当連結会計年度における我が国の経済は、前連結会計年度に引き続き、緩やかな回復基調で推移しました。
このような状況の中、国内再生可能エネルギー市場においては、固定価格買取制度(FIT)(*1)下の買取実績及び設備認定容量が増加基調にあります。しかし、事業化される見込みの薄い多数の太陽光発電所等の設備認定案件により送電網が押さえられ、一部地域においては新規の有望案件の事業推進が困難になる状況が生じていました。この状況を踏まえ、2016年6月には認定制度の変更等を企図した改正FIT法が公布されました。同法は2017年4月より施行され、市場の健全化・活性化が期待されています。また、2015年7月に経済産業省・資源エネルギー庁から公表された「長期エネルギー需給見通し」において掲げられた2030年度の目標(国内総発電量に占める再生可能エネルギー発電の割合を22~24%とする目標)の達成に向け、再生可能エネルギー導入に対する政府の支援姿勢は継続しています。今後も、太陽光発電に加え、成長余地の大きいバイオマス発電、洋上・陸上風力発電、地熱発電等の国内再生可能エネルギー市場は、より一層拡大していく見通しです。
(*1)固定価格買取制度(FIT):
「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法」(FIT法)に基づき、電気事業者(電気事業法上に定義された、小売電気事業者、一般送配電事業者及び登録特定送配電事業者の総称)が再生可能エネルギーで発電された電力を固定価格で買い取る制度です。太陽光、バイオマス、風力、地熱及び水力等により発電された電力が当該制度に基づいて電気事業者に販売され、その販売単価は年度毎に経済産業省・資源エネルギー庁の調達価格等算定委員会において定められます。電気事業者との受給契約(売電契約)・系統連系契約(電力系統への接続契約)が締結された場合、一定期間(10kW以上太陽光・バイオマス・風力・水力:20年間、地熱:15年間)に亘り設備認定(2017年4月以降は事業計画認定(事業認定))手続き等に基づき適用される固定価格での電力売買が行われます。
当連結会計年度における当社グループの事業については、「再生可能エネルギー発電事業」において運転開始済みの大規模太陽光発電所の発電量が好調に推移しました。2016年4月(当連結会計年度(*2)としては当連結会計年度である2017年5月期)には、熊本県菊池郡大津町において出力19.0MW(以降、太陽光発電の出力はモジュールベースの発電容量)の大規模太陽光発電(大津ソーラー匿名組合事業)が運転を開始しています。また、茨城県潮来市における株式会社水郷潮来ソーラーにおいては出力0.5MWの設備増強を行いました。この結果、当社グループの太陽光発電所は合計出力141.8MWとなりました。
(*2)当連結会計年度:
当社単体及び当社グループの連結上の決算月は5月ですが、発電所を所有する当社連結子会社及び関連会社の多くは決算月が3月です。下記の表のとおり、当社連結子会社及び関連会社の年次決算月が3月の場合、翌々月の5月を決算月とする当社連結会計年度の業績に含まれます。
(2017年5月期の当社連結会計年度と関係会社会計年度との関係)

2016年5月(当連結会計年度としては2017年5月期)から、秋田県秋田市の出力20.5MW(以降、バイオマス発電の出力は発電端出力ベースの発電容量)のバイオマス発電所(ユナイテッドリニューアブルエナジー株式会社)が運転を開始し、太陽光以外の再生可能エネルギー電源への事業展開を実現しています。さらに、2016年10月には、岩手県九戸郡軽米町において実施される大規模太陽光発電(軽米東ソーラー匿名組合事業、出力80.8MW)への出資を行い、2015年11月に出資した軽米西ソーラー匿名組合事業(出力48.0MW)と共に、運転開始に向けて順調に工事が進んでいます。
「再生可能エネルギー開発・運営事業」においては、建設着工済み又は運転開始済みの発電所SPC(*3)からの定常的な運営管理報酬(*4)や配当・匿名組合分配益(*5)に加え、軽米東ソーラー匿名組合事業に関する事業開発報酬(*6)が収益として計上されています。また、開発人員を増員して、今後の成長の原動力となる、バイオマス発電、洋上・陸上風力発電及び地熱発電等の事業開発に注力してきました。
(*3)SPC:
特別目的会社(Special Purpose Company)のことを指しています。当社グループでは基本的に発電所毎に共同事業者が異なること、またプロジェクトファイナンスを行う上でリスク分散を図ることを理由として、発電所を立ち上げる毎にSPCを設立し、当該SPCに発電所を所有させています。なお、当社グループにおいてはSPCを株式会社として設立して株式による出資を行う場合に加え、SPCを会社法上の合同会社(GK)として設立して商法上の匿名組合(TK)として営業者に出資を行う場合(TK-GKスキーム)があります。TK-GKスキームの主な特徴としては匿名組合員が有限責任であること及び営業者であるSPCの段階で法人税課税が発生せず、匿名組合員に直接課税されることが挙げられます。
(*4)運営管理報酬:
発電所建設の工程管理、決算及び金融機関へのレポーティング等の業務に代表され、発電所の建設期間及び売電期間に亘り支払われる報酬です。なお子会社や関連会社に対する当社の持分に相当する運営管理報酬については、連結決算上は連結グループ内取引として連結消去されています。
(*5)配当・匿名組合分配益:
「再生可能エネルギー発電事業」に属するSPCが株式会社として運営されている場合は、当該SPCから当社へ支払われた配当金については当社単体の営業外収益に計上され、またこれはセグメント間取引として「再生可能エネルギー開発・運営事業」のセグメント利益に反映されます。
また「再生可能エネルギー発電事業」に属するSPCが匿名組合として運営されている場合は、当該SPCで計上された利益のうちの当社出資割合分相当額についてその発生年度に匿名組合分配益として当社単体の売上高に計上し、一方損失が発生した場合は、その損失のうちの当社出資割合分相当額を匿名組合分配損として当社単体の販売費及び一般管理費へ計上しています。これらもセグメント間取引として「再生可能エネルギー開発・運営事業」のセグメント利益に反映されます。
なお、これらセグメント利益に反映された株式会社SPCからの配当金及び匿名組合SPCからの分配損益については、連結決算上は連結グループ内取引として連結消去されます。
(*6)事業開発報酬:
再生可能エネルギー発電所に係る土地確保、主要な融資関連契約の締結及び主要なプロジェクト関連契約の締結等をもって開発支援に係る役務の提供を完了とみなし、役務提供の完了をもって概ね開発規模に応じて支払われる報酬です。なお子会社や関連会社に対する当社の持分に相当する事業開発報酬については、連結決算上は連結グループ内取引として連結消去されています。
これらの結果、当連結会計年度における売上高は8,265百万円(前連結会計年度比3.4%減)となりました。前連結会計年度の期中において連結子会社化をした株式会社富津ソーラー及び運転開始をした那須塩原ソーラー匿名組合事業の業績が、当連結会計年度においては通期で寄与したことにより売上高は1,793百万円増加しました。一方、「プラスチックリサイクル事業」に含まれる連結子会社3社の株式譲渡に伴って売上高が2,435百万円減少しました。これらの増減を主因として、売上高は291百万円減少しています。なお、「プラスチックリサイクル事業」を除いた売上高は7,124百万円と、前連結会計年度に比べて2,144百万円(43.0%)の増加となっています。
EBITDA(経常利益+純支払利息+減価償却費+電力負担金償却+のれん償却額+開業費償却)は5,072百万円(前連結会計年度比24.4%増)となりました。売上高の増減要因と同様に、株式会社富津ソーラー及び那須塩原ソーラー匿名組合事業の通期業績寄与によりEBITDAが1,304百万円増加した一方で、「プラスチックリサイクル事業」に含まれる連結子会社3社の株式譲渡に伴ってEBITDAが608百万円減少しました。これらを主因として、EBITDAは994百万円増加しています。なお、EBITDAの売上高に対する比率であるEBITDAマージンは61.4%(前連結会計年度比13.7ポイント増)となりました。
営業利益は2,794百万円(前連結会計年度比32.7%増)となりました。営業利益の増加688百万円は、主に株式会社富津ソーラー及び那須塩原ソーラー匿名組合事業の通期業績寄与が主因です。
経常利益は1,845百万円(前連結会計年度比41.1%増)となりました。経常利益の増加537百万円についても、前述の株式会社富津ソーラー及び那須塩原ソーラー匿名組合事業の通期業績寄与が主因です。
親会社株主に帰属する当期純利益は2,023百万円(前連結会計年度比562.0%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、株式会社富津ソーラー及び那須塩原ソーラー匿名組合事業の通期業績寄与により327百万円増加しました。また、当連結会計年度には特別利益として関係会社株式売却益2,350百万円、段階取得に係る差益208百万円を計上した一方で、特別損失として投資有価証券評価損544百万円、事業整理損271百万円、貸倒損失148百万円等が計上されています。これらの増減により、前連結会計年度に比べて親会社株主に帰属する当期純利益は1,718百万円増加しています。なお、事業整理損は、複数の初期検討開発案件に関連して当社が計上している資産に対して、調査検討に伴い事業化の成功確度が相当程度低いと判断して、必要と認められる評価損や引当金を計上したために生じたものです。
なお、各セグメントの業績数値につきましては、セグメント間の内部取引高等を含めて表示しています。また、セグメント利益は、EBITDAにて表示しています。再生可能エネルギー事業は多額の初期投資を必要とする事業であり、全体の費用に占める減価償却費等の償却費の割合が大きい傾向にあります。当社グループでは、一過性の償却負担に過度に左右されることなく、企業価値の増大を目指し、もって株式価値の向上に努めています。そのため、業績指標として金利・税金・償却前利益であるEBITDAを重視しています。
主なセグメント別の概況は、以下のとおりです。
運転開始済み発電所の発電量が好調に推移したことに加え、前述した株式会社富津ソーラー及び那須塩原ソーラー匿名組合事業の業績が通期で寄与したことにより、当連結会計年度における「再生可能エネルギー発電事業」の売上高は5,880百万円(前連結会計年度比53.5%増)、セグメント利益(セグメントEBITDA)は4,952百万円(前連結会計年度比47.5%増)となりました。
当連結会計年度においても、建設着工済み又は運転開始済みの発電所SPCからの定常的な運営管理報酬や配当・匿名組合分配益を計上しました。また、2016年10月には他社との共同出資により、岩手県にて開発を進めている軽米東ソーラー匿名組合事業の大規模太陽光発電(出力80.8MW)に関する事業開発報酬の売上を計上しています。
この結果、当連結会計年度における「再生可能エネルギー開発・運営事業」の売上高は2,600百万円(前連結会計年度比21.1%増)、セグメント利益(セグメントEBITDA)は1,418百万円(前連結会計年度比12.5%減)となりました。売上高の増加453百万円は主に事業開発報酬の増加560百万円によるものです。セグメント利益の減少202百万円は主に開発人員増加に伴う人件費、地代家賃等の増加に加え、セグメント間の受取配当金の減少305百万円により、売上高の増加が相殺されたことによるものです。
「プラスチックリサイクル事業」は、当社連結子会社の株式会社エコスファクトリー及び株式会社グリーンループの落札量が前年と同水準を維持したため、操業は堅調に推移しました。なお、当社はこれまで当社グループ内で「プラスチックリサイクル事業」を担っていた当社連結子会社の全株式を2016年8月末日までに譲渡しました。当該株式譲渡の結果、2016年8月以降の期間において、「プラスチックリサイクル事業」は当社グループの業績に現れません。
この結果、当連結会計年度における「プラスチックリサイクル事業」の売上高は1,140百万円(前連結会計年度比68.1%減)、セグメント利益(セグメントEBITDA)は246百万円(前連結会計年度比71.2%減)となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末と比較し2,524百万円増加して、7,768百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、5,042百万円の収入(前年同期比28.1%増)となりました。主なキャッシュ・イン・フローは、「再生可能エネルギー発電事業」における売電先からの売電収入、及び「再生可能エネルギー開発・運営事業」におけるSPCからの業務委託収入です。主なキャッシュ・アウト・フローは、「再生可能エネルギー発電事業」における発電設備の維持管理費用、事業用地の賃借料、各種税金、及び、「再生可能エネルギー開発・運営事業」における人件費です。営業活動によるキャッシュ・フローの増加の主要因は、株式会社富津ソーラーの連結子会社化、及び那須塩原ソーラー匿名組合事業の運転開始による売電収入の増加です。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果得られた資金は、230百万円の収入(前年同期は8,405百万円の支出)となりました。主なキャッシュ・イン・フローは、「プラスチックリサイクル事業」に含まれていた連結子会社3社の株式譲渡に伴う正味の収入2,525百万円です。主なキャッシュ・アウト・フローは、投資有価証券の取得による支出1,125百万円及び大津ソーラー匿名組合事業の連結子会社化のための支出636百万円です。なお、有形固定資産の取得による支出は、継続的な設備投資が必要である「プラスチックリサイクル事業」に含まれていた連結子会社3社の株式譲渡を主要因として、前年同期比6,443百万円減少しています。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、2,724百万円の支出(前年同期は8,225百万円の収入)となりました。主なキャッシュ・イン・フローは、当社における長期借入れによる収入3,693百万円及び公募増資等による株式の発行による収入586百万円です。主なキャッシュ・アウト・フローは、「再生可能エネルギー発電事業」におけるノンリコース長期借入金の返済2,687百万円、及び、主に「再生可能エネルギー開発・運営事業」における短期借入金、長期借入金の返済です。
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2016年6月1日 至 2017年5月31日) |
前年同期比(%) |
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プラスチックリサイクル事業 |
(千円) |
902,786 |
32.5 |
|
合計 |
(千円) |
902,786 |
32.5 |
(注) 1.上記金額は製造原価であり、セグメント間の内部振替前の数値によっています。
2.上記金額には、消費税等は含まれていません。
3.「再生可能エネルギー発電事業」及び「再生可能エネルギー開発・運営事業」においては、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しています。
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2016年6月1日 至 2017年5月31日) |
前年同期比(%) |
|
|
プラスチックリサイクル事業 |
(千円) |
73,409 |
11.6 |
|
合計 |
(千円) |
73,409 |
11.6 |
(注) 1.セグメント間の内部振替前の数値によっています。
2.上記金額には、消費税等は含まれていません。
3.「再生可能エネルギー発電事業」及び「再生可能エネルギー開発・運営事業」においては、提供するサービスの性格上、商品仕入実績の記載になじまないため、当該記載を省略しています。
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2016年6月1日 至 2017年5月31日) |
前年同期比(%) |
|
|
再生可能エネルギー発電事業 |
(千円) |
5,880,710 |
153.5 |
|
再生可能エネルギー開発・運営事業 |
(千円) |
2,600,416 |
121.1 |
|
プラスチックリサイクル事業 |
(千円) |
1,140,150 |
31.9 |
|
合計 |
(千円) |
9,621,277 |
100.7 |
(注) 1.セグメント間の内部振替前の数値によっています。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりです。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 2015年6月1日 至 2016年5月31日) |
当連結会計年度 (自 2016年6月1日 至 2017年5月31日) |
||
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金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
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ミツウロコグリーンエネルギー株式会社 |
1,260,812 |
14.7 |
3,382,987 |
40.9 |
|
東京電力エナジーパートナー株式会社 |
1,259,156 |
14.7 |
1,720,750 |
20.8 |
|
公益財団法人日本容器包装リサイクル協会 |
2,150,395 |
25.1 |
746,908 |
9.0 |
3.上記の金額には、消費税等は含まれていません。
4.「再生可能エネルギー発電事業」における、試運転期間を除く売電量実績は次のとおりです。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2016年6月1日 至 2017年5月31日) |
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売電実績(MWh) |
前年同期比(%) |
|
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再生可能エネルギー発電事業(連結子会社) |
142,768 |
152.6 |
|
合計 |
142,768 |
152.6 |
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
当社グループは次の「ミッション/経営理念」及び「ビジョン/目指すべき企業の姿」を掲げています。
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■ミッション/経営理念 グリーンかつ自立可能なエネルギー・システムを構築し枢要な社会的課題を解決する
■ビジョン/目指すべき企業の姿 日本とアジアにおけるエネルギー変革のリーディング・カンパニーとなること
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上記の達成のため、当社グループは現在、次の5点を重視した経営を行っています。
当社グループは「日本とアジアにおけるエネルギー変革のリーディング・カンパニーとなること」というビジョンの実現を目指しており、変革著しい再生可能エネルギー市場に経営資源を集中的に投下しています。再生可能エネルギーの導入拡大は世界の潮流であり、日本国政府も、2030年時点のエネルギーミックスとして国内発電量に占める再生可能エネルギー(水力除く)の割合を現在の3~4倍とする方針を持っています。当社グループは、この成長市場である再生可能エネルギー市場において、中長期的に事業を拡大させていきます。
当社グループの現時点の発電所ポートフォリオは、大規模太陽光発電が大宗を占めます。しかし収益を安定化させるため、また、成長市場の恩恵を享受するために、大規模太陽光発電のみならず、バイオマス発電、洋上・陸上風力発電及び地熱発電等の複数種類電源(マルチ電源)の発電所を開発することを志向しています。当社グループは独立系資本の特性を生かして多様なパートナーと連携することで、大型で先進的なマルチ電源開発を推進していきます。
発電所開発の成功確度向上と同時に事業の高収益化を実現するため、当社は発電所開発における重要なプロセスにおいて各分野のスペシャリストを社内に擁し、高付加価値業務を内製化することを重視しています。また、より高い収益性の実現のため、発電所一件当たりの開発規模の極大化を追求しています。運転中・建設中の発電所の合計出力が約290MWとなる再生可能エネルギー発電所の開発実績に裏付けられたプロジェクト統括力により、これらを推進していきます。
当社グループは既存の発電所から長期に得られる強固なキャッシュ・フローを新規の発電所開発に積極的に再投資し、持続的成長を図ることで企業価値の増大を目指し、もって株式価値の向上に努めていきます。
また、当社グループは借入れを活用したハイレバレッジのファイナンススキームを開発案件ごとに組成し、各案件における必要出資額を抑えています。さらに、ファイナンス組成の初期において複数の共同出資者を募ることにより当社の出資持分を抑制して、少ない投下資本で数多くの案件を手掛けられる投資モデルを採用しています。これによって建中リスクの低減を実現させることは、リスク分散の一助となっています。また、運転開始後には、コール・オプションの行使や共同出資者との出資交渉により出資持分を向上させており、FIT期間を通じて得られるリターンの最大化を図っています。
当社グループは、全国に広がる再生可能エネルギー発電所を長期に亘って所有・運営していきます。また、再生可能エネルギーとは本来それが存在する地域の資源であり、発電所はその資源を活用させて頂いているという視点を、当社グループは大事にしています。今後も、当社グループの各発電所がそれぞれの地域に根ざし、地域関係者との長期的な共生・共創の関係を構築・維持出来るよう尽力していきます。
①EBITDAを重視した経営管理
当社グループの再生可能エネルギー事業は多額の初期投資を必要とする事業であり、減価償却費等の償却費が全体の費用に占める割合は大きい傾向にあります。一過性の償却負担に過度に左右されることなく、企業価値の増大を目指し、もって株式価値の向上に努めるべく、当社グループでは経営指標としてEBITDA(経常利益+純支払利息+減価償却費+電力負担金償却+のれん償却額+開業費償却)を重視し、その持続的な増大を目指していきます。
下記の図は、最近の大規模太陽光発電開発の計画に基づき、FIT期間における再生可能エネルギー発電所の売上高、EBITDA、経常利益の推移イメージを図示したものです。当該期間においては、全発電量につき固定価格による売電契約を締結していることから、予見性の高い売上高を見込むことが可能です。売上高水準が漸減しているのは、時間経過に伴う設備発電効率の低下(主にパネルの劣化)に起因しています。なお、パネルの劣化率の水準は、メーカーによる保証を受けていることから、比較的高い予見性があるものと考えられます。また、費用項目に関しては、償却年数の定まった償却性費用及び金利が固定化され返済スケジュールの定まった支払金利が主要項目であり、経常利益に支払金利と償却費を加算したEBITDA水準は、FIT適用期間を通じて比較的安定しています。
なお、FIT期間満了後の事業性が認められる場合の売電収入、EBITDA及び経常利益は、売電市場の状況、新規設備導入の状況及び土地賃料の水準等により変動します。
(再生可能エネルギー事業(SPC)の売上高、EBITDA及び経常利益の推移イメージ(大規模太陽光発電を想定))

再生可能エネルギー発電所を所有する当社グループのSPCでは、発電主要設備に係る減価償却費(主な償却期間約17年)を計上しておりますが、開業までに要した費用についても「開業費」として5年間で償却しています。下記の図で示すとおり、事業化開始のための先行投資が発生し(時点A)、SPC設立後に発生する費用は開業費に振り分け運転開始後に償却を開始しております(時点B)。そのため、開業から5年間(時点B~C)は開業費の償却負担が相応に大きく、事業によっては経常損益段階で損失が計上される場合があります。運転開始5年後以降(時点C~)においては、開業費償却負担が終了し、負債元本の返済により支払利息負担も減少していきます。運転開始後17年後以降(時点D~E)においては、主要発電設備の減価償却も終了します。なお、この間、経常利益は上記の影響を受けて変動しますが、EBITDAはこれらの影響を受けずほぼ一定の水準で推移します。
(各時点でのEBITDA内訳イメージ)

②事業の現在価値を重視した投資
再生可能エネルギー発電所の事業開発においては、地権者との開発合意、資源量の調査、各種許認可取得、ファイナンス関連契約及びプロジェクト関連契約の締結、工事・建設といった段階を踏みます。
下記の図は、大規模太陽光発電開発を例にとり、開発マイルストーンの経過に伴い、再生可能エネルギー事業案件の事業価値が変化するイメージを図示したものです。運転開始の前段階においては、各マイルストーンを達成し、事業化の実現可能性が向上するに従い、事業価値が向上します。特に、融資団との間でファイナンス契約を締結し、着工に至って設備の建設が進む段階では、事業価値は急速に顕在化し、運転開始時において理論的には将来の予定獲得キャッシュの現在価値に達していきます。
運転開始後の発電事業はFIT期間を通じて出資者に対する金銭の分配を行い、当該分配に伴って発電事業の価値はFIT期間を通じて減少していきます。買取期間が満了しFITの適用外となった再生可能エネルギー発電事業においては、FITに依らない売電に事業性が認められた場合は一定の事業の価値が残存するところ、FIT期間満了後の事業性が認められない場合は当該事業の価値は残存しません。当社グループはかかる事業性判断において、FIT期間満了時における売電市場、卸電力取引所、地域、地権者及び事業関係者との状況等を踏まえた検討を行う方針です。なお、当社グループの再生可能エネルギー発電所はFIT期間満了後に事業継続判断が成されない場合に備え、設備撤去費用をFIT期間中に積み立てています。
(再生可能エネルギー発電所の事業価値向上イメージ)

当社グループは再生可能エネルギーによるマルチ電源化を推進しており、運転開始済み発電所及び建設中発電所の合計発電容量が5年後に1GW超となることを中期的な通過点として捉えています。これに向けて、当社グループでは現在、次の経営戦略を実行しています。
事業開発の人員を増強し、費用を投下し、優良案件に対して積極的な投資を実行しています。
FITによる買取価格の下がった太陽光発電については積極的な新規案件開拓を行わず、 保有案件を収益性高く着実に仕上げるフェーズと位置づけています。
ユナイテッドリニューアブルエナジー株式会社におけるバイオマス発電所の運営で培ったノウハウと、当社の有する優良なネットワークを梃子に新規大型バイオマスの開発を加速させます。
再生可能エネルギーの中でも最先進領域である大型洋上風力発電に経営資源を投入し、長期的な株式価値の向上を実現していきます。
当社グループは、再生可能エネルギー市場に参入した2012年から、安定的な収益獲得が見込め、保有開発案件(パイプライン)の着実な開発による収益成長が期待できる大規模太陽光発電を中心とした開発を行ってきました。この結果、当社グループの大規模太陽光発電は、運転開始済み及び現在開発中案件を合算すると国内有数の規模を有する事業に成長しました。
現在、当社グループでは太陽光以外の再生可能エネルギー電源開発を推進し、バイオマス発電及び洋上・陸上風力発電を注力領域と位置づけ、経営資源を集中的に投下して開発を行っています。2016年5月には、当社グループの関連会社であるユナイテッドリニューアブルエナジー株式会社(2018年5月期第1四半期末より連結子会社化)が秋田県に所有する木質バイオマス発電所が発電を開始しました。また、将来に向けた布石として地熱発電に対する先行投資を行っており、長期的な視点に立った新規開発案件の調査及び開拓を進めています。
以上のとおり、当社グループでは再生可能エネルギー電源開発の多様化(マルチ電源化)を推進しています。
新たな事業領域での開発に係る各課題への適切な対処に加え、事業規模の拡大に伴いより高度な経営管理体制の構築が求められる中、当社グループでは以下の項目に取り組んでいきます。
再生可能エネルギー発電所の新規案件を開拓することは、当社グループの持続的な成長のために重要です。
当社グループは、これまで大規模太陽光発電を中心に「再生可能エネルギー発電事業」の展開を進めてきました。しかしながら、太陽光発電市場が成熟する中、当社グループは事業環境の変化に対応するべく、バイオマス発電事業及び洋上・陸上風力発電事業を当面の注力領域として経営リソースを重点的に配分しています。また、将来の布石として地熱発電事業へ参入しています。
多様化した電源にて同時に複数の新規案件を検討するためには、案件情報の収集及び開発可能性の見極めを効率的かつ効果的に行う必要があります。
取り組みの具体例としては、専門人材の採用及び育成に加え、省庁・自治体、学術機関、業界団体、工事会社、メーカー及び金融機関等との幅広いネットワークの強化や、共同事業を行うパートナー候補企業との積極的な情報交換等があります。
今後も、収益拡大に貢献する新規の再生可能エネルギー発電案件の開拓のために、各種施策の展開を図っていきます。
一定の事業性が認められた案件の開発を、着実かつ迅速に推進することは、当社グループの持続的な成長を実現する上で重要です。
当社グループは岩手県九戸郡軽米町で当社の関連会社である軽米西ソーラー匿名組合事業において出力48.0MW(モジュールベースの設備容量)の大規模太陽光発電及び軽米東ソーラー匿名組合事業において出力80.8MW(モジュールベースの設備容量)の大規模太陽光発電の建設を推進しています。また、「第1 企業の概況 3 事業の内容 (3) 再生可能エネルギー開発・運営事業、(開発中の案件一覧 ②推進中案件)・(開発中の案件一覧 ③初期検討案件)」に記載のとおり、大規模太陽光発電のみならずバイオマス発電、洋上・陸上風力発電、地熱発電といったマルチ電源開発に向け積極的に取り組んでいます。
当社グループは今後も地域社会や環境に配慮しつつ、当社の開発基準に見合った収益性を確保した上で、地権者協議、発電所設計、電力会社協議及び許認可取得等、事業化に向けて着実かつ迅速に開発を進めていきます。また、建設工程においても、工程管理やコスト管理を徹底し、運転開始までのスケジュールを順守していきます。
当社グループの所有する大規模太陽光発電所を中心とした既存発電所による予見性の高い安定的なキャッシュ・フローの創出は、当社グループが長期的かつ持続的な事業開発を行う上で重要です。
当社グループは、総出力約270MWの大規模太陽光発電所(運転開始済み及び建設中の発電所を含む)に加え、約20MWのバイオマス発電所の事業化実績を有しており、これらの発電所において適切なメンテナンス及びモニタリング体制を構築することで、安定的な稼働を実現しています。また、天候発生確率は統計的に一定の割合に収束すると見込まれることから、当社グループの大規模太陽光発電において事業期間を通した想定日射量及び総発電量は比較的予見可能性が高いものと見込まれます。当社グループの大規模太陽光発電所の所在地は、日本各地に地理的に分散しており、当社グループ全体では局地的な異常気象に左右されにくい安定的なキャッシュ・フローを創出する構造となっています。また、当社グループの所有する大規模太陽光発電はFITに基づき全て40円/kWh又は36円/kWhでの買取価格を確保しており、FIT期間に亘り高い収益性を有しています。
さらに、当社グループでは、当社グループの事業基盤をより強固にするべく電源の多様化を進めています。当社グループの関連会社であるユナイテッドリニューアブルエナジー株式会社(2018年5月期第1四半期末より連結子会社化)が秋田県にてバイオマス発電所の運転を開始したことで、大規模太陽光発電以外の電源に進出し、事業ポートフォリオの多様化が進んでいます。
当社グループでは引き続き、予見性の高い安定的なキャッシュ・フローを創出するべく、既存発電所の適切な運営及びパイプラインの開発推進と、事業ポートフォリオの更なる多様化(マルチ電源化)に取り組んでいきます。
今後の持続的な成長のためには、有力なパートナー企業と協力し、大型案件や先進的案件への取り組みを実行することが必要です。
当社グループは、約290MW(運転開始済み及び建設中の発電所の合計出力)の再生可能エネルギー発電所の事業化実績を有しています。豊富な実績に裏打ちされた当社グループへの信頼及び評判は、再生可能エネルギー業界における自治体や学術機関、有力企業とのネットワークの構築に貢献してまいりました。特に近年では、再生可能エネルギー業界における有力企業との戦略的事業パートナーシップを拡大しています。2016年5月には、住友林業株式会社と再生可能エネルギー事業(バイオマス、風力及び海外市場等)にかかる業務提携契約を締結しています。2016年10月には、ユナイテッドリニューアブルエナジー株式会社(秋田県秋田市において当社が出資するバイオマス発電事業)の共同出資者であるユナイテッド計画株式会社と、バイオマス発電事業開発にかかる業務提携契約を締結しています。
当社グループは、有力パートナー企業との連携を一層強化し、再生可能エネルギー事業の新たなノウハウと実績を蓄積し、更なる事業の好循環を目指して経営を行っていきます。
当社は、資金制約がある中でより多くの再生可能エネルギー発電所の案件を早期に事業化するべく、開発段階における投資資金の配分を各発電所SPCへ分散化させることを志向しています。そのため、案件成立時点で当社が所有する発電所SPCの出資持分比率は原則として持分法適用水準としており、当該SPCの出資持分の追加取得による連結化及び内部成長の実現は当社グループの持続的な成長のために重要です。
「第2 事業の概況 4 事業等のリスク (2) ファイナンスに関する事項 ②各発電所SPCに対する出資持分」に記載のとおり、当社は共同出資者との出資者間合意の定めにより、一定期間の経過後に一定の価格にて当社が他共同出資者の出資持分を買い取る権利(コール・オプション)を有し、また、他共同出資者がその出資持分を当社に売り渡す権利(プット・オプション)を有している場合があります。なお、共同出資者とオプション契約を締結していない場合においても、共同出資者との合意が得られた場合には、当社は再生可能エネルギー発電所の出資持分を追加取得する可能性があります。
なお、出資持分追加取得の判断は当該時点における当社の経営方針、資金状況、その他状況等を総合的に勘案の上で決定します。
当社グループでは、経営原則の一つとして株式価値の持続的な向上を掲げています。これに関連し、当社グループは、新規再生可能エネルギー事業への投資判断を行うに際しては、出資金額に対する内部収益率(IRR)の見込み値が一定水準を上回ることを原則としています。また、事業投資を決定した後も、事業毎にIRR水準及び予実差異を管理分析し、収益性の管理を強化していきます。
また、当社グループの再生可能エネルギー事業は多額の初期投資を必要とする事業であり、減価償却費等の償却費の費用に占める割合が大きくなる傾向にあります。一過性の償却負担に過度に左右されることなく、企業価値の増大を目指し、もって株式価値の向上に努めるべく、当社グループでは引き続き経営指標として金利・税金・償却前利益であるEBITDAを重視し、その持続的な増大を目指していきます。
当社グループでは、資本効率を向上させながら大型の再生可能エネルギー事業の開発投資を行うために、長期及び短期借入金を組み合わせた財務レバレッジの活用を重視しています。
当社グループは2017年5月期末までに、再生可能エネルギー発電所の事業化に係るプロジェクトファイナンス関連契約を締結し、銀行を中心とする金融機関より累計94,310百万円(連結子会社及び持分法適用会社における約定ベース)の長期のプロジェクトファイナンスを組成しています。なお、2017年5月期末時点において当社グループの連結有利子負債残高の8割以上となる34,497百万円については、SPCにおけるプロジェクトファイナンスにより調達されており、リミテッドリコース又はノンリコースの仕組みに基づいた借入金(第5 経理の状況における「ノンリコース長期借入金」)であるため、当社へのリコース義務は限定されています。
当社グループは、引き続き好条件での資金調達を実施するために、資本市場における情報収集及び分析に努める他、調達先の多様化、先進的な調達手法の検討や金融機関との関係性強化を行っていきます。また、グループ全体の資金管理や調達管理の充実、SPCからの資金回収の早期化を進め、受領した配当資金等により新たな事業の再投資を行うことで、資本効率の向上に一層取り組んでいきます。
新たな市場において更なる事業の拡大を図り、変化し続ける事業環境に柔軟に対応し、当社グループの強みとなる専門性を高め差別化を図っていくためには、多様な人材の確保と育成が重要です。
当社グループでは、優秀で専門性の高い人材にとって魅力ある会社づくりを行うために、組織構成や人事考課制度の見直しを図るとともに、公正な評価基準設定と目標達成度に応じた評価及びフォローアップ、教育研修の充実等に引き続き取り組んでいきます。また、人材採用においては、今後の当社グループの軸となる人材を育てるために新卒採用を行いながら、一方で即戦力となる人材を中途採用することで効率的に人員体制の拡充を図っていきます。特に、マルチ電源化の方針を踏まえた人員拡充や、事業拡大に伴う管理部門の強化・育成、今後のアジア展開を見据えた海外経験の豊富な人材の拡充と社内人材育成を引き続き行っていきます。
当社グループにおいては業績に占める関係会社の貢献割合が高いため、当社によるグループ経営管理体制を整備し、適切に運用することが重要です。
当社は、関係会社の継続的なモニタリング活動を通じて、各社の直近の運営状況を適時に把握する仕組みを講じています。また、関係会社の事業計画の策定支援及び予実分析を実施しています。さらに、関係会社と連携して、各社の業務プロセスや各種規程の定期的な見直しを行うとともに、安全衛生管理や労務管理等含め、グループ一体となった管理体制の構築にも取り組んでいます。
今後も引き続き、関係会社のモニタリングを一層強化し、より良い経営管理体制の整備及び運用を推進していきます。
社会的に内部統制の重要性が増大し、また事業拡大に伴い関係会社を含めた当社グループの売上規模も拡大していく中、持続的に健全な成長を果たすためには、当社及び関係会社の内部統制及びガバナンスの一層の強化が不可欠であると考えています。2017年5月期より経営の監督と執行の分離を行い、経営のモニタリングレベルの向上に取り組みました。また、内部統制レベルの向上を継続的に図るとともに、事業推進に必要な意思決定の迅速化にも邁進しています。今後も、コーポレートガバナンス・コードの精神に則った実効的なコーポレートガバナンスの実現を目指していきます。
当社グループにおきましては、当社グループのコンプライアンス憲章に則って社内遵法体制の整備を行ってまいりました。事業に関連する法令、会社法、労働法への対応等、コンプライアンス管理体制の一層の強化と厳格な運用が重要な経営課題と認識しています。当社グループでは代表取締役社長CEOを委員長とするコンプライアンス推進委員会を設置しており、当該委員会の充実を図ることでコンプライアンス意識の浸透を徹底し、一層のコンプライアンス管理体制の強化を図っていきます。さらに、連結子会社内におけるコンプライアンス意識向上のための教育・指導にも継続して取り組んでいきます。
事業に関連する法令の制定や改正が行われた場合、新たなルールに迅速かつ適切に対応することは、当社グループの競争力の維持強化に資するものです。
当社グループでは、関連法規等の改正の状況を常時モニタリングする従業員を配置し早期の情報収集に努めるとともに、必要に応じ他の電気事業者や業界団体と協力して政策提言を実施していきます。
当社グループが手掛ける再生可能エネルギー発電所の開発と長期に亘る運転においては、地域との良好な関係が重要です。当社グループは独立系資本として再生可能エネルギー事業に専念しており、経営原則においても地域の歴史と文化を尊重し新たな価値を共に創ることを掲げ、常に地域に根ざした事業開発を推進しています。開発プロジェクトが地域に貢献することは当社グループの評判の向上に加え、次なる案件の開拓にも繋がります。当社グループは今後も地域との共存・共生・協調を尊重しながら開発を進めていきます。
当社グループが再生可能エネルギー事業におけるリーディング・カンパニーとしての地位を確立し、更なる事業展開・拡大を加速していくためには、当社グループの知名度と評判を一層向上させることが重要です。
当社グループの事業領域は、大規模太陽光発電のみならず、バイオマス発電、洋上・陸上風力発電、地熱発電といった再生可能エネルギー全般に広がっています。これらの電源を開発する上で、地域に根ざした質の高い開発を実施すること、誠実な経営を行うこと、そしてビジョンや経営理念を制定し、経営陣と社員にてこれらの遵守を徹底することは当社グループの知名度と評判の向上に不可欠です。
今後も地球・地域・顧客・株主・社員に対して誠実な経営と事業運営を行うと同時に、積極的な広報活動、適時適切なIR活動、各種団体が主催する講演会への出演、ウェブサイトの更なる有効活用等により、知名度と評判の向上を目指していきます。
当社グループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる事項には以下のようなものがありますが、これらに限定されるものではありません。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針です。当社株式に関する投資判断は、本項及び本項以外の記載内容も併せて、慎重に検討した上で行われる必要があると考えています。
なお、本文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅したものではありません。
① 法令規制及び政策動向
a.エネルギー政策動向
2015年7月に、経済産業省・資源エネルギー庁はエネルギー基本計画に基づく長期エネルギー需給見通しを発表しました。日本国内の発電電力量に占める再生可能エネルギー(エネルギー源として永続的に利用可能な太陽光、バイオマス、風力、地熱及び水力等の総称)の比率は、2015年度において14.3%(水力9.6%、太陽光・風力・バイオマス・地熱は合計4.7%。出典:電気事業連合会「電源別発電電力量構成比」より)でありましたが、2030年度までに総需要の22~24%程度(水力8.8~9.2%、太陽光7.0%、風力1.7%、バイオマス3.7~4.6%、地熱1.0~1.1%)に引き上げるという目標が掲げられています。

出典:経済産業省・資源エネルギー庁「長期エネルギー需給見通し」(2015年7月)より当社作成
また、2030年度の各種再生可能エネルギーの想定導入出力は、太陽光64.0GW、風力10.0GW、中小水力48.5~49.3GW、地熱1.4~1.6GW、バイオマス6.0~7.3GWの合計130~131GW程度と見込まれています(出典:経済産業省)。
このような我が国のエネルギー政策や温室効果ガス排出削減を重視する国際的潮流を背景に、当社グループは、今後も再生可能エネルギーの導入を後押しする経営環境が継続するものと見込んでいます。しかしながら、我が国のエネルギー政策は、気候変動の進行状況や再生エネルギーを含む資源の利用状況とこれを受けて形成される多国間合意や国際的な議論の状況、政権交代を含む国内の政治動向、資源価格等の経済環境、社会情勢、発電設備の安全性等に関する世論等様々な事象による影響を受けます。かかる政策に変化が生じた場合等には、当社グループの事業、業績、財政状態及び将来的な成長性に影響を及ぼす可能性があります。
b.固定価格買取制度(FIT)(*1)
当社グループの主要事業である再生可能エネルギー事業においては、FITに基づいた小売電気事業者又は一般送配電事業者(*2)との契約により、長期間にわたる買取期間において固定価格で再生可能エネルギー電源からの電力供給を行っていますが、現在のFIT及び政府による再生可能エネルギー導入目標が今後も変更なく継続する保証はありません。
とりわけ、将来において経済状況に著しい変動が生じること等を理由として、政府又は管轄省庁の決定により、現在の固定価格買取制度が縮小又は終了する等、既存の電力受給契約を含めて再生エネルギー事業者に不利な制度変更がなされた場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があり、また、当社グループの事業計画の見直しが必要となる可能性もあります。
また、2016年6月には「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法(再エネ特措法)等の一部を改正する法律案」(改正FIT法)が公布され、同法は2017年4月より施行されました。改正FIT法により、新認定制度の創設(主な内容としては、「設備認定」から「事業計画認定(事業認定)」に変更され、事業実施中の点検・保守の遵守や事業終了後の設備の取扱いの明確化、事業用地の確保に関する基準の厳格化が規定されている。また、各基準等に違反した場合には、改善命令や認定取り消しが可能となる)、新たな未稼働案件の発生防止に向けた仕組みの導入(主な内容としては、2016年8月以降に接続契約を締結する10kW以上の太陽光発電設備については原則として認定から3年以内に運転を開始することが求められる)及びコスト効率的な価格決定方式の導入(主な内容としては、数年先の認定案件の買取価格の提示がされる)等が行われます。
当社グループが、改正FIT法に基づく新制度に適時かつ適切に対応できない場合、又はこれに対応するためのコストや負担が増加した場合には当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(*1)固定価格買取制度(FIT):
「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法」(FIT法)に基づき、電気事業者(電気事業法上に定義された、小売電気事業者、一般送配電事業者及び登録特定送配電事業者の総称)が再生可能エネルギーで発電された電力を固定価格で買い取る制度です。太陽光、バイオマス、風力、地熱及び水力等により発電された電力が当該制度に基づいて電気事業者に販売され、その販売単価は年度毎に経済産業省・資源エネルギー庁の調達価格等算定委員会において定められます。電気事業者との受給契約(売電契約)・系統連系契約(電力系統への接続契約)が締結された場合、一定期間(10kW以上太陽光・バイオマス・風力・水力:20年間、地熱:15年間)に亘り設備認定(2017年4月以降は事業計画認定(事業認定))手続き等に基づき適用される固定価格での電力売買が行われます。
(*2)小売電気事業者又は一般送配電事業者:
電気事業法第2条17項における小売電気事業者又は一般送配電事業者を指します。本書では主として電力需要家又は卸売事業者に対して電力販売を行う事業者全般を意味しています。
c.出力抑制
当社グループが開発を進める電源のうち、太陽光発電や風力発電といった発電出力が気候の影響を受ける自然変動電源においては、電力需給バランスを保ち電力供給の安定化を図ることを目的とし、運転開始後における無制限・無補償の出力制御を受け入れることが系統への接続要件となる出力抑制ルールを拡充する制度改定が2015年1月に行われました。これにより、指定電気事業者(*3)に指定された一般送配電事業者の電力系統に接続する場合、無制限・無補償の出力制御が課されることになりました。そのため、新ルール適用後に接続契約を申し込む発電設備については、無制限・無補償での出力制御を受けることにより売電収入が減少する可能性があります。なお、改定時点において接続申込済みの太陽光発電及び風力発電の発電設備は新たな出力抑制ルールの適用対象外となりますが、今後更なる制度改正等による出力抑制ルール適用の可能性を否定することはできません。
一方、バイオマス発電については電力広域的運営推進機関の定める送配電等業務指針に基づき、原則として火力発電に準じた電源として基本的には無制限・無補償での出力制御を受けることになります。
今後は、出力抑制の実施予測についてシミュレーション分析を行った上で事業化の可否を判断する方針であり、かかる分析の結果、事業化を断念せざるをえなくなった場合又は事業化に成功した場合であっても想定を上回る出力制御が実施されることにより想定した売電収入を得られなかった場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(*3)指定電気事業者:
接続申込量が接続可能量を超過した場合には、無制限・無補償の出力制御を前提として、再生可能エネルギー発電設備の系統への連系ができるよう経済産業大臣から指定された電気事業者を意味しています。
d.設備認定(事業認定)の取り消し
当社グループの再生可能エネルギー発電事業においては、次の表のとおり当社連結子会社及び関連会社がFITに基づいた「設備認定」を取得しています。しかし、認定された事業計画どおりに事業を実施していない場合、認定時の基準に適合しなくなったと経済産業大臣が認めるときは、当該認定は取り消されることがあります。当社グループとして、発電を既に開始した発電設備の「設備認定」を取り消される可能性は相当程度限定的と考えていますが、取り消された場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、前述のb.固定価格買取制度(FIT)において記載のとおり、「設備認定」は「事業認定」に移行中です。
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出資先名称 |
発電種類 |
許認可等の名称 |
所轄官庁等 |
設備ID |
発電開始 時期 |
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株式会社水郷潮来ソーラー |
太陽光 |
再生可能エネルギー発電設備の認定 |
経済産業省 |
AA67034C08 |
2014年2月 |
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株式会社富津ソーラー |
太陽光 |
再生可能エネルギー発電設備の認定 |
経済産業省 |
AA67035C12 |
2014年7月 |
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株式会社菊川石山ソーラー |
太陽光 |
再生可能エネルギー発電設備の認定 |
経済産業省 |
AA82731C22 |
2015年2月 |
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株式会社菊川堀之内谷ソーラー |
太陽光 |
再生可能エネルギー発電設備の認定 |
経済産業省 |
AA82732C22 |
2015年2月 |
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九重ソーラー匿名組合事業 |
太陽光 |
再生可能エネルギー発電設備の認定 |
経済産業省 |
A751905H44 |
2015年5月 |
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那須塩原ソーラー匿名組合事業 |
太陽光 |
再生可能エネルギー発電設備の認定 |
経済産業省 |
AB02724C09 |
2015年9月 |
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大津ソーラー匿名組合事業 |
太陽光 |
再生可能エネルギー発電設備の認定 |
経済産業省 |
A878005H43 |
2016年4月 |
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ユナイテッドリニューアブル エナジー株式会社 |
バイオマス |
再生可能エネルギー発電設備の認定 |
経済産業省 |
O649938B05 |
2016年5月 |
(注) 1 発電所が運転開始済みである出資先についてのみ記載をしています。
2 太陽光発電及びバイオマス発電の買取価格の適用期間はいずれも20年間です。
② 開発プロセス一般
a.土地の取得
一般的に、土地には権利及び地盤地質等に関し欠陥や瑕疵が存在している可能性があります。当社グループが再生可能エネルギー発電所に係る土地を購入又は賃借するに当たっては、原則として全所有者又は賃貸人から対象となる土地について欠陥や瑕疵が存在しないことにつき一定の表明及び保証を得ています。しかしながら、表明及び保証の対象となった事項が完全かつ正確でなかった、又は地権者等が知り得なかった事情により、後になって欠陥や瑕疵が判明する可能性があります。例として、土砂の流出、治水の変化又は土壌汚染等が発生し、近隣住民からの損害賠償、操業停止又はレピュテーションのリスクが発生する可能性があり、かかるリスクは所有者又は賃貸人による表明保証により補完できるとは限りません。さらに、土地をめぐる権利義務関係の複雑さゆえに、当社グループが取得した権利が第三者の権利や行政法規等との関係で制限を受け、開発期間や規模が変動する可能性があり、これにより当社グループの事業の採算性が悪化する等、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、これらのリスクが発電所の運転開始後に生じた場合には、行政当局又は地域住民等から事業停止の要請等を受け、稼働発電所の一部撤去や操業停止を受け入れざるを得なくなる可能性があり、当該事業の継続にも影響を及ぼす可能性があります。
b.許認可の取得及び発電所サイトにおける地域関係者等との合意
再生可能エネルギー発電所の開発に際しては、管轄省庁及び地方自治体が管轄する農地転用、林地開発、道路の占用等の複数の許認可取得が必要な場合があります。また、再生可能エネルギー事業は、発電所の立地する地域の自然環境資源を活用して行うものであり、許認可取得には地権者のみならず周辺地域住民の合意が必要となります。
当社グループにおいては、事前調査を通じて各種許認可取得に必要な措置を講じており、また地域社会及び地域環境に対する最大限の配慮の上で、法令や条例で定められた許認可や環境アセスメントの実施のみならず、事業実施地域における住民向けの各種説明会を通じて地域社会からの理解を得ながら事業化を進める方針としています。したがいまして、再生可能エネルギー発電所の開発に係る許認可の取得が不可能又は時間を要する場合、埋蔵文化財の発見等により追加調査や移築に時間が必要な場合、並びに地方自治体、地元住民及び環境団体等の関係者との合意形成が遅延或いは成されなかった場合等においては、当社グループが想定するスケジュールや規模にて事業化が行えない可能性があり、かかる場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
c.環境アセスメント
1997年6月に制定された環境影響評価法(通称:環境アセスメント法)は、道路、ダム、鉄道、空港、発電所等13種類の事業において環境アセスメントの手続きを行うことを定めています。環境アセスメントにおいては、「環境の自然的構成要素の良好な状態の保持」(大気環境、水環境及び土壌環境・その他の環境)、「生物の多様性の確保及び自然環境の体系的保全」(植物、動物及び生態系)、「人と自然との豊かな触れ合い」(景観及び触れ合い活動の場)、「環境への負荷」(廃棄物等及び温室効果ガス等)の中から対象事業の性質に応じて適切な環境要素が選定され、事業者自らが調査・予測・評価を行っていきます。当社グループの主要事業である再生可能エネルギー事業においては、一定規模以上の風力、地熱及びバイオマス発電所の建設に当たって、環境アセスメントの実施が義務付けられています。
また、都道府県又は自治体によっては、当該都道府県又は自治体の条例に基づき、再生可能エネルギー発電所の建設に際して、環境アセスメントの実施が要請されることがあります。
当社グループにおいては、各発電所の事業化に当たって、当該地域における過去の環境アセスメント実施履歴の調査や自主調査等により環境アセスメントにおける必要対処項目の事前確認を行っています。しかしながら、事前調査では想定されていない必要対処項目が発生した場合や、環境アセスメントにかかる法令又は条例の改定が行われた場合には、事業化時期、各発電所の開発規模又は開発可否等に影響を及ぼし、又は環境アセスメントに要する費用が増加する可能性があります。このような場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
d.電力系統への接続及び電力供給
発電所から電力供給を行うに際しては、電力系統への接続が必要となります。電力系統へ接続するためには工事費負担金と呼ばれる費用負担が求められます。また通常、接続予定の電力系統に空容量がある場合は、接続地点までの送電設備を建設する費用が発生し、電力系統に空容量がない場合は、送電設備の建設費用のほかに、電力系統の増強費用が追加で発生します。この増強費用は、当社グループ単独での負担、もしくは周辺地域で同じく事業を計画し、電力系統への接続を希望する他事業者との分担となる場合があります。
当社グループにおいては、事前に系統の空容量及び接続にかかる費用を確認し、計画的に電力系統への接続を確保する取り組みを行っていますが、他事業者が先行して接続契約を結んだ場合には、当社グループは電力系統の容量が確保できない可能性があります。また、他事業者が事業継続を断念した結果、当社グループが当初想定していた以上に接続費用が増加する可能性や、電力系統に接続をする上で入札が行われる場合(募集プロセス等)においては、接続までに当社の想定以上に時間を要する可能性があります。なお、操業後に電力供給先の送電網が深刻なトラブルに見舞われる場合があり、かかる場合には当該送電網に接続して電力供給を行うことが不可能又は困難となる場合があります。
また、送電線敷設用地を使用する際に、有効期間のある道路使用許可等の許認可が必要となる場合もあります。事業計画時に想定していなかった何らかの事情により、発電事業を継続している間に当該許認可が失効し、既存の送電線敷設用地が使用できなくなった場合には、電力供給が不可能又は困難となる可能性があります。
このような状況により当社グループが発電した電力を完全に売電できない場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
e.競合他社
当社グループが特定の事業候補地で事業開発を進めるにあたり、競合他社が当該候補地を確保することや公募案件で競合他社が採択される等により、当社グループの予定している開発が中止した場合は、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
f.設備調達・外注
当社グループは、成長市場である再生可能エネルギー市場において、大型・先進的な発電所の開発に取り組んでいます。一般的に成長市場においては、先進的又は特殊な設備・業務等について、業界全体で一時的に需要が供給を上回る場合があります。業界全体での設備、資材又はサービスの供給能力が不足し、当社グループの発電所の開発又は建設等が遅延する場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
g.その他
上記a~fに記載しています、土地取得や許認可、系統連系等に係るリスク、またこれらの複数のリスクが同時に顕在化する場合、また、その他計画外・想定外の事象の発生により、当社グループの予定している開発が中止した場合は、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ 各種電源のリスク
a.太陽光発電
1.運転開始済みの太陽光発電所
当社グループにおいては、2017年5月31日現在、連結子会社7社による大規模太陽光発電所の運転を開始しています(合計発電容量約141MW、モジュールベース)。
太陽光発電における発電量は「日射量」に比例するところ、かかる日射量は当社グループによるコントロールが及ぶ事象ではありません。日射量の多い春季から秋季にかけての全国的な長期間の悪天候、新しい建物の建築や樹木の成長等による周辺環境の変化、また、降灰・粉じん・黄砂・ガス等による直達光・散乱光の減少等により、当社グループの大規模太陽光発電所が設置された地域における日射量が低下し、これにより当社グループの大規模太陽光発電における年間総発電量が想定より減少した場合、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
2.建設中の太陽光発電所
当社グループにおいては「第1 企業の概況 3 事業の内容 (3) 再生可能エネルギー開発・運営事業、(開発中の案件一覧 ① 建設中案件)」に記載のとおり、本書提出日現在において共同事業による大規模太陽光発電所2箇所を建設工事中です。当社グループは、大規模太陽光発電所の建設に関して、EPC事業者(*4)との間で資材調達及び工事の諸条件を定めた契約を締結しています。当該契約は、原則として綿密な設計計画を作成した上で合意・締結された固定金額の工事請負契約(ランプサム契約)です。しかしながら、EPC事業者との契約範囲外の事由により、設計当初に想定しなかった追加工事が発生した場合や、天災等の事由により事業計画に遅延が生じた場合には、工事請負契約の金額が増加する可能性があり、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(*4)EPC事業者:
発電所建設において、Engineering(設計)、Procurement(調達)及びConstruction(建設)を含む一連の工程を請け負う事業者を指しています。
3.認定取得済みの太陽光発電所
当社グループにおいては「第1 企業の概況 3 事業の内容 (3) 再生可能エネルギー開発・運営事業、(開発中の案件一覧 ② 推進中案件)及び(開発中の案件一覧 ③初期検討案件)」に記載のとおり、複数のプロジェクトについてFITに基づく設備認定を取得して、事業化に向けた取り組みを進めています。
発電所の着工に至るためには、地権者との交渉及び調整並びに関係省庁・自治体からの許認可の取得及び関係省庁・自治体への届出等が必要です。当社グループでは、推進中の案件に関して許認可の取得手続きや工事着手のための準備を行っていますが、各案件の発電規模は大きいため、開発には一定の期間が必要となります。当社グループにおいて一定期間を過ぎても合理的な理由なく開発を進捗できず、管轄省庁の聴取に対して合理的な説明を行うことができない場合には、管轄省庁の判断にて既取得の設備認定が取り消される可能性があります。
また、事業化の各段階における開発投資についてはSPC(*5)の設立以前から当社がSPCに対する立替金として資産計上しているため、何らかの事由により開発が中止となった場合には、当社グループは損失を計上することになり、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(*5)SPC:
特別目的会社(Special Purpose Company)のことを指しています。当社グループでは基本的に発電所毎に共同事業者が異なること、またプロジェクトファイナンスを行う上でリスク分散を図ることを理由として、発電所毎にSPCを設立し、SPCは当該発電所を所有しています。なお、当社グループにおいてはSPCを株式会社として設立して株式による出資を行う場合に加え、SPC(営業者)を会社法上の合同会社(GK)として設立して商法上の匿名組合(TK)として営業者に出資を行う場合(TK-GKスキーム)があります。TK-GKスキームの主な特徴としては匿名組合員が有限責任であること及び営業者であるSPCの段階で法人税課税が発生せず、匿名組合員に直接課税がされることが挙げられます。
b.バイオマス発電
1.バイオマス発電案件の開発
当社グループは、「第1企業の概況 3 事業の内容 (3) 再生可能エネルギー開発・運営事業、(開発中の案件一覧 ③初期検討案件)」に記載のとおり、バイオマス発電の事業化に向けた検討を行っています。事業化の各段階における開発投資について、地方自治体との事業開発に係る協定書の締結や地権者との用地確保に係る協定書の締結等をもって、当社はSPCの設立以前から当社がSPCに対する立替金を資産計上した上で、これに対し事業化の成功確度を考慮した上で一定の引当金を計上することとしています。しかしながら、事業化を断念した場合には、未引当の開発費用が損失として計上されるため、当社グループの事業計画及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
2.燃料の調達と市況動向
当社グループには、秋田県秋田市において、東北地域で最大級となる出力20.5MWの木質バイオマス発電所を運営する連結子会社があります。当該バイオマス発電所では、事業計画上、燃料として国内未利用木材(FIT適用単価32円/kWh適用)を重量ベースで約7割、輸入PKS(パーム椰子殻)材(同24円/kWh適用)を同約3割使用しています。
国内未利用材の調達については、秋田県内における複数の主要な木材生産業者との間で、長期間に亘り単価固定かつ安定的に調達できるものとする長期供給契約を締結しています。しかしながら、木材生産業者が国内未利用材の十分な生産及び供給を行えない場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
輸入PKS材については、供給会社との間で複数年に亘る数量保証の供給契約を締結しています。しかしながら、供給会社の倒産等の不測の事態により発電所の当初運営計画に比べて十分な燃料材の調達が行えない場合、PKS価格、輸送運賃又は為替相場が変動した場合、等には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、PKS材の調達地であるインドネシア及びマレーシアにおける政情不安等が生じた場合や、将来当該国における政府がPKS材の輸出に関する規制を強化した場合には、当社グループのPKS材調達計画に影響を及ぼす可能性があります。
3.プラントの運転及びメンテナンス
当社の参画するバイオマス発電所では、運転について内製化していますが、メンテナンスについては一部外注しています。主設備であるボイラー等の運転に関し、事故や人的ミスが発生し、又は技術者の確保や技術の習得が適切に行えなかったこと等の不測の事態によりプラントの運転に支障が生じた場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
c.風力発電
1.風力発電案件の開発
当社グループは、「第1 企業の概況 3 事業の内容 (3) 再生可能エネルギー開発・運営事業、(開発中の案件一覧 ③初期検討案件)」に記載のとおり、洋上・陸上風力発電の事業化に向けた検討を行っています。
風力発電の事業化に際しては各種許認可の取得に加え、風況観測及び環境アセスメント(事業の規模や地域条例による)が必要となるため、開発段階において建設工事着工前から一定程度の先行的な投資が発生していきます。当社グループでは、当該開発投資に対する補助金の活用や、事業パートナーとの共同事業化により、開発リスクの分散・低減を図るとともに、事業化の各段階における開発投資について、地方自治体との事業開発に係る協定書の締結や地権者との用地確保に係る協定書の締結等をもって、SPCの設立以前から当社がSPCに対する立替金として資産計上した上で、これに対し事業化の成功確度を考慮した上で一定の引当金を計上しています。しかしながら、風況観測若しくは環境アセスメントの結果等を受け事業化を断念した場合には、未引当の開発費用が損失として計上されるため、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
2.洋上風力発電案件の開発
日本を含むアジア地域において、洋上風力発電所の開発はまだ開始して間もなく、そのため発電設備等の組み立てや仮置きを行う港湾設備や、風車の敷設船舶等の設備開発・整備、又はメンテナンス体制の構築は発展途上にあります。また、事業周辺地域における関係者との合意形成についても、前例が少なく、時間をかけた十分な説明により理解を頂く必要があります。
当社グループは、「第1 企業の概況 3 事業の内容 (3) 再生可能エネルギー開発・運営事業、(開発中の案件一覧 ③初期検討案件)」に記載のとおり、風況ポールを設置し、洋上風力発電所の事業化に向けた検討を行っています。洋上風力の開発は先行投資段階にあり、当該先行投資の回収は長期に亘るため、開発費の拠出は損益計算書上で費用認識され、当社グループの足元の業績を圧迫することになります。また、洋上風力発電に必要な社会インフラの整備が進まない場合や、海底地盤の状況等を含む立地条件が不適当な場合、事業周辺地域における関係者との合意形成が困難となり、又は時間を要する場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態並びに当社グループの中長期な成長戦略に影響を及ぼす可能性があります。
d.地熱発電
地熱発電所の事業化に際しては、各種許認可の取得に加え、地中の資源量を把握するために地表調査、掘削調査、噴気試験といった各種調査を行っていきます。調査結果を踏まえ、温泉資源を利用する利害関係者と共存できる持続可能な発電規模の見極めを図ることで、周辺地域関係者からの事業への同意取得を目指していきます。一方、工事着工前の開発段階から一定程度の先行的な費用が発生します。また、地中における資源分布は、地表から完全に把握することが難しく、掘削において熱源を掘り外す可能性もあります。
当社グループは、地熱発電所について、「第1 企業の概況 3 事業の内容 (3) 再生可能エネルギー開発・運営事業、(開発中の案件一覧 ③初期検討案件)」に記載のとおり、事業化に向けた検討を行っており、JOGMEC(独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構)から助成金を取得の上、地表調査及び掘削調査を実施してきました。
なお、今後エネルギー政策や助成金制度等が変更になった場合には、当社グループの地熱発電の開発活動に影響を及ぼす可能性があり、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、綿密な調査結果分析及び当該開発費用に対する補助金の活用や、事業パートナーとの共同事業化により、開発リスクの分散・低減を図っています。事業化の各段階における開発投資については、地方自治体との事業開発に係る協定書や地権者との用地確保に係る協定書の締結等をもって、SPC設立以前から当社グループがSPCに対する立替金として資産計上した上で、これに対し事業化の成功確度を考慮して一定の引当金を計上しています。しかし、当社グループが地熱発電所の事業化を断念した場合等には、未引当の開発費用が損失計上されるため、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
④ 開発プロセスの進捗に伴う事業開発報酬
当社グループにおける再生可能エネルギー発電所の事業開発においては、発電所が運転を開始するまでに、地権者との協定書締結、各種許認可取得、ファイナンスの組成、建設管理といった各段階における取り組みがあります。当社は、社外の出資者と共同事業として再生可能エネルギー発電所を所有するSPCに対して、再生可能エネルギー発電所設立に係る重要な許認可の取得、土地確保及びファイナンス関連契約の締結に係る開発支援業務を提供しており、開発支援に係る役務の提供完了をもって、SPCから事業開発報酬を受領しています。事業開発報酬の水準はSPCの行う事業の規模に概ね比例しており、1件当たり数億円から十数億円規模となる場合があります。事業開発報酬の計上金額は、各事業年度における新規発電所に係る開発支援業務完了の有無又はその規模・件数により変動し、そのため「再生可能エネルギー開発・運営事業」は開発報酬の計上の時期により売上高及び利益は増減する傾向にあります。
当社は開発段階におけるSPCに対する持分を持分法適用水準としているため、当該事業開発報酬は当社の未実現利益を控除した金額を、当社の連結売上高に計上します。事業開発報酬を計上したものの、事業開発報酬を受領する前に何らかの事由により開発が中止された場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループが推進する再生可能エネルギー発電所の開発スケジュールの遅延が生じた場合には、事業開発報酬の計上時期も遅延することとなり、当該連結会計年度における当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ プロジェクトの開発進捗と業績の関連
当社グループの主要な連結経営指標等の推移は下記のとおりです。
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回次 |
第15期 |
第16期 |
第17期 |
第18期 |
|
|
決算年月 |
2014年5月期 |
2015年5月期 |
2016年5月期 |
2017年5月期 |
|
|
売上高 |
(千円) |
4,256,577 |
5,539,928 |
8,556,254 |
8,265,097 |
|
EBITDA |
(千円) |
1,072,594 |
1,725,449 |
4,078,231 |
5,072,379 |
|
経常利益 |
(千円) |
610,092 |
712,933 |
1,307,972 |
1,845,524 |
|
親会社株主に帰属する 当期純利益 |
(千円) |
274,809 |
433,568 |
305,678 |
2,023,688 |
(注) 第16期、第17期及び第18期の連結財務諸表については、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(1976年大蔵省令第28号)に基づき作成しており、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、PwCあらた有限責任監査法人の監査を受けています。
第15期の連結計算書類については、「会社計算規則」(2006年法務省令第13号)に基づき作成しており、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく、PwCあらた有限責任監査法人の監査を受けていませんが、会社法第444条第4項の規定に基づき、PwCあらた有限責任監査法人の監査を受けています。
2017年5月期には総事業費として当社グループの過去最大案件である軽米東ソーラーに係る過去最大の事業開発報酬を計上しています。このため、2017年5月期における「再生可能エネルギー開発・運営事業」の売上高と利益は過年度と比較して増加しています。当社は本書提出日現在において大規模太陽光発電、バイオマス発電、洋上・陸上風力発電及び地熱発電を含む再生可能エネルギー発電所の開発を進めていますが、今後の調査検討等に伴いこれらの案件が遅延又は中止となる場合には、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
なお、当該業務の提供を受けたSPCにおいては事業開発報酬と同額が開業費として計上され、運転開始後5年間で償却されます。当社グループが中長期的に利益成長するためには開業費償却が終了したプロジェクトの積み上がりが必要となるところ、稼働後5年が経過し開業費償却が終了するプロジェクトは2019年5月期の水郷潮来ソーラーまで予定されていません。また、当社グループは新規のプロジェクトの開発にむけた先行的な支出を行うため、当面は先行的な支出や開業費償却が当社グループの利益水準を圧迫する傾向にあります。
以上より、今後の当社グループの利益水準は開発支援業務を提供するプロジェクトの規模やそれに係る事業開発報酬の計上時期に大きく影響を受けることとなります。今後の当社グループの業績や成長性の判断においては過年度の業績及び短期的な業績見通しのみならず、開発中のプロジェクトの進捗状況、運転中のプロジェクトの発電状況や開業費償却時期等の経営情報を総合的に検討する必要があります。
なお、当社は2016年8月末日までに当社グループの「プラスチックリサイクル事業」を担っていた当社連結子会社の全株式の譲渡を実施しました。当該株式譲渡の結果、2016年8月以降の期間においては、「プラスチックリサイクル事業」の業績は当社グループの業績に現れません。また、当該株式譲渡に伴い、2017年5月期において関係会社株式売却益として2,350百万円の特別利益を計上しています。
⑥ 業績の季節変動
一般的に太陽光や風力といった自然由来の再生可能エネルギーを活用する電源は、日々の天候変化に加えて、季節に応じた発電量の変動があります。太陽光においては日射量の多い春季から秋季、風力においては低気圧が優位な冬季に発電量が多い傾向があります。当社グループは現在のところ他の電源に比較し大規模太陽光発電の事業化が先行しているため、当社グループの業績にも季節による偏りが生じる可能性があります。
⑦ 開発出資プロセス及び管理
再生可能エネルギー開発出資から発生する損失の予防・抑制を目的として、当社グループは開発出資案件の審議における厳格なスクリーニング、撤退判断及び出資後の事後管理について各々基準を設け、管理を行っています。新規事業投資案件のスクリーニングでは、FIT期間におけるキャッシュ・フロー計画を含めた事業計画を精査し事業性を厳格に評価するとともに、内部収益率(IRR)のハードルを設定し、リスクに見合った収益が得られる案件を選別できる仕組みを整えています。
既に実行済みの開発出資案件については、各案件における課題を早期に発見し、適切な措置を講じることで損失を極小化するために、予実管理の徹底及び定期的な事業性評価を行うモニタリング体制を構築しています。
このように、新規事業投資実行時のスクリーニングの仕組み及び案件の事後管理に係る手続きを整備していますが、期待どおりの収益を獲得できない場合や、プロジェクト関係者との調整が遅滞する場合、事業投資や事業提携が計画どおりに実現できない場合等は、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
① 有利子負債への依存
当社グループは、運転資金や設備投資資金について金融機関から借入れを行っています。2017年5月期末時点の連結有利子負債残高及び純有利子負債は40,440百万円及び27,543百万円であり、純有利子負債及び純資産の合計額における純有利子負債依存度(純有利子負債/総資本比率)は約79%です。新規及び借り換え時の資金調達において金融機関との折衝が滞り資金の調達に支障が生じた場合には、当社グループの事業、業績、財政状態や事業計画に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループにおける有利子負債の多くには財務制限条項が付されており、これら財務制限条項に抵触した場合には当社グループの事業、業績、財政状態や事業計画に影響を及ぼす可能性があります。
なお、当社グループにおける有利子負債のほぼ全てが固定金利にて調達されているため、借入期間中における市場金利の変動による金利負担の増加は想定されないものの、市場金利が上昇した場合、今後建設及び開発を行う新規発電所における負債の調達コストが増大するため、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
② 各発電所SPCに対する出資持分
当社は、資金的な制約の中で、今後開発が見込まれている再生可能エネルギー発電所の案件に対して、機会を逃さず、また早期に事業化するために、開発段階においては投資資金の配分を分散化させることを志向しています。そのため、現状、案件成立初期時点における当社の事業SPCへの出資持分比率については、財務戦略上の観点から持分法適用水準としています。併せて、各太陽光発電所を開発運営するSPCへの出資持分比率については、共同出資者との出資者間合意の定めにより、一定期間の経過後に一定の価格にて当社が他共同出資者の出資持分を買い取る権利(コール・オプション)を有し、また、他共同出資者がその出資持分を当社に売り渡す権利(プット・オプション)を有している場合があります。
当社グループは、多数の開発案件に投資するために案件ごとの初期の出資時には投資額を抑制しつつ、当該コール・オプションの行使により将来的に各発電事業への出資持分比率を引き上げる方針です。しかしながら、当社グループにおける資金制約等により、共同出資者からの出資持分の買い増しが遅れる場合には、再生可能エネルギー事業における収益への貢献も限定的となり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの事業計画上予定された時期以外の時期に、他の共同出資者がプット・オプションを行使し、当社グループが出資持分を買い取る義務が生じた場合、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、共同出資者とオプション契約を締結していない場合においても、共同出資者との合意が得られた場合には、当社は再生可能エネルギー発電所の持分を追加取得する可能性があり、かかる場合には当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
なお、オプションの行使等により出資持分を追加取得し、対象となるSPCを連結化した場合、追加取得価額の水準に応じて段階取得に係る差損益及びのれんが計上されます。
③ 関係会社におけるスポンサーサポート
当社グループにおいて発電事業を運営するSPCである連結子会社及び関連会社各社は、発電所建設に際して、融資団からの資金調達(借入金)を行います。当該借入金のファイナンス関連契約は、リミテッドリコース又はノンリコースの仕組みに基づいており(第5 経理の状況における「ノンリコース長期借入金」)、SPCと当社の間において一定の倒産隔離スキームが構築されています。しかしながら、SPCの業績悪化等、一定の条件が発生した場合には融資関連契約に従い、当社を含むSPCへの出資者はSPCに対するスポンサーサポート義務を負う場合があります。国内において太陽光発電所に関してはプロジェクトファイナンスの組成実績が豊富であるため、一般的に融資関連契約に規定されるスポンサーサポートは他の再生可能エネルギー電源に比べると限定的となる傾向にあります。一方で、継続的な燃料材の供給と運営が必要なバイオマス発電や風車のメンテナンスが必要となる風力発電の場合には、融資団はSPCへの出資者からより多くのスポンサーサポートを求める傾向にあります。
当社グループの太陽光発電所を運営するSPC各社において、不測の事態により発電を行うことができない場合や、想定以上の悪天候が複数年連続した場合等、これらの要因により工事費の計画超過又は財務制限条項の指標の悪化等融資関連契約に定められた事象に該当したときは、当社は当社の連結子会社又は関連会社である発電事業者の出資者として、一定の限度額内において劣後貸付又は株式での追加出資の義務を負う場合があります。また、当社が出資する太陽光発電以外のSPCにおいては、不測の事態により収益性が計画を大きく下回った場合等においては、当社による追加出資が必要となる場合があります。これらの場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
① カントリーリスク
当社グループは、各国・地域の再生可能エネルギー導入政策、法規制又はマクロ経済環境の状況を見極めた上で海外地域からの資材調達や現地での事業化に取り組む方針を採用しています。しかし、これらの国・地域での事業展開においては、政治、経済、社会情勢、文化、宗教、慣習、テロ等の様々な要因に起因して生じる予期せぬ事態、各種法令・規制の変更等による国家収用・送金停止・関税その他の課税のほか、カントリーリスクが存在します。このようなリスクが顕在化した場合には、事業遂行の遅延・不能等が生じる可能性があり、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
② 為替リスク
再生可能エネルギー発電所の発電設備には海外から輸入する設備・資材も含まれており、さらに当社グループにおいてはバイオマス発電事業における輸入燃料の購入を行っています。また、海外における事業開発のために海外子会社設立を行っているため、為替相場の変動により当社グループの事業、業績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。
① 自然災害・火災・事故
当社グループの本社機能は東京にあります。また、全国に複数の運転中又は建設中の発電所があります。大規模な台風、地震、火山の噴火、津波、洪水、地滑り、豪雨、大雪等の自然災害又は異常気象のほか、戦争、テロリズム、武装紛争等の人的災害、送電障害等の主要な社会的インフラ障害等が発生した場合には、発電所等の設備の大規模な修繕が必要となり、当社グループの事業運営が継続できない又は重大な支障を生じる可能性があります。また、資材や燃料のサプライチェーンにおける重大な事故や故障、発電設備及び送電インフラの重大な事故や故障、重大な労働災害等が発生した場合にも、発電所の操業に支障が生じ、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
② コンプライアンス及び各種法令の施行・改正等
当社グループの事業領域は、各事業の法的規制において記載した法令以外にも、大気汚染、排水等に伴う水質汚染、騒音、廃棄物等をはじめとする環境関連法令の適用を受けています。さらに、開発プロセスやサプライチェーン上での法令違反も当社グループの事業におけるリスクとなります。当社グループはコンプライアンス憲章に基づき、コンプライアンス体制を構築し、法令遵守の徹底に取り組んでいます。しかしながら、法令違反等が発生した場合、また新たな法規制が追加された場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ 個人情報や機密情報の管理
当社グループの事業においては、個人情報や取引先の機密情報を取り扱っており、それらの情報の管理や、セキュリティ管理は重要な事項です。このため、当社グループでは、情報を保管している部屋への入退室管理、情報・ネットワーク機器のセキュリティ対策、従業員を対象とした教育等情報管理の強化・徹底を図っています。また、外部の委託先についても、守秘義務契約を締結し、機密情報の漏洩を防ぐべく、情報の管理を行っています。このような取り組みにもかかわらず、当社グループの取扱う個人情報や取引先の機密情報につき、情報漏洩、紛失、破壊等の事態が発生した場合には、顧客等からの損害賠償請求や信用失墜等につながり、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループのみならず、当社が開発中のプロジェクトに関連する関係者による重要な情報の漏洩等が発生した場合、当社の事業開発が遅延又は頓挫するリスクがあり、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
④ 知的財産権
当社グループにおいて他者の知的財産権その他の権利を侵害する結果となった場合には、損害賠償請求や信用失墜等につながり、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 人材の採用・育成・維持
当社グループは、新しい事業分野に進出し、事業規模を拡大していくために、高度な専門性、独自性、創造性を持つ多様な人材を採用・育成・維持することが極めて重要であると考えています。そのために、戦略的な人材採用活動の実施、人材開発プログラムの実施、育児支援制度をはじめとする福利厚生の充実等により、優秀な人材を発見して採用・育成し、従業員にとって働きやすい労働環境と就業環境を確保することに努めています。このような取り組みにも関わらず、労働市場における人材流動性の高まり又は当社グループの魅力度低下等の理由により、新卒及び中途での人材の採用が困難になった場合や多くの人材流出が生じた等の場合には、将来、当社グループが求める前述の人材を十分に確保できない可能性があります。このような場合には、当社グループの将来的な事業活動に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 保有資産及びSPC出資持分の減損
当社グループは、再生可能エネルギー発電所等に係る有形固定資産及びのれん等の無形固定資産を所有しています。当社グループは、連結子会社又は関連会社の収益性の低下により各関係会社の簿価を回収できない場合、当該事業にかかる資産について減損処理を行うことがあります。また、のれん等の経済価値及び株式の市場価値が下落した場合、当該のれん等について減損処理を行うことがあり、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社は原則として再生可能エネルギー発電所の開発に際してプロジェクト関連契約や融資関連契約の締結確度が高まった段階においてSPCに出資を行いますが、先行してSPCに出資を行い、その後に事業化を断念した場合等においては当該出資に係る減損処理を行うことがあり、このような場合には当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 訴訟
当社は、コンプライアンスを重視し、取引先との紛争の未然防止に努めていますが、何らかの理由によりトラブルが生じた場合には、当社が訴訟等の対象となる可能性があります。本書提出日現在、過去に共同事業の検討を行っていた企業より、同社が共同事業への参画を行えなかったことに伴う収益機会を逸失したとして、損害賠償請求訴訟(請求金額250百万円)が提起されています。当社は、事業化検討過程における同社との協議は、適法かつ常識的な商慣習に則り行われたもので、当該請求には理由がないものと考えており、裁判上で争う方針ですが、当該訴訟及びその他訴訟等により、損害賠償責任等が発生した場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、当社グループは、当該損害賠償請求訴訟に関する引当金を計上していません。
⑧ プラスチックリサイクル事業子会社の株式譲渡契約に含まれる補償条項
当社は、2016年7月末に、「プラスチックリサイクル事業」に含まれていた株式会社エコスファクトリー、株式会社グリーンループ及び株式会社日泉につき、当社が所有する全株式を譲渡することを約した株式譲渡契約を、ヴェオリア・ジャパン株式会社との間で締結し、2016年8月末日までに全株式の譲渡を実施しました。当該株式譲渡契約において、当社が株式譲渡契約に規定される重大な義務違反又は重大な表明保証違反を行った場合には、当社は、買い手のヴェオリア・ジャパン株式会社に対して、一定の期間、一定の金額を上限とした補償を行う旨規定されています。当該補償条項は、同種の株式譲渡取引において一般に規定される内容と概ね相違ありませんが、何らかの理由により当社による重要な義務違反又は重要な表明保証違反を認定された場合には、当社からヴェオリア・ジャパン株式会社への補償金の支払義務が生じ、その結果、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、当社グループは、当該補償条項の発動に備えた引当金を計上していません。
⑨ 潜在株式
当社グループは、役員及び従業員へのインセンティブ付与を目的として、新株予約権(以下「ストック・オプション」という。)を付与しており、2017年5月31日現在において発行済株式総数に対して8.72%の潜在株式が存在します。このストックオプションが行使された場合には、1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。また、ストックオプションの行使により発行された当社普通株式が株式市場で売却された場合は、需給バランスに変動を生じ、株価形成に影響を及ぼす可能性があります。なお、2017年5月31日現在において権利行使可能な潜在株式はありません。
⑩ 配当政策
再生可能エネルギー事業においては大規模な事業投資が必要なことから、当社では財務体質の強化を重要課題の一つとして位置づけています。
当社は、これまで配当は実施していません。また、当面の間は内部留保の充実を図り、剰余金を再生可能エネルギー事業の拡大のための投資に活用していくことが、株式価値の向上に資すると考えています。
将来的には、各事業年度の経営成績を勘案しながら株主への利益還元を検討していく方針です。しかしながら、現時点において配当実施の可否及びその実施時期等については未定です。
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契約会社名 |
相手方の名称 |
契約の名称 |
契約内容 |
契約期間 |
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㈱水郷潮来ソーラー |
東京電力エナジーパートナー㈱ |
再生可能エネルギー電気の調達及び供給並びに接続等に関する契約 |
売電に関する契約 |
2014年1月31日から |
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㈱水郷潮来ソーラー |
ミツウロコグリーンエネルギー㈱ |
電力受給契約書 |
売電に関する契約 |
2014年5月20日から |
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㈱富津ソーラー |
東京電力エナジーパートナー㈱ |
再生可能エネルギー電気の調達及び供給並びに接続等に関する契約 |
売電に関する契約 |
2014年7月1日から |
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㈱富津ソーラー |
ミツウロコグリーンエネルギー㈱ |
電力受給契約書 |
売電に関する契約 |
2014年8月1日から |
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㈱菊川石山ソーラー |
中部電力㈱ |
再生可能エネルギー電気の調達及び供給並びに接続等に関する契約 |
売電に関する契約 |
2015年2月1日から |
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㈱菊川石山ソーラー |
ミツウロコグリーンエネルギー㈱ |
電力受給契約書 |
売電に関する契約 |
2015年7月1日から |
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㈱菊川堀之内谷ソーラー |
中部電力㈱ |
再生可能エネルギー電気の調達及び供給並びに接続等に関する契約 |
売電に関する契約 |
2015年2月1日から |
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㈱菊川堀之内谷ソーラー |
ミツウロコグリーンエネルギー㈱ |
電力受給契約書 |
売電に関する契約 |
2015年7月1日から |
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九重ソーラー匿名組合事業 |
九州電力㈱ |
再生可能エネルギー電気の調達及び供給並びに接続等に関する契約 |
売電に関する契約 |
2015年5月1日から |
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九重ソーラー匿名組合事業 |
ミツウロコグリーンエネルギー㈱ |
電力受給契約書 |
売電に関する契約 |
2016年4月1日から |
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那須塩原ソーラー匿名組合事業 |
東京電力エナジーパートナー㈱ |
再生可能エネルギー電気の調達及び供給並びに接続等に関する契約 |
売電に関する契約 |
2015年9月1日から |
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那須塩原ソーラー匿名組合事業 |
ミツウロコグリーンエネルギー㈱ |
電力受給契約書 |
売電に関する契約 |
2016年4月1日から |
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大津ソーラー匿名組合事業 |
九州電力㈱ |
再生可能エネルギー電気の調達及び供給並びに接続等に関する契約 |
売電に関する契約 |
2016年4月1日から |
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大津ソーラー匿名組合事業 |
ミツウロコグリーンエネルギー㈱ |
電力受給契約書 |
売電に関する契約 |
2016年4月1日から |
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ユナイテッドリニューアブルエナジー㈱ |
東北電力㈱ |
再生可能エネルギー電気の調達及び供給並びに接続等に関する契約 |
売電に関する契約 |
2016年5月2日から |
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契約会社名 |
相手方の名称 |
契約の名称 |
契約内容 |
契約期間 |
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ユナイテッドリニューアブルエナジー㈱ |
ミツウロコグリーンエネルギー㈱ |
電力受給契約書 |
売電に関する契約 |
2016年6月28日から |
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軽米西ソーラー匿名組合事業 |
東北電力㈱ |
再生可能エネルギー電気の調達及び供給並びに接続等に関する契約 |
売電に関する契約 |
2019年7月1日から |
|
軽米東ソーラー匿名組合事業 |
東北電力㈱ |
再生可能エネルギー電気の調達及び供給並びに接続等に関する契約 |
売電に関する契約 |
2019年12月1日から |
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㈱レノバ |
住友林業㈱ |
業務提携に関する覚書 |
再生可能エネルギー事業における事業開発の業務提携 |
2016年5月24日から |
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㈱レノバ |
ユナイテッド計画㈱ |
バイオマス発電事業に関する包括提携協定書 |
バイオマス事業における事業開発の業務提携 |
2016年10月6日から |
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㈱レノバ |
ユナイテッド計画㈱ |
新設分割契約書 |
当社と相手方との間の共同新設分割の実施及びユナイテッドリニューアブルエナジー株式の譲渡(注)3 |
2017年7月7日 |
(注) 1.契約内容に「売電に関する契約」と記載されている契約につきましては、電力受給期間を契約期間として記載しています。
2.当社及びユナイテッド計画株式会社(住所:秋田県潟上市昭和豊川槻木字槻13-1、資本金:265百万円)の共同新設分割による千秋ホールディングス株式会社(住所:秋田県秋田市向浜一丁目8番1号、資本金:10百万円)の設立(当社においては会社法第805条の要件を満たすため簡易分割の方法により設立し株主総会の承認は省略しております。)、並びに当社によるユナイテッド計画株式会社が保有する千秋ホールディングス株式会社の株式の取得により、2017年7月7付で千秋ホールディングス株式会社及び同社の子会社であるユナイテッドリニューアブルエナジー株式会社は当社の連結子会社になりました。
3.共同新設分割においては、新設分割会社に割り当てられる新設分割設立会社の株式の価値について、将来の事業の状況を適切に評価に反映するため、第三者機関によってディスカウント・キャッシュフロー法及び純資産価額法を採用して算定しました。また、新設分割設立会社に承継する資産は、当社保有のユナイテッドリニューアブルエナジー株式会社の普通株式8,000株及びユナイテッド計画株式会社保有のユナイテッドリニューアブルエナジー株式会社の普通株式10,000株であり、負債の承継はありません。その他共同新設分割の詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」に記載のとおりです。
該当事項はありません。
当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は、以下のとおりです。文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。連結財務諸表の作成にあたり、経営者の判断に基づく会計方針の選択と適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りが必要となりますが、その判断及び見積りに関しては連結財務諸表作成時に入手可能な情報に基づき合理的に判断しています。しかしながら、実際の結果は、見積り特有の不確実性を伴うことから、これら見積りと異なる可能性があります。
なお、再生可能エネルギー事業は多額の初期投資を必要とする事業であり、減価償却費等の償却費の費用に占める割合が大きくなる傾向にあります。一過性の償却負担に過度に左右されることなく、企業価値の増大を目指し、もって株式価値の向上に努めるべく、当社グループでは業績指標として金利・税金・償却前利益であるEBITDAを重視しています。
当社グループの連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しています。
当社グループでは、資本効率を向上させながら大型の再生可能エネルギー発電所の開発投資を行うために、金融機関からの長期及び短期を組み合わせた借入れを活用しています。また、財務健全性を適切にモニタリングする観点から、純有利子負債とEBITDAの倍率(純有利子負債/EBITDA倍率)や純有利子負債及び純資産の合計額における純有利子負債依存度(純有利子負債/総資本比率)等を重視しています。当連結会計年度末における連結純有利子負債は27,543百万円であり、長期借入金の返済により前連結会計年度末の30,090百万円から減少しています。当該減少及び以下で詳述している純資産の増加により、当連結会計年度末における純有利子負債依存度は79%であり、前連結会計年度末の85%から減少しています。
(流動資産)
当連結会計年度末の流動資産は、前連結会計年度末に比べ272百万円増加し、14,788百万円となりました。営業活動による収入や「プラスチックリサイクル事業」を営む連結子会社3社の売却等による収入を、後述の借入金返済等の財務活動による支出が下回った結果、現金及び預金が2,428百万円増加したことが主要因です。なお、流動資産の増加額は、「再生可能エネルギー開発・運営事業」における売掛金の回収及び貸倒を主要因とする受取手形及び売掛金の減少844百万円、未収消費税の還付を主要因とするその他の流動資産の減少852百万円等により一部相殺されています。
(固定資産)
当連結会計年度末の固定資産は、前連結会計年度末に比べ1,998百万円増加し、38,107百万円となりました。「プラスチックリサイクル事業」を営む連結子会社3社の売却等による有形固定資産の減少を、「再生可能エネルギー発電事業」における大津ソーラー匿名組合事業の連結子会社化による増加が上回った結果、有形固定資産が1,352百万円増加したことが主要因です。
(繰延資産)
当連結会計年度末の繰延資産は、前連結会計年度末に比べ31百万円増加し、1,019百万円となりました。「再生可能エネルギー発電事業」における大津ソーラー匿名組合事業の連結子会社化による増加が要因です。
(流動負債)
当連結会計年度末の流動負債は、前連結会計年度末に比べ2,293百万円減少し、5,466百万円となりました。「再生可能エネルギー発電事業」及び「再生可能エネルギー開発・運営事業」における返済等により短期借入金が1,360百万円減少したことが主要因です。また、「再生可能エネルギー発電事業」における返済等により、1年内返済予定のノンリコース長期借入金が675百万円減少しています。
(固定負債)
当連結会計年度末の固定負債は、前連結会計年度末に比べ2,246百万円増加し、40,964百万円となりました。「再生可能エネルギー発電事業」における大津ソーラー匿名組合事業の連結子会社化等によるノンリコース長期借入金の増加3,252百万円が主要因です。なお、固定負債の増加額は、「プラスチックリサイクル事業」を営む連結子会社3社の株式の売却等による長期借入金の減少1,140百万円により一部相殺されています。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ2,349百万円増加し、7,484百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益等による利益剰余金の増加2,059百万円、公募増資等による資本金及び資本剰余金の増加595百万円が主要因です。この結果、連結自己資本比率は12.5%となり、前連結会計年度末の7.7%より増加しています。
当連結会計年度における我が国の経済は、前連結会計年度に引き続き、緩やかな回復基調で推移しました。
このような状況の中、国内再生可能エネルギー市場においては、固定価格買取制度(FIT)(*1)下の買取実績及び設備認定容量が増加基調にあります。しかし、事業化される見込みの薄い多数の太陽光発電所等の設備認定案件により送電網が押さえられ、一部地域においては新規の有望案件の事業推進が困難になる状況が生じていました。この状況を踏まえ、2016年6月には認定制度の変更等を企図した改正FIT法が公布されました。同法は2017年4月より施行され、市場の健全化・活性化が期待されています。また、2015年7月に経済産業省・資源エネルギー庁から公表された「長期エネルギー需給見通し」において掲げられた2030年度の目標(国内総発電量に占める再生可能エネルギー発電の割合を22~24%とする目標)の達成に向け、再生可能エネルギー導入に対する政府の支援姿勢は継続しています。今後も、太陽光発電に加え、成長余地の大きいバイオマス発電、風力発電、地熱発電等の国内再生可能エネルギー市場は、より一層拡大していく見通しです。
(*1)固定価格買取制度(FIT):
「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法」(FIT法)に基づき、電気事業者(電気事業法上に定義された、小売電気事業、一般送配電事業、送電事業、特定送配電事業、発電事業を営む事業者の総称)が再生可能エネルギーで発電された電力を固定価格で買い取る制度です。太陽光、バイオマス、風力、地熱及び水力等により発電された電力が当該制度に基づいて電気事業者に販売され、その販売単価は年度毎に経済産業省・資源エネルギー庁の調達価格等算定委員会において定められます。
当連結会計年度における当社グループの事業については、「再生可能エネルギー発電事業」において運転開始済みの大規模太陽光発電所の発電量が好調に推移しました。2016年4月(当社の連結会計年度(*2)としては当連結会計年度である2017年5月期)には、熊本県菊池郡大津町において出力19.0MW(以降、太陽光発電の出力はモジュールベースの発電容量)の大規模太陽光発電(大津ソーラー匿名組合事業)が運転を開始しています。また、茨城県潮来市における株式会社水郷潮来ソーラーにおいては出力0.5MWの設備増強を行いました。この結果、当社グループの太陽光発電所は合計出力141.8MWとなりました。
(*2)当社の連結会計年度:
当社単体及び当社グループの連結上の決算月は5月ですが、発電所を所有する当社連結子会社及び関連会社の多くは決算月が3月です。下記の表のとおり、当社連結子会社及び関連会社の年次決算月が3月の場合、翌々月の5月を決算月とする当社連結会計年度の業績に含まれます。
(2017年5月期の当社連結会計年度と関係会社会計年度との関係)

2016年5月(当社の連結会計年度としては2017年5月期)からは、秋田県秋田市の出力20.5MW(以降、バイオマス発電の出力は発電端出力ベースの発電容量)のバイオマス発電所(ユナイテッドリニューアブルエナジー株式会社)が運転を開始し、太陽光以外の再生可能エネルギー電源への事業展開を実現しています。さらに、2016年10月には、岩手県九戸郡軽米町において実施される大規模太陽光発電(軽米東ソーラー匿名組合事業、出力80.8MW)への出資を行い、2015年11月に出資した軽米西ソーラー匿名組合事業(出力48.0MW)とともに、運転開始に向けて順調に工事が進んでいます。
「再生可能エネルギー開発・運営事業」においては、建設着工済み又は運転開始済みの発電所SPC(*3)からの定常的な運営管理報酬(*4)や配当・匿名組合分配益(*5)に加え、軽米東ソーラー匿名組合事業に関する事業開発報酬(*6)が収益として計上されています。また、開発人員を増員して、今後の成長の原動力となる、バイオマス発電、洋上・陸上風力発電及び地熱発電等の事業開発に注力してきました。
(*3)SPC:
特別目的会社(Special Purpose Company)のことを指しています。当社グループでは基本的に発電所毎に共同事業者が異なること、またプロジェクトファイナンスを行う上でリスク分散を図ることを理由として、発電所を立ち上げる毎にSPCを設立し、当該SPCに発電所を所有させています。なお、当社グループにおいてはSPCを株式会社として設立して株式による出資を行う場合に加え、SPCを会社法上の合同会社(GK)として設立して商法上の匿名組合(TK)として営業者に出資を行う場合(TK-GKスキーム)があります。TK-GKスキームの主な特徴としては匿名組合員が有限責任であること及び営業者であるSPCの段階で法人税課税が発生せず、匿名組合員に直接課税されることが挙げられます。
(*4)運営管理報酬:
発電所建設の工程管理、決算及び金融機関へのレポーティング等の業務に代表され、発電所の建設期間及び売電期間に亘り支払われる報酬です。なお子会社や関連会社に対する当社の持分に相当する運営管理報酬については、連結決算上は連結グループ内取引として連結消去されています。
(*5)配当・匿名組合分配益:
「再生可能エネルギー発電事業」に属するSPCが株式会社として運営されている場合は、当該SPCから当社へ支払われた配当金については当社単体の営業外収益に計上され、またこれはセグメント間取引として「再生可能エネルギー開発・運営事業」のセグメント利益に反映されます。
また「再生可能エネルギー発電事業」に属するSPCが匿名組合として運営されている場合は、当該SPCで計上された利益のうちの当社出資割合分相当額についてその発生年度に匿名組合分配益として当社単体の売上高に計上し、一方損失が発生した場合は、その損失のうちの当社出資割合分相当額を匿名組合分配損として当社単体の販売費及び一般管理費へ計上しています。これらもセグメント間取引として「再生可能エネルギー開発・運営事業」のセグメント利益に反映されます。
なお、これらセグメント利益に反映された株式会社SPCからの配当金及び匿名組合SPCからの分配損益については、連結決算上は連結グループ内取引として連結消去されます。
(*6)事業開発報酬:
再生可能エネルギー発電所に係る土地確保、主要な融資関連契約の締結及び主要なプロジェクト関連契約の締結等をもって開発支援に係る役務の提供を完了とみなし、役務提供の完了をもって概ね開発規模に応じて支払われる報酬です。なお子会社や関連会社に対する当社の持分に相当する事業開発報酬については、連結決算上は連結グループ内取引として連結消去されています。
これらを受けた、当連結会計年度の各損益項目に関する分析は次のとおりです。
(売上高)
売上高は8,265百万円(前連結会計年度比3.4%減)となりました。前連結会計年度の期中において連結子会社化をした株式会社富津ソーラー及び運転開始をした那須塩原ソーラー匿名組合事業の業績が、当連結会計年度においては通期で寄与したことにより売上高が1,793百万円増加しました。一方、「プラスチックリサイクル事業」に含まれる連結子会社3社の株式譲渡に伴って売上高が2,435百万円減少しました。これらの増減を主因として、売上高は291百万円減少しています。なお、「プラスチックリサイクル事業」を除いた売上高は7,124百万円と、前連結会計年度に比べて2,144百万円(43.0%)の増加となっています。
(売上総利益)
売上総利益は、前連結会計年度に比べ876百万円増加し、4,594百万円(前連結会計年度比23.6%増)となりました。「再生可能エネルギー発電事業」の利益率は当社グループ平均の利益率よりも高いことから、「再生可能エネルギー発電事業」における売電の増加により前連結会計年度に比べて増加しています。
(EBITDA)
EBITDA(経常利益+純支払利息+減価償却費+電力負担金償却+のれん償却額+開業費償却)は5,072百万円(前連結会計年度比24.4%増)となりました。売上高の増減要因と同様に、株式会社富津ソーラー及び那須塩原ソーラー匿名組合事業の通期業績寄与によりEBITDAが1,304百万円増加した一方で、「プラスチックリサイクル事業」の連結子会社3社の株式譲渡に伴ってEBITDAが608百万円減少しました。これらを主因として、EBITDAは994百万円増加しています。なお、EBITDAの売上高に対する比率であるEBITDAマージンは61.4%(前連結会計年度比13.7ポイント増)となりました。
(営業利益)
営業利益は2,794百万円(前連結会計年度比32.7%増)となりました。営業利益の増加688百万円は、主に株式会社富津ソーラー及び那須塩原ソーラー匿名組合事業の通期業績寄与が主因です。
(経常利益)
経常利益は1,845百万円(前連結会計年度比41.1%増)となりました。経常利益の増加537百万円についても、前述の株式会社富津ソーラー及び那須塩原ソーラー匿名組合事業の通期業績寄与が主因です。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
親会社株主に帰属する当期純利益は2,023百万円(前連結会計年度比562.0%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、株式会社富津ソーラー及び那須塩原ソーラー匿名組合事業の通期業績寄与により327百万円増加しました。また、当連結会計年度には特別利益として関係会社株式売却益2,350百万円、段階取得に係る差益208百万円を計上した一方で、特別損失として投資有価証券評価損544百万円、事業整理損271百万円、貸倒損失148百万円等が計上されています。これらの増減により、前連結会計年度に比べて親会社株主に帰属する当期純利益は1,718百万円増加しています。なお、事業整理損は、複数の初期検討開発案件に関連して当社が計上している資産に対して、調査検討に伴い事業化の成功確度が相当程度低いと判断して、必要と認められる評価損や引当金を計上したために生じたものです。
キャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2) キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
当社グループの経営に重要な影響を与える要因としましては、景気、法的規則等の経済状況の変動等様々な要因が挙げられ、詳細につきましては「第2 事業の状況 4 事業等のリスク」に記載のとおりです。これらのリスクについては発生の回避及び発生した場合の対応に努めていきます。
経営戦略の現状と見通しにつきましては、「第2 事業の状況 3 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。
当社グループは、「グリーンかつ自立可能なエネルギー・システムを構築し枢要な社会的課題を解決する」というミッション/経営理念を掲げ、再生可能エネルギー発電所を全国で開発し、長期間に亘って全国で運営していきます。そのためには、法令や条例で定められた許認可や環境アセスメントの実施のみならず、地域社会との対話や貢献、地域環境への配慮を重視しながら開発を進めていくことが肝要であり、さらに、発電所のある各地域に根ざし、地域社会との共生・共創を柱とした発電所の運営が不可欠であると考えています。
その他詳細につきましては「第2 事業の状況 3 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりです。