第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 当社グループを取り巻く物流業界の経営環境は、ECを通じて購買された商品を安定的に供給する役割を担う物流企業に対する社会的ニーズが高まる中、コロナショック以降大幅に変化しております

 このような状況のもと、当社グループといたしましては、経営資源の集中による効率化と更なるコスト削減を図りつつ、物流企業に対する社会的ニーズや取引先のご要望にお応えできるよう、業務改革や社員一人ひとりの意識・行動変革に取り組んでまいります。また、ドライバーを含め人材不足等の問題に対処するための労働力確保の取り組みを継続し、業容拡大に対処できる人材の確保を図ってまいります。主な施策としましては、以下のとおりとなります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)営業体制の強化

 サードパーティーロジスティクス(荷主が第三者であるロジスティクス業者に対し、物流業務全般を長期間一括して委託すること)の分野でEC市場向けと並行して、小売りチェーンや卸売業など流通業向け、食品や消費財など生活必需品を製造・販売するメーカー向けの新規開拓にも積極的に取り組んでまいります。

 

(2)内部管理体制の強化

 社会から信用・信頼される企業づくりのため、内部管理体制やリスク管理体制を強化し、コンプライアンスの徹底に努めることで、健全な企業経営を推進してまいります。

 

(3)安全対策の強化

 社会的責任を果たすため、安全対策の強化を推進し、作業の安全確保や交通事故の防止などの更なる安全対策の強化に取り組んでまいります。また、車両・施設における環境負荷軽減など、環境保全に対しても積極的に取り組んでまいります。

 

(4)優秀な人材の確保

 労働人口の減少が進行する中、今後の事業拡大及び業容拡大のため多様な人材の確保が必要不可欠となります。このためITツールを積極的に活用し、求人専用サイトやSNSの有効活用など企業プロモーション活動を行うことで、優秀な人材が確保できるよう取り組んでまいります。

 

(5)SDGs(サスティナビリティ)への取り組み

 SDGs(持続可能な開発目標)を当社グループのビジネスに紐づけ、取組みの大小にかかわらず常に検討し、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。

 

(6)DX(デジタルトランスフォーメーション)への取り組み

 物流DXの推進に向けた投資や取り組みを強化し、データやデジタル技術を活用した新たな価値を創出してまいります。

 

(7)経営戦略の現状と見通し

 当社グループは、中長期的な経営戦略に基づき、ECソリューションサービスの営業及び業務の拡大を図るため、営業部門と業務部門が連携し、小売業を中心とした新規顧客の開拓と既存顧客の取引拡大に取り組んでおります。人口が減少に転じており、個人消費の量的拡大は見込めませんが、BtoCサービスとして個人宅への配送など新たな成長分野への展開により業績拡大に努めております。今後の見通しにつきましては、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大により、国内の物流市場についても先行きが不透明な状況が続くとみられており、特に企業間を行き来するBtoB貨物の輸送需要は、国内景気の冷え込みを背景に大幅に減少することが予想されます。輸送需要の減少に伴い事業者間の競争が激化し運賃水準の低下など、企業収益に悪影響を与える環境変化が起こる可能性もあります。

 

(8)経営者の問題意識と今後の方針について

 国内のモノの動きはここ10年来減少傾向が続いています。90年代のピーク時とくらべて現在の貨物輸送量は7割程度と言われます。国内の工場がアジアを中心に次々と海外移転したことが大きな要因となっていますが、それにともなって物流が軽視されてきているのかと言えばそうでなく、ITが飛躍的に進歩したことでいろいろな可能性が広がったように、リアルな物流の世界でもその潜在力に熱い視線が寄せられています。ネット通販など、モノの売られ方の幅が広がり宅配便の個数は年々増加傾向にあり、業界のけん引役となっています。また、より早くそのモノが欲しいという顧客の要望に応えること等、日々複雑に高度化する物流の課題解決などで競争に勝ち残り、成長を維持するためには、ECソリューションサービスに特化すると同時にサービス領域の拡大が重要であると考えます。この実現のため当社グループは、経営資源の集中とそれを支える経営基盤の整備を推進し、どこにも真似のできないECソリューションサービスを目指してまいります。

 

2【事業等のリスク】

 当社グループの事業等のリスクで投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

 当社グループは、これらのリスクを十分に認識した上で、発生を極力回避し、また発生した場合に適切に対応を行うための努力を継続してまいります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、将来においての発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。

 

(1)事業環境に係るリスクについて

①法的規制について

 当社グループは、コンプライアンス経営を最重要課題として認識し、当社グループ一丸となって法令遵守体制を推進しており、現時点におきましては、各種免許の取消事由は発生しておりませんが、将来、各種法令に違反した事実が認められた場合、車両運行の停止、事業の停止、許可の取り消し等の罰則を受ける場合があります。また、今後の各種法令の新設・改正への対応に際し費用負担が生じる可能性があります。これらの事象が発生した場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

主要事業の許認可などの概要

許認可等の名称

法律名

監督省庁

取消事由

一般貨物自動車運送事業

貨物自動車運送事業法

国土交通省

3年の累積期間に、違反点数の付与により、一つの管轄区域に係る累積点数が81点以上となった場合。

貨物利用運送事業

貨物利用運送事業法

国土交通省

貨物利用運送若しくはこの法律に基づく処分又は登録若しくは認可に付した条件に違反したとき。

貨物軽自動車運送事業

貨物自動車運送事業法

国土交通省

不正の手段により届出を行ったとき。

労働者派遣事業

労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(労働者派遣法)

厚生労働省

労働者派遣法に規定する許可の欠格事由に該当した場合(刑法・出入国管理局及び難民認定法等に役員が抵触する行為等)

有料職業紹介事業

職業安定法

厚生労働省

職業安定法に規定する許可の欠格事由に該当した場合(刑法・出入国管理局及び難民認定法等に役員が抵触する行為等)

 

②原油価格の高騰について

 当社グループは、貨物自動車運送事業を行っているため、原油価格の高騰に伴い軽油燃料価格が上昇した場合、運送コストの増加は避けられません。運送コストの増加分を運賃に転嫁できない場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

③同業他社との競合について

 当社グループは、ECソリューションサービスを中心としたサービスを行っており、EC市場において業務請負を主たる事業とする企業等と競合しております。当社グループは、顧客の求めるニーズに対応すること及び顧客に当社独自の提案を行うことにより差別化を図っており、今後も競争力の維持・強化に向けた様々な取り組みを進めてまいりますが、差別化ができなくなったことにより将来にわたって優位に展開できなくなる可能性があります。これらの事象が発生した場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

④新型コロナウイルス感染症による業績への影響について

 新型コロナウイルス感染症について、今後更なる感染拡大となった場合には、従業員等への感染や、顧客企業での事業活動の縮減など、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)事業運営体制に係るリスクについて

特定取引先への依存について

 当社グループは、ECソリューションサービスを主たる事業としているため、特定の取引先に対する依存度が高くなる傾向にあります。最大手顧客であるアマゾンジャパン合同会社への第8期連結会計年度の売上高は、当社グループ売上高の69.9%を占めております。同社とは、引き続き現状の関係を維持していくために競争力の維持・強化に向けた様々な取り組みを進めてまいりますが、将来において個人消費の低迷など何らかの要因により、同社の事業戦略に変化が生じ取引契約の条件変更或いは契約解消が起こった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

②重大な事故の発生について

 当社グループは、貨物自動車運送事業を営む上で多くの事業用車両を保有し、多種多様な商品の輸配送を行っており、運行管理の徹底、安全運転の指導等の安全活動に積極的に取り組んでおります。しかしながら、万一重大な車両事故又は貨物事故が発生した場合には、顧客の信頼及び社会的信用が低下するとともに、事業所の営業停止、事業許可の取消しなどの行政処分を受ける可能性があります。これらの事象が発生した場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

③重大な災害の発生について

 当社グループは、数多くの物流センターの運営を受託し、顧客企業の商品やそれらに関わる情報を取り扱っていることから、災害の未然防止、災害発生時における対応方法の策定及び、バックアップ体制の構築に取り組んでおります。しかしながら、火災、地震、風水害などの災害や停電の発生等により、輸配送経路の遮断、物流システムの停止等の事態が発生した場合、業務の停滞を招く可能性があります。これらの事象が発生した場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

④顧客情報管理について

 当社グループは、ECソリューションサービスの提供に際し顧客情報等を取扱っているため、社内教育を通じてセキュリティの強化や個人情報管理の徹底など、情報管理に努めています。しかしながら、情報の外部漏洩やデータ喪失などの事態が生じた場合、当社の社会的信用の低下を招くだけでなく、損害賠償請求を受ける可能性があります。これらの事象が発生した場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤システムダウンについて

 当社グループは、情報管理をシステム化しております。ウイルス対策やバックアップセンター機能の構築などの対策を講じておりますが、万一、自然災害の他、コンピュータウイルスやハッキング等により、システムの長期間の停止を余儀なくされた場合、これらの事象が当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥人材の確保及び育成について

 当社グループは、今後の業容拡大のために管理能力の高い優秀な人材の確保及びその育成が急務となっております。当社グループは採用を積極的に行うことにより、優秀な人材の確保に努めるとともに、社内研修制度の充実を図り、管理者の育成に注力してまいります。また、取引先の業務推進に必要な人員を迅速かつ十分に提供することを期待されており、アルバイトの直接雇用及びパートナー企業の活用により人員の確保に努めております。しかしながら、今後の景気回復に伴う求人の増加により計画どおりの採用が困難、もしくは、雇用、活用に伴う費用の上昇が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦特定人物への依存について

 当社の代表取締役である榎屋幸生は、当社設立以来の代表取締役であります。同氏は経営方針や経営戦略等、当社グループの事業活動において重要な役割を果たしており、同氏に対する当社グループの依存度は高くなっております。

 当社グループにおいては、同氏に過度な依存をしない経営体制を構築すべく、事業本部に権限委譲を進めておりますが、何らかの理由で同氏の業務遂行が困難になった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑧小規模組織であることについて

 当社グループは、2021年3月31日現在、取締役14名、監査役5名、従業員397名で構成されており、現在の内部管理体制はこの規模に応じたものとなっています。当社グループは今後、業容の拡大及び従業員の増加にあわせて組織整備、内部管理体制の拡充を図る予定ですが、拡充が順調に進まなかった場合には、当社グループの業務に支障が生じ、経営成績及び今後の事業展開に影響を受ける可能性があります。

(3)その他

①配当政策について

 当社グループは成長性を第一義と考えており、当面の間は成長資金を要すると考えられますので、内部留保の確保に努めていく方針であります。今後、経営成績及び財政状態等を勘案しながら余剰資金が生まれたと判断される場合、一定の利益を配当することを検討いたします。

 

②大株主の存在について

 当連結会計年度末現在、当社筆頭株主の元代表取締役である金森勉氏及び同氏の資産管理会社である株式会社Kanamoriアセジメント、同氏が経営するアセジメント合同会社、株式会社ヴィ企画が所有する当社株式の総数は6,009,500株であり、当社グループの発行済株式総数に占める割合は55.5%であります。中長期的な安定株主として当社株式を保有いただいており、当社株式を売却する場合には可能な限り市場動向に配慮しながら行う旨、確認しております。しかしながら将来的に当社株式が売却された場合、当社株式の市場価格や流通状況に影響を及ぼす可能性があります。

 なお、金森勉氏が経営する企業において派遣業を営んでおりますが、現時点で当社グループとの取引は無く、今後も取引を行う予定が無いため、コーポレート・ガバナンスに重要な影響を与える特別な事情はありません。万が一、当社グループが金森勉氏及びその近親者との取引を行う場合は、取引条件の妥当性、当該取引の合理性を検討した上で取締役会の承認を得ることとしており、取引の適正性を確保する体制を築いております。同氏には、当社グループの経営に介入する意思がない旨について確認しておりますが、議決権の行使により当社の役員の選解任、他社との合併等の組織再編、減資、定款変更等の当社の株主総会決議の結果に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

③新株予約権の行使による株式価値の希薄化について

 当社は、取締役及び従業員に対して、業績向上に対する意欲を高めることを目的としたストックオプション(新株予約権)を発行しております。ストックオプションが権利行使された場合には、当社株式が新たに発行され、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。なお、当連結会計年度末現在、新株予約権による潜在株式数は27,200株であり、発行済株式総数10,822,800株の0.3%に相当しております。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 ①経営成績の状況

 当連結会計年度における我が国経済は、世界中で猛威をふるっている新型コロナウイルス感染症(以下「新型コロナ」という)の感染拡大の影響で大打撃を受けました。年度後半に入ると世界各国でワクチン接種が本格化し、日本においても医療従事者や高齢者などを対象にした接種がスタートしたものの、その一方で変異株の出現などが明らかとなりました。国内の感染状況は依然として一進一退の状態が続いており、それに伴い、景気の回復も大幅に遅れてしまっているのが実情です。国内のワクチン接種は当初計画から大きくずれ込んでおり、景気低迷のさらなる長期化も懸念され始めています

 国内の物流市場も新型コロナにより多大な影響を受けています。トラック輸送の領域では、企業間を行き来する貨物の荷動きが落ち込み、運賃は値下げ基調に転じています。ネット通販などのECや流通業の分野では、比較的荷動きが活発に推移しているものの、トラック輸送の市場全体は縮小傾向にあります

 当連結会計年度において「オペレーションサービス」では、大手ネット通販会社向け物流センターの運営受託業務を中心に事業を展開しました。全国各地の物流施設において、従業員の新型コロナへの感染や事業所内クラスターの発生などが懸念される中、ファイズオペレーションズでは「『ソーシャル・ディスタンス』の確保を大前提とした新たな庫内オペレーション体制」を確立・運用し、スタッフの安全確保や「物流を止めない」センターオペレーションを実現してきました。その結果、「巣篭もり消費」で出荷ボリュームが軒並み拡大する環境下でも、高い作業生産性を維持することができました

 また、EC向け以外でも、新規プロジェクトとして第1四半期にスタートした関東エリアでの大手流通業向け一括物流センターの運営業務や、第4四半期にスタートした関西エリアでの大手消費財メーカー向けマザーセンターの運営業務などにおいて、安定した稼働を実現できました。

 「オペレーションサービス」では、既存クライアントの出荷増や販促キャンペーン実施などを背景に、通期にわたってスタッフ採用に積極的に取り組みました。労働力不足で売り手が優位だった採用市場は、新型コロナ以降、買い手市場に転じました。こうした環境の変化もあり、広告出稿費など採用に掛かるコストを低く抑えながら、人員増強を図ることができました。

 「ロジスティクスサービス」では、利用運送事業である配車プラットフォームサービス(T-Board)の育成に力を注ぎました。EC領域をはじめ、食料品や生活関連商材など新型コロナの影響を受けにくい領域にターゲットを絞って営業活動を展開したことが奏功し、利用登録事業者数(荷主および実運送会社)、成約件数ともに大きく伸ばすことができました。

 一方、実運送では、EC関連貨物を対象にした拠点間輸送の受託件数が大幅に伸長しました。また、当連結会計年度内に中央運輸が当社グループに新たに加わり、稼働トラック台数が増加しました。メーカーの工場〜メーカーの物流センター間、配送デポ間といった新規の定期輸送案件の開拓にも成功しました。

 「デリバリーサービス」では、宅配便の集配代行業務での対象エリア拡大や、既存受託エリアでの増車対応などを推進しました。さらに、ラストワンマイル領域では、EC関連貨物の個人宅への配送や、百貨店の配達代行、フードデリバリー代行といった既存サービスを強化するとともに、新たに生活必需品の定期個配サービスをスタートしました。

 管理面において翌連結会計年度以降のさらなる成長を見据え、従業員の採用及び教育について積極的に投資を行いました。

 以上の結果、当連結会計年度における経営成績は、売上高12,951,260千円(前年同期比21.7%増)、営業利益595,703千円(同70.6%増)、経常利益584,383千円(同67.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益376,499千円(同104.7%増)となりました。

 

 セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。各セグメントの売上収益は外部顧客に対するものです。

 ECソリューションサービス事業

 「巣篭もり消費」拡大や販促キャンペーンなどによって、ネット通販会社向け物流センターの運営受託事業では、入出荷量が大幅に増加しました。また、大手流通業向け一括物流センターの運営業務や、大手消費財メーカー向けマザーセンターの運営業務も堅調に推移しました。

 輸配送事業では、配車プラットフォームサービスの取り扱い件数が伸長するとともに、新規荷主の獲得に成功し、ファイズトランスポートサービスや中央運輸といったグループ会社での実運送事業収入が拡大しました。

 センター運営事業および輸配送事業での収入増を図る一方で、採用コストの抑制や運行経費見直しなどコスト削減策に取り組んだ結果、当セグメントの売上高は12,902,049千円(前年同期比21.5%増)、セグメント利益は649,871千円(同8.8%増)となりました。

 ECソリューションサービス事業の各サービス別の売上は次のとおりであります。

 ⅰ  オペレーションサービス

 コロナ禍での購買行動の変化などを受けて、国内のEC化率は右肩上がりで推移しています。それに伴い、EC向け物流センターの運営業務ニーズは旺盛で、既存クライアントの入出荷量は拡大傾向が続きました。また、一括物流センターやメーカー向けマザーセンターといったEC以外のセンター運営事業も安定的に推移しました。その結果、売上高は9,129,239千円(前年同期比18.1%増)となりました。

 ⅱ  ロジスティクスサービス

 国内全体の荷動き低迷が続く中、ECや食料品、生活関連商材などをターゲットにした営業活動を強化した結果、配車プラットフォームサービスや実運送サービスにおける新たなクライアント獲得に成功しました。物流センター間で発生する横持ち幹線輸送業務、メーカー工場〜物流センター間、配送デポ間といった輸送案件の新規開拓にも取り組みました。その結果、売上高は3,257,760千円(前年同期比47.9%増)となりました

 ⅲ  デリバリーサービス

 大手宅配便会社(日系および外資系)向けに提供する集配代行業務での投入車両数の増加や対象エリアの拡大を進めました。贈答品の宅配やフードデリバリー、生活必需品の定期個配といったラストワンマイル領域での事業拡大も図りました。その結果、売上高は515,048千円(前年同期比25.4%減)となりました。

 ⅳ その他

 その他サービスとしては、IT技術者の派遣や各種情報システムの開発、ウェブサイト制作といったシステムコンサルティングサービスを提供しました。当連結会計年度より本格化している人材紹介事業では、取り扱い実績を大幅に伸長させることができました。その結果、売上高は49,211千円(前年同期比173.2%増)となりました。

 

 ②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)1,696,057千円と前連結会計年度末と比べ610,966千円の増加となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益602,120千円、減価償却費104,759千円、未払消費税等の増加183,228千円等の資金の増加要因と、売上債権の増加15,234千円、法人税等の支払額213,493千円等の資金の減少要因により、703,379千円の収入(前年同期は322,670千円の収入)となりました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動によるキャッシュ・フローは、無形固定資産の取得による支出62,206千円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出58,889千円等の資金の減少要因により、71,386千円の支出(前年同期は450,977千円の収入)となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入れによる収入330,000千円、短期借入金の増加146,000千円等の資金の増加要因と、ファイナンス・リース債務の返済による支出17,883千円、長期借入金の返済による支出475,578千円等の資金の減少要因により、21,026千円の支出(前年同期は373,345千円の支出)となりました。

 

 ③生産、受注及び販売の実績

 ⅰ生産実績

 当社グループはECソリューションサービス事業中核とするサービス提供が主要な事業であるため、記載を省略しております。

 

 ⅱ受注実績

 当社グループはECソリューションサービス事業中核とするサービス提供が主要な事業であるため、記載を省略しております。

 

 ⅲ販売実績

 当連結会計年度の販売実績は次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2020年4月1日

 至 2021年3月31日)

前年同期比(%)

ECソリューションサービス(千円)

12,902,049

121.5

その他(千円)

49,211

273.2

合計(千円)

12,951,260

121.7

 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

3.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

連結会計年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

連結会計年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

アマゾンジャパン合同会社

6,945,549

65.3

9,056,989

69.9

 (注) 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

  文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討な内容

(資産)

 当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,451,573千円増加し、4,230,639千円となりました。これは主に現金及び預金が614,591千円増加したこと及び株式会社中央運輸の子会社化により車両運搬具が103,796千円、土地が287,999千円増加したことによるものであります。

 

(負債)

 当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ1,040,440千円増加し、2,530,624千円となりました。これは主に未払費用が93,207千円増加したこと及び株式会社中央運輸の子会社化により1年以内返済予定の長期借入金が105,592千円、長期借入金が359,064千円増加したことによるものであります。

 

(純資産)

 当連結会計年度における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ411,133千円増加し、1,700,014千円となりました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益の計上に伴う利益剰余金の増加等によるものであります。

 

(売上高、営業利益)

 当連結会計年度の売上高は、オペレーションサービス及びロジスティクスサービスにて主要顧客の通販関係荷量が伸長した結果、前連結会計年度に比べ21.7%増加し12,951,260千円となりました。

 営業利益につきましては、管理体制の強化やガバナンス体制の強化に積極的に取り組むための人員増加による人件費の増加および翌連結会計年度以降のさらなる成長を見据え、従業員の採用及び教育について積極的に投資を行った結果、前連結会計年度に比べ70.6%増加し595,703千円となりました。

 なお、セグメント別売上高の状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析  (1) 経営成績の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載しております。

 

(営業外損益、経常利益)

 当連結会計年度の営業外収益は、助成金収入及び固定資産売却益等の計上により25,431千円となりました。また、営業外費用は、新型コロナ感染症による損失及び敷金解約損等の計上により36,750千円となりました。

 以上の結果、当連結会計年度の経常利益は前連結会計年度に比べ67.5%増加し584,383千円となりました。

 

(特別利益、税金等調整前当期純利益)

 当連結会計年度の特別利益は、株式会社中央運輸の子会社化にともなう負ののれん発生益の計上により17,736千円となりました。

 以上の結果、当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は前連結会計年度に比べ80.5%増加し602,120千円となりました。

 

(親会社株主に帰属する当期純利益)

 当連結会計年度の法人税等は222,865千円となりました。この結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ104.7%増加し376,499千円となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 

 キャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況  3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析  (1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照下さい。

 

③資本の財源及び資金の流動性

 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、人件費及び外注費のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。

 当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。

 運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としております。M&A等により大型の投資資金が必要になった場合には、財務健全性を考慮しながら長期借入を行うことを検討してまいります。

 なお、当連結会計年度末におけるリース債務を含む有利子負債の残高は604,522千円となっております。また、当連結会計年度における現金及び現金同等物の残高は1,696,057千円となっております。

 

④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、基礎となる見積り、判断及び仮定を過去の経験や状況に応じ合理的と判断される入手可能な情報により継続的に検証し、意思決定を行っておりますが、これらの見積り、判断及び仮定は不確実性が伴うため、実際の結果と異なる場合があります。

 

 連結財務諸表の作成で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項 4.会計方針に関する事項」に記載のとおりであります。

 

⑤経営成績に重要な影響を与える要因について

 当社グループは、「第2 事業の状況  2 事業等のリスク」に記載のとおり、法的規制の変化、顧客の動向、競合との競争の激化、人材の確保及び育成、システム障害等、様々なリスク要因が当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。

 そのため、当社グループは法令遵守の浸透、顧客ニーズへの対応、新たなサービス開発、優秀な人材の確保と育成、システム基盤の増強等により、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散し、リスクの発生を抑え、適切に対応していく所存であります。

4【経営上の重要な契約等】

 当社は、2020年7月21日開催の取締役会において、株式会社中央運輸の全株式を取得し、子会社化することについて決議し、同日付にて株式譲渡契約を締結いたしました。

 詳細は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」に記載のとおりであります。

 また、2021年3月22日開催の取締役会において、ブリリアントトランスポート株式会社が実施する第三者割当増資を引き受け、子会社化することについて決議し、同日付にて投資契約を締結いたしました。

 詳細は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」に記載のとおりであります。

 

5【研究開発活動】

 該当事項はありません。