第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当第2四半期連結累計期間において、当四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項の発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。なお、新型コロナウイルスが業績に与える影響については、本四半期報告書提出日(2020年8月13日)現在においては軽微であると考えておりますが、今後も状況の変化を注視し、業績への影響が見込まれる場合には速やかに開示をいたします。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものです。

 

(1)経営成績の状況

 当社グループは、眼科領域に特化しグローバルに医療用医薬品、医療機器の研究開発を行う眼科医療ソリューション・カンパニーです。

 当第2四半期連結累計期間における世界経済は、新型コロナウイルス感染の更なる拡大等により、依然として先行き不透明な状況が続いております。

 このような市場環境のもと、当社グループは以下のとおり研究開発を進めました。

 

[低分子化合物]

 エミクススタト塩酸塩については、スターガルト病を対象とする第3相臨床試験を2018年11月に開始し、現在も継続して実施しております。当該臨床試験は、被験者をランダムに10mgのエミクススタト投与群とプラセボ群に2対1で割り当て、1日1回の経口投与にて24か月間実施するもので、主要評価項目には、若年性黄斑変性スターガルト病患者における黄斑部の萎縮の進行を抑制する効果の検証、副次的評価項目には、最良矯正視力のスコアや読速度などの視機能の変化が含まれます。

 当社では、2018年11月7日(米国時間)の最初の被験者登録完了後、グローバルに被験者登録を進めておりましたが、2020年5月1日に全被験者登録を完了し、最終的に世界11カ国、29施設において登録された被験者の総数は194名となりました。なお、当社は被験者登録数の目標を当初162名と設定しておりましたが、新型コロナウイルス感染拡大等の影響を踏まえ、被験者登録数を積み増しております。

 なお、エミクススタト塩酸塩は、スターガルト病の新規治療薬候補として、2017年1月にFDA(米国食品医薬品局)、2019年6月にEMA(欧州医薬品庁)よりオーファンドラッグ指定を受けています。

 エミクススタト塩酸塩は、スターガルト病の他にも増殖糖尿病網膜症を対象とする第2相臨床試験を2017年度に実施しております。当該臨床試験の解析の結果、エミクススタト塩酸塩が黄斑浮腫を改善する可能性が示唆されましたが、第3相臨床試験は規模も大きく、多額の研究開発資金が必要になると見込まれることから、当社グループ単独で進めることは難しいと考え、パートナー企業との共同開発の可能性を模索しております。

 

[医療機器]

 在宅で網膜の状態の測定を可能にする遠隔眼科医療モニタリングデバイス「PBOS (Patient Based Ophthalmology Suite)」については、引き続き量産型試作機の開発を進め、初期型の試作機が完成しました。現在は、更なる機能改善のため、AI(人口知能)を活用した3D生成機能などのソフトウェア改良を行いつつ、パートナー企業との共同開発、商業化の可能性を模索しております。

 また、当社グループは有人火星探査に携行可能な超小型眼科診断装置の開発をNASA(米国航空宇宙局)と共同で進めておりますが、2020年4月に同プロジェクトのフェーズ1が完了しました。これに伴い、TRISH(Translational Research Institute for Space and Health: NASAとの共同契約を通じた提携により、NASAのディープスペースミッションにおける、宇宙飛行士の精神的、身体的健康を保護、維持するための革新的な技術に資金供与を行うコンソーシアム)より受領した開発受託金を、事業収益に計上しました。

 当社グループでは、PBOSに次ぐ医療機器プロジェクトとして、当社独自のアクティブスティミュレーション技術「クボタメガネ・テクノロジー」を活用した、近視の進行を抑制するウェアラブル近視デバイスの開発も行っております。2020年5月には、卓上デバイスでの効果検証において、眼軸長(角膜から網膜までの長さ)が対照眼と比較して短縮することを確認しました。これを受け、2020年6月30日(日本時間)より、ウェアラブルデバイスにおける米国での概念実証(POC)試験を開始し、継続しております。

 

[遺伝子治療]

 遺伝子治療については、遺伝性網膜疾患である網膜色素変性を対象として、プロモーター及びカプシドの改良、導入遺伝子の改変といった前臨床研究を継続しました。

 

(研究開発費)

 当第2四半期連結累計期間の研究開発費は、前年同四半期と比較して260百万円減少(前年同四半期比△20.5%)し、1,010百万円となりました。これは、ウェアラブル近視デバイスの開発費用が増加した一方で、遠隔眼科医療モニタリングデバイス「PBOS」の開発費用が減少したこと、人員削減等により研究開発関連の人件費や諸経費が減少したことが主な要因です。

 

 

 

 

(単位:%を除き、千円)

 

前第2四半期

当第2四半期

増減額

増減率(%)

研究開発費

1,269,643

1,009,786

△259,856

△20.5

 

(一般管理費)

 当第2四半期連結累計期間の一般管理費は、前年同四半期と比較して60百万円増加(前年同四半期比22.8%)し、320百万円となりました。これは、前年同四半期において人員削減に伴い株式報酬費用が減少したこと、当第2四半期連結累計期間において株式報酬費用を計上したことが主な要因です。

 

 

 

 

(単位:%を除き、千円)

 

前第2四半期

当第2四半期

増減額

増減率(%)

一般管理費

260,846

320,350

59,504

22.8

 

(2)財政状態の分析

(流動資産)

 当第2四半期連結会計期間末の流動資産は、前連結会計年度末と比べて1,056百万円減少し7,121百万円となりました。これは、その他の金融資産が減少したことが主な要因です。

 

(非流動資産)

 当第2四半期連結会計期間末の非流動資産は、前連結会計年度末と比べて359百万円減少し204百万円となりました。これは、その他の金融資産が減少したことが主な要因です。

 

(流動負債)

 当第2四半期連結会計期間末の流動負債は、前連結会計年度末と比べて42百万円減少し464百万円となりました。これは、その他の流動負債が減少したことが主な要因です。

 

(非流動負債)

 当第2四半期連結会計期間末の非流動負債は、前連結会計年度末と比べて37百万円減少し121百万円となりました。これは、リース負債が減少したことが主な要因です。

 

(資本)

 当第2四半期連結会計期間末の資本は、前連結会計年度末と比べて1,337百万円減少し6,740百万円となりました。これは、四半期損失の計上により繰越損失(利益剰余金のマイナス)が拡大したことが主な要因です。

 

(3)キャッシュ・フローの状況

 現金及び現金同等物は、取得日後3か月以内に満期が到来する短期の流動性の高いすべての投資を含み、現金同等物はマネー・マーケット・ファンドで構成されております。取得日現在の満期が3か月から1年の間である投資は、短期投資に分類されます。短期投資は社債、コマーシャル・ペーパー及び米国政府機関債から構成されております。

 当社グループが保有する現金、現金同等物及び短期・長期の金融商品は、前第2四半期連結会計期間末及び当第2四半期連結会計期間末において、それぞれ9,933百万円及び7,109百万円でありました。第三者金融機関への預金額は、連邦預金保険公社及び証券投資家保護公社の適用ある保証上限を超える可能性があります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 前第2四半期連結累計期間及び当第2四半期連結累計期間における営業活動に使用した現金及び現金同等物(以下、資金)は、それぞれ1,774百万円及び1,204百万円となりました。使用した資金が570百万円減少した主な要因は、エミクススタト塩酸塩の臨床試験の進展等に伴い、当第2四半期連結会計期間末時点での未払債務が増加したこと、及び前第2四半期連結累計期間に比べ、当第2四半期連結累計期間は未払報酬の支払金額が減少したことによるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 前第2四半期連結累計期間及び当第2四半期連結累計期間における投資活動により得られた資金は、それぞれ1,596百万円及び1,478百万円となりました。得られた資金が118百万円減少した主な要因は、投資から得られる利子収入、及び金融資産の売却による収入が減少したことによるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 前第2四半期連結累計期間における財務活動により得られた資金は546百万円、当第2四半期連結累計期間に使用した資金は77百万円となりました。これは主に、前第2四半期連結累計期間は新株予約権の権利行使に伴う普通株式の発行による収入がありましたが、当第2四半期連結累計期間では同様の収入がなかったことによるものです。

 

(4)事業上及び財務上の対処すべき課題

 当第2四半期連結累計期間において、事業上及び財務上の対処すべき課題について、重要な変更はありません。

 

(5)研究開発活動

 前第2四半期連結累計期間及び当第2四半期連結累計期間における研究開発費の総額は、それぞれ1,270百万円及び1,010百万円となりました。

 なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。研究開発費の詳細は、「(1)経営成績の状況 (研究開発費)」をご参照ください。

 

3【経営上の重要な契約等】

 当第2四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。