第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当第3四半期連結累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

(1)経営成績の状況

 当第3四半期連結累計期間における我が国経済は、依然として収束の兆しが見えない新型コロナウイルス感染症(以下「新型コロナ」という)拡大の影響で、冷え込んだ状態が続きました。「GOTOトラベル」や「GOTOイート」といった政府の景気浮揚策は一定の成果が見られたものの、昨秋以降、国内感染者数が増加に転じたことを受けて、年明け早々には再び緊急事態宣言が発出されるなど予断の許さない状況が続いています。海外では一部先進国において、感染防止のためのワクチン接種などがスタートしましたが、その効果が未知数なこともあり、グローバル経済が完全に回復するまでには長い時間を要すると見られています

 国内の物流市場も新型コロナによる不振が深刻化しています。トラック輸送分野では、企業間を行き来する貨物の荷動きが回復せず、運賃水準は低位での推移を余儀なくされています。EC領域においてはコロナ禍でも「巣篭もり消費」により、倉庫(物流センター)では入出荷量の増加、配送では宅配便の取扱個数の増加などが続いているものの、物流市場全体を押し上げるまでの大きなインパクトには至っていません

 このような厳しい経済・社会情勢の中、当社グループでは、主にEC(注1)ビジネスを手掛ける企業を対象にしたサードパーティー・ロジスティクス(3PL)(注2)事業である「ECソリューションサービス事業」として、①物流センターの運営機能(業務)を提供する「オペレーションサービス」、②拠点間の幹線輸送や配車プラットフォーム機能の提供(利用運送)などを手掛ける「ロジスティクスサービス」、③ルート配送やラストワンマイル配送などを担う「デリバリーサービス」の3つのサービスメニューを軸に事業拡大を図ってきました

 「オペレーションサービス」では、引き続き、大手ネット通販会社向け物流センターの運営受託を中心とした事業を展開しました。全国各地で物流センターにおける新型コロナ感染者の発生が報道される中、ファイズオペレーションズではスタッフの安全確保や入出荷オペレーションの安定継続を実現するための「『ソーシャル・ディスタンス』の確保を大前提とした新たな庫内オペレーション体制」の確立・運用に力を注いできました。その結果、クラスター発生など大きな障害に見舞われることもなく、「巣篭もり消費」で出荷ボリュームが拡大する中でも、高い作業生産性を維持することができました。

 また、新規プロジェクトとしてスタートした関東エリアでの大手流通業向け一括物流センターの運営業務も、コロナ禍でも安定稼働を続けることができました。

 「オペレーションサービス」では、既存クライアントの出荷増や販促キャンペーン実施などを背景に、スタッフ採用に積極的に取り組みました。労働力不足のため、売り手が優位だった採用市場は、新型コロナ以降、買い手市場に転じています。こうした環境の変化もあって、広告出稿費など採用に掛かるコストを低く抑えながら、人員増強を図ることができました。

 「ロジスティクスサービス」では、配車プラットフォームサービス(T-Board)において、国内での輸送需要が冷え込む中でも、利用登録事業者数(荷主および実運送会社)、成約件数ともに大きく伸ばすことができました。EC領域をはじめ、食料品や生活関連商材など新型コロナの影響を受けにくい領域の輸送需要に焦点を当てた営業活動を展開したことが奏功しました。

 実運送では、EC関連貨物を対象にした拠点間輸送の受託件数が大幅に増加しました。また、2020年7月より中央運輸が当社グループに新たに加わり、稼働トラック台数が増加しました。コスト面では、軽油・ガソリンの市場価格の下落や、グループ全体での共同購入の推進などが運行経費の削減に寄与しました。

 「デリバリーサービス」では、宅配便の集配代行業務での対象エリア拡大や、既存受託エリアでの増車対応などを推進しました。さらに、ラストワンマイル領域では、EC関連貨物の個人宅への配送や、百貨店の配達代行、フードデリバリー代行といった既存サービスを強化するとともに、当連結会計年度または翌連結会計年度での立ち上げを視野に入れた新規受託案件の開拓などに取り組みました。

 以上の結果、当第3四半期連結累計期間における経営成績は、売上高9,741,683千円(前年同四半期比25.5%増)、営業利益505,165千円(前年同四半期比162.8%増)、経常利益504,292千円(前年同四半期比136.9%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益324,933千円(前年同四半期比142.7%増)となりました。

 

 セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。セグメントの売上高は外部顧客に対するものです。

 ECソリューションサービス事業

 「巣篭もり消費」拡大や販促キャンペーンなどによって、ネット通販会社向け物流センターの運営受託事業では、入出荷量が大幅に増加しました。また、大手流通業向け一括物流センターの運営業務も堅調に推移しました。

 輸配送事業では、配車プラットフォームサービスの取り扱い件数が伸長するとともに、ファイズトランスポートサービスや中央運輸といったグループ会社での実運送事業収入が拡大しました。

 センター運営事業および輸配送事業の収入アップに取り組んだ結果、当セグメントの売上高は9,697,133千円(前年同四半期比25.1%増)となりました。セグメント利益については、採用コストの抑制や運行経費の見直しなどコスト削減策を推進した一方、事業規模拡大に伴うグループ内での管理費用の負担増加により、セグメント利益は545,667千円(前年同四半期比4.0%減)となりました。

また、ECソリューションサービス事業の各サービス別の売上は次のとおりであります。

 ①  オペレーションサービス

 「巣篭もり消費」拡大や販促キャンペーンなどによって、ネット通販会社向け物流センターの運営受託事業では、入出荷量が大幅に増加しました。また、一括物流センターや配送デポといったEC以外のセンター運営事業も安定的に推移しました。その結果、売上高は7,003,789千円(前年同四半期比23.2%増)となりました

 ②  ロジスティクスサービス

 国内全体の荷動き低迷が続く中、ECや食料品、生活関連商材などをターゲットにした営業活動を強化し、配車プラットフォームサービスや実運送サービスにおける新たなクライアント確保に努めました。物流センター間で発生する横持ち幹線輸送業務の新規開拓にも取り組みました。その結果、売上高は2,308,304千円(前年同四半期比46.5%増)となりました

 ③  デリバリーサービス

 大手宅配便会社(日系および外資系)向けに提供する集配代行業務での投入車両数の増加や対象エリアの拡大を進めました。贈答品の宅配やフードデリバリーといったラストワンマイル領域での事業拡大も図りました。その結果、売上高は385,039千円(前年同四半期比21.5%減)となりました。

 その他

 その他サービスとしては、IT技術者の派遣や各種情報システムの開発、ウェブサイト制作といったシステムコンサルティングサービスを提供しました。また、当連結会計年度より本格化している人材紹介事業では、取り扱い実績を伸長させることができました。その結果、売上高は44,549千円(前年同四半期比298.6%増)となりました。

(注1)ECとは、インターネットやコンピュータなど電子的な手段を介して行う商取引の総称。また、Webサイトなどを通じて企業が消費者に商品を販売するオンラインショップのこと

(注2)サードパーティーロジスティクスとは、荷主が第三者であるロジスティクス業者に対し、物流業務全般を長期間一括して委託すること

 

(2)財政状態の状況

(資産)

 当第3四半期連結会計期間末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,560,161千円増加し、4,339,226千円となりました。これは主に現金及び預金が524,606千円、売掛金が373,451千円増加したこと及び株式会社中央運輸の子会社化により車両運搬具が103,796千円、土地が287,999千円増加したことによるものであります。

(負債)

 当第3四半期連結会計期間末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ1,202,198千円増加し、2,692,382千円となりました。これは主に未払費用が307,430千円、短期借入金が180,000千円増加したこと及び1年内返済予定を含む長期借入金が358,676千円増加したことによるものであります。

(純資産)

 当第3四半期連結会計期間末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ357,962千円増加し、1,646,844千円となりました。これは主に四半期純利益の計上に伴う利益剰余金の増加等によるものであります。

 

(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(4)研究開発活動

 該当事項はありません。

 

(5)従業員数

 当第3四半期連結会計期間末における従業員数は373名(1,318名)と、前連結会計年度末に比べ103名(188名)増加しておりますが、その主な理由は、ECソリューションサービス事業における株式会社中央運輸の子会社化及びオペレーションサービスの業務拡大による人員増加であります。

 なお、従業員数は就業人数(アルバイト社員を除く)であります。従業員数(外書)は、アルバイト社員の当第3四半期連結累計期間の1人1日8時間換算による平均人数を記載しております。アルバイト社員は、パートタイマーを含み、派遣社員を除いております。

 

(6)主要な設備

 当第3四半期連結累計期間において、株式会社中央運輸を連結子会社化したことにより、次のとおり、主要な設備が増加しています。

会社名

(所在地)

セグメント

の名称

設備の内容

帳簿価額

建物

(千円)

車両

(千円)

土地

(千円)

合計

(千円)

株式会社中央運輸 本社

(神奈川県厚木市)

ECソリューションサービス事業

本社建物、車両、土地

63,479

103,796

287,999

455,275

(注) 金額には消費税等を含めていません。

 

(7)経営成績に重要な影響を与える要因

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

 

3【経営上の重要な契約等】

 当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。