文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループの経営理念は「私たちの最大のゴールは、広告宣伝を通じて、お客様の経営に貢献することである。」としております。引き続き、マスメディア等の既存の媒体に頼らない顧客満足度の高いサービスを継続的に提供するとともに、新規事業を含む新たな領域への挑戦を進め、社会から期待される企業であり続けられるよう努めてまいります。
(2)経営環境
当社グループが属する広告業界におきましても、2020年の総広告費は6兆1,594億円(前年比88.8%)と大きく減少しました(電通「日本の広告費」2021年2月発表)。世界的な新型コロナウイルス感染症拡大の影響による各種イベントや広告販促キャンペーンの延期・中止により、4~6月を中心に大幅に減少しました。7月以降は徐々に回復の兆しを見せたものの、通年では、東日本大震災のあった2011年以来9年ぶりのマイナス成長となりました。その減少幅は、リーマン・ショックの影響を受けた2009年に次ぐ下げ幅となっております。
このような環境下、ソーシャルメディアの普及が急速に拡大するとともに消費者の意識や行動が変化し、データ活用などテクノロジーの進化と相俟って、企業と消費者の関係が大きく変化しています。
新型コロナウイルスの世界的な拡大によって、広告業界はプラス面マイナス面で今後様々な影響を受ける可能性がありますが、当社はクライアント企業のニーズに対応し、様々なマーケティング活動におけるソリューションの提供に注力してまいる所存です。
(3)経営戦略等
当社グループは、放送・通信業界、住まい・暮らし業界、医療・健康業界を戦略マーケットとし、強固な顧客基盤をベースとした専門性の高い広告戦略やマーケティングメソッド、ソリューションの開発・提供を行ってまいりました。
全国のCATV局向けには、加入者に対してケーブルテレビ番組情報誌「月刊チャンネルガイド」の編集・制作を中心としたプロモーション施策を展開し、底堅い事業運営を進めました。大手住宅メーカー向けには、新型コロナウイルスの影響を受け顧客とのコミュニケーションのオンライン化を進めるクライアントニーズを捉え、各種の営業活動支援施策や映像制作、カタログ制作等の提供を行いました。また、大手外食チェーン向けには、広告・マーケティング戦略の立案から実行までをワンストップで支援し、引き続き主力顧客の維持・強化を図りました。
このように、当社が長年にわたり注力してきた事業領域において収益力を維持・強化していくとともに、デジタル領域など新たに取り組みを進めている領域においても収益性の向上を実現してまいります。
この他、放送・通信業界事業で長年にわたって培ってきた全国のCATV各局との関係性を基盤として、9月に栃木県のケーブルテレビ株式会社と、そして10月に神奈川県の湘南ケーブルネットワーク株式会社とそれぞれ共同出資による合弁会社を設立し、電力小売事業への進出を発表しました。当社は、各地域に密着してインフラ事業を営んでいるCATV各局と提携するというユニークなビジネスモデルで、広告会社の枠を超えた共同事業パートナーとしての活動を展開し、既存事業および新規事業の両面から、持続可能な事業拡大を推進してまいります。
(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、「連結売上高」及び「連結営業利益」を重要な経営指標と捉えております。
デジタルマーケティングやブランディング、映像制作等、サービス提供領域の拡大を図るとともに、次の10年に向けたビジョンを策定しております。業容の拡大とともにグループの生産性の向上を図り、連結営業利益率の改善も目指してまいります。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループは、「(2)経営環境」で記載した環境の変化を踏まえ、以下の項目を対処すべき課題と認識し、解決するため次のとおり対処いたします。
①マーケティングノウハウの更なる向上
当社グループは印刷物を用いた広告手法を得意とし、これにより業容を拡大してまいりました。今後、当社グループの提供するサービスが永続的に競争力を獲得していくためには、インターネット広告等のように、サービスの成果を客観的に測定可能な形で提供していくことが必要になります。また、インターネットを起点としてリアルでの消費活動を構築するコミュニケーションサービスの提供に関する顧客企業からのニーズも高く、このため当社グループでは、マーケティング及びサービス開発機能を強化し、デジタル領域においてインターネット広告の拡大、システム・コンテンツの開発、マーケティングソリューションの提供等を推進してまいります。
②優秀な人材の確保と育成
当社グループは、今後の更なる成長のためには、優秀な人材の確保及び当社グループの成長フェーズに沿った組織体制の強化が不可欠であり、かつ課題であると認識しております。特に、デジタル領域を含めたプランニング及びクリエイティブ、テクノロジーを活用したソリューション開発、複雑化する広告プロモーションのプロデュース等を担う人材の重要性が増しております。
即戦力の中途人材採用活動を強化するとともに、従来から新卒採用も行っておりますが、会社の永続的な発展をより意識し新卒採用をさらに強化していく方針です。また、採用した人材の定着化を図るべく、企業ビジョンの明確化や社員の能力が最大限発揮できる環境づくりや研修制度の充実等、社員にとって働きがいのある制度づくりを行い、組織体制を強化してまいります。
③情報管理体制の強化
当社グループが事業活動を行う中で、顧客企業の新商品等の各種機密情報や消費者の個人情報等を扱うことが多く、一般財団法人日本情報経済社会推進協会運営のプライバシーマーク制度の認証の取得、社内規程及び業務フローの厳格な運用、定期的な社内教育の実施、機密データへのアクセス制限やアクセスログ取得などのシステム整備を行ってまいりました。今後、当社グループが業容を拡大するにおいて、更にセキュリティに関するシステムの整備や教育の徹底を行い、情報管理体制の強化を図ってまいります。
④内部管理体制の強化
当社グループは、今後もより一層の成長を見込んでおり、企業規模拡大に応じた内部管理体制の構築を図るために、コーポレート・ガバナンスを重視し、リスクマネジメントの強化、並びに金融商品取引法における内部統制報告制度の適用等も踏まえた内部統制の継続的な改善及び強化を推進してまいります。また、気候変動や新型コロナウイルス等といった環境変化への対応力強化についても取り組んでまいります。
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループの予測に基づいて判断したものです。
(1)事業環境に関するリスク
広告会社の業績は、景気、特に個人消費動向をもとにした企業の広告支出動向の影響を受ける傾向があります。また当社グループの業績は、経済環境のみならず特定業界や企業の景況に影響されやすい傾向にあります。当社グループはこのリスクに対して、新規取引先の開拓を行い、特定の業界に依存している状況からの転換を図っていく考えではありますが、日本国内の景気変動による顧客企業の広告費の減少に基づく受注量の減少や受注単価の低下などの景気変動要因が当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)広告業界における取引慣行
広告業界において、広告計画や内容の突然の変更に柔軟に対応できるよう、契約書の作成が徹底されないことがあります。当社グループでは、主要取引先と基本契約を締結するなど、取引上のトラブルを未然に回避する努力を行っておりますが、不測の事態が発生し、紛争が生じる可能性があります。
(3)技術革新及びメディアの構造変化への対応
スマートフォン等の多機能デバイスの進化・普及により、メディアが多様化するとともにソーシャルネットワーク等が広く浸透し、消費者のメディア接触行動や時間量が大きく変化しております。当社グループは従来の印刷物を用いた広告手法での収益を確保しながら、インターネットを起点としたリアルでの消費活動を構築するコミュニケーションサービスの提供など、インターネット技術を活用したマーケティング手法の変化に対応しながら業容の拡大に取り組んでおります。しかし、こうした技術革新及びメディアの構造変化に当社グループが適切に対応できない場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)特定の取引先への依存
当社グループは、旭化成ホームズ株式会社及びそのグループ会社に対して、キャンペーン全体の企画設計及びCM・新聞広告・チラシ・DM・展示場ツール等の企画・制作、基幹カタログの企画・制作、営業ツールの企画・制作、カタログ等の在庫管理、イベントの企画・運営、ディスプレイ、空間デザイン、映像制作、WEBマーケティング、オンラインイベント支援等の幅広い広告宣伝サービスを提供しております。その結果、同社グループに対する前連結会計年度の売上高は834,541千円、売上高に占める割合は16.4%であり、当連結会計年度の売上高は1,081,543千円、売上高に占める割合は22.4%となっております。現状において、当社グループは同社グループと安定的な取引関係にありますが、受注状況によっては四半期毎に当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、何らかの要因により取引関係に問題が生じた場合、あるいは広告宣伝政策の変更等があった場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)競合について
当社グループが事業を展開する広告業界は、売上高で上位の広告会社への集中傾向が高く、当社グループは常に既存の大手の広告会社と競争を強いられております。また、近年、インターネット、スマートフォン広告市場等における新規参入企業との競合が生じる機会も増加してきております。
当社グループは、注力する業界を定め顧客企業と直接取引し、その業界の構造や特性を踏まえ顧客企業の経営課題に対してユニークな広告ソリューションを開発することで競争上の優位性を確保していく考えではありますが、今後も優位性を確保できる保証はなく、優位性を逸した場合あるいは競争の激化に伴い報酬が低下した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(6)原材料の調達
当社グループの原材料の大部分は印刷用紙が占めており、安定的な量の確保と最適な価格の維持に努めております。しかしながら、急激な市況の変動等により仕入価格が上昇し、製造コストの削減で補えない場合や、販売価格に転嫁できない場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(7)外部委託
当社グループではコンテンツ制作、印刷、運送等の業務において外部委託を利用し、外部の良質なリソースの利用及び固定費の圧縮を行っております。必要に応じた外注先の確保ができず業務が遂行できない場合、或いは外部委託先の事故・経営不振・不祥事等による納期遅延・品質問題等が発生した場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、急激な市況の変動等により仕入価格が上昇し、製造コストの削減で補えない場合や、販売価格に転嫁できない場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(8)不良品の発生
当社グループの提供する商品、サービスにおいて、不良品が発生することがあります。不良品が発生した場合、値引きや商品の再発注、回収等の負担がかかる可能性があります。
当社グループでは、不良品の発生防止のため、品質管理、生産管理等には十分注意しておりますが、受注金額の大きな案件で不良品が発生した場合、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(9)人材の確保、育成
当社グループでは今後事業拡大や企業運営を円滑に遂行していく上で優秀な人材を確保することが極めて重要と考えており、随時採用活動を行っております。しかしながら、必要な人材を適切な時期に確保できない場合、または社内の有能な人材が流出した場合には、経常的な業務運営や事業展開に支障が生じ、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(10)法的規制について
当社グループが広告宣伝サービスを提供する際の各種制作物において、その表現は「不当景品類及び不当表示防止法」、「不正競争防止法」、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」、「著作権法」及び「商標法」等の規制を受けております。当社グループが提供するのは広告宣伝サービスであり、法令の遵守義務は実際に商品等を提供する広告主になりますが、当該広告が景表法等の法令に抵触した場合、当該広告主との間で法的責任の発生や社会的信用の低下により、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(11)知的財産権の侵害
当社グループが事業活動を行う過程で、提案する企画内容によっては第三者の知的財産権を侵害する可能性があるため、企画を提案する際には知的財産権の侵害の有無を確認しております。しかし、サービスの提供後、想定外の係争が発生した場合には、これらの係争が当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(12)情報の流出
当社グループでは個人情報及び顧客情報、情報システムを取り扱う際の運用管理については、情報セキュリティ関連規程を整備運用して厳重に取り扱うこととしております。プライバシーマークの認証を取得し、機密情報の厳格な管理と個人情報の漏洩防止に努めておりますが、不測の事態により個人情報等の流出事故が発生した場合、損害賠償や社会的信用の失墜等により、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(13)災害等に関するリスク
当社グループが事業展開する地域において、自然災害、電力その他の社会的インフラの障害、通信・放送の障害、流通の混乱、大規模な事故、疫病やウイルスによる感染拡大等が起こった場合には、当社グループまたは当社グループの取引先の事業活動に悪影響を及ぼし、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(14)訴訟等について
当社グループは法令及び契約等の遵守に努めておりますが、取引先、消費者、各種団体または知的財産権の保有者等による訴訟を提起された場合に、当社グループの事業や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(15)ストック・オプションと株式の希薄化について
当社グループは、取締役及び従業員に対するインセンティブ付与を目的としたストック・オプション制度を採用しております。そのため、現在、取締役及び従業員に付与されている新株予約権の行使が行われた場合、保有株式の株式価値が希薄化する可能性があります。本書発表日現在における新株予約権による潜在株式数は90,000株であり、発行済株式総数及びストック・オプションによる潜在株式数の合計2,092,300株の4.30%に相当します。なお、当該新株予約権は当社退職者については実質的に行使できない制度となっており、本書発表日現在における行使可能な新株予約権による潜在株式数は90,000株であり、発行済株式総数及びストック・オプションによる潜在株式数の合計2,092,300株の4.30%に相当します。
(16)電力小売事業に関するリスク
当社の持分法適用会社であるホームタウンエナジー株式会社及び株式会社SCN電力は、電力小売事業を展開するCATV局との合弁会社であります。
電力小売事業のビジネスモデルは、顧客を継続的に増やしていく成長過程においては、損益計算書上費用先行となり、損益分岐点となる顧客数に達するまでは当事業においては費用が先行する見通しです。
電力小売事業は、電気事業法に基づく申請を行い、経済産業大臣による登録により事業を開始することが可能となっております。新規参入者の急増は、電力購入価格の上昇と、電力販売価格の下落を招く可能性があり、競争激化と共に当社グループの財政状態及び経営成績、キャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。また営業収益は、顧客の電気使用量の季節的変動(気温や気象等)による影響を受けるため、季節変動のリスクがあります。
電力小売事業への参入は、既存事業で培った顧客基盤を活用した新しい価値と収益機会の開拓を図る方針に基づいたものでありますが、顧客を継続的に増やしていく過程における損益計算書上の費用先行については、営業努力によってできる限り早期の収益化を図ります。また、SPOT価格が高騰した場合は、合弁会社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。そのため、他電力会社とのアライアンスや相対電源の確保、固定価格での調達方法の模索等を含め電力価格の変動等によるリスクを的確にコントロールして事業運営を行ってまいります。
(17)新規事業のリスク
当社は、将来的な事業拡大に向け、既存事業に留まらず新規事業開発に積極的に取り組んでおりますが、新規事業の展開には不確定要素が多く、既存事業よりもリスクが高いことを認識しております。入念な市場分析や事業計画構築にも関わらず、予測とは異なる状況が発生し、計画どおりに進まない場合は、投資資金を回収できず当社グループの経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。
(18)新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に伴うリスク
a.需要減少による当社の財政状態の悪化リスク
新型コロナウイルス感染症の影響が長期化等により、広告予算の削減など収益が減少する可能性がありますが、一方でデジタル化のニーズなど増収要因となる影響も生じています。当社はこのようなクライアントのニーズを的確に捉え、ソリューション内容の拡充を図るとともに、生産性の向上、コストダウン等の対策を継続することで、収益減少を最小限に抑えるよう努めてまいります。
b.クライアントの財政状態悪化に起因する需要消失や債権の回収不能リスク
新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により、企業活動及び消費活動への影響は依然として先行き不透明な状況にあります。新型コロナウイルス感染症の影響により、クライアントの財政状態が悪化し、需要が消失するとともに、当社が有する売上債権の回収が困難となる可能性があります。これらのリスクに対して、当社を取り巻く市場環境等の動向を見極め、クライアントへの与信調査を徹底するとともに、売掛債権の期日回収に努めてまいります。
c.従業員の新型コロナウイルス感染リスクと事業継続リスク
当社グループでは、従業員、クライアント及び取引先の安全を第一に考え各種対策を講じておりますが、従業員が新型コロナウイルスに感染し、従業員同士の接触等により社内での感染が拡大した場合には、営業活動に支障をきたし、一定期間の事業活動の停滞につながる可能性があります。当社は、社内外への感染被害を抑止し、従業員の健康と安全を確保するため、リモートワークや時差出勤等の勤務制度の見直しを積極的に推進しておりますが、今後も一層注力してまいる所存です。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び当社の連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、個人消費及び企業による設備投資が大きく落ち込みました。段階的な経済活動の再開とともに景気回復の兆しも見られましたが、回復は鈍く極めて厳しい状況となりました。先行きについても、いっそう不透明な状況となっております。
当社グループが属する広告業界におきましても、2020年の総広告費は6兆1,594億円(前年比88.8%)と大きく減少しました(電通「日本の広告費」2021年2月発表)。世界的な新型コロナウイルス感染症拡大の影響による各種イベントや広告販促キャンペーンの延期・中止により、4~6月を中心に大幅に減少しました。7月以降は徐々に回復の兆しを見せたものの、通年では、東日本大震災のあった2011年以来9年ぶりのマイナス成長となりました。その減少幅は、リーマン・ショックの影響を受けた2009年に次ぐ下げ幅となっております。
このような中、当社グループではリモート勤務等の感染拡大防止に努めながら、積極的な事業活動を行ってまいりました。放送・通信業界、住まい・暮らし業界、医療・健康業界を戦略マーケットとし、強固な顧客基盤をベースとした専門性の高い広告戦略やマーケティングメソッド、ソリューションの開発・提供を行ってまいりました。
全国のCATV局向けには、加入者に対してケーブルテレビ番組情報誌「月刊チャンネルガイド」の編集・制作を中心としたプロモーション施策を展開し、底堅い事業運営を進めました。大手住宅メーカー向けには、新型コロナウイルスの影響を受け顧客とのコミュニケーションのオンライン化を進めるクライアントニーズを捉え、各種の営業活動支援施策や映像制作、カタログ制作等の提供を行いました。また、大手外食チェーン向けには、広告・マーケティング戦略の立案から実行までをワンストップで支援し、引き続き主力顧客の維持・強化を図りました。
この他、放送・通信業界事業で長年にわたって培ってきた全国のCATV各局との関係性を基盤として、9月に栃木県のケーブルテレビ株式会社と、そして10月に神奈川県の湘南ケーブルネットワーク株式会社とそれぞれ共同出資による合弁会社を設立し、電力小売事業への進出を発表しました。
当社は、各地域に密着してインフラ事業を営んでいるCATV各局と提携するというユニークなビジネスモデルで、広告会社の枠を超えた共同事業パートナーとしての活動を展開し、既存事業および新規事業の両面から、持続可能な事業拡大を推進してまいります。
また、不動産売却による特別利益を計上した一方で、連結子会社である株式会社日産社の将来収益の再評価により、買収時に発生したのれん等の減損損失を特別損失に計上しました。
以上の結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高4,829,398千円(前年同期比5.0%減)、営業利益292,881千円(同0.6%増)、経常利益323,499千円(同10.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益192,726千円(同2.5%減)となりました。
セグメントの経営成績は、次のとおりであります。
広告宣伝事業
当事業においては、全国のCATV局の加入者に対してケーブルテレビ番組情報誌「月刊チャンネルガイド」の編集・制作を行う他、自社メディアとしてホームセンターやドラッグストア向けのフリーペーパーの発行や、様々なクライアント企業に対し広告戦略のプランニング、各種販促サービス、デジタルマーケティング等のソリューションを提供しております。
当連結会計年度では、全国のCATV局に向けたケーブルテレビ番組情報誌「月刊チャンネルガイド」が引き続き堅調に推移した他、強固な顧客基盤を軸に、住まい・暮らし業界においては、コロナ禍にあって住宅販売の営業手法が大きく変化していく中で、クライアントのニーズに応え、デジタル化・オンライン化や動画制作などを含む様々な営業活動支援施策の受注を重ねることができました。
その他業界においてもクライアントのオンラインイベントを全面的に支援するなど、コロナ禍における顧客課題の解決を幅広いソリューションで行いました。
業界別の売上高は、放送・通信業界が2,345,222千円(前年同期比5.7%増)、住まい・暮らし業界が1,274,020千円(同20.0%増)、医療・健康業界が390,071千円(同39.8%減)、その他業界が683,118千円(同32.9%減)となりました。なお、電力小売事業につきましては、12月に経済産業省による認可登録が完了し、事業開始に向けた準備を進めているところであります。
以上の結果、当事業の売上高は4,692,432千円(前年同期比5.1%減)、セグメント利益は282,582千円(同0.6%増)となりました。
その他
その他においては、当社の子会社の株式会社日宣印刷において当社グループの広告宣伝事業の印刷物の他、関西地域の企業に対して商業印刷を行っております。
当事業の売上高は136,965千円(前年同期比1.5%増)、セグメント利益は5,979千円(同2.3%増)となりました。
また、当連結会計年度末における財政状態は以下のとおりであります。
(資産)
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末より96,482千円増加し、4,526,521千円となりました。これは主に、受取手形及び売掛金が127,177千円、製品及び仕掛品が32,625千円、建物及び構築物が65,505千円、土地が29,278千円、のれんが18,298千円それぞれ減少した一方で、現金及び預金が373,239千円増加したこと等によるものです。
(負債)
当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末より1,170千円減少し、1,597,330千円となりました。これは主に、買掛金が11,739千円、未払法人税等が26,906千円、退職給付に係る負債が11,071千円それぞれ増加した一方で、長期借入金が55,206千円減少したこと等によるものです。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末より97,653千円増加し、2,929,190千円となりました。これは主に、利益剰余金が配当により83,254千円減少した一方で、親会社株主に帰属する当期純利益を192,726千円計上したこと等によるものです。この結果、自己資本比率は64.7%(前連結会計年度末は63.9%)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比べて373,238千円増加し、1,665,005千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは452,252千円の収入(前連結会計年度は269,244千円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益を309,721千円、減価償却費を50,397千円それぞれ計上し、売上債権の回収による増加が109,315千円あった一方で、法人税等の支払額が96,952千円あったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは85,412千円の収入(前連結会計年度は16,865千円の支出)となりました。これは主に、投資有価証券の取得による支出が45,000千円、有形固定資産の取得による支出が10,943千円あった一方で、有形固定資産の売却による収入が79,604千円、保険積立金の解約による収入が61,290千円あったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは164,417千円の支出(前連結会計年度は122,016千円の支出)となりました。これは主に、配当金の支払額81,465千円及び長期借入金の返済による支出が155,662千円があった一方で、長期借入による収入が100,000千円あったこと等によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績及び受注実績
当社グループで行う事業は、提供するサービスの性質上、生産実績及び受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
b.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2020年3月1日 至 2021年2月28日) |
|
|
金額(千円) |
前年同期比(%) |
|
|
広告宣伝事業 |
4,692,432 |
94.86 |
|
報告セグメント計 |
4,692,432 |
94.86 |
|
その他 |
136,965 |
101.50 |
|
合計 |
4,829,398 |
95.03 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 2019年3月1日 至 2020年2月29日) |
当連結会計年度 (自 2020年3月1日 至 2021年2月28日) |
||
|
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
|
旭化成ホームズ株式会社 |
756,922 |
14.90 |
1,012,773 |
20.97 |
3.広告宣伝事業における、当社分類による顧客所属業界別の販売実績を示すと、次のとおりであります。
|
業界 |
当連結会計年度 (自 2020年3月1日 至 2021年2月28日) |
|
|
金額(千円) |
前年同期比(%) |
|
|
放送・通信 |
2,345,222 |
105.69 |
|
住まい・暮らし |
1,274,020 |
120.00 |
|
医療・健康 |
390,071 |
60.20 |
|
その他 |
683,118 |
67.08 |
4.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり重要となる会計方針は、「第5 経理の状況 1. (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりです。また、会計上の見積りにつきましては、入手可能な情報に基づき合理的に判断を行っておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
なお、会計上の見積りを行う上での新型コロナウイルス感染症の影響については「第5 経理の状況 1. (1) 連結財務諸表 注記事項 追加情報 (会計上の見積りにおける一定の仮定)」に記載のとおりです。また、「第5 経理の状況 1. (1) 連結財務諸表 注記事項 連結損益計算書関係 ※2」に記載の通り、当連結会計年度において減損損失17,425千円を計上しております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社は、経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として、「連結売上高」及び「連結営業利益」を重要な経営指標と捉えております。デジタルマーケティングやブランディング、映像制作等、サービス提供領域の拡大を図るとともに、次の10年に向けたビジョンを策定しており、業容の拡大とともにグループの生産性の向上を図り、連結営業利益率の改善も目指してまいります。連結営業利益率の改善に向け、当社が長年にわたり注力してきた事業領域において収益力を維持・強化していくとともに、新たな領域においても収益基盤の確立を図ってまいります。
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、「第2 事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要」に記載の通り、連結売上高では減収となるも連結営業利益では増益となっております。新型コロナウイルスの感染拡大により、主に医療・健康業界における案件が減少した他、その他業界においてもクライアントの業績への影響が広告予算にも影響しました。また、連結子会社である日産社の取り扱うイベント関係の業務が中止や延期となったことも影響しました。反面、放送・通信業界においては、ケーブルテレビ番組情報誌「月刊チャンネルガイド」を中心に底堅い事業運営を進めました。加えて、住まい・暮らし業界においては、コロナ禍にあって住宅販売の営業手法が大きく変化していく中で、クライアントのニーズに応え、デジタル化・オンライン化や動画制作などを含む様々な営業活動支援施策の受注を重ねることができ売上を大きく伸ばすことができました。このように売上高についてはプラス面でもマイナス面でも新型コロナウイルスの影響を受けながらも、強固な顧客基盤を軸に事業のポートフォリオが機能したものと認識しております。利益面についても、内製案件の増加による売上総利益率の改善やコスト圧縮策を徹底したことにより、減収ながらも増益とすることができました。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、「第2 事業の状況 2事業等のリスク」に記載の「マーケティングノウハウの更なる向上」や「優秀な人材の確保と育成」は喫緊の課題と認識しております。それらへの対応策として、以下の取り組みを実施しました。
まず「マーケティングノウハウの更なる向上」については、技術の進歩や新型コロナウイルス感染症を契機として、広告会社のあり方も大きく変わろうとしていると認識しています。従来の広告会社の枠を越え様々な技術やテクノロジーを採り入れた提案をすることに加えて、受託で仕事を受けるにとどまらない、共に事業を創造し、リスクを取り、シェアもするという得意先と広告会社の新しい関係性が重要であると考えております。当連結会計年度に公表したCATV局との合弁による電力小売事業への進出などはまさに広告会社の役割や社会的価値を追求したものと言えます。また、当社が企画提案したソリューションの中には、SNSを活用したマーケティング施策などノウハウを蓄積し、水平展開を図ることが可能な事案も多いため、そうした取り組みにも注力いたしました。
次に「人材の確保、育成」に関しましては、新卒採用へ注力するとともに、経営理念の浸透や社員のエンゲージメント向上のための施策等を行ったほか、社内勉強会の開催などにより組織力の強化を図りました。
③キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、事業活動のための適切な資金確保、流動性並びに健全な財政状態を常に目指し、安定的な営業キャッシュ・フローの創出を優先事項として考えております。当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益を309,721千円、減価償却費を50,397千円をそれぞれ計上したことなどにより、452,242千円に改善しております。また当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は1,665,005千円と十分な流動性を確保している状況であることから、健全な財務状況であると認識しております。
該当事項はありません。
該当事項はありません。