第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用情勢及び所得環境に改善が見られ、緩やかに回復基調が継続しているものの、その一方で個人消費や設備投資では十分な回復には至らず、また、海外の不安定な政治動向や地政学リスクが与える影響の懸念などもあり、景気の先行きは依然として不透明な状況が続いております。

当社グループを取り巻く事業環境におきましては、一部の業種・顧客においては景況感の陰りや設備投資の抑制基調も見られる一方で、都市部における鉄道関連や観光需要を中心とした投資増加の傾向が強まるなど、まだら模様の変化を含んだ状況で推移しました。

このような状況の中、当社グループでは企業理念に「“サクセスパートナー”私たちは商環境の創造を通じて社会の繁栄に貢献します」を掲げ、中期経営計画において「SEMBA BRANDの確立を目指し、個とグループの力を結集させ、グローバルに価値を共創する成長企業となる」べく、収益の拡大と生産性の向上に努めてまいりました。

また、継続的なガバナンス強化と事業運営体制整備に努め、平成29年12月20日に当社株式は東京証券取引所市場第一部銘柄に指定されました。

その結果、当連結会計年度の営業の概況につきましては、国内外ともに商業デベロッパーによる大型商業施設の新設や改装が端境期となり関連の受注減少の影響を受ける一方で、都市部や駅関連の開発プロジェクトやそれらに出店する専門店の受注を多く獲得できたこと、また、ブライダルや学校関連等の商業以外の分野の受注拡大もあり、売上高は29,539百万円(前期比7.0%増)となりました。利益面におきましては、上記の売上構成変化により外注比率の高い施工案件が増加したことや他社との競合環境激化に伴う工事原価率の上昇、将来的な事業拡大に向けたオフィスの移転・増床などもあり、経常利益は1,471百万円(前期比14.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益991百万円(前期比9.7%減)となりました。

なお、当社グループは商環境創造事業のみの単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。

 

 (2) キャッシュ・フローの状況

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動に得られたキャッシュ・フローは1,446百万円(前連結会計年度は1,301百万円の獲得)となりました。

主な要因は、税金等調整前当期純利益が1,494百万円あったことと、売上債権の減少による資金の増加が1,134百万円あったこと、仕入債務の減少による資金の減少が546百万円あったこと、前受金の減少による資金の減少が233百万円あったこと、法人税等の支払による支出が437百万円あったこと等によります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によって得られたキャッシュ・フローは7百万円(前連結会計年度は215百万円の使用)となりました。

主な要因は、有形固定資産の取得による支出が108百万円あったこと、有形固定資産の売却による収入が75百万円あったこと、投資有価証券の売却による収入が86百万円あったこと、敷金及び保証金の差入による支出が74百万円あったこと、敷金及び保証金の回収による収入が47百万円あったこと等によります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によって使用したキャッシュ・フローは293百万円(前連結会計年度は608百万円の獲得)となりました。

主な要因は、配当金の支払による支出が255百万円あったこと等によります。

以上の結果、当連結会計年度の現金及び現金同等物の期末残高は7,719百万円1,170百万円の増加となりました。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

当社グループは、商環境創造事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載に代えて、市場分野別の受注実績並びに販売実績を記載しております。

 

(1) 生産実績

当社グループにおいては、生産実績を定義することが困難であるため、記載を省略しております。

 

(2) 受注実績

当連結会計年度における受注実績を示すと、次のとおりであります。

 

市場分野別

受注高(千円)

対前期増減率
(%)

受注残高(千円)

対前期増減率
(%)

専門店

15,322,977

18.3

2,746,205

44.2

大型店・複合商業施設

15,389,516

△1.1

2,828,560

13.2

合計

30,712,493

7.7

5,574,766

26.6

 

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績を示すと、次のとおりであります。

  

市場分野別

販売高(千円)

対前期増減率
(%)

専門店

14,480,602

22.9

大型店・複合商業施設

15,059,085

△4.9

合計

29,539,687

7.0

 

(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2.主な相手先の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

 

相手先

前連結会計年度
(自 平成28年1月1日 
  至 平成28年12月31日)

当連結会計年度
(自 平成29年1月1日 
  至 平成29年12月31日)

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

イオンリテール株式会社

2,922,098

10.58

2,785,731

9.43

 

 

3 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

   文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営の基本方針

当社グループは、「『サクセスパートナー』私たちは商環境の創造を通じて社会の繁栄に貢献します」を企業理念としております。『サクセスパートナー』とは、クライアントの繁栄を叶えていくことであり、同時に、クライアントのお客様の充実感にも応えていく存在だと認識しております。また、『サクセスパートナー』とは、短期的な利益を追求するだけではなく、つねにお客様や社会全体の未来にも眼を向けていかなければならない存在だと認識しております。クライアントやそのお客様と、夢や希望を共有することを目指し、企業価値の向上を図ってまいります。そして、当社グループは、成果をつねに問われる空間である「商環境」にこだわります。成果のあがらない空間は、単なるスペースでしかありません。商空間の創造を通じて、何もない場所にも、新しい魅力や価値を創り、人の流れを創り、そしてクライアントの繁栄を創る。それが当社グループの目指す『サクセスパートナー』としての役割です。

(2)経営戦略等

当社グループでは、企業理念実現のために、長期ビジョンと中期経営計画を定めております。

①長期ビジョン

「クリエイティブディレクターとスペシャリストにより新たな価値創造へ」を掲げ、商環境で培った企画力に磨きをかけ、顧客・業務・地域の各領域で事業機会を拡大してまいります。

②中期経営計画

SEMBA B「SEMBA BRANDの確立を目指し、個とグループの力を結集させ、グローバルに価値を共創する成長企業となる」に基づき、「ブランディング戦略」・「人財づくり戦略」・「グループ戦略」・「グローバル戦略」を推進し、当社グループ及び協力会社が一体となった納品体制の構築と施工品質の向上、海外現地法人5社(香港、台湾、シンガポール、中国、ベトナム)と連携した日系流通企業の海外展開サポートや現地生産体制の強化、人財開発と船場ブランドの構築による更なる企画力・デザイン力・施工力の強化に努めてまいります。

(3)経営環境及び対処すべき課題等

今後の見通しにつきましては、緩やかな回復基調にある企業収益や雇用情勢及び所得環境、増加が続いている観光需要等を背景に、国内における経済環境は緩やかな回復傾向が続くものと期待されます。 

当社グループを取り巻く事業環境におきましては、引き続き景気回復基調による都市部を中心とした開発投資の増大等により概ね堅調に推移することが見込まれますが、商環境の変化により一部の業種・顧客においては投資抑制も懸念され、依然として不透明な事業環境におかれることが想定されます。

当社グループの主要顧客である流通・小売業界におきましては、eコマースの発展により、単に商品を買う場所からイベントなどの体験や、出会いの交歓を体験できる場所、「商品+体験」の空間へと現実の店舗は変化していくと認識しております。また、成長拡大が見込まれるアジア市場への出店加速や、インバウンド対応への変化もみられると認識しております。小売業界以外の医療や金融、図書館など教育の分野においても、従来の画一的な施設から、多様なニーズを踏まえた複合的な施設へと変化していくものと認識しております。

当社グループにおきましては、これら「商環境の変化」こそがビジネスチャンスであり、これらのチャンスを確実に捉えることにより事業領域を拡大させ、安定的な収益拡大と利益の確保に努めてまいります。

 

4 【事業等のリスク】

 

本有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営環境について

当社グループの事業は、流通・小売業界を主要顧客とする受注事業であるため、顧客の投資動向に大きな影響を受けます。これらの顧客の投資計画は足元の販売状況により決定されるため、比較的短いサイクルにより変更される傾向にあります。また近年のインターネットによる小売市場の拡大に伴い、実店舗における販売が縮小傾向にあり、各顧客の投資回収に関する環境が厳しさを増しております。

これらを背景に、当社グループには一層の効率的なサービス提供と迅速な対応が求められておりますが、当社グループのサービスは役職員の専門性と経験ノウハウによる部分が大きく、顧客の短期的な投資計画の変更に対応しきれずに業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 法的規制について

当社グループは、事業活動を営む上で建設業法、建築基準法、宅地建物取引業法、建築士法、下請法、独占禁止法等様々な法規制の適用を受けており、その遵守を義務づけられております。

当社グループではこれらの法規制を遵守すべく、生産管理本部を中心に社内ルールやモニタリング体制の整備を図るとともに、内部統制強化の観点で内部監査室を設置するなどコンプライアンスを重視した経営を行っており、現状において当該許認可等が取消となる事由は発生しておりません。今後、これらの法規制が改廃された場合のほか、何らかの事情により法律に抵触する事態が生じた場合には、業務遂行に支障が生じ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

主要な許認可規制

関連法規制

(登録者)

許認可等の

名称

所管官庁等

許認可等の内容

有効期限

法令違反の要件及び

主な許認可取消事由

建設業法

(㈱船場)

 

特定建設業

国土交通省

内装仕上工事業

等に関する許可

国土交通大臣

(特-27)第16488号

平成28年2月26日から

平成33年2月25日まで

以後5年ごとに更新

建設業許可の取消事由は、建設業法第29条に定められております。

建築士法

(㈱船場)

一級建築士事務所登録

東京都

一級建築士事務所に関する登録

東京都知事登録

第35901号

平成29年8月15日から

平成34年8月14日まで

以後5年ごとに更新

一級建築士事務所登録の取消事由は、建築士法第26条に定められております。

大阪府

一級建築士事務所に関する登録

大阪府知事登録

(リ)第8243号

平成30年3月28日から

平成35年3月27日まで

以後5年ごとに更新

福岡県

一級建築士事務所に関する登録

福岡県知事登録

第1-12772号

平成27年3月23日から

平成32年3月22日まで

以後5年ごとに更新

屋外

広告物法

(㈱船場)

屋外広告業登録

茨城県

屋外広告業を

営むための登録

茨城県知事登録

28-(2)326

平成29年2月7日から

平成34年2月6日まで

以降5年ごとに更新

屋外広告業登録の取消事由は、屋外広告物法第25条に定められております。

千葉県

屋外広告業を

営むための登録

千葉県知事登録

第01-171365号

平成30年2月8日から

平成35年2月7日まで

以後5年ごとに更新

神奈川県

屋外広告業を

営むための登録

神奈川県知事登録

第1124号

平成30年2月13日から

平成35年2月12日まで

以降5年ごとに更新

埼玉県

屋外広告業を

営むための登録

埼玉県知事登録

埼広(02)第1380号

平成30年2月15日から

平成35年2月14日まで

以後5年ごとに更新

群馬県

屋外広告業を

営むための登録

群馬県知事登録

群広(2)第0699号

平成27年3月24日から

平成32年3月23日まで

以降5年ごとに更新

東京都

屋外広告業を

営むための登録

東京都知事登録

都広(1)第2610号

平成27年4月9日から

平成32年4月8日まで

以降5年ごとに更新

建設業法

(㈱装備)

一般建設業

国土交通省

内装仕上工事業

に関する許可

国土交通大臣

(般-28)第14239号

平成29年2月22日から

平成34年2月21日まで

以降5年ごとに更新

建設業許可の取消事由は、建設業法第29条に定められております。

 

 

 また、当社グループの主要顧客先である流通・小売業界に対する主な法的規制として、都市計画法、中心市街地活性化法、大規模小売店舗立地法があります。当社グループは、自社グループ及び顧客の事業に関連する各種法令を熟知し遵守して、要件の充足、免許の取得、必要な届出等を行い、事業の展開を図っております。

しかしながら、当該各種法令の改廃や新たな法的規制が導入された場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 品質管理・環境保全・安全衛生について

当社グループは、品質・環境・安全衛生に関する管理を重要な経営課題と位置付け、船場会を始めとする協力企業と一体となり安全大会や事業所安全衛生協力会を開催し、その体制整備と社員教育に取り組んでおります。

品質管理につきましては、現場工事の技術上の管理を主任技術者や監理技術者が担当し技術水準を確保するなど徹底した品質・工程管理に努めておりますが、万一、制作物に品質上の欠陥などが生じた場合には社会的信用が低下するほか、損害賠償責任などの発生により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

環境保全につきましては、ディスプレイ業務において店舗の改装や展示会等の撤去に伴い発生する残材等を処分する際には、産業廃棄物処理法を始めとする法令を遵守し、適正な処理を行うよう委託処理業者の管理の徹底に努めておりますが、万一、委託処理業者による不法投棄が行われた場合には、処理業者のみならず、当社グループの社会的信用が低下することにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

安全衛生につきましては、制作・施工現場における事故を防止するため、危険や有害要因の除去等、適切な管理に努めておりますが、万一、事故等が発生した場合には、社会的信用が低下することにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 人材の確保及び育成について

当社グループの業務においては、役職員の創造性が現在の高い競争力の源泉となっていると考えております。当社グループは、役職員が創造性を発揮し、活躍しやすい環境を整えながら、継続的に創造性の高い優秀な人材の確保に努めております。また、業務遂行の中で専門知識やノウハウを伝達することを通じて、役職員が様々な状況に対応できるような能力を獲得するよう教育を行っております。

当社グループとしては、引き続き、このような人事、教育制度により、優秀な人材を確保して役職員の創造力を活用するとともに、役職員、会社双方にノウハウの蓄積を図っていく方針ですが、当社グループが業容拡大に向けて優秀な人材の採用及び育成に十分対応できない場合や、何らかの理由により優秀な人材が多数流出する等発生した場合、当社グループの成長力や競争力に影響を受ける可能性があります。

 

(5)特定販売先への依存について

当社グループの事業は、主として日本の流通・小売業界における多数の取引先によって構成されており、その取引先には大手の商業施設運営会社や百貨店・量販店等が含まれます。その中で、当社グループのイオングループに対する売上割合は、当連結会計年度において、全売上高の約23%を占めております。今後、イオングループにおいて、当社グループの予想を超えた設備投資抑制が行われた場合は、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 災害による影響

当社グループでは、災害発生時に備え、役職員の安全性確保についてマニュアル制定や社内教育実施等を行うことで、可能な限り、業務運営に支障が生じないように対策を講じております。

しかしながら、当社グループ自身で回避できない地震等の天災や他所の火災の影響等が発生し、当社グループの設計・制作業務等の中断や業務遅延等の悪影響が生ずる可能性があります。そのような場合に、受注の大幅な減少やコスト増加など、当社グループの業績に重要な影響が生ずる可能性があります。

 

 

(7) 個人情報の管理について

当社グループでは、役職員、顧客及び顧客の消費者情報等の個人情報を入手・保管しており、個人情報保護規程を策定し、運用管理には可能な限り注意を払っております。

しかしながら、何らかの要因により情報が流出した場合、当該個人に対する損害賠償責任及び社会的な責任を負うこととなり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 情報管理について

当社グループは、事業活動を行う過程で、顧客や協力業者等の取引先から情報を取得し守秘義務を負うことがあり、情報セキュリティ管理規程を策定し、情報管理に細心の注意を払っております。

しかしながら、自然災害や事故等により重要な情報が消失又は漏洩した場合、当該取引先に対する損害賠償責任及び社会的な責任を負うことになり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) 海外事業展開について

当社グループは、アジア圏(香港、台湾、シンガポール、中国、ベトナム)において現地法人により事業展開を行っております。それぞれの国への進出後、経営ノウハウを蓄積し積極的に現地スタッフを雇用するなど、商慣行、法規制、雇用環境等の違いに十分配慮した事業運営を行っておりますが、何らかの事情によりこれらに大きな変更が生じた場合には、業務に重要な影響が生じ、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、我が国において、一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。この財務諸表の作成に当たり、見積りが必要な事項につきましては合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っておりますが、見積もりには不確実性が伴うため、実際の結果は、これらと異なることがあります。

 

(2) 財政状態の分析

連結財政状態

 

前連結会計年度末

当連結会計年度末

比較増減

総資産(千円)

17,914,782

17,581,515

△333,266

負債(千円)

9,488,019

8,222,005

△1,266,013

純資産(千円)

8,426,763

9,359,509

932,746

自己資本比率(%)

47.0

53.2

6.2

1株当たり純資産額(円)

857.03

950.20

93.17

有利子負債残高(千円)

50,768

23,147

△27,621

 

①  総資産

総資産は、前連結会計年度末と比較し333百万円減少し、17,581百万円となりました。これは現金及び預金の増加が1,179百万円あったこと、売上債権の減少が1,120百万円あったこと、繰延税金資産の減少が277百万円あったこと等によります。

 

②  負債

負債は、前連結会計年度末と比較し1,266百万円減少し、8,222百万円となりました。これは仕入債務の減少が537百万円あったこと、前受金の減少が228百万円あったこと、未払法人税等の減少が131百万円あったこと、退職給付に係る負債の減少が245百万円あったこと等によります。

 

③  純資産

純資産は、前連結会計年度末と比較し932百万円増加し、9,359百万円となりました。これは親会社株主に帰属する当期純利益が991百万円あったこと等によります。

 

(3) 経営成績の分析

①  連結売上高

当連結会計年度の営業の概況につきましては、国内外ともに商業デベロッパーによる大型商業施設の新設や改装が端境期となり関連の受注減少の影響を受ける一方で、都市部や駅関連の開発プロジェクトやそれらに出店する専門店の受注を多く獲得できたこと、また、ブライダルや学校関連等の商業以外の分野の受注拡大もあり、売上高は29,539百万円(前期比7.0%増)となりました。

 

②  営業利益

上記の売上構成変化により外注比率の高い施工案件が増加したことや他社との競合環境激化に伴う工事原価率の上昇、将来的な事業拡大に向けたオフィスの移転・増床などもあり、営業利益は1,422百万円(前期比17.1%減)となりました。

 

③  経常利益

営業利益と同様の理由及び営業外収益から営業外費用を差し引いた営業外損益は48百万円の収益となりました。その結果、経常利益は1,471百万円(前期比14.5%減)となりました。

 

④ 親会社株主に帰属する当期純利益

特別利益では投資有価証券売却益で72百万円、特別損失では事務所の移転損失で33百万円の計上がありました。特別利益から特別損失を差し引いた特別損益は23百万円の収益となりました。また、税金費用は、利益の減少等により106百万円減少しました。その結果、親会社株主に帰属する当期純利益は991百万円(前期比9.7%減)となりました。

 

(4) キャッシュ・フローの状況の分析

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動に得られたキャッシュ・フローは1,446百万円(前連結会計年度は1,301百万円の獲得)となりました。

主な要因は、税金等調整前当期純利益が1,494百万円あったことと、売上債権の減少による資金の増加が1,134百万円あったこと、仕入債務の減少による資金の減少が546百万円あったこと、前受金の減少による資金の減少が233百万円あったこと、法人税等の支払による支出が437百万円あったこと等によります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によって得られたキャッシュ・フローは7百万円(前連結会計年度は215百万円の使用)となりました。

主な要因は、有形固定資産の取得による支出が108百万円あったこと、有形固定資産の売却による収入が75百万円あったこと、投資有価証券の売却による収入が86百万円あったこと、敷金及び保証金の差入による支出が74百万円あったこと、敷金及び保証金の回収による収入が47百万円あったこと等によります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によって使用したキャッシュ・フローは293百万円(前連結会計年度は608百万円の獲得)となりました。

主な要因は、配当金の支払による支出が255百万円あったこと等によります。

以上の結果、当連結会計年度の現金及び現金同等物の期末残高は7,719百万円1,170百万円の増加となりました。

 

(5) 経営成績に重要な影響を与える要因

当社グループは、「第2 事業の状況 4 事業等のリスク」に記載のとおり、市場動向、競合他社、品質管理、人材の確保・育成等様々なリスク要因が当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。

そのため、当社グループは各種会議体、報告資料、組織等の体制を構築して、上記リスクの影響を継続的に評価しながら、営業施策、人材育成、安全管理等へ適時に反映していくことにより、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散・低減し、適切に対応を行ってまいります。

 

(6) 経営者の問題認識と今後の方針

当社グループの経営陣は、「第2 事業の状況 3 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、「商環境の変化」をビジネスチャンスとして事業領域の拡大を図っていくことが、今後の事業展開において重要であると認識しております。

そのために、情報管理を含む内部管理体制を整備してリスク管理を強化するとともに、優秀な人材の確保やグループ全体の組織を活用した受注機会の拡大等に注力することで、顧客の様々な需要に対応できるような事業体制を構築してまいります。

 

(7) 経営戦略の現状と見通し

当社グループでは上記「(6) 経営者の問題認識と今後の方針」に記載の方針の下、大型の商業施設等を中心にした堅調な国内の受注を着実に確保するとともに、積極化するクライアントの海外進出についてはグループのネットワークにより需要に対応し事業の伸長を図ってまいりました。

今後は「商環境の変化」をビジネスチャンスとし新規クライアントの獲得を図るとともに、サービス領域の拡大と高付加価値化をめざすことで「商業施設」をベースにした新たな「商環境」の創造を行い、更なる成長に取り組んでまいります。