第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当第1四半期連結累計期間において、当四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項の発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。なお、新型コロナウイルスが業績に与える影響については、本四半期報告書提出日(2022年5月13日)現在においては軽微であると考えておりますが、今後も状況の変化を注視し、業績への影響が見込まれる場合には速やかに開示をいたします。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものです。

 

(1)経営成績の状況

 当社グループは、眼科領域に特化しグローバルに医療用医薬品、医療機器の研究開発を行う眼科医療ソリューション・カンパニーです。

 当第1四半期連結累計期間における世界経済は、新型コロナウイルス感染の更なる拡大等により、依然として先行き不透明な状況が続いております。

 このような市場環境のもと、当社グループは以下のとおり研究開発を進めました。

 

[低分子化合物]

 エミクススタト塩酸塩については、スターガルト病を対象とする第3相臨床試験を2018年11月に開始し、現在も世界11カ国、29施設において継続して実施しております。当該臨床試験は、被験者をランダムに10mgのエミクススタト投与群とプラセボ群に2対1で割り当て、1日1回の経口投与にて24ヶ月間実施するもので、主要評価項目には、若年性黄斑変性スターガルト病患者における黄斑部の萎縮の進行を抑制する効果の検証、副次的評価項目には、最良矯正視力のスコアや読速度などの視機能の変化が含まれます。

 当社グループは、被験者登録数の目標を当初162名と設定しておりましたが、新型コロナウイルス感染拡大等の影響を踏まえ、被験者登録数を194名に積み増しました。最後の被験者登録は2020年4月(アメリカ時間)に完了しており、順調に進めば当第3四半期連結累計期間以降にデータベースのロックが完了する見通しです。

 当該第3相臨床試験は、2020年8月にFDA(米国食品医薬品局)によりOrphan Products Clinical Trials Grants Programの助成プログラムに選定されており、3年間で最大163万ドルの助成金を受給する見込みです。初年度となる2020年連結会計年度は合計57百万円、前連結会計年度は合計60百万円をその他の営業収益に計上し、当連結会計年度も同様の計上を見込んでおりますが、当第1四半期連結累計期間の計上はありません。

 なお、エミクススタト塩酸塩は、スターガルト病の新規治療薬候補として、2017年1月にFDA、2019年6月にEMA(欧州医薬品庁)よりオーファンドラッグ指定を受けています。

 エミクススタト塩酸塩は、スターガルト病の他にも増殖糖尿病網膜症を対象とする第2相臨床試験を2017年度に実施しております。当該臨床試験の解析の結果、エミクススタト塩酸塩が黄斑浮腫を改善する可能性が示唆されましたが、第3相臨床試験は規模も大きく、多額の研究開発資金が必要になると見込まれることから、当社グループ単独で進めることは難しいと考え、パートナー企業との共同開発の可能性を模索しております。

 

[医療機器]

 在宅で網膜の状態の測定を可能にする遠隔眼科医療モニタリングデバイス「PBOS (Patient Based Ophthalmology Suite)」については、2020年の初期型試作機の完成以降も、更なる機能改善やソフトウェア改良を行いつつ、パートナー企業との共同開発、商業化の可能性を模索しております。なお、当第1四半期連結累計期間には、鹿児島園田眼科による前向き介入研究が開始されました。

 また、当社グループは有人火星探査に携行可能な超小型眼科診断装置の開発をNASA(米国航空宇宙局)と共同で進めており、2020年に同プロジェクトのフェーズ1が完了しました。本プロジェクトのフェーズ2の詳細につきましては協議を続けておりますが、開始時期は未定です。

 当社独自のアクティブスティミュレーション技術を活用し、近視の進行抑制、治療を目指すウェアラブル近視デバイス「クボタメガネ」については、2020年に卓上デバイス及びウェアラブルデバイスでの概念実証試験において、眼軸長(角膜から網膜までの長さ)が対照眼と比較して短縮することを確認し、初期型のプロトタイプが完成しました。前連結会計年度には、台湾における医療機器の製造許可の取得及び、医療機器のデザイン・開発会社として「ISO 13485:2016」の認証を取得しました。現在も、台湾支店の設立など、商業化へ向けた製品開発やデザイン改良などの製造販売の準備を進めるとともに、より多くのエビデンスを得るための臨床試験等を継続しております。

 

(研究開発費)

 当第1四半期連結累計期間の研究開発費は、前年同四半期と比較して8百万円減少(前年同四半期比△1.6%)し、499百万円となりました。これは、ウェアラブル近視デバイスの開発費用が増加した一方で、遠隔眼科医療モニタリングデバイス「PBOS」及び遺伝子治療の開発費用が減少したことが主な要因です。

 

 

 

 

(単位:%を除き、千円)

 

前第1四半期

当第1四半期

増減額

増減率(%)

研究開発費

506,659

498,661

△7,998

△1.6

 

(一般管理費)

 当第1四半期連結累計期間の一般管理費は、前年同四半期と比較して33百万円減少(前年同四半期比△18.6%)し、146百万円となりました。これは前年同四半期と比較して特許関連費用が減少したこと、及び経費削減施策の影響によりその他の一般管理費が減少したことが主な要因です。

 

 

 

 

(単位:%を除き、千円)

 

前第1四半期

当第1四半期

増減額

増減率(%)

一般管理費

179,033

145,817

△33,216

△18.6

 

(2)財政状態の分析

(流動資産)

 当第1四半期連結会計期間末の流動資産は、前連結会計年度末と比べて562百万円減少し4,063百万円となりました。これは、現金及び現金同等物が減少したことが主な要因です。

 

(非流動資産)

 当第1四半期連結会計期間末の非流動資産は、前連結会計年度末と比べて1百万円減少し207百万円となりました。これは、有形固定資産の減価償却が主な要因です。

 

(流動負債)

 当第1四半期連結会計期間末の流動負債は、前連結会計年度末と比べて40百万円減少し502百万円となりました。これは、未払債務が増加した一方で、買掛金及び未払報酬が減少したことが主な要因です。

 

(非流動負債)

 当第1四半期連結会計期間末の非流動負債は、前連結会計年度末と比べて3百万円減少し135百万円となりました。これは、リース負債が減少したことが要因です。

 

(資本)

 当第1四半期連結会計期間末の資本は、前連結会計年度末と比べて520百万円減少し3,633百万円となりました。これは、四半期損失の計上により繰越損失(利益剰余金のマイナス)が拡大したことが主な要因です。

 

(3)キャッシュ・フローの状況

 現金及び現金同等物は、取得日後3ヶ月以内に満期が到来する短期の流動性の高いすべての投資を含み、現金同等物はマネー・マーケット・ファンドで構成されております。取得日現在の満期が3ヶ月から1年の間である投資は、短期投資に分類されます。短期投資は社債、コマーシャル・ペーパー及び米国政府機関債から構成されております。

 当社グループが保有する現金、現金同等物及び短期・長期の金融商品は、前第1四半期連結会計期間末及び当第1四半期連結会計期間末において、それぞれ6,185百万円及び3,942百万円でありました。第三者金融機関への預金額は、連邦預金保険公社及び証券投資家保護公社の適用ある保証上限を超える可能性があります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 前第1四半期連結累計期間及び当第1四半期連結累計期間における営業活動に使用した現金及び現金同等物(以下、資金)は、それぞれ623百万円及び580百万円となりました。使用した資金が43百万円減少した主な要因は、前第1四半期連結累計期間に比べ、当第1四半期連結累計期間は研究開発及び一般管理費等の支払いに関する資金が減少したことによるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 前第1四半期連結累計期間における投資活動により得られた資金は1,885百万円、当第1四半期連結累計期間に使用した資金は241百万円となりました。これは前第1四半期連結累計期間に比べ、その他の金融資産の満期償還による収入が減少したことによるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 前第1四半期連結累計期間における財務活動により得られた資金は159百万円、当第1四半期連結累計期間に使用した資金は33百万円となりました。これは、当第1四半期連結累計期間において新株予約権の権利行使に伴う普通株式の発行による収入が発生しなかったことによるものです。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当第1四半期連結累計期間において、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について、重要な変更はありません。

 

(5)研究開発活動

 前第1四半期連結累計期間及び当第1四半期連結累計期間における研究開発費の総額は、それぞれ507百万円及び499百万円となりました。

 なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。研究開発費の詳細は、「(1)経営成績の状況 (研究開発費)」をご参照ください。

 

3【経営上の重要な契約等】

 当第1四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。