第一部 【企業情報】

 

第1 【企業の概況】

 

1 【主要な経営指標等の推移】

(1) 連結経営指標等

 

回次

第21期

第22期

第23期

第24期

第25期

決算年月

2021年3月

2022年3月

2023年3月

2024年3月

2025年3月

売上高

(千円)

3,219,978

4,029,292

4,862,379

5,937,912

6,701,255

経常利益又は
経常損失(△)

(千円)

148,271

251,790

5,976

1,289,005

761,983

親会社株主に帰属する
当期純利益又は
親会社株主に帰属する
当期純損失(△)

(千円)

42,195

64,401

45,507

720,109

458,072

包括利益

(千円)

44,324

64,060

45,800

720,855

458,521

純資産額

(千円)

2,208,439

2,128,385

2,088,827

2,811,870

3,028,073

総資産額

(千円)

4,198,444

4,338,488

4,621,583

6,051,359

6,240,779

1株当たり純資産額

(円)

322.36

308.12

301.98

406.37

437.62

1株当たり当期純利益
又は1株当たり
当期純損失(△)

(円)

6.17

9.37

6.58

104.11

66.20

潜在株式調整後
1株当たり当期純利益

(円)

6.10

自己資本比率

(%)

52.6

49.1

45.2

46.5

48.5

自己資本利益率

(%)

1.9

29.4

15.7

株価収益率

(倍)

317.87

15.71

25.17

営業活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

701,834

30,696

328,863

1,474,943

651,913

投資活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

196,432

416,772

695,046

441,288

553,082

財務活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

78,593

39,205

42,849

160,107

283,597

現金及び現金同等物の
期末残高

(千円)

3,291,810

2,805,136

2,396,104

3,589,867

3,405,101

従業員数

(人)

145

183

201

211

268

(外、平均臨時
雇用者数)

(77)

(118)

(137)

(146)

(192)

 

(注) 1.第22期及び第23期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式は存在するものの、1株当たり当期純損失であったため、記載しておりません。

2.第24期及び第25期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。

3.第22期及び第23期は親会社株主に帰属する当期純損失を計上しているため、自己資本利益率については記載しておりません。

4.第22期及び第23期の株価収益率については、親会社株主に帰属する当期純損失であるため、記載しておりません。

5.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第22期の期首から適用しており、第22期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。

6.当社は、2021年10月1日付で普通株式1株につき2株の割合をもって株式分割を行っております。 第21期の期首に当該株式分割が行われたと仮定し、「1株当たり純資産額」「1株当たり当期純利益又は1株当たり当期純損失」及び「潜在株式調整後1株当たり当期純利益」を算定しております。

 

 

(2) 提出会社の経営指標等

 

回次

第21期

第22期

第23期

第24期

第25期

決算年月

2021年3月

2022年3月

2023年3月

2024年3月

2025年3月

売上高

(千円)

2,222,387

2,857,535

3,536,310

4,274,061

4,868,241

経常利益又は
経常損失(△)

(千円)

80,874

141,255

108,983

1,186,698

641,934

当期純利益

(千円)

23,087

61,058

75,375

278,349

342,590

資本金

(千円)

1,031,168

1,033,456

1,036,616

1,037,746

1,037,746

発行済株式総数

(株)

3,425,500

6,908,000

6,917,400

6,925,400

6,925,400

純資産額

(千円)

1,958,206

2,023,839

2,105,456

2,386,741

2,487,542

総資産額

(千円)

3,617,900

3,982,409

4,302,618

5,286,083

5,409,839

1株当たり純資産額

(円)

285.84

292.98

304.38

344.93

359.50

1株当たり配当額

(円)

35.00

10.00

(うち1株当たり
中間配当額)

(-)

(-)

(-)

(-)

(-)

1株当たり当期純利益

(円)

3.37

8.88

10.90

40.24

49.51

潜在株式調整後
1株当たり当期純利益

(円)

3.34

8.83

10.89

自己資本比率

(%)

54.1

50.8

48.9

45.2

46.0

自己資本利益率

(%)

1.2

3.1

3.7

12.4

14.1

株価収益率

(倍)

580.93

155.08

182.08

40.65

33.65

配当性向

(%)

87.0

20.2

従業員数

(人)

115

148

160

169

221

(外、平均臨時
雇用者数)

(17)

(31)

(35)

(30)

(30)

株主総利回り

(%)

343.9

241.6

348.2

287.0

298.4

(比較指標:
配当込みTOPIX)

(%)

(142.1)

(145.0)

(153.4)

(216.8)

(214.9)

最高株価

(円)

3,920

2,189

(4,700)

2,215

2,443

1,733

最低株価

(円)

1,105

1,231

(2,900)

857

1,485

1,008

 

(注) 1.第24期及び第25期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。

2.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第22期の期首から適用しており、第22期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。

3.当社は、2021年10月1日付で普通株式1株につき2株の割合をもって株式分割を行っております。 第21期の期首に当該株式分割が行われたと仮定し、「1株当たり純資産額」「1株当たり当期純利益又は1株当たり当期純損失」及び「潜在株式調整後1株当たり当期純利益」を算定しております。

4.最高株価及び最低株価は、2022年4月4日以降は東京証券取引所グロース市場による株価、それ以前は東京証券取引所マザーズ市場による株価です。なお、2022年3月期株価については株式分割後の最高株価及び最低株価を記載しており、括弧内に株式分割による権利落前の最高株価及び最低株価を記載しております。

5.第25期(2025年3月)の1株当たり配当額10.00円のうち、期末配当額10円00銭については、2025年6月26日開催予定の定時株主総会の決議事項になっております。

 

2 【沿革】

当社は、現代表取締役社長である星知也が2006年1月まで在籍していたシーズングローバルワークス株式会社のオーナーが所有し、当時は休眠会社であった株式会社リナックスの商号を株式会社うるるに変更の上、シーズングローバルワークス株式会社の一事業であったデータ入力サービスを中心とするBPO業務を引き継ぐことによって創業された会社です。

設立後の事業の推移等の沿革は、以下のとおりです。

 

年月

概要

2001年8月

北海道札幌市中央区にてコンピュータソフトウェアの開発、制作及び販売を目的として株式会社リナックス設立

2003年10月

株式会社リナックスの商号を株式会社うるるへ商号変更、星知也が代表取締役に就任

2003年11月

BPOデータ入力サービスの営業を開始

2004年5月

東京都中央区勝どきに東京事務所を開設

2005年11月

本社を東京都中央区勝どきへ移転

2006年1月

星知也が当社株式に係る株式譲渡契約を締結し、実質的に当社の経営権を譲受

2006年4月

BPOスキャニングサービスの営業を開始

2007年2月

クラウドソーシング・サービス「シュフティ(shufti)」をリリース

2008年4月

プライバシーマークの付与認定

2008年9月

入札情報速報サービス「NJSS(エヌジェス)」をリリース

2011年8月

有料職業紹介事業許可取得

2012年7月

特定労働者派遣事業許可取得

2013年3月

ISO27001認証取得

2013年5月

インドネシアに子会社として、PT. ULURU BALIを設立

2014年10月

新設分割により100%子会社である株式会社うるるBPOを設立

2014年10月

幼稚園・保育園向け写真販売システム「園ナビフォト」(現:「えんフォト」)をリリース

2014年10月

手書きに対応したタブレット・フォーム・システム「カミメージ(KAMIMAGE)」をリリース

2014年12月

本社を東京都中央区晴海へ移転

2017年3月

東京証券取引所マザーズに株式を上場

2017年5月

クラウドワーカーを活用したコール代行サービス「フレックスコール」をリリース

2019年2月

「フレックスコール」をリニューアルした「fondesk」をリリース

2019年4月

株式会社うるるBPOにて、徳島県小松島市にスキャンセンターを新規設立

2020年4月

株式会社うるるBPOにて、徳島県小松島市に第二のスキャンセンター「徳島第二センター」を設立

2020年10月

PT. ULURU BALIを清算

2020年12月

OurPhoto株式会社の株式を100%取得し完全子会社化

2021年6月

株式会社うるるBPOにて、SaaS型データ自動化サービス「eas」をリリース

2022年4月

東京証券取引所の市場区分の見直しによりマザーズ市場からグロース市場へ移行

2023年1月

株式会社ブレインフィードの株式を100%取得し完全子会社化

2023年2月

株式会社うるるBPOにて、徳島県小松島市に第三のスキャンセンター「徳島第三センター」を設立

2023年3月

株式会社うるるBPOにて、大分県大分市にSaaSの裏側を人力でサポートする業務において複雑かつ高難度な対応をメインとした業務の受け入れ拠点として、「大分センター」を新規設立

2024年10月

株式会社うるるBPOにて、スキャンセンターのキャパシティ拡大を目的に渋谷地下街株式会社より、「徳島つるぎ町事業所」を譲受

2025年4月

完全子会社であるOurPhoto株式会社を吸収合併

2025年4月

完全子会社である株式会社ブレインフィードを吸収合併

 

 

 

3 【事業の内容】

1.当社グループについて

当社グループは「労働力不足を解決し 人と企業を豊かに」というコーポレートビジョンのもと、「労働力不足解決のリーディングカンパニー」を目指し、様々な領域において労働力の代替ソリューションとなる事業をSaaSを中心に複数展開し、上記社会課題の解決に向き合ってまいりました。

当社グループは、「在宅ワークのスタンダード化」を目指して2003年11月に企業のアウトソーシング・ニーズの受け皿となるBPO(Business Process Outsourcing)((注)1.)事業を開始いたしました。その後、受託する業務量の増加に伴うニーズの多様化を受け、より効率的に運営を行うことを目的として当社グループを経由せずに案件をマッチングさせる体制を整えるため、2007年2月にクライアントと主に主婦のクラウドワーカー((注)2.)の業務受発注のマッチングサービスであるクラウドソーシング事業として「シュフティ」を開始。さらに、BPO事業で培われたノウハウやクラウドソーシング事業が持つリソースをかけ合わせることで、当社グループ自身がクラウドワーカーを活用して新たなサービスを創出するCGS(Crowd Generated Service)((注)3.)事業として、現在も売上高及び利益の大半を占める主力サービスである官公庁等の入札情報を提供する入札情報速報サービス「NJSS(エヌジェス)」を2008年9月に開始いたしました。その後、2014年10月に幼稚園・保育園向けの写真販売管理システム「えんフォト」、2019年2月にクラウドワーカーを活用した電話受付代行サービス「fondesk」を開始。また2020年12月にはえんフォトとのシナジー創出を目的に出張撮影マッチングサービス「OurPhoto(アワーフォト)」を運営するOurPhoto株式会社の全株式を、2023年1月にはNJSSとの連携を目的に入札情報検索サービス「nSearch」を運営する株式会社ブレインフィードの全株式をそれぞれ取得して完全子会社化した後、グループ経営の更なる効率化のため、2025年4月1日を効力発生日として、OurPhoto株式会社、株式会社ブレインフィードの両社を吸収合併し、現在の事業構成へと至っています。「NJSS」・「fondesk」・「えんフォト」はいずれもSaaS(Software as a Service)であり、現在ではSaaS事業が当社グループの成長の基盤となっております。

CGS事業では、「シュフティ」を活用することで、これまで機械やソフトウェアのみを活用してきた作業にクラウドワーカーによる人力作業を付加し、システムのみでは提供できない付加価値を有したサービスを創出・提供しております。例えば、「NJSS」においては、システムクローラー((注)4.)だけでは情報の収集が難しいスキャニングされたPDFデータ等の入札・落札情報について、クラウドソーシング・プラットフォーム「シュフティ」のクラウドワーカーを活用して情報を収集することで網羅性のあるデータベースの提供を図っております。

当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社及び連結子会社1社で構成されており、セグメントはCGS事業 NJSS、CGS事業 fondesk、CGS事業 フォト、CGS事業 その他、当社の100%子会社である株式会社うるるBPOにて運営するBPO事業及びクラウドソーシング事業の6つとしております。

(注) 1.BPO(Business Process Outsourcing)とは、企業運営上の業務やビジネスプロセスを専門企業に外部委託することを指します。

(注) 2.クラウドワーカー(Crowd Worker)とは、クラウドソーシング・プラットフォームに登録し、クラウドソーシング・プラットフォームを介して仕事の受注・遂行・納品等を行うワーカー(働き手)のことを指します。

(注) 3.CGS(Crowd Generated Service)とは、クラウドソーシング・プラットフォームに登録するクラウドワーカーの労働力を活用して生み出されたサービスを指します。

(注) 4.システムクローラー(System Crawler)とは、ウェブ上の文書や画像などを周期的に取得し、自動的にデータベース化するプログラムを指します。

 

 

2.当社グループのビジネスモデルについて

当社グループでは、CGS事業、BPO事業、クラウドソーシング事業の3つの事業を運営することで、「深刻化する労働力不足を解決する企業」として労働力の代替ソリューションを提供しております。

CGS事業では、直接「シュフティ」のクラウドワーカーへ業務を発注し、その納品物を集約・加工することでサービスを創出し、クライアントへ提供しております。例えば、主力CGS事業である入札情報速報サービス「NJSS」では、当社がクラウドワーカーへインターネット上に公示される官公庁等の入札・落札案件情報の収集を発注し、当社が当該情報を集約して入札・落札案件情報のデータベースを構築し、クライアントへ提供しております。このデータベースは、従来型のサービスではシステムクローラーによるテキスト情報の収集が主であり、必要な情報が取得できない、または不要な情報が混ざってしまうことが多々ありましたが、「NJSS」ではクラウドワーカーが手作業で収集を行うことにより、不要な情報の除去が可能となっている他、画像情報のテキスト化が可能となり、システムクローラーのみでは作成困難なデータベースの構築を図っております。他にも、クラウドワーカーを活用した電話受付代行サービス「fondesk」においては、「シュフティ」のクラウドワーカーへ在宅での受電業務を発注することで、地代家賃等の固定費を抱えることがなくコストを抑えられ、比較的安価でクライアントに電話受付代行サービスを提供でき、保育園・幼稚園向けの写真販売管理システム「えんフォト」においては、クラウドワーカーであるフォトグラファーを園へ派遣し、写真撮影業務を発注することで全国の園に写真撮影サービスを提供しております。

BPO事業では、「シュフティ」のクラウドワーカーや国内・国外協力会社といった当社グループが有する複数のリソースを活用して、クライアントのアウトソーシング・ニーズに対して、その規模を問わず、ニーズに適合するリソースを適切に指示・管理することで、クライアントへソリューションを提供しております。

クラウドソーシング事業では、業務をアウトソーシングしたいクライアントと、在宅等で時間や場所の制約なく仕事をしたいクラウドワーカーをマッチングするサービスであるクラウドソーシング・プラットフォームである「シュフティ」を提供しております。

当社グループのビジネスモデルの特徴は、①これまで機械やソフトウェアのみを活用してきた作業にクラウドワーカーによる人力作業を付加することで、システムのみでは提供できない付加価値の創出を図るCGS事業を運営していること、②クラウドソーシング事業やBPO事業において、クライアントの相談を受けることで市場のニーズを把握し、新規CGS事業のアイディアが生まれること、③クラウドソーシングのプラットフォームを自社で保有しており、外部環境に依存せずにCGS事業を運営することができ、またクラウドワーカー活用のノウハウを蓄積し続けていること、④CGS事業、BPO事業、クラウドソーシング事業という3つの事業を有することで、収益基盤の安定化を図れることが挙げられます。

 

 

有価証券報告書提出日現在における当社グループ全体の事業系統図は、以下のとおりです。

 


 

 

3.各事業の概要

(1) CGS事業

① サービスの概要

CGS事業では、当社グループが「シュフティ」に登録するクラウドワーカーへデータ入力やデータ収集といった様々な業務を直接発注し、クラウドワーカーから納品されたデータ等を当社が集約・加工することでサービスを創出し、クライアントへ提供しております。

CGS事業で提供するサービスの主な特徴は、以下のとおりです。

ⅰ.「シュフティ」には全国各地に点在する約47万人(2025年3月末時点)のクラウドワーカーが登録されているため、地域固有の業務の提供やデータの継続的な収集を行うことができる

ⅱ.在宅等の勤務により業務時間・場所に制約のないクラウドワーカーを活用することで、サービスの提供を常時行うことができる

ⅲ.クラウドワーカーを活用する際に、採用、勤務場所、設備投資等などに係る費用がかからないため、初期投資費用を抑えることができる

 

② 展開しているサービス

当社グループがCGS事業で展開している主なサービスは、以下のとおりです。

サービス名

サービス概要

入札情報速報サービス

「NJSS」

「NJSS」では、約8,800の入札実施機関から情報を収集し、入札・落札案件情報のデータベースを構築しております。

官公庁、地方自治体、その他公共機関等から各民間企業へ発注される入札案件の情報は、各ウェブサイト上で一時的にしか公示されていない場合もあるため、応札したい民間企業は全ての案件を網羅できず機会損失が発生しておりました。

入札・落札を検討する際は、多様な入札情報と過去の落札情報(前回どの企業がいくらで落札したか等の情報)の把握が、機会損失を軽減させ、落札の可能性を高めることに繋がります。

「NJSS」では、システムクローラーだけでは情報の収集が難しいスキャニングされたPDFデータ等の入札・落札情報について、クラウドソーシング・プラットフォーム「シュフティ」のクラウドワーカーを活用して情報を収集することで網羅性のあるデータベースの提供を図っております。官公庁等の入札案件の落札を目指す企業等をクライアントとし、クライアントが必要とする入札に関する情報や過去の類似案件の落札に関する情報を、ウェブサイト上でタイムリーに提供しております。

「NJSS」の集める情報のうち、落札情報は、各機関のウェブサイト等において一定期間経過後に掲載が終了し、各企業が自社でその情報を過去に遡及して収集することが困難であるため、「NJSS」が収集した落札情報は付加価値を有していると考えております。

「NJSS」はサイト利用を月額課金制とすることにより、継続的に収入を得ることのできるストック型の事業となっております。有料契約件数は7,073件(2025年3月末時点)となっております。

入札情報検索サービス

「nSearch」

「nSearch」は入札情報を収集し、検索できるサービスですが、自然言語処理や機械学習の活用により、すべての案件情報を自動収集しており、低価格でユーザーに提供しております。「NJSS」と同じ市場に属しますが、価格及び情報の網羅性においてポジショニングを異にしており、両社が一つのグループとなることで市場の最大化とシェア拡大を目指しております。有料契約件数は682件(2025年3月末時点)となっております。

クラウドワーカーを活用した電話受付代行サービス

「fondesk」

2017年5月に在宅主婦等のクラウドワーカーを活用したコールセンターサービス「フレックスコール」を開始し、2019年2月には「フレックスコール」をリニューアルした「fondesk」のサービスを開始しました。

「fondesk」は、クラウドワーカーが会社・事務所の電話受付を代行し、受電内容を各種ツールで通知するサービスで、コールセンター勤務経験や事業会社での電話対応業務経験などを有する「シュフティ」のクラウドワーカーを活用することによって、安価かつ手軽に導入できるサービスの提供を実現しています。有料契約件数は5,589件(2025年3月末時点)となっています。

 

 

サービス名

サービス概要

幼稚園・保育園向けの写真販売管理システム

「えんフォト」

 幼稚園教諭や保育士は直接的な業務の他に雑多な業務が多く、特に業務過多を理由とした保育士の定着難が慢性的な保育士不足の一因となっております。その雑多な業務の一つに保護者向けの写真の整理業務があり、当社ではそれを解決するための写真販売管理システム「えんフォト」を提供しております。

 「えんフォト」は園の保育士が撮影した写真をインターネット上のプラットフォームを通じて、写真をスムーズに販売できるシステムで、園は当該写真販売を通じて収益を得ることもできることから、園で働く人たちの待遇を改善させることにもつながると考えております。

 さらに「えんフォト」では、クラウドワーカーであるフォトグラファーを園に派遣することにより、写真撮影のサポートを行い、類似サービスとの比較優位を生み、付加価値を高めております。

 えんフォトの契約園数は、5,139園(2025年3月末時点)となっております。

出張撮影マッチングサービス

「OurPhoto」

 「OurPhoto」は思い出を写真に残したい依頼者と約2,100名(2025年4月現在)の登録フォトグラファーをマッチングさせる出張撮影マッチングサービスです。

 幼稚園・保育園向けの写真販売管理システム「えんフォト」とのシナジー創出を図りながら、撮影場所を問わずに撮影が可能であるという特性を活かしニーズを取り込むことで着実に成長を続けております。

 

 

なお、代表的なCGS事業である入札情報速報サービス「NJSS」の事業フローは、以下の図のとおりです。

 


 

 

(2) BPO事業

① サービスの概要

BPO事業は、当社100%子会社である株式会社うるるBPOが運営しております。本事業では、業務コスト削減や業務速度を早めたい、作業品質を高めたい、コア業務へ集中したい等といったアウトソーシングニーズがある企業へ株式会社うるるBPOが保有する社内施工部門である徳島センター・大分センター、「シュフティ」のクラウドワーカー、国内外の協力会社といった社内外のリソースを活用して、ソリューションを提供するサービスを展開しております。具体的にはデータ入力・スキャニング等に加え、システム開発受託、電子化総合アウトソーシング、メーリングサービス、キャンペーン事務局代行等の総合型アウトソーシング受託業務を行っております。受注後、案件の内容、規模、納期、クライアントの要望等に応じて発注先を選択しております。

このほか、AI-OCRと人力をかけ合わせたSaaS型データ自動化サービスである「eas(イース/Entry Automation System)」も展開しております。

当社グループでは2003年より、自社ウェブサイトを経由して新規・継続顧客から業務を受注し、累計約5,779社のクライアントを有しております。

 

「BPO事業」累計クライアント数の推移

(単位:社)

 

2020年3月

2021年3月

2022年3月

2023年3月

2024年3月

2025年3月

累計クライアント数

4,829

5,039

5,203

5,425

5,623

5,779

 

 

② BPO事業の特徴

BPO事業では、クライアントのニーズに対して、社内施工部門、「シュフティ」のクラウドワーカー、中国を中心とした国外協力会社及び国内協力会社といった社内外のリソースを活用して、株式会社うるるBPOがワンストップでクライアントへソリューションを提供できることが特徴となっております。

クライアントと株式会社うるるBPO及びそのリソースとの関係については、以下の図のとおりです。

 

 


 

(3) クラウドソーシング事業

① サービスの概要

クラウドソーシング事業とは、当社がインターネット上で提供するクラウドソーシング・プラットフォーム「シュフティ」で、業務を発注したいクライアントと、在宅で時間や場所の制約なく仕事をしたいクラウドワーカーをマッチングするサービスとして2007年2月にリリースいたしました。「シュフティ」に登録されているクラウドワーカー数は2025年3月末時点で約47万人となっており、CGS事業にリソースを供給するためのプラットフォームとして、ユーザー利便性向上のためのサービス改修や安定的運営のためのカスタマーサポート改善に継続的に取り組んでおります。

 

② サービスの特徴

「シュフティ」の特徴は以下のとおりです。

ⅰ.クラウドワーカーは、業務時間・場所に制約なく、仕事をし、報酬を得ることができる

ⅱ.クラウドワーカーは、仕事内容を選ぶことができ、自身のスキルを活かすことができる

ⅲ.クライアントは、業務を依頼したいときのみ、業務の発注を行うこととなるため、費用を変動費化でき、また採用等の初期投資費用を抑えられる

ⅳ.クライアントは、業務時間・場所に制約のない多数のクラウドワーカーが存在する「シュフティ」を利用するため、常時役務の提供を享受できる

「シュフティ」で登録されている業務の特徴として、「シュフティ」にアクセスできる環境さえあれば誰でも簡単にできる業務が多いことが挙げられます。パソコンやスマートフォン等でできる業務が多く登録されていることから、育児の合間や電車で移動中の時間といったすき間時間に仕事をすることが可能となります。

「シュフティ」におけるクライアントとクラウドワーカーの一連の取引フローは、以下の図のとおりです。

 


 

 

4 【関係会社の状況】

 

名称

住所

資本金

主要な事業
の内容

(注)1

議決権の所有割合又は被所有割合(%)

関係内容

(連結子会社)

 

 

 

 

 

株式会社うるるBPO

(注)2

東京都中央区

60,000千円

BPO事業

100.0

役員の兼任1名

従業員の出向

BPO業務の委託

OurPhoto株式会社

(注)3

東京都中央区

13,879千円

CGS事業

100.0

役員の兼任1名

従業員の出向

出張撮影マッチングサービス業務の委託

株式会社ブレインフィード

(注)3

東京都中央区

3,000千円

CGS事業

100.0

役員の兼任2名

NJSS開発業務の委託

nSearchカスタマーサクセス業務の受託

(その他の関係会社)

 

 

 

 

 

株式会社光通信

(注)4、5、6

東京都豊島区

54,259,410千円

電気・ガス事業、飲料事業、保険事業、金融事業、

ソリューション事業、取次販売事業

被所有
29.2
 (29.2)

 

 

(注) 1.「主要な事業の内容」欄には、セグメントの名称を記載しております。

2.株式会社うるるBPOについては、売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く。)の連結売上高に占める割合が10%を超えております。

 

主要な損益情報等

(1) 売上高

1,613,154

千円

 

(2) 経常利益

159,027

千円

 

(3) 当期純利益

106,907

千円

 

(4) 純資産額

611,005

千円

 

(5) 総資産額

959,685

千円

 

3.OurPhoto株式会社及び株式会社ブレインフィードについては、2025年4月1日付で当社を存続会社とする吸収合併を行っており、有価証券報告書提出日現在においては消滅しております。

4.有価証券報告書の提出会社であります。

5.株式会社光通信は当社の議決権を所有しておりませんが、共同保有者である株式会社UH Partners 3、光通信株式会社、株式会社UH5、株式会社エスアイエル及び株式会社UH Partners 2の親会社であることから、実質的な影響力を有していると認められるため、その他の関係会社としております。

6.議決権の所有割合の( )内は、間接所有割合であります。

 

 

5 【従業員の状況】

(1) 連結会社の状況

2025年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(人)

CGS事業 NJSS

129

(11)

CGS事業 fondesk

13

(3)

CGS事業 フォト

40

(6)

CGS事業 その他

3

(-)

BPO事業

35

(162)

クラウドソーシング事業

3

(1)

報告セグメント計

223

(183)

全社(共通)

45

(9)

合計

268

(192)

 

(注) 1.従業員数は就業人員(当社グループからグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループへの出向者を含む。)であり、臨時雇用者数(パートタイマー、人材会社からの派遣社員を含む。)は、年間の平均人員を( )内に外数で記載しております。

2.全社(共通)と記載している使用人数はIR・SR部、経営企画部、経理財務部、人事部、ブランド戦略部、IT&リスク部、技術戦略部、及び内部監査室に所属しているものです。

3.前連結会計年度末に比べ従業員が57名増加しております。主な理由は、中長期経営方針である「ULURU Sustainable Growth」のもと、人的資本投資を実施したためであります。

 

 

(2) 提出会社の状況

2025年3月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

221

(30)

34.2

3.8

6,245,996

 

 

セグメントの名称

従業員数(人)

CGS事業 NJSS

127

(11)

CGS事業 fondesk

13

(3)

CGS事業 フォト

30

(6)

CGS事業 その他

3

(-)

BPO事業

-

(-)

クラウドソーシング事業

3

(1)

報告セグメント計

176

(21)

全社(共通)

45

(9)

合計

221

(30)

 

(注) 1.従業員数は就業人員(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む。)であり、臨時雇用者数(パートタイマー、人材会社からの派遣社員を含む。)は、年間の平均人員を( )内に外数で記載しております。

2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

3.全社(共通)と記載している使用人数はIR・SR部、経営企画部、経理財務部、人事部、ブランド戦略部、IT&リスク部、技術戦略部、及び内部監査室に所属しているものです。

4.前連結会計年度末に比べ従業員が52名増加しております。主な理由は、中長期経営方針である「ULURU Sustainable Growth」のもと、人的資本投資を実施したためであります。

 

(3) 労働組合の状況

当社グループの労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。

 

(4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

① 提出会社

管理職に占める女性労働者の割合(%)

(注)1

男性労働者の育児休業等取得率(%)

(注)2

労働者の男女の賃金の差異(%)(注)1

全労働者

正規雇用労働者

パート・有期労働者

25.0

75.0

72.4

76.1

268.4

 

(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものです。

 

② 連結子会社

名称

管理職に占める女性労働者の割合(%)

(注)1、2

男性労働者の育児休業等取得率(%)

(注)3

労働者の男女の賃金の差異(%)(注)1、4

全労働者

正規雇用労働者

パート・

有期労働者

㈱うるるBPO

23.1

0

58.7

92.4

95.8

OurPhoto㈱

-

-

84.4

84.4

-

㈱ブレインフィード

-

-

-

-

-

 

(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。

2.「-」は対象となる管理職がいないことを示しております。

3.「-」は男性の育児休業取得の対象となる従業員がいないことを示しております。

4.「-」は対象となる従業員がいないこと、もしくは男性または女性のどちらかの従業員しかいないことを示しております。