第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものです。

 

(1) 経営の基本方針

① 住宅産業の課題を解決する

 当社グループは、「住宅事業者に対する経営支援」を事業目的として、住宅分野に特化したローン・保険・保証等の金融サービスを販売しております。事業目的を達成するための最も重要な戦略として、「住宅産業の課題を解決する」ことを掲げており、経済動向や社会情勢等の変化が激しい環境下において、金融サービスとITを融合させることにより住宅産業のDX化と新しい仕組みづくりを推進し、顧客である中小の住宅事業者を強力に支援するリーディングカンパニーとして持続的な成長を目指しております。

 

② 8つの経営方針

 経営方針としては、以下の8つを掲げております。

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(2)目標とする経営指標

 当社グループでは、長期利益の実現を目指し、「堅実で持続的な増益」を最も重要な経営目標としております。

 増収も主要な目標のひとつと考えておりますが、顧客・投資家・株主・従業員・社会等の当社グループを取り巻くあらゆるステークホルダーへの責任を果たすためには、増益により健全で積極的な投資を継続し、持続的に成長していくことが肝要であるとの価値観から、増収よりも増益に重きを置いております。

 増益を重要視しているという観点に加え、当社グループでは各セグメント及び各サービスによって粗利率が異なり、売上をセグメント共通の指標にしづらいといった側面(注)もあるため、最も重要な指標として「営業利益」を位置付けております。

(注)住宅金融事業の主力サービスである住宅ローンは融資手数料のみを売上として計上し、住宅瑕疵保険等事業の主力サービスである住宅瑕疵(かし)保険は原価を含む総額表示にて計上し、住宅アカデメイア事業の主力サービスである住宅保証サービス等は売上から原価を差し引いた純額表示にて計上している等の差異があります。また、業績への貢献度が最も高い住宅ローンの粗利率が高いことから、連結損益計算書においては、営業収益が小さく相対的に利益率が高くなる傾向にあります。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略

 当社グループでは中期経営計画を毎期更新しており、現在は2023年3月期から2025年3月期における3カ年を対象とした中期経営計画として「MSJグループ中期経営計画2025年3月期」(以下、「本中期経営計画」)を策定しております。顕著なインフレ傾向等の不透明感が重なる経営環境であることと、住宅業界においては強い供給制約が今後も続くと予想されることから、2021年5月に公表した「MSJグループ中期経営計画2024年3月期」を1年スライドし、2025年3月期までに連結営業収益90億円(当連結会計年度比1.2倍)、連結営業利益20億円(当連結会計年度比1.2倍)を計画しております。

 従来、住宅事業者が行っている新築住宅事業(新築住宅の建設・販売益を収益構造とする市場)が急速に縮小すると予想されることから、本中期経営計画においては住宅事業者の業態転換支援を柱とし、中古住宅向けの各種サービスの販売・提供に注力する計画としております。当中期経営計画における戦略ターゲット、コンセプト等は次のとおりです。

 

① 背景・動向

 グローバル経済の終焉を示唆するかのように、世界の分断とインフレ傾向が急速に進み、日本の住宅産業にも大きな影響が出ております。住宅は原材料の多くを輸入するため、円安・インフレ下では原価が高騰します。消費者価格も上昇しておりますが、それでも価格転嫁が追い着かず、なかでも注文住宅の建設を行う住宅事業者は非常に厳しい経営環境にあります。

 一方で、消費者にとっても住宅価格の上昇に所得が追い着かず、新築住宅の購入が難しくなりつつあります。今後は新築住宅より相対的に安い中古住宅のニーズが急速に高まり、新築住宅の建設・販売を中心とする従来の産業構造から、中古住宅のリフォーム・売買を中心とする産業構造へとシフトしていくことが考えられます。

 当社グループではこれらの背景から、現在住宅産業が大転換期を迎えていると分析しており、今後は従来の「家をお金で買う」時代から「家をお金に換える」時代へと大きく転換すると考えております。

 

② 戦略ターゲット

 当社グループでは、注文住宅の建設を行う工務店・ビルダー等の中小規模の住宅事業者を主力顧客層としております。注文住宅はオーダーメイドの受注生産となり、契約金額の確定後に原材料発注を行い、半年から1年程度をかけて完成させるため、インフレが進行する環境下では契約時に見込んでいた利益を出せないという厳しい経営環境となり、現在当社グループの主力顧客層の多くが苦しい環境に置かれております。当社グループでは、住宅事業者がこうした経営環境の変化に柔軟に対応するための支援に力を入れ、金融サービスの販売件数増加につなげてまいります。

 

③ 戦略の重要な切り口

 当社グループでは、「家をお金に換える」住宅の資産化をあらゆる事業の起点としております。人生100年時代と言われながらも、所得拡大は期待できず、多くの日本人が老後資金に不安を抱えており、消費者の資産形成が大きな課題となっております。

 日本では、欧米のように自宅を投資対象として資産形成する社会制度が整っておらず、またそうした文化も醸成されておりません。米国では住宅に対する資産意識が高く、ライフスタイルの変化等に応じた住み替えも盛んで、自宅をできるだけ高値で売却できるようメンテナンスやリフォームを積極的に行う文化がある故に住宅品質も維持され、中古住宅売買が活発に行われる等の好循環につながっております。日米で比較をすると、米国は住宅投資額に見合う資産額が積みあがっているのに対し、日本は投資額に対する資産額が累計で500兆円も下回っているとの指摘があります(出所:国土交通省)。

 当社グループでは、自宅売却等により家をお金に換え、老後資金等に活用していくことが、今後日本人が豊かに生きるために残された数少ない道だと考えており、インフレによる住宅価格の上昇は、住宅所有者にとって保有資産の上昇を意味する「自宅の売り時」であり、消費者が住宅の資産意識を持つ好機ととらえております。

 

④ ソリューションのコンセプト

 当社グループでは、本中期経営計画において、住宅事業者に提案する新業態戦略として「住宅再生・流通ビルダー」をコンセプトに掲げております。これは、従来の新築住宅の建設の副業として中古住宅仲介業を行うのではなく、「家をお金に換える」ミッションを中心に据え、再生と流通を行う今までにない新しい業態です。

 住宅の資産価値形成(家をお金に換える)には、長きにわたり住宅所有者とともにアフターメンテナンスをはじめ省エネ改修やリフォームを、計画的かつ適切に実施することが不可欠です。住宅再生・流通ビルダーは、10年、20年とこうした積み重ねを行うことで、住宅所有者を「将来的な中古住宅売主」へ、住宅を「将来的な質の高い売物件」へと育て(再生)、中古住宅売買ビジネス(流通)へとつなげていきます。

 住宅事業者は、住宅性能や断熱改修等の建築技術、住宅所有者との信頼関係や地域ネットワークといった、不動産仲介事業者等の他業種には真似がしにくい独自の強みを持っております。住宅再生・流通ビルダーはこれらの強みを活かしきり生き残るための独自の戦略となります。

 

⑤ 提供サービスと売上計画

 当社グループでは、来たる「中古住宅新時代」における住宅事業者支援のリーディングカンパニーとして、住宅事業者の業態支援戦略を足掛かりに、中古住宅向けの各種サービスの新規開発や販売増加により、中長期的な成長を目指してまいります。本中期経営計画においては、2025年までに住宅再生・流通ビルダー登録数500社を目指し、中古住宅向け各種サービスの売上構成比を上げていくことを計画しております。

 

(4)対処すべき課題

 当社グループは、住宅産業の課題解決を行うことで、企業価値の向上と持続的成長を目指しております。

 

① 当社グループが認識する住宅産業の課題

 世界的な資源価格高騰や円安、国際社会情勢の悪化等が日本の住宅産業にも大きな影響を及ぼしております。原材料のインフレに対して消費者への価格転嫁が追い着かず、特に当社グループの主な顧客層である「新築住宅の建設を行う中小規模の住宅事業者」は受注生産型の事業となるため、インフレ下では厳しい経営環境にあります。

 消費者にとっても価格上昇により住宅取得が難しくなりつつあり、今後は相対的に新築住宅より割安な中古住宅の購入ニーズが高まると予想されます。また、既に住宅を保有する消費者にとっては保有資産の価値上昇を意味し、経済が成熟する高齢化社会においては「老後資金等のために自宅を売却し、家をお金に換える」ことの必要性が高まり、中古住宅の売却ニーズも高まると予想されます。

 そこで当社グループでは、住宅事業者の強みを活かして新築住宅事業と中古住宅事業を複合的に行う、住宅事業者の新しい業態「住宅再生・流通ビルダー」をコンセプトにし、新たな金融サービスやシステム等を開発し、住宅事業者を強力に支援するコンサルティングに力を入れ、住宅産業における事業者・消費者双方の課題解決に取り組んでまいります。

 

② 当社グループの持続的成長における課題

 当社グループは、住宅事業者の経営支援を行うことにより差別性を高め、住宅金融サービスの販売につなげております。現在のような変化の激しい経営環境においては、住宅事業者の経営支援ニーズが高まるため当社グループにとってはチャンスとなりますが、住宅事業者が生き残れるソリューションを提供ができるかどうかが、中長期的な当社グループの業績に影響します。そこで当社グループでは、新たな商品やソリューションの開発を重要な経営課題と位置付け、積極的で健全な投資や人材の育成、企業文化の醸成等に力を入れております。また、1軒の住宅により多くのサービスを販売するクロスセルや、1社の取引先から何度も申し込みを頂くリピート販売ができる営業やクラウド等の仕組み構築にも力を入れ、1軒の住宅当たり・1社の住宅事業者当たりの単価を上げ、収益力向上に取り組んでおります。

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、次のとおりです。なお、文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものです。

 

(1) 当社グループの事業環境に関するリスク

① 金利及び住宅市場の動向等の外部環境リスク

 当社グループでは金融サービスを取り扱っており、また主に住宅・不動産関連の業界に属する住宅事業者及び住宅を購入等する消費者を顧客としていることから、金利、住宅の建設・流通、国内の人口等の動向や住宅・不動産に係る税制や消費税の改正等の影響を受けることがあります。住宅ローン金利の上昇、建材・資材価格の上昇、景気悪化等による消費者の住宅取得マインドの低迷、住宅着工・流通戸数の減少等が起きた場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 競合企業との競争リスク

 現在、住宅金融事業におけるフラット35を取り扱う金融機関は複数存在し、また住宅瑕疵保険等事業における住宅瑕疵(かし)保険を取り扱う住宅瑕疵担保責任保険法人は他に4法人存在する等、複数の競合企業が存在いたします。ただし我が国においては、住宅事業者の企業活動に必要なサービスを組み合わせて一体で提供できる会社は他になく、当社グループはこの強みを活かして差別化を推進しており、競合企業に劣らない体制を構築していると認識しております。しかしながら、今後競合企業の競争優位性が高まり、また他企業の新規参入等により競争が激化し、相対的に当社グループの競争優位性が低下した場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 大規模な自然災害、感染症の長期的な流行等によるリスク

 当社グループでは、地震、台風、洪水等の自然災害や火災等の事故、テロ行為や戦争、及び感染症の流行の発生を想定し、必要とされる安全対策や安否確認体制の構築等を行い、事業への影響の回避に努めております。しかしながら、想定を超える大規模な自然災害、事故、感染症の長期的な流行等の事態が発生した場合は、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(2) 当社グループの事業運営に関するリスク

① 法的規制に関するリスク

 当社グループの業務の遂行においては、関係監督省庁から許認可や指定等を受ける必要があるものが含まれます。その主な内容及び関連する法規制等については次のとおりです。

 

法規制等

許認可

番号及び有効期限

所管

住宅金融事業

貸金業法

貸金業者登録

登録年月日:2005年12月15日(東京都知事登録)、2006年3月16日(都知事登録に代えて関東財務局長登録)

登録番号:関東財務局長(5)第01464号

現行登録期限:2021年3月16日~2024年3月16日(3年毎に更新必要)

金融庁

自主規制規則

日本貸金業協会加入承認

加入承認日:2012年11月13日

会員番号:第005752号

日本貸金業協会

銀行法

銀行代理業許可

所属銀行:ソニー銀行株式会社

許可年月日:2018年10月11日

許可番号:関東財務局長(銀代)第343号

有効期限:なし

金融庁

住宅瑕疵保険等事業

特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律(住宅瑕疵担保履行法)

住宅瑕疵担保責任保険法人指定

指定日:2008年10月16日

指定番号:指定番号5

有効期限:なし

国土交通省

役員の選任及び解任の認可

業務規程に関する認可

事業計画の認可

引渡後保険の引受の認可

 

 

法規制等

許認可

番号及び有効期限

所管

住宅瑕疵保険等事業

住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)

登録住宅性能評価機関の登録

登録日:2001年4月2日

登録番号:国土交通大臣18

有効期限:2021年3月31日~2026年3月30日(5年毎に更新必要)

(注)2006年3月1日に指定制から登録制に移行

国土交通省

適合証明業務に関する協定書

適合証明業務の受託機関の協定締結

締結日:2007年1月1日

有効期限:なし

国土交通省及び財務省

建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律

BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)に基づく評価の実施機関の登録

登録日:2016年4月1日

登録番号:029(一般社団法人住宅性能評価・表示協会への登録)

有効期限:2021年4月1日~2026年3月31日(5年毎に更新必要)

国土交通省

登録建築物エネルギー消費性能判定機関の登録

登録日:2017年3月28日

登録番号:国土交通大臣22

有効期限:2022年4月1日~2027年3月31日(5年毎に更新必要)

国土交通省

住宅アカデメイア事業

建築士法

建築士事務所の登録

登録日:2021年10月20日

登録番号:一級東京都知事登録 第64642号

有効期限:2021年10月20日~2026年10月19日(5年毎に更新必要)

東京都

旅館業法

簡易宿所の許可

許可日:2016年4月21日

許可番号:長野県佐久保健所指令28佐保第11-3号

有効期限:なし

長野県佐久保健所

ホテル営業の許可

許可日:2017年4月24日

許可番号:愛知県豊川保健所指令29豊川保第467-1号

有効期限:なし

愛知県豊川保健所

簡易宿所の許可

許可日:2017年7月20日

許可番号:長野県諏訪保健所指令29諏保第10-9号

有効期限:なし

長野県諏訪保健所

資金決済法

第三者型発行者の登録

登録日:2021年10月19日

登録番号:関東財務局長第00754号

有効期限:なし

金融庁

 当社グループでは、法規制等の遵守のために、社内規程や管理体制の構築及び従業員教育を行い、コンプライアンス体制の整備に努めており、現状上記許認可等について取消事由に該当している状況にはありません。

 しかしながら、当社が貸金業法等に対する重大な違反を犯した等の場合は、貸金業者の登録取消しや更新登録不可による住宅金融事業継続不能の事態に陥る可能性があり、また特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律等への重大な違反を犯した場合は、住宅瑕疵担保責任保険法人の指定取消しによる住宅瑕疵保険事業の継続不能の事態を招く可能性がある等、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 また今後、当該法規制等の改正があった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② システム障害に関するリスク

 住宅瑕疵保険等事業及び住宅アカデメイア事業におけるサービス申込・提供に関する業務及び業務関連データ保管は、Webサイトを含め、当社グループ管理の業務システムに依存しております。また、住宅金融事業においては機構等のシステムや当社社内システムを活用して業務を遂行しております。これらのシステムや保管データに関しては、バックアップの二重化や、ファイアウォール、ウィルスチェック等、障害を回避するための対策を講じております。また、構築したアプリケーションソフトの不具合等が発生した場合でも、早急な対応が可能な体制を整えております。

 しかしながら、想定を超えた災害、攻撃、あるいはアクセスの急激な増加、または構築したアプリケーションソフトの不具合等、様々な要因によって、当社グループの業務システム及び保管データに長期間にわたる障害又は問題が生じた場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

③ 個人情報管理に関するリスク

 当社グループでは、事業の性格上多数の個人情報を取得しているため、個人情報の取扱いと管理には細心の注意を払っております。メール送信時の添付書類パスワード自動付加等のシステム面での漏えい防止措置に加え、社内ルール・手続きの明確化・徹底化並びに役職員に対する教育を行い、個人情報の管理に努めております。

 しかしながら個人情報流出の事態が発生した場合は、損害賠償請求や信用低下により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 知的財産権に関するリスク

 当社グループは、第三者の知的財産権を侵害しない体制として、社内教育の実施や顧問弁護士による調査・チェックを実施しておりますが、当社グループが事業を推進する中で第三者の知的財産権を侵害した場合は、当該第三者から損害賠償請求や使用差止請求等の訴訟を提起される可能性があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ 紛争・係争に関するリスク

 当社グループでは、コンプライアンスに関する諸規程を制定し、役職員の遵守を徹底し顧問弁護士との密な連携を図り、法令違反等発生リスクの低減に努めております。しかしながら、当社グループ及び役職員の法令違反等の有無に関わらず、ユーザーや顧客、取引先、第三者との間で予期せぬトラブルが発生し、訴訟に発展した場合は、提起された訴訟の内容及び結果又はそれに関連する訴訟費用が発生し、当社グループの企業及びサービスに対するブランドイメージ毀損等の可能性があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(3) 各セグメントの事業運営に関するリスク

① 住宅金融事業に関するリスク

A.フラット35制度変更等のリスク

 当社の主力商品である「MSJフラット35」は、独立行政法人住宅金融支援機構(以下「機構」)から住宅債権買取契約締結先と認定されることにより、機構が提供する固定金利型の住宅ローンであるフラット35を「MSJフラット35」として住宅資金需要者に貸付けている住宅ローンです。従って、機構における当該商品に係る制度や方針の変更等があった場合は、住宅金融事業の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

B.フラット35貸付用資金の調達に関するリスク

 フラット35は、当社のようなフラット35取扱機関が住宅資金需要者に貸付を行った後に、機構が当該貸付債権を買い取るスキームとなっております。当社では、貸付のための一時的な資金を民間金融機関から調達して住宅資金需要者に貸付け、その後当該貸付債権を機構へ売却することにより、民間金融機関からの借入を全額返済しております。民間金融機関からの調達金利は、機構による住宅ローン債権買取時に調達利息相当分が機構から支払われるため、当社のリスクは原則として生じません。

 しかしながら、当社業績の大幅な悪化による与信低下や、民間金融機関側の事情による当社との関係縮小等の事態が生じ、当該貸付用資金が予定通りに調達できなくなった等の場合は、住宅金融事業の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

C.つなぎローン貸付用資金の調達に関するリスク

 つなぎローンとは、住宅資金需要者が住宅ローン実行前に発生する土地購入資金や着工金・上棟金等の支払いに対応するために借入れ、住宅ローン実行の際に全額返済する一時的なロ―ンのことで、当社では住宅資金需要者に「MSJプロパーつなぎローン」を貸付けております。当社は、貸付用資金を民間金融機関から調達しており、調達金利についてはTIBOR(東京オフショア市場での銀行間における為替取引金利)を基準とした利率が適用されております。「MSJプロパーつなぎローン」の融資金利は、短期プライムレート(民間金融機関が優良企業向けの短期貸出に適用する金利)と連動して設定し、当該融資金利にて当該資金調達に関わるコストを賄っております。

 従って、当該貸付用資金の調達金利が急激に上昇する等の変動が発生し直ちに融資金利に全てを転嫁できない、または転嫁できてもそれにより競合企業より融資条件が劣後した等の場合は、住宅金融事業の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

D.アライアンスパートナーとの取引に関するリスク

 当社は、全国のローン取扱事業会社やコンサルティング会社、建材事業者、保険代理店、住宅建設事業者、宅建事業者等とアライアンスパートナーとして提携を行っております。主としてアライアンスパートナーが当社に住宅資金需要者の紹介・取次等を行い、当社が住宅資金需要者に住宅ローン等を貸付け、当社がアライアンスパートナーに代理店手数料等を支払う仕組みとしており、当社の全国に配置する住宅ローン店舗の大半は、当社の直営店舗ではなくアライアンスパートナーである運営代理店による店舗となっている等、住宅金融事業においてはアライアンスパートナーが重要な位置付けとなっております。

 従って、アライアンスパートナーとの取引に何らかの支障が生じた等の場合は、住宅金融事業の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

E.住宅ローン債権の流動化取引に関するリスク

 当社の営業貸付金の一部は、特別目的会社を利用した流動化取引を実施しており、連結貸借対照表上ではオフバランス処理されているものが存在します。特別目的会社を利用した流動化取引は、会計処理に当たって会計・法律・金融に関する高度な専門知識を要する分野であるため、当社で新規スキームを導入する際には法律専門家等と慎重に検討のうえ、取引を開始しております。

 しかしながら本取引は金額的重要性が大きいため、会計判断を誤りオンバランス処理すべき営業貸付金や短期借入金をオフバランス処理した場合は、総資本利益率等の財務指標に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 住宅瑕疵保険等事業に関するリスク

A.住宅瑕疵(かし)保険に関する法令変更等のリスク

 住宅瑕疵保険等事業における住宅瑕疵(かし)保険の販売は、当社子会社である株式会社ハウスジーメンが、特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律等に基づき、国土交通大臣から住宅瑕疵担保責任保険法人の指定を受け、行っております。従って、上記法令の変更等により住宅瑕疵担保責任保険制度そのものが法的根拠を失い、住宅瑕疵(かし)保険の販売が困難になる等の事態が生じた場合は、住宅瑕疵保険等事業の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

B.損害保険会社との再保険等に関するリスク

 住宅瑕疵(かし)保険や地盤保証等は、株式会社ハウスジーメン又は一般社団法人住宅技術協議会が引き受けた責任において、損害保険会社と損害保険契約を締結し、その対価として損害保険会社に保険料の支払いを行う再保険等の仕組みによりリスクを最小化しております。損害保険会社とは良好な関係を構築・維持しておりますが、損害保険会社における方針変更等により保険料の上昇や継続取引が困難となる等の事態が生じた場合は、住宅瑕疵保険等事業の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

C.想定外の保険事故発生に関するリスク

 住宅瑕疵(かし)保険は、再保険により保険事故が発生した場合のリスクヘッジを行っておりますが、保険金は株式会社ハウスジーメンが一義的に保険契約者に支払うこととなっており、株式会社ハウスジーメンは、法令等に基づき支払備金及び責任準備金等の積立を行っております。しかしながら、保険事故により想定を超える一時的な支出が発生した場合は、住宅瑕疵保険等事業の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

D.取次店との取引に関するリスク

 株式会社ハウスジーメンは、全国の建材事業者、住宅フランチャイズ本部等、住宅事業者とのネットワークを有する企業等と取次店として提携を行っており、顧客である住宅事業者に対する営業活動の一端を取次店が担っております。従って、取次店との取引に何らかの支障が生じた等の場合は、住宅瑕疵保険等事業の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

E.外部委託先に関するリスク

 住宅瑕疵保険等事業における「新築住宅かし保険」や「住宅性能評価」等のサービスは、建築士資格を有する検査員による検査・審査を行うこととなっており、この検査業務に関して外部の検査会社又は検査員等に委託しております。また「地盤保証」は登録地盤会社に地盤調査・解析・地盤改良工事等の委託を行っております。従って、これら委託先となる検査会社や地盤会社との取引に何らかの支障が生じ、代替対応が遅れるような事態が発生した場合は、住宅瑕疵保険等事業の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 住宅アカデメイア事業に関するリスク

A.損害保険会社との保険に関するリスク

 「住宅設備延長修理保証」等の住宅保証サービスは、株式会社住宅アカデメイアが住宅事業者と保証制度管理契約を締結し、アドミニストレーターとして制度運営を行っております。事故発生等の保証金支払いリスクに対しては、損害保険会社と損害保険契約を締結し、その対価として損害保険会社に保険料の支払いを行う仕組みによりリスクを最小化しております。損害保険会社とは良好な関係を構築・維持しておりますが、損害保険会社における方針変更等により保険料の上昇や継続取引が困難となる等の事態が生じた場合は、住宅アカデメイア事業の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

B.クラウドシステムの優位性持続に関するリスク

 住宅事業クラウドシステム「助っ人クラウド」は、株式会社住宅アカデメイアが独自に開発したサービスであり、ベースとなるシステム等は既に一定の開発を終えておりますが、追加機能の開発を継続しております。当クラウドシステムは当社グループの差別化推進等を目的として住宅事業者に無償で提供しているため、直接的な営業収益・営業利益に寄与しておりませんが、住宅保証サービスの制度運営において当クラウドシステムの仕組みを活用しております。

 従って、急速に技術革新が進み、株式会社住宅アカデメイアによる対応や追加機能の開発が大幅に遅延し、優位性が損なわれるような事態が発生した場合は、住宅アカデメイア事業の業績に影響を及ぼす可能性があります。また、「新築住宅かし保険」等他セグメントのサービス販売においても当クラウドシステムの仕組みを一部活用しているため、他セグメントの業績にも影響を及ぼす可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況は次のとおりです。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度(2021年4月1日~2022年3月31日)における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の流行の波を繰り返し、多くの都道府県で緊急事態宣言等が発令される事態が断続しました。その結果社会活動や経済活動に影響が及び、企業収益や個人消費の二極化が進みました。世界経済においても我が国と同様に不透明な状況が継続し、エネルギー等資源価格高騰の影響を受けてインフレ傾向が顕著となり、米中貿易摩擦による影響や金融資本市場の変動、当連結会計年度の終わりに悪化したウクライナ情勢等、我が国の景気低迷につながるリスクを注視しなければならない状況が続きました。

 当社グループが属する住宅業界におきましては、消費者の雇用・所得環境が悪化するなかでも、各種住宅取得支援政策やテレワークの普及、住宅ローン金利が低い状態で継続したこと等により、消費者の住宅需要は底堅い動きがみられ、新設住宅着工戸数は前年同月比で回復傾向が続きました。

 当社グループの主な顧客層である中小規模の住宅事業者を取り巻く経営環境は、楽観視出来ない状況が続きました。当連結会計年度の初頭に発生した世界的な木材高騰は一過性に終わったものの、世界的な資源価格高騰や円安等の影響により、木材価格の上昇が長期化しました。住宅価格も上昇しましたが、原材料費の値上げに伴う価格転嫁が追い付かないケースが増加し、利益の確保や事業の継続のための資金繰りが困難となるリスクが高まり、厳しい状況となりました。

 このような事業環境のもと、当社グループは創業当時から掲げております「住宅事業者の経営を支援するために住宅産業の課題を解決する」という基本方針に基づき、グループ一体となり差別化を訴求する営業活動や、住宅事業者のサポート業務、住宅事業者の課題を解決する戦略商品の開発検討等に注力し、各事業を推進いたしました。

 この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は次のとおりとなりました。

 

A.財政状態

 当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末と比較して2,173,774千円増加し、22,501,260千円となりました。

 当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末と比較して1,316,345千円増加し、15,673,095千円となりました。

 当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末と比較して857,428千円増加し、6,828,165千円となりました。

 

B.経営成績

 当連結会計年度の経営成績は、営業収益7,689,496千円(前年同期比7.9%増)、営業利益1,696,352千円(同19.1%増)、経常利益1,699,414千円(同20.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,130,594千円(同19.5%増)となりました。

 

 セグメントごとの経営成績は次のとおりです。

(A) 住宅金融事業

 住宅金融事業におきましては、事業の継続的成長に向け、幅広い商品ラインナップやコンサルティング力等の強みを活かし、住宅事業者への経営支援やサポートを推進いたしました。営業拠点に関しましては、前連結会計年度に開設した代理店運営による8店舗が本格的に稼働したほか、住宅事業者等の利便性向上及び営業体制の強化のため、当連結会計年度において新規に12店舗を開設いたしました。

 当連結会計年度における融資実行件数(銀行代理ローン商品及び提携ローン商品を除く)は前連結会計年度比で2.0%減少いたしましたが、内訳については主力商品以外のプロパーローン商品の件数が増加し、多角化が進展いたしました。主力商品である「MSJフラット35」は、住宅ローン業界において手数料の価格競争が激化しているなかで、当社は付加価値の向上により融資手数料率を維持し、1案件当たりの融資金額も増加いたしました。「MSJフラット35ベストミックス」や「MSJプロパーつなぎローン」等のプロパーローン商品については、貸付残高が増えたことにより、利息収入が増加いたしました。

 この結果、当連結会計年度の業績は、営業収益3,401,655千円(前年同期比5.1%増)、営業利益959,304千円(同11.1%増)となりました。

 

(B) 住宅瑕疵保険等事業

 住宅瑕疵保険等事業におきましては、主力商品であります戸建住宅及び共同住宅の「新築住宅かし保険」の販売を推進するため、従前より力を入れております住宅事業クラウドシステム「助っ人クラウド」及び「地盤保証」の同時提案による差別化を前面に打ち出した積極的な営業活動を展開し、複数商品のクロス販売を推進いたしました。

 住宅業界においては、新設住宅着工戸数が回復傾向で推移したことも後押しし、当連結会計年度における保険証券・保証書・評価書・適合証等の発行件数(時限的な経済政策に関連するものは除く)は前連結会計年度比で10.4%増加いたしました。なお、前連結会計年度末より開始され、当連結会計年度に終了した時限的な経済政策であるグリーン住宅ポイント制度の施行に伴い、対象住宅証明書の発行や各種審査・検査サービスを提供し、これらのサービスが当事業の業績に貢献いたしました。

 この結果、当連結会計年度の業績は、営業収益3,714,371千円(前年同期比9.2%増)、営業利益620,169千円(同33.4%増)となりました。

 

(C) 住宅アカデメイア事業

 住宅アカデメイア事業におきましては、住宅事業クラウドシステム「助っ人クラウド」及びこれに連動する「住宅メンテナンス保証」「住宅設備延長修理保証」等の住宅保証サービスの提供を推進いたしました。

 顧客である一部の住宅事業者・デベロッパーにおいては、新型コロナウイルス感染症拡大等の影響による竣工・引渡遅延が継続しており、その影響を受け当連結会計年度における住宅保証サービス件数は前連結会計年度比で1.9%減少いたしましたが、この内訳に関しては「住宅メンテナンス保証」が増加し、業績に貢献いたしました。また、住宅瑕疵保険等事業と同様にグリーン住宅ポイント制度の施行に関連し、住宅事業者向けの設計サポートサービス(「住宅フルフィルメント・サービス」)が収益に寄与しました。

 この結果、当連結会計年度の業績は、営業収益573,468千円(前年同期比16.3%増)、営業利益116,038千円(同22.3%増)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)の残高は、5,023,102千円と前連結会計年度末に比べ77,932千円増加となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において営業活動により減少した資金は、384,859千円(前連結会計年度は1,700,511千円の支出)となりました。主な収入要因は、税金等調整前当期純利益1,699,414千円、減価償却費118,189千円、売上債権の減少10,158千円、営業未収入金の減少727,350千円、前受金の増加192,449千円であり、主な支出要因は、営業貸付金の増加2,799,890千円、営業預り金の減少84,320千円、法人税等の支払額443,282千円によるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において投資活動により減少した資金は、182,459千円(前連結会計年度は221,665千円の支出)となりました。主な要因は、無形固定資産の取得による支出63,697千円、敷金及び保証金の差入による支出99,388千円によるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において財務活動により増加した資金は、645,250千円(前連結会計年度は1,654,124千円の収入)となりました。主な要因は短期借入金の増加940,780千円、配当金の支払額293,893千円によるものです。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

A.生産実績

 当社グループは生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。

 

B.受注実績

 当社グループの事業の性格上、受注状況の記載に馴染まないため、記載しておりません。

 

C.販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

前年同期比(%)

 住宅金融事業            (千円)

3,401,655

105.1

 住宅瑕疵保険等事業         (千円)

3,714,371

109.2

 住宅アカデメイア事業        (千円)

573,468

116.3

合計(千円)

7,689,496

107.9

(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。

 

① 重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりましては後述の「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」をご参照ください。

 また、当社グループでは、固定資産の減損会計や繰延税金資産の回収可能性等の会計上の見積りについて、今後の新型コロナウイルス感染症の広がり方や収束時期等に関して先行きを予測することは困難でありますが、当該感染症の影響は当連結会計年度末以降、日本経済が緩やかに回復すると仮定した場合において、連結財務諸表作成時において入手可能な情報に基づき会計上の見積りを行っております。

 なお、経営者は、過去の実績や状況に応じ、合理的と考えられる様々な要因に基づき見積り及び判断を行っております。しかしながら、これらの見積り及び判断は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

A.経営成績等

(A) 財政状態

(資産)

 当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末と比較して2,173,774千円増加し、22,501,260千円となりました。主な要因は、売掛金が10,158千円、営業未収入金が727,350千円、ソフトウエアが17,990千円減少する一方、現金及び預金が77,074千円、営業貸付金が2,799,890千円、敷金が93,591千円増加したことによるものです。

 

(負債)

 当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末と比較して1,316,345千円増加し、15,673,095千円となりました。主な要因は、未払金が74,695千円、営業預り金が84,320千円減少する一方、短期借入金が940,780千円、前受金が192,449千円、未払法人税等137,600千円増加したことによるものです。

 

(純資産)

 当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末と比較して857,428千円増加し、6,828,165千円となりました。主な要因は、当連結会計年度において、利益剰余金が836,543千円増加したことによるものです。

 

(B) 経営成績

(営業収益)

 営業収益は、金融事業において、従前より力を入れております多彩な商品ラインナップ等による住宅事業者への経営支援の推進及び前連結会計年度に開設した新規8店舗が本格稼働したことに加え、住宅瑕疵保険等事業、住宅アカデメイア事業においても好調に推移したことが主な要因となり、前連結会計年度と比較して559,698千円増加し、7,689,496千円(前年同期比7.9%増)となりました。

 

(営業原価、販売費及び一般管理費)

 営業原価は、住宅金融事業、住宅瑕疵保険等事業、住宅アカデメイア事業において、営業収益が増加したことにより、前連結会計年度と比較して102,528千円増加し、2,199,070千円(同4.9%増)となりました。

 販売費及び一般管理費は、住宅金融事業において融資実行件数増加に伴う代理店手数料の増加、住宅瑕疵保険等事業においてグリーンポイントに係る取次店手数料の増加により、前連結会計年度と比較して185,109千円増加し、3,794,072千円(同5.1%増)となりました。

 

(親会社株主に帰属する当期純利益)

 親会社株主に帰属する当期純利益は、経常利益が増加したことにより、前連結会計年度と比較して184,670千円増加し、1,130,594千円(同19.5%増)となりました。

 

(c) キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。

 

B.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当社グループは、金融サービスを取り扱っており、また主に住宅・不動産関連の業界に属する住宅事業者及び住宅を購入等する消費者を顧客としていることから、金利、住宅の建設・流通、国内の人口等の動向や不動産に関わる税制や消費税の改正等の影響を受けることがあります。

 例えば、現在のような極めて低い水準の住宅ローン金利が上昇に転じた場合や、建材・資材価格の急激な上昇、景気悪化等による消費者の住宅取得マインドが低迷した場合、住宅着工・流通戸数が急激に減少した場合等は、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 また、我が国の人口・世帯数は減少し続けることが予想されており、中長期的には新設住宅着工戸数も減少傾向が続くと予想されていることから、当社グループが新築住宅向けの住宅ローンや住宅瑕疵(かし)保険の販売に過度に依存し続けた場合、将来の経営成績に重要な影響を与える可能性があります。

 

C.資本の財源及び資金の流動性

 当社グループのセグメントのうち、住宅金融事業では、住宅ローンの貸付に必要な資金を銀行より借入れることにより調達しております。当社は顧客への貸付を行うと同時に、当該貸付債権を独立行政法人住宅金融支援機構に譲渡し、この譲渡代金を銀行からの借入金返済に充てております。

 住宅瑕疵保険等事業では、当該事業の柱である瑕疵検査業務、及び瑕疵保険業務において、営業収益である検査料収入、瑕疵保険料収入はそれぞれ事業主から前受で受取り、この資金をもって営業原価である検査員への検査料、損害保険会社への再保険料を支出しており、その他の必要資金は自己資金で賄っております。従って住宅金融事業、住宅瑕疵保険等事業においては、特に運転資金の調達は必要としておりません。

 住宅アカデメイア事業では、住宅保証サービス提供業務等において、基本的に売掛金の回収と買掛金の支払いはほぼ同時に行われます。また設備投資資金については、当社からの投融資で賄っております。

 

D.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループでは、長期利益の実現を目指し、「堅実で持続的な増益」を最も重要な経営目標としております。増収も主要な目標のひとつと考えておりますが、顧客・投資家・株主・従業員・社会等のステークホルダーに対する責任を果たすためには、健全で積極的な投資を継続し持続的に成長していくことが肝要であるとの価値観から、増収よりも増益に重きを置き、「営業利益」を重要な指標として位置付けております。

 当連結会計年度における「営業利益」は1,696,352千円となり、前連結会計年度と比較して19.1%の増益となりました。

 

4【経営上の重要な契約等】

日本モーゲージサービス株式会社

契約先

契約名称

契約内容

契約期間

住宅金融公庫(2007年4月より、独立行政法人住宅金融支援機構。以下同じ)

住宅ローン債権売買基本契約

当社が債務者との間で締結した金銭消費貸借契約に基づき有する住宅ローン債権を、独立行政法人住宅金融支援機構に譲渡する取引についての契約

2006年7月1日から

2007年3月31日まで

以降1年毎の自動更新

株式会社三井住友銀行

つなぎ融資債権及び譲渡代金債権信託契約書

つなぎ融資債権及び譲渡代金債権の流動化等に関する契約

当初信託設定日から信託終了日まで(契約締結日は2018年3月30日)

三菱UFJ信託銀行株式会社

住宅ローン債権及び金銭に関する包括信託基本契約書

住宅ローン債権の流動化等に関する契約

各信託個別契約設定日から信託終了日まで(契約締結日は2020年12月28日)

 

5【研究開発活動】

 該当事項はありません。