第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

当連結会計年度(平成28年4月1日~平成29年3月31日)における我が国経済は、政府の金融・経済対策を背景とした企業業績の緩やかな回復基調を基に、雇用・所得環境の改善傾向が続きましたが、個人消費については持ち直しの動きがみられたものの、力強さに欠ける状況でありました。また、為替において円高基調から、米国大統領選挙後には円安傾向で推移する等の企業収益への影響、及び中国をはじめ、新興国等の経済成長の減速懸念や英国のEU離脱に向けた動き、米国新政権の政策に対する不透明性等、これらの世界経済への影響につき注視する必要があり、先行き不透明な状況が続きました。

当社グループの主な事業分野であります住宅関連業界におきましては、雇用情勢、所得環境が改善傾向にあること、及び政府による住宅取得支援策が継続していること、並びにマイナス金利の影響等により住宅ローン金利が極めて低い水準で推移していること等により、住宅取得に関連する需要には堅調な動きが見られました。

このような状況のもと、当社グループは当連結会計年度において昨年度に引き続き、当社が主として行う住宅ローン貸付事業等の『住宅金融事業』、住宅検査機関・住宅瑕疵担保責任保険法人である株式会社ハウスジーメン(以下「ハウスジーメン」といいます。)が中心となって行う『住宅瑕疵保険等事業』、株式会社住宅アカデメイア(以下「住宅アカデメイア」といいます。)が行う電子的情報処理を活用した住宅関連事業者への支援事業等の『住宅アカデメイア事業』を三位一体として、全国各地の住宅建設事業者、不動産事業者、資材建材事業者、設計事務所、住宅改修事業者等の「住宅関連事業者」を支援し、良い家を適切に造り、資産価値を維持し続けるための仕組み作りを通じて、ユーザーハピネスの実現を目指して、各種事業を推進いたしました。

この結果、当連結会計年度の業績は、営業収益5,864,867千円(前年同期比11.6%増)、営業利益806,201千円(同46.6%増)、経常利益784,973千円(同41.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益556,409千円(同47.9%増)となりました。

 

各セグメントの業績は、次のとおりであります。

住宅金融事業

主力商品であるフラット35は、平成27年度に実施された政府の緊急経済対策によるフラット35Sの金利引下げ幅拡大が終了したことによるフラット35申し込み案件の反動減が懸念されましたが、平成28年2月に導入された日銀によるマイナス金利政策の影響により、フラット35の融資金利が年間を通じて過去最低水準で推移したこと等が追い風となりました。

このような状況のもと、貸金業代理店との連携、及び首都圏への直販営業活動を強化し、新たな支店・直営店の営業・運営活動の積極的な展開、並びに年度を通じて借り換え需要の掘り起こし等に注力した結果、当連結会計年度においては、融資実行件数・金額ともに過去最高を記録しました。またフラット35融資実行までに行うつなぎ融資においても、大幅に伸長し、ともに収益増加に貢献いたしました。

フラット35以外の住宅ローン商品として、平成27年にリリースした変動金利・固定金利選択型住宅ローンに加え、平成28年4月にはシニア層向けのリバースモーゲージローン『MSJ高齢者一括返済型住宅ローン(MSJリバースモーゲージ)』、同年10月にはリノベマーケット向け住宅ローンとして、中古住宅を購入する際に一定の条件により、フラット35の借入金利を一定期間引き下げる制度を利用した『フラット35リノベ』等の取扱いを開始し、従来のフラット35では対応できない住宅ローンニーズの取込みにも取り組みました。

この結果、当連結会計年度の業績は、営業収益1,878,315千円(前年同期比21.8%増)、営業利益522,512千円(同37.5%増)となりました。

 

② 住宅瑕疵保険等事業

住宅瑕疵保険等事業のうち、住宅瑕疵担保責任保険事業については、戸建住宅・共同住宅共に住宅瑕疵保険販売の拡大と強化を推進するため、地盤保証と同時提案を行う等、他社との差別化及び既存顧客の深耕をするとともに、中核取次店を中心に研修や支援を実施する等、主要取次店との連携強化にも注力いたしました。また、既存住宅・リフォーム分野においては、引き続きリフォーム瑕疵保険等を活用したビジネスモデル提案型営業を積極的に展開いたしました。

その他事業につきましては、住宅瑕疵担保責任保険を基盤とした、地盤保証、住宅性能評価、住宅省エネラベル適合評価等の各種サービスを併せた多種目販売の推進により、収益性の向上に向けた取り組みに努めました。

また当事業においては、新築住宅への各種商品の提供からメンテナンス、リフォーム、転売等における住宅の有効活用までのストック循環型ビジネスへのサービス支援の仕組み形成を進めてまいりました。

この結果、当連結会計年度の業績は、営業収益3,098,669千円(前年同期比3.3%増)、営業利益225,694千円(同67.1%増)となりました。

 

住宅アカデメイア事業

住宅アカデメイア事業におきましては、当事業の主要サービスであります住宅産業の生産性改革改善をサポートする住宅フルフィルメント業務を強化した結果、当連結会計年度におけるフルフィルメントサービスの提供件数は大幅に増加いたしました。また、当事業の主要プラットフォームでありますハウジングプロバイダ・コアシステム(HPC)を活用した住宅メンテナンス等保証プログラム業務に注力した結果、当連結会計年度における保証プログラムサービスの提供件数も増加し、事業基盤化いたしました。

この結果、当連結会計年度の業績は、営業収益887,882千円(前年同期比24.6%増)、営業利益57,693千円(同74.1%増)となりました。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、3,823,177千円と前連結会計年度末に比べ1,091,999千円増加となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において営業活動により増加した資金は、431,490千円(前連結会計年度は101,442千円の収入)となりました。主な収入要因は税金等調整前当期純利益784,973千円、減価償却費81,838千円、責任準備金の増加117,967千円、営業貸付金の減少554,520千円、仕入債務の増加134,904千円、前受金の増加164,924千円であり、主な支出要因は、営業未収入金の増加734,810千円、法人税等の支払235,716千円によるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において投資活動により減少した資金は、74,498千円(前連結会計年度は19,845千円の支出)となりました。主な支出要因は無形固定資産の取得による支出46,418千円、敷金及び保証金の差入れによる支出15,091千円によるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において財務活動により増加した資金は、735,007千円(前連結会計年度は391,890千円の収入)となりました。主な要因は短期借入金の純増加109,930千円、株式の発行による収入651,517千円によるものです。

 

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

当社グループは生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。

 

(2)受注実績

当社グループの事業の性格上、受注状況の記載に馴染まないため、記載しておりません。

 

(3)販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成28年4月1日

至 平成29年3月31日)

前年同期比(%)

住宅金融事業          (千円)

1,878,315

121.8

住宅瑕疵保険等事業       (千円)

3,098,669

103.3

住宅アカデメイア事業      (千円)

887,882

124.6

合計(千円)

5,864,867

111.6

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

3【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

(1)基本方針

当社の経営方針は、創業目的である「中小規模を中心とした住宅関連事業者に住宅関連の金融・保証・保険、住宅検査・性能評価等を総合的に提供、支援することにより住宅発注者や住宅保有者のユーザーハピネスを実現すること」であります。

これを踏まえ、「住宅に新たな価値創造を!」とのスローガンのもと、以下の諸点を経営理念として、事業を展開してまいります。

①  顧客幸福に繋がらないことは行わない。

②  メジャーは目指さない。カテゴリーキラーとしてあり続ける。

③  革新的であり続け、住宅産業を再定義し続ける。

④  組織も、事業もシンプルであり続ける。

⑤  サービスは利益に優先する。

⑥  健全な投資は短期利益に優先する。

また、当社グループは、

①  住宅金融事業や住宅瑕疵保険等事業で安定的な収益基盤を堅持し、

②  その上で、住宅アカデメイア事業でさらに事業基盤を拡大・強化する、

③  さらに、住宅アカデメイア事業を梃子として既存の住宅金融事業や住宅瑕疵保険等事業の顧客層の拡大・深堀を進める、

④  これら三位一体の事業推進で、当社グループ事業の確立・拡大をしていく、

ことを目指します。

(2)目標とする経営指標

平成30年3月期は、ローン営業拠点の拡充と決済金融、クラウドシステム、設計システム等への投資の加速、及びまるはびシェアモデルビジネスの本格収益化の年度と位置付けており、競争優位を維持するため新規事業の展開には更なる継続投資が不可欠であると考えております。当該事業目標を達成するため、当社グループは3ヵ年の中期経営計画を前事業年度末にローリングいたしました。当該中期経営計画においては、安定的競争力の実現と安定した収益力確立の観点から、「営業収益」の増収を重視しており、「営業総利益」「営業利益」を重要な指標として位置づけ、ローン営業拠点の拡充等による収益基盤の拡大により、企業価値の継続拡大を目指しております。

(3)中長期的な会社の経営戦略

当社グループは、3ヵ年の中期経営計画に従い、子会社住生活産業のデジタルバリューチェーン構築と文化資本に着目した「ファブレス経営支援事業」による住宅産業革新を目指して、以下の事業を推進してまいります。

① 当社の役割・機能として、直営型、準直営型店舗拡充による住宅ローン取扱件数の底上げ、ストック市場への対応強化。

② 子会社である株式会社ハウスジーメンの役割・機能として、地盤保証事業の飛躍的・連続的な成長と、品質管理事業の強化による瑕疵保険との相乗的利益の上積。

③ 子会社である株式会社住宅アカデメイアの役割・機能として、起業型人材の登用により、まるはびシェアモデルビジネスの本格的収益化の実現。

これらにより、住宅アカデメイアの役割・機能を活かしつつ、ファブレス経営支援企業等との連携増加による、住宅金融事業と住宅瑕疵保険等事業への波及、収益増を含め、経営環境の変化に対応した成長と経営安定性を高めてまいります。

(4)会社の対処すべき課題

現在住宅産業は、市場の変化が激しく、市場縮小の局面にありながら、建材・人件費などが高騰しており、世帯数・人口の減少等による新築市場の縮小傾向が明らかとなる中、住宅関連事業者にとっては新たな事業モデルの構築が必要と考えております。具体的には、

① 既存住宅と、過去において当該住宅を取得したOB顧客を、住宅の補修・建て替え・転売等に関して継続的に顧客化し、メンテナンス事業や建て替え・住み替え事業等からも利益を生み出すビジネス(以下「ストック循環型ビジネス」)への転換、

② 思い切った業務アウトソーシングによる人件費等の固定費の変動費化による中核業務への資源集中、

③ 設計積算・施工管理・受発注管理・決済等の外部委託・自動化等による生産性向上、

等により、当社グループの顧客である住宅関連事業者の再生・発展に資する課題を解決することが当社グループの成長に直結すると考えております。

このため、当社グループでは、これまでに培って来た多方面にわたる住宅関連事業者のネットワーク、これまでの住宅金融事業及び住宅検査・性能評価等の住宅瑕疵保険等で得られた事業ノウハウ・技術力・人的資源等を活用して、住宅関連事業者における住宅の建築・形成等の工務・工事管理、住宅引渡し後の定期点検・メンテナンス・リフォーム等の業務を管理する、HPA・HPC等のハウジングプロバイダ・システムの提供や、当該システムを活用して住宅の緊急駆け付け・住宅メンテナンス保証・住宅設備機器修理保証等の保証業務等の提供等、及び住宅事業モデルである「まるはびシェアモデル」「ハウジングツーリストサービス」等を行う住宅アカデメイア事業を強化し、さらには、住宅アカデメイア事業を切り口に、住宅金融事業や住宅瑕疵保険等事業の顧客の拡大・取込み・深掘りに繋げる三位一体の「チャネルシナジー戦略」に積極的に取り組み、事業基盤の拡大並びに安定した収益力の確保に努めてまいります。

 

 

4【事業等のリスク】

以下において、当社の事業、経営の状況等に関する事項のうち、リスク要因となる可能性があると考えられる主要な事項及び投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性がある事項を記載しております。

当社は、これらのリスクの発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生後の対応に努めるものでありますが、当社の株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載事項も慎重に検討したうえで行われる必要があると考えております。

なお、文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。

(1)事業環境に関するリスクについて

① 景気、金利及び住宅市場の動向等の外部環境による影響について

当社グループは主に住宅不動産業界に属する企業及び住宅を購入等する個人ユーザーを顧客としているため、住宅の建設及び流通の動向、消費税やその他不動産に係る税制の改正、国内の人口減少等の影響を受ける可能性があります。

そのため、住宅購入意欲の低減、住宅ローン金利の上昇、住宅着工戸数の縮小、住宅流通戸数の伸び悩み等が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 競合による影響について

現在、住宅金融事業における「フラット35」を取扱う金融機関は複数存在し、また、住宅瑕疵保険等事業における住宅瑕疵保険を取り扱う「住宅瑕疵担保責任保険法人」は、現在、他に4法人存在するなど、当社グループが行う事業においては複数の競合企業が存在いたします。審査の確実性・スピード、商品ラインナップの豊富さ、各種サービスの複合的提供等により、競合他社にも劣らない体制を構築しているものと認識しておりますが、今後、他企業の新規参入及び事業拡大等により、ユーザーの獲得競争が激化し、当社グループの競争優位性が低下した場合、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)事業内容に関するリスクについて

① 住宅金融事業において当社が扱う「フラット35」への依存等について

イ) 当社は、独立行政法人住宅金融支援機構(以下「機構」)から住宅債権買取契約締結先と認定されることにより、機構が提供する固定金利住宅ローンである「フラット35」を『MSJフラット35』として住宅資金需要者(以下「需要者」)に貸し付けることができることになっております。

そのため、機構における当該商品に係る取扱い方針や制度変更等があった場合、当事業の業績に影響を及ぼす可能性があります。

ロ) 「フラット35」は制度上、当社のような「フラット35」取扱機関が住宅完成時に需要者に貸付を行った後に、当該貸付債権を機構が買い取る仕組みとなっており、当社では民間金融機関から資金を調達して需要者に貸し付けた後、当該貸付債権の機構への売却により、民間金融機関からの借り入れを全額返済しています。

また、当社独自のものとして、土地購入や住宅着工時・中間金支払等に住宅建築業者等への請負代金等の一部支払いが必要な需要者には、民間金融機関から資金を調達して『MSJプロパーつなぎローン』を提供しています(当該つなぎローンの貸付債権は、住宅完成後の「フラット35」融資実行により完済されます。)。期末時点において借入金(短期借入金)が多いのはそのためであります。

上記の住宅ローン貸付用資金の調達は、民間銀行から行っておりますが、当社業績の大幅な悪化による与信低下等の事態が生じた場合や、金融機関側の事情による当社との関係縮小の事態が生じた場合等により、当該貸付用資金が予定通りに調達できなくなった場合、当事業の業績に影響を及ぼす可能性があります。

ハ) 『MSJフラット35』貸付のための民間銀行からの調達金利は、機構による住宅ローン債権買取時に、調達利息相当分が機構から支払われますので、当社リスクは原則として生じません。一方、『MSJプロパーつなぎローン』貸付のための民間銀行からの調達資金に係る金利については、TIBOR(東京オフショア市場での銀行間における為替取引金利)を基準とした利率が適用され、それに対応する『MSJプロパーつなぎローン』融資金利(短期プライムレート(銀行が優良企業向けの短期貸出に適用する金利)に連動して設定されます。)の中に含めて当該調達金利コストが賄われる仕組みとなっております。

このため、『MSJプロパーつなぎローン』貸付のための調達金利が急激に上昇する等の変動があった場合、直ちに融資金利に全てを転嫁できず、また、転嫁しても、それにより競合企業より融資条件が劣後する等し、当事業の業績に影響を及ぼす可能性があります。

ニ) 当社では、概ねとして重要拠点以外は直営店舗を置かず、全国のアライアンスパートナー(コンサルティング会社、ローン取扱専業会社、不動産会社、工務店等)と提携しております。主として当該アライアンスパートナーが当社に紹介・取次等を行い、当社が需要者に貸し付けを行うネットワークを構築しています。そのため、アライアンスパートナー等との取引に何らかの支障等が生じた場合、当事業の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 住宅瑕疵保険等事業における住宅瑕疵担保責任保険の取扱について

イ) 住宅瑕疵保険等事業における「住宅瑕疵担保責任保険」の販売は、当社子会社である株式会社ハウスジーメン(以下「ハウスジーメン」)が、特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律(以下「住宅瑕疵担保履行法」)等に基づき、国土交通大臣から住宅瑕疵担保責任保険法人の指定を受け、行っております。しかしながら、上記法令等の変更により住宅瑕疵担保責任保険制度そのものが法的根拠を失った場合等、同保険の販売が困難になる等の事態が生じた場合、当事業の業績に影響を及ぼす可能性があります。

ロ) 「住宅瑕疵担保責任保険」では、ハウスジーメンが自ら引き受けた保険契約に関するリスクは損害保険会社に再保険に出すことによりリスク回避しており、その対価として損害保険会社に再保険料の支払を行っております。損害保険会社とは良好な関係を構築しておりますが、同社における方針変更等により再保険料が上昇したり、継続取引が困難となった場合、当事業の業績に影響を及ぼす可能性があります。

ハ) 「住宅瑕疵担保責任保険」は、保険事故があった場合、上記のロ)記載のとおりリスクは損害保険会社にヘッジしてはいるものの、保険金はハウスジーメンが一義的に保険契約者に支払うこととなっております。このため、ハウスジーメンにおいては、法令等に基づき、支払備金及び責任準備金といった準備金等の積み立てを行っておりますが、想定外の保険事故により一時的な支出が発生した場合、当事業の業績に影響を及ぼす可能性があります。

ニ) 住宅瑕疵保険等事業の顧客である住宅関連事業者等への営業・商品説明等は、住宅金融事業におけるアライアンスパートナーと同様に保険業務等に関する取次契約を締結した取次店(全国各地域で取引先ネットワークを有する住宅フランチャイズ本部、建材事業者、保険代理店等)の地場や取引関係に根差したネットワークを活用しています。そのため、取次店との取引に何らかの支障が生じた場合、当事業の業績に影響を及ぼす可能性があります。

ホ) 当事業においては、瑕疵検査及び性能評価等の実施に関し、外部の検査機関及び検査員に検査業務の委託を行っているため、大口委託先となる検査機関と取引が継続できなくなり、ハウスジーメンによる代替対応が遅れるような場合には、当事業の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 住宅アカデメイア事業におけるシステムについて

住宅アカデメイア事業において提供しているHPCHPAなどの「ハウジングプロバイダ・システム」はクラウドシステムであり、ベースとなるシステム等はすでに一定の開発は終えており、住宅関連事業者に提供・利用されている段階のため、システム自体が稼働しない、うまく機能しないといったことが生じる可能性は低いと考えております。

しかしながら、追加機能の検討・開発の大幅な遅延やHPCシステムに関連する各種サービス提供のための要員確保ができないような場合には、「ハウジングプロバイダ・システム」の優位性が損なわれ、当事業の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)事業運営等に係るその他リスクについて

① 法的規制について

前記(2)②イ)に記載した事項等を含め、当社グループにおいては、業務の遂行において、関係監督官庁から許認可や指定等を受ける必要があるものが含まれます。

その主な内容及び関連する法規制等については次のとおりであります。

 

 

 

法規制等

許認可

番号、及び有効期限

所管

住宅金融事業

貸金業法

貸金業者登録

登録年月日:平成17年12月15日(東京都知事登録)、平成18年3月16日(都知事登録に代えて関東財務局長登録)

登録番号:関東財務局長(3)第01464号

現行登録期限:平成27年3月16日~平成30年3月16日(3年毎に更新必要)

金融庁

自主規制規則

日本貸金業協会加入承認

加入承認日:平成24年11月13日

会員番号:第005752号

日本貸金業協会

住宅瑕疵保険等事業

特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律(住宅瑕疵担保履行法)

住宅瑕疵担保責任保険法人指定

指定日:平成20年10月16日

指定番号:指定番号5

有効期限:なし

国土交通省

役員の選任及び解任の認可

 

業務規程に関する認可

 

事業計画の認可

 

引渡後保険の引受の認可

 

住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)

登録住宅性能評価機関の登録

登録日:平成13年4月2日

登録番号:国土交通大臣18

有効期限:平成28年3月31日~平成33年3月30日(5年毎に更新必要)

注:平成18年3月1日に指定制から登録制に移行。

国土交通省

適合証明業務に関する協定書

適合証明業務の受託機関の協定締結

締結日:平成19年1月1日

有効期限:なし

国土交通省及び財務省

建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律

BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)に基づく評価の実施機関の登録

登録日:平成28年4月1日

登録番号:029(一般社団法人 住宅性能評価・表示協会への登録)

有効期限:平成28年4月1日~平成33年3月31日(5年毎に更新必要)

国土交通省

登録建築物エネルギー消費性能判定機関の登録

登録日:平成29年3月28日

登録番号:国土交通大臣22

有効期限:平成29年4月1日~平成34年3月31日(5年毎に更新必要)

国土交通省

住宅アカデメイア事業

建築士法

建築士事務所の登録

登録日:平成26年3月25日

登録番号:一級東京都知事登録第59261号

有効期限:平成26年3月25日から平成31年3月24日まで。(5年毎に更新必要)

東京都

 

そのため当社グループでは、法規制等の遵守のために、社内規程や管理体制の構築及び従業員教育を行い、コンプライアンス体制の整備に努めております。

しかしながら、例えば、当社が貸金業法等に対する重大な違反を犯した場合等には、貸金業者の登録取消しや更新登録不可による住宅ローン事業継続不能の事態に陥る可能性があり、また、特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律等への重大な違反を犯した場合には、住宅瑕疵担保責任保険法人の指定取消しによる住宅瑕疵保険事業の継続不能の事態を招く可能性があるなど、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

また今後、当該法規制等の改正があった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② システム障害について

住宅瑕疵保険等事業及び住宅アカデメイア事業におけるサービス申込やサービス提供の多くの業務及び業務関連データ保管は、Webサイトを含め、当社グループ管理の業務システムに依存しております。また、住宅金融事業においては機構等のシステムや当社社内システムを活用して業務を遂行しております。

これらのシステムや保管データに関しては、バックアップの二重化や、ファイアウォール、ウィルスチェック等、障害を回避するための対策を講じております。また、構築したアプリケーションソフトの不具合等が発生した場合、早急な対応が可能な体制を整えております。

しかしながら、想定を超えた災害、攻撃、あるいはアクセスの急激な増加、または構築したアプリケーションソフトの不具合等、様々な要因によって、当社グループの業務システム及び保管データに長期間にわたる障害又は問題が生じた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 個人情報の管理について

当社グループでは、事業の性格上多数の個人情報を取得していることから、個人情報の取扱いと管理には細心の注意を払っております。添付書類のメール送信時のパスワード自動付加等のシステム面での漏えい防止措置に加え、社内でのルール・手続きの明確化・徹底化並びに役職員に対する教育を行い、個人情報の管理に努めております。

しかしながら、今後、顧客情報の流出等の問題が発生した場合には、損害賠償請求や信用低下により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 知的財産権について

当社グループは、第三者の知的財産権を侵害しない体制として、社内教育の実施や顧問弁護士による調査・チェックを実施しておりますが、万一、当社グループが事業を推進する中で第三者の知的財産権を侵害した場合には、当該第三者から損害賠償請求や使用差止請求等の訴訟を提起される可能性があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ 紛争・係争について

当社グループでは、コンプライアンスに関する諸規程を制定し、役職員の遵守を徹底すること、顧問弁護士との密な連携を図ることで、法令違反等の発生リスクの低減に努めております。しかしながら、当社グループ及び役職員の法令違反等の有無にかかわらず、ユーザーや顧客、取引先、第三者との間で予期せぬトラブルが発生し、訴訟に発展する可能性があります。提起された訴訟の内容及び結果、またはそれに関連する訴訟費用の発生や、当社グループの企業及びサービスに対するブランドイメージを毀損することで、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

5【経営上の重要な契約等】

日本モーゲージサービス株式会社

契約先

契約名称

契約内容

契約期間

住宅金融公庫(平成19年4月より、独立行政法人住宅金融支援機構。以下同じ)

住宅ローン債権売買基本契約

当社が債務者との間で締結した金銭消費貸借契約に基づき有する住宅ローン債権を、住宅金融公庫に譲渡する取引についての契約

平成18年7月1日から

平成19年3月31日まで

以降1年毎の自動更新

みずほ信託銀行㈱

つなぎ融資債権及び譲渡代金債権に関する包括信託に係る契約書

貸付を資金使途とする資金の借入、及び借入れた資金で得たつなぎローン債権の流動化等に関する契約

平成23年9月30日から

平成24年7月31日まで

以降1年毎の自動更新

 

6【研究開発活動】

該当事項はありません。

 

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりましては後述の「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」をご参照ください。

 なお、経営者は、過去の実績や状況に応じ、合理的と考えられる様々な要因に基づき見積り及び判断を行っております。しかしながら、これらの見積り及び判断は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。

 

(2) 財政状態の分析

① 資産

 当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末と比較して1,738,531千円増加し、18,269,103千円となりました。主な要因は、現金及び預金1,022,635千円、営業未収入金734,810千円が増加する一方、営業貸付金が554,520千円減少したことによるものです。

 

② 負債

 当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末と比較して524,364千円増加し、15,496,251千円となりました。主な要因は、買掛金134,904千円、短期借入金109,930千円、前受金164,924千円、責任準備金117,967千円の増加によるものです。

 

③ 純資産

 当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末と比較して1,214,166千円増加し、2,772,852千円となりました。主な要因は、資本金328,233千円、資本剰余金328,233千円、利益剰余金556,409千円の増加によるものです。

 

(3) 経営成績の分析

 経営成績の分析については、「第2 事業の状況 1業績等の概要 (1)業績」をご参照ください。

 

(4) キャッシュ・フローの状況の分析

 キャッシュ・フローの分析については、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

 

(5) 経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グループは、住宅を建築・購入等する個人顧客及び住宅関連事業者に対し、住宅ローン、住宅瑕疵担保責任保険等を提供しているため、新築住宅着工戸数や住宅流通戸数の増減により経営成績が影響を受けます。短期的には、現在のような極めて低い水準の住宅ローン金利が上昇に転じた場合、顧客の住宅購入意欲が減退し、当社グループの主たる収益源に重要な影響を与える可能性があります。また我が国の総人口は、平成22年以降長期の減少と高齢化過程に入ると推計されております(平成27年版高齢化白書)。従って、中長期的には、新規住宅着工戸数は頭打ちとなることが予想されるため、当社グループが新築住宅に対するフラット35等住宅ローンや住宅瑕疵担保責任保険の受注に過度に依存し続けた場合、将来の経営成績に重要な影響を与える可能性があります。

 

(6) 経営戦略の現状と見通し

当社グループでは、上記(5)に記載の経営成績に重要な影響を与える要因を踏まえて、既存住宅と過去において当該住宅を取得したOB顧客を住宅の補修・建て替え・転売等に関して継続的に顧客化し、メンテナンス事業や建て替え・住み替え事業等からも利益を生み出すビジネス(ストック循環型ビジネス)を住宅関連企業等に提案、実施を促すことを当社事業として強化・推進していくこととしております。

 

(7) 経営者の問題認識と今後の方針について

当社グループの経営陣は、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき、最善の経営方針を立案するように努めておりますが、上述のとおり、当社グループを取り巻く事業環境は楽観を許さないものがあります。このため、住宅金融事業におきましては、新たな住宅ローン商品等の開拓、販売チャネルの拡大に努めてまいります。また住宅瑕疵保険等事業におきましては、住宅瑕疵担保責任保険を基盤として、地盤保証、住宅性能評価等の他種目の商品の販売の強化を図ってまいります。更に住宅アカデメイア事業におきましては、住宅関連事業者向けに開発いたしました、新築住宅の設計から施工、完成引渡後のメンテナンス期間を経て再販市場へ流通していくまでのプロセスをITクラウドシステムで支援する「ハウジングプロバイダ・システム」、及び当該システムを活用した保証業務等の提供、並びにまるはびシェアモデルの本格的事業化等に注力してまいります。

当社グループは、今後も3事業のシナジー効果を最大限に発揮し、三位一体の事業戦略を進めてまいります。