第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1)経営方針

 当社グループは「私たちは、“コミュニティ発想”をもとに、あらゆるステークホルダーの価値創造パートナーとなる」という経営理念の下で、既存の媒体に頼らない、ユニークな事業、サービス、マーケティングを通じて顧客の新市場を共に開拓することで、社会・地域の幸福や活性化に寄与するべく、課題に取り組んでまいります。引き続き、マスメディア等の既存の媒体に頼らない顧客満足度の高いサービスを継続的に提供するとともに、新規事業を含む新たな領域への挑戦を進め、社会に貢献する企業であり続けられるよう努めてまいります。

 

(2)経営環境

 当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の拡大に対して各種施策により経済活動の正常化が進みました。一方で、ロシア・ウクライナ情勢の長期化による原材料価格高騰や供給面での影響が懸念されるなど、先行き不透明な状況が続いております。

 また、当社グループが属する広告業界におきましては、2022年の総広告費が7兆1,021億円(前年比104.4%)と

前年を上回る結果となり(電通「日本の広告費」2023年2月発表)、景気回復の兆候が見受けられました。

 このような環境下、ソーシャルメディアの普及が急速に拡大するとともに消費者の意識や行動が変化し、データ活用などテクノロジーの進化と相俟って、企業と消費者の関係が大きく変化しています。これに対し、当社はクライアント企業のニーズに対応し、様々なマーケティング活動におけるソリューションの提供に注力してまいる所存です。

 

(3)経営戦略等

 放送・通信業界、住まい・暮らし業界、医療・健康業界の既存戦略マーケットにおいては、強固な顧客基盤をベースとした専門性の高い広告戦略やマーケティングメソッド、ソリューションの開発・提供を行ってまいります。地方に暮らす世帯を「ローカルコミュニティ」と捉えた上でソリューションを生み出していくエリアビジネスの分野においては、全国のケーブルテレビ局向けに加入者向けテレビ番組情報誌「チャンネルガイド」の編集・制作を中心としたプロモーション施策を展開していきます。

 また、企業とつながる生活者を「ブランドコミュニティ」と捉え企業のマーケティング コミュニケーションや

市場開発を支援していくコミュニケーションビジネスの分野においては、大手住宅メーカー向けのニーズを捉え、映像制作やオンラインイベントの開催、カタログ制作等、各種営業活動支援施策の提供を行いました。加えて、大手外食チェーンには、広告・マーケティング戦略の立案から実行までをワンストップで支援し、SNSを中軸とした機動的なマーケティング活動を行うことで、同分野における売上を大きく伸ばしました。

 そして、自社メディアでつながる共通の価値観や嗜好性をもった生活者や企業群を「ライフスタイルコミュ ニ

ティ」と捉え、ホームセンター向けのフリーペーパー発行やプロモーション施策を展開しました。

 このように、当社が長年にわたり注力してきた事業領域において収益力を維持・強化していくとともに、デジタル領域など新たに取り組みを進めている領域においても収益性の向上を実現してまいります。

 

(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは、「連結売上高」及び「連結営業利益」を重要な経営指標と捉えております。

 デジタルマーケティングやブランディング、映像制作等、サービス提供領域の拡大を図るとともに、次の10年に向けたビジョンを策定しております。業容の拡大とともにグループの生産性の向上を図り、連結営業利益率の改善も目指してまいります。

 

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当社グループは、「(2)経営環境」で記載した環境の変化を踏まえ、以下の項目を対処すべき課題と認識し、解決するため次のとおり対処いたします。

 

①成長領域への経営資源の適切な投入

 当社グループは印刷物を用いた広告手法を得意とし、これにより業容を拡大してまいりました。一方で、人々の生活様式の変化や用紙価格の高騰などにより、紙媒体を用いた印刷物は長期的に減少傾向が見込まれます。このため、提供するサービスが継続して競争力を獲得していくためには、デジタル領域に戦略的に経営資源を投入し、その果実を得ていくことが必要になります。

 当社グループでは、M&Aや投資等の手法も必要に応じて活用しながらデジタル領域において更に経営資源を投入することで、企業としての成長力の維持強化を目指してまいります。

 

②優秀な人材の確保と育成

 当社グループは、今後の更なる成長のためには、優秀な人材の確保及び当社グループの成長フェーズに沿った組織体制の強化が不可欠であり、かつ課題であると認識しております。特に、デジタル領域を含めたプランニング及びクリエイティブ、テクノロジーを活用したソリューション開発、複雑化する広告プロモーションのプロデュース等を担う人材の重要性が増しております。

 このため当社グループでは、即戦力の中途人材採用活動強化とともに、新卒採用も行っております。また人材の定着化を図るべく、企業ビジョンの明確化や社員の能力が最大限発揮できる環境づくり等働きがいのある制度づくりを行い、組織体制を強化してまいります。

 

③提供サービスの高付加価値化

 当社グループは、顧客の課題をワンストップで解決する支援を強みとし、人員の過半数をクリエイティブや編集等の制作スタッフとする体制で、顧客の多種多様なニーズに柔軟に応えてきました。一方で、今後も継続的に付加価値を提供するためには、変化する時代のニーズに適した提案力が必要となります。

 当社グループでは、戦略に基づいたサービス提供体制を構築し、同時に管理会計上で各部門の創出する付加価値計測の試みを続けながら、仮説構築・検証のプロセスを循環させることで高付加価値化の実現に取り組んでまいります。

 

④内部管理体制の強化

 当社グループは、今後もより一層の成長を見込んでおり、企業規模拡大に応じた内部管理体制の構築を図るために、コーポレート・ガバナンスを重視し、リスクマネジメントの強化、並びに金融商品取引法における内部統制報告制度の適用等も踏まえた内部統制の継続的な改善及び強化を推進してまいります。また、気候変動や新型コロナウイルス等といった環境変化への対応力強化についても取り組んでまいります。

 

2【事業等のリスク】

 本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループの予測に基づいて判断したものです。

 

(1)事業環境に関するリスク

 広告会社の業績は、景気、特に個人消費動向をもとにした企業の広告支出動向の影響を受ける傾向があります。また当社グループの業績は、経済環境のみならず特定業界や企業の景況に影響されやすい傾向にあります。当社グループはこのリスクに対して、新規取引先の開拓を行い、特定の業界に依存している状況からの転換を図っていく考えではありますが、日本国内の景気変動による顧客企業の広告費の減少に基づく受注量の減少や受注単価の低下などの景気変動要因が当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)広告業界における取引慣行

 広告業界において、広告計画や内容の突然の変更に柔軟に対応できるよう、契約書の作成が徹底されないことがあります。当社グループでは、主要取引先と基本契約を締結するなど、取引上のトラブルを未然に回避する努力を行っておりますが、不測の事態が発生し、紛争が生じる可能性があります。

 

(3)技術革新及びメディアの構造変化への対応

 スマートフォン等の多機能デバイスの進化・普及により、メディアが多様化するとともにソーシャルネットワーク等が広く浸透し、消費者のメディア接触行動や時間量が大きく変化しております。当社グループは従来の印刷物を用いた広告手法での収益を確保しながら、インターネットを起点としたリアルでの消費活動を構築するコミュニケーションサービスの提供など、インターネット技術を活用したマーケティング手法の変化に対応しながら業容の拡大に取り組んでおります。しかし、こうした技術革新及びメディアの構造変化に当社グループが適切に対応できない場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)特定の取引先への依存

 当社グループは、旭化成ホームズ株式会社及びそのグループ会社に対して、キャンペーン全体の企画設計及びCM・新聞広告・チラシ・DM・展示場ツール等の企画・制作、基幹カタログの企画・制作、営業ツールの企画・制作、カタログ等の在庫管理、イベントの企画・運営、ディスプレイ、空間デザイン、映像制作、WEBマーケティング、オンラインイベント支援等の幅広い広告宣伝サービスを提供しております。その結果、同社グループに対する前連結会計年度の売上高は1,148,775千円、売上高に占める割合は23.8%であり、当連結会計年度の売上高は1,155,811千円、売上高に占める割合は22.8%となっております。現状において、当社グループは同社グループと安定的な取引関係にありますが、受注状況によっては当社グループの業績に影響を受ける可能性があります。また、何らかの要因により取引関係に問題が生じた場合、あるいは広告宣伝政策の変更等があった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)競合について

 当社グループが事業を展開する広告業界は、売上高で上位の広告会社への集中傾向が高く、当社グループは常に既存の大手の広告会社と競争を強いられております。また、近年、インターネット、スマートフォン広告市場等における新規参入企業との競合が生じる機会も増加してきております。
 当社グループは、注力する業界を定め顧客企業と直接取引し、その業界の構造や特性を踏まえ顧客企業の経営課題に対してユニークな広告ソリューションを開発することで競争上の優位性を確保していく考えではありますが、今後も優位性を確保できる保証はなく、優位性を逸した場合あるいは競争の激化に伴い報酬が低下した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)原材料の調達

 当社グループの原材料の大部分は印刷用紙が占めており、安定的な量の確保と最適な価格の維持に努めております。しかしながら、急激な市況の変動等により仕入価格が上昇し、製造コストの削減で補えない場合や、販売価格に転嫁できない場合、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(7)外部委託

 当社グループではコンテンツ制作、印刷、運送等の業務において外部委託を利用し、外部の良質なリソースの利用及び固定費の圧縮を行っております。必要に応じた外注先の確保ができず業務が遂行できない場合、或いは外部委託先の事故・経営不振・不祥事等による納期遅延・品質問題等が発生した場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、急激な市況の変動等により仕入価格が上昇し、製造コストの削減で補えない場合や、販売価格に転嫁できない場合、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)不良品の発生

 当社グループの提供する商品、サービスにおいて、不良品が発生することがあります。不良品が発生した場合、値引きや商品の再発注、回収等の負担がかかる可能性があります。

 当社グループでは、不良品の発生防止のため、品質管理、生産管理等には十分注意しておりますが、受注金額の大きな案件で不良品が発生した場合、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)優秀な人材の確保、育成

 当社グループでは今後事業拡大や企業運営を円滑に遂行していく上で優秀な人材を確保することが極めて重要と考えており、随時採用活動を行っております。しかしながら、必要な人材を適切な時期に確保できない場合、または社内の有能な人材が流出した場合には、経常的な業務運営や事業展開に支障が生じ、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10)法的規制について

 当社グループが広告宣伝サービスを提供する際の各種制作物において、その表現は「不当景品類及び不当表示防止法」、「不正競争防止法」、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」、「著作権法」及び「商標法」等の規制を受けております。当社グループが提供するのは広告宣伝サービスであり、法令の遵守義務は実際に商品等を提供する広告主になりますが、当該広告が景表法等の法令に抵触した場合、当該広告主との間で法的責任の発生や社会的信用の低下により、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11)知的財産権の侵害

 当社グループが事業活動を行う過程で、提案する企画内容によっては第三者の知的財産権を侵害する可能性があるため、企画を提案する際には知的財産権の侵害の有無を確認しております。しかし、サービスの提供後、想定外の係争が発生した場合には、これらの係争が当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(12)情報の流出

 当社グループでは個人情報及び顧客情報、情報システムを取り扱う際の運用管理については、情報セキュリティ関連規程を整備運用して厳重に取り扱うこととしております。プライバシーマークの認証を取得し、機密情報の厳格な管理と個人情報の漏洩防止に努めておりますが、不測の事態により個人情報等の流出事故が発生した場合、損害賠償や社会的信用の失墜等により、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(13)災害等に関するリスク

 当社グループが事業展開する地域において、自然災害、電力その他の社会的インフラの障害、通信・放送の障害、流通の混乱、大規模な事故、疫病やウイルスによる感染拡大等が起こった場合には、当社グループまたは当社グループの取引先の事業活動に悪影響を及ぼし、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 新型コロナウイルス感染症の蔓延による企業活動及び消費活動への影響は、依然として先行き不透明な状況にあり、それにより需要の減少、債権の回収不能、あるいは社内感染が拡大した場合の一定期間の事業活動の停滞などが生じる可能性があります。

 

(14)訴訟等について

 当社グループは法令及び契約等の遵守に努めておりますが、取引先、消費者、各種団体または知的財産権の保有者等による訴訟を提起された場合に、当社グループの事業や財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(15)ストック・オプションと株式の希薄化について

 当社グループは、取締役及び従業員に対するインセンティブ付与を目的としたストック・オプション制度を採用しております。そのため、現在、取締役に付与されている新株予約権の行使が行われた場合、保有株式の株式価値が希薄化する可能性があります。

 なお、当該新株予約権は当社退職者については実質的に行使できない制度となっており、本書発表日現在における新株予約権による潜在株式数は114,520株であり、発行済株式総数及びストック・オプションによる潜在株式数の合計4,184,600株の2.74%に相当します。

 

(16)電力小売事業に関するリスク

 当社の持分法適用会社である株式会社SCN電力は電力小売事業を展開するケーブルテレビ局との合弁会社であります。

 電力小売事業のビジネスモデルは、顧客を継続的に増やしていく成長過程においては、損益計算書上費用先行となり、損益分岐点となる顧客数に達するまでは当事業においては費用が先行する見通しです。

 電力小売事業は、電気事業法に基づく申請を行い、経済産業大臣による登録により事業を開始することが可能となっております。新規参入者の急増は、電力購入価格の上昇と、電力販売価格の下落を招く可能性があり、競争激化と共に当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。また営業収益は、顧客の電気使用量の季節的変動(気温や気象等)による影響を受けるため、業績が季節変動するリスクがあります。

 電力小売事業への参入は、既存事業で培った顧客基盤を活用した新しい価値と収益機会の開拓を図る方針に基づいたものでありますが、顧客を継続的に増やしていく過程における損益計算書上の費用先行については、営業努力によってできる限り早期の収益化を図ります。また、SPOT価格が高騰した場合は、当社の売買損益に影響を及ぼす可能性があり、その影響額は顧客数の増加につれて一層大きなものとなります。そのため、他電力会社とのアライアンスや相対電源の確保、固定価格での調達方法の模索等を含め電力価格の変動等によるリスクを的確にコントロールして事業運営を行ってまいります。

 

(17)新規事業のリスク

 当社は、将来的な事業拡大に向け、既存事業に留まらず新規事業開発に積極的に取り組んでおりますが、新規事業の展開には不確定要素が多く、既存事業よりもリスクが高いことを認識しております。入念な市場分析や事業計画構築にも関わらず、予測とは異なる状況が発生し、計画どおりに進まない場合は、投資資金を回収できず当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(18)情報セキュリティに関するリスク

 当社グループは、情報セキュリティについての厳格な管理体制を構築し、関連規程の整備や従業員への周知と教育を行っております。しかしながら、サイバー攻撃、システムへの不正アクセス、コンピューターウイルスの侵入等により、データの破壊、改ざん、システム停止等が生じた場合には、当社グループの信頼性が損なわれ、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社及び当社の連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の拡大に対して各種施策により経済活動の正常化が進みました。一方で、ロシア・ウクライナ情勢の長期化による原材料価格高騰や供給面での影響が懸念されるなど、先行き不透明な状況が続いております。

 当社グループが属する広告業界におきましては、2022年の総広告費が7兆1,021億円(前年比104.4%)と前年を上回る結果となり(電通「日本の広告費」2023年2月発表)、景気回復の兆候が見受けられました。

 こうした市場環境の中、当社グループでは事業戦略として日宣2030ビジョンを掲げながら、一丸となって積極的な事業活動を行ってまいりました。

 放送・通信業界、住まい・暮らし業界、医療・健康業界の既存戦略マーケットにおいては、強固な顧客基盤をベースとした専門性の高い広告戦略やマーケティングメソッド、ソリューションの開発・提供を行ってまいりました。地方に暮らす世帯を「ローカルコミュニティ」と捉えた上でソリューションを生み出していくエリアビジネスの分野においては、全国のケーブルテレビ局向けに加入者向けテレビ番組情報誌「チャンネルガイド」の編集・制作を中心としたプロモーション施策を展開し、底堅い事業運営を進めました。

 また、企業とつながる生活者を「ブランドコミュニティ」と捉え企業のマーケティング コミュニケーションや市場開発を支援していくコミュニケーションビジネスの分野においては、大手住宅メーカー向けのニーズを捉え、映像制作やオンラインイベントの開催、カタログ制作等、各種営業活動支援施策の提供を行いました。加えて、大手外食チェーンには、広告・マーケティング戦略の立案から実行までをワンストップで支援し、SNSを中軸とした機動的なマーケティング活動を行うことで、同分野における売上を大きく伸ばしました。

 そして、自社メディアでつながる共通の価値観や嗜好性をもった生活者や企業群を「ライフスタイルコミュ ニティ」と捉え、ホームセンター向けのフリーペーパー発行やプロモーション施策を展開しました。また、営業外収益として投資事業組合運用益を26,085千円計上しました。

 以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上高5,058,495千円(前年同期比4.6%増)、営業利益320,138千円

(同1.1%減)、経常利益345,237千円(同7.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益244,016千円(同3.9%減)となりました。

 

 セグメントの経営成績は、次のとおりであります。

イ.広告宣伝事業

 当事業においては、全国のケーブルテレビ局に対して加入者向けケーブルテレビ番組情報誌「チャンネルガイド」の編集・制作を行う他、自社メディアとしてホームセンター向けのフリーペーパーの発行や、様々なクライアント企業に対し広告戦略のプランニング、各種販促サービス、デジタルマーケティング等のソリューションを提供しております。

 当連結会計年度では、ケーブルテレビ番組情報誌の編集・制作事業について同業他社との間で事業の一部譲受に向けた譲渡契約を締結し、今後の更なる顧客基盤拡大に努めました。また、医療・健康業界においては、これまで新型コロナウイルス感染症の影響もあってイベント等を自粛していた主力クライアントが復調してきております。さらに、その他業界につきましても、大手外食チェーン向けのマーケティング支援を拡大するなど、クライアントの課題に対して幅広いソリューションを提供しました。

 業界別の売上高は、放送・通信業界が2,065,797千円(前年同期比2.6%減)、住まい・暮らし業界が1,370,998千円(同1.7%減)、医療・健康業界が366,488千円(同33.8%増)、その他業界が1,103,738千円(同21.6%増)となりました。

 以上の結果、当事業の売上高は4,907,021千円(前年同期比4.5%増)、セグメント利益は310,482千円(同1.2%減)となりました。

ロ.その他

その他においては、当社の子会社の株式会社日宣印刷において当社グループの広告宣伝事業の印刷物の他、関西地域の企業に対して商業印刷を行っております。

 当事業の売上高は151,473千円(前年同期比7.1%増)、セグメント利益は5,335千円(同4.2%増)となりました。

 また、当連結会計年度末における財政状態は以下のとおりであります。

(資産)

 当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末より215,392千円増加し、4,536,950千円となりました。これは主に、売掛金が91,673千円、現金及び預金が55,234千円、投資有価証券が66,960千円、それぞれ増加したこと等によるものです。

 

(負債)

 当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末より10,927千円増加し、1,391,938千円となりました。これは主に、退職給付に係る負債が23,033千円、買掛金が69,168千円それぞれ増加した一方で、長期借入金が59,400千円、未払法人税等が18,241千円、それぞれ減少したこと等によるものです。

 

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末より204,464千円増加し、3,145,012千円となりました。これは主に、利益剰余金の配当を77,789千円行った一方で、ストック・オプション行使に伴い11,998千円の新株発行を行うとともに、親会社株主に帰属する当期純利益を244,016千円計上したこと等によるものです。

 この結果、自己資本比率は69.3%(前連結会計年度末は68.0%)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比べて55,234千円増加し、1,656,810千円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動によるキャッシュ・フローは239,506千円の収入(前連結会計年度は224,999千円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益を349,742千円、減価償却費を47,642千円計上し、仕入債務の増加が69,168千円あった一方で、投資事業組合運用益26,085千円の計上、売上債権の増加が95,757千円、法人税等の支払額が128,321千円、それぞれあったこと等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動によるキャッシュ・フローは55,326千円の支出(前連結会計年度は24,744千円の収入)となりました。これは主に、投資有価証券の取得による支出が31,003千円、有形固定資産の取得による支出が3,773千円、無形固定資産の取得による支出が17,594千円、それぞれあったこと等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動によるキャッシュ・フローは128,945千円の支出(前連結会計年度は313,172千円の支出)となりました。これは主にストック・オプション行使に伴う新株発行による収入が11,998千円、配当金の支払額が81,544千円、長期借入金の返済による支出が59,400千円あったこと等によるものであります。

 

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績及び受注実績

 当社グループで行う事業は、提供するサービスの性質上、生産実績及び受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。

 

b.販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年3月1日

至 2023年2月28日)

金額(千円)

前年同期比(%)

広告宣伝事業

4,907,021

104.5

報告セグメント計

4,907,021

104.5

その他

151,473

107.1

合計

5,058,495

104.6

 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2021年3月1日

至 2022年2月28日)

当連結会計年度

(自 2022年3月1日

至 2023年2月28日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

旭化成ホームズ株式会社

1,042,117

21.54

1,061,431

20.98

3.広告宣伝事業における、当社分類による顧客所属業界別の販売実績を示すと、次のとおりであります。

業界

当連結会計年度

(自 2022年3月1日

至 2023年2月28日)

金額(千円)

前年同期比(%)

放送・通信

2,065,797

97.44

住まい・暮らし

1,370,998

98.33

医療・健康

366,488

133.83

その他

1,103,738

121.61

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり重要となる会計方針は、「第5 経理の状況 1. (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりです。また、会計上の見積りにつきましては、入手可能な情報に基づき合理的に判断を行っておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

 なお、会計上の見積りを行う上での新型コロナウイルス感染症の影響については「第5 経理の状況 1. (1) 連結財務諸表 注記事項 追加情報 (会計上の見積りにおける一定の仮定)」に記載のとおりです。

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当社は、経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として、「連結売上高」及び「連結営業利益」を重要な経営指標と捉えております。デジタルマーケティングやブランディング、映像制作等、サービス提供領域の拡大を図るとともに、次の10年に向けたビジョンを策定しており、業容の拡大とともにグループの生産性の向上を図り、連結営業利益率の改善も目指してまいります。連結営業利益率の改善に向け、当社が長年にわたり注力してきた事業領域において収益力を維持・強化していくとともに、新たな領域においても収益基盤の確立を図ってまいります。

 当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、「第2 事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要」に記載の通り、連結売上高では増収を達成することができました。新型コロナウイルス感染症に対して各種施策により経済活動の正常化が進む中、医療・健康業界における案件が復調し、またその他業界においてはマーケティング支援を拡大するなど、当連結会計年度における増収の原動力の一つとなりました。また、当連結会計年度末まで連結子会社であった日産社の顧客の受注が回復したことも業績に寄与しました。

 放送・通信業界においては、ケーブルテレビ番組情報誌「チャンネルガイド」を中心に、底堅い事業運営を進めました。加えて、ケーブルテレビ番組情報誌の編集・制作事業について同業他社との間で事業の一部譲受に向けた譲渡契約を締結しました。当連結会計年度の業績に与える影響は軽微でありますが、顧客基盤の強化を通じ、今後の更なる顧客基盤拡大に努めました。また、医療・健康業界においては、これまで新型コロナウイルス感染症の影響もあってイベント等を自粛していた主力クライアントの復調の流れを捉えて売上を拡大させました。

さらに、その他業界につきましても、大手外食チェーン向けのマーケティング支援を拡大するなど、クライアントの課題に対して幅広いソリューションを提供しました。このように売上高についてはクライアントの課題解決という観点から、複数業界にまたがる事業のポートフォリオが機能したものと認識しております。

 一方で利益面については、人材への投資が人件費等の増加として反映されたこと、また当連結会計年度に営業外収益として計上した投資事業組合運用益が前連結会計年度対比で減少したことにより、減益となりました。

 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、「第2 事業の状況」に記載の「成長領域への経営資源の適切な投入」、「優秀な人材の確保と育成」、「提供サービスの高付加価値化」は喫緊の課題と認識しております。それらへの対応策として、以下の取り組みを実施しました。

 まず「成長領域への経営資源の適切な投入」については、人々の生活様式の変化や用紙価格の高騰などにより、紙媒体を用いた印刷物長期的には減少傾向が見込まれます。これに対し、当社はデジタル領域に経営資源を投入するべく戦略を策定し、その実行に向けた各種施策を行っております。当連結会計年度には、気象連動型広告配信ツールを展開するデジタルエージェンシーとの資本提携も行いました。
 次に「優秀な人材の確保と育成」に関しましては、社員も含め、あらゆるステークホルダーの価値創造パートナーとなることを掲げた経営方針のもと、その経営理念の浸透や社員のエンゲージメント向上のための施策を実施し、組織力の強化を図りました。社員を対象にしたエンゲージメント・サーベイも定期的に実施し、現状の把握とそれに基づく分析と施策の立案という循環による改善を図っています。

 また「提供サービスの高付加価値化」については、当社グループは、顧客の課題をワンストップで解決する支援を強みとし、人員の過半数をクリエイティブや編集等の制作スタッフとする体制で、顧客の多種多様なニーズに柔軟に応えてきました。一方で、今後も継続的に付加価値を提供するためには、変化する時代のニーズに適した提案力が必要となります。当社グループでは、戦略に基づいたサービス提供体制を構築し、同時に管理会計上で各部門

の創出する付加価値計測の試みを進めております。

 

③キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、事業活動のための適切な資金確保、流動性並びに健全な財政状態を常に目指し、安定的な営業キャッシュ・フローの創出を優先事項として考えております。当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益を349,742千円、減価償却費を47,642千円それぞれ計上したこと等により、239,506千円となりました。また当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は1,656,810千円と十分な流動性を確保している状況であることから、健全な財務状況であると認識しております。

4【経営上の重要な契約等】

(完全子会社の吸収合併)

 当社は、2022年11月15日開催の取締役会において、当社の完全子会社である株式会社日産社を吸収合併することを決議し、2023年3月1日をもって合併いたしました。

 詳細は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 注記事項 (重要な後発事象)」に記載のとおりであります。

 

(重要な資産の譲受)

 当社は、2022年11月15日開催の取締役会において、株式会社東京ニュース通信社からケーブルテレビ局向け番組ガイド誌に係る契約関係の一部を譲り受けることを決議し、2023年1月10日付で同社と譲渡契約を締結いたしました。当契約に基づき、2023年3月17日に譲受を完了いたしました。

 詳細は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 注記事項 (重要な後発事象)」に記載のとおりであります。

 

5【研究開発活動】

該当事項はありません。