第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

当連結会計年度(平成28年7月1日から平成29年6月30日まで)における我が国経済は、輸出の回復や国内需要の持ち直しにより穏やかな回復基調が継続しました。個人消費におきましても雇用や所得環境の改善を背景に穏やかに持ち直しました。海外におきましても米国や欧州の景気回復、中国も景気減速に歯止めが掛かり、世界経済全体で回復基調となりました。

ホテル業界におきましては、平成29年7月31日に観光庁が公表している最新の宿泊旅行統計調査によれば平成29年5月第2次速報の延べ宿泊者数全体は4,236万人(前年同月比5.7%増)、6月第1次速報でも3,741万人(前年同月比1.4%増)といずれも増加となりました。

また、平成28年の年間延べ宿泊者数確定値全体(1~12月)では4億9,249万人で前年比2.3%の減少となりましたが、平成29年の月別推移(6月第1次速報まで)では2月を除いて全て前年比増となり、再び増加傾向に転じました。特に外国人宿泊需要が加速しており、5月2次速報では前年同月比17.3%の増加となり、5月としては調査開始以来の最高値となりました。今後もオリンピックを背景とした需要や訪日外国人増加による良好な経営環境の継続が期待されますが、一方で同業他社の新規出店や規制緩和を背景とした民泊やクルーズ泊など新たな業態との競争など厳しい状況も予想されます。

このような経済状況の下で、当社グループでは宿泊特化型ビジネスホテルである「コンフォート」ブランドホテルを全国政令指定都市等で運営する「チョイスホテルズ事業」と、宴会場や会議室等を併設したシティホテルを中心に地域特性に合わせたホテルを展開する「グリーンズホテルズ事業」の2つの事業部門を柱として、企業価値の最大化に努めてまいりました。

チョイスホテルズ事業は、広島・岡山・博多などを中心とした西日本のマーケットが好調でビジネス、観光、インバウンドなどの外部環境が良好であり、客室稼働・客室単価ともに上昇させる事ができました。一方で、東京都内・仙台・大阪など今まで非常に外部環境が良好であったマーケットが大きく変化し、需要が横ばいの厳しい環境となりました。

このような状況の下で事業拡大を目的に平成28年11月に「コンフォートホテル豊橋」(愛知県豊橋市)、平成29年4月に「コンフォートホテル東京東神田」(東京都千代田区)の2店舗を新規出店いたしました。

既存店におきましては、客室商品力の強化を目的にリニューアル工事を「コンフォートホテル東京東日本橋」(東京都中央区)他2店舗で実施いたしました。さらに健康志向の高まりに対応し、全室禁煙化工事を「コンフォートホテル中部国際空港」(愛知県常滑市)他19店舗において実施いたしました。

これまで三大都市圏に集中していた需要から地方部に拡散する傾向が強まっており、今後もさらに外部環境の変化に対応できる、柔軟な販売施策を実施し、売上の最大化に努めてまいります。

グリーンズホテルズ事業は、中部、近畿地方の需要が堅調で、ビジネス需要では電子デバイス関連の宿泊需要、国内観光やインバウンド需要では、伊勢市の観光需要が継続しており、『お伊勢さん菓子博』等のイベントもその要因となりました。宿泊、集会は販売動向を捉えて販売価格、稼働を上昇させることができましたが、外食については販売活動に課題が残る結果となりました。

このような状況の下で、既存店の客室商品力の強化を目的に「ホテルエコノ津駅前」(三重県津市)他4店舗のリニューアル工事を行いました。

今後も需要や販売動向の変化を捉えて“地域を活かした”商品開発および地域シェアの拡大を図り、売上の最大化に努めてまいります。

また、経営の合理化を目的に前連結会計年度に子会社化した「株式会社ベスト」を吸収合併いたしました。同社は「ベストイン」ブランドを中心に11店舗を運営しておりましたが、事業特性に合わせて「ベストイン新井」(新潟県妙高市)他8店舗をチョイスホテルズ事業、「ホテル門前の湯」(新潟県上越市)他1店舗をグリーンズホテルズ事業に再編いたしました。チョイスホテルズ事業に再編した「ベストイン」ブランドのうち2店舗を平成28年12月に「コンフォートイン八日市」(滋賀県東近江市)、「コンフォートイン近江八幡」(滋賀県近江八幡市)へブランド変更いたしました。「コンフォート」ブランドの知名度とホテル運営の手法を活用し、さらなる収益力の向上を図りました。今後も他の「ベストイン」店舗につきまして順次「コンフォート」ブランドに変更し、収益力の強化を目指してまいります。

財務面におきましては、平成29年3月23日に東京証券取引所市場第二部および名古屋証券取引所市場第二部に新規上場し、自己資本の充実を図りました。さらに有利子負債の圧縮と金融コストの削減を進め、財務体質の強化を図りました。

この結果、当連結会計年度の業績は、売上高26,014百万円(前期比4.0%増)、営業利益2,287百万円(前期比0.4%増)、経常利益2,237百万円(前期比1.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,427百万円(前期比10.7%増)となりました。

新規上場により獲得した資金につきましては、新規出店や運営受託、M&Aなど多様なスキームによる出店拡大、新規事業の研究開発、リニューアルによる商品価値の向上など積極的な投資に活用し、さらなる企業価値の最大化を目指してまいります。

(2)キャッシュ・フロー

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べて2,625百万円増加し、5,049百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果、獲得した資金は2,231百万円となりました。収入の主な内訳は税金等調整前当期純利益が2,212百万円、減価償却費が386百万円、未払法人税等(外形標準課税)の増減額が152百万円であり、支出の主な内訳は法人税等の支払額775百万円であります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果、使用した資金は769百万円となりました。支出の主な内訳は有形固定資産の取得による支出が336百万円、差入保証金の差入による支出が242百万円、無形固定資産の取得による支出が154百万円であります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果、獲得した資金は1,163百万円となりました。収入の主な内訳は株式上場による増資資金3,447百万円、支出の主な内訳は短期借入金返済が1,340百万円、長期借入金返済が886百万円であります。

 

 

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

 該当事項はありません。

 

(2)受注実績

 該当事項はありません。

 

(3)販売実績

 当連結会計年度の販売実績は次のとおりでありますなお、当社グループはホテル事業の単一セグメントであるため、事業部門別に記載しております。

事業部門の名称

当連結会計年度

(自 平成28年7月1日

  至 平成29年6月30日)

前年同期比(%)

チョイスホテルズ事業(千円)

18,840,473

104.3

グリーンズホテルズ事業(千円)

6,987,033

103.0

その他の事業(千円)

186,897

110.8

合    計(千円)

26,014,403

104.0

(注)  1.事業部門間の取引については相殺消去しております。

2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、当該割合が100分の10以上の相手先がないため、記載を省略しております。

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

3【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

  当社グループは、「おもてなしと生活文化の創造」をスローガンとして掲げ、ホテル運営により収益を上げる専業のホテルオペレーターとして、内外顧客に対し宿泊・料飲サービスの提供等を行い、Performance、Satisfaction、Reliabilityの観点から、ブランド価値の最大化を図り、確かな収益・財務体質のもと、成長を追求します

 

(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループの成長ドライバーは、新規出店による店舗網の拡大ならびに売上及び収益の最大化であります。これを達成するため、当社は年3店舗から5店舗の新規出店を目標としており、中期的には2020年6月期までに100店舗以上の出店を目標としております。

 

(3)経営環境・経営戦略等

現在の当社グループを取り巻く経営環境は、世界経済の景気回復の継続が期待される一方で自由貿易主義から保護主義への転換など政治や外交面の不安定な要素もあり、国際情勢は、先行きの不透明感が懸念されます。一方、国内経済は、政府の各種政策に支えられて雇用や所得の環境が改善し、緩やかな回復基調が継続することが期待されます。

ホテル業界におきましては、インバウンドの増加やオリンピックに向けたさらなる観光需要の高まりが期待される一方で、同業他社の新規出店や、業法規制緩和による民泊や簡易宿泊所などの新たな業態の参入により経営環境は厳しさが増すことが予想されます。

このような環境のもと、当社グループは、安定市場でのシェアアップと成長市場での顧客獲得を主要な戦略としてまいります。チョイスホテルズ事業においては新規出店を中心としたマルチブランドでの展開による成長を目指し、従来の「コンフォートホテル」よりも高品質な施設を備えた新ブランド「コンフォートスイーツ」、既存ホテルのリブランドによる「コンフォートイン」などを新たに展開してまいります。また、グリーンズホテルズ事業は、M&Aや事業譲受などの多様なスキームによる出店を推進してまいります。

平成30年6月期につきましては、新規出店4店舗の初期投資、リブランド2店舗やリニューアル6店舗の客室備品および設備関連の費用など、成長に向けた積極的な投資による費用の増加を見込んでおります。

 

(4)事業上および財務上の対処すべき課題

当社グループにおきましては、世界第2位のホテル軒数(注)を有するチョイスホテルズインターナショナル社のグローバルブランドを保有する専業のホテルオペレーターとして、顧客満足度と従業員満足度の向上を実現することにより企業価値の最大化を図り、確かな収益・財務体質のもと、成長を追求してまいります。この目標を達成するため、平成32年6月期までの中期経営計画において、以下の5つの分野「効果的な開発・設備投資」「オペレーションの効率化」「新規事業の検討」「人材育成・労働環境整備」「セールス&マーケティングの強化」に取り組み、事業を構成するハード・ソフト・ヒューマンリソースの要素において、効果的な投資や新たな取り組みを実施し、既存のビジネスモデルを改良するとともに、新たな事業領域の検討も行ってまいります。

(注)出典:mkg hospitality 「Global Hotel Ranking 2015」(2015年3月26日掲載)

 

  ①効果的な開発・設備投資

当社グループにおいて、企業価値の最大化を実現するためには、新規出店及び既存ホテルのブランドイメージ向上が必須と考えており、需要の見込める新たな地域への出店、既存ホテルのリニューアルによる客室品質の維持向上等へ積極的な投資を実施してまいります。

新規出店については、新築では出店余地が見込まれる政令指定都市を中心に、需要が見込める地域へ経済合理性を判断しつつ、積極的に取り組んでまいります。新築以外にも、地方都市等で課題を抱える独立系ホテルへのM&A、事業譲受、運営受託等の様々なスキームによって店舗網の拡大を図ってまいります。

また、レジャー需要が高い都市の中でも、より高品質でリーズナブルなホテルを求める顧客ニーズの変化に対応するために、これまでの「コンフォート」ブランドの中でもより高品質な施設を備えた新ブランド「コンフォートスイーツ」を投入してまいります。

 

  ②オペレーションの効率化

労働市場の変化に伴う労務費などの増加に対して一定の歯止めをかけ、また顧客満足度の向上に注力する体制をさらに進歩させる必要があります。このため、オペレーションに係るIT投資を実行し、効率的なホテル運営の実現を図ってまいります。また、従業員一人一人に対する組織的役割を明確化してこれを共有することで、顧客満足度を向上させるためのホテル運営を実現してまいります。

本社をはじめとする管理部門においては、業容の拡大に応じた機能の充実を図りつつも、スリムな体制を維持していくことが求められます。このため各種管理システムの導入等による省力化によって生産性の向上を図り、さらにホテル業務の平準化と本社部門への集約を行うことで、ホテル運営のさらなる効率化を実現してまいります。

 

  ③新規事業の検討

政府による「明日の日本を支える観光ビジョン構想会議」において、平成32年に訪日外国人旅行者数4,000万人、平成42年には6,000万人、地方部での外国人延べ宿泊者数については平成32年に7,000万人泊、平成42年には1億3,000万人泊との目標が定められています。さらに足下では民泊の拡大等の業界に対する規制緩和に関する法案提出が議論されています。このような環境の中、当社としては新たな宿泊業態(簡易宿所・エクステンデッドステイ等)の検討を積極的に進めてまいります。

また、今後急増が見込まれるアジアの中間層の域内旅行需要の取り込みや、アジアマーケットにおける認知向上を目的とした海外進出の可能性についても検討を進めてまいります。

 

  ④人材育成・労働環境整備

業界内での宿泊料金やホテルの設備、宿泊特典といった競争では、いずれ競合他社と同質化してしまう恐れがあります。こういった状況に陥る前に、顧客満足度の向上による安定的な顧客の獲得を目指し、これを実現する優秀な人材を確保し、育成・定着させることが当社グループの事業展開における主要な課題の一つだと認識しております。

このために、当社グループのシナジーを活かした海外ホテル見学、接客コンテスト、定期的なホスピタリティ教育等を実施し、接遇レベルと生産性の向上を図ってまいります。

また、処遇の向上ややりがいを持てる評価制度の構築によって、働きがいをもった人材の定着率アップを目指してまいります。

 

  ⑤セールス&マーケティングの強化

ホテル業界における予約経路はインターネット経由にシフトしており、セールス活動は主にオンライントラベルエージェント(OTA)と呼ばれる宿泊予約サイト向けの施策を行うことが基本となります。より多くの集客が期待できるOTAでのシェアを獲得するために、様々な販売促進や運営をグループ規模で行うことで効率的で有効な活動を実施してまいります。しかしながら、OTAからの送客は、手数料コストがかかり収益に影響を及ぼすため、予約経路を適切に分散させることで収益確保とリスク回避を図ってまいります。

さらに、OTAからの送客に対する手数料削減を図るため、当社グループが運営する公式予約サイトを強化し、各種特典を付加した新しい会員制度の導入による顧客の囲い込みを行ってまいります。

また、販売においては需要予測をもとに客室販売のコントロールを行う「レベニューマネジメント」と言われる販売手法の精度をさらに向上させることで、「RevPAR(客室単価×稼働率)」の最大化によって、収益の拡大を目指してまいります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

4【事業等のリスク】

当社グループの事業に関するリスクについて、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主な事項には、以下のようなものがあります。当社グループは、これらのリスクを十分に認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針です。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。

 

(1)国内景気及び個人消費の動向について

当社グループは、日本国内を主たるマーケットとしてホテル事業を展開しておりますが、同事業による売上は国内景気や個人消費の動向の影響を受けやすい傾向にあり、企業活動の停滞、雇用情勢の悪化、個人消費の低迷等による個人利用客及び法人・団体利用客の減少が、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

 

(2)訪日外国客の減少について

当社グループの事業は、訪日外国客の増減により、大きな影響を受けます。訪日外国客数は、日本の経済情勢、為替相場の状況、外交政策による対日感情、自然災害、事故、疫病等の影響を受ける可能性があり、訪日外国客の減少により当社グループの業績や財務状況に影響を与える可能性があります。

 

(3)業績の季節変動について

当社グループの事業は、夏季の宿泊者数が増加する一方で、冬季には減少する傾向があり、また冬季にはホテルの改装等、設備投資を実施することが多いことから、第3四半期連結会計期間に売上高及び営業利益が減少する傾向が生じております。

係る季節変動により、当社グループの一時点における業績は通期の業績の分析には十分な情報とならないことがあります。

 

(4)法的規制等について

当社グループの事業においては、旅館業法や食品衛生法等の法的規制を受けております。具体的には、旅館業法の事業経営の許可(旅館業法第3条)、食品衛生法の営業許可と施設基準等です。旅館業法においては、宿泊施設ごとに事業経営の許可を受けておりますが、各都道府県の条例にて換気、採光、照明、防湿及び清潔その他宿泊者の衛生に必要な措置、客室の有効面積等について定められており、これらに違反すると指導や罰金等の処分がなされる場合があります。また食品衛生法においては飲食店営業等の許可を受けておりますが、許可の更新を行うほか、食品衛生責任者の設置が必要となります。また不衛生な食品の販売が禁じられており、当該施設が調理し、提供した食事によって人の健康を害した場合、営業停止を含む行政指導がされる場合があります。

ホテル物件に関して、建築基準法(特定建築物)、消防法(防火対象物)、市町村の火災予防条例、建築物衛生法等の規制があり、営業上の規制については、廃掃法(廃棄物の処理及び清掃に関する法律)、食品リサイクル法、景品表示法、個人情報保護法、下請法等が該当します。建築基準法においては法に定める建築物の建築や改修を行う場合に申請、届け出が必要とされていますが、それらの手続きを経ずに建築等を行った場合においては使用停止、工事停止等の指導がされる場合があり、建築物の用途や構造違反があった場合には指導等がなされる場合があります。また消防法においては宿泊施設の規模に応じた防火管理者を選任し、消防計画の作成及び管轄消防署への届け出などが必要であり、これらに違反した場合、管轄の消防署より指導等を受ける場合があります。さらに防火対象物の用途や規模に応じた消防設備や避難設備等が必要で、設備の不備等があれば改修を行わなければなりません。そして火災の予防や消防活動の障害除去等が必要であり、これらの改修がされていない場合、指摘・指導・改善命令等がなされる場合があります。

当社グループは、これらの法規制の遵守に努めておりますが、現在の規制に重要な変更や新たな規制が設けられた場合には、規制を遵守するために必要な費用が増加する可能性があり、規制に対応できなかった場合は、許認可の取り消しなどにより当社グループの活動が制限される等、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

また、新たな会計基準や税制の導入・変更により、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

 

(5)自然災害・事故・感染症の発生等について

当社グループの事業においては、「安心・安全」を重要課題と認識し、施設の安全対策の実施等安全管理には万全の注意を払っております。しかしながら、地震や台風などの自然災害、大規模な事故、テロ行為等が発生した場合、その対策費用の発生等により、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

また、新型インフルエンザ等の感染症が発生した場合、ホテルの休業や観光客の減少が懸念され、営業収益の減少や対策費用の発生等により、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

 

(6)食中毒や食品管理について

当社グループでは、ホテルやレストラン、宴会場等で食事の提供を行っております。品質管理や食品衛生には十分注意しておりますが、食中毒事故が発生した場合は営業停止の処分を受けるほか、当社グループの信用やブランドイメージを毀損し、当社グループの業績や財務状況に影響を与える可能性があります。

また、当社グループ以外でも同業他社における産地偽装や、家畜伝染病の発生等の食の安全・安心に関する問題が発生した場合にも、当社グループの営業収益の減少や在庫の廃棄ロスの発生等により、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

 

(7)競争激化について

当社グループの事業においては、競合ホテルの進出やAirbnb(世界中の人々と部屋を貸し借りする人向けのウェブサイト)をはじめとする民泊に対する規制緩和等、多様化する消費者のニーズに対応すべく宿泊サービスも多様化が進んでおり、業界内の競争は激化しております。

当社グループでは、レベニューマネジメントを活用したオペレーション等により、競争力の維持強化に努めておりますが、競合他社が新築又は改築・改装したホテルに対して競争力を維持強化するためには、当社グループのホテルについても改築・改装を含む多額の設備投資の負担が必要となります。また、こうした施策が有効に機能しない場合、価格引下げ等により営業収入が減少し、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

 

(8)フランチャイズ契約について

当社グループでは、当社の連結子会社である株式会社チョイスホテルズジャパンが、チョイスホテルズライセンシングB.V.(チョイスホテルズインターナショナル社の間接的な完全子会社)との間で日本における「マスターフランチャイズ契約」を締結し、また当社は株式会社チョイスホテルズジャパンとの「フランチャイズ契約」により、チョイスホテルズインターナショナル社が保有する商標(ブランド名称)を使用し多数のホテルを展開・運営を行っております。

チョイスホテルズインターナショナル社と当社グループでは、取引開始以降、長年にわたり良好な関係を維持しておりますが、当該「マスターフランチャイズ契約」には、一般的な解約事由の他、以下の解約事由が定められております。

本契約の契約期間においては、毎年12月31日を期日とする開発割当店舗数が定められており、当該割当店舗数を達成できなかった場合に解約事由に抵触いたします。ただし、開発不足分の店舗数に応じたフランチャイズ・フィーを相手方に支払うことで1年間の猶予が与えられます。

また、金融機関その他投資関連以外の第三者が株式会社チョイスホテルズジャパンの株式の20%を取得するか、当社の支配権を取得した場合に解約事由に抵触いたします。

加えて同業他社の代表者または代理人が当社もしくは株式会社チョイスホテルズジャパンの取締役に就任した場合にも解約事由に抵触いたします。

これらを含む本契約の解約事由に抵触した場合、当社グループはチョイスホテルズインターナショナル社が保有する商標(ブランド名称)が使用できなくなり、営業戦略の見直しやブランド変更に伴う諸費用の増加等により、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。なお、本書提出日現在において、当該解約事由には抵触しておりません。

また、本契約の期間満了後には新たなマスターフランチャイズ契約を締結する必要があり、契約締結の可否及び契約条件の見直し等により当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

 

(9)人材の確保及び育成について

当社グループの事業では、一定数の従業員の確保が必須であり、少子高齢化により今後若年層の人材確保がさらに困難になることが予測され、最低賃金の引き上げや社会保障政策に伴う社会保険料料率の引き上げ等による人件費の上昇、人材不足による既存従業員へのしわ寄せによる長時間労働や、これに伴う離職率の増加、採用コストの増加等により、当社グループの業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10)有利子負債について

当社グループは、ホテル開業や運営に対して多額の設備投資を必要としておりますが、資金調達にあたっては、今後の金利の上昇や金融市場の変化または当社グループの財務状況の悪化等によって支払利息が増加する可能性、必要な資金を望ましい条件で調達することが困難になる可能性、資金を借入の返済に充てるため、十分な資金を設備投資等に充てることができなくなる可能性があります。また、シンジケートローンによる借入において、契約上財務制限条項に抵触することにより期限の利益を喪失し、期限前に返済が必要となる可能性があり、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

 

(11)光熱費、食材価格、清掃外注費の高騰について

当社グループは、店舗において電気やガスを多く利用しており、光熱費の高騰により当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。また、当社グループはホテルやレストラン、宴会場等でお客様に食事の提供を行っており、天候不順等による食材価格の高騰により当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

加えて、当社ではホテル運営における客室品質の維持のため、客室清掃の外注化を図っておりますが、清掃会社における人材不足等からの清掃委託費用の値上げにより、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

 

(12)情報システム・情報管理について

当社グループでは、多くのITシステムを使用しておりますが、これらのシステムについて事故・災害、人為的ミス等により、その機能に重大な障害が発生した場合、当社グループの事業運営に重大な影響を与え、営業収益の減少または対策費用の発生により、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

また、インターネットを経由した旅行代理店であるオンライントラベルエージェント(OTA)をはじめとする他の旅行業者や斡旋業者等他社のシステム障害による影響を受ける可能性があります。

 

(13)個人情報の漏えいについて

当社グループでは、宿泊者名簿や宴会における顧客データ等個人情報を含むデータベースを管理しております。当社では、プライバシーマークを取得し、個人情報の管理に十分留意しておりますが、万一、個人情報の流出等の問題が発生した場合、当社グループへの損害賠償請求や信用の低下により、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

 

(14)収益構造について

当社グループの事業においては、営業コストの相当部分が人件費、減価償却費、ホテル土地建物の賃借料等の固定費で構成されているため、売上高の減少が、営業利益に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

(15)固定資産に係るリスクについて

当社グループは、店舗等に係る固定資産の一部を自己保有(平成29年6月末現在における土地建物の帳簿価額 4,386,944千円)しておりますが、当該資産について、今後の各店舗の収益悪化や地価の下落にともなう減損損失の発生などにより、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

 

(16)店舗に係る差入保証金について

当社グループは、店舗用物件の賃貸借契約締結の際に、賃貸人に保証金を差し入れる場合があります。差入保証金は契約期間満了等により賃貸借契約が終了した場合、原則全額が返還される契約となっております。

しかし、差入保証金は預託先の経済的破綻等により、その一部または全額が回収不能となる場合や、賃貸借契約に定められた契約期間満了前に中途解約を行った場合には返還されないことがあり、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

 

(17)風評について

当社グループの事業は、お客様に直接サービスを提供しているため、法令違反、自然災害・事故・感染症等の発生、顧客情報をはじめとする情報漏えい、長時間勤務等の内部告発等が生じた場合を含め、当社グループのブランドイメージが損なわれた場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

 

(18)建物について

当社グループでは、ほとんどの物件を賃借によりホテルを運営しておりますが、当該建物の建築時の管理において、耐震偽装や建築データの改ざん等が明らかになった場合、当社グループへの信用やブランドイメージが毀損し、当該ホテルの閉店や客数の減少による損害や、ホテル運営から撤退する場合の費用等の発生も含め当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

 

(19)M&Aが想定どおりのメリットをもたらさないリスクについて

当社グループは、中期経営計画等の事業計画においてM&Aを成長戦略の一環として位置づけ、今後もその機会を追求してまいります。しかしながら、将来のM&Aについては、適切な買収対象があるとは限らず、適切な買収対象があった場合においても、当社グループにとって受入可能な条件で合意に達することができない可能性があり、また買収資金を調達できない可能性、必要な許認可が取得できない可能性、法令その他の理由による制約が存在する可能性があり、買収を実行できる保証はありません。当社グループは、近年、適切な買収対象の選定、M&Aの実行及び被買収事業の当社グループへの統合等につき経験を積み重ねておりますが、将来的なM&Aの成功は、以下のような様々な要因に左右されます。

・買収した事業の運営・商品・サービス・人材を当社の既存の事業運営・企業文化と統合させる能力

・当社グループにおける既存のリスク管理、内部統制及び報告に係る体制・手続きを被買収企業・事業に展開する能力

・被買収事業の商品・サービスが、当社グループの既存事業分野を補完する度合い

・被買収事業の商品・サービスに対する継続的な需要

・目標とする費用対効果を実現する能力

これらの結果、M&Aが想定どおりのメリットをもたらさなかった場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

 

 

5【経営上の重要な契約等】

1.チョイスホテルズ事業

(1)マスターフランチャイズ契約

当社の連結子会社である株式会社チョイスホテルズジャパンは、チョイスホテルズインターナショナル社の間接的な完全子会社であるチョイスホテルズライセンシングB.V.との間に次の「マスターフランチャイズ契約」を締結しております。

契約締結日

平成15年11月4日

契約の名称

マスターフランチャイズ契約書

契約会社名

株式会社チョイスホテルズジャパン

相手先

チョイスホテルズライセンシングB.V.(オランダ)

契約期間

自平成16年1月1日

至平成35年12月31日

契約の概要

以下の権利とマスターライセンスを株式会社チョイスホテルズジャパンに許諾すること

① 第三者に対し、日本国内でフランチャイズホテルを設置及び運営するライセンスを付与するために最善の努力をすること

② ①に関連する場合に限り商標及び本件システムを使用すること

 

対価:

フランチャイズ契約締結の際、1店舗毎に支払うイニシャル・フィー、ホテルの前月の売上高に応じて支払うロイヤリティ・フィー、広告宣伝活動及び販売促進に関する費用としてマーケティング・フィーを支払う

 

解約条件:

一般的な解約条件の他、以下の事由による。

① 毎年12月31日を期日とする開発割当店舗数が定められており、当該割当店舗数を達成できなかった場合。ただし、開発不足分の店舗数に応じたフランチャイズ・フィーを相手方に支払うことで1年間の猶予が与えられる。

② 金融機関その他投資関連以外の第三者が株式会社チョイスホテルズジャパンの株式の20%を取得するか、当社の支配権を取得した場合

③ 同業他社の代表者または代理人が当社もしくは株式会社チョイスホテルズジャパンの取締役に就任した場合

(注)1.本書提出日現在において、上記解約事由のいずれにも抵触しておりません。

2.契約期間については平成24年9月に契約期間の延長に関する契約を締結しております。

 

(2)フランチャイズ契約

当社は当社の連結子会社である株式会社チョイスホテルズジャパンとの間に次の「フランチャイズ契約」を締結しております。

契約締結日

店舗による(対象店舗数:53店舗)

契約の名称

フランチャイズ契約書

契約会社名

株式会社グリーンズ

相手先

株式会社チョイスホテルズジャパン

契約期間

店舗毎に契約締結日から10年間

契約の概要

当社の連結子会社である株式会社チョイスホテルズジャパンから、チョイスホテルズインターナショナル社が保有する商標(ブランド名称)を使用してホテルを営業する許諾を得るフランチャイズ契約

 

対価:

フランチャイズ契約締結の際、1店舗毎に支払うイニシャル・フィー、ホテルの前月の売上高に応じて支払うロイヤリティ・フィー、広告宣伝活動及び販売促進に関する費用としてマーケティング・フィー、予約システムの利用料としてリザベーション・フィー、旅行会社への手数料支払代行費用としてトラベルエージェント・プロセシング・フィーを支払う

 

2.グリーンズホテルズ事業

該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

該当事項はありません。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたっては、過去の実績や取引状況等を勘案し、会計基準の範囲内かつ合理的と考えられる見積り及び判断を行っている部分があり、その結果を資産・負債及び収益・費用の数値に反映しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。

 

(2)財政状態に関する分析

 資産、負債及び純資産の状況

当連結会計年度末における資産につきましては17,364百万円(前連結会計年度末14,432百万円)と、2,931百万円増加いたしました。

うち流動資産は7,425百万円(同4,787百万円)と、2,637百万円増加いたしました。これは主に新規上場に伴う公募増資の実施による現金及び預金の増加によるものであります。

固定資産は9,938百万円(同9,644百万円)と293百万円増加いたしました。これは主に差入保証金等の増加によるものであります。

負債につきましては9,247百万円(同11,217百万円)と1,969百万円減少いたしました。

うち流動負債は3,972百万円(同5,033百万円)と1,061百万円減少いたしました。これは主に短期借入金の減少によるものであります。

固定負債は5,274百万円(同6,183百万円)と908百万円減少いたしました。これは主に長期借入金の減少によるものであります。

純資産につきましては8,116百万円(同3,215百万円)と、4,901百万円増加いたしました。これは主に新規上場に伴う公募増資による資本金及び資本準備金の増加によるものであります。この結果、自己資本比率は46.7%(前連結会計年度末比24.5ポイント増)となりました。

 

(3)経営成績の分析

当連結会計年度の売上高は26,014百万円前期比4.0%増)、営業利益は2,287百万円前期比0.4%増)、経常利益は2,237百万円前期比1.4%減)となり昨年度に引き続き収益構造が改善し、売上高は過去最高の業績を達成いたしました。経常利益は外形標準課税の適用や上場準備関連費用等の増加により減少いたしましたが、一方で、主に減損損失が減少したことより、親会社株主に帰属する当期純利益は1,427百万円前期比10.7%増)となりました。

 

 

  (4)資本の財源及び資金の流動性についての分析

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べて2,625百万円増加し、5,049百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果、獲得した資金は2,231百万円となりました。収入の主な内訳は税金等調整前当期純利益が2,212百万円、減価償却費が386百万円、未払法人税等の増減額が152百万円であり、支出の主な内訳は法人税等の支払額775百万円であります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果、使用した資金は769百万円となりました。支出の主な内訳は有形固定資産の取得による支出が336百万円、差入保証金の差入による支出が242百万円、無形固定資産の取得による支出が154百万円であります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果、獲得した資金は1,163百万円となりました。収入の主な内訳は株式上場による増資資金3,447百万円、支出の主な内訳は短期借入金返済が1,340百万円、長期借入金返済が886百万円であります。