第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の方針

当社グループは、「人のチカラで 世界を便利に」をビジョンに掲げております。

当社の考える「人のチカラ」とは、Web上にネットワークされた世界中の人の英知・マンパワーを指しております。Webの進化によって可能となった場所や時間に制約を超えた「人のチカラ」の活用によって、今までにない便利なサービスを世の中に提供することで、社会に貢献していくことを目指しております。

 

(2) 経営環境

平成30年版「情報通信白書」によると、日本の生産年齢人口は2017年から2040年にかけて約1,600万人減少することが推計されており、労働力不足による経済規模の縮小、国際競争力の低下といった社会的・経済的な課題が深刻化することが危惧されております。そのような状況の中、当社グループは「人のチカラで 世界を便利に」というビジョンのもと、「深刻化する労働力不足を解決する企業」として様々な領域において労働力の代替ソリューションとなる事業をSaaSを中心に複数展開しております。

当社グループを取り巻く経営環境につきましては、富士キメラ総研「ソフトウェアビジネス新市場 2020年版」によると、国内SaaS市場規模は、2019年度において6,016億円となっており、2024年度には11,178億円に達すると予測されております。また、CGS事業のリソース供給源であるクラウドソーシングの市場規模については、矢野経済研究所「BPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)市場の実態と展望 2018-2019」によると、2018年度の流通金額規模(仕事依頼金額ベース)は前年度比34.8%増の1,820億円となっており、2021年度には2,610億円に達すると予測されています。

また、CGS事業の中でも主力サービスである官公庁等の入札情報を提供する入札情報速報サービス「NJSS(エヌジェス)」を巡る環境として、国内入札市場における年間契約額は、2017年度において21.9兆円と、毎年安定的に年間20兆円超の発注がなされる市場規模が維持(中小企業庁「官公需契約の手引」より)されております。NJSSのTAM(Total Addressable Market)については、NJSSのメインターゲットとなる落札実績のある企業数が約40万社(NJSSのデータベースより)であることに加え、今後は入札資格未保有の企業もターゲットとなると想定されるのに対し、NJSSの有料契約件数は2021年3月末時点では3,960件に止まっていることから、将来的には数十倍の有料契約件数の拡大の余地があると考えております。

競合企業の状況や当社の優位性については、現在、国内でクラウドソーシング・サービスを展開する競合企業は複数存在しますが、当社グループは、クラウドソーシング・サービスのみならず、そのワーカーをリソースとするCGS事業、そして企業のアウトソーシング・ニーズの受け皿となるBPO事業を展開しており、それらの相互のシナジーによって優位性を築いていると考えております。優位性を更に強固なものにするためにも当社では、新たなCGS事業を継続的に生み出し続けていきたいと考えております。

 また、新型コロナウイルス感染症は、前連結会計年度から続き当社の事業及び業績に影響を与えることが予想されます。新型コロナウイルス感染症の当連結会計年度の業績への影響については「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)財政状態及び経営成績の状況」に、今後、当社の事業及び業績に与えうる影響の予想については「2 事業等のリスク (特に重要なリスク) (1)新型コロナウイルス感染症拡大のリスク」に記載のとおりであります。

 

(3) 中長期的な経営戦略及び優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当社グループは「人のチカラで 世界を便利に」というビジョンのもと、「深刻化する労働力不足を解決する企業」として中長期的に企業価値を最大化させたいと考えております。そのため2019年5月14日に短期的な利益追求ではなく中長期的な企業価値の向上を企図した5カ年の中期経営計画(2020年3月期~2024年3月期)を策定し、2020年3月期及び2021年3月期を先行投資期間と位置づけ、下記中期方針の3つの柱に注力してまいりました。

 

 

① 「NJSS」の継続成長化
契約総受注額の拡大と解約総額の改善に向けた営業プロセスの最適化やプロダクトのリニューアル等を行うことによって、中長期的な事業価値の向上を図る。
 ② ストックビジネスとなる新規CGS事業の創出・育成
「えんフォト」と「fondesk」を新規CGS事業の柱として、システムや人員等への投資を積極的に行うことによって、ストックビジネスとしての育成を図る。
 ③ BPOの高利益率化
営業・施工体制の見直しによる売上高向上とコスト改善を通じて、利益率の向上を図る。

 

2021年3月期までの中期経営経営計画の全社及びセグメント別の進捗及び各施策の取組状況は以下のとおりです。


① 「NJSS」の継続成長化

営業プロセスの最適化に基づく人員増強や2021年3月期上期中のリリースに向けた各種取り組みに注力しております。2021年3月期までは、主に営業プロセスの最適化やウェビナーの開催・web広告の展開などのマーケティング施策が奏功し、ARPU(有料契約一件当たりの日割り売上高)、解約率、LTV(顧客生涯価値)、ARR(年間定額収益)といった各種KPIが改善されました。

以上より、①の課題に対する取り組みについては、着実に進捗したと考えております。

② ストックビジネスとなる新規CGS事業の創出・育成

NJSSへの売上・利益依存脱却を図るため第2、第3の柱となる事業として「fondesk」と「えんフォト」を育成するための投資を積極的に実施いたしました。

「fondesk」においては、各種マーケティング施策を積極的に展開したうえ、新型コロナウイルスの影響によるリモートワークの社会浸透に伴うバックオフィス業務のDX化を支援するサービスの一つとしての認知を拡大させ、2021年3月末時点で有料契約件数が2,230件(2020年3月末比1,884件増加)となるなど当連結会計年度において大きく成長いたしました。「えんフォト」においては、新型コロナウイルス感染症の影響により2020年4月に発令された緊急事態宣言下において保育園・幼稚園の各種イベント縮小等の懸念がありましたが、ネガティブな影響が限定的に止まったうえ、日常生活の写真需要等により底堅く推移いたしました。また、そのような不透明な環境下においても2020年12月にえんフォトとのシナジー創出を目的とした出張撮影マッチングサービス「OurPhoto(アワーフォト)」を運営するOurPhoto株式会社の全株式取得による完全子会社化や冊子制作機能「フォトブック」の開発に注力するなど、サービス成長及びユーザー利便性の向上のための各種施策を着実に実施いたしました。

以上より、②の課題に対する取り組みについては、着実に進捗したと考えております。

③ BPOの高利益率化

BPO事業におきましては、アップセルの強化や徳島第一・第二センターの安定稼働により高利益率化を図った結果、当連結会計年度におけるセグメント利益率が11.3%(前連結会計年度は4.0%)となるなど、利益率を向上させることができました。その他、AI-OCRと人力をかけ合わせた新たなSaaS型データ自動化サービスである「eas(イース/Entry Automation System)」の開発に注力するなどサービス成長のための取り組みにも着手いたしました。

 以上より、③の課題に対する取り組みについては、着実に進捗したと考えております。

 

この通り、中期経営計画の2年目にあたる当連結会計年度までにおいて、着実に各種施策が進捗したうえ、当社の想定を上回る売上高成長を果たすことができました。また、今後もさらに積極的な投資を実行することにより一層の売上高成長を見込めると考えており、そのような状況の中、当社はSaaS企業としてさらなる売上高成長を目指すことが企業価値の最大化に資すると考え、売上高成長の加速化と中期経営計画5年目となる2024年3月期のEBITDA目標1,500百万円達成の両立を実現するため、2022年3月期においてもさらに成長投資を加速させることといたしました。あわせまして中期経営計画において掲げた2023年3月期及び2024年3月期の業績予想についても、2021年5月14日に修正しております。新たに掲げた目標達成に向けて優先的に対処すべき事業上の課題は以下の3つであり、いずれも特に優先度の高い対処すべき事業上の課題として対処していきたいと考えております。

 

① NJSSのSaaS事業としての更なる成長

 当連結会計年度では前連結会計年度から引き続き注力した営業体制の最適化により、順調にサービスを成長させることができました。一方でNJSSをSaaS事業として更に成長させるためには、契約件数を伸ばしつつLTV(顧客生涯価値)の最大化を図る必要があり、これらを達成するために2022年度3月期においては契約件数増加トレンドの継続・チャーンレートの更なる抑制・アップセルの強化等の施策へ注力し、事業価値を向上させていきたいと考えております。

② 新規CGS事業の成長促進

 NJSS以外のCGS事業「fondesk」・「えんフォト」は、いずれも当連結会計年度において成長いたしましたが、全社的には依然としてNJSSが売上高の50%を超え、営業利益の大半を稼ぎ出す状況が続いており、当社グループが更に成長するためにはNJSSに次ぐ新たな柱となるサービスが必要であると考えております。そのため2022年3月期においては、「fondesk」におけるマーケティング施策の継続的実施や「えんフォト」におけるシステム開発・契約園数拡大・「OurPhoto」とのシナジー創出等を進めることによって、新規CGS事業の成長を図る次第です。

③ BPO事業の高利益率化の継続と新規サービス「eas」による成長加速

 一般的にBPOビジネスは設備や人員の確保に伴う固定費の発生により利益率が低くなりがちですが、当連結会計年度においてはアップセルの強化や徳島第一・第二センターの安定稼働等が進んだ結果、セグメント利益率が11.3%(前連結会計年度は4.0%)と利益率を向上させることができました。2022年3月期においても引き続き利益率の向上を図りつつ、AI-OCRと人力をかけ合わせた新たなSaaS型データ自動化サービスである「eas(Entry Automation System)」の拡販も進めていくことで、事業成長を加速させていきたいと考えております。

 

この先、労働力不足が懸念される社会において「人のチカラで 世界を便利に」というビジョンのもと、「深刻化する労働力不足を解決する企業」としてこれら各種課題に対応することで、既存サービスの成長および新規サービスの創出を図り、売上高成長を加速させて企業価値の最大化を目指していく所存であります。

 

また、当連結会計年度は各種施策に対する積極投資を着実に実施した年度となりましたが、当連結会計年度末時点において、現金および預金が約33億円、有利子負債控除後のネット・キャッシュが約32億円、自己資本比率が52.6%となっていることから、財務の健全性には懸念がなく、現時点で財務上の課題は特段ないものと考えております。

 

(4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

2021年5月14日に修正した中期経営計画における業績予想はいかのとおりです。

当社では、中期経営計画達成に資するM&A等を積極的に検討するという観点から、EBITDAを経営上の目標の達成状況を判断するための重要指標として位置付けております。

 

《2022年3月期~2024年3月期 連結業績予想値》

 

2022年3月期

2023年3月期

2024年3月期

売上高

3,900百万円

4,800百万円

5,800百万円

EBITDA

△250百万円

50百万円

1,500百万円

営業損失

△340百万円

経常損失

△340百万円

親会社株主に帰属する当期純損失

△380百万円

 

 

《(参考)当初中期経営計画 2022年3月期~2024年3月期 連結業績予想値》

 

2022年3月期

2023年3月期

2024年3月期

売上高

3,300百万円

4,800百万円

EBITDA

400百万円

1,500百万円

 

 

なお、上記の業績予想は本資料の発表日現在において入手可能な情報に基づき作成したものであり、実際の業績は今後様々な要因によって予想数値と異なる結果となる可能性があります。

 

現在、当社グループの業務は通常通り運営されておりますが、新型コロナウイルスに関連して経営環境が大幅に変化した場合など、当社グループの業績に大きな影響を及ぼす変化が更に観測された場合は、改めてお知らせいたします。

 

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

記載したリスクはいずれも事業及び業績に影響を与えうる「重要なリスク」ですが、中でも全社的に中長期的な成長のための指針として掲げている中期経営計画に関連性の高いリスクを「特に重要なリスク」として定義しております。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生する可能性のある全てのリスクを網羅するものではありません。

 

(特に重要なリスク)

(1) 新型コロナウイルス感染症拡大のリスク

前連結会計年度末にかけて発生した新型コロナウイルス感染症の拡大は、当社グループの事業及び業績に一部影響を及ぼしているうえ、今後も新たな影響が発生する可能性のあるものです。新型コロナウイルス感染症の拡大状況が長期化した場合は当社の事業及び業績への影響が拡大するうえ、事業継続体制にも影響が及ぶことが見込まれるなど、中期経営計画の進捗にも重大な影響が及ぶことが想定されますので、当社は当該リスクを「特に重要なリスク」と位置づけております。

当連結会計年度においても新型コロナウイルスの感染拡大により、当社の事業及び業績のほか、従業員の働き方に対し一部影響が及びました。各セグメントにおいて当連結会計年度において発生した影響および今後見込まれる影響は以下のとおりです。

① CGS事業 NJSS

  当連結会計年度において発生した事象

 ポジティブ:民需減少に危機感を抱く企業からの新規契約の増加
         オンライン商談の浸透による営業体制の効率化

 ネガティブ:一部業種(イベント、旅行関連等)の入札案件の停止
        一部企業の予算完全凍結に伴う解約の発生

  今後見込まれる影響

当連結会計年度においてはネガティブ・ポジティブいずれの事象も発生いたしましたが総合的には業績に大きな影響を与えるものではございませんでした。今後も当連結会計年度において発生した事象と同様の事象の発生が予想されますが、当社グループの業績に大きく影響を与えるものではないと思われます。

② CGS事業 fondesk

  当連結会計年度において発生した事象

 ポジティブ:企業のテレワークの普及に伴う有料契約件数の急増

  今後見込まれる影響

当連結会計年度においてはテレワークの急速な普及に伴い有料契約件数が急増いたしましたが、今後は当該急増トレンドはある程度落ち着くものと思われます。

 

③ CGS事業 フォト

  当連結会計年度において発生した事象

ネガティブ:保育園・幼稚園の休園及び登園自粛ならびに運動会等のイベント開催中止・縮小による写真撮影シーン減少

今後見込まれる影響

当連結会計年度においては緊急事態宣言下において写真撮影シーン減少に伴いえんフォトの売上減少が見込まれましたが、日常写真の需要が底堅く、ネガティブな影響は限定的に止まりました。また、2020年12月に完全子会社化したOurPhoto株式会社にて運営する出張撮影マッチングサービス「OurPhoto」においては、撮影場所を選ばずに撮影ができ、3密を避けた写真撮影が可能であるため今後の成長を阻害するものではないと思われます。

 

 

  ④ BPO事業

  当連結会計年度において発生した事象

   ポジティブ:リモートワークの普及に因る紙文書の電子化需要の増加  

   ネガティブ:イベント関連案件の問い合わせの減少

         受注済みの案件について、顧客の出勤停止等による施行遅延の発生

今後見込まれる影響

2020年4月の緊急事態宣言下において上記ネガティブな事象が短期的に発生いたしましたが、当連結会計年度においては紙文書の電子化需要によるポジティブな影響が売上成長に寄与いたしました。引き続き、同トレンドは継続する見込みであり中長期的に売上に寄与する見込みです。

 

また、新型コロナウイルス感染症の拡大による事業停止のリスクを避けるため、当社では従業員の働き方について2020年6月1日より、雇用形態によらず、テレワークを積極推奨しております。なお、現在にいたるまで全ての事業について業務を継続しております。

 

(2) 中期経営計画(2020年3月期~2024年3月期)における投資の進捗停滞のリスク

当社グループが掲げている中期経営計画では、「短期的な利益追求ではなく積極的に投資を実行し、さらなる成長と中長期的な企業価値の向上を図る」という方針を掲げております。したがって、投資の進捗が停滞すると中期経営計画の進捗に重大な影響が及ぶことが想定されますので、当社は当該リスクを「特に重要なリスク」と位置づけております。

当該リスクは、予期せぬ経済環境の変化等によるシステム投資や人件費、業務委託費等の追加的な支出の発生やその他予期せぬ制約の発生に伴って顕在化するものであり、顕在化した場合は、追加投資のための費用の増加や事業成長の鈍化に伴う売上高や利益成長の鈍化といった重大な業績への影響が発生することが予想されますが、顕在化の可能性や発生時期については、現段階で合理的に見積もることは困難だと考えております。

当社では、当該リスクの顕在化を未然に防ぐために、実行可能な投資計画を立案し、且つ各種投資に必要と想定される予算を確保するなどしているところですが、万が一リスクが顕在化した場合は、取締役会や部長会などで迅速に意思決定を行ったうえ必要な対応策を適宜実施していく次第です。

 

(3) 入札情報の様式・データ形式等の統一によるNJSSの独自性・優位性の希薄化のリスク

当社は、中期経営計画の柱となる施策の一つとして「NJSSの継続成長化」を掲げております。当該リスクが顕在化し、NJSSの独自性・優位性が希薄化した場合、中期経営計画の進捗に重大な影響が及ぶことが想定されますので、当社は当該リスクを「特に重要なリスク」と位置づけております。

現在、入札情報は入札実施機関ごとに様式・データ形式等が統一されておらず、独力での収集が困難である中、当社では数百名のクラウドワーカーが約7,700もの入札実施機関から人力で入札情報を収集しデータベース化できていることに「NJSS」の独自性・優位性がある状況です。当社としては約7,700もの入札実施機関の様式・データ形式等を統一するために必要となる労力・コスト・時間等を勘案すると当該リスクが顕在化する可能性は現時点では低いものと考えております。

しかしながら、万が一、当該リスクが顕在化した場合は、NJSSが誇る独自性・優位性の希薄化から顧客の他サービスへの流出による有料契約件数の減少並びに売上高や利益成長の鈍化といった重大な業績への影響が発生することが予想されます。

当該リスクへの対応策として、デジタル庁設立の動きなど当該リスクに関係する可能性のある行政機関の動向等を適宜チェックしておりますが、足元では喫緊に対処が必要な情報は見受けられない状況です。今後もチェックを継続し、アクションが必要な事態が発生した場合、迅速に対応できるよう体制を整備していく次第です。

 

 

(4) コンプライアンスに関するリスク

当社はコンプライアンス重視の意識の強化とその定着を全社的に推進しております。当該意識が薄れると、重大な法令違反や不祥事件等が発生する懸念が高まるなど、会社の存続可否にも重大な影響を与えかねない可能性がありますので、当社は当該リスクを「特に重要なリスク」と位置づけております。

万が一、当該リスクが顕在化した際の具体的な影響として、当社グループ全体の社会的信用やブランドイメージの低下をはじめ、発生した損害に対する賠償金の支払い等の費用の発生に基づく重大な業績への影響等が発生する懸念がありますが、一方でコンプライアンス上のリスクを完全に回避することは極めて困難であると考えております。

当該リスクの顕在化を未然に防止するため、当社では全役員・社員への教育啓発活動を随時実施するなどし、企業倫理の向上及び法令遵守の強化等、強固なコンプライアンス推進体制を構築していけるよう努めている次第です。

 

(重要なリスク)

(1) 競合他社の台頭のリスク

現在、国内でクラウドソーシング・サービスを展開する競合企業は複数存在しており、他社の成長によって弊社の市場における独自性・優位性が希薄化した場合、当社の事業及び業績へ重大な影響を与えることが予想されることから当社は当該リスクを「重要なリスク」と位置づけております。

しかしながら、当社グループは、クラウドソーシング・サービスのみならず、そのワーカーをリソースとするCGS事業、そして企業のアウトソーシング・ニーズの受け皿となるBPO事業を展開しており、それらの相互のシナジーによって市場での独自性・優位性を築いていると考えております。BPO事業を通して世の中のニーズをキャッチし、キャッチしたニーズへ応えるためのCGS事業をBPO事業を通じて長年培ったワーカーへのディレクションノウハウをフル活用しつつ効率的に運営していくといった各セグメント間のシナジーを土台にした経営体制は当社の強みであり、一朝一夕で模倣されるスキームではないと考えております。

万が一、当該リスクが顕在化した場合は、市場での当社の価値の希薄化により顧客の他社への流出による売上高や利益の減少等の重大な業績への影響が発生することが懸念されますが、上記のスキームのもと、新たなCGS事業を継続的に生み出すことにより、当社の市場における独自性・優位性を更に強固なものにしていくことで、当該リスクの顕在化に対する未然防止を図っていく次第です。

 

(2) 法規制強化による既存事業への法的制約の発生や新規分野への事業展開に際する新たな法的制約の発生のリスク

現在、日本国内においてインターネットに関連する主要な法規制は電気通信事業法等があり、また、BPO事業に関連する法規制としてe-文書法等があります。当社はこれら法規制を厳格に遵守する体制を整備しているところですが、今後、法規制が強化された場合やCGS事業において新規領域へ進出する場合は、常に様々な法規制・法改正に注意を払い適切に対応することが求められることから当社は当該リスクを「重要なリスク」と位置づけております。

法規制強化については、現時点で合理的に顕在化の時期を見積もることできるものはないと考えておりますが、常に世間の動向をチェックしつつ、必要がある都度、適切に対応して参ります。新規領域へ進出する際の新たな法的制約発生のリスクについて、現時点では具体的な時期を名言できる材料となるような新規CGS事業の展開は検討されておりませんが、新規CGS事業の創出時期については特定の期間を定めているわけではございませんので、場合によっては当該リスクは2022年3月期中にも顕在化する可能性のあるリスクだと考えております。

法的制約が新たに発生した場合は、対応にかかる費用の発生や法違反が生じた場合の信用低下といった影響が及ぶことが予想されますが、そのようなリスクの顕在化を防ぐためにも当社では担当部署を中心に適宜外部の専門家を活用しながら、厳格な法令遵守体制を構築しております。

 

 

(3) システム障害のリスク

当社グループの事業は、インターネット接続環境の安定した稼働を前提として運営されており、システム障害により安定的にサービスの提供ができない状況が発生すると、重大な影響が及ぶ懸念があることから、当社は当該リスクを「重要なリスク」と位置づけております。

当該リスクが顕在化する要因としては人為的なミスから自然災害に起因するものまで様々なものが想定されるため顕在化する時期を合理的に見積もることは困難だと考えておりますが、万が一、当該リスクが顕在化した場合に備えて当社ではバックアップ体制や強固なセキュリティの構築等に常時努めております。

 

(4) 人材成長の停滞のリスク

当社の中期経営計画においては、優秀な人材の採用のための投資を最重要項目の一つとして掲げており、同中期経営計画の2年目にあたる当連結会計年度末においては、臨時雇用者を含む従業員数が222名(前連結会計年度比30名増)と施策自体は順調に成長しているところです。一方で、今後は確保した人材の離職を抑えつつ適切に育成していくことが重要となり、仮に人材の成長が停滞した場合は、当社の成長鈍化に繋がり兼ねないことから、当社は当該リスクを「重要なリスク」と位置づけております。

当該リスクを顕在化させないために当社では定期的な従業者満足度調査と結果に基づく改善策の実施といった全社を挙げての働きやすい環境づくりやOJT・OFF-JTを織り交ぜた研修体制、各種成長支援制度の整備をしています。

 

(5) クラウド・ソーシングビジネスを展開することにかかるリスク(知的財産権侵害、風評被害、個人情報流出等)

当社はクラウド・ソーシングビジネスを展開しておりますが、同ビジネスは、不特定多数のクライアントとワーカーによる様々な案件の受発注が繰り返されるプラットフォームとなっております。

このような状況においては、ユーザー間における第三者の知的財産権侵害やユーザー間のメッセージ交換に際する風評被害、個人情報の流出、その他違法行為が発生する懸念があります。また、クラウド・ソーシングビジネスを展開するに当たり、当社はワーカーの個人情報を大量に保有していることから当社自身が保有する個人情報を流出させる懸念も拭いきれません。当該リスクが顕在化した場合は、当社の事業及び業績に重大な影響を及ぼすことが予想されることから当社は当該リスクを「重要なリスク」と位置づけております。

登録ワーカーの行動をすべて統制することは事実上不可能であり、これらリスクの顕在化を完全に排除することは困難だと考えております。これに対し当社では、各種禁止事項を定めた利用規約を制定し、当該利用規約の内容に同意したユーザーにのみ利用いただくなどの対応策を取っております。また、当社が保有する個人情報の流出リスクについては、リスクを顕在化させないために「個人情報の保護に関する法律」の適用を受けているうえ、当社において情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)認証を取得、子会社である株式会社うるるBPOにおいてISMS認証及びプライバシーマークを取得するなどの対応策を取っております。

万が一、当該リスクが顕在化した場合は、速やかに状況を整理したうえ、必要に応じて外部の専門家を活用しつつ、取締役会や部長会などで迅速に意思決定を行い、適切な対応策等を実施していく次第です。

 

(6) 国内BPO市場及び国内クラウド・ソーシング市場の縮小のリスク

当社は、クラウド・ソーシングビジネスやクラウドワーカーを活用したCGS事業並びに子会社である株式会社うるるBPOにおいて、BPO事業を展開していることから、国内クラウド・ソーシング市場や国内BPO市場が縮小した場合、当社の事業及び業績に重大な影響を与える影響があると思われることから、当社は当該リスクを「重要なリスク」と位置づけております。

しかしながら、国内クラウドソーシング市場は、矢野経済研究所が発表した「BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)市場の実態と展望 2018―2019」によると「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)経営環境」に記載のとおり今後も成長が見込まれているうえ、国内BPO市場も同じく矢野経済研究所が2018年9月に発表した「BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)市場の実態と展望 2018―2019」によると、今後も安定的な成長が見込まれるなど当該リスクが顕在化する可能性は現時点では高く無いと考えております。

 

 

(7) 株主還元にかかるリスク(配当政策、新株予約権の行使による株式価値の希薄化)

当社では、株主に対する利益還元を重要な経営課題と考えております。しかしながら、当社グループの主力事業である「NJSS」及び他のCGS事業の投資余地は大きく、積極的な成長投資を行うことで中長期的な売上高成長の加速化を見込めること並びにSaaS企業として売上高成長を加速させることが企業価値の最大化につながるという考えから現時点においては配当をしないという判断をしております。

配当開始の時期は、中期経営計画(2020年3月期~2024年3月期)達成後の2024年3月期以降を目指しており、当社グループとしては、全社一丸となって計画の達成に尽力していく所存であります。

また、当社では、当社グループ役員及び従業員等に対するインセンティブを目的として新株予約権を発行しております。これらの新株予約権が行使された場合には、保有株式の価値が希薄化する可能性があります。これらの新株予約権による潜在株式数は当連結会計年度末現在35,000株であり、発行済株式総数3,425,500株の1.02%に相当しております。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

《経営成績等の状況の概要》

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1) 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度においては、新型コロナウイルス感染症の影響による不透明な事業環境が継続いたしましたが、当社グループは、2019年5月14日開示の中期経営計画(2020年3月期~2024年3月期)で掲げた、「NJSS」の継続成長化、ストックビジネスとなる新規CGS事業の創出・育成、BPOの高利益率化、という3つの中期方針の柱に基づき、各種施策に継続的に取り組んでまいりました。

この結果、当連結会計年度における売上高は3,219,978千円(前年同期比29.8%増)、EBITDA(営業利益+減価償却費+のれん償却額(以下同様))は185,843千円(前連結会計年度は△152,410千円)、営業利益は135,327千円(前年同期は189,147千円の営業損失)、経常利益は148,271千円(前年同期は190,918千円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純利益は42,195千円(前年同期は207,368千円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。

なお、2020年5月15日に開示いたしました当初業績予想との対比は以下のとおりです。

 

当連結会計年度

(当初業績予想)

当連結会計年度

(実績)

当初上限業績

予想比

売上高

2,480~2,920百万円

3,219百万円

110.3%

EBITDA

△300~±0百万円

185百万円

-

営業利益

△340~△50百万円

135百万円

-

経常利益

△320~△30百万円

148百万円

-

親会社株主に帰属する当期純利益

△250~△30百万円

42百万円

-

 

  ※2021年3月期当初業績予想は、新型コロナウイルス感染症の影響に鑑み、レンジ開示としておりました。

 

 セグメントごとの経営成績は、次のとおりです。

なお、当連結会計年度より、「CGS事業 その他」におけるfondesk、えんフォトの重要性が増してきたことから、報告セグメントを従来の「CGS事業 NJSS」、「CGS事業 その他」、「BPO事業」及び「クラウドソーシング事業」の4区分から、「CGS事業 NJSS」、「CGS事業 fondesk」、「CGS事業 フォト」、「CGS事業 その他」「BPO事業」及び「クラウドソーシング事業」の6区分に変更しております。それに伴い、以下の前連結会計年度比較においては、前連結会計年度の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。

 

事業区分

第 20 期

(2020年3月期)

(前連結会計年度)

第 21 期

(2021年3月期)

(当連結会計年度)

前連結会計年度比増減

金額

構成比

金額

構成比

金額

増減率

CGS事業 NJSS

1,350,808

千円

54.5

1,645,410

千円

51.1

294,601

千円

21.8

CGS事業 fondesk

59,760

千円

2.4

280,213

千円

8.7

220,452

千円

368.9

CGS事業 フォト

188,684

千円

7.6

267,518

千円

8.3

78,834

千円

41.8

CGS事業 その他

9,406

千円

0.4

9,200

千円

0.3

205

千円

2.2

BPO事業

839,489

千円

33.8

986,670

千円

30.6

147,181

千円

17.5

クラウドソーシング事業

32,343

千円

1.3

30,965

千円

1.0

1,378

千円

4.3

合計

2,480,493

千円

100.0

3,219,978

千円

100.0

739,485

千円

29.8

 

 

① CGS事業 NJSS

CGS事業の主力SaaSである「NJSS」については、中期経営計画に基づき注力している営業体制の最適化により、入札・落札案件情報を閲覧できるウェブサービスの有料契約件数が2021年3月末時点で3,960社(2020年3月末比678社増加)と過去最高の契約数を更新いたしました。
 また、前連結会計年度から続き単価向上施策に取り組んだ結果、ARPU(一件当たり日割り売上高)も1,223円(前第4四半期比5%増加)と上昇いたしました。加えて、カスタマーサクセスの強化により、有料契約件数をベースにした12ヶ月平均の解約率が1.7%(同2020年3月末2.2%)と改善され、伴ってLTV(顧客生涯価値)も上昇いたしました。

また、新型コロナウイルスの影響について、一時的に一部業種(イベント、旅行関連等)の入札案件の停止及び一部企業の予算凍結に伴う解約が発生する一方、リモートワークの普及に伴うオンライン商談の浸透により営業効率が上がる等の影響がありましたが、総合的には、当連結会計年度における経営成績に対して大きく影響を与えるものではありませんでした。
 この結果、当連結会計年度におけるCGS事業 NJSSの売上高は1,645,410千円(前連結会計年度比21.8%増)となり、セグメントEBITDAは747,861千円(前連結会計年度比74.3%増)、セグメント利益は742,833千円(前連結会計年度比74.8%増)となりました。

 

NJSS KPI

前連結会計年度

当連結会計年度

第1

四半期

第2

四半期

第3

四半期

第4

四半期

第1

四半期

第2

四半期

第3

四半期

第4

四半期

有料契約件数

2,962

2,999

3,148

3,282

3,395

3,571

3,749

3,960

ARPU (円)

1,170

1,169

1,152

1,167

1,188

1,207

1,221

1,223

解約率(%)

2.5

2.3

2.1

2.2

2.0

2.0

1.9

1.7

LTV(千円)

1,277

1,402

1,513

1,448

1,621

1,665

1,773

1,943

ARR(百万円)

1,261

1,290

1,334

1,394

1,467

1,585

1,684

1,744

 

(注) 1.ARPU:有料契約一件当たりの日割り売上高。

     2.解約率:前月末有料契約件数に対する当月解約件数の割合上表は12か月平均の数値。

     3.LTV:「顧客生涯価値」。ARPU×1/解約率×粗利率90%で算出。

     4.ARR:「年間定額収益」。各四半期サブスクリプション売上高に4を乗じて算出。

 

② CGS事業 fondesk

CGS事業におけるSaaSである「fondesk」は、新型コロナウイルスの影響によりリモートワークの社会浸透に伴いバックオフィス業務のDX化を支援するサービスの一つとしての認知を拡大させ、2021年3月末時点で有料契約件数が2,230件(2020年3月末比1,884件増加)となるなど当連結会計年度において大きく成長いたしました。一方で、マーケティング施策の実施等により、コストが増加いたしました。

また、新型コロナウイルスの影響について、各企業の急速なリモートワークの導入を背景に有料契約件数が急増し、当連結会計年度における売上に寄与いたしました。足元では急増トレンドは落ち着きを見せていますが、足元ではバックオフィス業務のDX化を支援するサービスの一つとしての認知を拡大させており、需要は底堅く推移しております。

この結果、当連結会計年度におけるCGS事業 fondeskの売上高は280,213千円(前連結会計年度比368.9%増)となり、セグメントEBITDAは△57,856千円(前連結会計年度は△77,222千円)、セグメント損失は58,258千円(前連結会計年度は77,673千円の損失)となりました。

 

fondesk KPI

前連結会計年度

当連結会計年度

第1

四半期

第2

四半期

第3

四半期

第4

四半期

第1

四半期

第2

四半期

第3

四半期

第4

四半期

有料契約件数

64

118

168

346

1,017

1,540

1,897

2,230

 

 

 

③ CGS事業 フォト

CGS事業におけるSaaSである「えんフォト」は、新型コロナウイルス感染症の影響により2020年4月に発令された緊急事態宣言下において保育園・幼稚園の各種イベント縮小等の懸念がありましたが、ネガティブな影響が限定的に止まった上、日常生活の写真需要等により底堅く推移いたしました。また、そのような不透明な環境下においても2020年12月にえんフォトとのシナジー創出を目的とした出張撮影マッチングサービス「OurPhoto(アワーフォト)」を運営するOurPhoto株式会社の全株式取得による完全子会社化や「フォトブック」制作機能の開発に注力するなど、サービス成長及びユーザー利便性向上のための各種施策を着実に実施いたしました。

また、新型コロナウイルスの影響について、保育園・幼稚園の休園や登園自粛要請による写真撮影シーンの減少が売り上げにネガティブな影響を与えることが想定されましたが、一方で日常写真などの需要が底堅く、経営成績に大きな影響を与えるものではございませんでした。
 この結果、当連結会計年度におけるCGS事業 フォトの売上高は267,518千円(前連結会計年度比41.8%増)となり、セグメントEBITDAは△105,824千円(前連結会計年度は△42,824千円)、セグメント損失は114,508千円(前連結会計年度は43,864千円の損失)となりました。

 

フォト KPI

前連結会計年度

当連結会計年度

第1

四半期

第2

四半期

第3

四半期

第4

四半期

第1

四半期

第2

四半期

第3

四半期

第4

四半期

えんフォト契約園数

2,034

2,099

2,167

2,477

2,547

2,639

2,717

2,922

 

 

④ BPO事業

BPO事業におきましては、2020年4月に緊急事態宣言下において受注済み案件の延期/失注や問い合わせ数の減少などが発生いたしましたが、その後は改善の傾向が継続し、リモートワークの浸透を背景とする紙の電子化需要の増加により引き合いが好調に推移いたしました。また、中期経営計画で掲げた「BPOの高利益率化」については、アップセルの強化や徳島第一・第二センターの安定稼働等が進んだ結果、当連結会計年度におけるセグメント利益率が11.3%(前連結会計年度は4.0%)となるなど、利益率を向上させることができました。加えて、AI-OCRと人力をかけ合わせた新たなSaaS型データ自動化サービスである「eas(イース/Entry Automation System)」の開発に注力いたしました。

また、新型コロナウイルスの影響について、2020年4月に緊急事態宣言下において受注済み案件の延期/失注や問い合わせ数の減少などが発生いたしましたが、その後は改善の傾向が継続し、リモートワークの浸透を背景とする紙の電子化需要の増加により引き合いが好調に推移いたしました。紙の電子化ニーズは中長期的に継続することが見込まれ、同トレンドは売上にポジティブな影響を与えることが予想されます。

この結果、当連結会計年度におけるBPO事業の売上高は986,670千円(前連結会計年度比17.5%増)となり、セグメントEBITDAは138,495千円(前連結会計年度比149.7%)、セグメント利益は111,837千円(前連結会計年度比235.6%増)となりました。

 

⑤ クラウドソーシング事業

クラウドソーシング事業におきましては、「シュフティ」に登録されているクラウドワーカー数は2021年3月末時点で約48万人となっておりますが、CGS事業にリソースを供給するためのプラットフォームとして、ユーザー利便性向上のためのサービス改修や安定的運営のためのカスタマーサポート改善に継続的に取り組んでおります。一方で、全社的なリソース最適化の観点から所属人員の他部署への異動等も行いました。

この結果、当連結会計年度におけるクラウドソーシング事業の売上高は30,965千円(前連結会計年度比4.3%減)となり、セグメントEBITDAは△69,789千円(前連結会計年度は△130,058千円)、セグメント損失は70,655千円(前連結会計年度は131,003千円の損失)となりました。

 

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ426,808千円増加し、3,291,810千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

 

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減率

営業活動によるキャッシュ・フロー

△52,098千円

701,834千円

投資活動によるキャッシュ・フロー

△81,311千円

△196,432千円

財務活動によるキャッシュ・フロー

△42,275千円

△78,593千円

 

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは701,834千円の収入(前連結会計年度は52,098千円の支出)となりました。この主な要因は、税金等調整前当期純利益148,271千円の計上減価償却費43,410千円の計上のれん償却額7,106千円の計上前受金の増加額282,268千円であります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは196,432千円の支出(前連結会計年度は81,311千円の支出)となりました。この主な要因は、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出163,611千円であります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは78,593千円の支出(前連結会計年度は42,275千円の支出)となりました。この主な要因は、長期借入金の返済による支出79,606千円新株予約権の行使による株式の発行による収入2,485千円であります。

 

 

(3) 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績

当社グループは生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。

 

b.受注状況

BPO事業において受注が発生するものの、受注から納品までの期間が短く見込納品額は変動するケースがあるため、受注額の掲載を省略しております。

 

c.販売実績

最近2連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

(単位:千円)

セグメントの名称

前連結会計年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

当連結会計年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

CGS事業 NJSS

1,350,808

1,645,410

CGS事業 fondesk

59,760

280,213

CGS事業 フォト

188,684

267,518

CGS事業 その他

9,406

9,200

BPO事業

839,489

986,670

クラウドソーシング事業

32,343

30,965

報告セグメント計

2,480,493

3,219,978

合計

2,480,493

3,219,978

 

(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.最近2連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績に対する割合が10%以上の販売先がないため、省略しております。

4.当連結会計年度より、「CGS事業 その他」におけるfondesk、えんフォトの重要性が増してきたことから、報告セグメントを従来の「CGS事業 NJSS」、「CGS事業 その他」、「BPO事業」及び「クラウドソーシング事業」の4区分から、「CGS事業 NJSS」、「CGS事業 fondesk」、「CGS事業 フォト」、「CGS事業 その他」「BPO事業」及び「クラウドソーシング事業」の6区分に変更しております。それに伴い、上記の前連結会計年度比較においては、前連結会計年度の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。

 

《経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容》

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1) 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

(財政状態及び経営成績等)

「《経営成績等の状況の概要》 (1) 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 

 

(経営成績等に重要な影響を与える要因)

当社グループのCGS事業は、いずれもストック型・サブスクリプション型のビジネスモデルであるため、その契約顧客数及び一顧客当たりの総契約額が経営成績等に重要な影響を与えます。

CGS事業の主力サービスである「NJSS」においては、営業体制とプロダクトが抱える課題によって成長が鈍化してきていたという認識があります。具体的には、営業体制に関しては、組織構造及び重視するKPI等が適切ではなかったことにより各社内部門が部分最適に陥っておりました。また、プロダクトに関しては、抜本的システム改修がなされていなかったことにより顧客利便性が不十分となっておりました。これらの課題を解決できるか否かが、契約顧客数及び一顧客当たりの総契約額に影響を与えます。

BPO事業においては、一般的に利益率が低くなりがちな市場環境において事業を展開しているという課題があります。したがって、利益率の維持・向上に向けた取り組みを一層行っていくことが重要であるという認識があります。

クラウドソーシング事業については、CGS事業のためのプラットフォームとしての位置付けであり、当面横ばいの業績を見込んでいることから経営成績等への重要な影響を与える要因はないという認識であります。

 

その他の経営成績等に重要な影響を与える要因につきましては、「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

(2) キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

(キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容)

キャッシュ・フローの状況は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2) キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

当連結会計年度においては、税金等調整前当期純利益を148,271千円計上したうえ、NJSSの有料契約件数及び契約期間伸長による前受金の増加額282,268千円が営業活動によるキャッシュ・フローに好影響を与えた結果、必要な設備投資(有形固定資産の取得)や長期借入金の返済を行っても尚、現金及び現金同等物は426,808千円増加いたしました。

 

(資本の財源及び資金の流動性に係る情報)

当社グループは、2017年3月の東証マザーズ上場時に第三者割当増資によって約13億円の資金調達を行いました。また、主力事業であるNJSSにおいて、原則として契約金額全額を顧客から前払いで受領していることにより、契約が増加すればするほど貸借対照表上の前受金が増加していくため、正常運転資金は基本的に発生しない財務構造となっております。

これらの要因により、当連結会計年度末時点において、現金および預金が約33億円、有利子負債控除後のネット・キャッシュも約32億円あるなど、新型コロナウイルスの影響で多くの企業において資金繰りが懸念されるなかで、当社の資金の流動性は当面十分であると考えております。

今後、上記資金は、中期経営計画(2020年3月期~2024年3月期)に掲げる各種投資(人材採用・システム開発・広告宣伝等)やM&Aに積極的に投下してまいります。

 

(3) 重要な会計方針及び見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択、適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りとは異なる場合があります。

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

なお、連結財務諸表の作成のための重要な会計基準等は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成の基本となる重要な事項)」に、新型コロナウイルス感染症の今後の広がり方や収束時期等を含む仮定に関する情報は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

該当事項はありません。