第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

当第1四半期累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期会計期間の末日現在において判断したものであります。なお、当社は、前第1四半期累計期間については四半期財務諸表を作成していないため、前年同四半期累計期間との比較分析は行っておりません。

 

(1)財政状態の状況

(資産)

当第1四半期会計期間末における流動資産は3,824,863千円となり、前事業年度末に比べ109,589千円増加いたしました。これは主に、前渡金が38,940千円減少したものの、現金及び預金が114,415千円、貯蔵品が37,984千円増加したことによるものであります。

また、当第1四半期会計期間末における固定資産は5,101千円となりました。

この結果、資産合計は3,829,965千円となり、前事業年度末に比べ109,341千円増加いたしました。

 

(負債)

当第1四半期会計期間末における流動負債は167,694千円となり、前事業年度末に比べ15,605千円増加いたしました。これは主に、未払法人税等が14,911千円減少したものの、未払金が13,752千円、前受金が12,500千円増加したことによるものであります。

この結果、負債合計は167,694千円となり、前事業年度末に比べ15,605千円増加いたしました。

 

(純資産)

当第1四半期会計期間末における純資産合計は3,662,270千円となり、前事業年度末に比べ93,735千円増加いたしました。これは、四半期純損失145,082千円の計上に加え、第三者割当増資等により資本金及び資本剰余金がそれぞれ119,409千円増加したことによるものであります。

 

(2)経営成績の状況

医薬品業界では新薬の研究開発の難易度が上昇しており、製薬会社は、従来の主役であった低分子医薬に加え、抗体医薬品、遺伝子医薬品、細胞医薬品・再生医療等の新しいタイプの創薬シーズ・モダリティ(創薬技術)を創薬系ベンチャー等から導入して研究開発パイプラインの強化を図っております。

当社が取り組んでいる抗体誘導ペプチド等の機能性ペプチドも新しいタイプの創薬シーズ・モダリティであり、当社は、大学等のシーズをインキュベーションして製薬会社に橋渡しすることで、医薬品業界における大学発創薬系ベンチャーの役割を果たしていきたいと考えております。この役割を担うため、当社は、大阪大学をはじめとする大学等の研究機関との間で、共同研究等により連携を図り、大学の技術シーズを生かした基礎研究を実施しております。更に、当社は、開発品の開発規模(試験規模及び必要資金規模)を踏まえ、医薬品の研究開発プロセスのうち、基礎研究から、一定段階の臨床試験や薬事承認までを実施して技術シーズのインキュベーションを行う方針です。

一方、医薬品の研究開発は期間が長く必要資金も大きいことから、当社は、研究開発段階から製薬会社等との提携体制を構築し、その提携収入等により、研究開発遂行上の財務リスクの低減を図っていく方針です。医薬品の研究開発段階においては、契約一時金、研究開発協力金及び開発マイルストーンを受取り、当社開発品が将来上市に至った場合には、提携製薬会社からのロイヤリティ―収入等によって本格的な利益拡大を実現する計画です。

 

このような業界環境及びビジネスモデルのもと、当社は、大阪大学大学院医学系研究科の研究成果である機能性ペプチド「AJP001」を強みとして展開する抗体誘導ペプチドプロジェクトと機能性ペプチド「SR-0379」を中心に研究開発を進めております。

 

① 抗体誘導ペプチドプロジェクト

当社の創薬活動の強みは、新しいモダリティである抗体誘導ペプチドの創薬プラットフォーム技術「STEP UP(Search Technology of EPitope for Unique Peptide vaccine)」を保有していることです。当社は、機能性ペプチド「AJP001」を利用した創薬プラットフォーム技術により、多様な抗体誘導ペプチドを創生して開発パイプラインの強化を図ってまいります。高額な抗体医薬品に対して医療費を抑制できる代替医薬品として抗体誘導ペプチドを開発することにより、先進国で深刻化する医療財政問題の解決や患者様の経済的負担の軽減に貢献していきたいと考えております。

 

(A)抗体誘導ペプチド「FPP003」(標的タンパク質:IL-17A)

FPP003は、標的タンパク質IL-17Aに対する抗体誘導ペプチドの開発化合物です。先行する抗IL-17A抗体医薬品は、尋常性乾癬、強直性脊椎炎、乾癬性関節炎及びX線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎等の幅広い薬事承認を取得しており、既に世界市場は数千億円規模まで拡大しております。

当社は、2019年4月からFPP003の尋常性乾癬を対象とする第Ⅰ/Ⅱa相臨床試験をオーストラリア(注)で進めております。また、強直性脊椎炎を対象とする前臨床試験を進めております。

なお、FPP003に関しては、2018年3月に大日本住友製薬株式会社との間でオプション契約を締結しており、同社は、北米での全疾患に対する独占的開発・商業化権の取得に関するオプション権を保有しております。

(注)オーストラリアでの臨床試験データは米欧等での承認申請に使用可能であり、次相以降は米国等での臨床試験を想定しております。

 

(B)抗体誘導ペプチド「FPP004」(標的タンパク質:IgE)

FPP004は、標的タンパク質IgEに対する抗体誘導ペプチドの開発化合物です。

先行する抗IgE抗体医薬品は、喘息、慢性蕁麻疹及び花粉症(季節性アレルギー性鼻炎)の薬事承認を取得しております。当社は、日本で患者数が多い花粉症(季節性アレルギー性鼻炎)を対象として開発を開始しており、現在、前臨床試験の段階にあります。

 

(C)抗体誘導ぺプチド「FPP005」(標的タンパク質:IL-23)

FPP005は、標的タンパク質IL-23に対する抗体誘導ペプチドの開発化合物です。

先行する抗IL-23抗体医薬品は、尋常性乾癬、乾癬性関節炎、クローン病及び潰瘍性大腸炎等の幅広い疾患を対象に開発が進んでおります。当社は、2021年1月から前臨床試験を開始いたしました。

 

(D)抗体誘導ペプチドの研究テーマ

抗体誘導ペプチドの探索研究は、大阪大学との共同研究により実施しております。

自社研究テーマは、抗体医薬品の代替医薬品として、アレルギー性疾患を対象とする抗体誘導ペプチドの研究を行っております。更に生活習慣病の高血圧及び抗血栓を対象とする抗体誘導ペプチド、遺伝性疾患の家族性大腸腺腫症を対象とする抗体誘導ペプチドの研究にも取り組んでおります。

また、2018年3月に大日本住友製薬株式会社との間で精神神経疾患を対象とする抗体誘導ペプチドの研究契約、2019年2月に塩野義製薬株式会社との間で疼痛を対象とする抗体誘導ペプチドの共同研究契約(注)を締結し、製薬会社とのアライアンスのもとでの探索研究にも取り組んでおります。

(注)塩野義製薬株式会社との共同研究については、共同研究期間を終え、現在、その研究成果に基づく今後の研究開発方針を両社で協議中です。

 

② 機能性ペプチド「SR-0379」

SR-0379は、皮膚潰瘍を対象疾患とする開発化合物です。皮膚のバリア機能が欠損して様々な細菌が創面に付着している皮膚潰瘍の治療には、細菌、感染のコントロールが重要です。SR-0379は、血管新生や肉芽形成促進による創傷治癒促進作用に加え、抗菌活性を併せ持つことが強みです。当社は、SR-0379の開発により、高齢化社会を迎え重要性が増している褥瘡等の皮膚潰瘍の早期回復を促進し、患者様のQOL向上に貢献することを目指しております。

SR-0379の開発は、複数のアカデミア主導の医師主導治験、更に企業治験を経て、現在、塩野義製薬株式会社と当社の共同開発により日本での第Ⅲ相臨床試験の準備が進んでおります。

 

③ 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)予防ワクチン

当社は、2020年4月から、新型コロナウイルス感染症の制御に重要な予防ワクチン開発に向けて、大阪大学及びアンジェス株式会社との間で、当社の抗体誘導ペプチド等のペプチド技術を活用した次世代ワクチンの共同研究を実施しております。

④ 機能性ペプチドの販売

上記の医薬品以外の分野において、当社の機能性ペプチドを含有する商品として、株式会社ファンケルより2018年3月に「マイルドクレンジングシャンプー」、同年6月に「ボリュームアップシャンプー」が発売され、更に株式会社SMV JAPANより2020年4月から「携帯アルコール除菌スプレー」等が発売されております。

これらの商品販売に関し、当社は化粧品原料商社又は販社に対して機能性ペプチドを販売しております。

 

以上の事業を進めた結果、当第1四半期累計期間の業績は、事業収益1,090千円、営業損失160,401千円、経常損失144,370千円、四半期純損失145,082千円となりました。

 

・事業収益

株式会社SMV JAPAN等に対する機能性ペプチドの販売額1,090千円を計上いたしました。

 

・事業費用、営業損失

事業費用は、161,491千円となりました。

研究開発費は、FPP003の臨床試験費用及び前臨床試験費用、SR-0379の臨床試験準備費用等により107,619千円、その他の販売費及び一般管理費は53,871千円を計上いたしました。

この結果、営業損失は160,401千円となりました。

 

・営業外損益、経常損失

営業外収益は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)からの抗体誘導ペプチド(標的タンパク質:IL-23)の研究開発に対する補助金収入23,333千円を計上いたしました。

営業外費用は、増資に伴う新株式発行により株式交付費6,848千円等を計上いたしました。

この結果、経常損失は144,370千円となりました。

 

・四半期純損失

四半期純損失は145,082千円となりました。

 

 

(研究開発パイプライン)

当社の研究開発パイプラインのうち、本書提出日現在、進行中の医薬品プロジェクトは以下のとおりであります。

 

<開発品>

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(注)1.国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)「創薬支援推進事業・希少疾病用医薬品指定前実用化支援事業」の支援の成果に基づき、開発を進めています。

2.国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)「研究開発型ベンチャー支援事業/橋渡し研究開発促進による事業化支援」の支援の成果に基づき、開発を進めています

 

<研究テーマ>

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(注)国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)「医療分野研究成果展開事業・産学連携医療イノベーション創出プログラム セットアップスキーム(ACT-MS)」の支援の成果に基づき、香川大学、大阪大学及び京都府立医科大学との産学連携により実施しています。

 

なお、当社は医薬品等の研究開発事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの情報は記載しておりません。

 

(3)経営方針・経営戦略等

当第1四半期累計期間において、当社が定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第1四半期累計期間において、当社が優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(5)研究開発活動

当第1四半期累計期間における研究開発活動の金額は107,619千円であります。

なお、当第1四半期累計期間における研究開発活動の具体的な内容は、「(2)経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 

 

3【経営上の重要な契約等】

当第1四半期会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。