(1) 業績
2017年におけるわが国の経済は、世界経済の緩やかな回復による輸出の増加や好調な企業業績、それに伴う雇用・所得環境の改善を背景とした底堅い個人消費に牽引され堅調に推移いたしました。一方で、米連邦準備理事会による金利引上げや、北朝鮮問題・中東情勢等の地政学リスクなど世界経済への影響が不透明な状況があります。
当社グループが属する不動産及び不動産金融業界におきましては、日本銀行の金融緩和政策が継続し、金融機関の積極的な融資姿勢が継続しているため資金調達環境が良好であり、物件取得意欲は依然として旺盛なものとなっております。三鬼商事㈱の最新オフィスビル市況(2017年12月時点)によれば、都心5区(千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区)の既存オフィスビルの空室率は3.02%と引き続き低位で推移しており、坪当たり平均賃料についても18,964円と48か月連続の上昇となっております。また、一般社団法人日本不動産研究所の2017年末の研究報告によれば不動産市場の過熱感を示す兆候はなく、引き続き良好なマーケットが継続する模様です。
なお、㈱矢野経済研究所「国内クラウドファンディング市場の調査を実施(2017年)」(2017年9月7日発表)
(ご参考:当該URL https://www.yano.co.jp/press/pdf/1730.pdf)
によると、国内のクラウドファンディング市場規模は、高い成長率で拡大しており、2017年度の市場規模は前期比46.2%増の1,090億400万円となる見込みです。
こうした環境の中、当社グループでは、コーポレートファンディング事業において、当社の注力市場である東京都心の数億円~30億円程度の中規模オフィス等への投資によって自己保有資産残高の拡大を図りました。また、不動産保有会社へ貸付を行うクラウドファンディング事業においても投資家会員数と累積投資金額が増加いたしました。
これらの活動の結果、売上高8,794百万円(前連結会計年度比88.7%増)、営業利益1,364百万円(同81.9%増)、経常利益1,189百万円(同69.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益794百万円(同69.5%増)となりました。
主要なサービス別の概況は以下のとおりであります。なお、当社グループは単一セグメントであるため、セグメントごとに記載しておらず、サービス別に区分して記載しております。
a. コーポレートファンディング事業
イ.不動産投資事業
8物件を売却した結果、不動産投資売上は7,762百万円(前連結会計年度比92.1%増)となりました。
ロ.不動産賃貸事業
新規8物件を取得し自己保有物件を増加させた結果、不動産賃貸売上は965百万円(同62.7%増)となりました。
b. クラウドファンディング事業
営業貸付金を1,167百万円(同396.8%増)まで増加させた結果、クラウドファンディングの売上は65百万円(同827.3%増)となりました。
c. その他事業
アセットマネジメント売上等で1百万円となりました。
(2) キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ3,345百万円増加し、4,615百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動により使用した資金は777百万円となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益1,123百万円、匿名組合出資預り金の増加額2,231百万円等により3,075百万円の資金が増加した一方、物件の仕入れ等の先行投資が順調に推移したことによる販売用不動産の増加額3,853百万円があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動により使用した資金は2百万円となりました。これは主に、ソフトウェア開発による支出が3百万円となったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動により得られた資金は4,126百万円となりました。これは主に、長期借入れによる収入が8,109百万円、株式の発行による収入が1,552百万円となった一方、長期借入金の返済による支出が5,483百万円となったことによるものであります。
(1) 生産実績
当社グループは生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
(2) 受注状況
当社グループは受注生産を行っておりませんので、該当事項はありません。
(3) 販売実績
当連結会計年度の販売実績は、次のとおりであります。なお、当社グループは不動産関連事業の単一セグメントであるため、サービス別に記載しております。
|
サービスの名称 |
当連結会計年度 (自 2017年 1月 1日 至 2017年12月31日) |
|
|
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
|
|
コーポレートファンディング(不動産投資)事業 |
7,762 |
92.1 |
|
コーポレートファンディング(不動産賃貸)事業 |
965 |
62.7 |
|
クラウドファンディング事業 |
65 |
827.3 |
|
その他事業 |
1 |
△93.5 |
|
合計 |
8,794 |
88.7 |
(注)1. 最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 2016年 1月 1日 至 2016年12月31日) |
当連結会計年度 (自 2017年 1月 1日 至 2017年12月31日) |
||
|
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
|
禹諾国際株式会社 |
- |
- |
1,452 |
16.5 |
|
サンフロンティア不動産株式会社 |
- |
- |
1,165 |
13.2 |
|
リストデベロップメント株式会社 |
- |
- |
1,152 |
13.1 |
|
日本マテリアル株式会社 |
- |
- |
1,150 |
13.1 |
|
個人(注3) |
- |
- |
953 |
10.8 |
|
ヒューリック株式会社 |
2,159 |
46.4 |
- |
- |
|
株式会社エー・ディー・ワークス |
1,881 |
40.4 |
- |
- |
2. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3. 当社とは利害関係のない外部の第三者である資産家であり、当社保有不動産を一般的な取引と同じ条件で売却しております。
文中の将来に関する事項は当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当社は、「不動産とテクノロジーの融合が未来のマーケットを切り開く」という経営理念を掲げ、「不動産投資マーケットの個人への開放」と「間接金融から直接金融への移行による市場の安定化」を使命としております。
当社は、役職員の豊富な経験に裏付けされた不動産に対する幅広い情報収集力と、不動産鑑定士や不動産証券化マスター等の不動産関連資格保有者の高度な物件評価能力を活かし、東京都心エリアを中心としたオフィスビル等への不動産投資を中心に、アセットマネジメント業務、仲介・コンサルティング業務に加え、不動産特化型クラウドファンディング業務やAIを利用したオフィス価値算定サービスを提供しております。
今後も、不動産及び不動産金融に関するプロフェッショナル集団としての知見とITを駆使した事業戦略の差別化により、収益を最大化していきたいと考えております。
(2) 経営戦略等
(コーポレートファンディング事業)
① 自己投資資産残高の拡大による賃料収入等の増加
更なる賃料上昇が期待できる東京都心エリアの中規模オフィスビルへの投資に注力していくことで、自己投資資産残高を拡大し、賃料収入のみで会社固定費を賄える事業規模への到達を目指します。また、保有物件の付加価値を高め、適切なタイミングで売却することで収益とノウハウの獲得を図ります。
② 財務基盤の強化
コーポレートファンディング事業の拡大による安定した収益の確保と保有資産の着実な成長による事業の安定化を図るために、市場環境に応じて効率的な財務戦略を立案し実行しております。また、自己保有物件を担保とした借入金の返済期間を原則10年から50年とする長期間のファイナンスにより、安定した財務基盤を構築いたします。
(クラウドファンディング事業)
① 個人投資家による少額不動産投資市場の形成
当社のクラウドファンディングサービスであるOwnersBookは、IT技術によって投資募集業務の効率化し、一口1万円からの不動産投資を可能にしました。今後はエクイティ投資型クラウドファンディングサービスを展開することで、従来機関投資家等が独占していた不動産投資領域を、少額から始められる新たな不動産投資市場として個人投資家に開放してまいります。
② 早期のエクイティ投資型商品の組成
現在、当社は貸付型クラウドファンディングサービスを提供しておりますが、2018年1月19日付けで投資運用業と電子申込型電子募集取扱業務の登録が完了しましたので、不動産投資商品の幅を拡大させるためもエクイティ投資型商品の早期組成を目指します。エクイティ投資型の不動産クラウドファンディング商品は競合他社でも未着手の分野であり、先んじて取りかかることで差別化が図れ、また、J-REITや不動産直接投資とは別の第3の不動産投資市場を形成できるものであります。
(その他事業)
① アセットマネジメント事業機会の獲得
世界的な金融緩和状態という環境下で、日本の不動産への投資ニーズがある海外投資家の開拓を推進してまいります。海外投資家に対するアセットマネジメント事業を実施し、年間数十億円程度のファンド資産残高の積み上げを目指してまいります。
② コンサルティング・仲介事業による安定収益の確保
運用力とサービスの質向上の基本となる事務管理体制を更に強化し、コンサルティング・仲介事業の充実をはかります。また、蓄積された不動産ビジネスについてのノウハウを活かしてコンサルティング・仲介事業を継続実施し、収益を確保してまいります。
③ AIの活用による不動産市場の効率化
オフィス不動産のデータ蓄積と登録内容の充実による『AI-Checker』の精度の向上とAIに強い会社との連携等によるサービスの認知度向上を図り、不動産仲介市場への利用促進を進めてまいります。将来的には広く一般にも公開し、誰もがオフィスの適正価値を知ることができる環境を整え、不動産投資マーケットの活性化と健全な発展に寄与する所存です。
(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、売上高と経常利益を重要な経営指標ととらえ、これらを中長期的に成長させていくことを基本的な考え方としております。また、クラウドファンディング事業の持続的な拡大を図っていくために、OwnersBookの投資家会員数及び投資案件の累積投資金額を重要な経営指標としております。
(4) 経営環境
当社グループが属する不動産及び不動産金融業界におきましては、日本銀行の金融緩和政策が継続し、金融機関の積極的な融資姿勢が継続しているため資金調達環境が良好であり、物件取得意欲は依然として旺盛なものとなっております。一方で、同業界は個人に対する参入障壁が高く、金融機関に依存した産業構造であるため、当社は同業界を個人に開放していくことで、新しい不動産投資市場の創出と市場の安定化を目指してまいります。
(5) 事業上及び財務上の対処すべき課題
① 経営基盤となるコーポレートファンディング事業の持続的な成長
a. 安定的な経営基盤の確立
当社は、不動産賃貸収入で会社固定費を賄うべく不動産保有資産残高を増加させることにより、安定的な経営基盤の確立を目指しております。また、新規取得と合わせて適度に案件を入れ替えることで、投資ノウハウを社内に蓄積し、案件ごとの利益率の向上を図るとともに、事業成長促進を意識した投資ポートフォリオの運用を行ってまいります。現在の状況では、不動産市場における良好な資金調達環境や空室率の低下などから、当社がターゲットとする規模の物件取得環境は引き続き楽観できない状況が続くものと考えられますが、当社の強みであるスピーディーな意思決定と円滑な契約事務処理能力、及び当社独自のネットワークと仲介会社との連携を駆使して、取得する物件の規模を徐々に大きくしていく方針であります。
b. 仕入体制の強化・維持
当社の主な投資領域である東京23区は限られた範囲であることから、他社との厳しい競争の中でいかに早く情報収集を行いその情報に対してスピーディーな対応ができるかが重要と考えております。当社グループでは、過去に数十から数百の物件の取得・管理・売却の経験を有する当社メンバーが、当該経験に基づきデューデリジェンスから意思決定まで迅速に行うことで対応しており、今後もこの体制を維持しつつ、優秀な人材の補充や業務にかかる知識と経験、投資ノウハウの蓄積等によって、その強化に努めてまいります。
c. 不動産情報の強化
当社グループの強みは不動産業界における経験が豊富なメンバーが有する人的ネットワークですが、今後の継続的な成長を図るためにもさらなる情報ルートやネットワークの強化が必要不可欠であります。そのため、既存情報提供元との良好な取引関係を維持するとともに、情報ルートの多様化、強化に努め、引き続き優良な情報の確保を進める方針であります。
d. 付加価値の向上
不動産市場においては、適切な管理運営がなされていないために割安となっている物件があります。当社ではそうした物件を取得し、物件そのものの価値を高めるための改修工事、適切なリーシング(空室のある物件に対してテナントを誘致することや周辺賃料に比した適正賃料への契約改定)を行うことによる稼働率の上昇、及び、管理コストの低減等に努めることで、物件の付加価値を高め、更なる収益増加に積極的に努めてまいります。
② 不動産市場の個人への開放を目的とした事業等
当社は、「不動産とテクノロジーの融合が未来のマーケットを切り開く」という経営理念を掲げ、不動産投資市場をITの力で個人投資家に開放していくことに取り組んでおります。具体的には、クラウドファンディングサービスとAIを利用したオフィス価値算定プログラムを提供しております。
a. クラウドファンディング事業
現在の不動産市場において、個人投資家の投資選択肢としては、J-REIT若しくは不動産への直接投資しかありませんがそれぞれ投資資金や利回りに一長一短があります。当社グループはこの問題を解決するため貸付型クラウドファンディングサービスを提供しており、さらに、エクイティ投資型クラウドファンディングサービスの提供を開始する予定です。
クラウドファンディングサービスの対処すべき課題としては、投資家会員数と累積投資金額の拡大が挙げられます。この課題を解決するため、マーケティング活動を強化し、システムの増強をいたしました。また、メディアへの露出やセミナーの実施を通じてクラウドファンディング市場と当社のクラウドファンディング商品である『OwnersBook』の認知度の向上に力を入れております。
b. AIを利用したオフィス価値算定プログラム
当社は、不動産仲介会社向けに人工知能(AI)によるオフィス価値査定サービス『AI-Checker』をリリースしておりますが、精度向上のためのデータが不足しております。オフィス不動産市場は公開情報が少なく、個人投資家が参入しづらい市場と言われておりますが、今後はさらなる情報の蓄積を行うことによりサービスの精度を高め、将来的には個人投資家でもオフィスの適正価値を知ることができる環境を整えることで、不動産投資マーケットの活性化と健全な発展に寄与する所存です。
③ その他不動産関連サービスの継続
日本の不動産に興味を持っている海外投資家が多数いるものの、海外向けに不動産情報の提供サービスを行っているのは主に大手不動産会社であり、各社の窓口も比較的少ないことから需要に供給が追いついていない状況であります。当社は、海外の投資ファンドや外資系アセットマネジメント会社に勤務経験を有するメンバーを多数擁しており、海外投資家への不動産関連サービスに強みがあるため、今後も引き続き海外投資家や海外投資家とのネットワークを多く抱える会社を取引先として、収益獲得を目指してまいります。
また、アセットマネジメント以外の不動産仲介及びコンサルティングといった業務についても、これまでの不動産ビジネスに関する知識と経験を活かし、継続して携わってまいります。
④ 人材の確保・育成について
当社グループの持続的な発展のためには、優秀な人材の確保が必要であります。このため、優秀な人材の採用を強化することはもちろんのこと、優秀な人材の流出を防ぐために、福利厚生制度の充実等や新しい人材を育成する教育制度の整備に努めてまいります。
⑤ 内部管理体制の強化について
当社は、内部管理体制も小規模なものになっております。一方、これからもより一層かつ急速な事業拡大を見込んでおり、求められる機能も急速に拡大しております。今後も、営業、システム、広報、法務等、それぞれの分野でコア人材となりうる高い専門性や豊富な経験を有している人材を引き続き採用するとともに、さらなる内部管理体制の強化を図ることで、より一層のコーポレート・ガバナンスの充実に努めてまいります。
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経済状況等の影響について
当社グループが属する不動産業界は、景気動向、金利動向及び地価動向等の経済情勢の影響を受けやすく、当社グループにおいてもこれらの経済情勢の変化により各事業の業績に影響を受けます。将来地価が下落した場合には、たな卸資産の評価損が発生する可能性があります。また、土地の価格が高騰し、これに伴い購入金額が上昇した場合には、不動産物件の仕入が困難となる可能性があり、また、仕入が出来たとしてもその収益性が低下し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。エクイティ投資型クラウドファンディング事業においてコーポレートファンディング事業と同様のリスクがあります。一方、貸付型クラウドファンディング事業においては、債務者の財政状態が悪化した場合、債権回収費用等が増加し当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 不動産投資に関するリスク
当社グループでは、新規不動産の取得等にあたっては、物件の収益の安定性や成長性について専門的な見地から十分に検討を重ねたうえで投資判断を行っておりますが、顧客の需要動向、金利動向、販売価格動向等、種々の変化によって、当初想定していたとおりの収益が確保できなかった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 不動産賃貸に関するリスク
当社は、コーポレートファンディング事業で取得したオフィスビル等については、売却が完了するまでの期間は賃貸により運用しております。賃貸運用中は、テナントのニーズをくみ取り必要な追加投資を行うことでテナントとの信頼関係を構築し、高稼働率の維持と毎期の安定利益の確保に努めておりますが、景気悪化等による賃料相場の低下、テナントの財政状態の悪化等による賃料引下げ要求及び賃料延滞の発生、空室率上昇等により、当初想定していたとおりの収益が確保できなかった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 競合に関するリスク
当社グループはコーポレートファンディング事業を中心に、不動産特化型のクラウドファンディング事業、不動産仲介・コンサルティング事業、及び不動産アセットマネジメント事業を展開しております。今後、当社グループが展開する領域において、規制緩和等に伴う新規参入業者の増加や既存の競合他社との競争が激化した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 有利子負債への依存について
当社は、販売用不動産の仕入資金を主として金融機関からの借入金によって調達しております。このため、市場金利が上昇する局面や、不動産業界または当社のリスクプレミアムが上昇した場合には、支払利息等が増加し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、物件の購入資金を調達する際には、特定の金融機関に依存することなく、個別の物件毎に金融機関に融資を打診しており、現時点では安定的に調達ができております。しかしながら、当社の財政状態が著しく悪化する等により当社の信用力が低下し、安定的な融資が受けられない等、資金調達に制約を受けた場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 特定の経営者への依存について
当社設立の中心人物であり、設立以来の事業推進役である代表取締役岩野達志及び森田泰弘は、不動産及び不動産金融に関する豊富な経験と知識を有しており、経営方針や事業戦略の決定等、当社グループの事業活動全般にわたって重要な役割を果たしています。当社グループでは、過度に両氏に依存しないよう、経営幹部役職員の拡充、育成及び権限委譲による業務執行体制の構築等に取り組んでおりますが、何らかの理由により両氏による当社グループの業務遂行が困難になった場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 組織が少人数編成であることについて
当社グループは業務執行上必要最低限の人数での組織編成となっております。また、今後は事業の拡大に応じて人材の確保及び育成を行うとともに業務執行体制の充実を図っていく方針であります。しかしながら、これらの施策が適時適切に遂行されなかった場合、または、従業員の予期せぬ退職があった場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 人材の確保について
当社では、持続的な成長を支える、優秀な人材を確保することが重要だと考えております。このため、今後も優秀な人材の採用及び教育研修実施の機会・内容の充実により、当社の企業理念及び経営方針を理解した、当社の成長を支える社員の育成を行うとともに、優秀な人材の確保を継続して行ってまいりますが、雇用情勢の変化等より、計画どおりに人材が確保できない場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 訴訟などの可能性について
当社グループでは、コンプライアンス経営の重要性を認識しており、コーポレート・ガバナンスの強化に努めております。今後もコンプライアンス経営を推進してまいりますが、当社が販売した物件の瑕疵やクレーム等に起因する訴訟等が発生する可能性があります。訴訟等の内容及び結果によっては、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(10) 瑕疵担保責任について
民法及び宅地建物取引業法のもと、当社は販売した物件に対して法令上該当する場合には瑕疵担保責任を負っております。万が一、当社が販売した物件に瑕疵があるとされた場合には、当社は瑕疵担保責任を負うことがあります。その結果、当該瑕疵の改修や補修工事費用の負担等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(11) 個人情報の管理について
当社グループの事業活動において、顧客・取引先の機密情報や個人情報を取得・保有しております。当社グループでは、これらの情報が流出するのを防止するために、個人情報取扱規程を定め、個人情報の保護に関する法律、関係諸法令及び監督当局のガイドライン等を遵守し、社内規程の制定及び管理体制の確立を図るとともに、個人情報管理責任者を選任して、上記関係規範を従業員に周知・徹底しております。個人情報の取り扱いについては、今後も、細心の注意を払ってまいりますが、不測の事態によって当社グループが保有する個人情報が外部流出した場合、賠償責任を課せられるリスクや当社グループに対する信用が毀損するリスク等があり、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(12) 災害の発生及び地域偏在について
地震、暴風雨、洪水等の自然災害、戦争、暴動、テロ、火災等の人災が発生した場合、当社が保有する不動産の価値が大きく毀損する可能性があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社が保有する不動産は、経済規模や投資家需要の趣向等を考慮に入れ、東京を中心とする首都圏所在の比率が高い状況にあり、当該地域における地震その他の災害、地域経済の悪化等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(13) 業績の変動について
当社のコーポレートファンディング事業における物件の売却売上は引渡基準を採用しております。当社の現状の事業規模においては、案件1件あたりの売上高が当社グループ全体の売上高に占める割合が大きい状況にあり、また、不動産物件の売却は市況を勘案しながら行っているため、引渡し時期により、四半期ごとの業績に偏りが生じる可能性、想定していた売上や収益が翌期に繰り越される可能性があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(14) 法的規制等について
当社グループが行う事業につきましては、以下の法令及び金融商品取引法・貸金業法等による規制を受けております。しかしながら、今後、これらの法令等の解釈の変更及び改正が行われた場合、また、当社グループが行う事業を規制する法令等が新たに制定された場合には、事業内容の変更や新たなコスト発生等により、当社グループの業績及び今後の事業運営に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループが取得している以下の許認可(登録)及び金融商品取引業にかかる金融商品取引業登録(投資運用業、第二種金融商品取引業、投資助言・代理業)、並びに貸金業法にかかる貸金業登録につき、当連結会計年度末現在において、事業主として欠格事由及びこれらの許認可(登録)の取消事由に該当する事実はないことを認識しておりますが、今後、欠格事由または取消事由に該当する事実が発生し、許認可(登録)取消等の事態が発生した場合には、当社グループの事業に支障を来たすと共に業績に影響を及ぼす可能性があります。
(a) 当社の事業活動に関係する主な法的規制
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法的規制 |
|
・宅地建物取引業法 |
(b) 当社の取得している免許・登録等
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許認可等の名称 |
許認可等の内容 |
規制法 |
有効期間 |
取消、解約その他の事由 |
|
宅地建物取引業免許 |
東京都知事 (2) 第94272号 |
宅地建物取引業法 |
2017年6月2日~ 2022年6月1日 |
同法第66条、第67条 |
(15) クラウドファンディング事業に関するリスクについて
クラウドファンディング事業については、新規事業のため、認知度を高めるべく広告宣伝及びマーケティング活動を強化しておりますが、期待した効果が得られない、又は、効果があらわれるまでに時間を要する場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、同事業は金融商品取引法及び貸金業法の規制を受けており、当社は法令に則り顧客からの預かり資産の分別管理等の必要な対応を実施しておりますが、今後現行法令の解釈の変更や改正並びに新法令の制定等により、当該事業に新たな規制を受ける可能性があります。この場合、規制への対応に際してサービス内容の変更に伴う管理コスト増加や、規制に適切に対応できなかった場合に当社のレピュテーションに悪影響を与える可能性があり、また、その他不測の事象が発生した場合には、当該事業の運営や業績に影響を及ぼす可能性があります。
(16) システム・オペレーションリスクについて
クラウドファンディング事業は、コンピュータシステムや通信ネットワークを使用し、オペレーションを実施しております。従って、システムエラー、外部からの不正アクセスまたはアクセス数の増加等の一時的な過負荷によるシステムの作動不能、自然災害や事故等による通信ネットワークの切断、不正若しくは不適切なオペレーションの実施といった事態が生じた場合、当社グループの事業に支障を来たし、また、当社グループに対する信用が毀損することにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(17) 大株主との関係について
当連結会計年度末現在、Renren Inc.は100%子会社であるRenren Lianhe Holdingsを通じて、当社の議決権の36.6%を保有しており、Renren Inc.のCOOであるジェイムズ・ジエン・リウは当社の取締役を兼任しております。
Renren Inc.は中国のSNSサイト「人人網(レンレンワン)」を運営する会社等に出資している会社であります。現状当社の株式を長期保有する意向を示しておりますが、将来的にRenren Inc.のグループ戦略に変更が生じた場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(18) ストック・オプション行使による株式価値の希薄化について
当社では、取締役、監査役、従業員等に対するインセンティブを目的としたストック・オプション制度を採用しております。また、今後においてもストック・オプション制度を活用していくことを検討しており、現在付与している新株予約権に加え、今後付与される新株予約権について行使が行われた場合には、既存株主が保有する株式の価値が希薄化する可能性があります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りとは異なる場合があります。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
(2) 財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ7,692百万円増加し、21,979百万円となりました。
このうち、流動資産は、前連結会計年度末に比べ7,662百万円増加し、21,849百万円となりました。これは主に、公募増資等及び物件の売却により現金及び預金が3,345百万円、販売用不動産が取得により3,598百万円、営業貸付金がクラウドファンディング事業の伸長により932百万円、それぞれ増加したことによるものであります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ29百万円増加し、130百万円となりました。これは主に、投資その他の資産のその他が41百万円増加したことによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末に比べ5,315百万円増加し、17,421百万円となりました。
このうち、流動負債は、前連結会計年度末に比べ440百万円増加し、1,105百万円となりました。これは主に、1年内返済予定の長期借入金が117百万円、未払法人税等が169百万円、それぞれ増加したことによるものであります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ4,874百万円増加し、16,316百万円となりました。これは主に、物件の取得に伴い長期借入金が2,508百万円、クラウドファンディング事業の伸長により匿名組合出資預り金が2,231百万円、それぞれ増加したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べ2,377百万円増加し、4,557百万円となりました。これは主に、公募増資等により資本金が781百万円、資本剰余金が781百万円それぞれ増加したこと、親会社株主に帰属する当期純利益を794百万円計上したことによるものであります。
(3) 経営成績の分析
(売上高の状況)
コーポレートファンディング事業における不動産の売却や不動産賃貸収入の増加、クラウドファンディング事業における売上高増加により、売上高は8,794百万円と前連結会計年度に比べ4,134百万円、88.7%の増収となりました。
(営業利益の状況)
販売費及び一般管理費は592百万円となり、前連結会計年度に比べ162百万円増加しました。これは主に業務拡大に伴う人件費の増加、及びクラウドファンディング事業に係る広告宣伝費の増加によるものです。この結果、営業利益は1,364百万円となり前連結会計年度に比べ614百万円、81.9%の増益となりました。
(経常利益の状況)
経常利益については、営業利益の増加などにより、1,189百万円と前連結会計年度に比べ486百万円、69.1%の増益となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益の状況)
親会社株主に帰属する当期純利益については、経常利益の増加などにより、794百万円と前連結会計年度に比べ325百万円、69.5%の増益となりました。
(4) キャッシュ・フローの状況の分析
「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2) キャッシュ・フロー」に記載しております。
(5) 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 4 事業等のリスク」に記載のとおり、事業環境、事業内容、事業運営体制等、様々なリスク要因が当社の経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。
そのため、当社グループは常に市場動向に留意しつつ、内部管理体制を強化し、優秀な人勢を確保し、市場のニーズにあったサービスを展開していくことにより、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散・低減し、適切に対応を行っていく予定でおります。
(6) 経営戦略の現状と見通し
当社グループとしましては、これらの状況を踏まえて、コーポレートファンディング事業において、不動産賃貸収入のみで会社固定費を賄うべく不動産保有資産残高を増加させることで、安定的な経営基盤の確立を目指すとともに、世界的にも市場拡大が見込まれるクラウドファンディング事業において、貸付型商品の安定供給とエクイティ投資型商品の提供開始により、新たな不動産投資市場の形成を目指してまいります。
(7) 経営者の問題意識と今後の方針について
当社グループの経営者は、「第2 事業の状況 3 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、経営基盤となるコーポレートファンディング事業の持続的な成長とクラウドファンディング事業を通じた不動産市場の個人への開放を実践していくことが重要であると認識しております。
そのために、優秀な人材の確保・育成や内部管理体制の強化を行い、長期安定的な事業展開を目指してまいります。