべての医療機器の設計・開発・製造・薬事申請・販売を一貫して行うことが可能であります。

 

 鋳造事業につきましては、多品種少量生産に適した砂型鋳造法を採用しております。また、多くの鋳造業者が鋳造以外の工程の外注化を図っているのに対し、当社では木型、鋳造、熱処理、機械加工、検査まで一貫した製造工程を内製化したことにより、顧客メーカーの要求に応える安定した製品品質と短納期化を実現しております。従来の「伝統の職人技」と言える部分を精緻な3次元CADデータの取り込みなどを通して、砂型鋳造の精度をダイカスト法(注1)と同等レベルまで向上させたことで、試作品のみならず最終製品の受託も手掛けており、最終製品と同素材の試作品を顧客に販売することで、製品に対する需要を把握するテストマーケティングにも利用されております。

 さらに、砂型3Dプリンター(注2)を導入し、益々大型化・複雑化する設計に対して、これまで手作業で造型することのできなかった複雑な砂型にも対応可能となり、付加価値の拡大に寄与しております。

 また、FA(ファクトリーオートメーション)分野における協働ロボット用量産鋳造部品の製造では、トヨタ生産方式(注3)を導入し、効率化と設備増強による製造量増加を進めております。

 品質検査体制では日本ベーカーヒューズ株式会社製の産業用CTを複数機種導入し、自動車や航空宇宙分野で求められる品質水準を確保しております。

 このように品質検査体制と短納期、さらには量産品製造に対するトヨタ生産方式の導入を強みとして、一部の完成車メーカーからTier1(注4)企業として選定されています。

 また、クラシックカーやバイクのレストア(旧型車両等の老朽化した部品を供給する)用パーツの製造販売を行うプロジェクト「JMC BASE」では、当社の高い鋳造技術や産業用CTでの検査技術を活かして、メーカーで生産終了となった部品を製造販売しております。

 

 CT事業につきましては、製品評価やリバースエンジニアリング(注5)等の高度な検査・測定サービスの受託に加えて、日本ベーカーヒューズ株式会社製の産業用CT及び関連サービスの販売業務を行っております。

 また、産業用CTの販売に関連して、ボリュームグラフィックス株式会社製の産業用CT/ボクセルデータ用ソフトウェアの販売業務を行っております。

 

[事業系統図]

0101010_001.jpg

 

(注)1.ダイカスト法

金型鋳造法のひとつで、金型に溶融した金属を圧入することにより、高い寸法精度の鋳造品を短時間で大量に生産する鋳造方式のことです。

 

2.砂型3Dプリンター

CADデータから直接鋳造用の砂型を造形する装置で、経済産業省が推進する「次世代型産業用3Dプリンターの造形技術開発・実用化事業」でも開発が進められており、今後の国内製造業における基盤となりうる技術の一つとして期待されております。砂型3Dプリンターの導入は、マシニングセンタでマスターモデルとなる木型を削り出し、職人の手込めによって行われていた従来の作業工程を短縮し、特に数多くの砂型を組み合わせて構成する自動車のシリンダーヘッドやインテークマニホールドの中子製作において、飛躍的な工期短縮を実現します。

 

3.トヨタ生産方式

「ジャストインタイム」と「自働化」の2つの理念でムダを排除し、生産を合理化する生産方式のことで、その実現には「1.カイゼン」、「2.問題の見える化」、「3.なぜなぜ分析」、「4.7つのムダとり」の手法を用います。

 

4.Tier1

メーカーに部品を直接納入する一次サプライヤーのことです。一次請負とも言われています。

 

5.リバースエンジニアリング

物体を産業用CTでスキャンし、データをコンピュータに取り込み、そのデータから物体形状のCADデータを再構築することです。

 

[事業フロー]

0101010_002.jpg

 

(1)3Dプリンター出力事業

 3Dプリンター出力事業では、製品開発を行っている顧客に対して試作品を3Dプリンターで作製し、提供するサービスを行っております。当社が保有する3Dプリンターは、光造形方式9台、粉末焼結(ナイロン造形)方式1台、インクジェット方式1台の合計11台と、現在業界で採用されている主要な工法を備えております。工法が多岐にわたることに加えて、当社では顧客への短納期化を実現するために、自社による見積データの解析・補正サービスや年中無休の稼働体制を敷いております。また、3Dプリンターでの作製後の各種後加工(塗装・染色・ネジ加工・アルミ真空蒸着(注6)・真空注型(注7))も行っております。

 同事業においては、医療分野でも3Dプリンターによる製品の作製サービスを行っております。脳外科、口腔外科分野において、患者のCT・MRIデータから頭蓋骨や下顎骨のデータを作成し、3Dプリンターで実体モデルを作製しております。実体モデルは、手術前のシミュレーションや手術方式の説明等に利用されております。また、3Dプリンターと真空注型を組み合わせた独自の技術(特許番号5236103号)を保有しております。これは、臓器の複雑な形状を忠実に再現するため、型を3Dプリンターで作製し、シリコーンゴムなどの軟質材料を注入することで、軟質の臓器モデルを作製するものです。臓器モデルは医療機器の機能評価やカテーテル、内視鏡手術のトレーニングに利用されております。

 

 3Dプリンターのそれぞれの方式の特徴は以下のとおりであります。

 

a. 光造形方式

 工業製品の高速試作に用いられる3Dプリンターであります。液体樹脂にレーザーをあて、硬化させながら層を積み重ねていくことで作製します。他の3Dプリンターに比べて高精度な製品を作製することができる一方、導入コストが高額であり、運用には高度なノウハウが必要なため、ハイクラスなサービスビューロー(注8)や大企業の研究開発部等が導入するプロユースの装置であります。用途の例としては、医療機器の試作品、部品の接続の機能検証用のモデル、可視化用の透明モデル等になります。

 

b. 粉末焼結(ナイロン造形)方式

 ナイロン粉末をCO2レーザーで焼き固め、積み重ねていくことで、モデルを作製する3Dプリンターであり、強度や耐熱性が求められるモデルの作製に用いられます。装置は3Dプリンターの中で高額な部類に属し、また、材料費も高価なため導入に対する障壁が高い方式であります。用途の例としては、自動車の動作確認用部品モデルや内装部品の試作品等になります。

 

c. インクジェット方式

 紫外線硬化型樹脂をプリンターヘッドから微細な液滴として吐出し、紫外線ランプで硬化させてモデルを作製する3Dプリンターです。装置は光造形に比べて小型で、モデルの後処理が容易であり、大型の洗浄装置が必要ない方式です。用途の例としては、複雑な内部形状を持つモデル、流路解析用モデル等になります。

 

(注)6.アルミ真空蒸着

真空内でアルミニウムを加熱して、気化・昇華させ、離れた位置に置かれた基材・基板の表面に付着・堆積させて薄膜を形成する技術のことです。

 

7.真空注型

光造形品や切削加工品をマスターモデルにして、シリコーンゴム等の複製用の型を作製します。その型に樹脂を流し込み固化させた後、型を外して複製品を作製する工法のことです。

 

8.サービスビューロー

商用印刷やデスクトップパブリッシングに関連するサービスを行う業者のことで、出力センターとも呼ばれています。ページレイアウトソフトで作成したデータの出力や、スキャニングなど様々なサービスを行います。

 

(2)鋳造事業

 鋳造は、製品の形状を反転させた型に、鉄・銅・アルミニウム・マグネシウム等の溶かした金属を流し込み、製品を作製する工法になります。この時に用いる型を“鋳型(いがた)”と呼び、素材により金型・砂型・石膏型等、数種類に分けられます。

 鋳造工法は、複数の工程から成っており、顧客から受領したCAD(注9)データから型データの作成、木型の作製、砂型の作製、鋳込み(注10)、仕上げ、熱処理、機械加工、検査を経て、製品が完成いたします。これまでの鋳造業界では、その各工程をそれぞれ別会社が営んでおり、工程間のデリバリー時間が発生することや、工程間の情報共有不足による不良品発生が問題となっております。当社も事業開始時は砂型の作製、鋳込み、仕上げ工程のみ自社で行っており、それ以外の工程を外部委託しておりましたが、顧客からの短納期や品質向上の要求に応えるためには、完全素加一貫(注11)の生産体制を構築する必要があり、1工程ずつ着実に内製化してきました。3Dプリンター出力事業と同様に、顧客からはコストよりも短納期が重視される傾向があるため、当社のスピードが付加価値となり、価格競争面で有利に働く要素となっております。

 当社の砂型鋳造は、金型を使用するダイカスト工法に近い品質を実現しております。それは、切削機械で木型を作製し、同業の砂型鋳造業者よりも細かい粒径の鋳物砂(注12)を使用しているからであります。また、組織の密度等鋳造品の物性において、ダイカスト工法よりも砂型鋳造が優れており、表面粗さと寸法精度が担保されれば、品質は砂型鋳造品が優ると考えております。

 なお、当社では、主にアルミニウム合金及びマグネシウム合金による鋳造を行っております。

 

(注)9.CAD(Computer Aided Design)

コンピュータ支援設計とも訳され、コンピュータを用いて設計をすること、あるいはコンピュータによる設計支援ツール(CADシステム)のことです。

 

10.鋳込み

溶かした金属を鋳型に流し入れることです。

 

11.素加一貫

素材(鋳造品)の作製から後加工まで一貫するという意味で、型作製から検査まですべて自社内で完結させることです。

 

12.鋳物砂

鋳造品用の鋳型(砂型)を作製するために用いる砂のことです。耐火性・通気性・伸縮性などが良いものを使います。

 

(3)CT事業

① 検査・測定サービス

 産業用CTによる非破壊検査や三次元測定などを提供するサービスです。

 当社では、日本ベーカーヒューズ株式会社製の産業用CT「phoenix v|tome|x c450」(ミリフォーカスCT)、「phoenix nanotom m」(ナノフォーカスCT)及び「phoenix v|tome|x m」(マイクロフォーカスCT)を導入しております。これらの装置は、自動車、航空宇宙、電力等の幅広い分野において品質検査を行う用途に最適化されており、非破壊検査や三次元測定に活かされます。産業用CTによるスキャン技術は製品現品の品質検査が求められる分野においては不可欠であり、製造規格やメーカー独自の品質検査レベルをクリアするために有効なものであります。当社の主なサービスは下記のとおりであります。

 

a. 鋳造品の内部品質評価

 鋳巣欠陥(注13)は、様々な要因によって発生します。産業用CTは素材内部の欠陥を簡単に検出することができるため、より質の高い製品開発をサポートできます。

 

b. 鋳造品中子(注14)形状の寸法測定

 産業用CTは、測定困難な内部形状や構造を測定するのに有効であるため、中子ズレ等切断面による評価を必要とするケースでも、フラットパネルによる高速スキャンを利用して、短時間で広範囲の評価を行うことができます。

 

c. リバースエンジニアリング

 産業用CTは品質検査だけではなく、図面のない製品や自然物のデータ化にも活用できます。更に当社では3Dプリンター出力事業の豊富な実績から、3Dプリンター出力用のデータの編集も可能であり、リバースエンジニアリングによるものづくりをサポートすることができます。

 

d. 素形材の解析

 カーボンの素材強度に影響するカーボン繊維の配向の解析サービスを行っております。

 

e. 放射線照射

 産業用CTにて放射線を物体に照射し続けることで、物体がどのように変化、変質していくのかを確認するサービスを行っております。

 

② 産業用CT販売

 日本ベーカーヒューズ株式会社製の産業用CT及び関連サービスの販売を行っております。

 

(注)13.鋳巣欠陥

鋳巣欠陥とは、鋳造品の内部に空洞が発生するという不良のことです。

 

14.中子

中空の鋳造品を作製する際に、中空となる部分に入れる鋳型のことです。

 

 

4【関係会社の状況】

該当事項はありません。

 

5【従業員の状況】

(1)提出会社の状況

 

 

 

 

2021年12月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

128

(16)

35.1

4.5

4,356,242

 

セグメントの名称

従業員数(人)

3Dプリンター出力事業

22

(3)

鋳造事業

76

(10)

CT事業

12

(-)

報告セグメント計

110

(13)

全社(共通)

18

(3)

合計

128

(16)

(注)1.従業員数は就業人員(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む。)であり、平均臨時雇用者数(アルバイト、人材会社からの派遣社員を含む。)は、年間の平均人員を( )外数で記載しております。

2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金(通勤手当を除く。)を含んでおります。

3.全社(共通)として記載されている従業員数は、特定の事業に区分できない管理部門及び企画部門に所属しているものであります。

 

(2)労働組合の状況

 当社の労働組合は結成されておりませんが、労使関係は良好であり、特に記載すべき事項はありません。