第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

当事業年度における我が国経済は、企業業績については緩やかな回復基調にあるものの、英国のEU離脱の決定、中国や新興国経済の減速等の不安要素が金融市場の不安定な動きを誘い、先行き不透明な状況が続いております。

一方で、人材紹介業界におきましては、企業の求人意欲は衰えず、厚生労働省が発表する有効求人倍率は、平成29年3月時点で1.45倍という高水準を依然として維持しております(「一般職業紹介状況(平成29年3月分及び平成28年分)について」厚生労働省調べ)。また、現政権においては「一億総活躍社会」の実現の一環として「働き方改革」を掲げており、長時間労働の是正のための人材の確保等、人材に対する需要は今後より一層増加することが想定されます。

このような経済環境のなかで、当社の人材紹介事業については、弁護士、公認会計士、税理士等の専門性の高い人材の紹介実績が堅調に推移したことに加え、その他の有資格者や管理部門職種経験者の紹介実績が大きく増加し、全体の売上高を牽引しました。

以上の結果、当事業年度の売上高は2,466,166千円(前事業年度比22.5%増)、営業利益は987,514(同26.2%増)、経常利益は958,623千円(同17.9%増)、当期純利益は691,533千円(同29.2%増)となりました。

 

(2)キャッシュ・フロー

当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前事業年度末より2,792,327千円増加し3,829,994千円(前期比269.1%増)となりました。

当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、主に売上高の増加により税引前当期純利益を1,004,531千円計上したことを要因として、732,512千円(前期比15.2%増)の収入となりました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、主に満期を迎えた投資有価証券の償還が発生したことに加え、保険積立金の解約による収入を要因として、154,810千円の収入(前期比21.8%増)となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、主に東京証券取引所マザーズ市場への新規上場に伴う新株発行及び自己株式の処分を要因として1,905,004千円の収入(前事業年度は204,750千円の支出)となりました。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

 当社は生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。

 

(2)受注状況

 当社は人材紹介事業を行っているため、該当事項はありません。

 

(3)販売実績

 当社は人材紹介事業の単一セグメントであるため、詳細な売上高の構成割合は以下のとおりであります。

(単位:千円)

売上構成

紹介実績

 

前事業年度

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

 

当事業年度

(自 平成28年4月1日

至 平成29年3月31日)

前年同期比

(%)

人材紹介売上高

一般企業向け(注)2.

紹介実績

1,417,569

1,818,662

128.3

専門組織向け(注)3.

紹介実績

582,470

640,338

109.9

小計

2,000,039

2,459,000

123.0

うち、有資格者(注)4.

紹介実績

605,847

708,014

116.9

その他売上高等(注)5.

13,462

7,165

53.2

合計

2,013,502

2,466,166

122.5

(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2.一般企業向けとは、一般企業の管理部門(経理、財務、人事、総務、法務、経営企画等)に対する紹介を対象としております。

3.専門組織向けとは、会計事務所、税理士法人、監査法人、法律事務所、その他コンサルティングファーム

等、一般企業以外の組織に対する紹介を対象としております。

4.有資格者とは、弁護士(司法試験合格者及び司法修習生含む)、公認会計士(会計士補及び公認会計士試験合格者を含む)、税理士(未登録含む)を対象としております。

5.その他売上高等には返金引当金繰入額を含んでおります。

6.主要な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績の10%以

上の相手先がないため、記載を省略しております。

3【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1)会社の経営の基本方針

 当社は、「新しい価値創造・融合と調和・個の自主自立」という企業理念のもと、自主自立した個・組織が、有機的に融合し調和する社会を実現するため、次代に必要な新しい価値を創造することを経営理念としております。

 このような経営理念のもと、当社は人材紹介事業を展開しておりますが、求職者に関しましては弁護士、公認会計士、税理士等の士業のみならず、経理、財務、人事、総務、法務、経営企画等の管理部門領域の人材に専門特化しており、会計事務所、法律事務所等の専門的な組織に加え一般事業会社に対して上場・非上場問わず広く展開しております。今後は継続して人材紹介事業に注力しながらも、当該事業にて構築したネットワークを活用し、新たな事業を展開し、社会に新しい価値をもたらしていくことを基本的な方針としております。

 

(2)目標とする経営指標

 当社は、当社特有の専門性の高いインフラを活かした質の高いマッチングの機会を当社の関係者に数多く提供し、社会に新たな価値を創造することが責務であると考えております。そのためには、既存事業である人材紹介事業をさらに成長させると共に、新たな事業の創出に伴う費用を回収し、持続的な成長を維持することが重要であると考えております。

 以上の理由から、当社はこれらを総合的に反映する売上高及び営業利益、経常利益、当期純利益を重要な経営指標とし、その継続的な成長を重視しております。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略

① 人材紹介事業の成長

 当社の主たる事業である人材紹介事業については、創業以来継続して会計事務所や弁護士事務所等の専門的組織並びにそこで働く専門家の方々や、一般企業の経理、財務、人事、総務、法務、経営企画等の方々と徹底的に向き合い、採用活動支援と個人の転職支援を行って参りました。今後もさらに当社の人材紹介サービスをより多くの方々にご利用頂くために、士業や企業の管理部門の方々に特化したマーケティング施策を実施し、登録者数の増加を実現して参ります。さらに「Manegy(マネジー)」を活用し、当社のサービスの対象となる方々と幅広く接点を持ち、潜在的な求職者の会員化を実現することで、人材紹介事業のさらなる成長を実現して参りたいと思います。

 

② 新規事業の創出・成長

 新たな収益基盤を構築すべく、人材紹介業を通じて得た弁護士や公認会計士、税理士等の専門的な組織とのネットワークに加え、一般事業会社の管理部門のネットワークを、ITを利用したコミュニケーションプラットフォームビジネスに展開していきます。具体的には2017年3月より、弁護士や公認会計士、税理士等の士業と企業の管理部門職種の方々の日々の業務に役立つサイト「Manegy(マネジー)」をオープン致しました。この仕組みをさらに発展させ、士業等の専門家や一般事業会社の管理部門の方々のみならず、そのフィールドに関連するすべての会社及び人々を繋げる場を提供する事業を創造していきます。

 

(4)経営環境

 人材紹介業界におきましては、企業の求人意欲は衰えず、厚生労働省が発表する有効求人倍率は、平成29年3月時点で1.45倍という高水準を依然として維持しております(「一般職業紹介状況(平成29年3月分及び平成28年分)について」厚生労働省調べ)。また、現政権においては「一億総活躍社会」の実現の一環として「働き方改革」を掲げており、長時間労働の是正のための人材の確保等、人材に対する需要は今後より一層増加することが想定されます。このような環境のもと、当社の人材紹介事業においては、求職者を獲得するための施策を実行していくことが重要であると考えております。

 

(5)対処すべき課題

 当社は、企業理念及び中期的な経営戦略を基に、持続的な成長を実現すべく、主に以下に示す課題があることを認識しております。

① 持続的成長の実現

 当社は弁護士や公認会計士、税理士等の士業に加え一般企業の管理部門職種の人材を対象とした人材紹介事業を主たる事業としておりますが、当該事業が持続的な成長を遂げるためには、求職者の獲得について、既存の交通広告やリスティング広告等のWEB広告等による集客方法に加えて、新たな手法による集客を行い、顕在的な求職者のみならず、潜在的な求職者についても当社に対する認知をさらに向上させることが重要な課題であると認識しております。そのためには、顕在的な求職者に対する広報活動に加え、将来の転職希望者になりうる潜在的な求職者に対しても、当社のサービスを提供することで接点を持つことが重要であると考えております。そこで、弁護士や公認会計士、税理士等の士業と企業の管理部門職種経験者を対象に、多くの専門情報コンテンツを掲載した総合的なコミュニケーションプラットフォームである「Manegy(マネジー)」を当事業年度よりオープンいたしました。同サービスにおいて会員化を図ることで、潜在的な求職者に対しても当社のサービスを提供することが可能となり、長期的な接点を持つことができると考えております。今後は士業及び管理部門職種の方々が日々の業務に役立つ、より多くの専門情報コンテンツを掲載し、人材紹介事業のさらなる成長を実現しつつ、さらにプラットフォームでの広告収入等の新たな収益モデルを加え、持続的な成長を遂げて参ります。

 

② 海外事業展開

 各企業が海外進出先として期待を寄せるアジア領域での事業の展開は、当社の中長期的な成長エンジンとして重要な課題であると認識しております。自社での海外拠点展開のみならず、国外の人材ビジネス関連企業との業務提携や国外の企業を対象としたM&Aによる進出、また人材ビジネスにこだわることなく、シナジー効果の期待できる相手先との提携等を通じてその実現を図るべく、海外事業展開を推進して参ります。

 

③ マーケティングの強化

 当社の人材紹介事業においては求職者の獲得が重要な要素であり、そのための有効なマーケティング戦略の立案及び時流を捉えた戦略の実行は人材紹介事業の持続的な成長のための重要な要素であります。当社は、専門情報誌への広告の掲載やリスティング広告、KAIKEI FAN(※1)やLEGAL NET(※2)等の各種WEBサイトの運営等、ターゲットマーケティングを主な方法として実施しております。今後は企業の管理部門職種経験者や、士業に対し認知を広げるために、交通広告等のマスマーケティングに加え、「Manegy(マネジー)」も活用したマーケティング施策を強化して参ります。

 

※1 当社が運営する公認会計士や税理士等向けの会計関連情報及びキャリアに関する情報ポータルサイトです。

※2 当社が運営する弁護士やロースクール生向けの法務関連情報及びキャリアに関する情報ポータルサイトです。

 

④ 人材の確保及び育成

 当社にとって最も重要な経営資源は人材です。企業の管理部門に加え、会計事務所や法律事務所等の専門的組織に対する人材の紹介を行うに当たって、求職者及び求人企業双方に質の高いサービスを提供するためには、人材紹介業のノウハウはもちろんのこと、経理領域や法務領域等の周辺知識や業界動向、法令等の改正に伴う市場のニーズの変化を捉えることができる人材を確保・育成していくことが重要な課題となります。従いまして、中途採用に関しましては、人材紹介業経験者にこだわらず、関連する様々な分野からの人材の獲得に向けて各種採用活動を進めて参ります。また、獲得した人材が日々成長を実感し、充実した気持ちで業務に取り組みやすい環境を整備することは、当社の競争力を高めるための非常に有効な手段であると考えております。さらに、当社の次世代を担うリーダーの育成を推進し、組織力を高めていくことは重要な課題と認識しております。当社では社内研修の実施等を積極的に推進しておりますが、研修制度の整備や福利厚生の充実に努めて参ります。

 

⑤ 情報管理の徹底

 当社が主たる事業として行う人材紹介事業は、多数の求職者の個人情報を有しているため、それらの情報の管理が事業の持続可能性を担保するために最も重要な要素であると考えます。当社においては平成14年よりプライバシーマーク(※3)の資格を取得し、継続してプライバシーマーク使用許諾事業者として個人情報の機密性を高める施策を講じておりますが、今後事業が拡大し、規模が拡大するにあたってその管理の質が低下しないよう、規程の厳格な運用を徹底することのみならず、社員一人ひとりの個人情報の取り扱いに対する意識を高めるための研修の実施等、情報管理体制の維持及びさらなる強化を図って参ります。

 

※3 日本工業規格「JISQ15001個人情報保護マネジメントシステム-要求事項」に適合して、個人情報につい

て適切な保護措置を講ずる体制を整備している事業者等を認定して、その旨を示すプライバシーマークを付与

し、事業活動に関してプライバシーマークの使用を認める制度です。

 

⑥ 組織・内部管理体制の強化

 当社が急速な事業環境の変化に柔軟に適応しながら、今後も持続的な成長を維持していくためには各種業務の効率化に加え、業務の有効性を担保するための標準化を図り、内部管理体制のさらなる強化を図ることが重要な課題であると認識しております。その実現のために、全ての従業員が業務マニュアル及び規程等を徹底することに加え、効率性・有効性を阻害する業務フローの改善を徹底することにより、内部管理体制の強化を行って参ります。

 

4【事業等のリスク】

 本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。

 

(1)経済状況の変動に関するリスク

 当社の経営成績は、一般的に国内の経済情勢に影響されます。将来的に景気が停滞し、企業が人材の採用を抑制する場合には、求人の減少に伴い有効求人倍率が低下する可能性が考えられます。当社においては、管理部門に特化した専門性の高い求職者を多く抱えることから、一般の人材紹介会社と比較すると、その影響は緩やかではありますが、当社の想定を超えた経済環境の変化が生じた場合には、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)特定事業への依存によるリスク

 当社は管理部門特化型人材紹介事業を行っておりますが、売上高に関して特定の紹介先に対する依存度は低いものの、売上高のうち9割以上を人材紹介事業に依存しており(平成29年3月31日時点)、現時点では代替となる収益基盤を構築するに至っておりません。従いまして、人材紹介業界に関わる需要や状況、同業他社との価格競争等が予測し得る水準を超えた場合に、当社の経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)法規制等に関するリスク

 当社の主たる事業であります人材紹介事業は、職業安定法に基づき、有料職業紹介事業として厚生労働大臣の許可を必要とします。当社は、平成28年6月1日から平成33年5月31日の間での許可を受けており、適宜更新をしております。従いまして、当該事業の運営に関して、現在は同許可の継続に支障を来す要因は発生しておりませんが、将来的に職業安定法第32条の9に定められた欠格事項等が判明した場合には、許可の取り消し、業務停止命令または業務改善命令の対象となるおそれがあり、それが当社の事業運営に大きな支障をきたす結果、経営成績及び財政状態に大きな影響を与える可能性があります。

 

(4)個人情報管理に関するリスク

 当社では、求職者、取引先、従業員等に関して多くの個人情報を保有しており、平成17年4月1日より施行された個人情報の保護に関する法律が定める個人情報取扱事業者に該当し、同法の適用を受けます。そのため、当社は平成14年7月に初めてプライバシーマークを取得して以降、現在まで継続してプライバシーマーク使用許諾事業者として、日本工業規格(JISQ15001)(※)に合致した個人情報保護規程を策定のうえ、個人情報の機密性を高める施策を講じております。しかしながら、何らかの理由により当社が管理する個人情報等の漏洩や改ざん、不正使用等の事態が生じた場合には、顧客及び利用者からの損害賠償請求や信用の失墜、ブランドの毀損等により、当社の事業に影響を及ぼす可能性があります。

 

※ 事業者が業務上取り扱う個人情報を安全で適切に管理するための標準となるべく、財団法人日本規格協会の原案によって策定された日本工業規格の一つです。

 

(5)コンプライアンスに関するリスク

 当社においては、コンプライアンス管理規程のもと、統括責任者を明確化し、コンプライアンス委員会を設置し、取締役及び従業員に対して法令遵守意識を浸透させ、その強化、充実を図っております。その結果、現時点では特段のリスクは顕在化しておりませんが、万が一当社の取締役及び従業員がコンプライアンスに違反する行為を行った場合には、当社の信用並びに経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)訴訟に関するリスク

 当社は人材紹介事業を営んでおりますが、その事業活動の運営の中で、採用企業及び求職者並びに競合他社その他の関係者から、当社が提供するサービスの不備、個人情報の漏洩、知的財産の侵害等に関する訴訟等の法的手続きを提起されるリスクがあります。その結果、当局による捜査や処分等の対象となり、これらの法的手続きに関連して多額の費用を支出する可能性があり、当社の経営成績及び財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)自然災害、事故等によるシステムへの影響に関するリスク

 当社の事業活動においては、求職者情報及び取引先企業情報の管理・利用についてコンピュータシステム及びネットワークシステムを活用しており、そのためセキュリティの強化やデータのバックアップ体制の構築等のシステムトラブル対策を講じていますが、これらの対策にも関わらず、想定を超えた自然災害、事故等によりシステムトラブルが発生した場合には、正常な事業活動が阻害され、当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)コミュニケーションプラットフォーム開発投資等に関するリスク

 当社は、持続的な成長を実現すべく、潜在的な求職者との長期的な関係を構築できるよう弁護士、公認会計士、税理士等の士業と企業の管理部門職種経験者向けのコミュニケーションプラットフォームの開発に継続的に取り組んで参りますが、これによりシステム開発投資、広告宣伝費等の追加的な支出が発生し、利益率が低下する可能性があります。また、システム開発投資や広告宣伝費の支出を行っても、予定どおりに認知向上が進まないことにより、会員数拡大及び求職者拡大を図れない可能性があります。これらが生じた場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。さらに、新規上場に伴い調達した資金の大半の使途は、コミュニケーションプラットフォームのシステム開発投資や広告宣伝費等に充当する予定でありますが、コンテンツ内容の変更等によるシステム開発計画の変更や、より効果的な投資対象の出現に伴い、当初の計画を変更し、調達資金の使途を変更する可能性があります。

 

(9)人的資産に関するリスク

 当社は、更なる業容拡大及び収益力強化のために、人材の確保及び育成を重要な経営課題に掲げ、取り組んでおります。また、特定の従業員に過度に依存した組織の仕組み作りを避けることで、一定程度の自然発生的な人材の流出に対して、経営成績が影響を受けないよう、知識や顧客情報を共有化する等の対策を講じています。しかしながら、カウンセラーや営業職人員について、想定を超える数の人材の流出が生じた場合には、カウンセリング数の減少による紹介可能な求職者数の減少及び紹介可能な求人数の双方が減少する可能性があり、その結果、マッチングの総数の減少に伴う決定件数の減少が生じ、当社の事業活動に支障または制約が生じることで、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

5【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

 該当事項はありません。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。

 (1)重要な会計方針及び見積もり

 当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたりましては、経営者による会計方針の採用、資産・負債及び収益・費用の計上に影響を及ぼす見積もり及び予測を必要としております。経営者は過去の実績値や状況を踏まえ、合理的と判断される前提に基づき、見積もり及び予測を行っておりますが、見積もり及び予測には不確実性が伴うため、実際の結果と異なる場合があります。

 

 (2)財政状態の分析

① 資産の部

 資産につきましては、主に東京証券取引所マザーズ市場への新規上場に伴う新株発行及び自己株式の処分等により現金及び預金が2,835,012千円増加したことに加え、ソフトウエアが111,865千円増加した一方で、有価証券が152,660千円減少した結果、前事業年度に比べ2,785,886千円の増加となりました。

 

② 負債の部

 負債につきましては、主に未払金が101,792千円、未払法人税等が49,781千円それぞれ増加した結果、前事業年度末に比べ148,197千円の増加となりました。

 

③ 純資産の部

 純資産は主に、東京証券取引所マザーズ市場への新規上場に伴う新株発行及び自己株式の処分により資本金が553,508千円、資本剰余金が1,219,446千円増加し、自己株式が204,750千円減少したことに加え、当期純利益691,533千円の計上等の結果、前事業年度末に比べて2,637,689千円の増加となりました。

 

なお、主な安全性指標は以下のとおりであります。

指標

平成28年3月期

平成29年3月期

流動比率(%)

303.2

693.1

当座比率(%)

283.5

679.4

固定比率(%)

 68.2

36.1

自己資本比率(%)

 86.0

90.0

 

 (3)経営成績の分析

 当事業年度の売上高は、前期比22.5%増の2,466,166千円となりました。厚生労働省が発表する有効求人倍率の上昇にも表れるように、市場全体として人材が不足している状況の中、一般事業会社及びそれ以外の専門的な組織(会計事務所、法律事務所、税理士法人、監査法人等。以下「専門組織等」という。)いずれの採用のニーズも適切に捉え、求人の獲得数を伸ばすことができました。また、求職者の登録獲得については各種専門媒体や交通広告の出稿並びにリスティング広告等のウェブマーケティング施策を総合的に活用した結果、有資格者のみならず、企業の管理部門職種経験者の登録も幅広く獲得できたことが、売上高の拡大に大きく寄与しました。その結果、紹介先実績として、一般事業会社の管理部門への売上高は前期比28.3%増の1,818,662千円となり、専門組織等への売上高は前期比9.9%増の640,338千円となりました。また、弁護士、公認会計士、税理士を対象とした有資格者の紹介実績についても前期比16.9%増の708,014千円となりました。

 売上原価、販売費及び一般管理費については、上場準備に伴う各種コンサルティング費用に加え、業容拡大等に伴う人件費や求職者獲得のためのマーケティング費用等の項目を中心に増加しました。これらにより、営業利益は前期比26.2%増の987,514千円、経常利益は前期比17.9%増の958,623千円、当期純利益は前期比29.2%増の691,533千円となりました。

 なお、主な収益性指標は以下のとおりであります。

指標

平成28年3月期

平成29年3月期

売上総利益率(%)

99.9

99.8

営業利益率(%)

38.9

40.0

経常利益率(%)

40.4

38.9

当期純利益率(%)

26.6

28.0

 

 (4)キャッシュ・フロー

 当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前事業年度末より2,792,327千円増加し3,829,994千円となりました。

 当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、主に売上高の増加により税引前当期純利益を1,004,531千円計上したことを要因として、732,512千円の収入となりました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、主に満期を迎えた投資有価証券の償還が発生したことに加え、保険積立金の解約による収入を要因として、154,810千円の収入となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、主に東京証券取引所マザーズ市場への新規上場に伴う新株発行及び自己株式の処分を要因として1,905,004千円の収入となりました。

 

 (5)経営成績に重要な影響を与える要因について

 人材紹介事業の現在の市場環境は有効求人倍率1.45倍という高い水準を示しておりますが(「一般職業紹介状況(平成29年3月分及び平成28年分)について」厚生労働省調べ)、今後国内の経済情勢を受け、各企業の採用需要が当社の予測を超えて下振れした場合には、当社の経営成績に重要な影響を及ぼすリスクがあります。

 また、当社は人材紹介事業の中で多くの企業・組織の求人を扱っております。また、多くの求職者の個人情報を扱っており、個人情報の管理に関する事故等が生じた場合には当社の経営成績に重要な影響を及ぼすリスクがあります。その他、当社が抱える事業等のリスクについての詳細は、「第2 事業の状況 4.事業等のリスク」をご参照ください。

 (6)経営者の問題認識と今後の方針について

 現在の有効求人倍率が高い市場環境において、潜在的な求職者を含む、求職者の囲い込みが当社の持続的な成長のための重要な課題であると認識しております。そのために、当社はマーケティングの強化のみならず、コミュニケーションプラットフォームの構築等の新たな施策を推進して参ります。その他の詳細については「第2 事業の状況 3.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。

 

 (7)経営戦略の現状と見通し

 当社の経営の状況につきましては、「第2 事業の状況 1. 業績等の概要 (1)業績」に記載のとおり、弁護士や公認会計士、税理士等の士業の紹介実績が堅調に推移したことに加え、管理部門職種経験者の紹介実績が伸長した結果、好調に推移しております。

 今後の見通しにつきましては、有効求人倍率が高い水準で推移する中で、企業及び求職者双方の需要を的確に捉え、人材紹介事業を確実に成長させつつ、当社が有する経営資源を活用してさらなる企業価値の向上に取り組んで参ります。