第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当第1四半期連結累計期間において、当四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項の発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものです。

 

(1)経営成績の状況

当社グループは、眼科領域に特化しグローバルに医療用医薬品、医療機器の研究開発を行う眼科医療ソリューション・カンパニーです。

 当第1四半期連結累計期間における世界経済は、米中摩擦の激化や新型コロナウイルス感染拡大等により不確実性が高まり、依然として先行き不透明な状況が続いております。

 このような市場環境のもと、当社グループは以下の通り研究開発を進めました。

 

[低分子化合物]

 エミクススタト塩酸塩については、2018年11月に開始したスターガルト病を対象とする第3相臨床試験を継続して実施しました。当該臨床試験は、世界10か国・30施設において、162名の被験者をランダムに10mgのエミクススタト投与群とプラセボ群に2対1で割り当て、1日1回の経口投与にて24ヶ月間実施するものです。スターガルト病は希少疾病であるため、一般的な疾患に比べて被験者登録に時間を要しますが、当第1四半期連結累計期間は順調に被験者登録が進展しました。この結果、2019年12月末現在で目標の約半数であった被験者登録数は、2020年3月末にはほぼ目標の被験者登録数に近い水準に到達しました。

 なお、エミクススタト塩酸塩は、スターガルト病の新規治療薬候補として、2017年1月にFDA(米国食品医薬品局)、2019年6月にEMA(欧州医薬品庁)よりオーファンドラッグ指定を受けています。

(注)エミクススタト塩酸塩のスターガルト病を対象とする第3相臨床試験の被験者登録については、2020年5月1日に完了しております。最終的な被験者登録数は、世界11カ国、29施設において当初目標登録数を32名上回る194名となりました。詳細は、2020年5月1日付の当社プレスリリース「スターガルト病治療薬候補「エミクススタト塩酸塩」第3相臨床試験、被験者登録完了のお知らせ」をご覧ください。

 

 エミクススタト塩酸塩は、スターガルト病の他にも増殖糖尿病網膜症を対象とする第2相臨床試験を2017年度に実施しております。当該臨床試験の解析の結果、エミクススタト塩酸塩が黄斑浮腫を改善する可能性が示唆されましたが、第3相臨床試験は規模も大きく、多額の研究開発資金が必要になると見込まれることから、当社グループ単独で進めることは難しいと考え、パートナー企業との共同開発の可能性を模索しております。

 

[医療機器]

 在宅で網膜の状態の測定を可能にする遠隔眼科医療モニタリングデバイス「PBOS (Patient Based Ophthalmology Suite)」については、2018年に米国で実施した臨床試験において良好な結果が得られたことから、量産型試作機の開発を進めました。なお、PBOSについてもパートナー企業との共同開発、商業化の可能性を模索しております。

 また、当社グループはNASA(米国航空宇宙局)のディープスペースミッションに向けて、2019年3月に米国のTRISH(Translational Research Institute for Space and Health: NASAとの共同契約を通じた提携により、NASAのディープスペースミッションにおける、宇宙飛行士の精神的、身体的健康を保護、維持するための革新的な技術に資金供与を行うコンソーシアム)と小型OCT(光干渉断層計)の開発受託契約を締結し、宇宙飛行士モニタリング機器(フェーズ1)の開発を行っております。当第1四半期連結累計期間においては、フェーズ1の完了に向けてNASAへのデモンストレーション実施や、報告書作成などを行いました。なお、開発に要する費用はTRISHを通じて助成されます。

 

[遺伝子治療]

 遺伝子治療については、遺伝性網膜疾患である網膜色素変性を対象として、プロモーター及びカプシドの改良、導入遺伝子の改変といった前臨床研究を継続しました。

 

(研究開発費)

 当第1四半期連結累計期間の研究開発費は、前年同四半期と比較して44百万円(前年同四半期比7.0%)減少し、581百万円となりました。これは、エミクススタト塩酸塩のスターガルト病を対象とする臨床試験の進展に伴い臨床試験費が増加した一方で、遠隔眼科医療モニタリングデバイス「PBOS」の開発費用が減少したこと、人員削減等により研究開発関連の人件費や諸経費が減少したことが主な要因です。

 

 

 

 

(単位:%を除き、千円)

 

前第1四半期

当第1四半期

増減額

増減率(%)

研究開発費

624,608

580,952

△43,656

△7.0

 

(一般管理費)

 当第1四半期連結累計期間の一般管理費は、前年同四半期と比較して35百万円(前年同四半期比27.9%)増加し、160百万円となりました。これは、前年同四半期において人員削減に伴い株式報酬費用が少なかったこと、当第1四半期連結累計期間において株式報酬費用を計上したことが主な要因です。

 

 

 

 

(単位:%を除き、千円)

 

前第1四半期

当第1四半期

増減額

増減率(%)

一般管理費

124,964

159,799

34,835

27.9

 

(2)財政状態の分析

(流動資産)

 当第1四半期連結会計期間末の流動資産は、前連結会計年度末と比べて372百万円減少し7,806百万円となりました。これは、その他の金融資産が減少したことが主な要因です。

 

(非流動資産)

 当第1四半期連結会計期間末の非流動資産は、前連結会計年度末と比べて375百万円減少し188百万円となりました。これは、その他の金融資産が減少したことが主な要因です。

 

(流動負債)

 当第1四半期連結会計期間末の流動負債は、前連結会計年度末と比べて30百万円増加535百万円となりました。これは、未払債務が増加したことが主な要因です。

 

(非流動負債)

 当第1四半期連結会計期間末の非流動負債は、前連結会計年度末と比べて31百万円減少し127百万円となりました。これは、リース負債が減少したことが主な要因です。

 

(資本)

 当第1四半期連結会計期間末の資本は、前連結会計年度末と比べて745百万円減少し7,332百万円となりました。これは、四半期損失の計上により繰越損失(利益剰余金のマイナス)が拡大したことが主な要因です。

 

(3)キャッシュ・フローの状況

 現金及び現金同等物は、取得日後3か月以内に満期が到来する短期の流動性の高いすべての投資を含み、現金同等物はマネー・マーケット・ファンドで構成されております。取得日現在の満期が3か月から1年の間である投資は、短期投資に分類されます。短期投資は社債、コマーシャル・ペーパー及び米国政府機関債から構成されております。

 当社グループが保有する現金、現金同等物及び短期・長期の金融商品は、前第1四半期連結会計期間末及び当第1四半期連結会計期間末において、それぞれ10,705百万円及び7,491百万円でありました。第三者金融機関への預金額は、連邦預金保険公社及び証券投資家保護公社の適用ある保証上限を超える可能性があります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 前第1四半期連結累計期間及び当第1四半期連結累計期間における営業活動に使用した現金及び現金同等物(以下、資金)は、それぞれ1,077百万円及び664百万円となりました。使用した資金が413百万円減少した主な要因は、エミクススタト塩酸塩の臨床試験の進展に伴い、当第1四半期連結会計期間末時点での未払債務が増加したこと、及び前第1四半期連結累計期間に比べ、当第1四半期連結累計期間は未払報酬の支払い金額が減少したことによるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 前第1四半期連結累計期間及び当第1四半期連結累計期間における投資活動により得られた資金は、それぞれ745百万円及び1,261百万円となりました。得られた資金が516百万円増加した主な要因は、満期を迎えた金融資産への再投資を抑制したことによるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 前第1四半期連結累計期間における財務活動により得られた資金は609百万円、当第1四半期連結累計期間に使用した資金は42百万円となりました。これは主に、前第1四半期連結累計期間は新株予約権の権利行使に伴う普通株式の発行による収入がありましたが、当第1四半期連結累計期間では同様の収入がなかったことによるものです。

 

(4)事業上及び財務上の対処すべき課題

 当第1四半期連結累計期間において、事業上及び財務上の対処すべき課題について、重要な変更はありません。

 

(5)研究開発活動

 前第1四半期連結累計期間及び当第1四半期連結累計期間における研究開発費の総額は、それぞれ625百万円及び581百万円となりました。

 なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。研究開発費の詳細は、「(1)経営成績の状況 (研究開発費)」をご参照ください。

 

3【経営上の重要な契約等】

 当第1四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。