我が国経済は緩やかな回復基調にあるものの、原材料・エネルギー価格の高止まりや人件費の上昇等により、店舗運営コストの増加が続いており、依然として先行き不透明な経営環境にあります。
このような環境のもと、当社は収益構造の強靭化と持続的成長の実現に向け、以下の施策を推進しております。
自社加工拠点の活用を通じて内製化比率の向上を図り、調理工程管理の高度化及び物流効率の最適化により、収益性の高い事業構造の構築を進めております。
主力ブランドにおいて商品力の向上及びQSCの強化を進め、価格競争力を維持しつつ客数及び客単価の維持・向上を図っております。
新業態の開発・改善を継続するとともに、直営出店及びフランチャイズ展開を見据えた店舗網拡大を推進しております。
採用・教育体制の強化を通じて早期戦力化及び定着率向上を図るとともに、外国籍人材やスポットワーカーの活用により柔軟な人員体制の構築を進めております。
ITシステムの活用による業務効率化及び発注精度の向上を進めるとともに、エネルギー効率改善等を含めた全社的なコスト管理の徹底を図っております。
当社は、当社のMission『食の力で、人と人をつないでいく。』を追求することにより、サステナブルな社会の実現を目指します。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
社内取締役と部署長をメンバーとした各部との定例会議を毎週開催することにより、Missionの実現に向けたリスクの認識や対応方針の協議を行っております。そのうち重要なリスクや対応方針については、取締役会にて報告する体制を整えております。
商品ごとに緻密な調理工程管理を行う「PPM戦略(Preparation Process Management)」をMission実現のための独自戦略として推し進め、理論原価と実原価の差分である「理論原価差異」を店舗責任者の評価制度に採用することで、本部・店舗の両面で効果的なフードロス削減の取り組みを推進しております。
また、すべての従業員が「一体感」をもってMission実現を目指すことを理想に掲げ、社名を「United & Collective」と名付けております。その実現に向け、性別・年齢・国籍・人種・学歴等を問わない評価制度や全社員を対象としたフレックス制度、アルバイト責任者制度など各種社内制度を導入しておりますが、更なる働きやすい環境を目指して新制度導入や見直しに取組んでまいります。
定例会議等により認識したリスクや機会については、取締役会のみならず、毎月開催している全店会議及び年に2回開催している全社員会議において適宜共有し、迅速な意思決定と対応指示を行っております。
当社Mission『食の力で、人と人をつないでいく。』を追求することによるサステナブルな社会の実現に向け、「戦略」の記載事項をはじめとする各種取組みを行っております。
当社の事業展開その他に関して、リスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。
当社は「てけてけ」「もつ焼き酒場てけてけ」「the 3rd Burger」「新太郎」「もつ焼てけ八」の5業態83店舗(2026年2月28日現在)を一都三県と大阪府に展開しております。各業態ともに、市場ニーズや消費者嗜好の情報を収集しながら、常に業態の進化および新業態開発を継続して行っていく方針でありますが、国内景気の悪化・低迷等の外的要因や当社固有の問題等の発生により、店舗集客に大きな変化が生じた場合は、当社の財政状態または経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
食材につきましては、「安全」「安心」をお客様に提供するために、より厳しい基準で管理体制を維持しておりますが、当社使用の食材において、安全性が疑われる問題等が生じた場合、また、当社の営業店舗等で安全性が疑われるような事象が発生した場合には、当社の財政状態または経営成績に影響を及ぼす可能性があります。そのほか、社会的環境の変化や法令の改正などにより、提供する食材の調達や加工に設備や作業等が必要になった場合には、コストの増加が発生し財政状態または経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、鳥インフルエンザ等の感染症や自然災害等により食材の供給が不安定となった場合、調達コストの上昇や供給制約が生じる可能性があります。
新規出店用物件の情報については、不動産仲介業者等に加え、当社既存店の管理会社、取引先銀行、取引先業者等からも情報入手を心がけておりますが、当社業態に合う物件取得は容易ではありません。売上・利益計画についても、取得物件において想定通りの店舗売上・収益を確保できない可能性があります。今後とも、新規出店計画達成に必要な物件の確保に努めてまいりますが、出店後に店舗周辺に多大な環境変化などの事態が発生した場合、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
店舗の安定した運営を継続して行うためには、パートタイマー・アルバイトを含め優秀な人材の確保が必要であります。当社の経営理念を理解し、賛同した人材確保を最重要課題として、正社員の採用においては新規学卒採用だけでなく、既存店舗に勤務しているパートタイマー・アルバイトからの社員登用や中途採用、特定技能制度の活用など、優秀な人材の獲得に取り組んでまいります。また人材教育に関しては、全店に設置された教育用タブレットを活用し、理念教育を重点的に行う事により当社の核となり得る人材を育成してまいります。しかしながら、人材の確保及び教育が追いつかない場合には、当社の財政状態または経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社の本社及び店舗は全て建物を賃借しております。各賃貸借契約に対し保証金等を差し入れており、2026年2月28日現在、保証金等の差入残高は803,911千円で総資産に対し20.5%の比率となっております。
新規出店の際、与信調査については万全を期しておりますが、賃貸人側の財政状態が悪化した場合、保証金等が回収不能に陥ったり、賃借物件の継続賃借が困難になる恐れがあります。そうなった場合、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社において、創業者である代表取締役坂井英也は、当社の経営方針の策定や経営戦略の決定、業態開発等、当社の業務執行において重要な役割を担っております。当社では、組織体制の充実や職務分掌及び職務権限規程に基づく権限の委譲など、特定の者に過度に依存しない組織体制への移行を進めており、依存度は相対的に低下するものと考えておりますが、そうした経営体制への移行過程において、何らかの理由により坂井の業務執行が困難となった場合には、当社の経営成績及び事業展開等に影響を及ぼす可能性があります。
当社では、飲食事業の衛生管理の重要性に鑑み、仕入食材については物流センターにおける品質管理の徹底を図っているほか、配送においても温度管理等、品質維持を徹底しております。また、各店舗におきましても衛生面での定期的なチェックと改善指導等を実施し社内の規則に沿った衛生管理を徹底しておりますが、食中毒に関する事故が発生した場合や食品衛生法の規定に抵触するような事象が発生した場合、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
2001年5月に施行された「食品循環資源の再利用等の促進に関する法律」(食品リサイクル法)により年間100トン以上の食品廃棄物を排出する外食業者(食品関連事業者)は、食品廃棄物の発生量の抑制、減量及び再生利用を通じて、食品残渣物の削減を義務付けられております。当社は食品残渣物を削減するための取り組みを鋭意実施しておりますが、今後法的規制が強化された場合には、その対応のために、設備投資等に関連する新たな費用が発生し、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、「農林物資の規格化等に関する法律」(JAS法)、「製造物責任法」(PL法)等に基づく規制を受けており、これらの法令の遵守についても対策を講じておりますが、万が一これらの法令に違反した場合、商品の廃棄処分、回収処理などが必要となるおそれがあり、当社の財政状態または経営成績に影響を与える可能性があります。
当社の従業員のうち、16.9%(2026年2月28日現在)が外国人となっております。外国人の労働に関しては、「出入国管理及び難民認定法」により規制されており遵守しておりますが、法令や規制内容の変更が発生した場合には、一時的に人材不足により当社の財政状態または経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、店舗造作費用及び差入保証金等の出店に係る資金を主に金融機関からの借入れにより調達しております。この結果、総資産に占める有利子負債(借入金)の割合が、2026年2月28日現在で66.3%と高い水準となっております。金融機関とは良好な関係を維持しており、現在のところ特に金利引上げの要請も受けておりませんが、有利子負債依存度が高い状態のまま金利が上昇した場合、当社の財政状態または経営成績に影響を与える可能性があります。
当社は、キャッシュ・フローを生み出す最小単位として、主に店舗を基本単位としてグルーピングしております。外部環境の著しい変化等により、店舗収益が悪化し、店舗における営業活動から生ずる損益が継続してマイナスとなった場合、固定資産について減損損失を計上することとなり、当社の財政状態または経営成績に影響を与える可能性があります。
当社は、首都圏に集中して店舗展開を行っているため、東京都心部を中心に大規模な災害(地震、台風、洪水、新型コロナウイルス感染拡大等)が発生した場合、来客数の著しい落ち込みや通常営業が困難となる恐れがあり、当社の財政状態または経営成績に影響を与える可能性があります。
当社は、2024年8月31日をもって債務超過を解消しております。当事業年度においては当期純損失を計上しておりますが、資金繰り計画においては金融機関からの継続的支援を得ており、事業継続上の重要な不確実性は認められません。これらの状況を踏まえ、当社は本決算において「継続企業の前提に関する重要事象等」は存在しないと判断しております。
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当事業年度におけるわが国経済は、緩やかな回復基調が見られる一方で、原材料価格の高止まりや地政学リスクの長期化に加え、実質賃金の伸び悩みによる個人消費の低迷など、依然として先行き不透明な状況で推移いたしました。外食産業におきましては、インバウンド需要の拡大等により市場全体は持ち直しの兆しを見せたものの、相次ぐ食品価格の値上げや人手不足に伴う労務コストの上昇が店舗運営の負担となっており、厳しい経営環境が続いております。
このような環境のもと、当社は、債務超過の解消により改善した財務基盤を背景に、収益構造の強化と売上回復に取り組みました。主力の「てけてけ」業態においては、定期的なメニュー改廃を実施し商品力の維持・向上に努めたほか、継続的な原価高騰に伴う価格改定の影響により年度後半には客数が前年を下回るなど集客面で課題が見られました。このため、一部ドリンクのコストパフォーマンスを打ち出した施策等を実施し、客数の回復及び来店頻度の向上を図りました。「the 3rd Burger」業態においては、バンズの新規開発を含む期間限定商品の投入等により、商品力の強化を進めました。
店舗展開につきましては、業態変更を含む5店舗の新規出店及び3店舗の退店を行った結果、当事業年度末における店舗数は83店舗(前年同期比2店舗増)となりました。
以上の結果、売上高は6,460,676千円(前年同期比0.5%減)となり、売上総利益は4,790,312千円(前年同期比1.5%減)、営業損失は15,853千円(前年同期は115,594千円の利益)、経常損失は48,673千円(前年同期は87,048千円の利益)、当期純損失は227,518千円(前年同期は59,751千円の利益)となりました。
なお、当社は飲食事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
当事業年度末の総資産は3,891,869千円となり、前事業年度末と比較して82,561千円の減少となりました。これは主に、流動資産が54,974千円増加した一方、固定資産が137,535千円が減少したこと等によるものであります。
また、当事業年度末の負債総額は3,364,808千円となり、前事業年度末と比較して267,166千円の減少となりました。これは主に、長期借入金(1年内返済予定の長期借入金を含む)が168,209千円減少したこと等によるものであります。
当事業年度末の純資産は527,061千円となり、前事業年度末と比較して184,605千円の増加となりました。これは主に、新株予約権の行使により資本金及び資本準備金がそれぞれ205,146千円増加し、減資により資本金が838,043千円、資本準備金が1,529,321千円減少し、その他資本剰余金が2,367,364千円増加しました。欠損填補により、その他資本剰余金が2,903,715千円減少し、利益剰余金が2,903,715千円増加しました。また、利益剰余金が当期純損失により227,518千円減少したこと等よるものであります。
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)の残高は、前事業年度末と比較して161,293千円減少し、1,318,867千円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度末における営業活動による資金の増加は199,276千円(前事業年度は122,243千円の増加)となりました。これは、税引前当期純損失168,986千円、減損損失236,900千円、減価償却費235,597千円の計上等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度末における投資活動による資金の減少は602,162千円(前事業年度は237,370千円の減少)となりました。これは、有形固定資産及び無形固定資産の取得による支出377,214千円があったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度末における財務活動による資金の増加は241,592千円(前事業年度は46,544千円の増加)となりました。これは、長期借入金の返済による支出442,308千円となった一方、新株予約権の行使による株式の発行による収入409,801千円、長期借入金による収入が274,100千円あったことによるものです。
③ 生産、受注及び販売の状況
当社の事業は提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、「生産実績」に代えて、「仕入実績」を記載いたします。
(注) 金額は、仕入価格の金額によっております。
当社は、一般消費者へ直接販売する飲食事業を行っておりますので、記載しておりません。
当事業年度における販売実績は次のとおりです。
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成に当たっては、決算日における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような経営者の見積り及び予測を必要としております。当社は過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、見積り及び予測を行っております。
なお、財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載しております。
当事業年度の売上高は、COVID-19の影響が薄まり経済回復が進んだことで6,460,676千円(前年同期比0.5%減)となりました。
売上原価については、原材料費の高騰により、原価率が前年同期比で0.8ポイント上昇し、売上総利益は4,790,312千円(前年同期比1.5%減)となりました。
販売費及び一般管理費は、新規出店および特定技能人材の採用を推進したことにより4,806,165千円(前年同期比1.2%増)となりました。主な費用の内訳は、給料及び手当が1,945,593千円、地代家賃が1,068,506千円です。
これらの結果、営業損失は15,853千円(前年同期は営業利益115,594千円)、経常損失は48,673千円(前年同期は経常利益87,048千円)、当期純損失は227,518千円(前年同期は当期純利益59,751千円)となりました。
当社の資金需要は大きく分けて新規出店に係る有形固定資産の取得のための資金、商品仕入や人件費等の支払に係る資金であります。
これらの資金は主に自己資金及び借入金により調達しており、今後も同様の方針で賄う予定であります。また、現状資金が不足するような状況ではございませんが、事業計画に基づく新規出店による資金需要、経済環境等を熟慮した上で調達手段や調達規模を都度判断して参ります。
なお、キャッシュ・フローの状況についての分析は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社は、フランチャイズ加盟店との間で、以下のような加盟契約を締結しております。
当社は、当社が開発・展開し統括する鶏料理居酒屋「てけてけ」の商標を使用して店舗を営業する資格ないし権利を加盟店に付与し、マニュアル等の印刷物、担当スーパーバイザーによる店舗運営・経営指導、運営システムの提供等を通じて加盟店の経営、店舗の営業を支援する。加盟店は、契約に定める事項、貸与ないし供与されたマニュアル並びに当社の指示を遵守して営業に従事し、その発展に邁進するものとし、契約に定める加盟金、ロイヤリティを支払う。
契約締結日を開始日として、満5年を経過した日を終了日とする。
契約期間満了の3ヶ月前までに両当事者のいずれからも解約の申し入れがない場合は、3年毎に自動的に更新される。
該当事項はありません。