当第3四半期連結累計期間において、当四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項の発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。なお、新型コロナウイルスが業績に与える影響については、本四半期報告書提出日(2022年11月11日)現在においては軽微であると考えておりますが、今後も状況の変化を注視し、業績への影響が見込まれる場合には速やかに開示をいたします。
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものです。
(1)経営成績の状況
当社グループは、眼科領域に特化しグローバルに医療用医薬品、医療機器の研究開発を行う眼科医療ソリューション・カンパニーです。
当第3四半期連結累計期間における世界経済は、新型コロナウイルス感染の影響の緩和が見られるものの、ウクライナ戦禍の長期化による供給制約や資源価格高騰などを背景としたインフレ圧力が強まり、また、日米金利差の拡大を背景とした円安傾向の長期化が予想されるなど、依然として先行き不透明な状況が続いております。
このような市場環境のもと、当社グループは以下のとおり研究開発を進めました。
[医療機器]
(ウェアラブル近視デバイス(Kubota Glass))
当社グループが開発中のクボタメガネ・テクノロジーは、網膜に人工的な光刺激を与えて近視の進行の抑制、治療を目指す当社独自のアクティブスティミュレーション技術です。2020年に、米国子会社のクボタビジョン・インクが、被験者12名に対し、クボタメガネ・テクノロジーを用いた試作機である卓上デバイスにて眼軸に与える影響を検証した結果、対照眼と比較し眼軸長の短縮を確認しました。次いで、同技術を用いたウェアラブルデバイスでも、18歳~35歳の25名の近視傾向のある被験者に対しても同様の効果検証が完了しました。通常、眼軸長は、年齢と共に伸びる、若しくは成長が止まるものであり、人工的な光により眼軸長が対照眼と比較して短くなるということは、世界でも前例がありません。当社では、このテクノロジーをスマートメガネ、スマートコンタクトレンズに応用し、メガネのいらない世界の実現に向けて開発を推進しております。
2020年12月には初期型プロトタイプが完成し、2021年には、台湾における医療機器の製造許可取得及び医療機器のデザイン・開発会社として「ISO 13485:2016」の認証を取得しました。また2022年には、米国FDAでの医療機器登録の完了及び、ソフトローンチとして、米国及び日本において一部眼科医院で販売を開始しました。現在、販売拡大に向けた準備を進めるとともに、より多くのエビデンスを得るための臨床試験等を継続しております。今後は、主に米国、日本及び台湾において、製造から販売・配送、アフターケアまでのプロセスにおけるトラブルシューティング及びマーケットフィットの検証を目的としたソフトローンチを行う一方で、より広範な市場での商業化を可能にするためのマーケティング活動の強化、及びよりマーケットニーズにフィットした次世代機の開発の準備を進め、逐次着手していく方針です。
(在宅・遠隔医療モニタリング機器)
当社が開発する超小型モバイルOCT(光干渉断層計)のPBOSは、眼科において網膜の状態の検査に用いられるOCTの超小型モデルのことで、モバイルヘルスを含む在宅・遠隔医療分野での需要を見据えた在宅眼科医療機器ソリューションです。ウェット型加齢黄斑変性や糖尿病黄斑浮腫等の網膜浮腫による網膜疾患患者が自宅で患者自身で網膜の状態を測定することを可能にする検査デバイスです。インターネットを介して、網膜の構造や視力の変化といった病状の経過を、医師が遠隔で診断できるシステムを確立することにより、個別の患者に適した眼科治療を実現し、視力の維持向上を目指します。2020年の初期型試作機の完成以降も更なる機能改善のため、AI(人工知能)を活用した3D生成機能などのソフトウェア改良を行いつつ、パートナー企業との共同開発、商業化の可能性を模索しております。
[低分子化合物]
エミクススタト塩酸塩については、スターガルト病を対象とする第3相臨床試験を2018年11月7日(米国時間)に最初の被験者登録を完了し、グローバルに当臨床試験を推進しました。当社は被験者登録数の目標を当初162名と設定しておりましたが、コロナウィルスの感染拡大等の影響を踏まえ、被験者登録数を積み増しし、最終的には194名の被験者登録を完了しました。最終被験者最終来院は2022年6月23日(米国時間)に完了し、当第3相臨床試験は終了しました。
当該臨床研究のデータベースの集計及び分析の結果、主要評価項目及び副次的評価項目を達成せず、治療群間の有意差も示されませんでした。主要評価項目である黄斑萎縮の進行率は、エミクススタト投与群で1.280mm2/年、プラセボ投与群で1.309mm2/年でした(p=0.8091)。但し、エミクススタトの忍容性は良好で、先行研究と同様の安全性プロファイルが示されております。
その後の更なる分析の結果、ベースライン時の萎縮病巣面積がより小さい被験者グループでのプラセボ投与群と比較したところ、エミクススタト投与群の萎縮病巣の進行率が優位に低いことを示唆され、それを検証すべく、サブグループ解析を実施しました。ベースライン時の萎縮病巣領域が小さい被験者グループに対して変数減少法による単変量と多変量分析を行い、このサブグループにおける萎縮病巣の進行に影響する独立したベースラインの因子を特定しました。この解析の結果、エミクススタト投与群の24カ月目の黄斑萎縮の進行率が、プラセボ投与群に比べ40.8%抑制されました(p=0.0206、エミクススタト投与群n=34、プラセボ群 n=21)。
上記の結果を受けて、当社は、引き続き共同開発パートナーを探す等の活動を継続するとともに、エミクススタトの今後の計画について改めて検討してまいります。
当第3四半期連結累計期間の事業収益は3百万円、売上原価は3百万円となりました。研究開発費、販売費及び一般管理費については以下のとおりです。
(研究開発費)
当第3四半期連結累計期間の研究開発費は、前年同四半期と比較して195百万円減少(前年同四半期比△13.0%)し、1,306百万円となりました。これはウェアラブル近視デバイスの開発費用及び遠隔眼科医療モニタリングデバイス「PBOS」の開発費用等が減少したことが主な要因です。
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(単位:%を除き、千円) |
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前第3四半期 |
当第3四半期 |
増減額 |
増減率(%) |
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研究開発費 |
1,500,304 |
1,305,802 |
△194,502 |
△13.0 |
(販売費及び一般管理費)
当第3四半期連結累計期間の販売費及び一般管理費は、前年同四半期と比較して47百万円減少(前年同四半期比△9.9%)し、421百万円となりました。これは前年同四半期と比較して特許関連費用が減少したこと、及び経費削減施策の影響によりその他の一般管理費が減少したことが主な要因です。
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(単位:%を除き、千円) |
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前第3四半期 |
当第3四半期 |
増減額 |
増減率(%) |
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販売費及び一般管理費 |
467,916 |
421,391 |
△46,525 |
△9.9 |
(2)財政状態の分析
(流動資産)
当第3四半期連結会計期間末の流動資産は、前連結会計年度末と比べて125百万円減少し4,500百万円となりました。これは、現金及び現金同等物が増加した一方で、その他の金融資産が減少したことが主な要因です。
(非流動資産)
当第3四半期連結会計期間末の非流動資産は、前連結会計年度末と比べて2百万円減少し205百万円となりました。これは、その他の非流動資産が減少したことが主な要因です。
(流動負債)
当第3四半期連結会計期間末の流動負債は、前連結会計年度末と比べて38百万円減少し504百万円となりました。これは、未払報酬及びリース負債が減少したことが主な要因です。
(非流動負債)
当第3四半期連結会計期間末の非流動負債は、前連結会計年度末と比べて19百万円減少し118百万円となりました。これは、リース負債が減少したことが要因です。
(資本)
当第3四半期連結会計期間末の資本は、前連結会計年度末と比べて70百万円減少し4,083百万円となりました。これは、四半期損失の計上により繰越損失(利益剰余金のマイナス)が拡大したことが主な要因です。
(3)キャッシュ・フローの状況
現金及び現金同等物は、取得日後3ヶ月以内に満期が到来する短期の流動性の高いすべての投資を含み、現金同等物はマネー・マーケット・ファンドで構成されております。取得日現在の満期が3ヶ月から1年の間である投資は、短期投資に分類されます。
当社グループが保有する現金、現金同等物及び短期・長期の金融商品は、前第3四半期連結会計期間末及び当第3四半期連結会計期間末において、それぞれ4,960百万円及び4,373百万円でありました。第三者金融機関への預金額は、連邦預金保険公社及び証券投資家保護公社の適用ある保証上限を超える可能性があります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
前第3四半期連結累計期間及び当第3四半期連結累計期間における営業活動に使用した現金及び現金同等物(以下、資金)は、それぞれ1,926百万円及び1,679百万円となりました。使用した資金が247百万円減少した主な要因は、前第3四半期連結累計期間に比べ、当第3四半期連結累計期間は研究開発及び一般管理費等の支払いに関する資金が減少したことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
前第3四半期連結累計期間及び当第3四半期連結累計期間における投資活動により得られた資金は、それぞれ3,526百万円及び566百万円となりました。得られた資金が2,960百万円減少した主な要因は、満期を迎えた金融資産の再投資を抑制したことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
前第3四半期連結累計期間及び当第3四半期連結累計期間における財務活動により得られた資金は、それぞれ210百万円及び1,161百万円となりました。得られた資金が951百万円増加した主な要因は、前第3四半期連結累計期間に比べ、当第3四半期連結累計期間は新株予約権の権利行使に伴う普通株式の発行による収入が増加したことによるものです。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について、重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
前第3四半期連結累計期間及び当第3四半期連結累計期間における研究開発費の総額は、それぞれ1,500百万円及び1,306百万円となりました。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。研究開発費の詳細は、「(1)経営成績の状況 (研究開発費)」をご参照ください。
当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。